経常取引に対する取扱
11992 年 9 月の外国為替管理法の全面改正により、ネガティブ・システムに転換され た後、1999 年 4 月に外国為替取引法が制定されてから、企業の対外活動関連の経常 取引の支払及び領収(以下、支払など)の相当部分が自由化された。また、2001 年 1 月からは旅行経費、留学生経費などの個人の経常取引に対する対外支払限度が廃 止されるなど、大部分の為替取引の支払及び領収行為が自由化された。さらに、2002 年 7 月からは個人の高額対外送金(贈与性送金は 1 件当たり 5 万ドル、海外滞在 ・ 留学費は 1 件当たり 10 万ドル)に対する韓国銀行の確認制度を廃止し、個人の対外 支払を全面的に自由化した。
ただし、最小限の為替取引の動向及び内訳をモニタリングし取引の透明性を高める ために、一部の支払に対しては韓国銀行総裁への申告などを通じたり、国税庁に支払 内容を通知する制度は維持されている。
対外支払手段での 1 件当り 1 千ドルを超過する支払などを予定している者は、原則 として外国為替銀行長に支払事由及び金額を立証する支払証憑書類を提出しなけれ ばならない。この際、支払及びその原因となった取引又は行為が、外国為替取引法な どにより申告などの手続を踏む必要がある場合、その申告などを完了した後に送金が できることとなる。ただし、外国人を除いた居住者の証憑書類未提出送金、政府又は 地方自治団体の支払など、申告を必要としない受領(同日付・同一人基準で、米貨 2 万ドル超過時は除外)、前年度の輸出実績が 5 千万ドル以上である企業又は輸入実
1 <参考>外国為替取引に対する法規適用体制
外国為替取引法は外国為替取引行為に対し、①原因行為②支払及び領収行為③支払及び領収方 法などの 3 つの側面からそれぞれの取引手続を定めている。このうち、「支払及び領収行為」が基本と なるが、巨額資金の移動を伴う資本取引の場合、「原因行為」段階でも別途に取引手続を規定してい る。ただし、同一取引に対する手続の重複を防止するために「原因行為」段階で認められた取引と確 認された場合には、「支払及び領収」段階での別途の申告あるいは許可手続を経なくてもいいようにし ている。また、「支払及び領収方法」は事後管理の効率性を向上させるため、外国為替銀行を通じた 決済を原則としている。
Ⅳ
績が 5 千万ドル以上である企業の送金方式貿易代金の受領及び支払の場合には支 払証憑書類を提出しなくてもよい。ただし、支払などの証憑書類の免除を受けた企業 は関連する証憑書類を 5 年間保管しなければならない。
また、指定取引外国為替銀行を通じた送金制度が設けられている。この制度は、継 続的に海外送金を行う者が事前に送金を行う銀行を指定することで送金の都度の手 続を簡略化する制度であり、送金する者は指定取引外国為替銀行を通じてのみ海外 送金が行える。この制度は、外国人などが韓国国内で受け取った報酬又は所得の送 金などの際に利用される。
外国為替銀行長は、1 件当り 1 千ドルを超過する支払又は 2 万ドル(同日付・同一 人基準)を超過する受領に対しては当該支払などが外国為替取引法、施行令及び規 定による申告などの対象であるか否かを確認しなければならない。また、外国為替銀 行長は、支払などを行おうとする者が提出した支払などの証憑書類及び取得経緯立 証書類に日付、金額及び支払銀行を表示した後、同書類を提出者へ返還しなければ ならない。そのうえで、支払申請書及び受領確認手続を履行したことを立証する書類 を保管しなくてはならない。
非居住者及び外国人居住者(配偶者及び直系尊卑属を含む)は、①外国から認め られた手続によって受領又は携帯輸入した対外支払手段の範囲以内(ただし、非居住 者の場合、最近の入国日以後に領収又は携帯輸入した対外支払手段に限る)、②国 民である非居住者の国内ウォン貨預金などの元利金、外国人居住者の国内不動産の 売却代金及び非居住者が非居住者間取引の担保保証提供の後、国内財産処分代金 などに対して韓国銀行総裁に申告した範囲以内、③国内で雇用、勤務、自由業営為 によって取得した国内報酬又は所得の支払及び国内から支払を受けた社会保険及び 保障給付又は年金、これと類似したその他の所得範囲以内の指定取引外国為替銀行
を通じた支払い、④駐韓外交機関が徴収した領事収入、その他の手数料の支払、⑤ 国内にある外国政府の公館と国際機構及びこれに勤務する外国人、アメリカ合衆国軍 隊及びこれに準ずる国際連合軍、外国政府又は国際機構の公務で入国する者の外 貨売却実績範囲内の支払い、⑥国内にある外国政府の公館と国際機構とこれに勤務 する外国人及び外国政府又は国際機構の公務で入国する者の支払い、⑦その他認 められた取引によって国内で取得した資金の支払においては資金の取得経緯を立証 ずる書類を提出して外国為替銀行長の確認を受けて支払うことができる。
これ以外にも、非居住者は外国為替銀行から買い入れた 1 万ドル以内の金額(入国 日以後、外国為替売却実績がないか或いはウォン貨現金サービスの引出実績がない 場合)を支払うことができ、外国人居住者は 1 万ドル以内の海外旅行経費を支払う場 合には支払が可能である。上記に該当しない場合には年間 5 万ドルの範囲内で指定 取引外国為替銀行を通じて支払うことができる。
