スポーツ選手のためのリハビリテーション研究会
第 26 回研修会誌
会期:平成 20 年 11 月 22 日(土)∼23 日(日)
場所:飯田橋レインボービル
〈後援〉
(財)日本体育協会
(財)日本オリンピック委員会
ご挨拶
∼第
26 回研修会によせて∼
このたび、スポーツ選手のためのリハビリテーション研究会第
26 回研修会が平成
20 年 11 月 22 日(土)・23 日(日)の両日、東京で開催される運びとなりました。研
修会開催に当たり、当会活動に共感して頂いている会員各位だけでなく、賛助・協賛
各社ならびに準備に携わった方々のご尽力に感謝申し上げます。本研修会は、東京開
催でありながら、甲南女子大学の伊藤浩充準備委員長が中心となり、関東圏より西の
会員にご尽力頂き企画・準備が行われました。当日の東京近隣の運営委員との連携も
進み、新たな企画・準備・運営体制で開催される研修会の一歩として感慨もひとしお
です。
今回の研修会テーマは、「スポーツ選手にとって重要な動きづくり‐体幹機能に着
目して‐」です。特に、今年度は新たな取り組みとして、講習会やワークショップを
通じて体幹機能を取り上げてきました。 スポーツ選手にとって重要な動き
とは、
パフォーマンスを向上させる目的だけではなく、広義にはスポーツ外傷の予防や再発
予防に結びつくテーマです。下肢や上肢の使い方など知るべき動きが多い中、今回は、
下肢と上肢をつなぐ体幹機能に着目し、体幹機能トレーニングと腰痛症の治療をクロ
ーズアップできればと考えています。
腰痛症の治療に必要となる体幹機能と動き作りに関しては、金岡先生に最近の腰痛
治療のトピックスを講演して頂きます。青木先生には腰痛症に対する保存療法につい
てご講演を賜ります。スポーツ動作に必要な動き作りに関しては、ワークショップで
も好評だった鈴木先生に、体幹機能向上トレーニングについてご講演して頂きます。
岡田先生には、体操競技の中で指導されている体幹の安定性と柔軟性についてご講演
を賜ります。
シンポジウムでは、各種スポーツ動作に必要な体幹機能に着目した動きづくりに関
して、投動作は能勢先生、水泳は加藤先生、漕ぎ動作は鳥居先生、走動作は舌先生、
あたり動作は吉村先生といった、その領域で活躍している先生をシンポジストとして
お招きし、主題に対して具体的な討論が行われる予定です。一般演題は、学術的な研
究発表や症例報告などスポーツ現場で活かされる内容が予定されております。
2003 年
を最後に休刊していた
JAR が今年度に再発刊されることもあり、今後も多くの演題が
出され、
JAR に投稿されることを期待しています。
最後に、本研修会の開催に当たり、ご後援頂いた(財)日本体育協会ならびに(財)
日本オリンピック委員会に感謝申し上げるとともに、当会の活動が会員の皆様および
スポーツ選手にとって意義のある情報を共有する場となることを祈念して、開催のご
挨拶とさせて頂きます。
目 次
ご 挨 拶 ∼ 第 2 6 回 研 修 会 に よ せ て ∼ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 第 2 6 回 研 修 会 実 施 要 項 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 プ ロ グ ラ ム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 ◆ 第 2 6 回 研 修 会 抄 録 講 演 Ⅰ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 向 上 ト レ ー ニ ン グ 」 講 師 : 鈴 木 岳 先 生 ( R - b o d y project )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 特 別 講 演 Ⅰ 「 腰 痛 症 に 対 す る 保 存 療 法 の 可 能 性 」 講 師 : 青 木 一 治 先 生 ( 名 古 屋 学 院 大 学 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 講 演 Ⅱ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 脊 柱 ・ 体 幹 の 安 定 性 と 柔 軟 性 」 講 師 : 岡 田 亨 先 生 ( 船 橋 整 形 外 科 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 特 別 講 演 Ⅱ 「 腰 痛 治 療 最 前 線 」 講 師 : 金 岡 恒 治 先 生 ( 早 稲 田 大 学 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 シ ン ポ ジ ウ ム 「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 」 ① 投 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 能 勢 康 史 先 生 ( ス ポ ー ツ サ ポ ー ト 機 構 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 ② 水 泳 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 加 藤 知 生 先 生 ( 日 立 横 浜 病 院 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 ③ 漕 ぎ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 鳥 居 昭 久 先 生 ( 愛 知 医 療 学 院 短 期 大 学 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 ④ 走 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 舌 正 史 先 