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著者 岡崎 良吉, 藤田 輝昭

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Academic year: 2021

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

Gel中に於ける超音波の吸収とその測定について

著者 岡崎 良吉, 藤田 輝昭

雑誌名 奈良学芸大学紀要

巻 7

号 2

ページ 31‑34

発行年 1957‑12‑15

その他のタイトル Ultrasonic Energy Absorption of Gel & Its Mesurement

URL http://hdl.handle.net/10105/4880

(2)

(31)

Gel中に於ける超音波の吸収とその測定について

岡 崎 良 書・藤 田 輝 昭 (物理教室)

(昭和32年10月1日受理)

Ryokichi Okazaki & Teruaki Huzita Ultrasonic Energy Absorption

of Gel & Its Mesurement

1.緒    言

超音波水晶発振子の幅射エネルギーの測定については,前号でTorsion Balanceを用いて幅 射庄を測定する機械的な方法と,温度計で一定量の水の温度上昇から算出する方法とを比較検討

した。

Torsion Balanceは超音波の不連続領域からの反射のため測定が不安定であり,又Gel及び 固体中での測定は不可能である。温度上昇による方法は,種々の面でBalanceに比べで優れて いるが,その鉄点は測定のTime Lagが非常に大きいことである。最近半導体の進歩と共に, Thermisterによる温度計の試作が種々の面から行ほれているので,当研究室でも之を試作し, 超音波の強度測定に用ひた処,未だ改善の余地があるとは云え,この温度計は超音波強度の測定 には決定的手段になるものと轄諭しうるようである.特にそのTime Lagの非常に小さい事が 超音波の強度測定の如く直接的に測定しえないものに適用する方法としては最も優れているもの

と思はれる。

今回の実験ではGel中に於ける温度変化や温度差を測った。これからGelによる超音波エネ ルギーの吸収, Gel車の音強度を考祭したのである。

2.サーミスタ一差動温度計

超音波エネルギーを吸収した媒質は伝導,対流で熟発散が行はれない限り,その部分の温度は 上昇する。従ってその部分の絶対温度だけから,その部分の音強度は出ない。寧ろ温度上昇速度

が温強度に関係する。その為に測定の手初としてサーミスタ一差動温度計を試作した.

回路は第一図の如十でGridにつながる20KG 及びTl; T2のThermisterでプリツヂ回路をな す。 'Ii, T2の温度が異るとその抵抗が変化して両 Grid間に電位差を生じ,その電位差を6sN 7で一 段増巾ししてpIP2につないだ電庄計で読めばよい。

Thermisterは熱容量を小さくするためビート型 (針状ガラス封入型;芝蒲電子製作所製)を用いた0

‑万から考へれば幅射エネルギーを充分受取ること の出来るDisc型のものも用いてもよい訳であるが,

Se

第1図 差動温度計 Gel r‑│jに挿入するためには針状でないと都合が悪いので今回は之の型を使用することにしたo

今Thermisterの抵抗をRとすれば

R‑Rqexp Bi‑ ‑lk) 〔l〕

(3)

(32)       岡崎艮吉・藤田輝昭

こゝで  Ro; Resistance at Temperature To (‑K) R; Resistance at Tempetature T (‑K) B; Thermister Constant

上式の柵をとるとIn昔‑B(÷一五)

∴ △R=‑BR仝竺T2 LIrl

又第2図のプリツヂ回路に於て, R5 の両端に現はれる電圧は,

V= (*2ォ3 ‑‑RxR^S

(Rl十RzXR2+R,)+ 〔^1‑^3(^2+‑^4)十^2^4(^1t‑^3)〕/R5 此処で R1‑2KQ i?2‑(2 △R)′てQ Ro‑R,‑30KQ

とすれば   v=    30△R看

1024+32△R +3840十2024 R*

近似的には V‑K△R K;比例常数     〔Ⅲ〕

と考えてよい。 Gridの電位差がPlateに直線的に増巾され て現ほれるから電圧計の読みは

va‑‑Kl△R‑‑KIB芸△T 〔Ⅳ〕

となり,電位差は抵抗に比例し,温度の自乗に逆比例してい る。

吾々の試作した温度計の温度差対電位差のグラフは第3図 に示す如くであるO之は二つのピ‑カーに水を入れ,一方は 一定温度に保ち ThermisterTi及び水銀寒暖計を入れてお き,他方のピ‑カにはT2及び他の水銀寒暖計を入れて緩慢 に温度を上下して, TlT2による電柁差に対する寒暖計の読 みの差を取って比較している。第3図によると〔Ⅳ〕式が程

60

5D

40

30

20

m

第2図 Bridge Circuit

■ー■ー

S †d n i p 2 S "c r d t e m

/ ■ー

limp. <NfF( ・c)

