土壌汚染対策の現状と課題
東北大学大学院
環境科学研究科
駒井 武
1.土壌汚染の現状と法改正
2.土壌汚染リスク管理の在り方
3.土壌汚染対策技術の進展
4.土壌・地下水汚染の調査
5.地圏環境情報の整備と普及
6.まとめと今後の課題
土壌汚染の現状とリスク評価・管理
最近の代表的な汚染事例 東京都北区のダイオキシン類の土壌汚染 神栖市の有機ヒ素による土壌・地下水汚染 大阪市内マンション敷地内の鉛土壌汚染 ガソリンスタンド跡地の鉱物油漏洩汚染 東京都新市場予定地の複合土壌汚染 土壌・地下水汚染による環境影響を定量化する必要性 現場ごとの健康リスクの把握、現場状況に応じた対策 環境リスク低減およびコスト削減のためのマネジメント 土壌・地下水汚染の環境リスク管理が不可欠 リスクの軽減・回避、効率的な浄化対策に貢献 特徴 産業(人為)活動 汚染事例の増加 汚染物質の多様化 市街地(健康影響) 自主的取り組み潜在的な土壌・地下水汚染の分布
土壌・地下水汚染の現状 ・最近、土地取引や用途変更を契機 に多くの土壌汚染が顕在化。 ・潜在的には、全国で数十万箇所と 推定される。 ・首都圏を中心に、全国的な広がり をみせている。 ・表層土壌だけでなく、地下水への 汚染の広がりが懸念される。 土壌汚染対策の必要性 その後、土対法改正土壌汚染対策法の改正の理由とポイント
環境省政省令事項素案(資料2-2) より抜粋
土壌汚染対策法の改正
1.法に基づかない土壌汚染の発見増加
汚染土壌の適正管理への不安 → 法の枠組みを明確化、自主調査の活用2.掘削除去の偏重
過大な処理費用、環境リスク低減の過剰な期待 → 原位置浄化策への移行、環境リスクの認知3.汚染土壌の不適切な処理による汚染の拡散
汚染土壌の処理事業への不信感 → 搬出土壌の適正管理、届出・管理票1.搬出土壌のリスク管理の強化 現場で迅速に汚染を判定できる手法 搬出土壌のリスク管理の在り方や管理票 2.原位置浄化対策の促進 掘削除去の偏重から現実的な対策へ 原位置浄化技術の研究開発の進展を期待 3.自然由来の土壌汚染問題への対応 自然由来の重金属等にどのように向き合うか 土壌中有害金属のバックグラウンドとは 4.情報の公開とリスクコミュニケーション 自主調査(新14条)のデータを有効活用 操業中からの積極的な調査や対策を推奨
法改正の実務への反映
日本における土壌汚染事例数の推移
環境省 水・大気環境局(平成25年5月) 「平成23年度 土壌汚染対策法の施行状況及び土壌 汚染調査・対策事例等に関する調査結果」 のデータより作図
土壌環境センター【2000】、『我が国における土壌汚染対策費用の推定』:土壌汚染調査の実施が望
土壌・地下水汚染に関わる規制対象物質
土壌汚染対策法: 特定有害物質(第1種:VOC、第2種:重金属、第3種:農薬類) 25種類 (p.428) 土壌・地下水環境基準等:ダイオキシン類、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素 アルキル水銀、銅(農用地) 塩化ビニルモノマー、1,4 -ジオキサン(追加, 2009.11) 第1種特定有害物質: 四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、 1,1-ジクロロエチレン、 シス-1,2-ジクロロエチレン、 1,3-ジクロロプロペン、 ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、 1,1,1-トリクロロエタン、 1,1,2-トリクロロエタン、 ベンゼン → 土壌ガス調査、超過の場合(土壌溶出量調査) 第2種特定有害物質: カドミウム、六価クロム、シアン化合物、水銀、セレン、鉛、 砒素、ふっ素、ほう素およびその化合物 → 土壌含有量調査、土壌溶出量調査 第3種特定有害物質: チウラム、シマジン、チオベンカルブ、有機リン、PCB → 土壌溶出量調査土壌汚染対策法におけるリスク管理
