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無 目地 ポ ー ラス コ ンク リー ト舗 装 の施 工 と品質 管 理

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Academic year: 2022

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(1)【 土木学 会舗装工学 論文集. 第3巻1998年12月. 】. 無 目地 ポ ー ラス コ ンク リー ト舗 装 の施 工 と品質 管 理 竹 井 利 公1・ 柄 澤 治2・ 丸 山 暉 彦3. 3. 1. 正 会員. ㈱ ガイ アー トクマガイ 技 術研究 所(〒300‑24茨. 城県筑 波郡 谷和原村小絹216‑1). 2. 正会員. ㈱ ガイ アー トクマガイ 技 術研究 所(〒300‑24茨. 城県筑 波郡 谷和原村小絹216‑1). 正会員. 工博. 長 岡技術科学大学教授. 環境 ・建設系(〒940‑21新. 潟県長 岡市上富岡町1603‑1). 無 目地ポ ーラス コンク リー トを使 用した舗装の施 工実績は,こ れ までに5169m2(20件)で. あるが,室 内で作製 したコン. クリー トと同じ品質 のものを現場で実 現 させるための施工方 法および品質管 理 方法は十分でないのが現状である. そ こで,室 内試験 と試験 施工 を行 った.こ れ らの結果 か ら室内で作 製 したコ ンク リー トと同 じ品質の ものを現場 で実現 さ せ るための実用的な施 工方法および品質管理 方法を示す ことができた.. Key. 1.は. Words : pavement cont rol. , non-jointed. porous. concrete. , construction. , quality. じめ に. 排 水 性 舗 装 また は透 水 性 舗 装 の 機 能 の 高度 化,長 寿 命 化 を計 る こ と と,常 温 生 産 に よ るCO2排. 出 量 の 削 減,. 省 エネ ル ギ ー化 を 目的 と して,無 目地 ポ ー ラス コ ンク リ ー ト(以 後 、non‑jointed porous concrete=NJPCと 記 す)を 開発 した1). この コ ン ク リー トの特徴 は次 の 通 りで あ る. ①. ペ ー ス ト分 の伸 び 能 力 が,通 常 の もの の 約2000 倍 で あ り,ま た,ペ. ー ス ト分 の硬 化 収 縮 、 乾 燥 収. 縮 に よ っ て 生 ず る ひず み は,転 圧 し締 め 固 め られ 図‑1舗. た 開 粒 度 の 骨 材 に よ っ て 拘 束 され て コ ンク リー ト. 装構 成例. 中 に ほ ぼ均 等 な 割 合 で 分 散 す る こ と か ら収 縮 目地 を 省 く こ とが で き 、 厚 さ を5cmと. す る こ とが で NJPCを. き る. ②. 空 隙 潰 れ が 生 じな い の で,ア. ス フ ァル ト系 の も. の と比 較 して 透 水 ・排 水 機 能,吸 音 機 能 の 持 続 性 が あ る.空. m2(20件)で NJPCの. 隙 詰 ま りは 生 ず る が,予 想 さ れ る路 面. の 最 高温 度60℃. の ときで も土 砂 等 の付 着 が な い の. で き る.ア. 施 工 方 法,品. 質 管 理 方 法 は,材 料 が特 殊 で. ば な らな い こ と,ま た,施 工実 績 が 少 な い こ と も あ って, ま だ十 分 で な い の が 現 状 で あ る 。. 連 続 空 隙 を確 保 し 易 く,使 用 す る骨 材 の 最 大 粒 径 を5mmと. あ る.. あ る こ と,ロ ー ラや バ イ ブ ロプ レー トで締 め 固 め な けれ. で,機 能 の 回復 が 計 りや す い. ③. 使用 した透 水 性 舗 装4)(構 内道 路 、歩 道 を対. 象)は,実 施 工を 行 って お り,これ まで の 施 工 実 績 は5169. そ こで,今 回 の研 究 の 目的 は,室 内 で 作 製 したNJPC. して も十 分 な 連 続 空 隙 を得 る こ とが ス フ ァル ト系 と比 較 して,発. と同 じ品 質 の もの を現 場 で 実 現 させ る た め の実 用 的 な施. 生音が 小. 工方 法 お よ び 品 質 管 理 方 法 を 示 す こ と と した.. さ くな る. ④. 一般 の 生 コ ンエ 場 で 製造 で き る.. ⑤. 通 常 の ア ス フ ァル ト舗 装 で 使 用 して い る ア ス フ. 2.現. 行 の 問題 点. ァル トフ ィ ニ ッ シ ャ,ロ ー ラ を使 用 して 施 工 で き る. NJPCを. 使 用 した 排 水 性 舗 装(図‑1に. を示 す)は,こ. ポ ー ラ ス コ ン ク リー トに 関 す る研 究 は従 来 か ら さ ま. 舗 装構成例. ざ まな 研 究 が 行 わ れ て き た5).6).し. れ まで の室 内試 験 と,試 験 施工 か ら実 用. か し、NJPCの. よ うな ポ リマ ー含 有 量 の 多 い ポ ー ラ ス コ ン ク リー ト(ポ. 化 の可 能 性が 極 め て高 い こと を確 認 して い る1).2).3).. ―111―.

