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j 川上綾子

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Academic year: 2021

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運動に対する愛好的態度を高める小学校体育科学習に関する研究 一認識的側面に焦点をあてた指導を通して一

学校教育専攻 授業開発コース 村 田 治 久

1 主題設定の理由と研究の罷的

子どもたちの身体能力が低下していると言わ れて久しい。また,運動嫌いの子どもたちも存 在し,学校期を終えると運動から全く遠ざかっ てしまう場合も多く見受けられる。そのような 現状を改善するためには,子どもたちの運動に 対する愛好的態度を高めることが必要である。

小学校体育科には保健領域と運動領域があ り,学習指導要領には相互に関連させて指導す るように示されている。高橋(2007)は身体能力 を身に付ける学習の前提として,認識面での学 習の重要性を主張している。以上のことから,

本研究では,子どもたちの運動に対する愛好的 態度を高めるために,保健領域と運動領域の関 連を高め,認識的側面に焦点をあてた指導を導 入した授業及び単元を開発,実践し,その効果 について検証することを目的とする。

2 体帯学留に関する意識調査

体育学習(運動領域及び保健領域)に関して,

子ども及び教師に対して意識調査を行った。そ の結果,次のことが考えられた。

(1)子どもに対する調査から

①技能目標を強調する授業では,愛好的態度の 向上に限界がある。

②各種運動に関わる多様な価値についての認識 を高めていくことが必要である。

③子どもたちの運動に対する愛好的態度は,情 意目標,社会目標,認識目標と関係があり,特

指導教員 川 上 綾 子

に認識目標に関わる内容が最も重要である。

④保健学習に対する価値や必要性についての意 識は高いが,意欲@関心面はやや低い。

⑤保健学習に対する愛好的態度を高めることが 体育学習に対する愛好的態度を高めることにつ ながる可能性が高い。

(2)教師の意識調査から

①教師は認識目標に対する意識が低く,その実 践も十分に行われていない。

②体育学習の持つ多様な価値について,子ども たちに気づかせていくことが必要である。

③認識目標に関わる実践では,その具体的な指 導内容は教師によって多種多様であり,保健や 運動に関する知識内容やその学び方について検 討を加えることが重要である。

④保健領域と運動領域の関連性を高めることに ついて,教師は十分に意識していない。

3 捜業設計及び単克構成

前記2の示唆をもとに,子どもたちの運動に 対する愛好的態度を高めるために,次の3つの 指導方針を構想し,保健領域 f心の健康J と運 動領域「体っくり運動Jを関連させた組み合わ せ単元を開発した。

[i旨導方針 1]体育学習において,学習内容に 沿った認識目標の内容を設定し,その内容に合 わせた具体的な方策を工夫する。

{指導方針2]技能・体力の向上に対する指導 を強調せず,運動の持つ多様なよさや意義につ

‑66 ‑

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いて子どもたちが意識化し,体感できるように する。

{指導方針3]保健学習では,教師主導の受け 身的な授業ではなく,学習課題を設定し,問題 解決的に学習を進め,そこで学んだ知識を実感 できるような活動を取り入れるとともに,運動 学習とも関連させ,知識と行動の一体化を図る0

4 捜撲の翼践とその効果の検討

前記3で構想した指導方針に沿って,授業を 実践し,その効果を検証した。

(1)認識目標に焦点をあてた指導

クラス全体における体育科の目標に対する調 査では,情意目標,社会目標,技能目標,認識 目標の全てにわたって授業後にその意識が向上 していたことから,子どもたちの運動に対する 愛好的態度を概ね高めることができたと推測さ れた。授業前後に実施した f実態認識J

r

課題 認識J

r

方法認識jに関する調査では,授業後 において分類されたカテゴリー数が増加すると

ともに,その内容もより具体化,多様化してい た。このことは体育科の認識目標の実現に近づ いたことを示していると考えられ,ひいては子 どもたちの運動に対する愛好的態度の高まりに 繋がったと考えられた。ポストテストにおける 授業感想では,体育科の目標に関する記述が全 部で 25項目抽出でき,そのうち下位群におけ る抽出数が上位群の約2倍を占めていた。この ことから,今回の授業実践は下位群の子どもた ちの目標に対する意識の向上において,効果が 高かったのではないかと考えられた。

(2)多様な価値観の指導

授業前後に実施した「価値認識J,こ関する調 査では,授業後において,分類されたカテゴリ ー数が増え

r

体力 J

r

運動技能J

r

楽しさ Jに 関する内容の割合が減少し,その他の内容の占

める割合が増加していた。このことから,子ど もたちの運動に対する価値認識の多様化が促さ れたと考えられ,今回の授業実践が,多様な個 性を持つ子どもたちに対応した授業になり,よ り多くの子どもたちの運動に対する愛好的態度 の向上に効果があったと推測された。

(3)保健領域と運動領域を関連させた指導 保健学習後の「体ほぐしの運動jで実施した

「体ほぐしチェックjでは,授業前後に得点の 向上がみられ,その傾向は下位群の子どもたち に強かった。このことから,下位群の子どもた ちを中心に,保健学習における学習内容を実際 の運動を通して体感できたのではないかと推測 された。授業毎に実施した形成的授業評価では,

1時間目の保健学習から 5時間目の「体ほぐし の運動Jに対する授業評価は漸増的に向上した。

このように保健領域と運動領域の関連を意識し た単元の組み合わせにおいて授業評価を高めた ことは,体育授業全体に対する子どもたちの評 価を向上させることに繋がるのではないかと推 測された。

5 今後の課題

。認識目標の具体的な内容は指導する単元によ って変わってくる。従って,体育科の授業で実 施する運動に合わせて,取り上げるべき認識目 標の内容を選定し,整理していく必要がある。

O

保健領域と運動領域の単元に関して,その関 連の持たせ方は多様である。現場での実践を積 み重ねていく中で,効果的な関連の持たせ方に ついて研究を進めていくことが求められる。

0今回の研究では授業実践として9時間の授業 を実施したが,全ての子どもたちの愛好的態度 を向上させることはできなかったミ授業のさら なる工夫@改善と長期にわたる調査・検証が必 要である。

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参照

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