・土壌汚染対策法は、土壌環境の
リスク管理
の考え方を
基本としている。
→
完全浄化を目標としていない
。
・土壌汚染の浄化対策は、リスク管理の考え方をもとに
様々なオプション
が設定されている。
・リスク管理とは、人への影響に関する環境リスク、社会
リスクなどを総合的に検討し、許容されるレベルまでに
リスクを低減する一連のプロセスをいう。
・リスク管理には、調査・分析、モニタリング、浄化・修復
技術、リスク評価、環境経済評価、環境影響評価、社
会的評価などの様々な要素が含まれる。
土壌汚染対策法の基準と曝露リスク
従来の土壌環境基準(溶出量値):新たに第2溶出量値 溶出試験による溶出値を基礎に評価 重金属類、揮発性有機化合物、農薬など 環境省 土壌環境保全対策の制度のあり方に関する検討会汚染土壌の人への健康影響に関して、
(1)地下水への移行による飲料水からの曝露
(2)土壌の直接摂取(摂食など)による曝露
の2点を考慮した評価を実施することが適当。
含有量基準(含有量値): 汚染土壌中の有害化学物質の含有量を基礎に評価 重金属類を中心に設定:1N塩酸による抽出法を採用土壌汚染のリスクとは?
① 直接摂取 によるリスク 人が直接摂取する可能性のある表 層土壌中に高濃度の状態で長期 間蓄積し得ると考えられる重金属 等 ② 地下水等の摂取 によるリスク 地下水等の摂取の観点から 定められた現行の土壌環境基 準における溶出基準項目 土壌汚染 地下水汚染人に対する健康影響を考える場合 暴露をもとにした 『リスク』という考え方が必要 土壌汚染 地下水 公共用水域 (魚介類への蓄積) 農作物等 人 《 環 境 》 【環境リスク】 = 直接暴露 他の媒体を通じての暴露 人 ◆ 「安全」と「危険」との間に線を引けないと きに「どの程度危険なのか」を確率を用い て定量的に表す。 ◆ リスクの大きさは有害物質の摂取量に依 存する。いくら危険な物質でも摂取量が少 なければ「リスク」は少ない。
土壌汚染における環境リスクの考え方
環境(健康)リスクの定量化
リスク=曝露量×有害性(ハザード)
→曝露がなければ、リスクは存在しない。 →毒性値が大きくても、リスクが大きいとは限らない。 特に、土壌環境に関して、 1. 空気、水のように常に人が摂取するものではない。 2. 大気、水域(特に、地下水)への移行を考慮する。 3. 土壌から食物を経由した曝露経路も考慮に入れる。 4. 曝露経路の遮断、コントロールの効果が大きい。 • 資産価値、土地取引などの社会リスクの要素がある。 • 意思決定のため、リスクの認知、伝達が重要である。 • いずれも問題でも、不確実性が高い。環境リスク 生態系や地球環境への影響 人の健康の保護や生活環境への影響 社会リスク 業績へのリスク 不動産リスク 直接的リスク 社会心理的 リスク 規制リスク 調 査・ 対 策 費 用 の 発 生 調 査・ 対 策 費 用 に 伴 な う 操 業 休 止 調 査・ 対 策 の た め の 施 設 配 置 変 更 訴 訟 ・賠 償 費 用 の 発 生 企 業 イ メ ー ジ の 低 下 地 域 か ら の 信 頼 感 の 低 下 社 会 か ら の 監 視 の 目 の 強 化 環 境 規 制 の 複 雑 化 、 企 業 競 争 力 へ の 影 響 土 地 の 資 産 価 格 低 下 土 地 資 産 運 用 へ の 影 響 対 策 費 用 負 担 に よ る 土 地 売 却 益 の 減 少 土 地 売 却 後 の 瑕 疵 担 保 責 任
土壌・地下水汚染における多様なリスク