讐図voltage‑Temperatuee qraph

ど正確に示されている。又この曲線の再生度は全く良好で上昇下降による違いは程ど見出しえな かった。実笠には感度を更にあげたい時に,屡々電圧計の代りにミリアンメータ‑を挿入して用

いることがあった。

3.実  験  方  法

池中の水晶発振子で発生したIMCの超音波をビニ‑ル膜を通してGel中へ送る。実験に用 いた水晶板は径3.5cm厚さ6mmのX‑Cutである。

まづ縦20こm,桟6cm,窪さ4cmの木枠の6cmの一端だけにピニ‑ル膜をはり音波をこの 膜を通して縦の方向に入れた場合の温度分布を語べた ThermisterTiは一定温度(室温)に保 ちT2を音波を送り乍ら7, 13, 18, 23, 28分経過後,音波の入端部から後端部迄0.5cmおきに Gelに挿入して測定を行った。第4‑第8図はその結果を示し,横軸は入端部からの距離,縦軸 は電流を示している。叉各図表には音波を全然入れない前のGelの温度分布状態をstart lineと して示してある。又第9図枚第4‑第8図の結果を‑定位置における時間の画数としての温度上 昇を調べる為に用いて入端部から1, 2, 3, 10, 16, 17, 18cmの位置における温度上昇と時間の 関係を示した。

(4)

Gel中に於ける超音波の吸収とその測定について (33)

次に縦20こm,横18cm,深さ4cmの木枠にGelを充し,一定時間超音波を当てた後の等ポテ ンVヤル曲線を第10図に示す。之はTlを音波入力端の処,即ち図ではstandardpointで示して ある処に入れ, T2をGel中の綻及び横の0.5cm間隔おきに挿入して,この場合は電位差にして 測定している。

4.実験結果 と 考察

第4‑8図を見ると,音波の入口及び音源から最も遠い音波が衝突した木板の附近の温度上罪 速度が著しく大きいことがわかる。 このことはGelの濃度をかえてもほゞ同様の傾向になる。

また第9図で見れば音源に近い端から1cmと18cm, 2cmと17cm3cmと16cmの各1対が比較 的似た結果を示し,中央部の処(10こm)で

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(5)

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8 10 11 1㌔

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之から考えると Gelが音波を受けた前 面での温度上昇は,高温になった池からの 熱の伝導によるもので,音源から最も離れ た後面の温度上昇は,木板が音波を吸収し その温度上昇の影響によるものであろうQ 若しそうでないなら音源に遠い後部が近い 前面より高温になるとは考えられないC ま た中央部株ほとんど温度が昇らない。これ からGel中ではIMc程度の音波はほとん ど吸収されないで透過することがわかる。

もし後端部の木板を取り去り,空気層に直 接Gelを接すると,この部分の温度は中央 部と同じように温度の上昇は見られなかっ た。

第10図の等ポチVヤル曲線を見ると音波 の進んだ道の両側は温度が低くなっている。

(図で読みの大きいところ程standardp omtから低い温度にあることを示す),こ れは音源からの音波がGel中でほとんど直 進することを示す。また前後で比較すれば 中央部の低温は前図と同じ意味,即ち音波 の吸収されずに直進することを示している。

そしてこゝでも音波が通過して衝突した処 では吸収されて温度が上昇している。前号 での実験5に示すものでは超音波がGel中 を通り,水銀寒暖計の水銀酒に衝突し,そ のために温度が著しく昇ったものと考えれ ば本実験と何等の矛循をなすものではない。

この実緒からビート型Thermisterは自

(5)

岡崎良書・藤田輝昭

身では余り超音波を攻収しないで,それが存在しているところのGelの温度を比較的退かに示す 点では優れているっ

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(第10図)

(第10図5 Equi‑potential Curve

temp, in oil. start 27.5‑C end 34.0。C temp.atpoint̀̀A" start 21‑0。C end 21.5。C temp.atpoint̀'B" start21.5‑c end 22.5。c

Materials: Japanese isinglass. Eceq. of ultra‑sonic 1 Me/See Platecurrent of Oscillation tube lOOmA Weather fine Temp of room 21。C

5.結    論

(1) Gel中では少くともIMC程度の超音波は吸収されないで,非常によく透過するo (2)超音波はGel中を直進し,それが衝突した物質が吸収体であればそこに吸収されるO (3)超音波の透過吸収の測定には, Thermister差動温度計が便利である。

なはこれら超音波のGel中えの透過,吸収から人体医療モデルとして有用である。

Reference

Sakae MORITA ; ,T.P.S of Japne 7.214 (1953) 岡崎良書・藤田輝昭  奈艮学芸大学記要 Vol6 No2 (1956)

無線と実験   Vo143 No2 P95 (1956)

参照

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