<論説>経営と情報技術 : 日本企業の課題 (経営システム科学の対象とフロンティア)(経営システム科学科特集号)
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(2) 経営と情報技術. (飯田. 裕). く. 337). 高品質で安く 大量に供給する 能力が企業の 優劣 を決定していた 時代に, 日本企業が抜群の 競争 力を発揮してきた 大きな要因となっていた. 日. 域に入れるのが 妥当であ ろう.) が 代表例であ. 本企業の情報技術活用状況の. る. この領域においては ,. 評価を O ム X で行. とすれば,領域Ⅰでは0 であ. う. 領域Ⅱは技術分野における. は ,結果的には定型業務になる. 場合もあ るが, テーマの創造,企画が重要という点からこの 領 日本企業は米国企業. と比べて相当遅れていると 言. る・. 非定型業務であ る. う. べきであ ろう.. 特に, RlJC による各個人のコンピュータ 活用. 3). このことは,日. 研究段階での 各種技術計算,開発バループによ. には大きな差が 認められる. るグループウェアの 活用, 設計業務における. 本の パ一 ソナル・コンピュータの 普及率が ,米. CAD. (computeraideddesign) 等がその代表. 国の. 3. 分の 1. ,. ネットワーク 化米国の 50% に 対. 側 であ る, この領域については ,. 日本企業は全. して日本は 13% ということからも 明らかであ ろ. 体的に言えばかなりのレベルにあ. ると言えるが ,. う. 日本の経営者の 中で, 自分で端末を 操作し て,必要な情報を得, これを基に意志決定を 行. 不十分な面も 散見される.例えば,. グループで. 開発を行っている 場合, 自分の行った 仕事の結. っている人がどれほどいるであ. 果や進行状況を 直ちに, グループの共用の デ一. 域での評価は X であ る.. タベースに登録し. グループの 他 メンバ一の活. 用に供するというようなことは あ まり行われていない ,. 不得意であ り,. また CAD@. についても. 新しい技術を 用いた幅広い 活用という点ではま だまだ不十分であ り,定型 りな利用に留まって 白. いるところが 多 い .. この領域についての 評価は. ろうか. この領. ここで各領域と ,企業の競争力との関係を見 てみる. この際両極として ,領域1 と領域Ⅳを 対比してみる ,. 領域Ⅰは,画一的な物を作って,大多数の消 賛者に供給するのが 企業の主な役割であ った工 業化社会においては ,企業の競争力を決定する 最も重要な領域であ った. しかし先進各国は ,. ム であ る. 領域 m は事務,経営分野における定型業務で. タ導入 朝 以来,省力化と迅速化を目的に 可成り. 高度情報化社会へと 移行しており ,社会文化や 個人の多様性の 尊重をもとに ,消費者のニーズ も 多様化し変化も 激しくなっている・ このよ うな現代社会においては ,領域1 は,企業の競 争力を決定するような 重要な領域とは 言えなく. 積極的な活用が行われた.現在, -- 部 先端企業. なってきた.. あ. る.販売に伴 う 各種のトランザクション 処理,. 会計計算,定型白 9 報告書作成等がそれであ. る・. この領域については , 30 年以上前のコンピュー. では,データベースと情報通信 ネ, トワークの. 代わって領域Ⅳが ,企業の競争力を決定する. 構築が進み, グローバル な 業務処理が効率的に. 最重要領域となってきた. 工業化社会における. 行われるようになっている・. 画 - 性指向に代わって ,情報化社会では,各個. しかし現在,デー. タベースと情報通信ネットワークを 、ンステムに変換 中 , 笏. 中心とした. 人が知識‥情報を 活用して創造的に 活動するこ. または未着手の 企業も多い. とが要求される. それにも 係 わらず,前にも述. .次の領域Ⅳとの 関連になるが ,得られた情. べたように, 日本企業はこの 領域で大いに 後れ. 報の経営での 有効活用という 面では不十分なと. をとっている.例えば,. ころが多い.従って,. 分でコンビュー タ の端末を操作して ,意志決定 に利用している 人は非常に少ない. また,海外 出張中にホテルに 戻ってから,端末を使って本 国からの自分 究め メッセージを 読み,必要な指. あ. この領域での 評価は ム で. る. 領域 W は事務・経営分野における 非定型業務. 日本の経営者の 中に自. であ る・ EUC (endusercomputing) による各 個人のコンピュータ 活用,意志決定支援,戦略. 示を与えるような 経営者も希有であ ろう. この. 情報システム ,. ことを米国の 経営者に話すと ,彼らは全く信じ. リエンジニアリシ グ 等 (後 2 つ.
