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学 位 論 文 題 名

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 川 口 光 雄

学 位 論 文 題 名

廃棄物最終処分場の跡地利用促進技術に関する研究 学位論文内容の要旨

  廃棄物管 理において必要不 可欠を最終処分場は、廃棄物の埋立終了後、地域の福祉向上や地域の活性化に役 立っように 跡地利用されるこ とが多い。しかし、跡地利用においてはく雨水や空気による埋立廃棄物の分解や 洗い出し効 果によって内在す る環境汚染リスクを継続的に軽減させる必要があり、発生する浸出水を長期間適 正管理していかをければをら蕨い。従前の研究の多くは、埋立地盤の工学上の問題(物理特性、力学特性)や化 学特性上の 問題を対象とした ものであり、住民や自治体が望んでいる周辺環境の保全を担保しつつ跡地の早期 利 用を 図る た めの 研究 や 、跡 地利 用 中の 維持 管 理費 の低 減 のた めの 実用的を研究は実施 されていをい。

  そこで、 本研究では、ー般 廃棄物の最終処分場の跡地利用を促進するために、新たを着想に基づぃた最終処 分場におけ る周辺環境の保全 を図る遮水機能維持技術を開発するとともに、維持管理の浸出水処理費を低減さ せる雨水浸 透防止技術の比較 検証を行った。

  第1章では、本研 究の背景と目的につ いて述べた。最終 処分場のライフサイクルは、施設の建設期間、廃棄 物の埋立期間、埋立終了後に廃止基準等を満たして廃止されるまでの期間(埋立終了廃止期間)に分けられる。

跡地の利用 は、埋立終了後か ら可能であるか、埋立地をブロック割りすることをどにより埋立中からも段階的 に 利用 可能 で ある 。埋 立期間は通 常10〜15年で計画 されており、埋立 終了廃止期間は15年 〜30年(平均23 年)という 調査結果がある。 従って、跡地の利用期間が、30年を超える長期となり、この間の「周辺環境の保 全技術」と 「浸出水処理費低 減の雨水浸透防止技術」が、最終処分場に強く求められる。従って、本研究の目 的を、以下 の2項目 とした。

  (1)長 期 的 に 最 終 処 分 場 の 周 辺 環 境 を 保 全 す る た め の 遮 水 機 能 維 持 技 術 の 開 発   (2)跡地利用時の 維持管理費を軽減で きる雨水浸透防止 技術の比較検討

  第2章では、 最終処分場の跡地利 用に関する現状を 環境省の資料等か ら解析した。1997年 時点で、廃止で き ずに 維持 管 理中 の最 終処分場が201箇所 、廃止した最終処分 場は251箇所であった。埋立 終了後の跡地利 用だけでを く、廃止後の跡地 利用も少をい状況であった。廃止後の跡地のほとんどは、緑地、公園、駐車場を どとして、埋立地の覆土層内の表層が利用されている。っまり跡地華lJ用においては、埋立地の形質を変更して 中層、低層 を利用するよりも 、変更しをい表層の利用の優先度が高いと考えられた。表層の利用は、被覆工の 敷設により 、埋立中からも可 能である。しかし、上部に被覆工を敷設して表層を跡地利用した場合、下部遮水 エの破損時 には上層からの対 応は難しい。したがって、跡地利用のための下部遮水システムには、長期的に遮 水機能を維 持するだけでをく 、遮水機能の確認が可能で自己修復機能を持つ遮水エが必要と考えた。また、雨 水浸透量減 少のための被覆エ としては、表層の土地利用パターンに応じて数種類が考えられるが、これらを実 際 の 最 終 処 分 場 に 施 工 し た 場 合 に つ い て 、 経 済 的 効 果 の 比 較 検 討 が 必 要 と 考 え た 。   第3章では、新た を着想に基づぃた最 終処分場の遮水機 能維持技術を開発した成果を述べた。す教わち、簡 便を方法で 最終処分場の遮水 シートの破損を即時に検知し、破損部分の修復状況および修復確認が同時にある いは連続し て行える自己修復 システムを考案し、「検知・修復型ライナーシステム」を構築するとともに、室 内要素実験 と実規模実証実験 によって、その実 用性を明らかにした 。