(2) 図‑2曲. リマーセメ ン ト比=40%)を. げ強度の経時変化. 厚さ5〜10cmに. ロー ラで 図‑3施. 締固め舗装体 とする研 究は行われてお らず未知 な点が多 い.. 工技 術確立のフロー 図. これ までの実施工 をとお して,配 合設計 どお りのコ ン ク リー トを現場で実現す るた めに問題 となっている点 は, 運搬,転 圧,養 生で ある.品 質管理では コンシステ ンシ ー,空 隙率,強 度 の管理で ある. これ らの点 につ いて の詳細 は以下 のとお りである. ①. 進 する理由は,セ メン トが練 り混ぜ水およびエマル ジ ョン中の水 分 と水和反応 して硬化するため,エ マ ルジ ョン中の水分がセ メン トの水和反応 に使用 され る ことによ りエマ ルジ ョン中のポ リマーが3次 元 の網 目状 に強固 に増膜す るた め,お よび,空 気 と接. 運搬 はダ ンプ トラ ックを用 いて いる.荷 台 の コ ンク リー トは,運 搬 中にコンクリー トの水分が蒸発. して いる部分の水分蒸発作用が著 しいことか らポ リ マーが速 く増膜 して皮膜 養生剤 と同じよ うにコンク. しエマル ジ ョンが造膜 しな いよ う水 を軽 く含 ませ た. リー ト内部の水分蒸発 を防 ぐ働 きをす るため と思わ. 運搬時間 の限度 は,セ メン トコンクリー ト舗 装要綱 に準 じて1時 間 を目標 と して いるが,コ ンク リー ト が特殊なた めに短 い可能性が ある.. れ る. そ こで,NJPCの. ②. 養生マ ッ トと防炎 シー トで二重 に覆 っている.現 在. 養生 は現在,直 射 日光,風 等 に. よ る表面部分 の急速な水分蒸発 を防 ぐ目的で浸透型. 転圧 は シー ト転圧 を行 って いる.こ の方 法 を行 って いる理 由は,敷 き均 しか ら転圧 までの間 に生ず. 養生剤 のみ を使用 して行 って いる.し か しなが ら, この方法で屋外環境 にお ける表面付近 の急速な水分. る表面 の造膜 を防 ぐこと と,既 存の どのよ うなタイ プのロー ラで あっても,シ ー ト無 しに直接転圧す る. 蒸発 を防ぐことがで きるか 明 らかでな い. ⑤. コ ンシステ ンシー の評価 にはマー シ ャル突 き固. と必ず ロー ラ面 にコ ンク リー トが付着 して しまい敷. め試験 を用 いて いる.NJPCは,使. き均 し面 を荒 らして しま うので,こ れ を防 げること で ある.し か し,シ ー ト転圧 は無風 の時 にはスムー. 用 して いる骨. 圧 が著 しく困難 となる.ま た,シ ー ト上か らは ロー. 理 は十分 に行 う必要が ある.こ れ らの管理が十分行. ラマーク有無が確認 し難 いために作業効率が著 しく. われて いるか を確認す るためにコ ンシステ ンシー試. 低 下 して しま う.. 験 を行 うので あるが,マ ーシ ャル突 き固め試験 のみ の評価 では測定 に時間を要 し,実 現場で 十分 に対応. ③. ズに行 えるが,風 が吹 くとシー トが めくれ上が り転. 材 の品質 によって は単位水量 が10kg/m3変 化す る とコンシステ ンシーが著 しく変化す る ことが ある. したが って,骨 材 の表面水率 の管理,練 り水量 の管. 通常 の コ ンク リー トの強度発 現は空 気 中で小 さ く水中で大きいので,養生は湿潤養生 を行 っている。 