(3) 56 (338). 第X V 巻. 横浜経営研究. 第 4 号 (1995). られないといった 顔をして,それでは一体何を 根拠に意志決定をするのか , また出張中の 会社 の業務はどうなるのかと ,質問を返してくると. 級が エリート学級であ ることをみてもこのこと は明らかであ る, 大学においても ,一般りにいって,理系の 学. 、、 つ 、 .. 生のほうが文系の 学生よりも勉強をさせられる. 領域 W が弱いということは ,. 日本企業の情報. 技術活用についてのみではない・. 日本企業の経. 営全般,更には 日本社会全般について い えるこ. とであ る. このことの原因を 探ることが, 日本 企業の競争力を 取り戻す方策を 探るために根本 的に重要であ る. 次 章では,図で示した 2 軸を 用いて, この原因を分析する・. 3.1 専門分野 軸 による分析. 工学部においては 相当程度の実力を 身につけな いと,授業にも実習にも付いていけない・ これ に対して社会科学系学部の 学生は , 必ずしも情. 報技術を学習しないでも 卒業することが 出来る・ このように知識,意識に差のあ る 2 種類の学生 が,卒業して,企業に供給されることが,技術 経営分野とにおける 情報技術活用. の差の大きな 原因となっている. 次に,企業文化の視点から分析を 行 う 今日では,多くの企業において ,技術系社員 ・. 日本は,技術分野と事務・経営分野に 分けて 欧米各国と上 ヒ駁 した場合,技術優位であると言 うことが出来よう. この原因を社会文化視点と 企業文化視点とから 分析する・以下の 論述はあ くまでも相対的なものであ ることをお断りして おく. まず社会文化視点から 分析する・欧米では , タイプライタが 日常広く使われていることが , (文系の人も含めて ). 傾向があ る.情報技術教育についても,例えば. 分野と事務・. 3. 日本企業の弱味の 原因. 多くの人が. 白. コンピュータ. に違和感を持たない 原因であ るとも言われるが ,. もっと大きな 原因として,明治以来の工業化政 策 に基づいた技術重視の 風潮があ る・欧米で実 際に仕事をしてみて ,エンジニアの地位の低さ に驚いたものであ る. 日本では,「自分の 父親 や主人はエンジニアです.」と 誇らしげに言. う. が ,欧米ではエンジニアとは ヮ 一ヵ一の現場監. 督程度であ り,経営には無関係な使用人程度に 見られることが 多 い .若干極端な言い方をすれ. ば, 日本では優秀な 人材の多くが 技術分野に流 れ ,技術偏重の傾向が見受けられる・ この傾向を生み 出している原因の 一 つは 日本. はコンピュータを 使用して仕事をすることが. 当. 然のこととして 定着している・. これに対して ,事務系社員および経営者には 「コンピュータなどで 血の通った本当の 仕事が 出来るか」といった 風潮のところが 多い・ これ は長い歴史を 持った日本の 社会文化に根ざした ,. 人々の情報行動,情報利用についての習慣や考 え方によるものでもあ るが,大きな障害となっ ている. 3.2 業務の型 軸 による分析 日本企業は , 皆で協力して 定型白 9 業務を行う. ことに優れている. しかし各個人が 個性を発揮 して創造的な 仕事を行 う 非定型的業務は ,苦手 であ る. この原因についても ,社会文化視点と 企業文化視点から 分析する・ 社会文化視点からみた. 原因として, まず農耕. 社会と儒教,思想に影響された,和を尊ぶ日本. 更に,こ の伝統文化を 守りながら明治以来の ,先進国に. 文化の特徴を 挙げなければならない・. の教育制度であ ろう.小学校から高等学校迄の. 追いつくための 工業化社会をめざした 教育シス. 科目の中で理数系の 科目の占める. エイトが 社. テム に原因が求められる. 日本の教育システム. 会系の科目に 比べてはるかに 重く, この間に理 数系偏重の価値観が 植え付けられてしまう・ 有 名受験校によく 設けられている 理数科という 学. は画一性指向であ る.教育は,画一的な 知識の 伝達が主であ り,個性や創造性の育成はあ まり 計られていない.そしてこの 日本の教育システ. ゥ.
