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既にご承知のように図書館では 1998 年 11 月、図 書館システムを INNOPAC に変更し、Web 上に公 開しました。システム変更にともない種々のサー ビス改善を図りましたのでご利用下さい。当初は 中央図書館およびキャンパス図書館は各々の利用 者データで運用しておりましたが、各キャンパス 図書館の図書委員会や運営委員会のご協力を得て 利用規則を統一し、2000 年 6 月 5 日から利用者デ ータも統一を図ることができました。
対象となったのは以下の 5 館です。
中央図書館
各キャンパス図書館(高田早苗記念研究図書館、
戸山図書館、理工学図書館、所沢図書館)
利用規則の統一ができたことにより 2000 年 7 月 1 日から 5 館での「どこでも返却」が可能となり ました。また、10 月 2 日からは長年の懸案であっ た研究図書(日本語)の学部学生への貸出も始め ることができました。図書館が利用しやすく必要 な情報を提供できる場であり続けるために、今後 も種々の利用サービスの改善に取り組んでいきま すのでご協力お願いいたします。
利用規則の統一とサービスの改善について
三 浦 育 子 (総合閲覧課長)
[注意点]
①貸出冊数は 5 館での合計冊数となる
②ペナルティー
返却期限を過ぎて 1 日 1 冊 1 点の反則点がつき、
50 点になると 5 館すべてで 14 日間の貸出停止と なる。
③督促
返却日を過ぎて 1 日、 7 日、14 日、30 日後に原 則として E-mail で通知。 3 回目の督促で図書を 返却するまで全館で貸出停止となる。
(高田早苗記念研究図書館では第 1 回目の通知が 7 日後となる)
所沢図書館の図書を取寄せて個人へ貸出
所沢図書館で他4館の図書を取寄せて個人へ貸出 これまで取り寄せ・館内利用のみでしたが 6 月 から資格のある方には個人への貸出ができるよう になりました。ただし、雑誌はこれまでどおり取 寄せのみです。
どこでも返却
対象の 5 館で借用した図書は借用館以外の 4 館 でも返却できます。ただし、高田早苗記念研究図 書館へは学部学生は返却できません。
また、返却は高等学院・本庄高等学院、教職員 は各教員図書室および現代政治経済研究所でも可 能となっています。
WINE システムで貸出されていない資料は、「ど こでも返却」はできませんのでご注意ください。
この制度を始めるにあたって図書館では各図書 館・図書室間を運行しているメール便の車両を大 きくしました。借用館以外での返却が可能となる と当然図書の搬送が増えることを見込んだ措置で すが、前期試験の 7 月や、夏季貸出の返却が集中 した 9 月には満杯の状態となりました。多い時に は本を入れるカートンが足らず、ダンボール箱も 使用して 1 日 1200 冊以上の図書が動きました。
返却受付の一番多いのは戸山図書館で中央図書 館の図書が 500 冊以上返却された日が何日かあり、
担当者は嬉しい悲鳴をあげました。
返却図書は、貸出館以外で返却されると WINE 画面では 搬送中 と表示され、文字通りメール 便の車両で搬送されます。貸出館でもう一度返却 処理をして始めて 利用可能 となります。
時々、貸出手続きした図書を館内の返却台や書 架に直接戻してしまう方がいらっしゃいますが、
貸出手続きをした図書は必ず返却手続きをしてい ただかないといつまでも貸出状態のままとなって いますのでご注意ください。
利用者記録の照会:延長手続き
借りている本の返却日が分からない、返却期限 が近づいているがまだ利用していたいなどという 時 WINE 画面にある「利用者記録の照会」を使っ て 5 館での貸出状況をご自分で確認したり、予約 が入っていなければ貸出延長手続きができます。
これまでは各館毎に調べなければなりませんでし たが 1 回で確認できます。
その際に利用者 ID と暗証番号が必要です。
WINE 画面を立ち上げることができる所ならど こからでも操作できます。
利用者 ID:図書を借りる際にご使用になるカード の種類によって異なります。詳しくは画面で確 認されるか、カウンターでおたずねください。
暗証番号:学生の場合はすでに登録されています。
(暗証番号の構成については掲示をご覧になる か、カウンターにお問合せ下さい)その他の利 用者はカウンターで登録が必要です。
研究図書(日本語)の貸出
これまで学部学生は研究図書(日本語)は夏季 冬季休業期間中の特別貸出期間しか借りることが できませんでした。図書の保存に重点をおいてき たことと、一般図書と学部の学生読書室等の図書 でおおむね利用が間に合うと判断してきたことに よります。WINE での蔵書検索が容易になるにつ れ学部学生からの研究図書(日本語)の通年貸出 の要求が高まり、図書館でも検討を重ねてきまし た。1999 年度下半期と 2000 年度上半期の図書館協 議員会にはかり、最終的な承認を得て実施に至り ました。
10 月 2 日の貸出開始以来、31 日までに 1,962 名 の学部学生が 2,969 冊の日本語図書を借り出してい ます。研究図書は今後も、資産としても、学術遺 産としても大切に保存維持していかなければなら ないことは言うまでもありません。学部学生への 貸出開始後にこれらの図書の保存に関して問題が 生じた場合は再検討の可能性もありますが、利用 者の皆様が図書を大切に扱って研究・学習に役だ ててくださることを願ってやみません。
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【本号表紙写真】
芝蘭堂新元会図 市川岳山画 諸家賛 重要文化財 1 軸 文庫 8 − A224
大槻玄沢の私塾「芝蘭堂」に集まって、わが 国で最初の西暦による新年を祝った蘭学者たち を描いたもの。いわゆる「おらんだ正月」の図 である。時は寛政 6 年閏 11 月 11 日、西暦 1795 年元日のことであった。