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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名 秋友 勝

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Academic year: 2021

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((別紙様式第7号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 秋友 勝

審 査 委 員

主 査 藤山 英保 ◯ 副 査 本名 俊正 ◯ 副 査 増永 二之 ◯ 副 査 進藤 晴夫 ◯ 副 査 山田 智 ◯

題 目 日本の耕地土壌におけるホウ素の動態と可給度に関する研究 審査結果の要旨(2,000字以内)

ホウ素は高等植物の微量必須元素の一つであり、欠乏すると作物に重大な障害を引き起こす。

日本では1950年代以降さまざまな作物でホウ素欠乏が発生していることが明らかとされた。それ 以来、農地には土壌診断基準値や施肥基準値などに基づいてホウ素肥料が継続的に施肥されてい る。本研究ではホウ素肥料の施肥効果や土壌中ホウ素の収支および施肥ホウ素の残効について検 討した。また、土壌の可給態ホウ素分析法である熱水可溶性ホウ素の抽出操作上の注意点やホウ 素定量法であるクルクミンシュウ酸法の分析精度上の問題点をあげ、クルクミンシュウ酸法の分 析精度を向上させる方法を提案した。論文の概要は以下のとおりである。

第2章では、九州北部の水田転換畑土壌で発生した二条大麦の不稔がホウ素欠乏であることを 確認し、同様の水田転換畑土壌を用いてポット試験でホウ素肥料の施肥効果を確認した。水田は ホウ素含有率が低い点や転換畑では潅漑水からのホウ素の供給がないことがホウ素の欠乏する原 因として考えられた。さらに微量要素試験圃場における各種作物の栽培事例から熱水可溶性ホウ 素含有率が 0.2〜0.5 mg kg-1 以下でホウ素欠乏が発生することを欠乏症状や分析値とともに示 した。

第3章では、熔成微量要素複合肥料(FTE)の長期連用試験を実施し、その施肥効果や利用 率、土壌への蓄積経過、施肥ホウ素の残効、無施用で栽培を続けた場合のホウ素欠乏の発生程度 などについて検討した。その結果、施肥ホウ素が土壌中に過剰蓄積していないこと、ホウ素肥料 の連用を中止すると 4〜5 年間で栽培作物の葉中ホウ素が欠乏域付近まで低下すること。施肥ホウ 素の利用率は淡色黒ボク土と普通黒ボク土で約 10 %、陸成未熟土で約 8 %であったことを示し

(2)

た。また、雨量が土壌中ホウ素の移動速度やホウ素溶脱量に及ぼす影響を調べるため、1 年間の カラム試験を実施した。その結果、黒ボク土(軽埴土)の表層 0〜15 cm に施肥したホウ素は、

雨量 1,800 mm で 60 cm 程度、雨量 1,200 mm で 45cm 程度、雨量 600 mm で 30 cm 程度の深 さまで 1年間で移動したが、60 cm の深さからカラム外への溶脱はほとんど認められなかった。

一方、陸成未熟土(砂土)の場合、雨量 1、800 mm では施肥ホウ素の 90 %以上が溶脱するなど、

雨量とともに土壌の違いによる差が大きい結果となった。また、陸成未熟土 1,800 mm では、ク エン酸可溶性ホウ素区は水溶性ホウ素区と比べて初期のホウ素溶脱量が低く抑えられ、且つ1年 間で 90 % 以上が溶脱したことから、クエン酸可溶性ホウ素肥料は土壌中で徐々に溶解が始まり 1年以内にほぼ全量が水溶化したと推察された。

第 4 章では、土壌の可給態ホウ素測定法である熱水抽出法について、その測定条件や定量法に ついて比較検討した。その結果、熱水抽出後に冷却してからろ過するとホウ素抽出量が減少する ものの、熱水抽出から 15 分間以内に土壌と抽出液を分離すれば作物との相関が高く保てることを 示した。ホウ素定量法の比較では比較的簡便なクルクミンシュウ酸法が実際より高めの数値にな ることが明らかとなった。その原因を調べ、発色時に塩酸 0.6 mol L-1 を共存させることで分析 精度が向上することを示し、クルクミンシュウ酸法の改良法を提案した。

以上のように、本研究は土壌中のホウ素と作物のホウ素との関係を明確にしたことは大きな業 績であり、可給態ホウ素の定量に関して確立した画期的な改良法は世界中に普及する可能性があ る。

参照

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