これに対 してNJPCの 強度発現 は,図‑2に 示す よ うに通常のコ ンクリー トと全 く逆で,空 気 中の方 が大きい.NJPCが 水 中で強度増進 しない理 由は, 水中に移 される ことによ り多量に混入 されて いるエ マルジ ョンの脱水が停止 し,ポ リマー の造膜強度が 伸びないため と思われる.ま た,空 気 中で強 度が増. ―112―. で きて いない. ⑥. 空隙率 の管 理 は,コ ア を採取 し,そ れ の全空隙 を測定す る ことでお こなっている.し か し,こ の空 隙率 と配合設 計で使 用 している締 固め直後空 隙率 と の関係 が不 明確 である.締 固め られ たコンク リー ト の品質,特 に強 度を管 理す るために,現 場 の締 固め 時空 隙率を管理す る必要 がある.こ の空 隙率は直接.

(3) 図‑4ペ 写真‑1試. ース ト分絶対粘度の経時変化. 験 施工状況. 3.研. 究の概要. NJPC施. 工技術確立 のフロー を図‑3に 示す.. 室内試験 と当社合材工場 内で試 験施工(写 真‑1)を 行 い,その結果を用いてNJPCの. 4.検. 施工技術を確 立した.. 討 方法. (1)室 内試験 1)運 搬時 間につ いて 荷下 ろ し開始 か ら養生剤 噴霧 終 了までの施 工時間 を 現在 まで の施工実績 を もとに30分 として,練 り混ぜ 開 始か ら荷下 ろ し開始 までの運 搬時間の検 討を行 った. 一般 に夏期 の施 工で運搬 時 間が短 くな るこ と,お よ び,図‑4に. 示すNJPCペ. ース ト分の各環境温度 での. 粘度 経時変化で,環 境温度40〜4℃. 写真‑2回. 向が同程度で ある ことを考慮 して,環 境温度 は40℃ の み とした. 40℃ に調整 した材料 を用 いて コ ンク リー トを製造 し,. 転摩耗試験機. これ を8kgず. 測 定できないので,コ ア空隙 率との関係 を明 らかに し,こ の関係か ら求める必要 がある. ⑦. 強度 の管理 は,現 場で 設計空 隙率 にな るよ う作 製 した曲 げ供試体 を20℃ の空気 中で28日 間養 生 後 に試験 し,そ の結果 が3MPa以. では経時変化 の傾. 上ある ことを確. 認する ことで行 っている.こ の管理 は現場 で設 計空 隙率 に締固め られている ことが前提 となっている こ とか ら先の空隙率の管 理が重 要 となる. 現場で問題 となる ことが多いのは、曲げ試験用の 装置(治 具等)を 所有す る生コ ン工場が極 めて少な く,こ の装置を所有する工場を見 つける ことが困難 な ことで ある.. つ ビニール袋 に入れ封緘 し,40℃ の恒温. 室 に入れ コンシステ ンシー と強 度の経時変化 を調べた. コ ンシステ ンシー の評価はマー シャル突き固め試験 によ り,強 度 の評価 は,空 隙率20%で. 作 製 したマー シャル. 供試体 を60℃,湿 度60%の 環境で28日 間養生 した も のを圧裂試 験する ことによ り行 った. 2)転 圧 方法 について シー ト転 圧の代替方 法 として,図‑5に. 示すよ うな工. 夫 を施 した両鉄輪 ロー ラ(以 後,改 良型 ロー ラと記す) を用い,施 工 中いつ も両鉄輪面が濡れ布で拭かれるよ う に して施工 を行 う方法 を検討 した.布 は織 布等であ り, これを濡 らすため にロー ラに備 えつ けの噴 霧装置 を用い る.過 剰 に噴霧 された水 は布 をつたわ り トイへ落ち,水 受けへ と流れ るので転圧面 に余剰水が落 ちな い. この方 法で行 え ば,ロ ー ラへ のコ ンク リー ト付着 も 僅かで仕上が りも良好 とな ることが,こ れ までの施工経. ―113―.