リスクの低減/管理 ・意思決定 ・対策の実行 ・監視 リスクの評価 ・他のリスクとの比較 ・リスクの許容性 ・選択肢の分析 リスクの分析 ・範囲の特定 ・危険の特定 ・リスクの予測 リ ス ク ア セ ス メ ン ト リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト リスクの特定 リスクの評価 リスクの処理 土壌汚染の範囲、規模 地下水汚染の状況 化学物質の種類、毒性 化学物質の濃度、存在量 人と汚染サイトの条件 土壌摂取の可能性 地下水飲用の可能性 化学物質の暴露予測 調査、モニタリング 不確実性解析 土壌地下水浄化、修復 暴露・リスクの将来予測 トレードオフの分析 リスク低減効果の分析 費用対効果 Tier1 Tier2 Tier3 包括アセスメント サイトアセスメント 詳細アセスメント
土壌・地下水のリスク評価の方法論と手順
曝露・リスク評価の流れ
• 曝露シナリオの設定から曝露評価モデルまで 化 学 物 質 の 特 性 曝露 経路 環 境 媒 体 の 特 性 曝露シナリオの設定 曝露評価モデル 曝露 条件 人 ・ 集 団 の 特 性 リ ス ク 評 価 曝 露 量 ・ 分 布 曝露 ファクター 包括モデル サイトモデル 詳細モデル人体 吸入摂取 皮膚吸収 経口摂取 大気 土 壌 地下水 飲料水 地表水 水生 生物 農作物 水産物 食 品 飛散 (a)重金属類の暴露経路 皮膚接触 摂食 浸透 揮散 摂取 流出 付着・吸収 沈着 主要経路 考慮すべき 経路
重金属類:飲料水、食品を経由した曝露
人体 吸入摂取 皮膚吸収 経口摂取 大気 土 壌 地下水 飲料水 地表水 水生 生物 農作物 水産物 食 品 飛散 (b)揮発性有機化合物の曝露経路 皮膚接触 摂食 浸透 揮散 摂取 流出 付着・吸収 沈着 主要経路 考慮すべき 経路 揮発性有機化合物:飲料水、食品を経由した曝露
人体 吸入摂取 皮膚吸収 経口摂取 大気 土 壌 地下水 飲料水 地表水 水生 生物 農作物 水産物 食 品 飛散 (c)ダイオキシン類の曝露経路 皮膚接触 摂食 浸透 揮散 摂取 流出 付着・吸収 沈着 主要経路 考慮すべき 経路 ダイオキシン類:飲料水、食品を経由した曝露
スクリーニングモデルによる評価事例
地下水 汚染濃度 平 均 深 さ 非汚染ゾーン 汚染範囲 土壌空気 間隙水 地下水 汚染濃度 平 均 深 さ 非汚染ゾーン 汚染範囲 土壌空気 間隙水 土壌汚染の状況 土壌含有量:150mg/kg 土地利用:住宅地 地下水飲用:有り 農作物栽培:有り 汚染対策:無し 土質:関東ローム リスク 耐容一日摂取量(TDI) 2.1μg/kg/dayの10% 0.21μg/kg/day (許容リスク値)地下水 間隙水 吸収 沈着 飲用水 屋内・屋外 空気 吸 入 経 口 吸 収 土壌空気 土 壌 含 有 量 作物 蒸発 浸透 土壌飛散 ヒ素の暴露経路および暴露割合 (生涯 0~70才) 全暴露経路を考慮
土壌からの曝露量と割合の解析結果
0.45(52.2%) 0.054(6.4%) 0.35(41.3%) (0%) (0%) 暴露量 [μg/kg/day] 0.0014(0.2%) 全暴露量 0.85[μg/kg/day] 許容リスク値の400% 土壌飛散 土壌直接摂食 (ヒ素)土壌からの曝露量と割合の解析結果