(4) 経営と情報技術 ム はこれ迄の工業化社会においては. ,. 日本経済. (飯田. 裕). (339) 57. リーダシップが 決定的に重要であ ると論じられ. の成長を支えてきたとして 高い評価を与えられ. ている. 日本企業がこれをいかに 克服するかは. てきた・. 重要な問題であ る.. しかし個性と 創造性が要求される 情. 報化社会においても 高い評価が与えられるとい う保証は全くない.. この章では, 日本企業の情報技術活用の 強 味 と弱味,特に弱味の原因について 分析を行った. 次に,企業文化視点から分析を行う. 日本企業の行動規準は ,基本的にはボトムア ップと合意の 精神に基づいている ,今日も広く 行われている 稟議制度にもこのことがよく 表れ. 次 章では, これに対する 対応策 は ついて論じる. ている. この規準から 派生していると 思われる. ス. 問題点を 2 点指摘しておく. 第 1 点は,根回し重視等から派生しているも のと思われるが ,. 4. 日本企業の情報技術活用強化策 現在, リエンジニアリンバ. ( またはビジネ. ・プロセス・リエンジニアリンバ , 以下. BPR 」と表高りがブームになっている. しか し日本企業で , 新たに BPR により大きな 成果 を上げたという 報告もあ まりなく,実効面での. 「. 日本企業では ,個人の知識・. 情報が , 他の人が理解できる よう に整理された. 盛り上がりに 欠けている. また「 BPR. 彩のドキュメント (形式 知 ) ならないで,個人 や極 く限,られた人数のバループ 貝の頭の中に 未 整理情報 (暗黙 知 ) として蓄えられるにとどま ることが多いことであ る 4'. このために多くの. 本 企業がすでにやってきたことであ. は,. 日. り,何も目. 新しいことではない.」 といった批判もあ る.. しかしこれ等は 当然の帰結であ るとも言える ナ・. BPR は, 米国人が, 米国企業の弱味を ,特. 知識・情報は , 多くの関係者によって 共有化さ. に 日本企業と対比して 研究し対応策を 立て,. れ,組織として伝承されることも 少ない・更に ,. 系統化して示したものであ. る・決して, 日本企. 多くの関係者によって 検討活用され ,更に高度 な知識・情報へと 発展する可能性も 低くなって. 業のためのものではない・. これに対して ,. いる・ そしてこの事が ,. 0 弱味を,特に米国企業と対上. 有効な情報をデータ. べ ー スに登録して 皆で活用するとい・. う. 情報化の. 進展を阻害している. 第. 2. 企業および研究者が 行うべきことは ,. と 企業の戦. 日本企業. して研究し対. 応策を立てることであ る. 前述のように ,. 点、は, トップのリーダシッブ. ヒ. 日本. 日本企業の情報技術活用の 弱. 味は領域Ⅳであ る, そして, この領域における. 略の欠如であ る.. 弱味は,情報技術活用における弱味に止まらず ,. 日本の大多数の 経営者は,最初がら経営者と して育成されたのではなく ,第一概.の 現場から. 企業経営全般の 弱味ともなっているのであ. 始めて一段 づつ 階段を上がって , やっと経営者. Ⅳが決定的に 重要な領域なのであ る.. になっている. このことは現場をよき 知った経. この章では,主として領域Ⅳに焦点を 絞って 日本企業の,情報技術活用強化策を 論じることに. 営者を生むことになり ,. これ迄の日本企業の 強. 味 ともなってきた. しかし一方では・ ,. この一段. づつ 階段を上がってくる 過程でこれ迄の 仕事の やり方,行動基準が体に染み込んでしまい ,. ト. る.. しかもこれからの 情報化社会においては ,領域. する. 具体的な策を 論じる前に , 先ず述べておくべ きことは,現在のところ,. これだけやりさえす. ップのなった 時点で急 、 に ,強力なリーダシップ. ればよいといういわゆる 王道はないということ. 0 発揮 や ,個性ある戦略を要請されても 対応し. であ. にくい面があ る.経営に大きなインパクトを与 えるような情報技術の 活用方法,例えば DSS, SrS, BPS には, いずれの場合でもトップの. 化することに 2. る. (将来は,実績を積み重ね, 0. これを体系. ,王道らしきものが表れる可. 能性はあ るが ). 前章で述べたような ,. 日本企. 業の情報化の 弱味の原因を 理解した上で , 各企.
