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(マダガスカル医療協力における初回口蓋形成術後の口蓋瘻孔

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論 文 題 名:

Incidence and Factors of Palatal Fistula after Primary Palatoplasty as the Medical Cooperation in Madagascar

(マダガスカル医療協力における初回口蓋形成術後の口蓋瘻孔

発生とその要因についての研究)

掲載雑誌名

(巻・号・頁・掲載年)

THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCES(in press)

専攻名:外科系 形成外科学 氏名:土佐 望美

内容要旨:

我々は 2011 年から 2017 年までの7年間マダガスカル共和国に赴き、口 唇口蓋裂医療協力として口唇口蓋裂に関する手術 133 例を実施した。その 中で口蓋裂に対する初回口蓋形成術症例は 44 例であった。

口蓋裂の外科的治療のゴールとして、口蓋閉鎖、鼻咽腔閉鎖、正常な上 顎成長が挙げられる。このうち、後者 2 つは、中長期的な視野で評価を行 うが、口蓋閉鎖については初回口蓋形成術後、裂の完全閉鎖か否かについ ての短期的な評価結果が、その後の治療を行う上でも重要な情報となる。

そこで、自験例 44 例(男 28 例、女 16 例)の手術時年齢、裂型、瘻孔 発生率について調査、検討を行った。手術時年齢は 0 歳 11 ケ月〜29 歳 2 ヶ月(平均 7 歳 8 ケ月) 、裂型は Veau 分類(I 型 0 例、II 型 14 例、III 型 18 例、IV 型 12 例)であった。本活動における口蓋形成術の基本術式とし て two-flap 変法を用いた。術後瘻孔発生率は 0 例 0%であった。

初回口蓋形成術直後に口蓋瘻孔が存在している症例群では、更にその後 の顎裂部骨移植時の調査でも口蓋瘻孔が存在している傾向が強いとの報 告がある。治療経過の中で、瘻孔の程度により必要に応じて二次的に口蓋 瘻孔閉鎖術を計画していくことになる。しかし瘻孔閉鎖術を行っても瘻孔 残存率が高いという報告が多く、初回口蓋形成術でいかに瘻孔形成を回避 するかが重要なポイントとなる。

初回口蓋形成術後の瘻孔発生率は、文献的には 0%~55.4%とその数値

に開きがある。瘻孔発生率への影響因子として、術者の経験、術式、裂幅

が示唆されている。一般に、発展途上国における医療協力は、無償で手術

を実施している場合が多く、その患者の多くは低所得者であるという報告

もある。患者背景に貧困がある場合、低栄養状態、劣悪な口腔環境を伴う

(2)

ことが多く、それら周術期の悪条件は皮弁血流の不安定性、易感染性など につながる。これらの因子が重なることで創傷治癒遅延をもたらし、瘻孔 発生率が上昇することとなる。本活動で主に採用している two-flap 変法 は、口蓋粘膜に raw surface を残さず、皮弁血流が安定的で、皮弁への緊 張が軽減できる方法である。また、生理的位置に口蓋の筋形成が行え、硬 口蓋・軟口蓋ともに多層構造を築くことができる術式である。本術式は、

発展途上国において、創傷治癒的な悪条件だけでなく、術後に十分な医療 の提供が困難な状況下であっても、口蓋裂治療の目的を最大限達成するう えで優れた方法であるといえる。

本活動開始前から実施してきたネパールでの医療支援の経験も活かし、

マダガスカルにおいても口蓋瘻孔発生要因を回避しながら手術を行うこ

とで、口蓋瘻孔発生率 0%を実現出来たと考えている。

参照

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