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遊具を使って遊ぼう

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Academic year: 2021

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遊びの指導(うんどう)学習指導案

指導者 広島県立庄原特別支援学校 教 諭 伊 藤 貴 晃 1 日 時 平成 25 年 11 月 22 日(金) 11:00~11:45 2 場 所 体育館 3 学部,学年,学級 小学部 第2学年 重複障害学級(1名) 4 題材名 「遊具を使って遊ぼう」 5 題材設定の理由 (1)児童観 本学級は,小学部第2学年の男児 1 名で編制された重複障害学級である。 本児童は,自閉症,聴覚障害及び知的障害を有する。発達年齢は,KIDS(乳幼児発達スケール)の結果, 11 ヶ月であった。手指の第2関節に屈折制限があり,物を持ったり,掴んだりすることが難しい。また, 高緊張による手足の関節の曲げ伸ばしの困難さがあり,アキレス腱の伸縮も困難のため歩行が不安定であ る。そのため,かかとを上げた状態でジャンプしながら移動している。日常生活では,毎日使用するもの であれば,何に使うものなのか認識でき,指導者の指差しによって物を入れたり,出したり,取ったりす ることができる。また,入学当初は,人や物に対する関心が極めて低く,手の平をひらひらさせる自己刺 激行動に常時没頭しており,外的な関わりをもとうとしなかった。しかし,人や物に興味をもち始め,視 線が合ったり人や物に注目したりし始めており,自分から働きかけることで物事が変化したり,反応が返 ってきたりすることの関係性に気付き始めている。平均聴力は両耳とも 90dB で 1 年前から補聴器を装着 している。当初は,補聴器の装着を嫌がっていたが,最近では,補聴器の装着にも慣れ,外すことがなく なった。しかし,補聴器を着用しても音を音として認知できていないことが考えられ,後ろから大きな声 や音を出しても,振り向いたり,気付いたりすることがない。そのため,児童の正面から話し掛け,音を 聞くことで良いことがあることを教え,音に気付かせたり,具体物と写真や手話,身振りの一致を図った りしている段階である。 今年度に入り,手話や顔の表情,口形を見ることができるようになり,手話による指示を見て立ったり, 座ったりするようになった。朝の準備では,身振りや手話による指示で,靴や衣類の着脱,上げ下げ等, 身の回りのことでできることが増えてきた。また,今年度から見る活動に重視する活動の際には,iPad を使って写真やシンボルマークを示すことで,児童がカードで示すときよりよく注目することができるよ うになってきた。授業では,持ちやすい厚さにすることで,カードを取ったり,張ったり,渡したりする ことができるようになってきた。また,繰り返し行うことで,写真によって具体物や活動が分かったり, 活動を楽しむことができるようになったりし,活動中の笑顔も増え,自分から触ったり,近寄ったりする ようになった。くすぐり遊びや前庭感覚の遊びには,特に楽しそうな反応を返す。特にくすぐり遊びでは, くすぐる前から手の動きを見て笑顔になったり,指導者の手を掴んで自分の体に持っていったりするよう になった。また,休憩時間等の遊具を使って遊ぶ場面では,指導者に近寄って要求する場面も見られ始め た。