(5) 58 (340). 第X V 巻. 横浜経営研究. 業 ,各個人がそれぞれのケースにあった対応策. を立て,実行し 実績を積み重ねていくことが 大切であ る.長い歴史を持つ社会文化,企業文 化に根ざしたものが 多いだけに継続した 幅広い. 第 4 号 (1995). 会 で活躍するようになれば , 日本の社会文化ひ いては企業文化も 変わってくるであ ろう.今後 も , 多くの大学で ,それぞれの特質を生かした 積極的な取り 組みが行われることが 望まれる・. 努力が必要であ る. 次に,筆者の立場からの対応策を 述べる・. 専門分野 軸 と業務の型軸を 意識しながら ,社 会文化視点と 企業文化視点に 分けて述べること にする.. 4.2 企業文化視点からの 対応策 日本でも,領域W における情報技術活用を 積 極的に進め大きな 成果を挙げている 先進企業が あ る. これらの企業には 幾 っかの共通点が 見ら れるが, ここでは. 4.1 社会文化視点からの 対応策. 点をあ げておく・一点は ,. 先見性のあ るトップの強力なリーダシップであ. 大学にお 筆者の立場を 踏まえて,教育,特に ける教育面からの 対応について 述べる. 我が国の,大学への高進学率に. 2. よ. り,大学の. り, も う 一点は, 日本の企業文化または 各企業 の特徴をうまく 活かしていることであ る. 先ず,一点目のリーダシップについて考えて. 役割も,従来からのエリートや研究者の育成に みる. 加えて,社会の第一線で活躍する ,高度の知識, SIS においても BPR においても,経営にイ 能力を持った 多数の社会人を 育成することが 重 ンパクトを与えるような ,情報技術の活用には, 要 にな ってきた. このような役割の 変化の中に トップの強力なリーダシップが 不可欠であ ると おいても,学問の基礎的な理論を 教えることの 述べられている. しかし 日本においては , 一 重要性は論を 待たないが,それと同時に実学, 部の企業を除いて , トップの強力なリーダシッ. 難しい.従って,このよう. 特に手段,手法の重要性を軽視してはならない. プを期待することは. 手段,手法も科学として認知し 大学の社会科 コンピュータや 学系学部においても ,例えば, ネットワークをもっと 身近なものとして 使うよ. な日本企業の 特徴に合った 対策を立てる 必要が あ る・ 日本企業の特徴は ,優秀な一般従業員. うにして社会に 送り出すようにするべきであ. 案し. る. この点に関しては ,幾つかの大学で積極的な 取り組みがなされ 始めており,教育上の成果も 報告されている. 中でも,慶応大学湘南藤沢キ ャンパスの事例はよく 知られている 6). ここで は ,一年生でコンピュータ・リテラシを身につ. (ボトム ) をバックにして ,. ミドルが計画を 立. トップに働きかけて ,承認と協力の約束. をとりつけ,更にミドルが実質 りな中心になっ 白. て実行するという ,いわゆるミドルアップ & ダ ウン 8)であ る.情報技術の活用も当面,この 方. 法 で進めるべきであ ろう. いずれ,新しい教育 を受けた優秀な 人材がトップになり , 強力な. けさせ,その後もネットワークを 活用した実践. リーダシップを 発揮するようになれば. 的な授業と,図書館とコンピュータセンタを統 合したメディアセンタを 車の両輪として 教育が. を統合したより 強力な方法が 可能になるであ ろ. 行われている.教育上の成果の中で , 特に興味. 次に, 2 点目として, 日本の企業文化,特に コミュニケーションについて 述べる.. 深いのは,学生が 自発的に熱心に 勉強するとい うことであ る 7).新しいメディアを 活用して, 勉強し. また仕事をするということが ,. 日本に. 若い人たちにも 受け入れられるということを 示 している. この ょう に情報技術を 吸収し 自分 のものとして 同化した学生たちが 卒業して, 社. ,これ等. 領域 W における情報技術活用が ,組織に同化 して,有効に活かされるためには ,組織のコミ ュ. ニケーシ, ン 風土が重要な 役割を果たしてい. る. コミュニケーション 風土のよい組織に 情報. 技術が導入されると ,組織のために有効活用さ.