0.49 (64.6%) 地下水 間隙水 吸収 沈着 飲用水 屋内・屋外 空気 吸 入 経 口 吸 収 土壌空気 土 壌 含 有 量 作物 蒸発 浸透 土壌飛散 0.0081(1.1%) 0.057(7.5%) 0.20(26.8%) (0%) (0%) 曝露量 [μg/kg/day] (0%) 土壌飛散 土壌直接摂食 大気と地下水経由の曝露のコントロールにより リスクは大幅に軽減できる。 (トリクロロエチレン)地圏環境評価システム:GERAS(Geo-environment Risk Assessment System) LDF DAF WDF LDF DAF 拡散プルーム 予測拡散プルーム 不飽和帯 飽和帯 境界層 汚染濃度 土壌・水分配係数 浸出希釈係数 地下水減衰係数 S C 暴露濃度 x C 井戸希釈係数 拡散プルーム 予測拡散プルーム 不飽和帯 飽和帯 境界層 汚染濃度 土壌・水分配係数 浸出希釈係数 地下水減衰係数 S C 暴露濃度 x C 井戸希釈係数 WDF GERAS1(概念モデル) スクリーニング評価 GERAS-2(2次元理論解モデル) サイト固有の評価 GERAS-3(3次元数値解析モデル) 浄化効果等を加味した詳細評価 土壌環境 地下水 化学物質 大気 陸水 土壌環境 地下水 化学物質 大気 陸水 地圏環境における汚染問題 について、定量的に暴露・リ スク評価できるソフトウェア •WIN2000以上で動作 •重金属・有機化合物を対象
地圏環境評価システムの開発と公開
GERAS-2(サイトモデル) 完成、試用提供中、公開対象 オンサイト(例えば工場) オフサイト(例えば住宅地) 浸透 不飽和層 地下水 不透水層 汚染物質 井戸 蒸発 移流・拡散 移流・拡散 •サイト特有のパラメータ(土壌,水理条件や気候条件など) •大気や地下水経由による有害化学物質の移動を考慮 スクリーニングモデルでは評価できない汚染源から離れた場所、 汚染現場に固有の状況についても評価が可能
GERAS-2(サイトモデル)の概要
事業所等 290 企業マネジメント 132 浄化企業 110 コンサルタント 120 自治体等 65 教育機関 72 その他20
GERASの普及と活用の状況
主な用途 自社内のリスク管理 サイトアセスメント 環境リスクの把握 浄化のリスク軽減効果 調査結果の検証 浄化コストの算定 不動産の取引 リスクコミュニケーション 自治体の自主調査 環境教育 大学などの教材 個人的な使用 海外の活用 英国王立大学 オランダ環境研究所 米国環境保護局 米国コロラド鉱山大学 米国LANL, LBNL 中国地質調査所 韓国・釜山大学 韓国・KIGAM タイ・コンケーン大学 タイ・MTEC ベトナム・ハノイ大学 ベトナム・ノンラム大学 → 事業所、工場等の自主的取り組み、サイトアセスメントの 用途を中心に、幅広い活用がなされている。 配布は1000を越え、事業所、工場、自治体、大学、浄化企業などで活用。 使用状況、評価結果のデータを反映して、バージョンアップ対応ずみ。GERAS-3公開のポイント
・鉱物油、揮発性有機化合物、重金属等の複合汚染のリスクを 定量化できるわが国初の評価システムGERAS-3を開発 ・土壌や地下水の特徴を反映し、汚染物質の移動や変質など を詳細に3次元解析できる数値モデルとデータベースを構築 ・土壌汚染の浄化による環境リスクの低減効果を明確にし、 費用対効果の高い土壌汚染調査・対策の実現に寄与 ・全ての規制物質に対応可能なリスク評価システムを完成し、 工場や大規模事業所、自治体などの公開・普及 詳細調査(フェーズ3,深度方向のボーリング調査) の実務に活用できるリスク評価システム不飽和層 飽和層 不透水層 汚染物質 井戸 毛管帯 水相への溶解 浸透 トラップ 溶解体の移流・拡散 蒸発 移流・拡散 油,水,ガスの三相流 LNAPLの移流・拡散 DNAPLの移流・拡散 軽質分の揮発・拡散 オンサイト(例えば工場) オフサイト(例えば住宅地) GERAS-3(詳細モデル) 開発が完了、今回の公開対象 流動・反応を伴う複合成分の三次元数値解析手法の確立 ⇒ 飽和,不飽和層における混相流動挙動のモデル化
GERAS-3(詳細モデル)の概要
GERASの土壌汚染対策への適用実例
