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密教研究 Vol. 1941 No. 79 002大山 公淳「密教神道の展開――特に天地麗氣記に就いて―― P23-61」

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密敎

︱ 特 に 天 地 麗 氣 記 に 就 い て ︱

一 、 序 説 神 佛 論 の や か ま し い 時 に 此 の 一 編 を 送 る こ と 墨 無 意 義 で な い と 信 ず る 。 予 は 本 誌 第 三 十 六 號 に ﹁ 弘 法 大 師 と 神 祇 ﹂ と 題 す る 小 論 を 出 し 、 第 六 十 六 號 に ﹁佛 教 と 神 道 の 交 渉 ﹂ を 発 表 し た 。 そ れ は 何 れ も 數 年 前 の も の で 、 神 道 研 究 に 志 し た 初 期 の 作 文 に 属 し 、 .可 成 り に 修 訂增 補 し な け れ ば な ら ぬ の で あ る が 、 根 本 的 な 相 違 點 は 存 し な い と 信 ず る の で 、 今 は そ れ を 前 提 と し て 本 論 を 遙 め る こ と に し た い 。 本 論 は 弘 法 大 師 の 著 と し て 傳 へ ら る ゝ 紳 道 書 中 、 特 に 天 地 麗 氣 記 に 就 い て の 研 究 で あ る 。 清 原 貞 雄 博 士 は 本 書 を 評 し て ﹁ 備 書 と し て 最 亀 成 功 し た ﹂ と 云 つ て ゐ ら れ る 。 眞 僞 は 後 に 論 ず る 所 で あ る が 、 そ れ 程 本 書 は 古 來 有 名 で あ る 。 そ れ に 就 い て 今 は 吹 の 如 く に 本 論 を 進 め た い 。 一 序 説 二 内 容 三 概 評 四 作 者 考 五 類 聚 神 紙 本 源 に 見 る 麗 氣 記 丈 六 神 道 五 部 書 と の 關 係 七 麗 氣 記 血 脈 密敎 神 道 の 展 開 二 三

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密敎 神 道 の 展 開 二 四 八 録 即 、 初 に 本 論 に 對 す る 序 説 を 記 し 、 第 二 節 已 下 正 し く 麗 氣 記 の 研 究 に 進 み 、 先 づ そ の 内 容 を 概 見 し 。 次 に 第 三 節 と し て そ の 概 評 進 み て 作 者 に 就 い て の 異 説 を 探 索 し 、 類 聚 神 祇 本 源 に 現 れ た 麗 氣 記 の 丈 を 考 へ 、 神 道 五 部 書 と の 關 係 を 見 、 第 七 節 に 麗 氣 記 血 脈 を 述 べ 、 最 後 に 麗 氣 府 録 な る 書 の 全 丈 を 掲 げ て 本 書 と の 關 係 を 一 考 す る こ と に し た い 。 弘 法 大 師 と 神 祇 と の 關 係 は 性 靈 集 ・ 高 野 雜 筆 ・ 御 朱 印 縁 起 ・ 御 遺 告 文 等 に よ つ て 知 ら る ゝ 所 で あ る が 、 大 師 の 著 述 に な る 神 道 書 が あ る か 否 か 、 天 保 十 一 年 大 阪 生 玉 神 社 眞 藏 院 量 觀 の 記 す る 神 道 或 問 に 依 れ ば 問 、 名 法 要 集 に 云 、 顯 密 の 諸 宗 神 道 に 入 つ て 末 疏 を 述 る も の 其 數 五 百 餘 巻 あ り 、 是 を 大 師 流 の 神 道 と い ふ 、 爾 ら ば 大 師 所 造 の 神 書 數 多 あ る べ く 何 れ が 眞 作 な る や 。 答 中 臣 祓 兩 部 抄 ・ 麗 氣 記 ・ 理 趣 摩 訶 衍 ・ 雨 寶 童 子 啓 白 等 大 師 の 作 と 云 ひ 傳 ふ れ ど 恐 く は 僞 作 で あ ら う 。 と 評 し て ゐ る 。 古 來 大 師 の 撰 述 と し て 傳 へ ら る ゝ も の に 天 地 麗 氣 記 や 兩 宮 形 丈 深 釋 ・ 中 臣 祓 訓 解 ・ 丹 生 大 神 宮 儀 軌 等 數 部 存 し て ゐ る が 、 弘 法 大 師 全 集 に は こ れ ら を す べ て 僞 撰 部 に 編 入 し て あ る 。 假 令 僞 撰 書 で あ つ て も 、 そ の 内 容 に は 十 分 研 究 を 要 す べ き も の あ り 、 今 は 先 づ 天 地 麗 氣 記 に 就 い て 検 索 す る こ と に し た 。 弘 法 大 師 全 集 和 本 第 十 四 雀 に 大 師 の 和 歌 集 と 稻 す る あ り 、 ﹁ 有 り と い ふ 有 る が 中 に も 取 り わ け て 神 道 な ら で 成 佛 は な し ﹂ と い ふ 一 首 が 載 せ ら れ て ゐ る 。 弘 法 大 師 年 譜 第 十 二 (績 年 譜 省 九 ) に は ﹁ 右 空 海 自 筆 に て 吉 田 に あ り 今 猫 存 す ﹂ と い ひ 、 復 ﹁ 中 臣 祓 集 読 に 空 海 日 福 道 を 受 け す ん ば 吾 佛 法 の 奥 藏 を 悟 る こ と な し ﹂ と も 記 し て あ る 。 果 し て 大 師 が 此 の 歌 を 詠 ぜ ら れ た か 否 か 、 恐 ら く 後 人 の 作 と 考 へ ら る ゝ も 、 こ れ ら に よ つ て 佛 教 者 殊 に 眞 言 宗 徒 の 神 道 研 究 を 勸 奨 す る こ と に な つ て ゐ る 。 注 ① 神 道 史二二 〇 頁

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② 慈 雲 尊 者 全 集 一 〇 ・ 一 〇 四 八 ③ 大 師 全 集 和 本 一 四 ・ 四 九 ④ 眞 言 宗 全 書 本 二 七 二 下 及 び 、 四 八 七 下 二 、 内 容 天 地 麗 氣 記 も 亦 佛 法 の 奥 藏 を 示 す 兩 部 神 道 根 本 書 の 一 と し て 特 に 著 名 と さ れ て ゐ る 。 全 十 八 雀 あ り 、 そ の 内 容 を 見 る に 第 一 毬 は 所 謂 天 地 麗 氣 記 と 構 し 、 天 神 七 代 を 佛 教 に 於 け る 過 去 七 佛 と し 、 過 去 の 七 佛 魑 じ て 天 の 七 星 と あ ら は る 。 地 神 五 葉 は 現 在 の 四 佛 に 遮 那 を 加 へ て 五 佛 と し 、 化 し て 地 の 五 行 神 と な る 。 供 奉 の 大 神 大 小 尊 神 を 賢 劫 の 十 六 尊 と し 、 諸 神 紙 を 佛 教 に 於 け る 諸 尊 に 併 せ て 釋 し よ う と し て ゐ る 。 帥 國 独 槌 の 尊 を 毘 盧 遮 那 佛 、 豊 斜 淳 尊 を 盧 遮 那 佛 と し 、 此 の 二 神 天 に の ほ り 地 に く だ り 報 應 二 身 青 黒 二 色 の 寶 珠 と な る と 云 ひ 、 此 の 國 は 獨 股 金 剛 の 上 に 生 成 し 獨 股 は 大 日 本 州 と 成 る 。 塑 土 煮 尊 は 毘 、婆 如 來 、 沙 土 煮 尊 は 尸 棄 如 來 、 大 苫 邊 尊 は 毘 葉 羅 如 來 、 大 戸 之 道 尊 は 物 留 孫 如 來 、 面 足 尊 は 駒 那 含 牟 尼 如 來 、 大 富 道 尊 は 釋 迦 牟 尼 如 來 、 悼 根 尊 は 彌 勒 如 來 、 伊 鼻 諾 尊 は 金 剛 界 俗 體 男 形 に て 馬 鳴 菩 薩 の 如 く 白 馬 に 乗 じ 手 に 斥 を 持 ち 一 切 衆 生 の 善 悪 を 計 量 し 給 ふ 。 伊 舞 再 尊 は 胎 藏 界 俗 體 女 形 に て 阿 梨 樹 王 の 如 く 荷 葉 に 乗 じ て 読 法 利 生 し 給 ふ 。 此 の 胎 金 二 界 の 遍 照 如 來 幽 契 を 爲 し て 一 女 三 男 を 産 み 給 ふ 。 一 女 は 天 照 太 神 に て 地 神 の 始 め と な り 給 ふ 。 日 本 磐 余 彦 天 皇 (神 武 天 皇 ) は 日 本 人 皇 の 初 め に て 天 照 太 神 よ り 五 代 の 孫 に ま し ま し 、 上 は 乾 靈 授 國 の 徳 に 合 ひ 、 下 は 皇 孫 養 正 の 心 を 弘 め 玉 ふ 。 か く て 神 の 一 徳 は 釜 汝 四 海 に 満 ち 、 和 光 の 影 は 普 く 八 州 に 浮 び 能 く 君 臣 を 救 ふ 。 上 下 悉 く 八 苦 の 煩 惱 を 除 き 天 壌 窮 り な く 日 月 長 久 に し て 夜 の 守 り 日 の 護 り 幸 に 生 れ 坐 す と 説 い て ゐ る 。 そ の 所 論 は 必 密 教 神 道 の 展 開 二 五

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密 教 神 道 の 展 開 二 六 す し も 密 教 的 の も の の み で な く 、 且 つ 何 故 に 某 神 が 某 佛 に 當 る べ き か に 就 い て は 読 明 し て ゐ な い 。 第 二 雀 を 二 所 太 神 宮 麗 氣 記 と 名 く 、 去 る 白 鳳 年 中 金 剛 寶 山 に 禁 上 つ て 寶 喜 藏 王 如 來 三 世 常 恒 の 読 法 を 聞 け ば 、 一 威 音 王 如 來 よ り 以 降 我 等 に 及 ぶ ま で 天 照 太 神 天 の 下 し ろ し め す 勅 を め ぐ ら し 玉 ふ と し 、 役 の 優 婆 塞 行 者 の 記 と 稻 す る 眞 言 を 出 す 。 復 佛 法 入 法 の 主 は 盧 無 神 を も つ て 尊 の 皇 と し 、 是 を 大 元 尊 神 と 名 づ け 、 葦 原 中 つ 國 の 心 王 如 來 と な す 。 中 に 空 海 曰 く 一 百 餘 部 の 金 剛 乗敎 は 神 明 神 通 を 越 え す 。 最 澄 日 ふ 此 の 究 寛 を 觀 す る を 妙 覚 と 名 つ く 、 そ は 寂 光 妙 土 に て 無 明 の 所 感 に 成 る 土 に 非 す 、 萬 法 悉 く 法 性 を 出 で ざ る 故 三 土 即 寂 光 で あ る 。 復 兩 宮 形 文 は 大 梵 天 に て そ の 形 は 日 神 月 神 の 本 妙 藏 摩 尼 珠 で あ り 、 從 本 垂 迩 の 故 に 一 切 衆 生 父 母 の 神 、 無 來 無 去 の 形 體 で あ る 。 藏 王 菩 薩 言 く 、 天 照 太 神 は 最 貴 最 尊 の 神 、 天 下 の 諸 社 に 比 す る も の な し 等 、 そ の 所 述 は 前 の 第 一 雀 よ り 猴 一 暦 奇 異 の 點 が 多 い 。 第 三 雀 を 天 照 太 神 鎭 座 次 第 と い ふ 。 天 照 太 神 を 大 悲 胎 藏 界 曼 茶 羅 に 就 い て 見 、 體 を 現 す る 四 百 餘 、 各 女 別 宮 を 加 へ 九 億 四 萬 三 千 七 百 九 十 二 神 の 上 首 尊 と し て 娑 婆 界 に 歸 す 。 經 に 日 、 本 體 盧 遮 那 は 久 遠 の 成 正 覚 に て 衆 生 を 度 せ ん 爲 め に 大 明 神 を 示 現 し 、 執 金 剛 を も つ て 得 度 す べ き も の に は 帥 執 金 剛 神 を 現 じ て 読 法 す と て 本 地 垂 迩 思 想 を 表 す 。 復 天 王 如 來 衆 生 を 度 せ ん 爲 め に 上 去 下 來 し 、 上 は 飛 空 天 よ り 下 は 大 八 州 大 日 本 伊 勢 度 會 郡 宇 治 の 郷 五 十 鈴 河 上 に 至 つ て 御 鎭 座 ま し ま す と も い ふ 。 第 四 雀 は 五 十 鈴 河 山 田 原 豊 受 太 神 鎭 座 次 第 と な つ て ゐ る 。 豊 受 皇 太 神 を 金 剛 界 曼 茶 羅 に 就 い て 見 、 實 相 眞 如 の 五 輪 中 臺 、 常 住 三 世 淨 妙 法 身 の 大 毘 盧 遮 那 佛 と し 、 金 剛 號 は 遍 照 金 剛 、 神 號 は 天 御 中 主 尊 と し て ゐ る 。 天 照 大 神 を 胎 藏 曼 茶 羅 に す る こ と は 前 の 巻 に 読 く 所 な る が 、 内 外 兩 宮 を 兩 部 不 二 三 世 常 住 の 神 に 座 す と し て 、 此 虚 に 兩 部 神 道 説 を 明 に し た 。 さ れ ど 豊 受 太 神 の 御 神 體 を 飛 空 自 在 天 (梵 天 )と す る 如 き 奇 説 も 見 ら る 。

