自閉症児の行動変容に及ぼす動作法の効果 : 動作法における相互交渉の分析
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(2) 撫. 1.問題及び目的 1.動作法の原理及びその適用の拡大. 2.動作法の相互交渉とその分析. 1. 3. 3.自閉症児の行動の特性と動作法 6. 1)自閉症児の障害の特徴 2)自閉症児の行動改善と動作法. 11. 3)自閉症児に対する動作法の適用の妥当性. 13. 4.本研究の目的 11.方. 15. 法. 1.参加者(被訓練者). 16. 2.動作法訓練. 20. 3.般化課題. 32. 川.結. 果. 1.動作法訓練の分析結果. 38. 2.般化課題の分析結果. 73. 1V.考. 察. 1.動作法訓練における相互交渉の考察. 87. 2.般化課題の考察. 96. 3.今後の課題. V.要. 103. 約 104. 文 献 資 料 謝 辞.
(3) 1 問 題 及び 目 的 1.動作法の原理及びその適用の拡大 動作法は、我が国で独自に開発された指導方法であり、成瀬‘1973)の動作 理論に基づき、肢体不自由児の動作改善を中心に発展した。 養護学校の養護・訓練、家庭での訓練:方法としての意義も多く報告されてい. る。特に、精神薄弱養護学校においては、全国の調査対象125校のうち養護・. 訓練における指導方法として動作法を適用する学校は約60%に及んでいると 報告されている(小田,1993)。. 動作法では、 「動作」は心理活動が神経活動を通して身体運動へ働き掛ける. システムとして理論化されている。そのシステムの中で、運動の主体となるヒ トがある目的に応じて動きを発現させようと「意図」を発生させ、その意図に. 基づく運動のパターンをプランとして実現させる為の「努力」が行われている としている。そして、最も重要なことは、その活動の主体者の能動的な心理活 動であるとしている(成瀬ノgg2)。. また、動作法訓練は、主体者としてのヒトが、意図 努力 身体運動という 一連のプロセスの中で「意図」や「努力」の仕方をコントロールする訓練であ るとされている。. 当初、 「動作訓練」は、脳性マヒ児の動作不自由の改善法として提唱されて いた。動作不自由は、主体の「意図」、 「努力」を妨げている身体の不当な緊. 張に由来しているとして、身体の不当緊張を弛緩させることを重視していた。. しかし、不当緊張を弛緩させる為の制御だけではその効果に限界があること が明らかにされ、ヒトが重力に対応して「タテ」になることが必要であるとす る方向へ変化してきた。. 1.
(4) ところで、今野αg78)が、多動児に対して腕上げ動作コントロール法を適 用し、行動の変容を報告して以来、動作訓練を自閉症児や注意欠陥多動障害児、. 重度の発達遅滞児などに適用してその有効性が多くの研究者によって報告がさ れるようになった。 (今野,198go,198%1gg3今野・大野1987他). 動作法の適用の範囲は、脳性マヒなどの肢体不自由児、注意欠陥多動障害児. ・自閉症児・精神遅滞児など障害児にはじまり、精神分裂病患者(鶴 1982,1986,1988)や神経症患者(今野1986,藤岡1987)、老人性痴呆(中島. 1986)などの精神疾患患者、p∬Dなどの心のケアーを必要とする人(冨永 1gg5)、スポーツ選手(星野1gg2他)、さらには健康の維持・促進が必要な 高齢者・健常者にも拡大されている。. 現在では、訓練の適用範囲が拡大するにつれ、動作法を実験場面に適用した ものを「実験動作法」、臨床場面に適用したものを「臨床動作法」と分類し、. 臨床場面においても適用対象が、主に動作の改善を目指す肢体不自由児等の訓 練を「動作訓練」、行動改善・発達援助を目指す自閉症児・知的障害児などの 訓練を「動作法」、心理治療を目指す人へ訓練を「動作療法」というように用 語が使い分けられる傾向がある。 また、 「動作法」は訓練や技法などを包括した概念であると理解されている。. 本研究においては、自閉症児の行動改善の為に動作法が適用されているため、 訓練者と被訓練者が行う訓練は、 「動作法訓練」と表現された。. 2.
(5) 2.動作法の相互交渉とその分析 「動作」を用いた働きかけの臨床事例が拡大・多様化するにつれ、被訓練者 の身体的変容だけでなく、外界の認知の変容(熊谷,1gg6 藤岡・成瀬1984他). や心理的変容(今野19851990他)を引き起こすことも多く報告されてきてい る。. これらの研究の多くは、動作法によって被訓練者のからだの気づきや変化、 課題遂行の過程における「努力」のしかたの変化が生ずることをあげている。 この変化は、被訓練者に何らかの行動や認知などの変化を及ぼすとしている。. この時、被訓練者の内的な「体験」の内容、およびその「体験」の過程が被訓 練者の行動を変化させているとしている。. 動作法訓練. @ @ @ @ 訓練者. ⇔課題⇔. 姿勢・動きの変容、 、 、 、 、 、. 認知. s動の変容. 被訓練者. S理 努力の仕方の変容. f 「体験」の変容. Fl幽rθ匹2.1 動作法の効果仮説. しかし、 “動作法における被訓練者の内的な「体験」の変容過程が、自閉症 児をはじめ、障害を持つ人・子どもたちの行動の変容を及ぼす。”との仮説は、. 現在までの研究においても充分検証されていると言い難い。. この仮説は、動作法訓練を通して訓練者から被訓練者へどの様な働きかけが 行われ、被訓練者にどの様な行動の変化がおきているのかの分析の過程を通し て、今後充分に明らかにされる必要がある。. 3.
(6) 具体的に動作法訓練では、訓練者は以下のような被訓練者の状態を把握をす ることから始められる。①身体接触に対する受け入れ状態、身体運動援助に対. する受け入れ状態、②各部位(特に肩、背、股 等の特定部位)の緊張状態 (固さ、動かし難さ)、③各部位の運動制御状態(ぎこちなさ、衝動性 等)、. ④姿勢(座位、立位、歩行 等)の様態、⑤心理的・行動的特徴、など。. 訓練者は、①被訓練者の自己のからだの気づきを確かにする、②動きを妨げ ている緊張を適切に処理することを学習する、③自己のからだの正しい動かし 方を学習すること、④抗重力姿勢としてモデル化された立位や膝立ち等の訓練 課題姿勢を学習する、などの動作課題を設定する。. 従って、この動作課題の遂行を通して展開されている「訓練者と被訓練者の 相互交渉」が動作法訓練の根幹をなしていると考えられる。. 動作法訓練における相互交渉を分析した田中‘1991♪の研究では、脳性マヒ 児を対象として2者間の応答関係の量的分析や援助行為についての分析を行っ ている。その分析を通して、熟練訓練者は、様々な課題の焦点化や再帰ループ の作成を行っていることが報告された。 重橋・大神(1gg3),重橋〔1 gg励古賀αgg5)等の研究は、肢体不自由児、重度. ・重複児の訓練における訓練者側の援助要因の分析を通して、動作訓練におい. て訓練の中での適切な援助は、子どもの主体的な動作を引き出すことができて いることを示した。また同時に、関わる訓練者も行動が変容することを示唆し ている。肢体不自由児を対象とした訓練者の援助行為の研究の中には、筋電図 や他動圧センサーを用いた研究(福島・冨永,1gg5)もおこなわれている。. 香野αgg3)は、自閉症児・多動児などのを対象とした動作法訓練の援助行 為について分析している。しかし、訓練者と被訓練者の交互交渉についての検. 討は充分行われていない。干川α995)は、重度精神遅滞児の社会的相互交渉 に及ぼす動作法の相互交渉の効果について検討し、回訓練者意思表出などの変 化は確認できたが、相互交渉の変化については明らかにすることができなかっ た。香野は、その相互交渉を明らかにするための実験計画法の立案の難しさを 述べている。. 4.