(4) 図‑5改. 写真‑3水. 表‑1空. 良型ロー ラ. 分計. 隙 率測 定 用 供 試 体. 図‑7締. 5cm,重. 固め終了までの経過時 間 と圧裂強 度の関係. さ77.5gの. 入 れ 毎 分33回. 角 座 金2枚. を溶 接 した も の を6個. 転 の ス ピー ドで1000回. 転させた時の供. 試体 単 位 面 積 あ た り損失 重 量 を測 定 す る こ とで行 っ た. 供 試 体 は,ロ. ー ラ に 噴霧 す る 水 の 量 を 噴 霧器 で 調 整. し,供 試 体 の 単 位 面 積 あ た りに 入 り込 む 水 の 量 を 調 整 し て 作 製 した.養 生 は20℃,湿. 度60%の. の 水 中 で 行 った.試 験 材 令 は7日,28日 3)養. 図‑6コ. 空 気 中 と20℃ と した.. 生 方 法 につ いて. 養 生 剤 の み の 養 生 が 屋 外 環 境 にお け る表 面 付 近 の 急 速. ンシステンシーの経時変化. な 水 分 蒸 発 を防 ぐ こ とが で き る か の 検 討 を 行 った. 温 度 を20,40,60℃,湿. 度 を20,60,100%に. 験 で十 分 に予想 できる.し か し,ロ ー ラに付着 してい る. さ せ た そ れ ぞ れ の環 境 室 に,練. 水 の影響 で,路 面物 性,特 に骨材飛散抵抗力荊悪 くな る のでは との懸念 がある.そ こで,こ の水の影 響 を調べ る. 度 と同 じ にな る よ う調 整 した コ ン ク リー トを28日. ために,ロ ー ラか らつたわって路面へ流れ込む水の量 を. た.た だ し,湿 度100%の. 変化 させ た供試体 を作製 し,回 転摩耗試験 を行 った. この試験 は,写 真‑2に 示す 回転 摩耗試験 機 の回転. て,供 試 体 を絞 った 濡 れ 布 で 包 み,さ. 六角 ドラムの壁 に供試体 を張 り付 け,ド ラム内 に一辺が. ―114―. 変化. り上 が り温度 を環 境 室温 間養. 生 し,こ れ をカ ン タ ブ ロ試 験 によ り評 価 す る こ とで 行 っ. で 封 緘 して 環 境 室 に入 れ た. 時 は,実 現 場 の 養 生 を考 慮 し らに,ビ ニ ー ル 袋.