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第 五 雀 は 降 臨 次 第 ・ 神 天 上 地 下 次 第 と 名 け 、 大 慈 毘 盧 遮 那 如 來 は 國 常 立 の 尊 と 名 け 、 以 下 天 神 七 代 地 神 五 代 、 紳 武 天 皇 よ り 第 十 一 代 垂 仁 天 皇 ま で の 諸 代 天 皇 の 神 事 や 陵 所 を 出 す 。 第 六 雀 は 前 と 同 じ く 降 臨 次 第 と い ひ 、 豊 受 皇 大 神 は 兩 宮 の 惣 形 な り と し 、 そ の 神 靈 の 本 は 五 智 圓 形 の 御 靈 鏡 に て 如 意 寶 珠 と い ふ 。 神 體 は 天 帝 釋 、 神 號 は 天 御 中 主 尊 、 寶 號 は 大 慈 毘 盧 遮 那 如 來 と な す 。 そ し て 水 ・ 火 ・ 風 ・ 空 の 四 神 を 説 き 、 垂 仁 天 皇 以 下 雄 略 天 皇 に 至 る ま で を 列 學 し 、 以 上 人 皇 二 十 二 代 は 二 十 二 天 の 垂 跡 と 斷 じ 、 三 十 二 神 を 出 し 、 金 剛 界 曼 茶 羅 に 於 け る 成 身 會 三 十 七 尊 に 併 せ よ う と し て ゐ る 。 第 七 雀 は 神 梵 語 廢 氣 記 と 名 け 、 ﹁ 和 光 の 靈 威 を 稟 け て 諸 行 諸 波 羅 蜜 を 修 行 し 、 諸 佛 の 通 相 を 蒙 つ て 般 若 の 心 空 に 遊 ぶ ﹂ と い ひ 、 又 ﹁ 一 切 衆 生 は 本 來 の 薩 錘 に て 凡 聖 は 皆 是 れ 神 體 、 法 性 と 無 明 と は 本 有 の 形 體 、 過 現 未 の 諸 佛 冥 合 し て 種 々 の 應 身 や 神 明 に 化 現 し 三 界 を 衛 護 す る ﹂ な ど 、 紳 佛 一 致 の 教 學 を 組 織 し よ う と し て ゐ る 。 第 八 雀 を 萬 鏡 靈 瑞 器 記 と い ひ 、 又 萬 鏡 本 縁 靈 瑞 器 記 と 名 く 。 そ の 内 容 は 大 梵 天 宮 の 天 體 靈 光 あ り て 、 萬 鏡 の 靈 瑞 を 示 す に 外 な ら ぬ 。 第 九 雀 を 心 柱 麗 氣 記 と い ふ 。 日 を 胎 藏 界 、 月 を 金 剛 界 と し 、 伊 勢 の 兩 宮 は 無 始 無 絡 の 大 元 宗 神 に て 亦 一 念 不 生 の 神 と な す 。 丈 の 首 に ﹁ 飛 空 自 在 梵 天 王 が 権 に 器 世 間 を 建 立 し て 十 方 界 に 向 つ て 言 、 我 十 方 界 の 迷 情 の 神 達 佛 達 を 召 集 し て 我 身 體 宛 告 ぐ る 時 ﹂ と い ふ 如 き 奇 異 の 文 も 見 ら る 。 第 十 巻 は 神 號 麗 氣 記 と 稻 す 。 中 に 實 迷 の 神 は 本 覚 の 理 を 忘 れ 一 心 三 昧 に 佳 し 結 縁 を 友 と し 善 悪 に 随 ふ 。 こ れ に 反 し 實 悟 の 神 は 本 覚 の 理 を 貴 び 邪 々 地 を 遠 離 し 本 有 の 位 に 坐 し て 佛 法 僧 を 守 護 す と 読 き 、 . 理 ・ 智 ・ 體 ・ 相 ・ 用 ・ 實 相 神 ・ 虚 室 神 ・ 靈 魂 ・ 醜 ・ 鬼 ・ 日 ・ 月 ・ 明 の 語 に 就 い て 神 を 明 し 、 十 二 大 天 ・ 十 二 宮 神 ・ 十 二 月 將 神 ・ 十 二 神 將 ・ 十 二 土 神 密敎 神 道 の 展 開 二 七

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密敎 神 道 の 展 開 二 八 二 十 八 宿 ・ 二 十 八 部 衆 等 の 分 齊 を 表 は す 。 第 十 一 雀 は 三 界 表 麗 氣 記 天 札 雀 と い ふ .、 淨 を も つ て 上 と し 臓 を も つ て 下 と し 、 上 下 定 ま り て 以 來 迷 悟 あ り 、 差 別 あ り 、 有 無 の 二 見 を 立 て ゝ 法 性 法 爾 の 道 を 亡 ふ と な し 、 大 梵 天 王 の 常 恒 読 法 を 説 く 如 き 正 統 密 教 徒 の 傳 へ な い 説 を 出 す 。 此 の 雀 と 次 の 第 十 二 ・ 三 雀 は 共 に 短 篇 に 作 ら れ て ゐ る 。 第 十 二 雀 は 神 形 注 麗 氣 記 と い ひ 、 天 札 以 後 に 傳 へ よ と 云 つ て ゐ る 。 一 の 輪 の 中 に 九 輪 あ り 、 地 水 火 風 室 を 廻 ら し 各 女 三 昧 耶 身 と な す 。 神 形 の 深 義 は 別 記 す と い ひ 、 又 一 鏡 の 中 に 八 葉 あ り 、 八 葉 の 闘 に 八 箇 の 三 股 あ り 、 そ の 數 三 八 二 十 四 と 八 葉 輪 と で 三 十 二 神 と な り 、 一 鏡 の 中 に 佳 し 給 ふ と 説 く な ど 、 密 教 に 於 け る 曼 茶 羅 の 組 織 に 合 せ て 説 明 し よ う と し て ゐ る 。 そ の 神 體 は 馬 鳴 菩 薩 の 如 く 白 馬 に 乗 り 左 に 日 輪 を 持 ち 右 に 斥 ( バ カ リ ) を 持 ち 、 一 切 衆 生 の 善 悪 二 法 を 量 り 知 ら し む と も 説 く 。 第 十 三 雀 は 現 圖 麗 氣 記 と い ひ 、 前 雀 と 同 じ く 天 札 以 後 傳 へ よ 註 す 。 國 常 立 の .尊 の 心 月 輪 は 大 空 無 相 の 妙 體 と い ひ 、 二 珠 並 べ 座 す る は 國 狭 槌 の 尊 と 豊 斜 渟 の 尊 で あ つ て 日 珠 月 鏡 を 示 す 。 天 地 日 月 を 表 は す の 外 な い 。 又 天 叢 雲 の 劔 は 第 六 天 大 自 在 天 王 よ り 受 持 す る 所 の 三 戟 の 利 劔 で あ る 。 以 上 珠 と 鏡 と 劔 と の 三 種 の 神 寶 は 國 常 立 の 尊 と 國 狡 槌 の 尊 と 豊 掛 淳 の 尊 の 三 昧 耶 の 妙 體 で あ り 、 叉 悪 魔 降 伏 の 職 其 、 貴 賎 上 下 守 .護 の 丈 と す る 。 第 十 四 雀 を 佛 法 神 道 麗 氣 記 と い ふ 。 首 に ﹁ 以 前 の 條 々 降 化 の 縁 起 を も つ て 和 光 利 物 の 本 誓 を 明 し た が 、 次 に は 佛 語 の 甚 深 に 於 い て 己 心 の 神 祇 を 顯 は す ﹂ と し て 、 神 明 の 垂 跡 は 無 邊 の 法 界 を 照 ら し 衆 生 の 心 地 に 入 り 不 生 の 妙 理 に 佳 し 、 神 通 の 寶 輅 に 乗 じ て 佛 の 内 證 に 至 る 。 仁 と 法 と 離 れ す し て 色 心 和 合 し 、 妄 心 は 本 よ り 自 性 な く 悟 れ ば 眞 如 で あ つ て 、 佛 種 は 縁 に 從 つ て 生 じ 不 可 得 で あ る 。 諸 教 の 大 綱 は 只 一 心 の 神 體 を も つ て 宗 旨 と し 、 法 相 大 乗 の 心 は 四 分 三 性 の

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説 を 立 て ゝ 唯 識 中 道 の 觀 門 を 明 し 、 三 論 宗 は 獨 空 畢 寛 の 理 を 明 し て 八 不 中 道 の 旨 を 説 く 、 世 諦 に 依 れ ば 諸 法 あ れ ど 眞 諦 に 就 け ば 一 法 を も 留 め す 、 無 相 無 念 常 佳 不 攣 で あ る 。 是 れ 本 地 垂 迹 無 二 平 等 の 心 に 外 な ら ぬ 。 天 台 宗 の 意 は 法 華 を も つ て 眞 實 と し 本 を 分 ち 、 迩 門 の 中 に は 十 如 實 相 の 理 を 説 い て 開 示 悟 入 の 四 句 を 宣 べ 、 唯 一 實 相 の 法 位 ・ 法 華 一 乗 の 妙 體 を 読 き 、 本 門 に は 久 遠 實 成 の 旨 を 述 べ て 十 界 常 住 の 理 、 三 身 無 作 の 本 を 顯 は す 。 神 體 た る 八 腿 の 鏡 は 八 葉 蓮 花 三 世 常 恒 の 理 體 を 表 す 。 惣 持 教 (眞 言 密 数 ) は 自 性 法 身 の 大 日 如 來 金 剛 法 界 宮 に 於 い て 内 證 果 海 の 法 門 を 読 き 即 身 成 佛 を も つ て 宗 旨 と な す と て 、 理 具 ・ 加 持 ・ 顯 得 の 三 種 即 身 成 佛 説 と 六 大 無 碍 等 の 即 身 成 佛 義 に 出 す 有 名 な 二 頬 八 句 の 文 を 掲 け て そ れ を 釋 す 。 謂 は ゞ 本 雀 に は 教 相 的 の 要 素 が 多 い 。 第 十 五 雀 よ り 第 十 八 雀 に 至 る 四 巻 は 神 體 圖 に て 、 初 め に 内 守 護 の 八 天 ・ 四 天 女 ・ 外 の 八 天 に 就 て 神 名 と 菩 薩 號 を 並 べ 學 げ 、 各 神 體 を 圖 繪 す 。 次 の 雀 に は 三 種 神 器 を 示 し 九 尊 の 圓 を 顯 は し 、 第 十 七 雀 に は 星 光 ・ 胎 色 ・ 金 界 ・ 三 辮 寶 珠 及 び 劔 の 圖 あ り 、 第 十 八 雀 に は 内 神 外 神 の 外 に 香 鼻 山 命 ・ 天 道 根 命 ・ 天 村 雲 命 ・ 天 斗 摩 根 命 ・ 九 尊 形 (又 は 皇 孫 尊 )、 天 三 降 命 ・ 天 日 神 命 ・ 天 乳 早 命 ・ 天 八 坂 彦 命 等 の 神 像 を 出 し 、 曼 茶 羅 に 於 け る 鈎 索 錬 鈴 の 四 攝 菩 薩 ・ 嬉 髭 歌 舞 と い ふ 四 供 養 菩 薩 に 配 す 。 か く て 終 り に 豊 受 皇 太 神 宮 繼 文 あ り 、 説 い て 言 ふ 、 豊 受 皇 太 神 は 非 々 想 天 能 斷 の 智 體 に て 下 々 來 々 し て 欲 界 他 化 自 在 天 王 宮 中 に 在 り 、 大 毘 盧 遮 那 佛 の 爲 め に 魔 醯 首 羅 の 難 を 除 き 、 法 輪 を 轉 ぜ ん が 爲 め に 化 し て 尸 棄 大 梵 天 王 と 成 り 、 娑 婆 世 界 の 主 と し て 六 道 四 生 有 情 の 重 苦 を 悲 し み 、 身 口 意 の 妄 三 業 を 捨 て 頓 に 佛 道 を 成 す べ き 正 覚 正 智 の 形 を 示 し 、 神 通 自 在 の 姿 を 現 じ 神 の 威 光 化 儀 を 施 す 。 又 本 書 に は 海 雲 造 玄 の 血 脈 を 開 い て 兩 宮 神 の 本 縁 を 知 る と も 説 く 。 注 ① 弘 法 大 師 全 集 和 本 一 四 、 五 五 頁 已 下 密敎 神 道 の 展 開 二 九