(7) 大神αgg3)は、動作法訓練の中には、 「同時性」と「共同性」の要素が非 常に多く含まれると述べている。従って、動作法の研究においては、 「同時性」. と「共同性」の観点に立って研究を進めることが重要である。 「同時性」はCoη40η&08嘘。ηで1966)の用いた概念であり、話し手と聞き. 手の動作、あるいは話し手と聞き手の動作協応関係を「相互作用的同期性」 ∫π彪rαC∫∫0ηα13yηC乃ro〃yと定義し、人間のコミュニケーションの基本的普遍的特. 徴とした。. また、伽r伽gで1983♪は「子どもの自発的な行動は、それが意図的である否 かに関わらず、通常療育者側に応答的な行動をもたらす。」として訓練者と被 訓練者の問に相互に変容が起きることの重要性を示唆している。 80加馳7‘1977),乃εvα肋εη(197乃は、人間は生まれながらにして、他者とかか. わるべく、生物学的に準備調整されており、親密さ、人が自分の注意や期待に おいて共にいることを感じさせること(共同性)の重要性をあげている。. 今後の動作法研究に有効な研究方法として、①従来の相互交渉の分析研究に おける療育者の働きかけと子どもの応答反応を定量化し、相互相関分析する方. 法、②尻㎜に採用されている言語的・非言語的行動のラリーの質と量を分 析する方法(トランスクリプト分析)、rc.7・C芋。(7}訓練者、α回訓. 練者)の相互交渉の分析を行う方法(z㎜分析)、相互交渉に所感を加え た分析を行う方法(CTI分析)、療育者と子どもの凝視点と表情を2分割画 像として記録し分析する方法(同時期録画像分析法)などがあげられる(大神, 1993)。. 5.
(8) 3.自閉症の行動の特性と動作法 1)自閉症児の障害の特徴 κ伽ηεz (1943♪が最初に早期幼児自閉症の中心的な特徴を「出生直後からの. 極度の自閉的孤立である。」と記述して以来、自閉症64磁3吻は社会的相互交 渉の障害が大きな問題であるとされてきた。この障害は、常に自閉症の中心的 な障害として、感情研究やコミュニケーション研究、神経学的な研究などの立 場から多くの研究者によって解明の努力がおこなわれている。しかし、現在に おいてもその原因、治療法は確立していない。 3c加ρ1εrらα980)は、自閉症に限らず、 「症候群」名をもって呼び得るため. には、①絶対的な治療法がある、②原因が判明している、③「共通の行動様式」. がある、ことが必要であるとしている。従って「自閉症」は、①②を満たさず ③の「共通の行動様式」よって診断されることが特徴であるとしている。. しかし、その「共通の行動様式」についても未だ多くの人々が、自閉症児の 診断に問題があることを指摘している。. 全米自閉症児協会(N&1C)で1978)は「自閉症」を、. (1) 「発達の早さと順序の障害」がある。運動・社会性・認知言語のいずれ. かが年齢相当に発達しているにも関わらず、他のどれかが遅れるか停止するか して、典型的なものがない。①粗大運動の発達が良くても微細運動の発達が良 くない。②運動領域の発達は、ある年齢までは順調、以降遅れるか停止する。 ③認知領域の発達は、ある年齢までは順調、以降遅れるか停止する。④ある特 定の、または重要な認知的技能の発達が遅れるか、欠如する。⑤模倣しないか きわめて貧弱である。⑥睡眠の障害がある。 (2) 「感覚刺激に対する反応の障害」がある。①多動・寡動または両者が交 互に出現する。②視覚の異常がある。α’ものを近くで見る。わ’視線回避。α. 手を見つめる。4,電灯をつけたり消したりする。♂視線が定まらない。云も のを正視しないで周辺視する。③聴覚の異常がある。α,自分の発する声を手. 6.
(9) で耳に入れる。わ,音の大きさに不適切に反応する。α他者の話し言葉に反応 しない。4’ある特定の音を恐れる。④触覚の異常がある。α’触る。または触. られる感覚に不適切に反応する。ヶ痛覚・温冷覚に不適切に反応する。α物 を擦り合わせる。⑤前庭覚の異常がある。α’からだ揺すりに没頭する。わ’ク. ルクル身体を回すことに没頭する。α物を回して楽しむ。⑥味覚・嗅覚の異 常がある。α’不適切にものを嗅いだり、なめたりする。ヶ食物の嗜好が偏奇 している。⑦固有覚の異常がある。o’姿勢の異常。わ,衝動的な飛び出し。α 手をヒラヒラ動かす。4,しかめっ面をしていることが多い。 (3) 「話し言葉、認知・言語、ηoπ一yε肋1 co〃3〃膨η’cα”oηの障害」がある。. ①話し言葉が無い。または遅れている。文構造や構音の貧弱さを持つ6 θ凶。励α・無為な語や句を繰り返す。一度出現した話し言葉の消失。代名詞の 転倒。②象徴技能が狭い。③π0η一レεめα1CO“2脚η’Cα∫’0ηが貧弱である。. (4) 「人・事象・物を適切に関係づける能力の障害」がある。①微笑反応の. 遅れまたは欠如、見知らぬ人への過剰な恐怖が見られる。②ひきこもりが見ら れる。③人に抱かれることを予期しない。または抵抗を示す。⑤いないいない ば一や童謡に手足を合わせる等に興味を示さない。⑥親や療育者との関係がっ きにくい。⑦協調遊びが出来ない。友人関係を持たない。⑧遊び道具を不適切 に使用する。⑨物を常同的、反復的に使う。⑩決まったことを変化させること への抵抗が強い。⑪危険に対する反応が乏しい。⑫不適切な泣きや笑いが見ら れる。. (5)これらの障害が、いずれも生後30ヶ月以内に出現する。 と定義している。. ∬oわ∫oηで1989)は、従来の自閉症児研究の成果をまとめて、. (1)自閉症児は、他者との情緒的な対人関係を発展させるのに必要な、行為 と反応‘αC加η侃4rε1傭0η♪の連動を司る素質的基盤が欠如している。. (2)このような関係は、 「自分自身の世界と他者と共通する世界を、共に構 成していく」のに不可欠である。. 7.
(10) (3)このような問主観的伽彪r3吻εc伽ε♪社会的経験を欠くことからは、2っ. の重大な結果が齎らされる。ω人々のことを、その人なりに感情、思考、欲 望、そして意図を持つ存在として認識することが出来ない。φノ抽象能力や抽 象的に感じたりする力に欠ける。. (4)自閉症児は、言語や認知に特有の障害を抱えているが、その多くの部分 は、情緒や社会性の発達に関係の深いさらに根底にある障害、ないしは象徴機i 能に関わる社会的依存能力の欠陥の反映と見なすことが出来る。. と述べている。以上のことから、自閉症児は、対人相互交渉を結ぶ上での何ら かの重要な基盤が欠如していることが示唆されている。. 自閉症児の障害の「更に根底にある障害」とは何か、この問題についても多 くの研究が行われている。 海酬oo4 F7励&Her〃2ε1∫ησg84)は、自閉症児は決まりの悪そうにするよう. な心の状態を表す8ε伽rθは使用せず、人の行動を操作することを目的とした 8θ鋤r8は使用することが出来るという特徴を報告し、 Hoわ∫oη‘1986)は、自閉. 症児は、感情の状態を表す表情、身体表現、及び音声表現を理解することが困 難であることを報告し、感情認知の障害を示唆している。 また、Dαw30η &乙εwy(198g)は、自閉症児の感覚の異常は、覚醒水準の問題. が基盤として関与することを示唆している。0邪8∼1αgg7)は、従来の研究の成. 果から感覚異常と対人関係障害の関係を研究することの重要性を述べている。. 井上で1977)は、自閉症児の運動操作の特徴を、①自分の身体の各部位の認 知や弁別が困難で、身体の何処を動かしているのかを識別できず、能動的な動 作のコントロールが不十分である、②自分の身体の占有空間の認識が不完全で ある、③込み入った動作をするとぎごちなくなる、④体操や遊技などの動作模 倣が困難である、としている。. 山本αgg2)は、自閉症児は身体の特定部位に特徴的な緊張を持っていると し、その緊張は、①頸を反らす方向の不当緊張、②肩を窄める方向の不当緊張、. 8.