(5) 表‑2強. 表‑3締. 図‑8回. 4)コ. 度試験 用供試体. 固め直後空隙率 とコアー空隙率の相 関係数. 転摩耗損失量と噴霧水量の関係. 図‑9カ. ンシステ ンシーの管理方法 について. NJPCを. ンタブロ損失量と養生環境の関係. の空隙率 は 日本 コンク リー ト工学協会 のポー ラスコ ンク. 生 コン工場で製造する場 合,最 もコンシス. リー トの空隙率測定方法(案)に. 準 じて測定 した.. テ ンシーに影 響 を及ぼす ものは単位水 量であ り,単 位水 量を管 理す る ことで コンシステ ンシー をある程度管理で. 空 隙率測定 に供 したNJPCは 6)強 度の管理方法 について. 表‑1に. きる.測 定に時間のかかるマー シャル突 き固め試験 によ る コンシステ ンシーの評価を補助す る 目的で練 り落 とさ. 圧裂強 度 との関係 を試 験によ り調 べた.. れたコ ンク リー トの含水比(単 位水量)を 迅速に測定す る方法の検 討 を行 った. 検討 した含水比測定方法は写真‑3に. 示す機械(以後、. 水分計 と記す)を 用 いる方法で ある.こ の水分計は生コ ン工場で骨材の表面水率 を管理する 目的で使用されてい. 曲げ強 度と,マ ー シャルモール ドで作 製 した供試体 の 圧裂試 験(引 っ張 り強 度試 験)は,JIS 準 じて行 った.. A. 1113に. 強度の管理 に,圧 裂 試験の検 討を行 う理 由は次 の とお りである. ①. 特別な装置が必要 なく,JIS工 場な らばどこで も. るもの をハ ンディータイプに改造 したもので ある.. 試 験できる.. 含水比 を変 えた コンク リー トを練 り混ぜ,そ れぞ れの コンク リー トの練 り混ぜ直後含水比 を直火法 と水分計 に. ②. よ り測定 し,そ の結果 を比較す ることで水分計 を用いる 方法の検討 を行 った. 5)空 隙率の管 理方法 について. ③ ④. 配合設計で使 用 している締 め固め直後空 隙率 と,採 取 コアよ り得 られ る気 乾空 隙率,全 空隙率,連 続空隙率 と. 強 度試験 に供 したNJPCを. の関係 を調べ た. 示す.. 前2者 の空 隙率 はノギ ス法で,後2者. ―115―. マー シャル モー ル ド、マー シャル ラ ンマー は比 較的軽量であ り,現 場で準備 し易 い. 均一 に締 め固め られ た供試体 を作製 し易い. 現場 コンク リー トの強度 が知 りた い時 には,コ ア を採取 し,こ れ を試験 して評価で きる. 表‑2に. 示す..

(6) 使用 され る ことによる もの と思われ る. ②. 噴霧水量 が330g/m2以 上 にな る と,損 失量は 著 し く大 き くなる結果 とな った.こ れは、路 面か ら蒸発する水よ りも噴 霧され る水 の量が多 くな り, この水 が路面付 近 のセ メ ン トペース ト分 を下 へ洗 い流すためで ある.. 試験 施工 の結果 は次の通 りで ある. ①. 通常 の鉄輪 ロー ラに,コ ンク リー トが 付着 しな いよ うに転 圧す る には,1パ ス,路面1m2当 た り150 g/(m2・. ②. 回)の 水を鉄輪 に噴霧 する必要がある.. 改良型 ロー ラを使用 した 場合 は,1パ 水量 を30g/(m2・. 図‑10水. ス の噴霧. 回)と して施 工できる.. ③. 改良型 ロー ラへの コ ンク リー トの付着 は ごくわ ず かで,品 質 に悪影響 を及 ぼさな い(室 内供試体作. 分計の含水率と直火法による含水率の関係. 製時 と同程度). (2)試 験施工 室内で新 しい転圧方 法 を検 討する際. ④. 改良型 ロー ラに付着 した コンク リー トの9割 以 上 は布 をつたって トイ に落ちた.そ の量は,施 工面. この方法で行え. 積100m2に 対 して612gで. あった.. ばコンクリー トが ロー ラに付着 しない とい う推定で行っ て いる.