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密敎 神 道 の 展 開 三 〇 三 、 概 評 以 上 は 麗 氣 記 の 概 要 を 見 た の で あ る が 、 伊 勢 の 内 外 兩 宮 を 兩 部 曼 茶 羅 と す る こ と 、 年 代 の 明 瞭 な も の と し て は 弘 安 二 年 二 九 三 九 ) の 記 な る 無 住 法 師 の 沙 石 集 雀 一 、 同 九 年 八 月 の 記 な る 通 海 参 詣 記 に 見 え 、 皇 字 沙 汰 丈 ・ 寶 基 本 記 裏 書 文 ・ 塵 添 燈 嚢 鈔 等 を 始 め 、 後 代 の 書 に し ば く 見 る 所 で あ つ て 、 本 書 に こ れ を 出 す こ と に 注 意 せ し め ら る 。 そ の 意 画 は 内 外 兩 宮 の 地 位 を 對 等 に 置 く こ と に 存 す る 。 然 し 本 書 一 部 十 八 雀 に 顯 は さ れ た る 文 章 は 到 底 大 師 の 眞 作 と 考 へ ら れ す 、 叉 純 密 教 の 所 論 と の み 考 へ ら れ な い 記 事 の あ る こ と に 注 意 し な く て は な ら ぬ 。 例 せ ば 第 一 の 雀 に 天 神 七 葉 を 過 去 の 七 佛 と し 、 轉 じ て 天 の 七 星 と な る と い ふ 如 き 、 又 光 明 大 梵 天 王 と 尸 棄 大 梵 天 王 を 諾 再 二 尊 に 配 し 、 第 二 雀 に 去 る 白 鳳 年 中 金 剛 寶 山 に 禁 上 つ て 寶 喜 藏 王 如 來 三 世 常 恒 の 説 法 を 聞 け ば 、 一 威 音 王 如 來 よ り 以 降 な ど と 書 き 出 す 如 き 、 第 四 雀 に は 大 梵 天 王 を 光 明 大 梵 天 王 と 名 け 、 是 を 天 御 中 主 神 と 名 け 、 亦 天 照 皇 大 神 と 名 く と い ひ 、 梵 天 王 が 各 雀 を 通 じ て し ば ぐ 活 躍 し て ゐ る 。 此 の 梵 天 と 伊 勢 神 と の 關 係 に 就 て 元 亨 釋 書 第 十 六 雀 宋 國 傳 法 院 沙 門 成 尋 傳 に 、 成 尋 は 誠 修 專 一 に し て 威 験 神 に 入 る と て 、 伊 勢 太 神 が ﹁ 閣 梨 誦 經 の 聲 時 に 梵 天 に 通 す ﹂ と 青 衣 の 童 子 に 托 し て 傳 語 し 給 ふ た と 録 し て ゐ る 。 此 の 記 事 は 本 朝 高 僧 傳 第 六 十 七 及 び 大 雲 寺 縁 起 に も 出 づ 。 成 尋 は 延 久 四 年 二 七 三 二 ) 六 十 二 歳 で 入 栄 し 彼 の 地 に 寂 し た が 、 果 し て 此 の 記 事 が 實 傳 か 否 か は 別 と し て 、 思 想 系 統 を 同 じ う し て ゐ る や う に 考 へ ら れ る 。 そ の 根 本 を 尋 ぬ る に 唯 識 論 演 秘 一 之 末 に 安 茶 論 師 の 説 と し て 世 界 の 本 際 を 読 き 、 本 よ り 日 月 星 辰 や 虚 空 や 地 は 無 く 、 唯 水 と 火 と の み あ り 、 時 に 大 安 茶 生 す 鶏 子 の 如 く 熟 し 破 れ て 二 段 と な り 、 一 は 上 に 在 つ て 天 と な り 一 は 下 に 在 つ て 地 と な る 。 そ の 二 の 中 間 に 梵 天 生 じ 一 切 衆 生 の 祖 翁 と な り 、 一 切 有 命 無 命 の も の と な る と 説 い た 。 今 は そ の 梵 天 王 に 天 御 中 主 神 (古 婆 記 に 依 り )或 は 國 常 立 尊 (書 紀 に 依 り ) を 置 き 換 え 、 且 つ 梵 天 に 形 容 詞 を 附 し た 光 明 大 梵 天 王 と か 尸 棄 大 梵 天 王 な ど の 名 を 借 り 來

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り 、 こ れ を 國 神 に 配 當 し て 種 々 読 い た に 外 な ら ぬ 。 彼 の 第 二 雀 に 空 海 日 と か 最 澄 日 な ど の 語 あ る は 、 明 に 弘 法 大 師 の 作 文 に 非 る を 證 し て ゐ る 。 叉 麗 氣 記 第 五 雀 地 神 五 代 の 中 第 三 天 津 彦 々 火 顔 々 杵 尊 、 天 下 を 治 め 給 ふ こ と 四 十 一 萬 八 千 五 百 四 十 三 歳 と あ る が 、 元 亨 釋 書 第 十 八 や 倭 姫 命 世 記 に は 三 十 一 萬 八 千 五 百 四 十 二 年 、 塵 添 藤 嚢 鈔 雀 六 に は 三 十 萬 八 千 五 百 四 十 二 年 に 作 る 。 已 下 第 四 ・ 五 代 の 尊 の 治 世 年 代 を 記 す る は 大 約 同 じ い 。 然 も こ れ ら は 此 の 鎌 倉 時 代 よ り 室 町 初 期 に 行 は れ た 一 つ の 思 潮 で あ つ た ら し く 、 他 の 時 代 の 記 録 に は 多 く 見 な い 。 復 今 の 麗 氣 記 第 一 巻 と 第 五 雀 に は 既 に 述 べ た や う に 天 神 七 代 地 神 五 代 を 説 い て ゐ る が 、 こ れ に 就 い て 笛 篤 胤 翁 の 古 道 大 意 下 巻 に は ﹁ 天 神 七 代 地 神 五 代 と 申 す こ と は 曾 つ て 古 書 に 見 ず 、 忌 部 正 通 の 神 代 口 決 と 申 す も の に 始 め て 見 え た な れ ど も 、 是 は 事 の 意 を も 古 を も 考 へ す 、 強 い て 天 と 地 と に 當 や う と し て 漫 に 言 出 し た る 後 の 世 の 俗 読 ﹂ と 迹 べ て あ る 。 忌 部 正 通 の 神 代 口 決 と は 、 日 本 書 紀 福 代 雀 の 口 決 で あ つ て 、 貞 治 六 年 三 〇 二 七 ) に 作 ら れ て ゐ る 。 そ れ に 始 め て 現 れ た 説 と い ふ も 、 天 神 七 代 地 神 五 代 説 は 既 に ト 部 懐 賢 の 釋 日 本 紀 養 に 沙 汰 し 欝 神 祇 本 源 第 三 鄭 山毒 第 夫 ・ ぜ 早 原 神 風 和 氣 上 ・ 婁 、 響 集 上 ・下 籍 出 さ れ て ゐ る の で 、 忌 部 正 通 以 前 鎌 倉 時 代 に 行 は れ て ゐ た 読 で あ る こ と を 知 る 。 且 つ こ れ は 文 安 二 ・ 三 年 (二 一 〇 五 ・六 ) の 頃 に 書 か れ た 塵 添 旛 嚢 鈔 第 六 、 或 は 元 汝 集 第 二 ・ 三 及 ひ 神 祇 靈 應 記 、 神 皇 實 録 、 神 皇 系 圖 等 に も 見 え 、 古 來 著 名 に な つ て ゐ る 。 け れ ど 慈 雲 薯 が 神 袋 聞 書 に そ の 豪 呆 是 な り 本 よ り 典 撮 な し ﹂ と 評 さ れ 、 平 田 篤 胤 翁 も 亦 前 記 古 道 大 意 に ﹁甚 だ 誤 り ﹂ と し ﹁ 俗 説 ﹂ と 評 す る 如 く 、 日 本 書 紀 や 古 事 記 ・ 古 語 拾 遺 等 の 古 典 に 見 な い 後 代 の 作 り さ と ゝ し な く て は な ら ぬ 。 古 事 記 や 書 紀 に 神 世 七 代 の こ と あ れ ど か や う な 天 紳 七 代 地 神 五 代 な ど と い ふ 分 類 は 全 然 記 し て な い の で あ る 。 蓋 し そ の 読 の 根 本 出 據 は 或 は 今 の 書 、 少 く と も 本 記 の 系 統 に 屡 す る も の ゝ 作 で あ る か も 知 れ ぬ と 考 へ る 。 密敎 教 神 道 の 展 開 三 一

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密敎 神 道 の 展 開 三 二 要 す る に 本 書 一 部 十 八 巻 の 中 に は 正 純 密敎 徒 の 常 用 し な い も の が 多 く 、 中 に 出 さ る ゝ 思 想 に は 弘 法 大 師 作 と し て は 受 け 取 り 難 い も の も 見 ら る 。 且 つ 初 め よ り 組 織 的 に 十 八 雀 が 編 述 さ れ た も の と も 思 は れ ぬ 。 思 ふ に 前 記 の 如 き 一 類 の 書 あ り 、 総 合 し て 天 地 麗 氣 記 と 名 け ら る ゝ に 至 つ た の で あ ら う 。 そ れ は 各 雀 そ の 首 題 を 異 に し て ゐ る こ と に よ つ て 察 せ ら る 。 注 ① 佛 教 全 書 本 一 九 四 頁 ② 同 二 ・ 三 六 七 頁 及 び 同 寺 誌 叢 書 四 ・ 四 〇 七 ③ 大 正 大 藏 經 四 三 ・ 八 三 二 B ④ 佛 教 全 書 本 三 五 四 頁 ⑤ 續 群 書 類 從 完 成 會 本 一 上 ・ 四 八 ⑥ 平 田 篤 胤 全 集 七 ・ 五 〇 ︱ 五 一 ⑦ 績 々 群 書 類 從 一 ・ 二 二 頁 巳 下 ⑧ 佛 教 全 書 本 三 五 四 頁 ⑨ 續 々 群 書 類 從 一 ・ 九 九 、 一 〇 六 ⑩ 同 一 七 五 、 一 八 三 ⑪ 佛 教 全 書 本 一 四 三 頁 ⑫ 績 々 群 書 類 從 一 ・ 一 九 九 ⑬ 同 一 ・ 二 一 二 已 下 ⑭ 同 二 〇 七 、 二 〇 八 ⑮ 慈 雲 尊 者 全 集 一 〇 ・ 七 三 二 ⑯ 平 田 篤 胤 全 集 七 ・ 五 〇 四 、 作 者 考