(11) ③上体を屈げる方向の不当緊張、④胸・腹部を反らす方向の不当緊張、⑤腰を 反らす方向に、股関節を閉じる方向の不当緊張、⑥足首を曲げる方向の不当緊 張、であるとした。. 自閉症児は、つま先歩きする者が多い。また、手先が不器用であったり、力 の調節がうまくできないなども臨床的に多く聞かれる。これらの運動発達の遅 れや不当な緊張が自閉症児の障害にどの様に関与するかについても明らかにさ れていない1. 西村・水野・若林αg80)は、自閉症児の縦断的な研究において、非言語的 な伝達行動の発達を自己の要求を達成するために他者を利用する要求表出行動 伽ρε7磁v8一ρ幻br脚ηcθ)と要求から離れて他者の関心を引くための指さしをし たり、物を見せたりする陳述行動‘4εc1αrα伽εp幻b脚ηc8♪に分けて観察し、自 閉症児は、珈pεr磁vθな行動を示すようにはなるが、4εc1αγα伽8な行動は生じ. にくいことを示した。また、48c1αr磁レεな行動の欠如は、動作模倣の低いこと とも関連があると述べている。. 自閉症児の模倣行動は、そのまね方が共感性の無いものであり、また自発的 な模倣が極めて少ないといわれる。しかし、模倣の貧困さの原因は、他者を自 己に働き掛けてくる存在として捉えられているのか、同じ時間に同じ行為をや っているという共感性が社会的報酬として有効に働いているのか、など複雑な 問題を含み、充分に解明されているとは言えない。. ノ。泌傭ε纏。η行動の研究からも自閉症児の4εc1αr磁vεな行動の欠如を示す結. 果が得られている。ノ。厩 α舵漉。η行動は、自己・他者・対象の三項問の注意. の交換であり、具体的には子ども・療育者が一対関係の中で相手と外界の対象 (おもちゃなど)との間を体験を分かち合うようなr醜Zε漉α1100煙yθgαZθ♪と. して表現する行為とされる。また、凝視だけでなく、態度や雰囲気等様々な属 性を持った概念としても使用される。 別府〔1996)は、自閉症児におけるノ。’η∫傭8漉。η行動としての「指さし」の. 9.
(12) 理解の発達を健常児と比較した。自閉症児は、対象指示機能理解と応答の指差 し理解は可能なこと、 「指さし」において共有確認行動をしないことが示され. た。このことから、自閉症児が「伝達意図を持った存在としての他者意識」を 伴うノ。謝傭8漉。η行動は成立していないと述べている。. 他者の指さし行動の理解は、健常児では生後7∼8ヶ月頃から見られはじめ 初期は母親に抱かれている時のように、他者と一体になっている時、場面や注. 意を共有しているときに成立しやすく、10ヶ月頃までに殆どの者が理解する. とされている。一方、自発的な指さし行動は、8∼gヶ月から始まり、18 ヶ月迄に100%の子どもが何らかの指さし行動を行う(小林,1980)とされて いる。. 秦野(198のは、 「指さし」行動を指先の延長線上にある対象を、周囲のあ. る他の事物から抽出し、特定して指し示す行為としている。また、対象物を指. さす行動は、①視線②到達行動、③手の形態の分化、④指さされた物を注視 する機能(他者の指さし行動の理解)などの前兆となる行為の発達が重要であ るとしている。. 1980年代以降に盛iんに行われた自閉症児の基底障害の研究としては、自閉 症児にごっこ遊びが成立しないことなどから、自己の他者との関係において他 者の心の状態が読みとることができないというβαroη.Co舵ηら(1985)が掲げた. 「心の理論」欠如説がある。以降、多くの研究者がその問題の解明を試みたが 現在においてもその存在の議論が続いている。. 以上のように、自閉症の研究は、その障害の定義、基底的な障害の存在の有 無、発達における問題などが様々な方法によって研究されている。しかし、現 在においても多くの問題点が指摘されている。. 実際には、これらの問題点を残しながら、自閉症児の行動変容の試みは行わ れなければならないといわざるを得ない。. 10.
(13) 2)自閉症児の行動改善と動作法 自閉症児の行動改善においては、自閉症の原因論が不十分なまま、多くの取 り組みが行われている。. 従来から、遊戯療法や感覚統合訓練、行動分析学的・行動療法的アプローチ、. 薬物療法など様々な治療・訓練が試みられてきた。近年は、学習課題の個別化. や構造化した教材・環境などを用いる四CCHプログラムが効果を上げてい るとの報告(内山・青山・古屋ノgg4)がなされている。. しかし、多くの治療・訓練方法においては、自閉症児が、その行動特徴であ る他者との社会的な交流がうまく行えないことによる導入の困難さの問題も指 摘されている。. 自閉症児の行動改善に動作法訓練が多く行われていることを前項に述べた。 しかし、自閉症児の行動変容に及ぼす動作法の効果については、動作法を適用 した結果、時期を同じく、または少し遅れて現れた行動の変化を動作法の効果 として推測せざるをえなかった。. 浅井αg82♪は、課題回避反応の強い自閉症児に腕上げコントロール法を適 用し、応用行動分析学に基づく治療場面において効果があると報告した。しか し、この研究では、回避反応の低減に効果を認めているが、動作法の相互交渉 との対応関係は不明確である。. 今野(1982)は、腕上げコントロール法を適用した訓練の経過を第1段階 (受容期)、第2段階(集中期)、第3段階(拡大期)、第4段階(主動期) の4期に分けた。彼は、第1段階には、多動・固執行動の低減、人や物への興 味関心の出現、指差し行動の出現等。第2段階には他児の行動の模倣、自発的 要求語の出現等。第3段階には、2段階に変化した行動の維持と一部の行動の 退行等。第4段階には、集団遊びへの参加、協応動作の進歩、要求語の増加等。 を挙げ。訓練の進行段階と行動の変容の関係を示している。. 小田(1gg3♪は自閉症児の訓練の経過に伴う「姿勢」の変容過程と学校にお ける課題学習活動の行動の変容との対応関係を報告した。. 11.
(14) 貴志・上田・小田αgg6)は、訓練者の主観的な相互交渉の変化が、教師と 子どものやりとり学習、子ども同志のやりとり遊びの行動の変容に対応してい た。と報告した。また、その学習課題を成立させるには、必要な人を注視した り、人の動作を模倣したりすることが必要なことから、それらの行動の変容と 動作法訓練の効果の関係を示唆している。. 笹川α997)は、母子相互交渉の分析を通して、ダウン症幼児が、当初、母 親からの一方的な働きかけで遊びが成立していたが、動作法の相互交渉の進行 に伴い、子ども先導の働きかけが増加し、遊びが成立するようになったと報告 している。しかし、自閉症幼児は先導する行動の増加が殆ど見られなかったと している。この研究は、動作法の相互交渉の変化と客観的な行動の変化を対応 させているが、相互交渉の変化は、大まかな時期分けによって論じており、詳 細な分析は行っていない。. 近年、動作法の及ぼす効果の研究においては、行動の変容をより客観的に記 述する工夫が見られてきた。. しかし、動作法の相互交渉の分析の研究は、訓練者の主観に基づいた「訓練 者の働きかけを被訓練者が受容できる様になってきた」時期、 「やりとりを継 続できるようになってきた」時期、 「やりとりを楽しそうにできるようになっ. てきた」時期、 「訓練者の援助やからだへ注目が早くできる様なってきた」時. 期など、大きく時期分けをしており、その評価の再現性から客観化を試みてい ることが多い。. しかし、自閉症児の行動変容と動作法訓練の効果の対応関係は、まだ充分に 明らかされているとは言えず、動作法訓練において生じている訓練者・被訓練 者の相互交渉についても、今後の分析が必要があると考えられる。. 12.
(15) 3)自閉症児に対する動作法の適用の妥当性 動作法は、自閉症の成因に基づきプログラムされた訓練方法でない。しかし、. 動作法は、非言語媒体・身体接触における直接的相互交渉を特徴とし、他者と の言語を通した交流がうまく行えないことによる導入の困難さの少ない訓練方 法である。. 障害児教育場面では動作法訓練が自閉症児に対して多く適用されているが、 その適用の背景には以下のことが考えられる。 ・動作課題は、身体接触関係(皮膚感覚、筋運動感覚)を通して行われる。. 自閉症児が感覚異常を伴うとするのであれば身体接触の過敏性に対して細 心の配慮を払う必要がある反面、直接的に感覚の受容や定位に関する訓練 を行っていることになる。 ・動作課題は、弛緩を中心に始められる。. 自閉症児の身体に慢性的、または肢体不自由児の類似した身体運動を妨げ る緊張状態があるのであれば、緊張の弛緩は有効であること考えられる。. 心理療法に適応されていることからも、心的リラクセイションをもたらす ことができると考えられる。. ・動作課題は、各課題において回訓練者が、目標として自己の身体の望ましい 動き、望ましい姿勢が常に訓練者から具体的に示される。. タテの姿勢は重力に対する自己の身体の最も合理的な位置づけ方であると され、その具体的結果として、不要な緊張が生じ難いなど身体に望ましい 変化をもたらすものとされる。. ・動作課題は、その結果だけでなく過程も課題として位置づけられる。. 自閉症児は、結果として同じ行動を遂行しても、感情等に乏しい行動を行 うことが多い。. 動作課題は、ある特定の姿勢や動きを達成することだけを評価するのでは なくその人の「努力」の過程について援助する。 ・動作課題は、対人関係の中で進められる。. 自閉症児の行動の特徴として、与えられた課題を他者との関係の中で遂行. 13.
