北 海道 の雪氷 No 16(1997)
砂 を含 む氷 の 一 軸 圧 縮破 壊 強 度 の研 究
本池 真生男
,庄
子 仁 (北見工業大学)1 研 究 目的
土が凍 つて凍上 にな るとその強 さは著 しく増加す る この こ とが
,北
海道 の よ うな寒い地域 での土木工事 を困難 に させ
,一
方で は,軟
弱地盤 を一時的 に凍 らせ て掘削を行 う 地盤凍結 工法 に利 用 され てい る また,自
然状態 で存在す る氷 を機械的 に扱 う場合 も土 粒 子 の存在 を無視す るこ とはで きない いずれ に して も,氷
と上の混合 固体 の凍結状態 を知 り,そ
の力学的特性 を理解 す るこ とが基本的 に重要で ある 本研究 では氷 と土 によ る混合 固体の力学的特性 の うち,特
に破壊過程 に関す る理解 を深 め るために,砂
を含む 氷 の一軸圧 縮破壊 実験 を行 い,そ
の濃度依存性 を広範囲にわたつて調べた2 実験方法
実験 には低 温室 (‑20 C)内に設置 した一軸圧縮試験機 (ひずみ速度制御式
)を
使 用 し,各
圧縮試片 についての変位 と荷 重 をX― Yレ
コー ダー で記録 した 実験条件 はひ ずみ速度 を 09〜 12x104/s,試 験 温度 を‑10〜
‑14・Cと
し,砂
の濃度 を 0〜 94 vt%の 範囲で変化 させ た
3 試料
試料 は
,蒸
留水 か ら作 つた粉末状 の種氷 と砂 とを攪拌 して容器 の中に入れ,脱
気 した蒸留水 を下か ら浸透 させ て凍結 させ る方法 で作成 した この方法 は
,砂
粒子 の沈降が抑 止 され,容
器 上方へ脱気 がで きる とい う利点 があ る そ こか ら 25x25x75mmの直方体 を 切 り出 して圧 縮試 片 と したこの際 試 片 の
切 り出 しはバ ン ドソー ま た は手鋸 を使 用 し, 表面仕上 げは試片の砂濃度 によつて ミクロ
トームかポ リネ ッ トで行 つた
砂 は豊浦砂
(密
度264g/cm3,50囃
径 0 24 1ul)を 用 いた
.試
料の薄片観 察を 行 った ところ,砂
粒子 はそのほ とん どが氷 の結晶粒界 に存在 していたが,な
かには結晶中に取 り込 まれ てい るもの もあつた ま た
,氷
の結晶粒径 は純氷 で約 2 11ulであ り,砂 を混入 させ ると粒径 は小 さくなつた
4 実験結果
実験 で得 られ た応カ ーひず み 曲線 は
,機
械 の弾性 特性 や圧 縮試片 の形状の影響 な どを 受 けた曲線 として立ち上が るが,ま
もな く弾性領域 を表す直線部分へ と移行す る この直線 の傾 きを測 つて変形係数
EDと
した 直線 か らはずれ て最大荷重を示す ときの応力︵訳
︶ 掛 体 に 嘱 颯 口 輌
50%粒径 0 24 mm
Obπ
F
01 0.24 1.o粒径 (mm) 豊浦砂 の粒径加積曲線
図 1
‑17‑
北海道の雪氷 No 16(1997)
を一 軸 圧 縮 破 壊 強 度
quと
したそ の後 の応 力 降 下 につ い て は
,ひ
ず み に関 して ほ ぼ指 数 関数 的 に低 下す る小 ク ラ ックの 大 量 発 生 は直線 部 分 の終 わ りあ た りか ら始 ま り
,各
圧 縮 試 験 が 終 わ るま で継 続 した
純 氷 にお い て 4〜5 MPaであ る
quは
,C▼ の増 加 に伴 い 単調 に増 加 す るが,Cwが
約80%に
な る と 8〜9 MPaで最 大 とな り,そ
れ 以 上Cvが
増 加 す る とquは
急 激 に小 さくな る (図
2)こ
の2つの濃 度 範 囲 につ い て 以 下 の 実験 式 が得 られ た Cw = 0´‐80 % qu = 3 3 x10 2 c. + 3 9Cw = 80‑94 % qu = ‑4 2 x10 l Cv + 4 2 x10
各 試 片 の破 壊 状 態 の 特 徴 と して は
,Cwが
小 さい ほ ど大 き な ク ラ ックが生 じや す い 傾 向 が あ り,Cwが 80%以
上 の試 片 で はせ ん断破 壊 が見 られ たCwの
増加に ともな うEmの
変化 は,quの CI依
存性 ときわめて類似 してお り(図 3),quは
E皿 の約102倍
の値 をとることがわかつた (qu=86x10 3 Em+59).応力が
quと
な るときのひずみ は,CVが
約80%ま
での範囲では約 1%でほ とん ど 一定 していたのに対 して,そ
れ以上の濃度では 2%近くまで増加 した■
●■
︶ ョ
︒ 当 墾 面 壼 T
砂体菫濃度 Cv〈χ)
¨
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30 砂凛鷹 Ow
qu ― Cw
囀ゆ 6 3
‑ 暉縮強康 qu(MPa) 図
3[m―
qu図 2
5 考察
圧縮試 片の破壊状態 の違 いな どか ら
,CTが
約80%に
な るまでquが
増大す るのは,砂粒子 が クラ ックの伝播 を阻害す るた め と思 われ る 今回の試料作成方 法で砂 を詰 め込 む こ とのでき る限界 は測定 に よる と体積 濃度 Cv=60%で
,こ
の ときのCwが
約 80%であ ることよ り
,quが
最 大 とな るの は砂 の充壊状態 が最密 でその間隙が氷 について飽 和 してい る場合 で あ る とい え る Cwがそれ以上 の値 を とってい る領域 では,砂
粒 子 の 間隙 を埋 め る氷 の量の減少 によ り見 か け上 のCvが
増加 してい るもの と考え られ,砂
粒子 の接合物質 としての氷 の量の減少 が
,quの
低 下を もた らしてい るもの と思われ る 参考文献高志 勤 他 :砂 凍土の一軸圧縮強 さに関す る実験的研究
,土
木学会論文報告集,1980 高志 勤 他 :砂 質凍土の一軸圧縮強度,第
13回土質工学会研究発表会講演集,1978 井上 正則 他 :凍 上の圧縮強度 と動的性質,低
温科学物理篇,1975Hook,Dahlin and Kauper:Creep of ice containing dispersed fine sand, 」Ournal of Glaciology, 1972
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‑18‑