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(2)題材観 本題材は,知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科等の「自立活動」「生 活科」「音楽科」「体育科」から,次の内容を取り扱う。 生活科 1段階(3)教師や友達と同じ場所で遊ぶ。 音楽科 1段階(1)音楽が流れている中で体を動かして楽しむ。 体育科 1段階(1)教師と一緒に,楽しく手足を動かしたり,歩く,走るなどの基本的な運 動をしたりする 1段階(2)いろいろな器械・器具・用具を使った遊び,表現遊び,水遊びなどを楽 しく行う。 自立活動 3人間関係の形成 (1)他者とのかかわりの基礎に関すること。 5身体の動き (1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。 (4)身体の移動能力に関すること。 6コミュニケーション (1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること。 本題材では,遊具を使って遊びを展開する。バランスボール,トランポリン,バランス台,スクータ ーボード,巧技台及び光遊びの六つの活動を設定し,体力づくり及び関節の曲げ伸ばし等の身体的動作 の向上,「やりたい。」「もう一度したい。」といった思いの表出を導き出すことを目標とする。バランス ボールやトランポリン,バランス台といった遊具は,跳ねたり,揺れたり,ジャンプしたりすることで 前庭感覚を高めることができる。普段の生活ではできない動きや感覚は,児童の興味を引き出しやすい。 そのため,「やりたい。」「もう一度したい。」といった思いの表出を導き出せると考える。 身振りや手話,絵カード等によって場所や活動,遊具を示しながら,児童の好きな遊具で一緒に活動 することは,色々な遊具の遊び方を経験し,コミュニケーション能力を育成するのにも適した題材であ る。これは,活動の中で,「バランスボール」等を身振り,手話及び絵カードで示し,動作を「がたが た」等といった擬態語で示して,普段の生活でよく使う簡単な手話を何度も繰り返し使用し,遊具と手 話を遊びの中で,一致させていくことで手話の理解を育てることができると考え設定した。遊具の遊び の動作を擬態語で示すことは,楽しい空間の中で口形をもとに音に気づかせることができると考えるた めである。 どの遊具も比較的に児童の好きな遊具であるため,抵抗なく遊具と関わることができると考える。バ ランスボールでは,足の関節を曲げて座り,バランスをとる動作を学習することができ,トランポリン, バランス及び巧技台の遊具は,手足を曲げたり,ジャンプしたり,バランスをとったりする日常生活の 基本的な身体動作を体験することができる。どの遊具もかかとを十分に地面につけて活動することがで きるため移動能力の向上を図ることができる。スクーターボードの遊具では,乗るだけではなく,光る おもちゃの中を通るため,見ることに課題がある児童でも注視しやすく,興味をもって見続けることが できる活動である。好きな興味のあるものを自分から見たり,触ったりして活動の準備や後片付けをす る力を導き出すことができると考える。 (3)指導観 指導に当たっては, 本児童は,指導者との関わりや感覚を楽しんでいる状態であるため,指導者が 児童と視線を合わせながら,遊具の感覚を十分楽しめるように一緒に体を動かし,跳んだり,揺れたり する感覚を感じられるように留意する。児童の表出を促すために,児童のタッチで活動が始まるように 設定し,タッチすることで,外的な環境が変化することを感じられるようにする。また,「やりたい。」 「もう一度したい。」という思いを引き出すために,遊具での活動を最初は,30 秒~1分で中断し,児 童の反応を待つ場面を設定する。児童の表出を待って,その動作や変化を肯定的に受け止め,タッチを 合図に活動を再開する。導入前には,活動の準備を一緒にする場面を設定するとともに,導入でテーマ ソングと一緒にこれまでの活動の写真を見せ,活動のイメージをもたせる。そのために,本児童が注視 しやすい iPad によって,写真やシンボルマーク等を提示する。環境設定では,遊具の感覚を充分に楽 しませるために,本児童の抵抗感の少ない遊具から直線上に配置し,見通しがもてるように配慮する。 聴覚に対する支援には,導入のテーマソングを歌う場面で,口形を見せながら歌ったり,一緒に手を動 かしたりする。また,遊具での活動では,各遊具の動作に「がたがた」「ぴょんぴょん」「ゆらゆら」等 の擬態語を設定し,口形を見せながら遊ぶようにする。関節の緊張部分に対しては,遊具の動きに強弱 をつけ,指導者の援助を減らす等して,自分からバランスをとろうとしたり,手足を曲げてジャンプし たり,跳ねたりすることで対応したい。また,かかとが地面について活動するように留意したい。 さらに,展開の最後には,自分で遊びたい遊具を選択する力を導き出すために,遊具の写真,手話及 び身振りで示し,児童の反応を受け止め,意味付けを行い,反応のあった遊具の活動を行うようにする。

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6 単元の目標 ・指導者と一緒に楽しく手足を動かしたり,歩く,走るなどの基本的な運動をしたりすることができる。 ・写真や手話,身振りなどの合図や指示で,意思を表出することができる。 7 指導計画(全 10 時間) (1) 第1次 野外の遊具で遊ぼう・・・・・・・・・・・・・・・3時間 (2) 第2次 いろいろな遊具や器械・器具を使って遊ぼう・・・・7時間(本時4/7) 8 本時の目標 これまでの様子 目 標 ・スクーターボードの活動では,指導 者にタッチして,「スタート」を表すこ とができるようになってきた。 ・バランスボールの活動では,最初は 指導者と一緒にバランスボールに座る ことも嫌がっていたが,回数を重ねる ことで,楽しいことが分かり,笑顔が 見られるようになったり,バランスボ ールから降りなかったりするようにな った。 ・歩行は,かかとを上げた状態でジャ ンプしながら歩いている。階段等では, 足を大きく上げて上ることができるよ うになり,跨ぐ等の動作に必要な体重 移動ができるようになってきた。 ・活動開始の合図としてタッチをするこ とができる。 ・「もう一回したい。」「やりたい。」気持 ちをタッチや,指導者の手を取ったり, 寄り添ったりする等の動きで表すこと ができる。 ・自分から膝を曲げて,トランポリンを 跳んだり,かかとを付けてバランス台で 揺れたりすることができる。 9 準備物 iPad,バランス台,バランスボール,トランポリン,セラピーマット2枚(バランス台、バランスボール), 巧技台,スクーターボード,暗幕,電球,セラピーマット 10 学習過程 (後掲) 11 評価の観点 (1) 児童が主体的に課題を達成していたか。 (2) 児童の課題設定は適切であったか。 (3) 目標設定は適切であったか。 (4) 児童の表出を導き出すことができたか。 (5) 活動量は適切であったか。 12 年間指導計画 (1) ねらい ・指導者と一緒に手足を動かして遊ぶ経験を増やす。 (2) 計画 4月~6月 「先生と一緒に遊ぼう」 6月~9月 「浮かんで遊ぼう」 9月~12月 「遊具を使って遊ぼう」 1月~3月 「遊具に乗って遊ぼう」