(16) することが難しいとされる。訓練は、必ず訓練者と被訓練者の関係の中で 成立する。 ・動作課題は、身体について訓練者・被訓練者双方が同じ部位・時間を共有し ている。. 訓練においてのコミュニケーションは、訓練者・被訓練者の双方が同じ接 触する部位に注意を向け、その部位を通してコミュニケーションが行われ る。自閉症児は、人と人との関係の中で間に共有したものの操作が不得意 とされる。 ・動作課題は、自己の心身のコントロールを目指している。. 訓練においては、被訓練者の主体的な努力の過程が重要とされる。訓練に おいてその援助は、全て被訓練者の能動的な努力を促進するために行われ るとされる。. 上記のような訓練と自閉症児障害特性との対応関係が見られること、多くの 臨床場面で自閉症児の行動に変容をもたらすことが報告されていることから、 動作法訓練は、自閉症児の訓練法として適用するにあたり妥当性の高いもので あることが考えられる。. 14.
(17) 4.本研究の目的 自閉症児に対する動作法の効果は、客観的な行動の変容との対応関係が示す 研究が少なく、未だ「体験」を仲立ちにした説明に頼らざるを得ない。. 動作法訓練における相互交渉の様相が、明らかにされていないことは、訓練 者が訓練を習得する上でも経験的に解決していかなければならないことが多く あることを示している。. 訓練における被訓練者の望ましい行動の変化は、的確な援助を呈示する訓練 者の行動との間に関係が深いと考えられる。しかし、課題に拒否や抵抗の強い 自閉症児に対しては、訓練者がどの様な援助が有効であるかについての知見は 充分であるとは言い難い。. 従って、本研究において自閉症児の行動の改善に及ぼす動作法訓練の相互交 渉効果を明らかにすると共に、相互交渉の分析を行うことにより従来のが経験 に頼ることの多い動作法訓練における訓練者の援助方法についても示唆が得ら れると考えられる。. 〈本研究の目的〉. 本研究は、以下を目的とした。. 動作法訓練における訓練者と被訓練者間の相互交渉と自閉症児の行動変容と の関係から自閉症児の行動変容に及ぼす動作法の効果について検討を行う。. 15.
(18) ll. 方 法 本研究おいては、4名の自閉症児に対して、心理リハビリテイションキャン プ(集団集中宿泊訓練)において「動作法訓練」が導入された。. 以下の実験デザインに基づき、動作法訓練の記録・分析、般化課題の記録・ 分析が行われた。. 1.参加者(被訓練者). 1)参加者のプロフィール 参加者は、現在までに自閉症及びその傾向があると医療機関等において診断 され、日常行動においても対人コミュニケーションが乏しく、こだわりが強い、. などの特徴を示す男児4名であった。 いずれの参加者も、動作法集中訓練への参加は初めてであった。. 参加者の性別、暦年齢、発達年齢は、7励18L1−1に示されている。 発達年齢は、KIDS乳幼児発達スケール侮η4θ71ヵ吻η∫Dεvε1gρ〃2εη∫α15cα1εノ. 1YPE T:発達科学教育センターノ991♪によって求められた。 記入者はいずれも母親であった。. 実験者が行った㎝3‘C観〃3004加”3〃∼1∼α珈85cα1ε)の結果が距わ18工[一1−2 に示された。. 本研究の4参加者は、いずれも自閉症と診断される基準を満たしていた。. 16.
(19) 乃漉1み1−1参加者のプロフィール Pα若」腔 性別∫ε曜. 暦年齢C4,. 発達年齢Dん. PαAFσ. 祝αzε. 溺α∼ε. 10’05. 9’07. PαLMO. Pαハル望. 規α1ε. 那α18. 13’04. 15’03. 運動 操作 理解言語 表出言語 概念 対子ども社会性 対成人社会性 しつけ 食事 総合発達. 2’09 5’05 5’00 3’10 3’00 5」04 1」05 5」07 4’03 1」08 2」02 0’07 0」08 0’08 1」06 3’02 2’00 2’02 2」00 3’00 1’01 1’11 1’06 1’02 1’05 2’04 1’02 1/06 4’00 4’01 3’10 3」07 2」05 0’11 2’03 2」00 1’10(y’〃り 3」06 2’06 1」08 (*参加者名は、訓練実施期日の早い順に記されている。) 距う181匹1−2 参加者のC4R5得点 Pα監MY. ①人との関係 ②模倣 ③情緒反応 ④身体の扱い方 ⑤物の扱い方 ⑥変化への対応 ⑦視覚による反応 ⑧聴覚による反応 ⑨味・嗅・触覚反応 ⑩恐れや不安. PαLFσ. 3 3. 25. 2.5. 2.5. 2. 25. 2. 2.5. エ5. 25. 3. 3 3. 2 2 2. 2.5. 3.5. 25. ⑪言語性コミュニケーション. 3. 3.5. ⑫非言語性コミュニケーション. 2. ⑬活動水準. 3 3. 3 4 2. 3 42. 39. ⑭知的機能水準とバランス. ⑮全体的な印象 合計得点. αRD5総得点は、. 25. Pα若MO. 25 25 25 2 2 3 2 2 エ5. 2 3 2 3. 25 2 35. P砿ル望. 25 3. 3 2. 25 2. 25 2 3 2.5. 35 25 3 2 3. 39. 15∼60の範囲を取り、30点以上を軽・中度自閉症、 37点以上を 重度自閉症と分類している。. 17 一.
(20) 2)参加者の行動特徴. ①MY(10、05) Myは、言語理解・表現能力は比較的高いにもかかわらず、人への自発的な 要求言語は少ない。人との感情的交流は殆どみられることが少ない。他者から の簡単な指示言語は理解できるが、他者の指示に応じにくく、特に生活の時間 の変更などは受け容れにくい。印刷物やテレビ放送に関わって一人で過ごして いる時間が多い。自己の要求が他者に受け容れられないときは、他者に対して 攻撃的な行動をとることが多い。. 2才頃、呼んでも振り向かないことから家族が障害に気づき、母親が亡児を 相談機関に受診させ、本児は、精神発達遅滞と診断された。また、就学前に本 児は、自閉症との判定を受けた。. 小学校普通学級に在籍し、一部小集団の学習指導を受けている。学校生活で は、登下校など自立行動の増加と集団活動への参加が望まれている。家庭では、. 強い固執行動の低減や他者への危害の低減が望まれている。. ②FU(9、07) Fσは、言語表出が少なく、不快なときには「たたた…」と表現する。しか し、最近、徐々に語彙数は増加している。腕時計など特定の物に興味を持ち、 衝動的に他者のものを取りに行くことが多い。自己の行動が制止されるときに は、泣いて走り回ったり、その場を逃げ出すことが多い。日常の遊びは、物を 操作したり、絵を描くなど一人遊びすることが多い。. 2才頃、呼んでも振り向かないことから母親が障害に気づき、相談機関に受 診し、本組は、精神発達遅滞との診断を受けた。また、就学前に、言葉の遅れ、. 多動、こだわり行動から、相談機関において、本意は、自閉症との判定を受け た。. 養護学校に在籍し、学校生活では、集団活動への参加が望まれている。家庭 では、自己表現行動の増加と固執行動の低減が望まれている。. 18.