油槽所跡地の土壌汚染 ベンゼン、PAHs、VOCs 健康リスク 5.5×10-5 3通りの調査・浄化法の提案と評価 Case1: 土壌の掘削除去(場外搬出) リスク軽減 3.7×10-7 コスト 20,000万円 Case2: 熱処理工法(原位置処理) リスク軽減 6.2×10-7 コスト 12,000万円 Case3: 微生物工法(原位置処理) リスク軽減 7.0×10-7 コスト 4,000万円 採用 浄化費用の削減とリスクの軽減 を同時に実現 環境リスクと経済リスクの軽減土壌汚染対策技術の進展
主に原位置浄化対策
望ましい土壌汚染対策技術
1.環境負荷が小さい(あるいはエネルギーをかけない) 周辺環境、地球環境、生態系影響、低エネルギー 2.コストが低い(あるいは費用対効果が高い) 経済性、土地の流動化、資産価値、中小企業対策 3.原位置の浄化(場外搬出をしない) リスクの軽減、汚染拡散の防止、操業中浄化工法 4.使用する資材の安全性 化学薬品の未使用、曝露の防止、微生物の安全性 5.コミュニケーションの円滑化 透明性、住民参加、情報の公開、モニタリング操業条件
操業中 建物・埋設物土壌汚染対策の制約と評価項目
コスト
浄化費用 投入エネルギー環境負荷
CO2排出 汚染拡大防止立地条件
敷地面積 土地利用形態時間
浄化工期 調査・モニタリング総合評価
技術の評価
社会的評価
コミュニケーション
浄化効果
確実性 長期安定性 土壌汚染対策における制約事項 地質・土質 帯水層 汚染物質 汚染濃度動電学的土壌汚染浄化技術
動電学的手法による土壌中重金属の浄化と有用金属の回収を実証 特長 ・太陽光パネルによる自然エネルギーの活用 ・電極と制御計測器のみの簡易な装置 ・低環境負荷の原位置浄化システム ・シルト、粘性土壌の浄化にも適する ・土壌と地下水の同時浄化に適する ・有用重金属(金、白金等)の回収 ・鉱山跡地の実証的な試験による検証ずみ 土壌中のカドミウムの低減効果 太陽光パネル 鉱山跡地 の汚染土壌 372008/2 2008/5 2008/2 2008/5 2008/9 2009/1
植物・微生物併用型土壌汚染浄化技術
油汚染、VOC汚染の原位置浄化に適用し、1年間程度で浄化完了原位置不溶化・固定化技術
表面は覆土、植生(もしくは舗装) 土壌を不溶化処理して盛土 表面は覆土、植生(もしくは舗装) 土壌を不溶化処理して埋戻し 表面は覆土、植生(もしくは舗装) 吸着層 盛土(重金属等を含む) 適切に水処理 岩 石 ・ 土 壌 の 仮 置 き ( 降水にさ らすこ と で 溶出量低減) 降水 底面は浸透防止 (遮水シートなど) 重金属等の溶出濃度を低減さ せた上で、有効利用。 浸出水処理による対策 吸着層による対策 不溶化対策 地化学的 固定化法 低濃度の重金属土壌汚染に適用し、不溶化の長期安定性を実証原位置微生物活用土壌浄化技術
現場或いは他の環境の微生物群を汚染分解に適応させ、それを注入または 混合するバイオ浄化技術; プライミングオーギュメンテーション 優位点 1.これまでに分離されている微生物 はごくわずかである。→分離する必 要がないため幅が広がる。 2.自然の複合微生物系であることか ら、社会的受容が得られやすい。 3.複合系を用いることにより、高い効 果や長い生残性が得られる可能性 もある。 問題点 1.ガイドラインをクリヤーできるか? 2.長期にわたり安定な微生物群を維 持できるか? クロロベンゾ エートを添加 して培養 分解能を持つ微生物 群を含む土壌を作成 汚染土壌に混合 汚染分解が促進された Gentry et al. (2004)の実験• 土壌汚染対策法改正に伴う土壌汚染浄化の方向性
• 望ましい土壌・地下水浄化のあり方
• 土壌・地下水汚染浄化の制約と評価項目
• 最近の土壌汚染浄化・修復技術の進展
土壌汚染対策技術の新展開
効率的な土壌浄化対策
環境リスクの軽減・回避