生 ( 社 会 保 険 京 都 病 院 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 ⑤ あ た り 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 吉 村 直 樹 先 生 ( や ま ぎ わ 整 形 外 科 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 4 < 一 般 演 題 > ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6 ◆ 本 会 顧 問 ・ 役 員 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 7 ◆ 協 賛 企 業 一 覧 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 8
第 2 6 回 研 修 会 実 施 要 項
【 会 期 】 平 成 2 0 年 1 1 月 2 2 日 ( 土 ) 9 : 0 0 ∼ 1 7 : 2 0 平 成 2 0 年 1 1 月 2 3 日 ( 日 ) 9 : 0 0 ∼ 1 5 : 4 5 【 会 場 】 飯 田 橋 レ イ ン ボ ー ビ ル 〒 1 6 2 - 0 8 2 6 東 京 都 新 宿 区 市 谷 船 河 原 町 1 1 番 地 TEL : 0 3 - 3 2 6 0 - 4 7 9 1 http://www.ienohikariss.co.jp/bld/index.html 【 対 象 】 ス ポ ー ツ 医 学 に 興 味 が あ り 、 当 会 の 趣 旨 に 賛 同 す る も の 【 テ ー マ 】 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 【 講 演 ・ シ ン ポ ジ ウ ム 】 講 演 Ⅰ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 向 上 ト レ ー ニ ン グ 」 講 師 : 鈴 木 岳 先 生 ( R - b o d y project ) 特 別 講 演 Ⅰ 「 腰 痛 症 に 対 す る 保 存 療 法 の 可 能 性 」 講 師 : 青 木 一 治 先 生 ( 名 古 屋 学 院 大 学 ) 講 演 Ⅱ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 脊 柱 ・ 体 幹 の 安 定 性 と 柔 軟 性 」 講 師 : 岡 田 亨 先 生 ( 船 橋 整 形 外 科 ) 特 別 講 演 Ⅱ 「 腰 痛 治 療 最 前 線 」 講 師 : 金 岡 恒 治 先 生 ( 早 稲 田 大 学 ) シ ン ポ ジ ウ ム「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 」 ① 投 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 能 勢 康 史 先 生 ( ス ポ ー ツ サ ポ ー ト 機 構 ) ② 水 泳 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 加 藤 知 生 先 生 ( 日 立 横 浜 病 院 ) ③ 漕 ぎ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 鳥 居 昭 久 先 生 ( 愛 知 医 療 学 院 短 期 大 学 ) ④ 走 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 舌 正 史 先 生 ( 社 会 保 険 京 都 病 院 ) ⑤ あ た り 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 講 師 : 吉 村 直 樹 先 生 ( や ま ぎ わ 整 形 外 科 ) 【 主 催 】 ス ポ ー ツ 選 手 の た め の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 研 究 会 【 後 援 】( 財 ) 日 本 体 育 協 会 ( 財 ) 日 本 オ リ ン ピ ッ ク 委 員 会 【 会 場 案 内 】 J R 総 武 線 飯 田 橋 駅 西 口 よ り 徒 歩 5 分 、 地 下 鉄 有 楽 町 線 ・ 南 北 線 ・ 東 西 線 ・ 大 江 戸 線 飯 田 橋 駅 の 神 楽 坂 下 B 3 出 口 よ り 徒 歩 約 5 分プ ロ グ ラ ム
● 第 1 日 目 : 11 月 22 日 ( 土 ) 9 : 0 0 ∼ 受 付 1 0 : 0 0 ∼ 1 0 : 1 0 開 会 あ い さ つ 1 0 : 1 0 ∼ 1 2 : 1 0 一 般 演 題 発 表 1 3 : 3 0 ∼ 1 4 : 0 0 協 賛 企 業 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 1 4 : 2 0 ∼ 1 5 : 4 0 講 演 Ⅰ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 向 上 ト レ ー ニ ン グ 」 講 師 : 鈴 木 岳 先 生 ( R - b o d y project ) 1 6 : 0 0 ∼ 1 7 : 2 0 特 別 講 演 Ⅰ 「 腰 痛 症 に 対 す る 保 存 療 法 の 可 能 性 」 講 師 : 青 木 一 治 先 生 ( 名 古 屋 学 院 大 学 ) 1 8 : 0 0 ∼ 2 0 : 0 0 懇 親 会 ● 第 2 日 目 : 11 月 23 日 ( 日 ) 9 : 0 0 ∼ 1 0 : 2 0 講 演 Ⅱ 「 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 脊 柱 ・ 体 幹 の 安 定 性 と 柔 軟 性 」 講 師 : 岡 田 亨 先 生 ( 船 橋 整 形 