(21) ③MO (13,04) MOは、独り言を途切れなく、一方的に発していることが多い。 欲しい物があると他者の手を引いて要求することが出来る。また、イやなと きには「イッイッ」の言語表出とともに顔をしかめることが出来る。欲しい物 が手にはいると手を叩いて喜ぶような行動を発することがある。文字を書く一 人遊びが多い。その時は、周囲からの働きかけに対して殆ど反応しない。 他者が何か要求すると、その場を逃げ出そうとする行動をとることが多い。 自分の腕を咬んだり引っ掻く自傷行動を行うことがある。. 乳児期にミルクや食べ物に興味が少なかったり、人に微笑みかけることが少 なかった。2才前馬から、多動が始まった。言葉の遅れから相談機関に受診し、. 三児は、精神発達遅滞と診断された。その後、こだわりが強くなり、相談機関 において自閉症との判定を受けた。. 養護学校に在籍し、学校生活では、固執行動の低減と集団活動への参加が望 まれている。家庭では、固執行動の低減や自己表現行動の増加が望まれている。. ④NA(15、03) ル望は、表出言語は少ないが、自分の欲しいものを言葉で要求することある。. また、ジェスチュアーを交えて要求することがある。しかし、場所や時間を問 わず一方的に要求する。また他者の注意を引くために、要求が充足されても何 回も同じものを要求することが多い。感情表出は乏しい。. 物に固執する行動が多く見られ、その行動を他者に阻止されると激しく抵抗 を示す。現在、服を常に咬む行動等と頻尿が問題行動として見られる。. 2才頃、言葉の発達の遅れに家族が気づき、保健所に相談した。その後、医 療機関において、本児は知的発達の遅れ、自閉症との判定を受けた。. 養護学校に在籍し、学校生活では、固執行動の低減と集団活動への参加が望 まれている。家庭では、強い固執行動の低減や自己表現行動の増加が望まれて いる。. 19.
(22) 2.動作法訓練 1)動作法訓練実施期間 動作法訓練実施期間は、距わ18∬.2−1に示された。. 距漉π2−1 動作法訓練実施期間 実施期日. Pαπ’c伽鷹. 1gg7年 7月31日 ∼. 8月 5日. Fσ. 1gg7年8月25日 ∼. 8月30日. ルfO. 1gg8年 7月31日 ∼. 8月 5日. 棚. 1gg8年8月24日 ∼. 8月29日. 動作法訓練:は、心理リハビリテーション認定キャンプ(集団宿泊集中訓練キ ャンプ)のスケジュールに基づいて実施された。 (珈ρθη4㍑1参照). 動作法訓練は、1セッションを50分として行われた。. 6日間に以下の日程. により、計14セッション行われた。. Zαわ1eI1」2−2 動作法訓練実施日程. 第1日目. インチイク(課題設定)、訓練∬1. 第2日目. 1訓練. ∬ 2、. ∬ 3、. ∬ 4. 第3日目. 訓練 ∬5、. ∬ 6、. ∬ 7. 第4日目. 言川糸束 53 8、. ∬ 9、. ∬10. 第5日目. 訓練 ∬11、. ∬12、. ∬13. 第6日目. 田川練. 5314. 実験者は、訓練者として訓練キャンプに参加し、全訓練を行った。. 20.
(23) 2)動作法訓練実施場所 堀MOの訓練は、大阪府立勤労青少年研修センター(大阪府泉佐野市)、 Fαル1の訓練は、兵庫県立丹波少年自然の家(兵庫県氷上郡)において行 われた。いずれも、訓練は大研修室など広いスペースに訓練:用マットを敷き、. 1班5名程度、2∼3グループで共同して使用された。. 3)動作法記録の方法 動作法訓練は、全てVTRによって録画された。また、各セッション終了後、. 訓練者の記述等によって動作法訓練が記録された。また、随時第3者(スーパ ーバイザー)の記述によっても動作法訓練が記録された。. 動作法訓練は、VTRにより、訓練者・被訓練者(参加者)の2者の映像、 および、隅rε18∬雌cro卿。ηによって収音された訓練者の音声が、ビデオテー. プに記録された。音声記録部分には、課題援助行動の始発のマーキング及び、 心々練者の行動に関する訓練者の口述説明が記録された。. (音声データ). 珊陀1ε∬ .4ルπ『.. 77Rで81π吻 (画像データ). Cα1ηerα. 一 u予 〃〃ε1θ∬τrαη3〃π惚r. 動作法訓練 _/ 傾crρ帥。η). 蝋画練者←相互交渉→訓練者. 況g.π2.1 ビデオ記録装置. 21.
(24) 4)動作法の訓練内容 本研究においては、動作法訓練の効果が、セッションの進行と共にどの様に 変化していくかを見る為に、訓練期間中、全てのセッションにおいて、以下の 課題動作が実施された。. 以下の2課題は、全ての参加者に対して、全てのセッションで実施された。 この2課題は、1セッションの内、訓練時間の大半を占めた課題であった。. ・躯幹の捻り弛め課題. 訓練者は、被訓練者を側臥位させ、被訓練者の腰部を固定保持し、被訓練者 の躯幹部(肩・背・腰)を回外方向に援助し、躯幹部位の緊張を弛緩させた。. F匁1匹2−2躯幹の捻り弛め. この課題では、躯幹部位の慢性的緊張部位の弛緩、反らし方向の可動域の拡 大、対援助制御性の向上、自己弛緩動作の獲得などがねらいとされた。. この課題姿勢は、被訓練者の腰部以下の部位を固定保持することによって、 緊張の部位を被訓練者に意識させやすい姿勢であるとされる。. 22.
(25) ・腕あげコントロール課題. 訓練者は、被訓練者を仰臥位にさせ、被訓練者の肩甲部を固定した上で、被 訓練者の上腕・前腕・手部に対して訓練:者によって援助が与え、頭上方向に挙 上又は体側部、足部方向に下降させた。. 捌8.π2−3腕あげコントロール課題. この課題では、肩・腕部位の慢性的緊張部位の弛緩、援助に合わせて腕の動 きの制御、被訓練者による主体的な腕の制御の獲得などがねらいとされた。. この課題姿勢は、腕以外の部位の拘束が少なく、回訓練者が緊張を意識し、 被訓練者の能動的な動きの発現が、訓練者に分かりやすい姿勢であるとされる。. 23.
(26) 以下の課題については、訓練実施時間が短く、訓練経過の継続的な観察が困 難であった。しかし、訓練記録は、相互交渉の分析に含まれた。. ・膝の曲げ伸ばし課題. 訓練者は被訓練者を立位姿勢を取らせ、上体部を保持した上で、被訓練者の 腰部・脚部・足部に対して援助を与えた。被訓練者の上体部をまっすぐ保持し ながら股:・膝・足首の各関節の動きを行わせる手続きをとられた。. この課題では、体幹を抗重力方向に保持する為に重要な腰部の入力・弛緩、 その維持が主たるねらいとされる。訓練者の援助に合わせて動作を発現する相 互交渉がねらいとされる場合もある。. ・その他のリラクセイション課題. 訓練者は被訓練者の緊張部位の周辺部位を固定し、援助によって、緊張部位 の弛緩をさせた。. 被訓練者にあぐら座位を取らせ、腰部を支持し、上体部を後方に弛緩させる 「上体反らし」課題、肩甲部位を後方に反らす「肩反らし」課題、腕・肩甲部. 位を上昇・下降させる「肩上げ」課題、訓練者は被訓練者にあぐら座位または 楽座位をとらせ、股関節を弛緩させる「股ゆるめ」課題を実施した。. ・やりとり課題. この課題では、被訓練者は姿勢の保持、弛緩を特に必要としない。被訓練者 は、訓練者と身体接触関係を保ちながら、訓練者の意図する動きのさせること が要求される。回訓練者は、訓練者と対面し、掌を圧す引く動きを訓練者の援 助に合わせて行う「掌の圧し引き」課題、両手を繋ぎ、押す引く動きを訓練者 の援助に合わせて行うボート漕ぎ様の「ギッコンバッタン」課題が実施された。. 24.
(27) 5)動作法の分析方法 動作法訓練は、全てのセッションがビデオテープに記録された後、以下の処 理が行われた。. A.訓練従事時間. πg.π2−4に示すサンプリング方法に基づき、全ての記録の1/3が抽出さ れ、以下のカテゴリーに基づいて分類された行動に従事していた時間が測定さ れた。. 各カテゴリーに分類された従事行動の時間の全抽出時間に占める割合(以下、 従事時間と略記する。)が求められた。. 従事時間の分析カテゴリー ①課題動作行動……… 動作課題を行う為に被訓練者に姿勢の保持 (ブロック)が行われいる。. 且つ、課題動作が行われている。. ②課題従事前行動 … 訓練者の接触は受け容れている。 しかし、課題動作姿勢の保持はされていない。 ③逃避等行動…・…・ ・身体接触関係が見られない。. 25.