  シート破 損修復の原理は、 コロイド粒子が持つ泥膜形成機能である。破損したシ―トから流出したコロイド 溶液(スメ クタイト系粘土薄 板状結晶のコロイド粒子からをる懸濁液)が遮水エ下地基盤や遮水シート保護層 に浸透する と、溶液中の水膨 潤状態でプラス電荷を帯びているコロイド粒子がマイナス電荷を帯びた土粒子表 面に吸着し 、内部に包含して いた水を放出してトランプ状に配列して難透水性の「泥膜」を作る性質を利用し たものであ る。従来から遮水 工として用いられるべントナイト混合土は、塑性限界あるいな収縮限界以内の半 固体、固体 で使用されること が多く、遮水工に 亀裂が生じた場合、浸出水とNa+ベントナイトが反応膨潤して

(2)

遮 水 機 能 を 自 己 回復 さ せ る 性 質 を 利用 し て い る 。 一 方 、本 シ ス テ ム で採用 して いる「 泥膜 」によ る遮 水機能 は.

液 状 でNa+ベ ン ト ナ イ ト を 使 用 し て お り 、 従 来 か ら 遮 水 工 に 採 用 さ れ てい る も の と は 逆 の 現象 を 利 用 し て い る 。 こ の 考 え は 、連 続 地 中 壁 工 法 やシ ー ル ド エ 法 を ど の都 市 土 木 や 石 油 や天 然 ガ ス の 掘 削 井戸 に 利 用 さ れ てい る 泥 膜 に よ る 孔 壁保 護 機 能 を 発 展 させ た も の で あ る 。 修復 が 完 了 す れ ば コロ イ ド 溶 液 の 流 出は 停 止 す る の で、

遮 水 シ ー ト の 破 損、 修 復 状 況 、 修 復の 完 了 は 、 流 量 計 によ る コ ロ イ ド 溶 液の 流 出 量 の 常 時 監視 で 簡 便 に 把 握で き る 。

室 内 要 素 実 験 で は 、 以 下 の 結 果 が 得 ら れ 、 検 知 ・ 修 復 型 ラ イ ナ ー シ ス テ ム の 実 用 化 の 可 能 性 を 示 し た 。   (1)重 量 比3〜5%の コ ロ イ ド 溶 液 は 、 二 重 シ ー ト 内 を ほ ば 水 と 同 様 に 充 填 お よ び 還 流 で き る こ     と を確 認 し た 。

  (2)シ ー ト 破 損 時 に は 、 遮 水 工 下 地 基 盤 や 遮 水 シ ー ト 保 護 層 に コ ロ イ ド 溶 液 か ら の 泥 膜 が 形 成     さ れ 、 遮 水 機 能 が 回 復 さ れ る こ と を 確 認 し た 。 ま た 、 遮 水 シ ー ト の 保 護 層 や 下 地 材 と し て     利 用 さ れ る こ と が 多 い ま さ 土 の 締 固 め 度 で 、 シ ス テ ム の 遮 水 性 能 を 管 理 で き る こ と を 示 し た 。   (3)600日 間 の コ ロ イ ド 溶 液 密 度 の 経 時 変 化 実 験 か ら 、 コ ロ イ ド 粒 子 の 均 質 春 状 態 が 長 期 間 安 定 的     に 持続 す る こ と を 確 認し た 。

実 規 模 レ ベ ル の 実証 実 験 に よ っ て 、以 下 の こ と を 明 ら かに し た 。

  (1)遮 水 シ ー ト の 実 規 模 破 損 実 験 に よ っ て 、 直 径30cm程 度 ま で の 遮 水 シ ー ト の 破 損 に つ い て は     修 復可 能 で あ る こ と を確 認 し た 。

  (2)実 規 模 レ ベ ル に お け る 配 管 内 や2重 シ ー ト 内 で の コ ロ イ ド 溶 液 流 動 特 性 を 把 握 し 、 シ ― ト     内 への 溶 液 充 填 ・ 還 流性 能 を 確 認 し た 。

  以 上 よ り 、「 検 知 ・ 修 復 型 ライ ナ ー シ ス テ ム 」 は、 長 期 的 に 安 定 して 遮 水 機 能 を 修 復維 持 で き る こ と が 確認 さ れ 、 実 用 化 で きる こ と を 明 ら か にし た 。

  第4章 で は 、 雨 水 浸 透 防 止 技 術 ( 被覆 エ ) を 用 い た 跡地 早 期 利 用 の 経 済効 果 を 明 ら か に し た。 最 終 処 分 場 で は 、 適 正 を 放 流 水質 を 確 保 す る た めに 浸 出 水 の 処 理 が 高度 化 し て お り 、 浸出 水 処 理 施 設 の 建設 費 と 併 せ て 、維 持 管 理 費 が 年 々 増 大 し て い る 。 し た が って 、 跡 地 利 用 を する 際 に は 、 廃 棄 物の 埋 立 て が 終 了 し た埋 立 地 表 面 に 、 跡 地 利 用 目 的に 応 じ た 「 被 覆 エ」 を 敷 設 し て 、 雨 水の 浸 透 量 を 減 少 させ る こ と が 、 浸 出水 処 理 施 設 の 維持 管 理 賀 低 滅 に は 有利 と 考 え ら れ る 。

