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著者 堀田 祐紀

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Academic year: 2022

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肥大型心筋症病像の長期経過に関する研究: 心電図 および左室造影像の経年変化による検討

著者 堀田 祐紀

著者別名 Horita, Yuki

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成4年7月

ページ 56

発行年 1992‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/14981

(2)

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博乙第1134号 平成3年7月3日 堀田祐紀

肥大型心筋症病像の長期経過に関する研究 一心電図および左室造影像の経年変化による検討一

論文審査委員 主査 副査

教授 教授 教授

竹田 小林 松田

祐一保

亮健

内容の要旨および審査の結果の要旨

肥大型心筋症(hypertrophiccardiomyopathy,HCM)は,原因不明の心筋肥大を来す希有な疾患 で自然歴が明らかでなく,突然死を起こす点でその診断と慎重な経過観察が重視されている。HCMの左 室肥大と心電図所見との関連については幾つかの報告がみられるが,長期にわたる経年的心電図変化と経 年的左室・両室造影所見とを対比検討した報告はない。そこで,著者は経年的心電図所見とくにHCMに みられる陰性T波の変化がいかなる病態を反映しているかを明らかにするために,経年的に左室・両室造 影像を分析し左室壁肥厚,左室収縮拡張機能,左室形態の推移と比較検討した。対象および研究方法;

HCM76例のうち経年的に心室内伝導障害の出現を認めず,臨床症状の変化により経年的左室・両室造影 を施行し得たHCM15例を対象とし,平均69カ月の観察を行なった。経年的心電図所見とくに陰性T波の 変化について著者はまず,(1)陰性T波の出現または増高例(A-1群,5例),(2)陰性T波の消失または 減高例(A-2群,4例),(3)T波変化のない例(B群,6例)の3群に分類した。研究成績;1)心尖部 壁厚と最大陰性T波高との間には,観察開始時(p<001),終了時(p<0.05)とも有意相関が認めら れ,SV,+RV5と最大陰性T波高も,開始時・終了時とも有意相関(P<0.001)を示した。2)A-1群 では,経年的にSV1+RV5の増高,左室前壁・心尖部肥厚の進展を認め,また左室容積曲線の解析により 求めた左室拡張機能(PeakdV/dt/EDV)の低下を認めた。左室拡張末期容積,左室駆出率には変 化を認めなかった。左室拡張末期形態は,円形よりスペード型へと変化した。3)A-2群では,SV,+

RV5の減高,左室前壁・心尖部肥厚の減少・罪薄化および左室拡張機能の低下を認めた。更に左室拡張 末期容積の増大,左室駆出率の低下を認め,A-2群の2例は観察終了時には拡張型心筋症様病態を呈し,

うち1例は突然死を認めた。剖検所見では,前壁・心尖部壁肥厚の非薄化と広範な線維化を認め,心筋内 の中小動脈は内膜・中膜肥厚に伴う高度の内腔狭窄所見を呈した。A-2群では,観察開始時心尖部肥厚 に加え著明な心室中隔肥厚を伴っていた。4)B群では,心電図所見,左室壁肥厚,左室機能に明らかな 変化を認めなかった。

以上の成績より著者は,HCMの心電図所見の長期推移の検討により,方宰壁肥厚とくに心尖部肥厚・

左室機能・左室形態の経年変化が類推可能であると結論した。また,心尖部および心室中隔肥厚を伴うHCM で,経年的に陰性T波の消失を伴う例では,拡張型心筋症様病態に移行する可能性があると推定した。

本論文は,HCMより拡張型心筋症への移行があり得るか否かに関し,経年的な心電図所見に対応する 左室・両室造影像の追跡によって,拡張型心筋症様病態を呈するHCMの存在を実証し,かつこのような 亜型の特徴を明らかにした点で,心筋症研究に資するところが大きいと評価される。

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