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天 地 麗 氣 記 の 内 容 が 上 述 の 如 し と す る な ら ば 次 は そ の 著 者 如 何 と い ふ 問 題 に な る 、 こ れ に 就 い て も 種 々 の 異 説 が 見 ら れ る 。 本 朝 台 祖 撰 迹 密 部 書 目 に は 十 八 雀 の 内 二 雀 は 餘 人 の 作 に て 他 は 弘 法 大 師 作 と な し 、 應 永 二 十 六 年 三 月 八 日 比 叡 山 遍 照 院 法 印 権 大 僧 都 良 遍 の 述 に 依 れ ば 仁 王 第 六 十 代 醍 醐 天 皇 の 御 宇 、 神 泉 苑 の 池 に 容 顔 美 麗 の 女 人 現 は れ 王 宮 へ 昇 殿 し 、 和 國 の 風 儀 神 道 の 深 義 を 述 べ た 。 そ の 時 天 皇 へ 授 け 奉 つ た 書 が 今 の 天 地 麗 氣 記 で あ る と い ふ 。 そ は 頼 舜 な る 人 の 記 に 成 り 應 永 ・ 文 明 等 の 古 爲 本 が 現 存 し 、 天 地 麗 氣 記 聞 書 と 名 け ら る 。 叉 神 道 見 聞 録 な る 一 冊 の 斷 簡 書 あ り 、 中 に ﹁ 麗 氣 記 の 書 ﹂ と し て 、 本 書 は 密 家 所 傳 の 神 道 の 奥 旨 を 記 す も そ の 作 者 古 來 明 か な ら す 、 或 は 弘 法 大 師 造 、 或 は 役 小 角 傅 教 大 師 、 延 喜 帝 の 作 、 或 は 後 人 の 僞 造 と い ふ 等 の 読 を 列 學 し 、 ﹁ 古 來 の 諸 本 叉 般 々 に し て 軌 な ら す (中 略 ) 天 地 麗 氣 記 と い ふ 惣 題 も 無 く 撰 者 號 も な く 奥 批 も 存 し な い 。 但 天 照 大 神 鎭 座 次 第 に は 奥 識 あ れ ど 誰 人 の 造 か 知 れ な い 。 そ の 読 く 所 は 高 祖 所 傳 の 神 道 に て 餘 師 の 所 傳 で な い 。 兩 宮 を 兩 部 と 習 ふ が 、 そ の 兩 部 の 印 明 並 に 奥 旨 、 寶 珠 寶 劒 等 の 習 ひ は 東 密 一 家 の 正 旨 に て 青 龍 嫡 傳 の 源 流 を 示 す ﹂ と 評 し て ゐ る 。 弘 法 大 師 全 集 本 に は 編 者 が 後 に 抜 文 を 附 し て 此 の 書 の 作 者 明 な ら す 一 に は 我 大 師 の 撰 と 云 、 一 に は 第 一 雀 は 我 大 師 撰 に て 餘 は 然 ら ず 。 一 に は 第 十 八 巷 は 傳 教 大 師 撰 に て 餘 は 然 ら ず 、 一 に は 延 喜 帝 龍 福 の 説 を 聞 い て 記 し 給 ふ 所 と い ふ 。 さ れ ど 此 等 の 説 皆 信 す る に 足 ら す と て 、 泉 涌 寺 長 老 鼎 龍 曉 大 僧 正 の 説 を 出 し て ゐ る 。 曰 く 古 來 の 神 書 に 傳 へ て 我 大 師 の 撰 と い ふ も の 多 し 。 然 れ ど も 余 そ の 書 を 見 る に 謬 見 邪 説 甚 少 か ら ず 。 伊 勢 兩 宮 を も つ て 金 胎 兩 部 に 配 す る 説 の 如 き は 其 の 甚 し き も の に て 、 麗 氣 記 の 中 に 亦 此 の 説 あ り 。 内 宮 も 外 宮 も 共 に 女 神 な る 故 、 こ れ を 兩 部 に 配 す る こ と 全 く そ の 理 な し (申 略 )中 古 伊 勢 外 宮 の 社 家 、 内 宮 の 位 高 く 外 宮 の 位 下 く 、 内 宮 愈 々 盛 に し て 密敎 神 道 の 展 開 三 三

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密敎 神 道 の 展 開 三 四 外 宮 愈 々 衰 ふ る を 見 、 社 格 を 同 等 な ら し め ん 爲 め 名 を 先 賢 に 託 し て 多 く の 僞 書 を 作 り 、 途 に 潜 し て 豊 受 皇 太 神 と 稻 す 。 そ の 後 永 仁 年 中 兩 宮 社 格 を 孚 ひ こ れ を 朝 廷 に 訴 ふ 。 朝 廷 に は 外 宮 の 提 供 す る 書 を 學 げ て 悉 く 妄 作 と し 永 く 皇 の 字 を 用 ふ る こ と を 禁 じ 給 ふ た 。 こ れ ら に よ つ て 思 ふ に 麗 氣 記 の 類 は 皆 外 宮 社 家 の 妄 造 な ら ん と 述 べ 、 弘 法 大 師 績 年 譜 雀 七 に は 按 す る に 此 の 記 を 大 師 撰 と な す 。 未 だ そ の 實 否 を 詳 に せ す 、 且 つ 其 の 説 本 書 に 異 す 。 姑 く こ れ を 録 し て 後 考 を 埃 つ と 細 註 し 、 紀 伊 續 風 土 記 に は ﹁ 此 記 眞 僞 の 沙 汰 あ り け れ ば 異 傳 な る べ し ﹂ と 評 し た 。 更 に 徳 川 時 代 の 福 道 學 者 で あ り 國 學 者 で あ つ た 平 田 篤 胤 翁 は そ の 著 俗 神 道 大 意 雀 一 に 兩 部 神 道 の こ と を 説 い て 、 次 に ま つ 古 く は 天 地 麗 氣 記 と 云 も の 十 八 雀 四 本 あ り 、 こ れ は 初 め に 空 海 撰 と あ る が 、 天 野 信 景 が 読 に 、 こ れ は 麗 氣 灌 頂 の 書 な ど を 本 と し て 、 後 人 が 空 海 に 託 し て 僞 り 作 つ た も の で あ ら う と 云 、 實 に さ う と 見 え て と し て そ の 説 に 賛 成 し て ゐ る 。 復 天 地 麗 氣 記 と い ふ 兩 部 脅 合 の 書 を 古 く よ り 空 海 が 作 と 云 ひ 傳 へ て ゐ る が 、 中 に 空 海 以 後 の 者 が 増 補 し た り と 見 ゆ る こ と も あ れ ど 、 外 宮 鎭 座 の こ と が 中 に も 委 く 、 そ れ は す べ て 五 部 書 の 中 倭 姫 命 の 世 紀 の 意 を も つ て 記 し あ る 。 と 論 す 。 こ れ は 未 だ 本 書 成 立 の 内 容 を 十 二 分 に 盡 し た と は 云 へ な い が 、 外 宮 鎭 座 の 論 は 考 慮 さ る べ き で あ ら う 。 次 に 吉 見 幸 和 は 五 部 書 説 .辮 雀 五 の 終 り に 外 宮 祠 官 の 誇 り 扱 ふ 書 籍 あ り ⋮ ⋮ 皆 同 類 の 妄 書 に し て 信 す べ か ら す と し て 、 出 す 所 の 書 目 中 に 今 の 本 が 見 ら れ る 。 幸 和 は 尾 張 國 名 古 屋 東 照 宮 の 祠 官 に て 、 明 和 の 頃 八 十 餘 歳 で 卒 し た 。 そ の 五 部 書 説 辯 は 所 謂 神 道 五 部 書 に 就 い て 外 宮 神 官 の 妄 造 僞 作 な る こ と を 徹 底 的 に 究 明 し た 書 で あ つ て 、 甚 だ 参 考 に

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な る も の が 多 い 。 そ の 中 に 於 い て 本 書 を 論 評 す る こ と 右 の 如 く 、 看 過 し 得 ら れ ぬ 読 述 と 考 へ る 。 復 彼 の 神 道 或 問 に は 聖 應 の ﹁ 神 道 辮 惑 に 云 ﹂ と し て 、 此 麗 氣 記 と 云 ふ も の も 是 れ 又 後 人 附 會 の 僞 作 な り 、 眞 言 教 に 於 て も 取 り 用 ひ ざ る 僞 書 な り 。 察 す る 所 外 宮 の 神 人 兩 部 習 合 を 立 て 内 外 を 同 様 に せ ん と の 巧 み に て 、 神 人 の 家 よ り 出 た る 眞 言 坊 主 な ど に 作 ら せ た る も の な る べ し と い ひ 、 次 に ﹁ 麗 氣 記 全 く 五 部 の 書 に 依 つ て 書 き た る も の と 見 え た り ﹂ と し て そ れ を 文 證 し た 。 以 上 各 種 の 読 が 見 ら る ゝ が 、 要 す る に 大 師 の 撰 述 と 云 ひ な が ら 後 人 の 僞 撰 と す る 説 が 多 分 に 見 ら れ る 。 文 章 も そ の 内 容 も 思 想 も 皆 前 節 に 記 す る 如 く 、 到 底 大 師 の 眞 撰 述 と は 考 仏 ら れ な い 。 純 密 教 の 所 論 と も 考 へ ら れ な い 記 事 も 見 ら れ る 。 然 ら ば 何 時 代 誰 人 に よ つ て 作 ら れ た か 。 次 の 節 に 於 い て こ れ を 攻 究 す る こ と に し た 。 注 ① 佛 教 全 書 佛 教 書 籍 目 録 二 、二二二 下 ② 高 野 山 大 學 圖 書 館 藏 、 山 内 三 寶 院 、 持 明 院 、 金 剛 三 昧 院 の 寄 托 本 中 に あ り ③ 高 野 山 大 學 圖 書 館 藏 、 三 寶 院 寄 托 本 ④ 大 師 全 集 和 本 一 四 ・ 一 四 四 ⑤ 眞 言 宗 全 書 三 八 ・ 四 三 六 頁 ⑥ 四 ・ 五 〇 三 頁 ⑦ 平 田 篤 胤 全 集 七 ・ 一 一 六 ⑧ 同 七 二 五 六 ⑨ 神 道 五 部 書 読 辯 五 ・ 四 三 参 照 ⑩ 生 玉 持 寶 院 に 住 し た 人 ⑪ 慈 雲 全 集 一 〇 ・ 一 〇 五 一 五 、 類 聚 騨 舐 本 源 に 見 る 麗 氣 記 文 密敎 神 道 の 展 開 三 五

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密敎 神 道 の 展 開 三 六 天 地 麗 氣 記 が 何 時 代 誰 人 に よ つ て 作 ら れ た か 、 こ れ を 今 日 決 定 す る こ と は 甚 困 難 で あ る が 、 類 聚 神 祇 本 源 に し ば く 引 用 さ れ て ゐ る こ と を 考 へ れ ば そ れ 以 前 の 述 作 と し な く て は な ら ぬ 。 類 聚 神 祇 本 源 は 十 五 雀 あ り 、 伊 勢 外 宮 の 禰 宜 正 四 位 上 度 會 神 主 家 行 が 元 應 二 年 ( 一 九 八 〇 ) に 管 見 の 畜 懐 を 述 べ た と す る 書 で あ る 。 本 書 は 續 々 群 書 類 從 第 一 神 祇 部 初 頭 に 編 入 す 。 そ の 引 用 丈 を 見 る に 第 二 雀 天 地 開 闢 篇 に 天 地 麗 氣 府 録 日 と し て 出 す 所 は 麗 氣 記 第 七 雀 の 文 で あ る が 、 大 師 全 集 本 と 多 少 の 相 違 が 見 ら れ る 。 尤 も こ れ は 府 録 の 文 で あ つ て 麗 氣 記 の 丈 で な い の で 相 違 あ る は 止 む を 得 ぬ 。 次 に 第 三 雀 天 神 所 化 篇 に 官 書 天 地 麗 氣 日 と し て 出 す 所 は 、 本 書 雀 頭 に 出 す 五 十 四 字 そ の ま ゝ で あ り 、 第 五 雀 内 宮 遷 座 篇 に 出 す 麗 氣 日 已 下 の 三 十 二 神 の 事 は 麗 氣 記 雀 三 に 出 す も の に 同 じ い 。 但 し 麗 氣 記 に は 各 神 名 の 下 に 金 剛 界 曼 茶 羅 に 於 け る 菩 薩 三 十 二 尊 名 を 註 記 す る も 今 の 神 祇 本 源 は こ れ を 記 し て ゐ な い 。 同 じ 神 祇 本 源 雀 五 に は 麗 氣 日 と し て 本 書 雀 一 に 出 す ﹁ 凡 そ 天 照 大 神 天 地 太 冥 の 時 日 月 星 辰 の 像 を 現 じ て 盧 空 を 照 ら す ﹂ 以 下 の 八 十 九 字 が 存 す る も 、 大 師 全 集 本 に 對 照 す る に 二 三 字 の 出 没 が 見 ら れ る 。 復 同 じ 雀 五 に は 麗 氣 記 第 五 に 出 す 崇 神 天 皇 治 天 下 六 十 八 年 以 下 、 活 目 入 彦 五 十 狭 茅 天 皇 條 下 ま で の 記 事 全 文 を 掲 け 、 終 り に 更 に 相 當 長 い 丈 章 を も つ て 天 照 大 神 五 十 鈴 川 上 に 鎭 座 あ ら せ ら る ゝ 有 様 を 説 き 、 そ の 間 に 註 日 と か 倭 姫 世 記 日 ・ 日 本 書 紀 日 ・ 神 記 日 等 他 書 を 援 引 し て ゐ る 。 神 祇 本 源 第 六 雀 外 宮 遽 座 篇 に 出 す 雀 頭 の 丈 は 、 麗 氣 記 第 六 の 首 丈 に て 、 續 い て 同 じ 三 十 二 神 の 名 を 示 す 。 第 七 雀 寶 基 篇 の 最 後 に 天 地 麗 氣 府 録 日 と し て 出 す 所 は 所 謂 府 録 の 文 で あ る が 、 そ は 本 書 第 一 雀 に 記 す る 所 に 大 約 同 じ い け れ ど 麗 氣 記 の 文 に 脆 し た 句 が 見 ら れ る 。 次 に 神 祇 本 源 雀 九 の 終 り に 天 地 麗 氣 府 録 日 と し て 出 す 所 の 三 十 九 字 は 麗 氣 記 第 七 巻 の 終 り の 文 に 大 約 一 致 す 。 同 第 十 雀 内 宮 別 宮 篇 に 出 す 天 地 麗 氣 府 録 日 ﹁ 天 環 矛 は 獨 股 の 攣 成 、 天 逆 矛 は 大 梵 天 王 の 矛 、 天 逆 太 刀 は 大 梵 王 の 矛 な り ﹂ と い ふ は 麗 氣 記 雀 八 に 在 る 文 と 同 じ い 〇 第 十 二 雀 神 宣 篇 に 天 地 麗 氣 府 録 日 ﹁ 誓 日 手 に 流 鈴 を 抱 き 以 て 無 窮 を 御 し 爾 の 祖

