九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
宗教をどうとらえるか : 中国、台湾の事例から
長谷, 千代子
日本学術振興会
https://doi.org/10.15017/2340961
出版情報:九州人類学会報. 30, pp.92-92, 2003-07-05. 九州人類学研究会 バージョン:
権利関係:
宗教をどうとらえるか
屯夷 4 曇喜響國璽細
I宗教をどうとらえるか
ー中国、台湾の事例から一長谷千代子
(日本学術振興会)
「宗教をどうとらえるか」という大きな おして人々の日常生活のレベルを考慮に入 テーマを設定したが、実際には発表者の守 れると、宗教はそのように制度の中に閉じ 備範囲に応じて二つの限定条件がかかって
いる。ひとつは「政治、経済、医療などの 制度とりわけそれ自身制度化した「宗教
J
とのかかわりにおいて考える」ということ であり、もうひとつは「中華世界における フィールドワークの中から考える」という ことである。
近代化の過程において、宗教は厄介な問 題と見なされることが多く、これを様々な 制度の中に飼いならすことが試みられてき た。そのため人類学の常道にしたがって宗 教を広く定義して近代的な制度を考えたば あい、宗教は「宗教」「福祉」「教育」といっ たいろいろな制度の中に分散して閉じこめ
られているように見える。
しかもフィールドワークという手法をと
こめられているだけではなく、制度からは み出している部分を持っているようにも見 える。それは端的にいえば「風俗習慣」や
「民俗」など、習慣化した実践行動の数々で ある。
こうした状況を踏まえて、このセミナー では中華世界を中心に民俗宗教的な側面に 目を向けている方々に発表者として集まっ ていただき、人々の日常生活に密着した「風 俗習慣」の事例を紹介しながら制度化した
「宗教
J
と制度からはみ出した「宗教」との 関係を洗い出しながら、「宗教」をどうとら えればよいかという課題に取り組んだ。以 下、発表順にそれぞれの議論を振り返って みたい。‑92‑