博 士 ( 理 学 ) 清 水 康 之
学 位論文題名
APPLICATIONS OF HARDY SPACES TO EQUATIONS IN FLUID DYNAMICS
( 流体力学の 方程式に対 するハーデイ空間の応用)
学位論文内容の要旨
ハー デ イ空 間 は
Ll― 空間 より少し 小さい空間 で,
Ll一空間 で有界とな らな い り ー ス 作 用 素 が 有 界に な るな ど とぃ っ た有 用 な性 質 を持 っ が, 取 り 扱い が 困 難 な た め 、 偏 微 分方 程 式の 解 析へ の 応用 に つい て は十 分 研究 さ れ てい る と は ぃ え な い . 本 論 文 で は 半 空 間 の ス ト ー ク ス方 程 式の 解 の空 間
1階微 分 の 評価 を 中心 に 流体 力 学の方 程式に対す るハーデイ 空間の応用 を試みる.
本 論 文 の 主 結 果 は
2次 形 式 の 局 所 ハ ー デ イ 空 間 に お ける 評 価) 半 空間 の ス ト ー ク ス 方 程 式 の デ イ リ ク レ 問 題 の 解 の 空 間
1階 微 分の
Llー評 価 ,お よ び 最 大 ノ ル ム に よ る 評 価 の
3つ で 、 そ れ ぞ れ 第
1章 , 第
2章 , 第
3章 に 対 応している.2 変数関数ゆ(に,めの偏導関数の作る2 次形式(ゆコ冫)2 一(ゆッ)2 は ,砂エ,
Iジが
2乗可積分な ら勿論可積 分であるが,もしゅが全空間で優調和 な ら 実は よ り強 く 局所 ハ ーデイ 空間に入る .この評価 をもとにエ ヴァンス―
ミ ュ ーラ ー は初 期 渦度 が 非負で ある場合の オイラー方 程式の解を 構成した.
こ の 優 調 和 性 の 条 件 は取 り 外す こ とは 出 来な い こと も 彼ら に よっ て 指 摘さ れ て い た が , 本 論 文 では 砂 がジ に つい て 奇関 数 かつ ゆ がジ
>0で優 調 和と 仮 定 し て も 局 所 ハ ー デ イ評 価 が得 ら れな い こと を 証明 し ,優 調 和性 の 仮 定が 本 質 的で あ るこ と を示 し た.な お,この反 例はエヴァ ンスーミュ ーラーによ るものより単純である.
半 空 間 に お け る スト ー クス 方 程式 の デイ リ クレ 問 題 は, 領 域内 を 流れ る 流 体 の運 動 を記 述 する ナ ヴィエ ーストーク ス方程式を 研究する上 での基礎に な る .全 空 間の 場 合、 ス トーク ス方程式は 熱方程式と 本質的に同 じなので,
そ の 解 を
uと す る と . 空 間 微 分 ▽
uに 対 し て そ の 空 間 方 向 の
Ll− ノ ル ム は 時 刻 その
‑1/2乗 と初 期 値
ZLOの工
1―ノルム との積の定 数倍で評価 される.つ まり、
Il
▽
lL(t)lll≦Ct −1/2 11 0IIi ,そ>0
を得る.ここで
llv,olli二ニ丿luo(x)ldx としている.同様な評価が半空間のス
ト ー クス 方 程式 に 対し て 成り 立 っか ど うか は 、鵜 飼 によ る 解 の公 式 にりー
ス作用素 を含むため自明ではない.この公式を組み換えてLl ‐空間の代わ りにをハ ーデイ空間で ▽
uを評価するこ とで,求めるべき評価よりも強い
Hl‑Ll評価を得る ことに成功した .
半空間のストークス方程式のデイリクレ問題の解の空間微分の最大値ノ ルムを初 期値の最大値ノルムで評価することを試みた.この評価は
Ll‐評 価の双対 としては直ちには得られないが,ここでは更に鵜飼の解の公式中 の解の拡 張を変え,接方向のラプラス作用素の平方根を含む項の評価が出 来るよう にした.その 結果,
¥7LL(t)lloo < Ct‑l/2lly.olloo, t > 0
を得ることに成功した.ただし,IIZLolloo はZLO の空間方向の最大値ノルムで
ある.この公式の書き換えはっ他の問題を解析してゆく上でも重要である
お考えられる.