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を 念 す る な く 吾 鏡 中 に 在 り 其 貌 日 の 如 く 其 心 海 の 如 く L 以 下 は 麗 氣 第 九 巻 終 り の 文 に 同 じ い 。. 但 ﹁ 無 邊 法 界 の 心 量 ﹂ の 次 に 神 祇 本 源 は ﹁ 故 に 兩 部 合 掌 の 蘂 を 捧 げ 法 性 随 縁 の 机 を 備 へ ﹂等 の 文 を 加 ふ 。 神 祇 本 源 雀 十 四 神 鏡 篇 に 出 す 萬 鏡 本 縁 靈 瑞 器 記 雀 頭 の 文 は 麗 氣 記 第 八 雀 雀 頭 の 文 に 同 じ く 、 三 面 天 鏡 尊 心 月 輪 鏡 以 下 は 麗 氣 記 の 次 に 出 す 丈 で あ り 、 そ の 次 な る 豊 受 皇 太 神 鎭 座 麗 氣 は 本 書 第 四 雀 の 初 文 に て 、 神 祇 本 源 の 丈 は 餘 程 簡 略 に さ れ て ゐ る 。 同 第 十 四 雀 に 出 す 伊 鼻 諾 伊 弉 冉 二 柱 の 尊 左 手 に 金 鏡 を 持 つ 以 下 は 麗 氣 記 第 一 に 出 す 所 の 文 と 同 じ い 。 以 上 の 如 く 類 聚 神 祇 本 源 は し ば く 天 地 麗 氣 記 の 文 を 引 用 し て ゐ る 。 そ れ も 時 に は 類 聚 神 祇 本 源 本 が 完 全 し . 麗 氣 記 本 は 故 意 か 偶 然 か 略 さ れ て ゐ る こ と も 知 ら れ る 。 同 じ 外 宮 彌 宜 家 行 自 筆 の 草 本 よ り 轉 冩 し た と 傳 ふ る 瑚璉 集 に も 引 用 さ る 。 然 ら ば 、 そ れ 以 前 に 麗 氣 記 の 成 立 し て ゐ た こ と は 疑 は れ な い 。 然 も 上 記 の 如 く 神 祇 本 源 が 度 會 家 行 に よ つ て 作 ら れ 、 そ の 中 に 先 づ 引 用 さ れ 、 内 外 兩 宮 を 前 述 の 如 く 對 等 の 地 位 に 置 か ん と し て 書 き 表 は し た と 思 は る ゝ 如 き 意 圖 す ら 察 せ ら る ゝ を 思 へ ば 、 本 書 も 亦 伊 勢 の 紳 官 に よ つ て 作 ら れ た と す る こ と も 無 理 な 推 定 と は 考 へ ら れ ぬ 。 そ し て 前 節 に も 觸 れ た 論 の あ つ た 如 く 紳 道 五 部 書 と 相 連 關 し て 作 ら れ た 一 連 の 書 で あ る と も 考 へ ら る 。 依 つ て 次 に 此 の 神 道 五 部 書 の 成 立 を 一 考 す る こ と に し た い 。 注 ① 續 々 群 一 ・ 一 五 下 ② 同 二 八 上 ③ 同 三 三 ④ 同 三 五 ⑥ 同 三 七 ⑥ 同 五 一 ⑦ 同 五 六 密敎 神 道 の 展 開 三 七

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密敎 神 道 の 展 開 三 八 ⑧ 同 六 一 ⑨ 同 七 六 下 ⑩ 同 八 一 上 ⑪ 瑚璉 集 も 亦 同 じ く 續 々 群 書 類 從 巻 一 に 收 め ら る 六 、 神 道 五 部 書 と の 關 係 神 道 五 部 書 は 神 道 界 に 廣 く 用 ひ ら れ た 著 名 の 書 で あ る が 、 そ の 第 一 を 造 伊 勢 二 所 太 神 宮 寶 基 本 記 と い ひ 、 略 し て 單 に 寶 基 本 記 と い ふ 。 第 四 十 五 代 聖 武 天 皇 の 朝 行 基 菩 薩 の 作 と な す 。 第 二 を 伊 勢 二 斯 皇 太 神 御 鎭 座 傳 記 と い ひ 略 し て 御 鎭 座 傳 記 或 は 宣 者 の 名 を 呼 ん で 太 田 命 訓 傳 と い ふ 。 第 二 十 一 代 雄 略 天 皇 の 朝 太 田 命 の 宣 を 受 け て 彦 和 志 理 命 が 撰 し う こ と に な つ て ゐ る 。 第 三 を 天 照 坐 伊 勢 二 所 皇 太 神 宮 御 鎭 座 次 第 記 と い ひ 、 略 し て 御 鎭 座 次 第 記 と 稱 し 、 第 二 十 代 安 唐 天 皇 の 朝 阿 波 羅 波 命 の 記 と な す 。 第 四 を 豊 受 皇 太 神 御 鎭 座 本 記 と い ひ 、 輩 に 御 鎭 座 本 記 と 略 稻 す 。 第 二 十 七 代 繼 體 干 皇 の 朝 天 神 主 飛 鳥 の 記 と い ふ 。 第 五 を 太 神 宮 神 祇 本 記 倭 姫 命 世 記 略 し て 倭 姫 命 世 記 と い ふ 。 第 四 十 代 天 武 天 皇 の 朝 飛 鳥 の 孫 渡 會 御 氣 の 作 と 傅 ふ 。 五 部 共 に 績 群 書 類 從 雀 二 (完 成 含 本 芝 上 ) に 收 め ら る 。 そ の 作 者 に 就 い て 吉 見 幸 和 の 五 部 雲 説 辯 に 依 れ ば 上 代 よ り あ る 書 な ら ば 疾 く に も 其 沙 汰 あ る べ き に 、 何 と て 前 方 其 聞 へ な か り し と 言 へ ば 、 甚 秘 の 書 ゆ え 調 ( ッ ギ ) の 御 倉 に 納 め て 固 く 他 に 出 さ す 、 六 十 歳 未 満 に て は 拝 見 す る 能 は す 、 代 々 固 く 秘 せ し 故 に 書 目 さ へ 口 外 せ ざ り し 故 知 る 人 な か り き と 云 、 然 ら ば 其 ほ ど 秘 し た る 書 に 何 と て 佛 者 は 加 筆 し て 佛 語 を 交 へ た り や と 言 へ ば 遁 る ゝ 所 な く 成 り ぬ と 論 じ て ゐ る 。 そ し て こ れ ら の 五 本 は 皆 後 代 の 僞 作 で あ つ て 、 唯 そ の 製 作 の 年 代 を 古 く す る 爲 め に そ れ ら 古 い 時 代 の 入 の 名 を 亂 用 し て 撰 者 と し た に 過 ぎ な い と し 、 そ の 製 作 の 順 序 を 判 定 し て 、

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寶 基 本 記 を 最 初 に 僞 作 し 、 中 頃 に 三 部 を 僞 作 し 、 終 り に 世 記 を 僞 作 す る か と 察 す 。 何 と な れ ば 寶 基 本 記 は 僞 作 の 始 め 故 稚 々 (ウ ィ く ) し く て 日 本 紀 等 の 文 を 其 儘 に 學 ぐ ⋮ ⋮ ⋮ 三 部 書 に 至 つ て は 恣 に 大 言 し 僞 欺 す る こ と 忌 み 慨 る な く 文 章 も 甚 拙 い ⋮ ⋮ ⋮ 世 記 は 非 を 隠 し 詞 を 飾 り 唯 人 に も 信 ぜ ら れ ん こ と を 欲 す と い ひ 、 そ の 製 作 年 代 を 考 證 し て 、 寶 基 本 記 の 申 に は 太 神 宮 諸 雜 事 記 の 記 事 を そ の ま ゝ 出 す 所 あ る 故 、 雜 事 記 以 後 の 書 な る を 知 り 、 伏 見 院 永 仁 四 年 二 九 五 六 ) の 皇 字 沙 汰 文 に 外 宮 の 徒 五 部 書 を 引 い て 丈 證 と す る 故 、 永 仁 以 前 に 出 來 た 僞 書 と し な く て は な ら ぬ と し て ゐ る 。 そ の 五 部 書 の 僞 作 な る こ と ゝ 製 作 順 序 に 就 い て は 何 人 も 異 論 の な い 所 と 思 ふ が 、 雜 事 記 に 就 い て 五 部 書 説 辯 に は 鮪 山 院 丈 永 三 年 ( 一 九 二 六 ) 九 月 十 六 日 内 宮 遷 座 の 記 事 を 載 す と い ふ も 、 群 書 類 從 本 に て は こ れ を 見 す 延 久 元 年 ( 一 七 二 九 ) ま で の 記 事 を 出 す の み 。 若 し 文 永 年 間 と せ ば 永 仁 ま で 約 三 十 年 で あ る が 、 そ の 間 に 作 ら れ た と し て は 少 々 年 代 が 短 か 過 ぎ は し な い で あ ら う か 、 特 に 皇 字 沙 汰 文 に は ﹁ 倭 姫 皇 女 世 記 、 伊 勢 寶 基 本 記 等 誰 人 の 撰 集 乎 ﹂ と さ へ 云 つ て ゐ る 。 こ れ を 故 意 に よ る 疑 問 文 と し て 讀 む に は 餘 り に 過 ぎ た 語 の や う に 考 へ ら る ゝ 。 且 つ 皇 字 沙 汰 文 に は 神 宮 秘 記 ・ 飛 鳥 本 記 ・ 倭 姫 皇 女 世 記 ・ 伊 勢 寶 基 本 記 等 、 或 は 已 下 數 通 な ど ゝ 記 し て 、 五 部 書 の 名 が 全 部 出 て ゐ る わ け で は な い 。 彼 れ こ れ 思 ひ 合 せ て 今 は 延 久 以 後 永 仁 頃 ま で 約 二 百 年 ば か り の 間 、 平 安 末 若 し は 鎌 倉 初 期 頃 に 外 宮 神 官 の 手 に よ つ て 作 ら れ た と し て 置 き た い 。 さ れ ど 此 の 五 部 書 は 前 に も 述 べ た や う に 古 來 著 名 の 書 で あ つ て 、 日 本 書 紀 や 古 事 記 以 後 、 儒 佛 道 の 教 學 を 攝 取 し て 、 新 し い 神 道 の 教 典 を 作 り 出 し た も の で 、 後 代 へ の 影 響 も 大 き く 、 神 道 史 上 大 い に 注 意 を 要 す べ き 書 で あ る 。 然 し て 今 の 天 地 麗 氣 記 は 恐 ら く こ れ ら の 書 を 基 礎 と し て そ の 上 に 大 膿 に 神 佛 の 融 合 を 説 き 表 は し た や う に 思 は れ る 。 麗 氣 記 の 第 三 ・ 四 ・ 五 ・ 六 雀 、 第 九 雀 の 首 題 の 如 き は 五 部 書 の 題 名 若 し は そ の 中 の 文 章 に 順 じ た 名 稱 で あ る こ と 密敎 神 道 の 展 開 三 九

