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巻   頭   言

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Academic year: 2021

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巻   頭   言

長崎短期大学 学長

安 部   恵 美 子

 新制大学制度が発足して 70 年を過ぎ、「大衆化と市場化」が強まる大学は大きな転換期を迎えて います。この「大衆化と市場化」は、大学の教育研究システムにも大きな影響を与えているといわ れています。

 日本高等教育学会の元会長で、社会工学が専門の矢野眞一氏(東京工業大学名誉教授)が、大学 の教育研究システムの変化に関して、興味深い指摘をされています。以下に引用

1)

をしてみます。

 『大衆化と市場化が進めば、教師の自由な研究成果をそのまま学生に教授し、それが分からない学 生は駄目だと教師が権威を強調するモデル(モードⅠ)は、大きく崩れる。これに代わって、教育 と研究を分離し、研究とは関係ない教育カリキュラムを体系的に用意し、教師は自分の研究とは関 係なく教えるべきことを教えるモデル(モードⅡ)が求められる。その中で、研究はエクセレント な大学優先で、大衆大学や職業大学には研究志向の教師はいらないという、大学分類・分断論が起 きている。しかし、モードⅠもⅡも教師と学生が分離していることが問題だ。これからは、伝統的 ディシプリンに乗ったモードⅠ型の研究だけではなく、学生たちが身近なフィールドから集めたデー タを元にした現実の問題からスタートする問題解決型するモードⅡ型の研究をしなければならない。

研究なき大学は大学ではないが、昔の研究だけが大学の研究ではない。大学の研究も社会の仕事も 同じである。教師は、あるときは研究者として、あるときは権威を持って、あるときは学生と共に 考えるという顔を持っていなければ、大学教授とはいえないと思う。』

 長い引用になりましたが、地方の短期高等教育機関としての本学の、教育研究の在り方や、個々 の教員の研究の方法論について大きな示唆を与えていると思います。

 本年は 13 編の論文・研究ノート・報告が集まりました。本紀要の質を担保するために、初めて査 読制度も設けました。再び、矢野氏の言葉を借りれば『モードⅡの研究をするためにはディシプリ ンが必要』。今回の査読制度は、本学に多い、モードⅡ型研究のディシプリンの確認のために設けら れたものと考えます。

  1)「新制大学の過去、現在、未来―転換期に立つ大学 開催報告書」より

2017 年 9 月 日本高等教育学会

 最後になりましたが、なかなかはかどらぬ原稿の集約状況に心を砕きながら、編集作業に携わっ ていただいた紀要編集委員諸氏のご尽力に感謝申し上げます。

平成 30 年3月

参照

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