学位論文審査の要旨 主査
副査 副査 副査 副査
教授 教授 教授 教授 助教授
儀我 上見 久保田 小澤 津田谷
美一 練太郎 幸次 徹 公利
学位論文題名
APPLICATIONS OF HARDY SPACES TO EQUATIONS IN FLUID DYNAMICS
( 流 体 力 学 の 方 程 式 に 対 す る ハー デ イ 空間 の 応 用)
ハーデ ィ空間はLl‐空間 より少し小さい空間で,Ll一空間で有界とならないりース 作用 素 が 有界 に な るな ど と い った 有 用 な性 質 を 持っ が ,取り扱 いが困 難なため ,偏 微分 方 程 式の 解 析 への 応 用 に つい て は 十分 研 究 され て いるとは いえな い.本論 文で は半 空 間 のス ト ー クス 方 程 式 の解 の 空 間1階 微 分の 評 価 を中 心 に 流体 力 学 の方 程 式 に対する ハーデ ィ空間の 応用を めざして いる.
本 論 文 の 主 結 果 は2次 形 式 の 局 所 ハ ー デ ィ 空 間 に お け る 評価 , 半 空間 の ス ト ー クス 方 程 式の デ ィ リク レ 問 題 の解 の 空 間1階 微 分の 己1‐ 評価, および最 大値ノル ム に よ る 評 価 の3つ で , そ れ ぞ れ 第1章 , 第2章 , 第3章 に 対 応し て い る. 2変数 関 数ゆ(¢,めの偏導関数の作る2次形式(也)゜―(眈) は,也,也が2乗可積分なら勿 論可 積 分 であ る が ,も し ゅ が 全空 間 で 優調 和 な ら実 は より強く 局所ハ ーディ空 間に 入る.こ の評価 をもとに エヴァ ンス―ミ ューラ ーは初期 渦度が非 負であ る場合の オイ ラー 方 程 式の 解 を 構成 し た . この 優 調 和性 の 条 件は 取 り外すこ とは出 来ないこ とも 彼 ら に よ っ て 指 摘 さ れ て い た が , 本論 文 で はゅ が ぴ につ い て 奇関 数 か っゆ が ジ>0 で優 調 和 と仮 定 し ても 局 所 ハ ーデ ィ 評 価が 得 ら れな い ことを証 明し, 優調和性 の仮 定が本質 的であ ることを 示した .なお, この反 例はエヴ ァンスー ミュー ラーによ るも のより単 純であ る.
半 空 間に お け るス ト ー ク ス方 程 式 のデ ィ リ クレ 問 題は ,領域 内を流れ る流体の 運 動を記述 するナ ヴィエ― ストー クス方程 式を研 究する上 での基礎 になる .全空間 の場 合, ス ト ーク ス 方 程式 は 熟 方 程式 と 本 質的 に 同 じな の で ,そ の 解 をuと す ると , 空 間 微 分 ▽uに 対 し て そ の 空 間 方 向 のLi− ノ ル ム は 時 刻 と の −1/2乗と 初 期 値 伽の 己1‐ ノルム との積の 定数倍 で評価さ れる.っ まり,
¥7u(t)l[i<―の―1/2ll LLolli,え>0
を得る.ここでlluolli二ニ丿luo(x)[dxとしている.同様な評価が半空間のストークス の方 程式 に対 して 成り 立 っか どう かは ,鵜 飼に よる 解の 公式 にり ース 作用 素を 含む た め 自 明 で は な い . こ の 公式 を組 み換 えてLl一 空間 の代 わり にハ ーデ ィ空 間 で▽u を評 価す るこ とで ,求 め るべ き評 価よ りも 強い 襾1‑ Ll評価を得ることに成功した.
さ らに 半空 間の スト ー クス 方程 式の ディ リク レ問 題の 解の 空間 微分 の最 大値 ノル ムを 初期 値の 最大 値ノ ル ムで 評価 する こと を試 みた .この評価は工1ー評価の双対と して は直 ちに は得 られ な いが,本論文では更に鵜飼の 解の公式中の解の拡張を変え,
接方 向の ラプ ラス 作用 素 の平 方根 を含 む項 の評 価が 出来 るよ うに した .そ の結 果,
Vu(t)lloo≦Ct一1/211u,olloo,t>0
を得 るこ とに 成功 した .た だしlluollooはu0の空 間 方向 の最 大値 ノル ムで ある .こ の 公 式 の 書 き 換 え は , 他 の 問 題 を 解 析 し て ゆ く 上 でも 重要 であ ると 考え ら れる . こ れら の結 果は ,流 行に なが され るこ とな く物 事 を根 本か らよ く見 直す とい う態 度に よっ ては じめ て得 られ たも ので ある .審 査員 一 同は 申請 者が 博士 (理 学) の学 位を 授与 され る資 格を 十分 に有 する もの と判 定し た ,