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密敎 神 道 の 展 開 四 〇 を 考 へ れ ば そ の 一 端 は 察 せ ら れ る で あ ら う 。 或 は 麗 氣 記 を 本 と し て 五 部 書 を 作 つ た の で は な い か と い ふ 疑 も 生 す る で あ ら う が 、 そ れ に し て は 麗 氣 記 の 方 が 餘 り に 多 量 に 佛 教 の 読 を 入 れ 過 ぎ て ゐ る 。 從 つ て 五 部 書 な ど が 出 來 て 後 本 書 が 作 ら れ た と す る が 自 然 の 過 程 の や う に 考 へ ら れ る 。 平 田 篤 胤 翁 が 俗 神 道 大 意 第 二 に ﹁ 空 海 が 外 宮 の 彌 宜 た ち を そ ゝ の か し 本 地 垂 迹 を 云 ひ 廣 め ﹂ と か 、 ﹁ 空 海 が 外 宮 の 宮 司 た ち を そ ゝ の か し 悪 智 慧 を つ け て 多 く の 僞 書 を 作 ら し た ﹂ な ど い ふ 如 き は 時 代 の 隔 歴 を 無 視 し た 妄 斷 と し な く て は な ら ぬ 。 か く 考 へ る な ら ば 第 三 節 所 述 の 如 く 、 砂 石 集 や 通 海 参 詣 記 及 び そ れ 以 後 の 諸 書 に 表 は さ れ 、 兩 後 兩 部 神 道 の 名 に 於 い て 廣 く 信 仰 さ れ て ゐ た 伊 勢 兩 宮 を 兩 部 曼 茶 羅 に 拝 す る 説 や 、 類 聚 神 祇 本 源 、 元 亨 釋 書 等 に 見 ら る ゝ 天 神 七 代 ・ 地 神 五 代 読 な ど は 、 共 に 本 書 に 於 い て 創 案 さ る ・ 所 で あ つ た か も 知 れ ぬ 。 然 し そ れ は 前 に 出 す 如 き 困 難 な 問 題 も 殘 さ れ て ゐ る の で 、 今 そ の ま ゝ を 信 用 す る こ と は 出 來 ぬ 。 註 ① 神 道 叢 書 本 一 ・ 七 ② 同 四 ・ 二 ③ 同 二 、 三 九 已 下 ④ 同 一 、 七 ⑤ 續 群 書 類 從 四 ・完 成 會 本 一 上 ・ 九 九 下 ⑥ 平 田 篤 胤 全 集 七 ・ 一 六 二 ⑦ 同 七 ・ 一 四 八 七 、 麗 氣 記 血 脹 天 地 麗 氣 記 の 作 者 に 就 い て は 以 上 の 如 く 考 へ た の で あ る が 、 眞 言 宗 に 於 い て は 他 の 事 相 教 學 と 同 じ く 、 本 書 に 就 い て 次 の 如 き 血 脹 あ り 、 古 來 の 相 傳 を 明 に し よ う と し て ゐ る 。 題 し て 麗 氣 記 血 脈 と い ふ 。

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大 日 如 來 ・ 金 剛 薩 唾 ・ 龍 猛 ・ 龍 智 ・ 金 剛 智 ・ 不 空 ・ 恵 果 ・ 弘 法 ・ 眞 雅 (貞 觀 寺 椴 正 ) ・ 源 仁 (南 池 院 信 都 ) ・ 釜 信 (圓 城 僧 正 ) ・ 法 皇 (寛 平 .空 理 ) ・ 寛 空 ハ蓮 毫 寺 僧 都 ) ・ 寛 朝 ・ 濟 信 (北 院 大 僧 正 ) ・ 性 信 (長 和 親 王 ) ・ 寛 助 (成 就 院 大 僧 正 ) ・ 永 嚴 (俣 毒 院 法 印 ) ・ 覚 印 (雇 迦 院 阿 閣 梨 ︺ 心 覚 (常 喜 院 阿 臣 梨 ) ・ 顯 畳 (往 生 院 阿 闇 梨 ) ・ 宏 教 (梅 律 師 本 名 釋 遍 ) ・ 成 遍 (改 名 元 瑜 ) ・ 宏 瑜 (櫓 村 僧 都 ) ・ 秀 圓 ・ 慈 詮 ・ 祐 範 ・ 榮 咋 ・ 良 重 (鎖 護 寺 法 印 ) ・ 幸 尊 (等 琵 院 大 佃 都 ) ・ 良 秀 (律 師 ) ・ 定 教 (飲 喜 房 僧 都 ) ・ 賢 昌 (密 嚴 院 法 印 ) ・ 秀 慶 ・ 尭 伊 ・ 智 了 ・ 圓 光 右 は 明 應 四 年 (二 一 五 五 ) の 記 に 成 る 。 更 に 叡 山 文 庫 に 收 藏 さ る ゝ 天 海 藏 の 古 書 中 に 、 神 道 灌 頂 受 者 指 南 鈔 な る 天 正 三 年 (二 二 三 五 ) 五 月 二 十 二 日 記 の 書 が あ る 。 そ の 中 に 麗 氣 灌 頂 壇 圖 と 血 脈 を 出 す 。 該 血 脈 を 見 る に 國 常 立 尊 ・ 國 狡 槌 尊 ・ 塑 (土 か )發 尊 ・ 豊 掛 渟 尊 ・ 沙 (土 か ) 顔 尊 ・ 大 戸 之 (道 か ) 奪 (男 ) ・ 靈 (面 力 ) 垂 尊 (男 ) ・ 大 戸 之 間 (邊 乙 辱 (女 ) ・ 惇 根 尊 (女 ) 諾 尊 (男 ) ・ 天 照 大 神 ・ 伊 冉 尊 (女 ) ・ 速 日 忍 穗 耳 尊 ・ 彦 火 瑳 々 杵 尊 ・ 彦 火 々 出 見 尊 ・ 葺 不 合 尊 ・ 神 武 天 皇 ⋮ ⋮ ⋮ ( 代 々 天 皇 ) 桓 武 天 皇 ・ 弘 法 大 師 以 下 前 の 血 脈 に 同 じ い 。 こ れ は 目 本 書 紀 神 代 の 雀 に よ つ て 神 の 順 序 を 作 つ た や う で あ る が 、 そ の 順 序 が 書 紀 で は 國 狡 槌 尊 の 次 に 豊 斜 渟 尊 ・ 塑 土 煮 尊 ・ 沙 土 煮 尊 ・ 大 戸 之 道 尊 ・ 大 苫 邊 尊 ・ 面 足 尊 ・ 慎 根 尊 ・ 諾 冉 二 尊 ・ 天 照 大 神 ・ 忍 穗 耳 尊 . 彦 火 瑳 女 杵 尊 . 彦 火 女 出 見 尊 等 と な つ て を る 〇 然 し て 叡 山 文 庫 本 血 脈 で は 性 信 親 王 の 次 に 成 就 院 大 僧 正 寛 明 と あ れ ど 、 そ れ は 寛 助 の 誤 り で あ ら う 。 叉 覚 印 を 脱 し て ゐ る 。 祐 範 阿 閣 梨 巳 下 は 次 の 如 く に 記 さ れ 。 祐 範 阿 闇 梨 ・ 興 教 律 師 ・ 慶 雲 律 師 ・ 皇 慶 阿 閣 梨 ・ 寛 有 阿 閣 梨 ・ 性 西 ア ザ リ ・ 明 算 ア ザ リ ・ 慶 圓 (三 輪 上 さ ・ 回 心 上 人 ・ 明 道 上 人 ・ 覚 [恵 上 人 ・ 公 覚 ア サ リ ・ 定 空 ア ザ リ ・ 覚 乗 ア ザ リ ・ 隆 賢 ア サ リ ・ 頼 尊 ア サ リ ・ 尊 秀 ア サ リ ・ 慶 弘 ア サ リ 信 瑜 僧 都 ・ 信 永 僧 都 ・ 實 海 僧 都 ・ 憲 清 僧 都 ⋮ ⋮ ⋮ 前 の 本 が 大 日 如 來 に 初 ま る は 東 密 に 於 け る 事 相 血 脈 に 依 つ た も の で あ つ て 、 後 の 國 常 立 尊 に 始 ま る は 日 本 神 道 に 於 密敎 神 道 の 展 開 四 一

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密敎 神 道 の 展 開 四 二 け る 神 代 系 圖 を 本 と し た る に よ る 。 共 に 桓 武 天 皇 よ り 弘 法 大 師 に 傳 へ ら れ 、 一 方 は 東 密 の 付 法 と な り 、 他 は 慶 雲 (景 雲 に 作 る べ き か ) よ り 皇 慶 阿 閣 梨 を 經 て 台 密 の も の と な つ た 。 兩 者 は 共 に 一 般 密 教 事 相 に 準 じ た 相 傳 付 法 の 順 序 で あ つ て 、 こ れ を も つ て そ の ま ゝ 麗 氣 記 の 相 傳 と す る こ と に は 異 論 が 考 へ ら れ る 。 加 ふ る に 麗 氣 記 の 内 容 が 上 來 迹 ぶ る 如 き も の と せ ば 、 本 血 脈 の 製 作 は 更 に 後 の 時 代 に あ り と し な く て は な ら ぬ 。 さ れ ど か ゝ る 血 脈 が 作 製 さ れ た こ と に よ つ て 、 天 地 麗 氣 記 を 中 心 と す る 神 道 説 が 完 全 に 兩 部 神 道 読 を 構 成 す る に 至 つ た こ と は 疑 は れ ぬ 。 そ し て 天 地 麗 氣 記 が 兩 部 神 道 の 原 典 で あ る か の 如 く に 考 へ ら る ゝ に 至 つ た の も こ の 血 脈 が 作 ら れ て か ら の こ と ゝ し な く て は な ら ぬ 。 七 、 府 録 以 上 天 地 麗 氣 記 の 研 究 を 試 み た 。 然 る に 彼 の 類 聚 神 祇 本 源 に は し ば く 天 地 麗 氣 府 録 な る 書 を 引 用 し て ゐ る 。 そ れ は 天 地 麗 氣 記 の 文 に 合 す る 場 合 も あ り 、 多 少 の 相 違 を 見 る 場 合 も あ り 、 麗 氣 記 以 外 の 文 も 見 ら れ る 。 彼 此 同 す る が 如 く 又 同 ぜ ざ る が 如 く 不 審 で あ つ た 。 そ の 全 丈 を 尋 ね て ゐ た 際 た ま く 本 學 圖 書 館 藏 書 中 、 山 内 三 寶 院 よ り 寄 托 さ れ た も の に 冩 本 一 部 こ れ あ る を 知 り 、 開 く に 時 に 冩 誤 脱 字 あ り 丈 意 通 じ 難 く 判 讀 に 困 難 し た 所 も 存 し た が 、 各 種 の 本 に 引 用 さ れ た 丈 や 、 本 書 の 原 文 と 思 は る ゝ も の と 比 較 校 合 し 、 一 應 文 面 を 分 明 に し た の で 以 下 そ の 全 丈 を 掲 け 、 麗 氣 記 研 究 者 の 資 に 充 て る こ と ゝ し た 。 但 し 此 塵 に 用 ひ た 本 は 主 と し て 弘 法 大 師 全 集 本 天 地 麗 氣 記 及 び 類 聚 神 祇 本 源 ・ 瑚 麺 集 ・ 元 々 集 ・ 舊 事 本 紀 玄 義 等 に し て 、 時 に 古 語 拾 遺 や 神 道 五 部 書 な ど を 参 考 し 校 合 し た 。 そ の 結 果 を 本 文 上 に 顯 は す こ と は 繁 に 過 ぎ る の で 略 し た が 、 文 の 中 に ︹ ︺ 或 は ︹ ﹁ ﹂ ︺ は 原 丈 に 存 し て 校 合 本 中 の 何 れ か に 存 し な い 所 、 ( ) は 原 丈 に な く て 校 合 本 の 何 れ か に こ れ あ る こ と を 示 し 、 一 字 若 し は 二 字 に 就 い て 相 違 の 認 め ら れ た 時 に は そ の 字 の 下 に ﹁ ・ ・ 、 イ ﹂ と 記 し 、 私 に 考 へ た 場 合 に は ﹁ ・ ・ 、 カ ﹂ と 記 し 、 全 然 誤 字 と 考 へ た 時 は 正 字 に 攣 更 し 、 讀 み 假 名 は 全 部 略 し た 。