外 科 ) 1 0 : 4 0 ∼ 1 2 : 0 0 特 別 講 演 Ⅱ 「 腰 痛 治 療 最 前 線 」 講 師 : 金 岡 恒 治 先 生 ( 早 稲 田 大 学 ) 1 3 : 0 0 ∼ 1 5 : 3 0 シ ン ポ ジ ウ ム 「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 」 ① 投 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 能 勢 康 史 先 生 ( ス ポ ー ツ サ ポ ー ト 機 構 ) ② 水 泳 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 加 藤 知 生 先 生 ( 日 立 横 浜 病 院 ) ③ 漕 ぎ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 鳥 居 昭 久 先 生 ( 愛 知 医 療 学 院 短 期 大 学 ) ④ 走 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 舌 正 史 先 生 ( 社 会 保 険 京 都 病 院 ) ⑤ あ た り 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 吉 村 直 樹 先 生 ( や ま ぎ わ 整 形 外 科 ) 1 5 : 3 0 ∼ 1 5 : 4 5 閉 会 式 ・ 表 彰 式ス ポ ー ツ 選 手 の た め の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 研 究 会
第 26 回 研 修 会 誌
■ 講 演
ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 向 上 ト レ ー ニ ン グ
( 株 ) R - b o d y project 鈴 木 岳 現 在 、体 幹 の た め の ト レ ー ニ ン グ は 、ス ポ ー ツ 選 手 に 限 ら ず 一 般 の 方 々 に も そ の 重 要 性 が 認 識 さ れ 、様 々 な 方 法 で 実 施 さ れ て い る 。「 体 幹 」の 解 釈 は「 腹 筋 群 」で あ っ た り 、 L u m b o - p e l v i c - h i p ( 腰 椎 ‐骨盤‐股関節)に関係する筋群を意味したりと様々である が 、「 ス タ ビ リ テ ィ ー ト レ ー ニ ン グ 」や「 コ ア ト レ ー ニ ン グ 」が 共 通 言 語 と な っ て い る よ う に 、「 お 腹 周 り を 鍛 え る 」 重 要 性 は 認 識 さ れ て い る よ う で あ る 。 し か し な が ら 、 体 幹 の ト レ ー ニ ン グ を 、 ス ポ ー ツ 動 作 に 必 要 な 機 能 向 上 を 目 的 と し て 実 施 す る た め に は 、 よ り 多 く の ス ポ ー ツ 医 科 学 的 な 視 点 を 持 っ て ア プ ロ ー チ す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。 ス ポ ー ツ 動 作 に 応 じ た 機 能 的 な 身 体 を 作 る た め に は 、 競 技 特 性 に 合 わ せ た ト レ ー ニ ン グ を 行 う べ き で あ る が 、基 本 と し て G a r y G r a y が「 t h e a b i l i t y t o f u n c t i o n a l l y t a k e a d v a n t a g e o f j u s t t h e r i g h t a m o u n t o f m o t i o n a t j u s t t h e r i g h t j o i n t i n j u s t t h e r i g h t p l a n e i n j u s t t h e r i g h t d i r e c t i o n a t t h e j u s t t h e r i g h t t i m e . 」 と 言 う よ う に 、 身 体 に 存 在 す る 各 関 節 が 適 切 な タ イ ミ ン グ で 適 切 な 動 作 を 行 う こ と に よ っ て 生 み 出 さ れ る 。 体 幹 に お い て も 同 様 で あ り 、 適 切 な 競 技 動 作 に 対 応 し た 機 能 的 な 体 幹 動 作 を 実 現 さ せ る ト レ ー ニ ン グ を 実 施 す る 必 要 が あ る 。 そ の た め に は 、 シ ッ ト ア ッ プ や ク ラ ン チ と 言 わ れ る 伝 統 的 な 腹 筋 運 動 だ け で な く 、 あ ら ゆ る 動 作 の な か で 考 え ら れ る 体 幹 運 動 を ト レ ー ニ ン グ の 中 に 具 現 化 す る こ と が 望 ま し い 。 よ っ て 以 下 の 体 幹 部 位 だ け に 着 目 せ ず 上 肢 や 下 肢 の 動 作 と 協 調 す る 中 で 体 幹 機 能 ス ポ ー ツ 動 作 に 対 応 す る 3 面 運 動 を 考 慮 し た 体 幹 機 能 キ ネ テ ィ ッ ク チ ェ ー ン を 考 慮 し た 体 幹 機 能 動 作 の 中 で 生 ま れ る 、 エ キ セ ン ト リ ッ ク 収 縮 を 考 慮 し た 体 幹 機 能 を 踏 ま え た フ ァ ン ク シ ョ ナ ル ( 機 能 的 ) ト レ ー ニ ン グ を 実 施 す る 必 要 が あ り 、 こ れ に よ っ て 、 ス ポ ー ツ 選 手 に 必 要 な 機 能 的 な 体 幹 を 作 り 出 す こ と が で き る と 思 わ れ る 。■ 特 別 講 演
腰 痛 症 に 対 す る 保 存 療 法 の 可 能 性