  そ こ で 、 実際 の 埋 立 処 分 場 にお い て 、 被 覆 エ と して 「 粘 性 土 の み」 「粘 性土十 植栽 」「遮 水シ ート十 粘性 土」

を 各 々 敷 設 し た 試 験 施 設 を 設 け 、2年 間 にわ た り 降 雨 量 ・ 蒸発 量 ・ 表 流 水 量 ・浸 透 水 量 の 計 測 を 行い 、 水 収 支 を 分 析 す る と と も に 、 実 験 対 象 の埋 立 処 分 場 に4種 類 の 被 覆エ を 施 設 し た 場 合の 浸 出 水 処 理 施 設 の維 持 管 理 費 に 及 ば す 効 果 を 検証 し 、 以 下 の 結 果が 得 ら れ た 。

  (1)水 収 支 の 分 析 か ら 、 実 験 対 象 埋 立 処 分 場 に 跡 地 利 用 タ イ プ に 応 じ た 被 覆 工 を 敷 設 し た 場 合     の 浸出 水 量 を 算 定 し 、日 平 均 の 浸 出 水 処 理低 滅 量 を 推 定 し た。

  (2)実 験 対 象 埋 立 処 分 場 に お け る 跡 地 利 用 タ イ プ 別 に 被 覆 工 敷 設 等 の 初 期 投 資 と 浸 出 水 処 理 の   維 持 管 理 費等 の 経 年 コ ス ト を算 定 し た 。

  (3)そ の 結 果 、 粘 性 土 、 植 栽 を ど の 被 覆 で は 、 土 地 利 用 以 外 で の 明 確 を 経 済 効 果 は 確 認 さ れ な か っ     た が 、 遮 水 シ ー ト や ア ス フ ァ ル ト 舗 装 に よ る 被 覆 で は 、10年 程 度 で 初 期 投 資 を 回 収 で き る こ と   が 確 認 さ れた 。

第5章は 、 総 括 で あ り 、 論文 全 体 の 成 果 を 要約 し た 。

  (1)廃 棄 物 最 終 処 分 場 跡 地 利 用 時 の 周 辺 環 境 保 全 技 術 と し て の 「 検 知 ・ 修 復 型 ラ イ ナ ー シ ス テ   ム 」 を 開 発し 、 そ の 実 用 可 能性 を 、 実 験 的 に 検 証し た 。

  (2)最 終 処 分 場 跡 地 利 用 時 の 維 持 管 理 費 を 軽 減 で き る 雨 水 浸 透 防止 技 術 ( 被 覆 エ ) の効 果 を 明 確 に し た。

ー843―

(3)

学位論文審査の要旨

主 査    教 授    古 市    徹 副 査    教 授    大 沼 博 志 副 査    准 教 授    谷 川    昇

学 位 論 文 題 名

廃棄物最終処分場の跡地利用促進技術に関する研究

  廃棄物 管理において必要 不可欠な最終処分場 は、廃棄物の埋立 終了後、地域の福祉向上や地域の活性化に役 立っよう に跡地利用される ことが多い。しかし 、跡地利用におい ては、雨水や空気による埋立廃棄物の分解や 洗い出し 効果によって内在 する環境汚染リスク を継続的に軽減さ せる必要があり、発生する浸出水を長期間適 正管理し ていかをければを らをい。従前の研究の多くは、埋立地盤の工学上の問題(物理特性、力学特性)や化 学特性上 の問題を対象とし たものであり、住民 や自治体が望んで いる周辺環境の保全を担保しつつ跡地の早期 利 用を 図る た めの 研究 や 、跡 地利 用 中の 維持 管 理費 の低 減 のた めの 実 用的 を研 究 は実 施さ れていをい。

  そこで 、本研究では、一 般廃棄物の最終処分 場の跡地利用を促 進するために、新たを着想に基づぃた最終処 分場にお ける周辺環境の保 全を図る遮水機能維 持技術を開発する とともに、維持管理の浸出水処理費を低滅さ せる雨水 浸透防止技術の比 較検証を行った。

