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(1) ケーススタディの意図
昨今,グローバル化やインターネットの普及による経済環境の一層の複雑化に伴い,日本企業 の競争力に関する議論が活発化している。これまで差別化の源泉であった技術力が世界的に均一 化し,価格競争に突入している市場も少なくない。日本のものづくりを支えてきた部品メーカー でもそれは同様であり,各社がそれぞれ差別化を目指さなくては生き残れない時代となった。そ のような経営環境で注目されているのがブランドである。
本ビジネスケースは,部品メーカーにおけるブランド構築についてのディスカッションを行う ことを目的として執筆された。ケースとして取り上げた株式会社シマノは,部品メーカーであり ながら世界的なブランドを構築することに成功し,自転車部品や釣具で大きなシェアを誇ってい る。シマノのブランド構築は消費者の要望に忠実な技術開発と大胆な実行力に基づいたものであ る。
ケースの構成は,大きく2つに分けられる。前半はシマノという企業に関する情報を時系列に 沿って紹介し,そのブランド構築プロセスを明確にしていく。後半からは,筆者が行ったインタ ビュー記事となっている。これはシマノの各事業の小売店やユーザーに対して,シマノやその製 品のブランドイメージについて質問をしたものである。また,巻末に付録としてティーチングポ イントとディスカッションポイントを付与した。
(2) ケース討議のための質問
① シマノはどのようにして自転車部品をブランド化したか ② 自転車部品のブランド力は他の事業に好影響を与えたか ③ ゴルフ事業とスノーボード事業からなぜ撤退したのか
(3) 想定されるディスカッションのポイント
主に想定されるディスカッションのポイントは以下の3つである。
① シマノのもつ技術的基盤とその応用性の高さ
② 顧客(完成車メーカー,小売店,ユーザー)とのコミュニケーション ③ 成功した事業と,そうでない事業の市場・戦略の違い
株式会社シマノ
長岡慎太郎 ビジネス・ケース アブストラクト