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13 教室配置図 (はじまり) (スローラジオ体操・下半身のストレッチ) (遊具であそぼう) T 遊具(バランスボール,トランポリン,バランス台,巧技台) 光 あ そび イス 机 エ ア レ ッ ク ス マ ッ ト T 遊具(バランスボール,トランポリン,バランス台,巧技台) 光 あ そび イス 机 エ ア レ ッ ク ス マ ッ ト イス イス 児童 児童 イス T 遊具(バランスボール,トランポリン,バランス台,巧技台) 光 あ そび イス 机 エ ア レ ッ ク ス マ ッ ト 児童

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10 学習過程 過程 時 間 学習活動 指導上の留意点( 課題,○支援,☆評価,◎評価方法) A 全体 導入 5 分 1 始めのあいさつをする。 2 「うんどうの歌」を歌う。 ○iPad の写真に注目するように促す。 ☆「うんどうの様子」の写真に注目することができたか。 ◎行動観察 ○始まりを意識できるようにする。 ○目線を児童の高さに合わせる。 ○始まりの手話を一緒にする。 ○「うんどうの歌」の写真に注目させる。 ○うんどうの授業のときに毎回同じ歌や映像を見せることで,何の 授業なのか分かるようにする。 展開 35 分 3 今日の活動を知る。 4 準備運動をする。 ・スローラジオ体操 ・下半身のストレッチ 5 遊具を使って遊ぶ。 6 遊具を選択する。 ○指導者にタッチするまで待ち,タッチをきっかけに活動を始めること で,場面が動くことに気付かせる。 ☆活動開始の合図としてタッチをすることができたか。 ◎行動観察 ○一回の活動ごとに指導者の動きを止め,タッチするまで待つことで,「や りたい。」気持ち等を引き出す。 ☆「もう一回したい。」「やりたい。」気持ちをタッチや,指導者の手を取 ったり寄り添ったりする等の動作で表すことができたか。 ◎行動観察 ○遊具の動きに強弱をつけ,膝を曲げて,跳んだり,揺れたりさせる。 ☆自分から膝を曲げて,トランポリンを跳んだり,かかとを付けてバラン ス台で揺れたりすることができたか。 ◎行動観察 ○自ら好きな遊具に行くように促す。 ○遊具の写真や手話,身振りで示し,反応を受け止めるようにする。反応 があった遊具の活動にすぐに移るようにする。 ○本時の活動を iPad を使って写真を提示し,見通しをもたせる。 ○iPad で写真を見せる場面と手話やジェスチャーを見せる場面で, 注目するところを分かりやすくするために iPad を使用しないとき は,伏せて画面を隠す。 ○体育館に児童の抵抗感の少ない遊具から直線上に並べ,活動を分 かりやすくする。 ○遊具での活動では,事前に手話やジェスチャーで活動内容を示す。 ○遊具での活動中は,動作の擬態語を口形を見せながら発声する。 ○「もう一回したい。」「やりたい。」という気持ちを受け止め,反応 をすぐに返す。 まとめ 5 分 7 振り返りをする。 8 終わりの挨拶をする。 ○活動の写真に注目させて,活動の手話を見せる。 ☆活動の写真や手話を見ることができたか。 ◎行動観察 ○それぞれの児童の様子を写真や手話で伝え,賞賛する。 ○終わりが意識できるように,指導者の言葉掛けに気付くまで待つ。 「うんどうの様子」の写真に注目する。 活動開始の合図としてタッチをする。 「もう一回したい。」「やりたい。」気持ちをタッチで表す。 活動の写真や手話を見る。 自分から膝を曲げて,トランポリンを跳んだり,かかとを付けてバラ ンス台で揺れたりする。

参照

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