こ の ことを検 証す るために試験 施工 を行 った.. ⑤. 施 工面積は150m2,施 五厚 さは5cmで ある.こ の う ち50m2は 通常の2.5t鉄 輪 ロー ラを用 いて転圧 した.. 改良型 ロー ラに噴霧 しす ぎた 水は,布 をつ た っ て トイ,貯 水 槽へ流れ 路面へ は落 ちなか った.. ⑥. 月経過 したが,供 用状況 は良好な. 転圧 の際 はロー ラにコンク リー トが付着 しな いように, ロー ラに水 を噴霧 した.残 りの100m2を 図‑5に 示す2.5 t改 良型 ロー ラで転圧 した.. 施 工して11ヶ 状態 である.. 以上の室内試験 と試験 施工の結果 か ら,次 のことが判 断できる. ①. 5.検. 討結果. 通常 の鉄輪 ロー ラで,水 を噴 霧 しな が ら転 圧 し た場 合は,3パ ス以 上転 圧す ると,そ の噴霧水のた めに路面物性 が悪 化す る.実 施工 では,標 準的な転 圧 ス ピー ドよ りも遅 く転圧す る ことや,転 圧 回数 を 2パ ス と決定 して いて も,そ れ以上転圧 して しまう. (1)運 搬時間 につ いて. 箇所 が生 じる こともあるので,こ の方法 は実 用的で ない.. 図‑6に コンシステ ンシー の経時変化 を示す.コ ンシ ステ ンシー は時 間の経過 と ともに低下 して い るが,90 分程度 まで は,急 激な変化が ない.こ れ は,ポ リマーが セ メン ト粒子 の周 りを覆 い,水 和速 度を遅 くして いるた. ②. 改 良型 ロー ラを使用 した場合,単 純 に計 算す る と11パ ス(損失量が著 しく大 き くなる噴霧水量330 g/m2÷ 改 良型 ロー ラ1パ ス の噴霧 水量30g/ (m2・回))ま では路面物 性に悪影響 を及ぼ さない. NJPCは,通 常,所 定 のロー ラ3〜5パ スで設. めと考 え られ る. 図‑7に 圧裂強 度の経時変化 を示す.圧 裂 強度 は,練 り上 り後2時 間 までは低下 してない. 図‑6と. 図‑7よ. 計空隙率 とな るよ う配合設 計されているので,改 良. り,時 間の経過 とともにコ ンシステ. 型 ロー ラを使用す る方法 は,実 用的な転 圧方法 であ る.. ンシーが若干変化 して も材令2時 間以 内に設計空 隙率 に 締 め固めれ ば 強度 に変化が ない こと,お よび,運 搬時 間 が1時 間を超 える場 合は,コ ンシステ ンシー のロスを考 慮 した配合で 出荷すべ きで ある ことが分か る. 以上 の ことを考慮す る と、水分 の蒸発 を防ぎ運搬 した 時の運搬時間 の限度 は,90分 と判 断できる.. (3)養 生方法 につ いて 温度,湿 度とカ ンタブロ損 失量の関係を示す 図‑9か ら次の ことが分か る. ①. (2)転 圧方法 につ いて. 湿度 が60%の 時 には路面温 度が40℃ 以上,20% の時 には30℃ 以上 になる と,コ ンク リー トの物性 が著 しく低下す る.こ れ は,コ ンク リー ト中水 分の. 図‑8に ロー ラを介 して転 圧路面1m2当 た りに加 えた 水 量(以 後,噴 霧水量 と記す)と 回転摩耗損失量 の関係. 著 しい蒸発が急激 に生 じセ メ ン トの水和反応 がほ と ん ど行われて いない ことが原 因 と考 え られ る.. を示す.こ の図か ら次 の ことが分か る. ①. 噴 霧水量 が330g/m2ま. では,路 面物性 に悪影. 響 を及 ぼさな い.こ れ はエマル ジ ョンが,セ メ ン ト と水 の分離 を妨 げる効果 を持 つ ことと,噴 霧 した水 のほ とん どが,路 面 よ り蒸発す る水 の補給 水 として. ―116―. ②. 湿度100%の 場 合は,温 度 による悪影響 を受けな いが,カ ンタブ ロ損失量 は,比 較的大きい.こ れは,.