(28) B.合図行動開始率. E8.112−4に示すサンプリング方法に基づき、録画された全て記録の1/3 が抽出され、各セッションの課題行動従事時間内における、. ①訓練者の呈示した行動始発合図数 ②回訓練者の合図合致開始行動数: の頻度が測定された。. 以下の数式によって、合図行動開始率が算出された。. 回訓練者の合図合致開始行動数 ×100 訓練者の呈示した行動開始合図数. 合図行動開始率(%)ニ. 全ての記録の1/3の抽出法(サンプリング)は、躍8。∬.2−4に示されてい る。1醜〃は105εα問の記録を意味している。. 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. …》. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15 16 17 18 ・. ・i碁:1,腱 鞠 灘1. 14∼16分sampliロg. 一難__灘翻・・晶・一三、遍 9596 閥0.123456 茄g.、匹2.4サンプリング方法. 26.
(29) C.訓練者・被訓練者の各評定行動頻度. ・訓練者(T)の行動 訓練者が被訓練者に、働きかける援助行動は、以下の基準に基づき、分類カ テゴリーに基づき分類、各カテゴリーに分類された行動の頻度が測定された。. 訓練者(T)行動の分類カテゴリー T1:肯定援助……Cが始発した動きに追随、肯定的評価をしている。. T2:始発援助……Cの始発を促す合図、動きを呈示している。 T3:モデル援助…課題となる動作の動きを呈示している。 T4:制止援助……Cが始発した動きに制止、否定的評価をしている。. ・被訓練者(C)の行動の変化 被訓練者が、訓練者に働きかけた反応行動は、以下の基準に基づき、分類カ テゴリーに基づき分類、各カテゴリーに分類された行動の頻度が測定された。. 被訓練者(C)行動の分析カテゴリー C1:能動反応……Cが課題行動を始発後、その動きを継続している。 (追随). (Tの接触は保たれている。). C21始発反応……Tの合図、動きに合わせて課題行動を始発した。 (合わせ始発). C3:受容反応……Tの動きを受容して動かされている。 C4:拒否反応……Tの動きを受け容れない。無視している。 課題以外の行動を行っている。. 27.
(30) D.訓練者・被訓練者の相互交渉(丁→C)Dα4頻度. 録画された全ての記録の1/3が抽出され、各配纏において、最初のT→ C行動の連鎖(功α4)が記録された。. 訓練者(T)行動、被訓練者(C)の行動は、以下の基準に基づき、分類カ テゴリーに基づき分類、各カテゴリーに分類された行動のρyα4頻度が測定さ れた。. T16 T2 T3 T4. 「そうそうその調子」と被訓練者の行動を認める行動。. 「1,2の3」など乙訓練者の動きを始発させる行動 「こうだよ」と呈示する行動。. 「その動きじゃないよ」と制止、追随する行動。. C1:Tの意図する行動の発現し、継続している行動。 C2:直後に望ましい動きを発現した行動。. C3:受動的に訓練者の動きを受け容れているとき。 C4:拒否抵抗の行動。または課題行動が逸脱した行動。. 28.
(31) 功α4は、訓練者行動(T)が固定された時に、被訓練者行動C1∼C4は 決定され、Tη→Cηρyα4(ヵ=1∼4)と表現された。. ここでTη→Cηρyα4は、F’9.π2−5に示されたとおり1の碑8rη5伽× ん。♪抽出可能であった。. 々=Tの援助行動カテゴリー数‘4) ん。=Cの反応行動カテゴリー数‘4). 訓練者行動. @ ↓. 刀 ?bI C2 C3 C4. η. 刀. 撃bI C2 C3 C4. ッCI C2 C3 C4. 四. ッCI C2 C3 C4. 甯P練者行動. F’g∬一2−5 T→C 1)ッα4. 上記の手続きによって得られたρy副は、セッション毎に各駅磁頻度が、 求められ、セッション毎のDyα4頻度の最頻値が求められた。 各セッションの最頻値を示したρソα4は、セッションの進行に伴う変化が、 ρソα4の種類、セッション数のマトリックスとして表現された。. 29.
(32) F.訓練進行の主観評定段階及びエピソード記録. ビデオテープに録音または、各セッションの訓線終了直後の訓練者の記述に よる記録は、以下のとおり分析が行われた。. 各課題動作毎に、各セッションにおける訓練者の主観評定段階と自由記述エ ピソードが記録された。. ①主観評定段階 腕上げコントロール課題、躯幹の捻り弛め課題の記録は、それぞれ、. セッション毎に訓練者の主観によって以下の分類カテゴリーに基づき分類され た。. 段階3:被訓練者からの能動的なやりとりが主に見られたセッション 段階2:被訓練者がTの動きに合わせたやりとりが主に見られたセッション 段階1:訓練者主導でさせたやりとりが主に見られたセッション. ②自由記述に基づくエピソード記録 訓練者の自由詑述に基づく記録は、各セッションにおける最もトピック ものを抽出し、以下の内容別に分類された。. 30.
(33) 6)信頼性の測定 評定に伴う信頼性は、VTR記録されたデータより、観察者(訓練者)と実 験の主旨が知らされていない評定者(第三者)1名の2名の評定者によって一 致率が求められた。. 但し、動作法訓練:の分析における評定者は動作法訓練の経験のある者とした。. 一致率は以下の数式によって求められた。. 一致率αで%)=100×同意数/(同意数+非同意数). 動作法課題の分析においては、無作為に抽出した各被訓練者の1セッション 分のデータにおいて第3者との一致率が求められた。. 以下に動作課題評定の一致率が示された。. 距わ1ε∬一2−3 動作課題評定の一致率 Fσ. MO. 棚. 課題従事時間 g&5 合図開始率 92.3 訓練者・被訓練者行動 82.1. 9713. 922. 86.1. 97:2. 9α1. 896. 87:0. 89,4. 92.4. T→C 1:∼yα4. 9i5. 8&5. 84.5. 齪. 92.5. 31. (%ク.
(34) 3.般化課題 1)般化課題実施期間 般化課題は、Bα5θ伽θ期に3セッション、動作法導入期に4∼5セッション、 維持期に2セッション行われた。 それぞれのセッションは、以下の肋わ18Zπ一3.1の通り実施された。. 距わ1θπ3−1般化課題実施セッション. 訓練導入期. 動作法の訓練を導入する1ヶ月前 1週間前 訓練導入直前 訓練2日目∼6日目. 維持期. 動作法訓練期問. Bα5θ伽ε期. 1ケ月後 3ヶ月後. 丑乙1 BZ 2 、BL 3. ∬1∼5. PRl PR 2. ただし、 「身振りの模倣テスト」のみは、動作法訓練開始前日ψr部8調と 全訓練終了直後ψ03レ彪30に実施された。. 2)般化課題実施場所 罵MOの般化課題は、動作法訓練期には大阪府立勤労青少年研修センター (大阪府泉佐野市)において実施された。βα∫8伽θ期及び維持期には、MYの. 般化課題は大阪府熊取町公民館(大阪府泉南郡)、MOの般化課題は、泉佐 野市立生涯学習センター(大阪府泉佐野市)において実施された。. Fαル望の般化課題は、動作法訓練期には兵庫県立丹波少年自然の家(兵庫 県氷上郡)において実施された。βα3ε伽ε期及び維持期には、Fσの般化課題 は、兵庫教育大学(兵庫県加東郡)、小野市立小野養護学校(兵庫県小野市)、. 醐の般化課題は、宝塚市立宝塚養護学校(兵庫県宝塚市)、兵庫県立阪神養 護学校(兵庫県西宮市)において実施された。. 般化課題は、いずれも、研修室など騒音などの刺激の少ない部屋に訓練用マ ットを敷き、訓練者、被訓練者で実施された。. 32.
(35) 3)記録方法 般化課題は、全てVTRによって録画され、分析が行われた。. 4)般化予想課題の手続き及び分析の方法 A.人への始発行動課題 訓練者との2者間で、5分間の自由遊びが実施され、被訓練者の人(訓練者) に対する始発行動の頻度が測定された。. (手続き). 1♪訓練者は、丁丁練者を刺激の少ない部屋に入室させ、着席(床)させる。 2♪訓練者は、被訓練者に玩具を見せる。 3,訓練者は、被訓練者を呼名し、 「先生と一緒にあそぼ」と教示する。. 4)盛期賓一匠圓一匡圓に位置が取られ、訓練者の視線は子ども、玩具に向けられる。 5)5分間、訓練者は、被訓練者に積極的な働きかけをせず、働きかけを待つ。 (被訓練者が場所を離れたり、危険な行為の時は制止され、のより再試行された。) *実験に用いた玩具は以下の物であった。. (分析方法). 「始発行動」は以下の行動とされ、セッション毎の合計頻度が測定された。 「始発行動」. 接近行動………訓練者に近づく、手を伸ばすなど接近・接触を求める行動. 相手注視行動…訓練者に視線を向ける行動 対象物注視行動…遊びを成立させる玩具を視線を向ける行動 道具呈示………遊びを成立させる玩具を訓練者に呈示する行動 微笑み…………訓練者に向けて微笑み掛ける行動 言葉掛け………言語によって訓練者の注意を引く行動 Gε5伽r8…………副ll練者に要求する身振り等の働き掛ける行動. 33.