名 古 屋 学 院 大 学 人 間 健 康 学 部 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 学 科 理 学 療 法 学 専 攻 青 木 一 治 腰 痛 の 病 態 を 捉 え る た め に 、 色 々 な 方 法 で 多 方 面 か ら の 研 究 が 行 わ れ て い る 。 し か し 、 病 態 の 捉 え か た の 複 雑 さ の た め か 、 診 療 の 現 場 で は 明 ら か な 原 因 を 診 断 で き ず 、 い わ ゆ る 腰 痛 症 と し て 治 療 さ れ て い る 症 例 も 少 な く な い 。 そ の た め 治 療 法 も 多 種 多 様 な 方 法 が 報 告 さ れ て い る が 、 ど の よ う な 治 療 法 を 選 択 し た ら よ り 効 果 的 で あ る の か 、 E B M ( e v i d e n c e b a s e d m e d i c i n e ) と し て 耐 え 得 る 文 献 を 基 に 検 証 し て も 、 ど の 治 療 法 が 有 効 で あ る の か 確 証 と な る も の は み ら れ な い 。 そ の 理 由 と し て 、 多 く の 検 討 は L B P ( l o w b a c k p a i n : 腰 痛 症 ) つ ま り 症 状 で あ る 腰 痛 を 対 象 に し て い る た め で は な か ろ う か 。 腰 痛 の 治 療 に あ た っ て は 、 そ の 病 態 を 把 握 し 、 腰 痛 を 起 こ し て い る 疾 患 が 何 か を 判 断 し 、 そ れ に 適 す る 治 療 法 を 選 択 す べ き と 考 え て い る 。 す な わ ち 、 症 状 に 対 す る 治 療 で は な く 、 原 因 で あ る 疾 患 に 対 す る 治 療 が 必 要 で は な か ろ う か 。 そ こ で 今 回 は 、 い わ ゆ る 腰 痛 症 と し て 取 り 上 げ ら れ や す い 、 腰 椎 椎 間 板 へ ニ ア や 腰 椎 椎 間 関 節 症 と い っ た 疾 患 を 対 象 に 、 そ の 病 態 と 保 存 療 法 に つ い て 考 え て み た い 。 演 者 は 特 に ス ポ ー ツ 選 手 を 診 て い る わ け で は な い が 、 経 験 し た 少 数 の 症 例 も 提 示 で き れ ば と 考 え て い る 。■ 講 演
体 操 競 技 選 手 に 必 要 な 脊 柱 ・ 体 幹 の 安 定 性 と 柔 軟 性
船 橋 整 形 外 科 病 院 理 学 診 療 部 岡 田 亨 ス ポ ー ツ 疾 患 に 対 す る 脊 柱 ・ 体 幹 の コ ン ト ロ ー ル は 競 技 種 目 を 問 わ ず 重 要 と 言 え る 。 演 者 が 主 に 携 わ る 体 操 競 技 も 選 手 の 傷 害 部 位 に か か わ ら ず 、 脊 柱 ・ 体 幹 の 機 能 改 善 が 重 要 で あ り 、 高 い 可 動 性 の 中 の 安 定 性 が 求 め ら れ る 競 技 で あ る 。 体 操 競 技 選 手 の 傷 害 の 特 徴 は 全 身 的 に 発 生 が み ら れ 、 か つ 1 選 手 の 傷 害 保 有 数 が 多 い こ と で あ る 。 ま た 芸 術 系 種 目 に 分 類 さ れ る よ う に 、 全 身 を 使 っ て 美 的 表 現 動 作 が 行 わ れ る た め 、 選 手 た ち は 体 幹 ・ 四 肢 を 特 殊 な 肢 位 ・ 姿 勢 で 動 か す 全 身 的 な 高 い 柔 軟 性 が 必 要 と さ れ る 。 そ う し た 身 体 特 性 は 、 競 技 に 必 要 な 可 動 性 で あ る の か 不 安 定 で あ る の か 、 ま た は 正 確 な 動 作 で あ る の か 代 償 動 作 で あ る の か 、 そ の 判 断 に お い て 我 々 ス ポ ー ツ 医 科 学 に 携 わ る 者 を 大 い に 悩 ま せ る 要 因 と な っ て い る 。 可 動 性 の 高 い 体 操 選 手 の 脊 柱 ・ 体 幹 の 評 価 は 代 償 動 作 に 注 意 し な が ら 注 意 深 く 評 価 ・ 観 察 し 、 選 手 個 々 の 問 題 点 を 発 見 す る こ と が 重 要 で あ る 。 選 手 は ジ ュ ニ ア 期 よ り 技 や 競 技 姿 勢 の 反 練 習 を 行 い 、 体 操 選 手 特 有 と も 言 え る 胸 椎 後 彎 と 下 部 腰 椎 の 前 彎 が 強 調 さ れ た 姿 勢 が み ら れ 、 体 幹 の 伸 展 姿 勢 を と る 際 に 、 下 部 腰 椎 に 負 担 が か か っ て し ま う 様 な 決 し て 機 能 的 な 体 幹 機 能 と は 言 え な い 選 手 も 少 な く な い 。 そ う し た 競 技 特 性 が 背 景 に あ る と 考 え ら れ る 腰 部 疾 患 と し て 、 近 年 演 者 が 増 加 傾 向 を 危 惧 す る ジ ュ ニ ア 選 手 の 分 離 症 な ど は 対 策 が 急 務 と 言 え 、 選 手 の パ フ ォ ー マ ン ス 構 築 の た め の 安 定 性 の 中 で の 柔 軟 性 獲 得 は 、 日 々 頭 を 悩 ま せ て い る 課 題 と な っ て い る 。 今 回 は 体 操 競 技 の 競 技 特 性 の 紹 介 と 、 演 者 が 取 り 組 ん で い る 選 手 の 体 幹 機 能 改 善 へ の ア プ ロ ー チ の 紹 介 を 行 い 、 皆 様 が 携 わ っ て い る 競 技 選 手 の 傷 害 管 理 に お 役 立 て い た だ け れ ば 幸 い と 考 え る と こ ろ で あ る 。■ 特 別 講 演
腰 痛 治 療 最 前 線