  第1章では、本研 究の背景と目的に ついて述べた。最 終処分場のライフサ イクルは、施設の建設期間、廃棄 物の埋立 期間、埋立終了後 に廃止基準等を満たして廃止されるまでの期間(埋立終了廃止期間)に分けられる。

跡地の利 用は、埋立終了後 から可能であるが、 埋立地をプロック 割りすることなどにより埋立中からも段階的 に 利用 可能 で ある 。埋 立 期間 は通 常10〜15年 で計画さ れており、埋立終 了廃止期間は15年〜30年(平均23 年)とい う調査結果がある 。従って、跡地の利 用期間が、30年を 超える長期と毅り、この間の「周辺環境の保 全技術」 と「浸出水処理費 低減の雨水浸透防止 技術」が、最終処 分場に強く求められる。従って、本研究の目 的を、以 下の2項目 とした。

  (1)長 期 的 に 最 終 処 分 場 の 周 辺 環 境 を 保 全 す る た め の 遮 水 機 能 維 持 技 術 の 開 発   (2)跡地利用時の 維持管理費を軽減 できる雨水浸透防 止技術の比較検討

  第2章 では 、最 終 処分 場の跡地利用 に関する現状を環 境省の資料等から 解析した。1997年時 点で、廃止で き ずに 維持 管 理中 の最 終 処分 場が201箇 所 、廃 止した最終処分場 は251箇 所であった。埋立終 了後の跡地利 用だけで なく、廃止後の跡 地利用も少ない状況 であった。廃止後 の跡地のほとんどは、緑地、公園、駐車場な どとして 、埋立地の覆土層 内の表層が利用され ている。っまり跡 地利用におぃては、埋立地の形質を変更して 中層、低 層を利用するより も、変更しをい表層 の利用の優先度が 高いと考えられた。表層の利用は、被覆工の 敷設によ り、埋立中からも 可能である。しかし 、上部に被覆エを 敷設して表層を跡地利用した場合、下部遮水 工の破損 時には上層からの 対応は難しい。した がって、跡地利用 のための下部遮水システムには、長期的に遮 水機能を 維持するだけでを く、遮水機能の確認 が可能で自己修復 機能を持つ遮水工が必要と考えた。また、雨 水浸透量 滅少のための被覆 エとしては、表層の 土地利用パターン に応じて数種類が考えられるが、これらを実 際 の 最 終 処 分 場 に 施 工 し た 場 合 に つ い て 、 経 済 的 効 果 の 比 較 検 討 が 必 要 と 考 え た 。   第3章では、新た を着想に基づぃた 最終処分場の遮水 機能維持技術を開発 した成果を述べた。すをわち、簡 便な方法 で最終処分場の遮 水シートの破損を即 時に検知し、破損 部分の修復状況および修復確認が同時にある いは連続 して行える自己修 復システムを考案し 、「検知・修復型 ライナーシステム」を構築するとともに、室 内要素実 験と実規模実証実 験によって、その実 用性を明らかにし た。

  シート 破損修復の原理は 、コロイド粒子が持 つ泥膜形成機能で ある。破損したシートから流出したコロイド 溶液(ス メクタイト系粘土 薄板状結晶のコロイ ド粒子からをる懸 濁液)が遮水工下地基盤や遮水シート保護層

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に浸透すると 、溶液中の水膨潤状 態でプラス電荷を 帯びているコロイ ド粒子がマイナス電荷を帯びた土粒子表 面に吸着し、 内部に包含していた 水を放出してトラ ンプ状に配列して 難透水性の「泥膜」を作る性質を利用し たものである 。従来から遮水工と して用いられるべ ントナイト混合土 は、塑性限界あるいは収縮限界以内の半 固体、固体で 使用されることが多 く、遮水エに亀裂 が生じた場合、浸 出水とNa+ベントナイトが反応膨潤して 遮水機能を自 己回復させる性質を利用している。一方、本システムで採用している「泥膜」による遮水機能は,

液状 でNa+ベ ント ナイ ト を使用し ており、従来から 遮水工に採用されて いるものとは逆の 現象を利用してい る。この考え 倣、連続地中壁工法 やシールド工法を どの都市土木や石 油や天然ガスの掘削井戸に利用されてい る泥膜による 孔壁保護機能を発展 させたものである 。修復が完了すれ ばコロイド溶液の流出は停止するので、