在外同胞(海外移住法に基づく海外移住者で、外国国籍を取得した者、又は韓国 国民で外国の永住権又はこれに準ずる資格を取得した者)が本人名義で保有してい る不動産の処分代金(不動産を売却して金融資産として保有している場合を含む)及 び国内預金・信託勘定に関連する元利金、証券売却代金、本人名義の預金又は不動 産を担保として外国為替銀行から取得したウォン貨貸付金、本人名義の不動産の賃 貸保証金を国外に搬出しようとする場合には、指定取引外国為替銀行を通じて支払わ なければならず、在外同胞財産搬出申請書及び次の各号の一に該当する取得経緯 立証書類を指定取引外国為替銀行長に提出しなければならない。
① 不動産処分代金の場合
不動産所在地又は申請者の最終住所地の管轄税務署長が発行した不動産売 却資金確認書など。ただし、確認書の申請日現在において、不動産処分日か ら 5 年が経過していない不動産の処分代金に限る。
② 支払累計額が10万ドルを超過する国内預金、信託勘定関連元利金、証券売却 代金、本人名義の預金又は不動産を担保として外国為替銀行から取得したウ ォン貨貸付金及び本人名義の不動産の賃貸保証金の場合
住所地又は申請者の最終住所地の管轄税務署長が発行した全体金額に対す る資金出所確認書など。
外国為替銀行長は次に該当する支払内容を月ごとに翌月 10 日までに国税庁長及 び金融監督院長に通知しなければならない。
居住者の証憑書類未提出送金による支払金額(国税庁長には申告を要しない受 領を含む)が支払人当たり年間1万ドルを超過する場合及び居住者の海外預金取 引に伴う支払金額が支払人当たり年間1万ドルを超過する場合
海外留学生及び海外滞在者の海外旅行経費の支払金額が年間10万ドルを超過 する場合
上記の場合を除き、1件当たり1万ドルを超過する金額を外国為替銀行を通じて支 払う(送金小切手による支払を含む)場合外国為替銀行長は次に該当する支払又は領収内容を月ごとに翌月 10 日までに関 税庁長に通知しなければならない。
輸出入代金の支払又は受領について
外国為替銀行を通じた役務対価の支払又は受領について
証憑書類未提出送金申告を必要としない受領について
1件当り1万ドルを超過する海外移住費の支払について
上記以外に1件当たり1万ドルを超過する金額を外国為替銀行を通じて支払など(送金小切手による支払を含む)を行う場合
外国為替取引に伴う決済(支払及び領収)は、①取引前後の一定の期限内に、② 当該取引の当事者間で、③外国為替銀行を通じた送金方法で、④実際に決済するこ とが原則である。企業の営業活動に関連する送金・受領の方法として、次のような場合 は制限なく自由に行うことができる。
資本取引の申告をした者(ただし、外国為替銀行の長に申告した場合は除く)が その申告内容に含まれた方法で送金などを行う場合
韓国銀行、外国為替銀行、及び総合金融会社が外国為替業務と関連して送金な どを行う場合
郵便局が国際郵便取引業務と関連して外国の郵便機関と送金などを行う場合
条約又は一般的に承認された国際法規で定める方法で送金などを行う場合
取引当事者の相手側がすでに海外送金申告などを行っている場合
政府又は地方自治団体が輸入代金を送金する場合、及び公共借款資金で輸入 代金を送金する場合
対外貿易管理規定で定めた一部物品の輸出入代金を送金及び受領する場合 ただし、居住者・非居住者間の債権・債務を相殺する場合など、違法な外貨流出入 の手段として利用される可能性がある支払などの方法に対しては、韓国銀行に申告し なければならない。
相殺による支払などの方法
企画財政部長官が定める期間を超過する支払などの方法
第三者の支払などの方法
外国為替銀行を通さない支払などの方法居住者又は非居住者が支払手段又は証券を直接携帯又は郵便などの方法で輸出 入する場合、管轄税関長に一定申告を行う必要があるが、外国為替取引の自由化の ため、制限事項は最小限のものとされている。
すなわち、支払手段などを輸出入する場合には、送金などの方法或いは資本取引 に対し申告をした者が、その申告された内容の範囲で輸出入する限り、追加的な申告 を要しない。
なお、1 万ドル以下の支払手段の輸出入には申告の義務が課されない。
居住者が非居住者に対する債権を保有している場合、現行の外国為替取引法令で は、原則的に居住者が当該債権を国内に回収する義務を付加している。
居住者が非居住者に対して1件当たりの未回収残高が 50 万ドルを超過する債権を 保有している場合、当該債権の満期日などから 1 年 6 ヶ月以内に、これを国内に回収 しなくてはならない。
ただし、①海外保有が認定された債権、②外国人居住者が外国にいる非居住者か らの贈与・相続・遺贈によって取得した債権、及び③外国為替取引規定によって認定 された資本取引(海外直接投資などを含む)に転換された場合における転換前に発生 した債権については回収義務の対象とはされていない。
2000 年 10 月の外国為替取引法の改正の際、同制度は廃止する予定であったが、
為替市場の安定及び不法為替取引に対する制裁根拠を維持するために債権回収義 務制度をそのまま維持することにした。ただし、企業及び個人の対外活動の便宜を図 るために対外債権回収義務の免除対象範囲を次第に拡大している。