(6) 経営と情報技術 れるということが ,実証的にも見いだされてい る 9).. 欧米企業と比べて ,. 日本企業では ,従業員の. (飯田. 裕). 59. (341). たいのか,その中で情報技術はどのような 位置 を占めるのかというビジョンを 明確に打ち出す ことであ る.例えば,日本精工が 1968 年に出し. 帰属意識が高いためもあ って, インフォーマル. た基本理念「コンピュータは 企業にとってなく. コミュニケーションも 含めてコミュニケーショ. てはならないものであ り, それをうまく 使いこ なせるように 企業そのものを 体質改善すること が重要であ る.」というものは ,現在でも通用. ン 風土は遥かによいといえよう.. しかし. その. 大部分はフェイス・トゥ・フェイ. ス の対話すな. わち暗黙 知 に終わってしまい ,形式知 とはなっ ていない・ ッ. このことは,データベースと通信 ネ. トワークを有効活用して 大きな成果を 挙げる. ための素地は 相当整っていることを 示している, あ とは,皆が気楽に使うような施策を 講じるこ とが肝要であ る. 更に, 日本の有利な 企業文化として , TQC. する立派なビジョンであ る.. このような情報化の 目的設定の過程はトップ に,. 自社の情報化の 参画の機会を 与えることに. もなる.情報化の進展と, トップの意識改革, 企業文化の改革とは 相互に影響し 合って, スパ. イラル状に向上するものであ る 10,. 次に,領域Ⅳの情報化を進展させることが 重. 等の継続的改善運動によって 活性化された (現 場を主とした ) 組織風土をあ げることができる・ T.H. ダ ベンポートも 指摘しているように ,根 本的改善と継続白 9 改善の結合が 大きな改革を 可. 要 であ ることを充分認識し そのために必要な. 能 にするのであ る.. ハード面とも 言うべきもので ,その企業全体の ,情報システムアーキテクチャ,情報通信ネット. 今日,数多くの,情報システム開発手法が世. 企業文化の変革も 視野に入れて ,情報化の構想 を立案する. 構想には,次の2 面が必要であ る.. にでている. それにも 係 わらず, これ 迄 述べて. ワーク体系の 構想であ り, もう. きたように,. とも言うべきもので. 日本企業における. ,情報・技術の 活用. は不満足な状況であ る.次に,この点について 検討する. 1. 1. っは. つはソフト面. ,導入した情報技術を組織. に同化して,有効活用できるようにするための 組織変革の構想であ る. この 2 面の基本的な 構 想の上に , 個々の応用システムは 構想、されるこ. 4.3 情報システム 開発手法 これ 迄 述べてきたような ,. とになる. 日本企業の情報技. 術活用状況を ,具体的に改善するためには,現 在一般に使われている ,情報システム開発手法 に欠けている 点を強化する 必要があ る. その 詳 細を論じるのは 本小論の範囲を 超えるので,強 化,改善点は ついて私見を 述べるに止めておく. 今日,世にでている開発手法で,強化または 改善すべき点は , 次の事項であ. る・. ・その企業の 情報化の目的,構想の立案 ・テーマの評価,優先度の 決定 ・情報化推進の 組織. 1) 情報化の目的,構想の立案 先ず, なすべきことは ,. どのような企業にし. 2) テーマの評価,優先度の決定 実際に, 情報インフラストラクチャを 整備し また応用システムを 開発するに当たっては ,. ど. のテーマをどのような 順序, スケジュールで 実 行するかは重要な 意志決定事項であ る. 情報 -ンステムの役割が 重要かつ高度になるに. 伴って,その効果を事前に 評価することが ,. ま. すます難しくなってきた. しかし一方では ,情 報システムの 価値評価に対する 関心が高まり ,. 多くの研究成果が 発表されている , 1,.要は, これらの成果を 活用して,如何にして自社に合 った評価方法,優先度の決定方法を作り 上げる かということであ る・ 中でも, 1)で述べた全社.