(36) B.人への指示要求行動課題. 訓練者の指差しによって、訓練者が要求している物品が特定できない場面が 設定され、訓練者の「指差し」+「あれとって」の指示が被訓練者与えられた。. この時、被風練者からの「どれを取るの?」と物品を特定するように訓練者 に指示を要求する行動の出現頻度が測定された。. (手続き). 1)約1m離れたマットの上に参加者のよく知っている身近な物品が5個置かれる。 5物品は、訓練者の指さしの方向定位によって物品が被訓練者から 特定できないように一山にかためて置かれる。 2)訓練者は被訓練者の左隣に並行して座る。. 3♪訓練者は、被訓練者を呼名し視線があったことを確認した後、物品の山に向かって、 指差し+言語指示「あれとって」と教示する。 4)指示後の行動を待つ。. もし、鮮烈練者が、正しい(訓練者の意図した)物品を取ってきた時 「ありがとう、これが欲しかったんだよ。」と言語賞賛する。 もし、被訓練者が、誤った(訓練者の意図しない)物品を取ってきた時 「ちがうよ。」と受け取らない。. もし、動かない。他の所へ行く時には 「はい、それじゃもう一回言うよ。」と 3)より再試行する。 」り物品をrα〃強聴に12試行実施する。. (12試行中必ず、3∼4物品は正答として受け取ることとした。). (分析方法). 指示要求行動は、以下の行動とされ、セッション毎の頻度が測定された。 指示要求行動の分類カテゴリー 789粥∬行動……訓練者の手を物品に近づけて特定しようとする行動 物品の前で正誤を確認する行動 (訓練者の顔を見る、物品を見せ示す等). 伽〃露θ4伽θ行動…物品を単独で即座に決定し、訓練者に物品を手渡す行動. 34.
(37) C.運動模倣課題. 訓練者は被訓練者に「手の回し下げ行動」を呈示し、訓練者の呈示時間と被 訓練者の反応時間がそれぞれ測定された。. (手続き). 1♪訓練者は被訓練者と、約50c〃∼離れて対面して立つ。. 2,呼名し視線を合わせ、 「先生の“まね”してね。」と教示する。. 3♪訓練者は、両腕を上方垂直に指先まで伸ばし腕を挙上、頭上で止める。. 4)被訓練者にも腕を挙げさせる。※手を挙げないときは、身体介助で挙げさせる。 5♪被訓練者が両手を上げたら、 「下げるよ、合わせてね」と教示する。. 6)訓練者は、 「1・2のサン」の言語合図で、訓練者は腕を下ろし始める。. り訓練者は、腕を大きく下方へ回旋させ、足部体側に掌をつける。 (約3秒or 6秒or 12秒の内、1種類の速度の動きがランダムに呈示された。) 8,修正・評価は行わない。被訓練者が動きを止めたら、次の試行を行う。 呈示開始から呈示終了までの時間は、. (分析方法). 1セッションは12試行とされた。 各試行において、訓練:者の行動呈示開始時間と行動呈示終了時間との差が 「呈示時間」、被訓練者の行動開始時間と行動終了時間との差が「反応時間」 として、ビデオ記録画像から測定された。. また、以下の式によってS−R時間が求められた。. S−R時間=1(呈示時間一反応時間)/呈示時間1 (以下、S−R時間とは、セッション平均S−R時間のことを指すこととする。). 35.
(38) D.身振りの模倣テスト. 被訓練:者に、 「身振りの模倣テスト」μβεrg25,1972)が実施にされた。. テストは、簡単な身振り20項目、複雑な身振り16項目によって構成されてい るものであった。 (テスト詳細は、巻末吻ρθη4㍑2に記載された。). (手続き). 1♪検査者(訓練者)は着席、子供(被訓練者)は、適切に近くに立たせる。 2♪子供(回訓練者)の手は、各テストの間、ηθ碑α1な位置においておく。. の検査者は、子どもと約加離れて立ち、自ら腕の運蘭をして子どもに模倣させる。 4)検査者は、 「これから先生のすることをよく見て、. あなたの手でしてください。」と教示する。 5)検査者は、呈示刺激を充分(子どもが動きを見せるまで)見せる。. の 検査者は、呈示開始10秒後「はい、いいですよ、手を降ろしましょう。」教示し 検査者の手をηε厩rα1な位置に戻す。. (子どもが手を降ろしたら、次の刺激の呈示する。). (採点方法). pαπ1ω‘b♪簡単な身振り20項目、翫π2複雑な身振り16項目のテスト項 目が、それぞれ項目毎に以下の基準に基づいて採点された。. 魎:即座に模倣伽〃2ε4妨8、段階的に模倣8rα伽01、非鏡像ηoη覗ヶror に関わらず最終的にできれば成功。 (各1点を与える。). 医■國:全体的な失敗∫o魏1・一方のみ。陥r∼8勉。陪1《雅・. 位置の異常めεrr傭po鍬r8∫. (各0点与える。). 36.
(39) 距わ1θII.3.2に身振りのテストの標準得点が示された。標準得点に対照し、. 各被訓練者における標準通過年齢との対応が求められらた。 肋1ε1匹3.2 身振りのテスト標準得点 下位25%/平均/上位25%. 3才. Pαπ2 (Y). Pαπ1 (X). .4ε. 6. 9. 下位25%/平均/上位25%. 12. 4才 12 15 18 5才 16 18 20 6才 19 20 20. 1 5 7. 3 6 9. 4 8 12. 10. 12. 13 (点). E.その他の行動記録(保護者聞き取り記録). 動作訓練終了1ヶ月後に、保護者に対し、訓練終了直後から1ヶ月間の日常 行動の変化のエピソードが聞き取りによって記録された。 記録されたエピソードは、被訓練者、内容毎に整理が行われた。. 5)信頼性の測定 般化課題の評定に伴う信頼性は、VTR記録されたデータより、観察者(訓 練者)と実験の主旨を知らされていない評定者(第3者)1名の2名の評定者 によって一致率が求められた。 一致率は以下の数式によって求められた。 一致率α(%)=100×同意数/(同意数+非同意数). 般化予想課題における信頼性については、無作為に抽出した1セッションの データにおいて一致率が求められた。一致率は以下に示された。. 距わ1ε∬3.3 般化予想課題評定の一致率. 遊び始発行動課題. 班. Fσ. 925. 955. 指示要求行動課題. 37. MO 925 895. 醐 90,0. 915. (%,.
(40) lll結 果 1.動作法訓練の分析結果 A.訓練従事時間 訓練従事時間は、方法(R25)の分類カテゴリーに基いて分類され、各カ テゴリーに分類された行動のセッションにおける出現比率が以下に示された。 セッションは、前期(∬1∼∬4)、中期(∬5∼∬8)、後期(∬g∼∬10)、. 終期(躍∼…2)に分けられ・その平均値が國に示された・. 前期. 中期. 後期. 終期. 逃避等行動. %. 100. 80. 従60 事 時. 間40 20 79,. 85.. 0 1. 2. 3 4 5 6 7. 8 9 10. 11. 12. 13. 14. 躍g.皿.1−1 MYの課題従事時間. ‘∬,. F絵皿.1.1は、Myの従事時間のグラフである。セッションの進行に伴う各 行動の出現頻度比率は、以下の通りであった。. 課題動作行動 :セッションの進行と共に増加が見られた。. 前期には、60%代と低値を示し、∬8には80%を越えた。 課題従事前行動:セッションの進行と共に減少が見られた。. 訓練前・中期に25∼30%と多く出現した。 逃避等行動. :全体における比率は低いが、前期に見られた。. 後期の一部セッションにおいて出現が認められた。. 38.