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天 地 麗 氣 府 録 醍 醐 傳 宣 夫 止 古 之 世 未 有 文 字 貴 賎 老 少 口 口 相 傳 。 性 威 音 之 徳 行 存 而 不 忘 者 也 。 凡 書 契 以 來 宮 中 玄 中 開 二本 有 之 字 。 亀 上 龍 上 述 自 然 之 丈 。 不 好 談 舌 浮 華 競 興 還 哩 舊 老 。 鳴 呼 天 地 開 闢 。 元 氣 宗 神 。 應 化 尊 形 式 一 爲 百 千 母 。 善 哉 善 哉 思 之 思 之 世 界 建 立 義 蓋 聞 壊 劫 後 過 二 十 空 劫 己 。 一 切 有 情 業 増 上 力 故 、 空 中 漸 有 微 細 風 生 。 是 器 世 間 將 成 前 相 也 。 是 風 漸 増 盛 成 世 界 。 最 初 第 三 神 器 世 界 成 。 次 第 二 神 及 初 神 六 欲 天 四 大 洲 次 第 皆 成 也 。 凡 成 劫 之 時 錐 無 有 一 有 情 。 第 四 禪 天 人 壽 業 盡 故 。 從 彼 浸 已 生 第 三 神 。 如 是 次 第 三 神 天 没 生 第 二 禪 中 。 第 二 神 中 有 一 有 情 。 壽 業 盡 故 從 彼 湊 生 初 神 梵 世 中 。 爲 大 梵 王 。 而 唯 獨 一 位 而 壊 (懐 イ )不 挽 。 印 ︹ 作 是 念 。 當 何 令 餘 有 惰 亦 來 生 此 聞 ︺ 。 作 是 念 時 第 二 釋 天 人 壽 盡 故 生 初 神 中 。 如 是 展 轉 六 天 宮 殿 及 四 大 洲 悉 生 也 論 云 。 劫 盡 焼 壊 時 一 切 皆 空 。 故 生 福 徳 因 縁 力 。 故 十 方 風 至 ︹ 相 對 ︺ 相 觸 能 持 大 水 。 水 上 有 一 干 頭 人 二 千 手 足 。 名 爲 葦 網 。 是 人 瞬 中 出 千 葉 金 色 妙 寶 蓮 花 。 其 光 明 大 如 萬 日 倶 照 。 花 中 有 人 結 跡 跣 坐 。 此 人 復 有 無 量 光 明 。 名 日 梵 天 王 。 此 梵 天 王 心 生 八 子 。 八 子 生 天 地 人 民 也 。 爾 時 上 方 五 百 萬 億 國 土 諸 大 梵 王 皆 悉 目 (自 、 イ ) 観 。 所 止 宮 殿 光 明 威 耀 。 昔 所 未 有 。 歡 喜 踊 躍 生 希 有 心 。 帥 各 相 謂 共 議 此 事 。 以 二 何 因 縁 我 等 宮 殿 有 斯 光 明 。 而 彼 衆 中 有 一 大 梵 天 王 。 名 日 尸 棄 。 是 一 大 三 干 世 界 主 一 切 諸 神 大 祖 也 須 彌 山 建 立 義 常 佳 砒 (盧 含 那 ) 尊 。 一 須 彌 建 立 。 其 厚 十 六 萬 瑜 膳 那 云 云 觀 想 九 山 與 八 海 中 ︹有 大 威 神 宮 。 宮 柱 廣 敷 立 。 亦 持 雙 山 與 密敎 神 道 の 展 開 四 三

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密敎 神 道 の 展 開 四 四 大 宮 殿 亘 三 世 ︺ 有 大 威 神 。 無 上 極 尊 世 界 大 導 師 。 爲 神 通 自 在 。 如 水 珠 如 火 珠 顯 萬 徳 施 萬 用 。 一 身 八 面 十 六 讐 具 乗 五 馬 車 輅 。 九 山 八 海 自 在 攣 成 國 界 。 群 鬼 神 現 大 金 剛 輪 。 其 上 有 四 大 威 神 。 攣 成 地 水 火 風 。 其 厚 地 輪 方 形 八 萬 四 千 由 旬 。 其 上 水 輪 圓 形 八 萬 由 旬 。 次 火 輪 三 角 六 萬 五 千 由 旬 。 次 風 輪 半 月 五 萬 五 千 由 旬 。 此 上 有 空 輪 。 圓 形 四 萬 四 千 由 旬 。 竪 五 大 。 亦 有 横 五 大 各 有 五 大 月 輪 。 其 中 有 阿 字 。 字 攣 成 大 月 藏 如 來 。 其 前 有 鑁 字 。 字 攣 成 大 日 如 來 。 其 左 有 羅 字 。 字 攣 成 寶 生 如 來 。 其 右 有 訶 字 。 字 攣 成 無 量 壽 如 來 。 其 後 有 欠 字 。 字 攣 成 金 剛 吉 鮮 大 佛 眼 佛 母 。 佛 母 轉 成 一 切 衆 生 及 非 情 草 木 。 草 木 化 成 果 實 。 果 實 余 成 種 子 。 種 子 苗 。 苗 廟 。 廟 墓 。 墓 無 (元 ヵ )。 無 完 力 ) 地 。 地 阿 。 阿 座 。 座 道 。 道 大 。 大 無 。 無 空 。 空 宮 。 宮 天 。 天 天 。 天 浮 。 浮 微 塵 。 微 塵 自 在 。 自 在 化 身 。 化 身 神 通 。 神 通 水 火 。 水 火 平 等 。 平 等 陰 陽 。 如 是 觀 畢 可 向 佛 法 大 道 云 云 凡 十 八 梵 天 王 。 六 欲 諸 天 子 。 諸 佛 菩 薩 。 一 切 衆 生 心 識 神 大 道 化 也 。 故 謂 宗 三 才 本 也 麗 氣 元 始 自 性 法 身 ︹ 大 義 。 謂 大 盧 空 宮 離 囲 大 砒 盧 舎 那 如 來 ︺ 名 無 邊 法 界 元 神 。 此 號 虚 無 神 。 ︹ 亦 名 法 界 普 門 大 日 。 地 水 火 風 空 五 大 所 成 自 性 法 身 三 昧 耶 形 。 本 地 法 身 法 界 塔 婆 ︺ 常 佳 妙 氣 (義 、 イ ) 本 無 象 。 混 爲 天 壌 日 天 狡 霧 。 地 禪 日 地 狭 霧 。 連 (運 、 イ ) 烈 有 形 有 念 有 言 名 元 神 。 不 生 不 滅 不 垢 不 淨 不 増 不 減 。 是 故 空 中 大 空 無 相 善 哉 摩 訶 衍 是 也 。 器 世 間 建 立 。 性 相 常 佳 。 随 縁 能 入 所 入 妙 定 也 。 觀 心 如 月 輪 若 在 輕 霧 中 。 霧 是 水 。 水 即 大 悲 。 是 智 。 故 知 霧 中 有 月 表 大 悲 。 中 有 智 也 。 智 法 身 有 定 恵 邊 。 以 水 喩 之 。 澄 淨 名 定 。 照 切 色 相 。 是 恵 。 密 教 所 読 定 邊 無 言 説 。 恵 邊 有 説 。 水 澄 静 而 照 色 相 。 然 願 行 風 起 波 浪 。 波 浪 即 作 聲 。 是 説 法 之 音 。 惟 大 元 祖 神 離 言 説 教 。 令 自 受 法 樂 。 兩 部 大 日 。 大 日 者 如 天 地 。 天 地 生 衆 生 。 衆 生 印 一 切 有 情 非 情 四 大 掲 磨 和 合 大 身 。 最 初 一 念 相 分 凡 聖 。 凡 者 初 念 有 々 無 々 。 聖 者 有 無 平 等 不

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立 。 是 非 迷 悟 無 二 無 動 轉 。 動 轉 故 金 剛 堅 固 。 是 爲 佛 身 。 佛 身 者 本 來 自 性 理 也 。 斯 理 以 智 所 照 得 顯 現 。 故 神 明 出 生 世閒 給 。 是 日 月 所 化 菩 薩 大 慈 大 悲 願 力 。 法 爾 眼 前 理 智 也 。 復 觀 想 。 實 相 眞 如 寶 荘 嚴 淨 土 。 某 (共 巴 中 有 吽 字 攣 成 金 剛 寶 股 。 寶 股 攣 成 風 氣 。 風 氣 轉 成 神 。 紳 憂 成 生 。 生 轉 成 玉 、 玉 攣 成 仁 。 仁 轉 成 正 覚 正 智 。 正 覚 正 智 人 。 本 師 釋 迦 牟 尼 佛 三 千 世閒敎 主 大 導 師 也 天 神 所 化 天 神 所 化 大 義 。 憶 昔 高 天 原 初 顯 之 故 天 狭 霧 學 之 。 八 重 雲 薄 廰 浮 。 以 天 於 坐 成 神 號 。 名 天 譲 日 地 神 日 天 帝 。 亦 名 天 王 天 御 中 主 尊 也 。 天 地 與 倶 生 神 坐 。 惟 是 諸 天 降 靈 之 本 。 致 一 切 國 王 之 元 宗 。 娑 婆 世 界 本 主 也 。 天 神 七 代 次 第 夫 天 神 七 代 謂 天 七 星 也 。 地 神 五 代 謂 方 五 神 也 。 過 現 未 三 劫 成 佛 。 法 報 應 三 身 久 遠 正 覚 云 云 ( 紳 ) 國 常 立 尊 (漢 言 大 毘 慮 遮 那 如 來 ) ︹ 亦 名 常 佳 毘 尊 也 。 無 上 所 化 神 云 云 ︺ 惟 是 三 世 常 佳 (常 ヵ )妙 法 身 天 神 地 祇 本 妙 元 神 也 。 以 一 身 分 七 代 。 形 體 顯 言 爲 陰 爲 陽 。 化 生 日 神 月 神 。 説 法 利 生 不 可 思 議 不 可 思 議 ( 法 ) ︹ 國 狭 立 尊 毘 盧 遮 那 佛 ︺ 國 狭 槌 尊 ( 佛 ) 豊 斜 渟 尊 毘 盧 遮 那 ︹ 豊 香 節 野 尊 ︺ ( 已 上 三 神 郎 一 妙 神 也 ) 塑 ( 土 ) 煮 尊 是 名 句 留 尊 佛 沙 土 責 尊 名 寶 藏 摩 尼 尊 佛 大 戸 之 道 名 句 那 含 佛 亦 龍 尊 王 佛 大 苫 邊 尊 名 句 那 含 牟 尼 如 來 面 足 奪 名 毘 波 尸 佛 慎 根 尊 名 毘 葉 羅 如 來 密敎 神 道 の 展 開 四 五

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密敎 神 道 の 展 開 四 六 伊 弉 諾 尊 亦 名 天 鼓 雷 昔 佛 伊 弉 冉 尊 亦 名 開 敷 花 王 佛 伊 弉 諾 尊 。 是 東 方 善 持 藏 愛 護 善 通 神 。 本 地 阿 闕 過 去 五 十 三 佛 威 音 王 是 尊 也 伊 弉 冉 奪 。 是 南 方 妙 法 藏 愛 髪 行 識 神 。 五 十 三 佛 内 伊 氣 神 是 也 大 日 靈 神 。 元 祖 大 毘 盧 遮 那 如 來 常 佳 三 昧 修 行 三 界 建 立 ︹ 主 是 ︺ 尊 座 也 吾 聞 。 神 是 天 然 不 動 之 理 帥 法 性 身 也 。 通 是 元 塞 不 思 議 慧 帥 報 身 也 。 力 是 幹 用 自 在 印 應 身 也 。 夫 神 一 之 妙 孕 γ 氣 含 γ 精 至 虚 至一 。 應 群 攣 而 常 寂 。 生 萬 物 而 無 心 。 不 爲 事 凡 一 切 有 情 有 形 有 心 。 形 是 爲 陰 心 是 爲 陽 。 錐 爲 兩 陰 陽 一 身 色 心 。 色 心 不 二 。 故 從 色 法 濯 心 法 。 從 心 法 濯 識 法 。 陰 陽 一 故 化 有 形 有 心 。 心 宿 骨 。 骨 人 主 。 亦 木 。 木 大 圓 鏡 智 三 昧 耶 形 。 亦 大 圓 鏡 智 能 斷 智 體 。 亦 砒 盧 本 身 。 亦 法 身 三 昧 耶 形 。 亦 獨 股 。 獨 股 帥 心 御 桂 。 心 御 柱 即 一 切 衆 生 心 量 。 亦 大 日 本 國 異 名 。 亦 國 璽 。 境 柱 亦 名 國 心 柱 。 亦 國 主 。 主 即 人 。 人 神 主 謂 非 心 不 明 、 故 以 心 爲 主 神 者 人 神 。 ︹ 神 神 。 神 即 生 。 生 即 凡 夫 。 凡 夫 者 帥 五 穀 性 。 五 穀 性 印 心 上 妙 法 蓮 花 。 是 開 時 如 覚 大 無 元 ヵ ︺ 生 時 始 天 乳 、 死 時 終 二 地 乳 。 故 迷 悟 在 心 云 云 兩 時 大 日 覚 王 以 四 種 神 力 。 本 際 以 來 恒 度 衆 生 。 一 上 轉 神 攣 。 二 下 轉 神 攣 。 三 亦 上 亦 下 神 攣 。 四 非 上 非 下 神 攣 。 三 際 不 攣 一 念 蓮 在 云 云 釋 目 。 一 心 有二 轉 。 一 者 向 上 随 順 、 二 者 向 下 随 順 。 向 上 随 順 者 從 信 乃 至 金 剛 能 爲 菩 提 果 。 随 順 方 便 故 始 覚 成 道 成 佛 外 迹 非 眞 正 覚 向 下 随 順 者 。 自 性 淨 妙 藏 乃 至 第 一 念 能 爲 邪 々 地 。 随 順 方 便 故 實 無 覚 無 成 者 、 本 覚 本 初 元 神 也 元 神 者 自 而 本 分 無 心 作 也 干 時 爲 下 化 衆 生 令 天 王 如 來 天 御 中 主 詔 伊 弉 諾 伊 弉 冉 ︹ 二 柱 尊 日 。 有 豊 葦 原 千 五 百 秋 瑞 穗 中 津 地 ︺ 汝 宜 往 修 之 。 賜 天 瑳 矛 。 而 詔 寄 賜 也 。 二 柱 尊 奉 詔 立 於 天 浮 雲 之 上 。 共 計 謂 有 物 。 若 浮 膏 。 其 圓 中 有 國 乎 。 廼 以 天 竣 矛 天 獨 杵 探 之 。 獲 八 葉 槍 海 圖 形 。