(7) 60 (342). 第X V 巻. 横浜経営研究. 第 4 号 (1995). べ. ける っあ. 係く. 0 て. 関お. ム加 テて スし シと. とえ. 発目 開項. 々 評. の価. 個な と要. 5, むすび 日本企業の相対的優位性が 低下していると 言 われる中で, この問題を情報技術活用視点から. 3) 情報化推進の 組織. とらえて, 日本企業の強 味 と弱味を解析しそ. 情報化推進の 組織については , SIS や BPR. しかしその多くは 米国企業を対象にした ものであ り, 日本の企業文化に 合うように手を. 日本企業もいたずらに 悲観論に陥ることなく ,. 米国企業が, 日本企業の強味を 徹底的に分析し. 加える必要があ る.. 体系化して自らの 再生に活かした. る・. ほ 仕ろ れる ・ まあ. の 望で. 文. 業 が い. 企と幸. に,米国. 玉 7. るには,次のようなメンバーが必要であ ると述. よう. 目こ ば るれ. リエンジニアリンバを 実行す. て参. 論. はこの書の中で ,. 析如 か をら 手付. 例として,ハマーとチャンピー 著の「リエ. 分 を. のよ. 業ぅ小 仝合本. 1. ンジニア リング革命」をとり 上げる.ハマ 一等. こ 清孝. の原因を考察し 更に幾っかの 対応策を示した. しえの. とも関連して 幾つかの有益な 提案がなされてい. べ, またその役割,留意点を説明している. リーダー. 1) 増田祐司,「情報メディアの 可能性」『学士会会. プロセス・オーナー. 報』 1994 年 第 805 号. ノーランのステージ 理論で吉 6 集 何 ステージに いるかが, 日経コンピュータ 誌によっても 調査 されている. 3) 「個人格差が 日米格差を拡大」 旧経 ビジネスコ 1994 年 6 月 13 日号. 4) 暗黙 知と 形式 知 に関しては 幾 っかの論文が 発表 されている・ 例えば野中郁次郎,「リエンジニア リングを超えて」『組織科学』第 28 巻 1 号 (1994 乙. リエンジニアリンバ・チーム. ステアリンバ・コミティー リエンジニアリンバ・ツァー. このメンバーは ,. 日本企業においても 大きな. プロジェクトを 実行する際には 同様に ノ、要なも のであ り,大いに参考になるが,各メンバーの 役割,留意点は ,. 年 ). 5) 次の論文に, これと同趣旨の 指摘が見られる. 日本の企業文化に 合ったよう. に手直しするべきであ る・ハマ一等は , ダウンで進めるべきことを 主張し. 各 メンバ一. の役割もこれに 基づいて決めている. しかし 本 企業では,前にも述べたように ,. 平野雅章,「BPR 号 (1994 年 ).. トップ. 6) 相磯 秀夫,村岡洋二「学術情報の 発信基地をめ ざす慶応大 SFC のメディアセンター」『電気学. 日. 余毒ま. ミドルアッ. ,. 例 1994 年 10 月 29 日号. 8) 例えば, l. Nonaka. "To 。va,d Ⅵ ddie-up-down Management: Accele,ating lnfo,mation Crea.. リエンジニアリン. 一であ る. ミドルであ. エンジニアリンバ・ツァーが. ,. 秀なミドルに 対するこの. ょ. 待は益々増大するであ ろう. tion", 鰯 0 は " ,Ⅴ a"dg, ガ,,れ Z R 。,,i,w, 2g (N0. 3.,) pp. 弁円8. 9) 情報 -ンステムの経営に 対する有効性を 実証 りに 検証することに 成功した例が 少ない中で , 次の. るリ. トップとボトム. に働きかけ,調整しながら,推進するのが 日本 の企業文化にあ った方法であ る・仝 日 ,情報通 信ネットワークが 普及すると,情報の 中間伝達 者であ るミドルが大幅に 削減されるという 懸念 も聞かれるが ,確かに情報の単なる中間伝達者 としての役割は 大幅に減少するであ ろうが,優 うな創造的な 役割 期. 114 巻 9 号 (1994 年 ). 「. グ,リーダ一のスタッフのチーフであるリエン 、ジニアリンバ・ツァ. 』. 7) 95 年度難易度予想と 授業満足度」『週刊東洋経. プ & ダウンで進めるのが 良いであ ろう.推進の 中心になるべきメンバーは. の挑戦」『組織科学』第 28 巻 1. 自. 研究報告は注目に 値する.森田道也 ,「組織のコ ミュニケーション 構造,情報化,組織の 有効性」 経営情報学会 1994 年春季全国研究発表大会発 表要旨 117 一 120 頁. 0) 飯田 裕,「企業の 情報化の進展と 組織開発」 憾浜 経営研究』第 12 巻 4 号 (1992). Infor11) 例えば, N.D Meyer& M,E.Boone.The mation Edge, Gage. M. M. Parker & R. J. BenⅠ. son.InformationEconomics,PrenticeHall,1988. ( いいだ ゆたか 横浜国立大学経営学部教 劇.
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