早 稲 田 大 学 ス ポ ー ツ 科 学 学 術 院 金 岡 恒 治 椎 間 板 ヘ ル ニ ア や 変 形 性 脊 椎 症 の 契 機 と な る 腰 椎 椎 間 板 変 性 の 出 現 ・ 進 行 に は 遺 伝 的 要 因 が 関 与 す る が 、 後 天 的 な 促 進 因 子 と し て 労 作 、 ス ポ ー ツ 活 動 な ど に よ る 腰 椎 へ の 物 理 的 負 荷 が 挙 げ ら れ る 。 競 技 種 目 別 ( 野 球 、 剣 道 、 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル 、 サ ッ カ ー 、 競 泳 、 陸 上 、 コ ン ト ロ ー ル ) の 腰 椎 椎 間 板 変 性 率 を 調 査 し た と こ ろ 、 野 球 と 競 泳 選 手 の 変 性 率 が 有 意 に 高 く 、 別 の 調 査 に お い て も 一 流 競 泳 選 手 の 約 7 割 に 変 性 を 認 め た 。 荷 重 負 荷 の か か ら な い 水 泳 動 作 で も 、 過 度 の ト レ ー ニ ン グ に よ っ て 腰 椎 に 繰 り 返 し の 負 荷 が 加 わ り 変 性 に い た る と 推 察 す る 。 こ の た め コ ン ピ ュ ー タ ー シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 用 い て 水 泳 動 作 に お け る 腰 椎 挙 動 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、 下 位 腰 椎 で の 大 き な 椎 間 挙 動 を 認 め 、 そ の 挙 動 は 腰 椎 深 部 筋 群 ( ロ ー カ ル 筋 群 ) の 筋 力 を 増 す こ と に よ っ て 抑 制 さ れ た 。競 技 ス ポ ー ツ の 現 場 で は 体 幹 安 定 性 向 上 を 目 的 に ロ ー カ ル 筋 の ト レ ー ニ ン グ( 腰 椎 s t a b i l i z a t i o n e x e r c i s e )が 普 及 し て き て い る が そ の 有 効 性 を 支 持 す る 結 果 で あ る 。 腰 椎 s t a b i l i z a t i o n e x e r c i s e は 、ロ ー カ ル 筋 の 使 い 方 の 教 育 ・ 指 導 や 筋 力 強 化 ト レ ー ニ ン グ と し て ス ポ ー ツ 現 場 に お い て 様 々 な 方 法 で 行 わ れ て い る 。 こ れ ら の 多 様 な 方 法 の 有 効 性 を 検 証 す る こ と を 目 的 に 、様 々 な エ ク サ サ イ ズ に お け る ロ ー カ ル 筋( 腹 横 筋 、 多 裂 筋 ) の 筋 活 動 を ワ イ ヤ 電 極 、 表 層 筋 ( グ ロ ー バ ル 筋 ) の 筋 活 動 を 表 面 電 極 を 用 い て 解 析 し た 結 果 、 腹 横 筋 は E l b o w - T o e( 腹 臥 位 か ら 肘 ・ つ ま 先 接 地 で の 体 幹 姿 勢 保 持 ) で の 対 側 上 下 肢 挙 上 時 に 、 多 裂 筋 は 片 脚 で の B a c k Bridge ( 背 臥 位 か ら 肩 ・ 足 底 接 地 で の 体 幹 姿 勢 保 持 ) 時 に 最 も 大 き な 活 動 量 を 示 し た 。 こ れ ら の 有 効 性 が 確 認 さ れ た エ ク サ サ イ ズ を 重 点 的 に 行 い 体 幹 深 部 筋 の 筋 力 を 増 強 す る こ と に よ っ て 、 腰 椎 の 動 的 安 定 性 が 増 し 、 ア ス リ ー ト の 腰 痛 予 防 対 策 の み な ら ず 、 一 般 腰 痛 者 に 対 す る 腰 痛 体 操 と し て も 有 効 で あ る と 考 え る 。■ シ ン ポ ジ ウ ム
「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 」
投 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ
有 限 会 社 プ ロ サ ー ブ 能 勢 康 史 投 球 動 作 で の 体 幹 の 役 割 は 、 下 肢 で 生 み 出 さ れ た 力 を 上 肢 に 伝 え る 役 割 を 担 い 、 下 肢 と 上 肢 の 動 き に 深 く 関 係 し て い る 。 体 幹 の ト レ ー ニ ン グ を 考 え る 際 に は 上 部 と 下 部 に 分 け 、 上 部 は 肩 甲 胸 郭 関 節 と 下 部 は 股 関 節 と 関 連 さ せ て 考 え る と 分 か り や す い 。 い づ れ の 部 位 も パ ワ ー ゾ ー ン で あ り 、 こ の 部 位 の ト レ ー ニ ン グ は 重 要 で あ る が 、 そ の ポ イ ン ト は 柔 軟 性 を 保 ち な が ら 筋 機 能 を 高 め る こ と で あ る 。 投 球 動 作 を 創 造 し て い く た め に は 、 イ メ ー ジ や 身 体 機 能 な ど 多 様 な ア プ ロ ー チ が 必 要 で あ る が 、 体 幹 ト レ ー ニ ン グ は そ の 手 段 の 一 つ で あ る 。 画 一 的 な ト レ ー ニ ン グ に な る こ と な く 、 選 手 の 特 性 を 考 慮 し た 上 で 、 ど の よ う に 取 り 組 め ば パ フ ォ ー マ ン ス の 向 上 に つ な げ ら れ る か を 創 造 す る 力 が 必 要 に な る 。 投 手 の 投 球 動 作 の 不 良 を パ フ ォ ー マ ン ス の 観 点 か ら 分 類 す る と 「 突 っ 込 み 」 と 「 開 き 」 で あ る 。 突 っ 込 む 動 き は 「 運 動 軸 の 乱 れ 」 で あ り 合 理 的 な 回 旋 運 動 が で き な い 状 態 で あ り 、 開 き は 「 タ イ ミ ン グ の 問 題 」 で 、 早 期 に 体 幹 が 回 旋 す る 動 き と い え る 。 