(7) 図‑11コ. ア空隙率 と締固め直後空隙率の関係. 図‑12曲. ポ リマー の造膜強 度が 高湿度 のた めに低下 して いる. 最 大寸法 の影響 を受 けない.こ れ は,作 製 した供試 体 を28日 間空気 中に放置 した時の気 乾空 隙率 で, コンク リー トの含水 比が十分 に安定 して いたこと,. ためと考 え られ る. ③. げ強度と圧裂強度の関係. 夏期 において,路 面温度 は,外気温 よ り10〜20℃ 高 くな るので,養 生マ ッ ト等 による湿潤養生が必要 と判断で きる.た だ し,NJPCは 水分が過剰 に供. お よび,水 分 の蒸発量 は,練 り水(エ マル ジョン中. 給 され る環境で は,強 度が増進 しな いので養生マ ッ トに散水す る水の量 は養 生マ ッ トが湿 る程度 とすべ. メン ト重量の25%)と. の水 も含む)か ら,セメン トの水和 に必要 な水量(セ ゲル 水 と して取 り込 まれ る. らもうかがえ るように,湿 潤. 水量(セ メ ン ト重量 の15%)を 差 し引いた量 に極 めて近 い結果 とな ったため と考 え られ る.. 養 生中は,温 度20℃,湿 度60%で 養生 した ものと 比較 して物 性は劣 るが,気 乾状態 にす ると同等 の物. 以上 のことか ら、事前 に使用す る配合で の相 関を求 め て いれ ば どのコア空隙率か らで も締 固め時空隙 を求 め. 性 とな る.. ることがで きること,お よび,気 乾空 隙率 を求 める際 の. きである.図‑2か. (4)コ ンシステ ンシーの管理方法 につ いて 図‑10にNJPCの 含水 比 を水分計 で測定 した値 と. 供試体 の状態 を一 定 の方 法で定 めれ ば(例 えば,50℃ の乾燥 炉内 に24時 間放 置後 の状態),事 前に相関 を求 めな くて も気乾空隙率か ら締 固め時空 隙率 を求 めれる可. 直火 法で測定 した値 との関係 を示す. 両者 の相 関係数 は,0.994で 相 関が非常 に高 い.。 この ことか ら,操 作が容 易で,ス ピー ディーに測定で. 能 性が高 いことが分か る.. きる水分 計がNJPCの. 図‑12は,曲 げ強 度 と圧裂強 度の関係である. 6号 トップの場 合の相 関係数は0.868,7号 トッブの相. 単位水量 の管理 に有効で ある と. 判 断で きる.. (6)強 度の管理方法 について. 関係数 は0.952で あ り,両 者 とも相関が高い. この結果か ら,配 合設 計時に,曲 げ 強度 と圧裂 強度の. (5)空 隙率 の管理方法 について 図‑11に コア空隙率(気 乾空隙率,全 空隙率,連 続 空隙率)と 締 め固め直後 空隙率の関係 を示す.. 関係 を確認 す れば,現 場 での品質管 理は圧裂強度で行え る と判 断できる.. それぞ れの コア空隙率 と締 固め直後空 隙率 の相 関係数 は,表‑3に. 示す. 6.ま. 図‑11と 表‑3か ら、次の ことが分かる. ①. 締 固め時空 隙率 はそ れぞれ の コア空隙 率 と相 関 が高い.. ②6号 トップの配 合が7号 続空隙 を確保 し易い. ③. トップの配 合よ り連. 使用 骨材 の最大 粒径 が大 き く,高 空隙 率 ほ ど,. 室内で作製 したNJPCと. 同 じ品質 のもの を現場で実. 現させるため に,現 行での問題 点を明 らか にし,こ れ に ついて検討 を行 った. その結果次の ことが分か った.. 全空隙率 と締 固め直後空 隙率が近 くなる.こ れは,. ①. 運搬時 間の限度は,外 気温 に関係な く90分 を 目. 全空隙の測定方法が,最 大粒径が大き く,空 隙率 も 大き い植 栽コンクリー ト等の空隙率測定用 の試験 条 件 に設定 されているため と考 えられる. ④. とめ. 気 乾空 隙率 と締 固 め直後 空隙率 の関係 は,骨 材. ―117―. 標 とすべ きで ある. ②. 運 搬時間が60分 を越 える時 は,コ ンシステ ンシ ーの ロス を考慮 した配合で 出荷すべ きで ある.. ③. 図‑5に. 示すよ うな改良型 ロー ラによる転圧は,.