遮水シートの 破損、修復状況、修 復の完了は、流量 計によるコロイド 溶液の流出量の常時監視で簡便に把握で きる。

室内 要 素実 験で は 、以 下の 結 果が 得ら れ 、検 知・ 修 復型 ライ ナ ーシ ステ ム の実 用化 の 可能 性を示した。

  (1)重 量 比3〜50tの コ ロ イ ド 溶 液 は 、 二 重 シ ー ト 内 を ほば 水 と同 様に 充 填お よび 還 流で きる こ とを     確認した 。

  (2)シ ー ト 破損 時 には 、遮 水 工下 地基 盤 や遮 水シ ー ト保 護層 に コロ イド 溶 液か らの 泥 膜が 形成 さ れ、

    遮 水 機 能 が 回 復 さ れ る こ と を 確 認 し た 。 ま た 、 遮 水 シ ← ト の 保 護 層 や 下 地材 と して 利用 さ れる     こ と が 多 い ま さ 土 の 締 固 め 度 で 、 シ ス テ ム の 遮 水 性 能 を 管 理 で き る こ と を 示 し た 。   (3)600日 間 の コ ロ イ ド 溶 液 密 度 の 経 時 変 化 実 験 か ら 、 コ ロ イ ド 粒 子 の 均 質 な状 態 が長 期間 安 定的     に持続す ることを確認した。

実規模レベル の実証実験によって 、以下のことを明 らかにした。

  (1)遮 水 シ ー ト の 実 規 模 破 損 実 験 に よ っ て 、 直 径30cm程度 ま での 遮水 シ ート の破 損 につ いて は 修復     可能であ ることを確認した。

  (2)実 規 模 レ ベ ル に お け る 配 管 内 や2重 シ ー ト 内 で の コ ロ イ ド 溶 液 流 動 特 性 を把 握 し、 シー ト 内へ     の溶液充 填・還流性能を確認 した。

  以上より、 「検知・修復型ライ ナーシステム」は 、長期的に安定し て遮水機能を修復維持できることが確認 され、実用化 できることを明らか にした。

  第4章では、雨水浸透 防止技術(被覆工 )を用いた跡地早期 利用の経済効果を 明らかにした。最終処分場で は、適正な放 流水質を確保するた めに浸出水の処理 が高度化しており 、浸出水処理施設の建設費と併せて、維 持管 理費が年々 増大している。し たがって、跡地利 用をする際には、廃 棄物の埋立てが終 了した埋立地表面 に、跡地利用 目的に応じた「被覆 工」を敷設して、 雨水の浸透量を滅 少させることが、浸出水処理施設の維持 管理費低滅に は有利と考えられる 。

  そこで、実 際の埋立処分場において、被覆工として「粘性土のみ」「粘性土十植栽」「遮水シート十粘性土」

を各々敷設し た試験施設を設け、2年間に わたり降雨量・蒸発 量・表流水量・浸 透水量の計測を行い、水収支 を分析すると ともに、実験対象の 埋立処分場に4種類の被覆工 を施設した場合の 浸出水処理施設の維持管理費 に及ばす効果 を検証し、以下の結 果が得られた。

  (1)水 収 支 の 分 析 か ら 、 実 験 対 象 埋 立 処 分 場 に 跡 地 利 用タ イ プに 応じ た 被覆 エを 敷 設し た場 合 の浸     出水量を 算定し、日平均の浸 出水処理低減量を 推定した。

  (2)実 験 対 象 埋 立 処 分 場 に お け る 跡 地 利 用 タ イ プ 別 に 被覆 工 敷設 等の 初 期投 資と 浸 出水 処理 の 維持     管理費等 の経年コストを算定 した。

  (3)そ の 結 果 、 粘 性 土 、 植 栽 な ど の 被 覆 で は 、 土 地 利 用以 外 での 明確 を 経済 効果 は 確認 され な かっ     た が 、 遮 水 シ ー ト や ア ス フ ァ ル ト 舗 装 に よ る 被 覆 で は 、10年 程 度 で 初 期 投資 を 回収 でき る こと     が確認さ れた。

  第5章は、総括であり 、論文全体の成果 を要約した。

  これを要す るに、著者は、廃棄 物最終処分場の跡地利用時の周辺環境保全技術としての「検知・修復型ライ ナーシステム 」を開発し、その実 用可能性を実験的に検証すると共に、跡地利用時の維持管理費を軽減できる 雨水浸透防止技術(被覆工)の効果を明確にしたものであり、廃棄物管理工学、最終処分場計画、環境リスク管 理工学の発展 に貢献するところ大 なるものがある。

  よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1367号

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雑誌名 博士論文要旨Abstractおよび要約Outline 学位授与番号 13301甲第4306号.