体 幹 の ト レ ー ニ ン グ は 突 っ 込 み 運 動 の 修 正 に 効 果 が あ り 、 そ の ポ イ ン ト は 股 関 節 と 体 幹 を 連 動 す る 使 い 方 に あ る 。 体 軸 を 保 ち な が ら 股 関 節 を 動 か す 運 動 や 股 関 節 と 体 幹 を 連 動 す る 運 動 に よ り 、 体 軸 を 保 つ た め の イ メ ー ジ を つ か む と と も に 筋 機 能 を 高 め る こ と が で き る 。 し か し 、 こ の よ う な 体 幹 機 能 向 上 の ト レ ー ニ ン グ を 行 っ て も 、 目 的 と す る 動 作 と の 整 合 性 を 考 え な け れ ば 投 球 動 作 に 生 か す こ と は 難 し い 。 よ っ て ト レ ー ニ ン グ を 行 う 際 は 目 線 の 位 置 や 体 軸 の 保 ち 方 な ど 選 手 が 目 指 す 投 球 動 作 と の 類 似 点 を 意 識 し な が ら 取 り 組 む 必 要 が あ る 。 体 幹 と 股 関 節 の 連 動 の 中 で 特 に 注 目 し て い る の が 、 股 関 節 屈 筋 群 の 機 能 で あ る 。 と い う の は 不 調 な 投 手 の 身 体 機 能 を み る と 股 関 節 屈 筋 群 の 機 能 低 下 が あ り 、 そ の 機 能 を 改 善 す る こ と で 投 球 動 作 が 修 正 さ れ た 経 験 を し て い る か ら で あ る 。 今 回 は 投 球 パ フ ォ ー マ ン ス 向 上 の た め の 「 投 手 の た め の 体 幹 ト レ ー ニ ン グ 」 に つ い て 、 主 に 股 関 節 と の 連 動 に つ い て 経 験 論 を 発 表 さ せ て 頂 く 。■ シ ン ポ ジ ウ ム
「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ― 体 幹 機 能 に 着 目 し て ― 」
水 泳 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ
日 立 横 浜 病 院 加 藤 知 生 ス ポ ー ツ 技 術 が 高 度 か つ 高 速 化 す る 中 で 、 上 肢 と 下 肢 と を つ な ぐ 躯 幹 の 果 す 役 割 が 重 要 と な っ て き た 。 そ れ は 、 障 害 予 防 や パ フ ォ ー マ ン ス 向 上 に お け る 体 幹 機 能 の 重 要 性 に 他 な ら な い 。 ① 障 害 予 防 の 観 点 か ら 水 泳 競 技 に お け る 障 害 は 、 い わ ゆ る 腰 痛 症 、 水 泳 肩 、 平 泳 ぎ 膝 が 代 表 的 で あ る 。 こ れ ら の 障 害 を 予 防 す る た め に は 、 上 肢 お よ び 下 肢 運 動 の 基 軸 と な る 部 位 、 体 幹 の 安 定 と 固 定 が 重 要 と な る 。 体 幹 の 安 定 は 腰 椎 へ の ス ト レ ス を 軽 減 し 、 体 幹 の 固 定 は 上 肢 と 下 肢 へ の 効 率 良 い 力 の 伝 達 、 な ら び に 肩 、 股 関 節 の 正 し い 動 き を 誘 導 す る た め に 必 要 で あ る 。 ② パ フ ォ ー マ ン ス 向 上 の 観 点 か ら 8 月 に 行 わ れ た 北 京 五 輪 で は 、 好 記 録 を 出 す ス ピ ー ド 社 製 の 水 着 が 話 題 と な っ た 。 こ の 水 着 の 特 徴 の 一 つ に 「 理 想 的 な ス ト リ ー ム ラ イ ン を 作 る 」 が あ る 。 効 率 的 な 体 幹 筋 の 使 用 は 、理 想 的 な ス ト リ ー ム ラ イ ン を 維 持 し 、パ フ ォ ー マ ン ス を 向 上 さ せ る 。 ③ 水 泳 と 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ 水 泳 で は 、不 安 定 な 水 中 で 推 進 力 を 得 る た め 、陸 上 で の 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ の 効 果 を い か に 水 中 で 発 揮 で き る か が カ ギ と な る 。実 際 に は 左 右 の 身 体 バ ラ ン ス を 整 え 、 腰 部 の 動 き を 制 動 し 、 上 肢 ・ 下 肢 へ 効 率 良 い 力 の 伝 達 が で き る よ う 体 幹 の ト レ ー ニ ン グ を 行 な う 。 主 に ロ ー カ ル 筋 や 深 層 筋 と 呼 ば れ る 腹 斜 筋 、 腹 横 筋 、 多 裂 筋 の ト レ ー ニ ン グ を 行 い 体 幹 機 能 の 向 上 を 行 な う 。 そ し て 、 体 幹 機 能 の 向 上 に 伴 い 、 体 幹 と 上 ・ 下 肢 と を 連 動 さ せ 、 効 率 良 い 動 き を 獲 得 す る 。 筋 力 と い う よ り は 、 そ の 機 能 と 作 用 す る 部 位 、 タ イ ミ ン グ に ト レ ー ニ ン グ の 主 眼 を 置 く 。■ シ ン ポ ジ ウ ム
「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ― 体 幹 機 能 に 着 目 し て ― 」
漕 ぎ 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ
愛 知 医 療 学 院 短 期 大 学 鳥 居 昭 久 ホ ゙ ー ト 競 技 に お け る 基 本 的 な 動 作 は 、下 肢 の 伸 展 と 体 幹 の 前 後 の ス イ ン ク ゙ 、上 肢 の 引 き を 組 み 合 わ せ た 動 作 で あ る 。こ の 際 の 体 幹 動 作 は 、キ ャ ッ チ の 際 の 前 傾 姿 勢( 股 関 節 屈 曲 位 、 体 幹 屈 曲 位 ) か ら 、 ロ ー イ ン ク ゙ 動 作 時 の 下 肢 の 伸 展 に 伴 っ て 、 股 関 節 伸 展 を 伴 っ て 体 幹 を ス イ ン ク ゙ し 、一 回 の 漕 ぎ の フ ィ ニ ッ シ ュ を 迎 え る 。フ ィ ニ ッ シ ュ 後 の リ カ ハ ゙ リ ー で 再 び 体 幹 の 前 傾 姿 勢 に 戻 し て フ ォ ワ ー ト ゙ す る 動 作 を 繰 り 返 す 。 体 幹 伸 展 は 後 方 に 反 り 返 る ほ ど の 動 き は 無 く 、 せ い ぜ い 伸 展 屈 曲 中 間 位 程 度 ま で で あ り 、 む し ろ や や 背 中 を 丸 く し た 姿 勢 の ま ま で 引 き 動 作 を す る 。 股 関 節 も 最 大 屈 曲 位 か ら せ い ぜ い 4 5 屈 曲 位 程 度 ま で で あ り 、 伸 展 位 ま で は 行 か な い 範 囲 で の 運 動 で あ る 。 ま た 、 オ ー ル を 1 本 だ け 持 つ ス イ ー フ ゚ 種 目 で は 、 体 幹 の ス イ ン ク ゙ と 同 時 に 体 幹 の 回 旋 も 伴 う 。こ の 狭 い 範 囲 で の 体 幹 ス イ ン ク ゙ 動 作 を 1 レ ー ス に お よ そ 数 百 回 繰 り 返 す 為 に 、 腰 背 部 に か か る 負 担 は か な り 大 き な も の と な る 。 従 っ て 、 腰 背 部 の 筋 の 強 化 が 重 要 に な る 。 こ の 運 動 の 際 に 主 働 筋 と な る の は 、 引 き 動 作 で は 脊 柱 起 立 筋 群 や 腹 側 筋 群 、 殿 筋 群 が 、 リ カ ハ ゙ リ ー 動 作 で は 腹 筋 群 で あ る 。 ま た 、 こ れ に 肩 関 節 ・ 肩 甲 骨 の 動 き が 連 動 す る た め に 僧 帽 筋 や 菱 形 筋 と い っ た 肩 甲 骨 周 囲 筋 や 、 広 背 筋 、 大 円 筋 な ど が 加 わ る 。 さ て 、こ れ ら の 動 作 に 加 え て 重 要 な ホ ゚ イ ン ト は 水 上 の ホ ゙ ー ト に 乗 っ て こ の 動 作 を 行 っ て い る こ と で あ る 。 水 上 の ホ ゙ ー ト は 、 ロ ー リ ン ク ゙ 、 ヒ ゚ ッ チ ン ク ゙ 、 ヨ ー イ ン ク ゙ 、 ヒ ー ヒ ゙ ン ク ゙ 、 ス ウ ェ イ ン ク ゙ と い っ た 独 特 の 揺 れ を 伴 っ て お り 、 ロ ー イ ン ク ゙ 動 作 の 際 に 、 下 肢 の 力 の 入 れ 具 合 や 、 特 に 骨 盤 の 動 き の コ ン ト ロ ー ル で ホ ゙ ー ト の ハ ゙ ラ ン ス を 保 ち 続 け る 必 要 が あ る 。 従 っ て 、 骨 盤 周 囲 筋 、 腹 壁 筋 群 、 腰 方 形 筋 な ど の 活 動 が 重 要 に な る 。 こ れ ら に 対 し て は 筋 力 を 上 げ る の で は な く 、 協 調 性 を 高 め て 骨 盤 の 運 動 を コ ン ト ロ ー ル 出 来 る 機 能 を 向 上 さ せ る 必 要 が あ る 。 今 回 、上 記 内 容 に 加 え て 、障 害 者 ス ホ ゚ ー ツ の 立 場 か ら 、下 肢 切 断 者 ホ ゙ ー ト 選 手 の 体 幹 機 能 と ロ ー イ ン ク ゙ 動 作 を 、 健 常 者 と の 比 較 で そ の 特 徴 も 紹 介 し た い 。■ シ ン ポ ジ ウ ム
「 ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ― 体 幹 機 能 に 着 目 し て ― 」
走 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ
社 会 保 険 京 都 病 院 舌 正 史 体 幹 は 、 ス ポ ー ツ 全 般 に お い て 重 要 な 働 き を す る 運 動 器 で あ る こ と は 言 う ま で も な い 。走 動 作 も 体 幹 を 中 心 に 腕 振 り を 行 う 上 肢 、身 体 を 支 持 し 前 に 進 め る 下 肢 を 連 結 し 、 相 互 に 関 係 性 を 持 ち な が ら 行 わ れ て い る 。 体 幹 の 動 き を コ ン ト ロ ー ル す る 筋 に は 肩 甲 骨 周 囲 の 僧 帽 筋 や 、 腹 筋 群 ( 腹 直 筋 、 内 外 腹 斜 筋 、 腹 横 筋 )、 腸 陽 筋 、 大 殿 筋 、 大 腿 四 頭 筋 、 ハ ム ス ト リ ン グ ス な ど の 大 き な 筋 肉 が 関 わ っ て い る 。 こ れ ら の 筋 群 が 働 く こ と に よ り 、 体 幹 が 安 定 し 走 動 作 で の 前 方 推 進 力 の 改 善 な ど 走 力 の 向 上 に つ な が る 。 走 力 に 大 き く 影 響 す る 前 方 推 進 力 は 、 主 と し て 股 関 節 の 伸 展 運 動 に よ っ て 生 み 出 さ れ る が 、 な か に は 骨 盤 の 過 剰 な 前 傾 と そ れ に 伴 う 腰 椎 前 弯 運 動 に 依 存 し た 前 方 推 進 力 の 発 揮 方 法 が あ る 。 こ の よ う な 代 償 運 動 が 結 果 と し て 体 幹 を 不 安 定 な も の に し て し ま う こ と と 、 骨 盤 の 過 剰 な 前 後 傾 は 二 関 節 筋 で あ る は 大 腿 二 頭 筋 な ど に も 過 剰 な 伸 張 負 荷 と な り 肉 離 れ な ど の 傷 害 発 生 要 因 に も つ な が る と 考 え ら れ る 。 十 分 な 前 方 推 進 力 を 得 る た め に は 体 幹 部 の 固 定 性 と 股 関 節 の 可 動 性 の 連 動 と 分 離 の 両 立 が 重 要 に な る が 、 現 実 に 走 動 作 に つ な げ る こ と は 困 難 を 極 め る 。 今 回 、 陸 上 選 手 を 通 し て 走 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ に つ い て 考 え て み る 。■ シ ン ポ ジ ウ ム 「