産業用地の確保と流動化
新技術の開発と市場開拓
産業の持続的発展
安心・安全な社会
経済産業の進展
技術の確立と普及
アウトプット アウトカム1.汚染調査を正しく実施する 地質調査法、分析法の技術マニュアルを提示 汚染の原因を判定する(自然由来と人為起源) 2.汚染レベルを見極める 濃度情報だけでなく、リスク情報を開示する 暴露・リスク評価手法を標準化、普及させる 3.汚染を適正に管理する 土地利用用途ごとのリスク管理基準を明示する 管理によるリスク軽減の程度を定量化する 4.汚染対策を効率的に実施する 簡易迅速オンサイト調査・分析技術を開発する 低コスト低環境負荷のリスク低減措置を開発する 5.汚染によるリスクを正しく伝達する リスクアセッサ(コミュニケータ)の公的認知と育成
土壌・地下水汚染対策への提言
地学雑誌 Vol.116(6), 駒井 武汚染調査を正しく実施する
土壌試料の採取と汚染状況の見極め
油分の集積箇所:シルト・粘土層の上部の砂層 成分組成:残留する成分は重質油(炭素数12以上) 移動性:重質油成分の移動性は小さい 分解・減衰:軽質油成分は微生物分解、移流で減衰 油分の存在は地層単元 に大きく依存 (粒径分布、酸化還元) 油分 油分 油分 砂質 シルト 粘土 45油汚染地層を対象とした非破壊検査法
キャリアガスライン 土壌中のVOC メンブレン 検出器へ ヒーター 地 盤 の 導 電 率 測定用チップ プローブ コントローラー 検出器 ロッドおよびメ インライン 深度計測装置 Geoprobe法油分含有土壌(主に砂質) 0 1 2 3 4 5 0.E+00 1.E+06 MIP測定値(μ V) 深度( G L -m ) 01 2 3 4 5 0 300 導電率(mS/m) 深度( G L -m ) MIP測定値 土壌導電率 油臭および油膜
油汚染土壌・地層の現場調査事例
130 m 70 m 3次元調査領域 Line Y=10 m Line Y=50 m Dep th (m ) 0 3 2 1
Y=50 m X-dir Distance (m)
0 10 20 30 40 50 60 70 -50 -40 -30 -20 -10 80 F G H I J K L M N O P Q R S Dep th (m ) 0 3 2 1 Y=10 m X-dir Distance (m) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 K L M N O P Q R S 粘性土 粘性土 砂礫質土 + 人工建造物 調査風景 電磁波反射強度 D = 0.5 m D = 1.0 m D = 1.5 m D = 2.0 m 調査領域 No data 等深度スライス 地中レーダ探査 結果の大規模な 構造は、地質を 反映している。 例えば、 粘性土は電磁波 高減衰領域となる (緑楕円部) 。 漏洩油分は、 分解度の差により、 誘電率が大きく 異なるため、 小規模な反射体 として捉えられる
物理探査技術による地質・土質の見極め
油分汚染土壌の高精度調査手法
研究内容: • 物理探査による地質汚染3次元マッピ ング技術の開発 電磁探査法、地中レーダ等によって 油類、汚染水の比抵抗、誘電率等の 3次元分布を調査 • 貫入試験技術による原位置計測手法 の開発 汚染物質や地下水の比抵抗等を地 下の原位置で計測し、同時に汚染試 料をサンプリングする。 • 汚染油分の物性の経時変化と地層内 の拡散状況の把握 油分解菌による汚染物質の変化を模 擬汚染土壌実験により計測 アウトカム: • 油分汚染領域の3次元調査手法の提 供 • 汚染物質の物性に関する情報の整備 電磁マッピング 電磁マッピングの解析結果 貫入試験による比抵抗 深度分布 港湾の埋立地における実験例 砂・シルト(埋立土) 砂質シルト層(塩水) 元の海水面 砂層(塩水) 比抵抗ジオインフォマティックスの研究開発