(8) コンク リー トに悪 影響 を与 えな い実用 的な締 固め方. 参考文献. 法で ある.. 1). ④. 浸透 タイプの養生剤 を使 用 して も,湿 度60%で 路面温度が40℃ 以 上の時,湿 度20%で30℃ 以上 の時 には急激 な水分 の蒸発 を防 ぐことがで きな いの. 発, 道 路建 設, No. 570, 2). で,養 生マ ッ ト等 による養 生が必要 となる. ⑤. 写真‑3に 示す水分 計は,NJPCの. 木 村 公 平, 竹 井利 公: 目地 な しセ メ ン ト系 排 水 性 舗 装 の 開. 単位 水量 を. 1995. 7 目地 な しセ メ ン ト系 排 水. 性 舗 装 の追 跡 調 査 結果, 第21回. 日本 道 路 会 議 一般 論文 集. (B), 3). pp. 41‑51,. 幾 田 茂義, 竹井 利 公, 瀧 川 勝 則:. pp. 498‑499,. 1995. 10. 竹 井 利 公, 柄 澤 治, 丸 山暉 彦: 排 水 性舗 装 用 ポ ー ラ ス コ ン. 管理す るのに有効 であ り,正 規 のコ ンシステ ンシー. ク リー トの配 合設 計 に関 す る研 究, 舗 装 工 学 論文 集, 第2. 評価試験 の簡 易法 として位置ず ける ことができ る.. 巻, pp173‑180,. ⑥. コ ア空 隙率 か ら強度管 理 に必 要 な締 固 め時 空隙 率 を求 める ことができる.. ⑦. 4). 強度 の管理 は圧裂強 度で行 える.. (B),. pp. 564‑565,. 日本 道 路 会 議 一 般 論文 集. 1997. 11. (社)日 本 コ ン ク リー ト工 学 協 会. エ コ コ ン ク リー ト研 究. 委員 会: 自然 環 境 と調 和 を考 慮 した エ コ コ ン ク リー トの現. わ りに. 状 と将来 展望 に 関 す る シ ンポ ジ ウ ム 論 文 報 告 集, 1995. 11 6). NJPCの. 竹 井 利 公, 橋 本 喜 正: 目地 無 し透 水 性 コ ン ク リー トを使 用 した舗 装 の 供 用性 調 査, 第22回. 5). 7.お. 1997. 12. 施 工技術の 中で最 も重要な ものは,所 定 の. 時間内 に所定 の空隙率内 に締固める技術 で ある と思 う. この技術 を確かな ものとす るため には 締固め直後 に. (社)日 本 コ ン ク リー ト工 学 協 会: エ コ コ ン ク リー ト研 究 委員 会 報 告 書. 自然環 境 と調 和 を 考 慮 した エ コ コ ン ク リー. トの 現 状 と将 来 展 望, 1995. 11. 空隙率 を測定で きることが望 ましいので,今 後,こ の点 につ いて検討 を行 う方針で ある.. CONSTRUCTION AND QUALITY CONTROL OF NON-JOINTED POROUS CONCRETE PAVEMENT Tosihiro TAKEI , Osamu. KARASAWA and Teruhiko. MARUYAMA.. Totalamountofconstruction ofnonjointedporousconcrete pavement hasreached to5169m2 including 20construction sitesuntil nowHowever, it hasbeenrealized thatthereproduction ofthequalityofthematerialinfieldsequivalent to laboratory specimens wasverydifficult, because ofthereasonthatthemethodofconstruction andqualitycontrol hasnotbeenexamined thoroughly. In orderto solvetheproblems, thelaboratory testsandtrailfieldconstruction werecarriedout.Basedontheresultsofthese investigations, thepractical methodofconstruction andqualitycontrol couldhavebeenestablished.. ―118―.

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