ス ポ ー ツ 選 手 に と っ て 重 要 な 動 き づ く り ‐ 体 幹 機 能 に 着 目 し て ‐ 」
当 た り 動 作 に 必 要 な 体 幹 機 能 ト レ ー ニ ン グ
や ま ぎ わ 整 形 外 科 吉 村 直 樹 近 年 の ラ グ ビ ー は ボ ー ル の 奪 い 合 い が 勝 敗 を 決 め る 大 き な 要 素 に な っ て き て お り 、 当 た り 、タ ッ ク ル 、ブ レ イ ク ダ ウ ン 、ス ク ラ ム な ど の 接 点 の 強 化 が 重 要 視 さ れ て い る 。 接 点 に は 当 た り の 場 面 が 必 ず あ る が 、 そ れ ぞ れ の 当 た り に 共 通 す る 要 素 と 異 な る 要 素 と が あ る 。 こ の シ ン ポ ジ ウ ム で は 、 接 点 を 強 化 す る た め に は 必 要 不 可 欠 な 体 幹 機 能 を 取 り 上 げ 、 そ の 強 化 の た め の 具 体 的 な 取 り 組 み に つ い て 述 べ る 。 Ⅰ . 体 幹 の 固 定 性 当 た り の 強 さ を 向 上 さ せ る た め の 重 要 な 要 素 と し て 『 体 幹 の 固 定 』 が あ る 。 人 間 の 体 は 剛 体 で は な い た め 、 イ ン パ ク ト の 瞬 間 に し っ か り と 体 幹 を 固 定 さ せ な い と 十 分 な 運 動 エ ネ ル ギ ー を 相 手 に 伝 え る こ と が で き な い 。 Ⅱ . 肩 甲 帯 と の 連 動 性 肩 甲 帯 の 固 定 が 不 十 分 な 場 合 、 コ ン タ ク ト の 衝 撃 を 肩 甲 帯 で 受 け 、 そ こ か ら 崩 れ る こ と が あ る 。 肩 甲 帯 の 固 定 力 を 向 上 さ せ る た め に は 、 体 幹 の 固 定 性 を ベ ー ス に 肩 甲 帯 と の 強 い 連 結 が 必 要 で あ る 。 Ⅲ . 下 肢 と の 連 動 性 当 た り 動 作 で は イ ン パ ク ト の 瞬 間 に 片 側 の 足 が 浮 い て い る こ と も 少 な く な い 。 ま た 当 た り 動 作 の ほ と ん ど で 片 側 の 下 肢 へ 荷 重 が 偏 っ て い る 。 荷 重 側 の 股 関 節 の 安 定 性 が 低 下 し て い る と 体 幹 の 固 定 力 も 低 下 す る 。 今 回 紹 介 す る エ ク サ サ イ ズ は 、当 た り 動 作 の た め の 体 幹 機 能 を 向 上 さ せ る も の で あ る 。 し か し な が ら 当 た り 動 作 の 向 上 に は 他 に も 多 く の 要 素 が あ り 、 そ れ ぞ れ の 局 面 に お い て も 必 要 な 要 素 が 異 な っ て く る 。 そ れ ら を 的 確 に 評 価 し エ ク サ サ イ ズ を 考 え る こ と が 重 要 で あ る と 考 え る 。演 題 目 次 セ ッ シ ョ ン Ⅰ ( 1 0 : 1 0 ∼ 1 1 : 0 0 ) 1 片 脚 ジ ャ ン プ に お け る 着 地 前 後 の 筋 活 動 と 膝 関 節 外 反 角 度 の 関 係 広 島 大 学 大 学 院 保 健 学 研 究 科 秋 本 剛 2 着 地 動 作 へ の 言 語 指 示 が 股 ・ 膝 関 節 キ ネ マ テ ィ ク ス に お よ ぼ す 影 響 聖 隷 ク リ ス ト フ ァ ー 大 学 根 地 嶋 誠 3 着 地 動 作 時 の ハ ム ス ト リ ン グ ス 筋 活 動 ‐ ハ ム ス ト リ ン グ 筋 力 に よ る 違 い ‐ 広 島 大 学 大 学 院 保 健 学 研 究 科 井 手 一 茂 4 三 次 元 動 作 解 析 に よ る 肩 関 節 位 置 覚 の 評 価 広 島 大 学 大 学 院 保 健 学 研 究 科 野 村 真 嗣 5 足 関 節 自 動 運 動 装 置 に よ る ス ト レ ッ チ ン グ 効 果 マ ッ タ ー ホ ル ン リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 岩 本 久 生 セ ッ シ ョ ン Ⅱ ( 1 1 : 2 0 ∼ 1 2 : 1 0 ) 6 成 長 期 野 球 選 手 に お け る 投 球 障 害 の 現 状 と 課 題 鶴 田 整 形 外 科 小 松 智 7 大 学 柔 道 部 に お け る 傷 害 発 生 状 況 と 対 応 福 原 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 整 形 外 科・内 科 医 院 宮 崎 孝 拡 8 高 校 女 子 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル 選 手 の 右 膝 前 十 字 靱 帯 損 傷 1 症 例 の 受 傷 前 メ デ ィ カ ル チ ェ ッ ク 時 に 得 ら れ た 身 体 特 徴 と ジ ャ ン プ 動 作 に つ い て 一 考 察 い ま む ら 整 形 外 科 能 由 美 9 シ ュ ー ト 時 に 肩 関 節 の 疼 痛 を 訴 え た ハ ン ド ボ ー ル 選 手 の 治 療 経 験 ‐ 手 関 節 の 機 能 障 害 に 着 目 し て ‐ マ ッ タ ー ホ ル ン リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 島 俊 也 1 0 突 き 指 に 対 し て 長 期 固 定 を 行 い P I P 関 節 の 屈 曲 制 限 を き た し た 1 例 い ま む ら 整 形 外 科 堀 泰 輔