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則 投 下 其 矛 而 固 (因 、 イ ) 盡 (書 、 イ )滄 浜 而 引 上 之 。 時 自 矛 末 落 垂 適 渥 之 潮 凝 結 爲 嶋卯明本元 名 日 搬 馭 盧 嶋 、 矣 裟婆 世界 則 以 天 竣 矛 指 下 於 殿 駅 盧 嶋 之 上 。 以 爲 國 中 之 天 柱 一 也 。 天 環 稗 謂 眞 如 界 。 攣 成 金 剛 寶 杵 。 寶 杵 攣 成 風 氣 。 風 氣 轉 成 ノ 紳 、 神 攣 成 生 。 生 攣 (轉 、 イ ) 成 魂 魂 、 魂 魂 轉 成 人 體 。 故 八 葉 蓮 臺 坐 自 在 安 樂 也 。 是 如 意 赤 玉 徳 也 。 元 神 用 化 也 ︹ 故 組 師 日 。 瓊 矛 是 天 神 地 祇 種 子 也 。 ﹁ 以 日 爲 胎 藏 。 以 月 爲 金 剛 。 天 地 陰 陽 低 萬 物 ﹂ 諸 識 ( 心 王 ) 心 源 也 。 故 杵 尊 大 王 皇 孫 尊 授 與 尸 棄 大 梵 光 明 天 (大 、 ヵ) 梵 二 天 王 。 文 日 根 本 正 覚 灌 頂 儀 往 古 菩 薩 智 法 身 爲 成 如 來 體 性 故 樹 下 成 道 常 読 法 、 イ 汝 應 受 此 金 剛 杵 大 日 本 國 成 鎭 壇 、 イ 如 是 受 持 建 立 三 界 、 凡 聖 相 分 始 璽 一 一 大 梵 天 王 相 分 。 天 地 納 之 一 持 男 外 現 一 持 女 也 内 藏 是 不 二 平 等 杵 。 亦 名 持 金 剛 也 。 爲 度 衆 生 界 分 化 現 身 。 興 干 國 柱 是 國 境 注 (柱 、 カ ) 也 ︺ 。 ︹ 夫 心 柱 者 元 初 皇 帝 御 靈 也 。 興 于 阿 字 心 地 成 鑁 字 正 覚 。 定 恵 不 二 一 心 不 亂 。 常 住 不 去 不 來 妙 法 座 ︺ 。 伊 弉 諾 伊 弉 冉 二 尊 天 降 其 嶋 則 化 竪 八 尋 殿 。 共 佳 同 宮 矣 。 號 曰 大 日 本 高 見 國大日本者三光殿本名 今 世 號 葛 木 神 祇 峰 。 是 天 子 月 天 字 化 生 。 産 所 名 也 地 神 五 代 次 第 義 天 照 皇 太 神 天下轉神變向下隨順天珠向津媛命 遍照尊幡萩穗 出 神 是 也 御 氣 都 神 與 尸 棄 光 明 天 女 。 天 王 如 來 上 化 下 化 名 。 但 上 在 時 大 梵 天 功 徳 無 上 。 下 化 時 尸 棄 光 天 女 功 徳 無 等 女 。 八 汎 降 化 現 大 日 靈 貴 天 照 大 神 、 念 力 熾 盛 端 嚴 美 麗 形 也 ︹ 夫 天 地 開 闢 之 初 。 神 寶 日 出 之 時 。 御 饅 都 神 與 尸 棄 光 女 豫 結 幽 契 。 永 治 天 下 言 宣 。 緯 或 爲 日 爲 月 永 懸 大 空 不 落 。 照一 四 天 下 。 與 無 量 梵 摩 尼 殿 以 降 建 正 覚 正 智 。 令 成 眞 如 平 等 智 建 立 三 界 。 于 時 以 堅 淪 爲 地 以 密敎 神 道 の 展 開 四 七

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密敎 神 道 の 展 開 四 八 和 曜 爲 天 へ 以 清 陽 者 爲 天 、 以 重 濁 者 爲 地 、 和 曜 一 二 ) 定 後 以 天 爲 神 。 以 地 爲 仁 。 後 百 億 萬 劫 聞 九 山 八 海 無 主 之 時 。 第 六 天 魔 王 伊 舎 那 魔 醯 修 羅 , 毘 遮 舎 魔 醯 修 羅 。 鳴 動 念 怒 無 ご 天 下 魂 。 此 時 遍 照 三 明 ( 月 ) 天 子 下 成 堅 牢 地 神 。 國 平 思 食 事 八 十 萬 劫 。 其 後 ( 瑠 璃 平 地 聚 二 業 塵 生 五 色 地 。 漸 イ ) 草 木 生 結 菓 。 菓 落 成 種 子 。 種 子 攣 成 有 情 。 有 情 中 有 凡 聖 。 依 元 初 一 念 凡 聖 分 。 現 遍 照 三 明 日 天 子 。 所 成 如 是 。 如 媛 鋼 銅 神 (五 字 本 ノ マ )賜 善 悪 。 故 土 公 土 牢 土 堅 土 神 王 如 律 ︺ 令 開 敷 八 葉 蓮 華 。 故 大 空 無 相 ︹ 月 輪 座 。 其 中 有 實 相 眞 如 ︺ 日 輪 。 是 爲 如 々 安 樂 地 。 亦 名 花 藏 世 界 密 嚴 淨 土 。 是 名 二 大 光 明 心 殿 、 亦 名 法 性 心 殿 。 亦 名 伊 勢 二 所 兩 宮 正 殿 者 也 。 自 性 大 三 昧 形 大 梵 宮 殿 表 也 。 下 化 有 相 丈 義 云 。 伊 弉 諾 伊 弉 冉 尊 持 左 手 金 鏡 陰 生 。 持 右 手 銀 鏡 陽 生 。 名 日 天 子 月 天 子 。 是 一 切 衆 生 倶 生 眼 目 坐 也 。 故 一 切 火 氣 攣 成 日 。 一 切 水 氣 攣 成 月 。 三 界 建 立 日 月 是 也 。 于 時 以 羸 都 鏡 邊 都 鏡 爲 國 璽 竪 。 而 日 神 月 神 自 途 于 天 宮 。 而 照 六 合 給 矣 。 正 哉 吾 勝 々 速 日 天 忍 穗 耳 尊 天 照 大 神 捧 八 坂 瓊 曲 玉 於 九 営 化 生 神 也 。 是 名 火 珠 所 成 神 。 常 懐 腋 下 化 生 故 名 腋 子 也 天 津 彦 々 火 瓊 女 杵 尊 亦 名 杵 獨 王 、 亦 名 左 天 神 、 亦 名 示 法 神 、 亦 名 相 殿 紳 、 亦 名 愛 護 神 亦 名 皇 孫 尊 天 照 大 神 太 子 。 正 哉 吾 勝 々 速 日 天 忍 穗 耳 尊 婆 天 皇 天 御 中 主 神 。 太 子 高 皇 産 靈 皇 帝 。 女 拷 幡 豊 秋 津 姫 命 。 生 天 津 彦 々 火 瓊 々 杵 尊 。 謂 高 皇 産 靈 尊 者 ︹ 極 天 之 祖 皇 帝 也 。 能 令 造 化 表 於 無 形 。 元 尊 自 謀 立 天 津 彦 々 火 々 瓊 々 杵 尊 ︺ 爲 葦 原 中 津 水 穗 國 王 也 。 兩 時 八 十 柱 諸 神 達 議 日 。 中 國 初 業 天 下 無 主 。 非 應 命 (冥 慮 、 イ ) 者 不 能 治 之 ︹ 能 王 之 者 其 在 誰 神 乎 。 諸 神 議 日 、 皇 孫 杵 獨 王 也 。 可 以 尊 此 大 神 也 。 皇 孫 尊 爲 中 國 皇 、 三 十 三 天 之 諸 魔 軍 陣 爲 去 。 所 稱 玄 龍 車 追 。 眞 床 之 縁 錦 裳 ( 奉 授 ) 八 咫 流 大 鏡 、 赤 玉 寶 鈴 。 草 薙 八 握 劔 。 而 壽 之 日 。 嵯 呼 汝 杵 敬 。 承 吾 壽 手

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把 流 鈴 以 御 無 窮 無 念 。 爾 租 靈 吾 在 鏡 中 矣 。 ︹ 爾 時 御 祖 天 王 如 來 天 御 中 主 神 。 極 天 祖 高 皇 産 靈 皇 (衍 カ )神 、 詔 授 天 璽 瑞 寶 十 種 於 杵 獨 大 王 給 矣 ︺ 羸 都 鏡 一 面 是 天 表 字 也 。 豊 受 皇 太 神 。 五 輪 形 也 。 御 蓮 鏡 坐 天 王 如 來 賓 鏡 。 邊 都 鏡 一 面 地 表 字 。 園 形 。 内 輪 表 也 。 外 輪 (縁 、 イ ) 八 咫 形 天 照 皇 大 神 。 靈 鏡 坐 八 握 劔 一 面 天 村 輿 劔 。 亦 名 草 薙 釼 是 也 。 五 股 形 表 也 生 玉 一 如 來 寶 珠 。 謂 火 珠 是 也 死 玉 一 如 意 寶 珠 。 謂 水 珠 是 也 足 玉 一 父 體 形 表 也 。 上 字 示 也 道 反 玉 一 母 體 形 表 也 。 下 字 示 也 生 化 寶 玉 。 則 天 王 如 來 摩 訶 御 棒 。 縛 日 羅 寶 玉 爲 衆 生 魂 魂 。 是 無 二 一 心 玉 平 等 不 二 姿 也 。 不 二 不 思 議 神 攣 加 持 玉 也 蛇 比 禮 一 牧 謂 領 巾 也 。 亦 木 綿 織 。 明 衣 本 源 表 也 。 白 色 因 以 爲 水 字 。 是 清 淨 義 也 。 以 白 色 爲 本 也 。 蜂 比 禮 一 牧 陰 懸 帯 槌 表 也 。 火 字 元 也 故 赤 色 也 。 比 禮 是 寶 冠 。 所 謂 領 巾 是 也 。 亦 是 明 衣 表 也 。 頓 受 嚴 衣 之 妙 服 。 不 求 而 自 得 、 無 功 頓 成 萬 善 之 開 府 矣 。 是 無 上 大 衣 。 名 號 明 衣 也 品 物 比 禮 一 牧 寶 冠 也 天 祖敎 詔 日 、 若 有 庫 威 者 令 茲 十 寶 謂一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 。 而 布 瑠 部 由 良 。 由 良 止 布 瑠 部 。 如 此 爲 之 者 死 密敎 神 道 の 展 開 四 九

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