(41) 前期. 中期. 後期. 終期. %. 100 80 従60iミiiiミi霊. 事 時. 間40’ 20 0. 13 14 (ss). F忽1π一1−2 FUの課題従事時間. 朽8.皿.1−2は、Fσの従事時間のグラフである。セッションの進行に伴う各 行動の出現頻度比率は、以下の通りであった。. 課題動作行動 :セッションの進行と共に増加が見られた。 前・中期には、変動が大きく、後期以降変動が小さかった。. ∬4には、20%、∬67においても30%代と低回を示した。 ∬8には、75%を越えた。 課題従事前行動:セッションの進行と共に減少が見られた。. 逃避等行動の比率の多いセッションにおいて、3つの行動中 最も高い比率を示した。侮46z) 前・中期に、特に高い比率を(約45%♪示した。 逃避等行動. :緩やかにセッション進行と共に減少した。. ∬1,4には、20%代を占めた。4義訓練者中最も高かった。. 一日に3回の訓練セッションにおける3回目(∬4Z1α13) に大きな比率を示した。. . 39 ..
(42) 前期. 中期. 後期. %. 終期. 逃避等行動. 100 80. 窒60二 時. 間40 20. 0. 1 2 3 4 5 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14 (ss). 躍g.∬1−1.3 MOの課題従事時間. 凡g.皿一1.3は、MOの従事時間のグラフである。セッションの進行に伴う各 行動の出現頻度比率は、以下の通りであった。 課題動作行動 :前期‘∬1♪以降安定して高い比率‘80%代♪を示した。. 課題従事前行動:前期‘∬1♪には、高い‘20殉が、前期‘∬2∼♪に急減、. その後は10%代を示した。. 逃避等行動. 前期‘∬1♪には、高いが‘25%ハ前期‘∬2∼♪に急減、. その後は10%以下を示した。. 40.
(43) 前期. %100. 後期. 中期. 終期. 逃避等行動. 80……i…鍵. 誉60…1…ミ1……ミ繍. 時. 間40 20 0. 13 14 (ss). 乃8.∬1−1−4 NAの課題従事時問. F’8.11ハ1−4は、崩の従事時間のグラフである。セッションの進行に伴う各 行動の出現頻度比率は、以下の通りであった。. 課題動作行動 :セッションの進行と共に増加が見られた。. 中期‘∬6りには80%を越え、安定して高い比率を示した。 課題従事前行動:セッションの進行と共に減少が見られた。. 訓練前・中期には、課題従事前行動の占める比率が多く で20∼40%)を示された。. 一日3回の訓練セッションにおける1回目(∬1,2,5)に大 きな比率を示した。. 逃避等行動. :緩やかにセッション進行と共に減少した。. 41.
(44) B.合図行動開始率. セッションの進行に伴う、合図行動開始率が、以下のグラフに示された。 %. 100. 行80. 難8 率20 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. F∫g.∬匹1−5 .Myの合図行動開始率. (ss). 凡g.π1−1−5は、Wの合図行動開始率のグラフである。. Myの合図行動開始率は、セッションの進行に伴い増加する傾向が見られた。. ∬g迄は上昇傾向を示し、∬9以降は、80%以上の高率を示すことが多く見 られた。. %. 100. 行80 瀦6・. 始40 率20 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. F∫8.皿一1.6Fσの合図行動開始率. (ss). F忽皿.1.6は、Fひの合図行動開始率のグラフである。. Fσの合図行動開始率は、セッションの進行に伴い増加する傾向が見られた。. ∬6迄は低位に推移し、∬7以降急に上昇傾向を示し、∬9以降は70%以 上に高率を示した。. 42.
(45) %. 100. 行80. 難8 率20 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. 、F∫9.∬匹1−7 M:0の合図行動開始率. (ss). π8.1π一1−7は、MOの合図行動開始率のグラフである。. ,MOの合図行動開始率は、セッションの進行に伴い増加する傾向が見られた。 なだらかな増加する傾向が見られた。. セッション後半には、80%以上の高率を示した。. %. 100. 行80 潔18 率20 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. 丑g.∬匹1−8 ル望の合図行動開始率. (ss). 凡g.皿.1.8は、醐の合図行動開始率のグラフである。. ル望の合図行動開始率は、セッションの進行に伴い増加する傾向が見られた。 ∬g迄はなだらかに増加傾向を示した。 ∬g以降は、高位に安定を示した。. 43.
(46) C.訓練者・被訓練者の各評定行動頻度 ・訓練者行動の変化. 動作法訓練時の訓練者の野阜練者への援助行動(以下、単に訓練者行動とす. る。)は、方法¢27参照♪示したカテゴリーに基づいて分類され、分類され た各行動(T1:肯定援助、 T 2:始発援助、 T 3:モデル援助、 T 4:制止援助)の. セッション進行に伴う出現比率が以下のグラフに示された。. 圏T1難T2罫T3 T4 %. 100 80 60. 40 20. 0 (ss) 朽g.皿.1−9 MYに対する訓練者行動出現比率の変化. 凡8.皿.1−9は、セッション進行に伴うMyに対する訓練者の各行動の出現比 率を示したものである。各行動の結果は以下の通りであった。. T1:セッションの進行と共に、増加傾向を示した。 ∬3までは出現が見られなかった。∬4以降増加し、 後半細12)以降には、4行町中最も高い比率を占めた。. T2:セッションの進行に関わらず安定して20∼30%を示した。 T3:セッションの進行と共に、減少傾向を示した。 ∬1∼3において4行動中野も多くの比率を占め、∬4以降減少した。. 44.
(47) T4:セッションの進行と共に、減少傾向を示した。 当初約10%。∬5以降減少、殆ど見られなくなる。. %. 100 80 60. 40 20. 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. (ss) F’8・.皿.1−10 FUに対する訓練者行動出現比率の変化. 況8. 皿.1.10は、セッション進行に伴うFσに対する訓練者の各行動の出現比. 率の推移を示したものである。各行動の結果は以下の通りであった。. T1:セッションの進行と共に、増加傾向を示した。 ∬5以降増加し、後半に20%前後の比率を占めた。. T2:∬1,2において4行難中最も多くの比率を占めた。 ∬34に一時減少後、緩やかに増加傾向を示した、. ∬g以降30∼40%を示めし、4行動中門も多くの比率を占めた。. T3:∬3までに50%近くに増加した。∬4以降に減少した。 ∬3∼5においては、4行空中最も多くの比率を占めた。 T4:セッションの進行と共に、増加傾向を示した。 ∬7迄、15∼30%を示し、∬8以降急に減少した。. 45.
(48) i翻T1藻T2:iT3’ T41 %. 100 80 60. 40 20. 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 11 12 13 14. (∬). F∫9.皿一1−11. MOに対する訓練者行動出現比率の変化. 丑8.皿.1.11は、セッション進行に伴うMOに対する訓練者の各行動の出現 比率の推移を示したものである。各行動の結果は以下の通りであった。. T1:セッションの進行と共に、増加傾向を示した。 ∬4以降増加し、∬12以降に50%近くの比率を占めた。 ∬12以降、4行動中最も多くの比率を占めた。. T2:∬1∼3、約20%を示した。∬4に急に増加した ∬4∼∬11には、4行動中隔も多くの比率を占めた。 ∬12以降、30∼40%を示した。. T3:セッションの進行と共に、減少傾向を示した。 ∬3まで50∼70%と4行動中最も多くの比率を占めた。 ∬4以降に減少し、20∼30%を示した。. T4:セッションの進行と共に、減少傾向を示した。 ∬1は約25%を示し、∬2以降減少し、低比率を維持した。. 46.
(49) .劉Tli講T2需。T3. T4. %. 100 80 60. 40 20. 0 l (∬). F’g.」乙π一1−12. NAに対する訓練者行動出現比率の変化. 朽g。 ∬∫.1−12は、セッション進行に伴う醐に対する訓練者の各行動の出現. 比率の推移を示したものである。各行動の結果は以下の通りであった。. T1:セッションの進行と共に、増加傾向を示した。 ∬3、∬6に増加率が高く、以降、20%前後の比率を占めた。. T2:セッションの進行に関わらず、30∼45%を示した。 ∬5∼g∬11∼14には、4行動中最も多くの比率を占めた。. T3:セッションの進行に関わらず、20∼40%を示した。 ∬1∼6においては、減少の傾向が見られた。. T4:セッションの進行と共に、減少傾向を示した。 ∬1,2約30%を示した。. 47.
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