研究の目的: 自然的原因と人為起源の土壌・地質汚染の環境調査に基づく地圏 地圏環境情報(ジオインフォマテックス)のシステム構築と全国展開 H17-H19 文部科学省科学技術振興調整費(東北大学、DOWAエコシステムと共同研究)GIS
Geoinformatics
Natural originpollution information Artificial pollution information
Chemical information of contaminant Geological information
Risk assessment
Land environmental information
GIS
ジオインフォマティックスNatural origin pollution information
自然的原因
バックグラウンド情報 Artificial pollution 人為的な汚染源information 汚染負荷情報
化学・生物学的情報
物質形態情報
地質情報・水文情報
Risk assessment
環境リスク評価・管理
Land environmental information
土地、産業用地などの各種情報 AIST, 東北大 DOWA, AIST AIST 東北大 アウトプット 地圏環境情報システム 土壌・地下水DB 市街地表層土壌マップ アウトカム 産業環境政策の提言 土壌汚染対策の効率化 知的基盤への貢献
階層構造化 5万分の1レベル 地化学マップ 市街地汚染マップ 航空写真 ・人為的汚染の判定 ・道路、トンネル、建設計 画への利用 ・自然由来汚染の健康リス ク判定 ・国土利用計画への反映 鉱染マップ 主な用途 地質マップ
ジオインフォマテックスシステムの活用
土地利用マップ、鉱区所有者情報、温泉図、変質帯情報、 etc. 全国規模の各種地圏情報(GIS化) 代表サイトの地圏 情報(GIS化) 統合 1 10 100 1000 10000 2 4 6 8 10 12 14 特性X線エネルギー [ keV ] カ ウ ン ト 数 [ cp s/ mA ] 重金属の形態情報 (データベース化) システムの拡張 東北大学環境科学研究科・産業技術総合研究所ジオインフォマティックスシステムの公開
Exosphere Environment Informatics Universal System, GENIUS Ver.1.01
日本全国を網羅した初の環境DB 数値地質図、地球化学図 鉱山・鉱床図、鉱染図 土壌図、地下水汚染図 植生図、航空写真など 行政機関、自治体、事業所 大学等教育機関、研究所 GENIUSの公開と普及 2008年4月
重金属のバックグラウンドレベル
2008年3月出版
表層土壌に関する基盤情報の出版
2008年11月出版
特定地域の表層土壌中元素の分布
a. As分布 b. Pb分布 特定地域における表層土壌中重金属の水溶出濃度分布
表層土壌評価基本図の環境情報
特定地域の調査 表層土壌 河川堆積物 岩石(露頭) 河川水、地下水 表層土壌中の化学成分分析データに基く、 バックグランド情報と暴露・リスクマップの公開 試料の化学分析 含有量、溶出量 化学形態など 土地利用と状況に 応じた暴露リスクの 算定 57地圏環境リスク評価システムGERAS-2 オンサイト(溶出源) オフサイト(敷地境界や保全対象) 浸透 不飽和層 地下水 不透水層 重金属等 井戸 移流・拡散 重金属等含有土砂 敷地境界
表層土壌評価基本図によるリスク評価
GERASを活用した土壌汚染 リスク管理技術の普及 アウトカム; リスク評価ツール データベース重金属バックグラウンドとリスクマップ
As_TDI[%]
Pb_TDI[%]