• 検索結果がありません。

シングルマザーをとりまく就労環境と家族の抱えるリスク : 「子どもの高校進学」の視点から

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "シングルマザーをとりまく就労環境と家族の抱えるリスク : 「子どもの高校進学」の視点から"

Copied!
31
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

シングルマザーをとりまく就労環境と家族の抱える

リスク : 「子どもの高校進学」の視点から

著者

長谷川 理映

雑誌名

経済学論究

70

2

ページ

7-36

発行年

2016-09-20

URL

http://hdl.handle.net/10236/00025822

(2)

シングルマザーをとりまく就労環境と

家族の抱えるリスク

∼「子どもの高校進学」の視点から∼

Employment of Single Mothers and its

Effects on their Children

– With the perspectives to advance on to high school –

長谷川 理 映

The objectives of this article are to investigate 1) why many single mothers are resigned to accept low income levels, even though they are working, 2) which consequences do their children have in their educational achievements, 3) what kind of measures should be taken to improve parents’ economic wellbeing and prevent degrading of children’s future.

By using macro-data according to regions as well as micro-data from a specific region, the author has found that a) regions with higher divorce rate has higher rate of inactive single mothers, b) regions with higher wage rate of part-time work are accompanied by lower inactivity rate of single mothers, c) incidence of children not advancing on to high school is high in the case of single mother’s household, while it may be lower for children with high ability of learning.

Based on these findings, the author makes policy recommendations such as i) Public Assistance Law should be flexibly implemented to assist single mother household, while it should be amended to encourage employment of single mothers, ii) The amount and conditions of eligibility of Child Rearing Allowance should be adapted to local economic conditions. iii) educational support for single mother’s family should be strengthened especially at the local level.

Rie Hasegawa

  JEL:I24, H53, J31

キーワード:シングルマザー、雇用対策、生活保護、高校進学

(3)

Keywords:Single mother, Employment Policy, Social assistance, Advance-ment of children (構成) 1  はじめに 2  先行研究 3  シングルマザーの所得格差と労働供給行動   (1) 理論的考察    1) 制度的前提    2) 経済学的視点   (2) 計量分析 4  シングルマザーの家庭の子どもに及ぼす影響   (1) 理論的考察   (2) 計量分析 5  シングルマザーの就労環境改善に関する提言 参考文献

1 はじめに

本論文では、離婚等で家族構成員の規模が減少し、家事・育児を一人でこな さなくてはならなくなったシングルマザーに焦点をあて、家族とりわけ「子ど も」に及ぼす影響について論ずることとする。 離婚・死別等による家族構成員の規模の減少により家族構成が変化し、養育 義務者の収入や家族の生活が不安定になったり、就労と育児のバランスにひず みが生じたりする場合においても、生活保護を受給せず、就労による自立の道 を選択するシングルマザーは多い。 しかしながら、この人たちの大半は所得が低く、生活保護基準以下の所得で ある場合も多く、こうした低所得のシングルマザーは現在自立していても、将 来何らかのきっかけが原因で、生活保護を受給する可能性がある。 そこで以下のような疑問が生ずる。自立の道を選択するシングルマザーの多 くは、なぜ所得が低くなってしまうのか、また低所得の可能性があるにも関わ らず、なぜ自立の道を選択するのか、またどうすれば所得を上昇させ、自立と

(4)

いう選択により、経済的厚生を改善することができるのか。 さらに、近年このような状況における家庭において、子どもに十分な教育 を受けさせられず、貧困の連鎖が生ずるなど、子どもに及ぼす影響が大きな問 題となっている。果たして子どもの貧困の連鎖など子どもに及ぼす影響は、親 の経済状況によるものだろうか、親の経済状況以外にも何か要因があるのだろ うか。 そこで本論文では、シングルマザーは就労するにもかかわらずなぜ低所得 で、その状態から脱却できないのか、そしてこうした状況が子どもにどのよう な影響を与えるかについて2段階で理論的・実証的に検証する。 第一に、シングルマザーの労働供給行動について、理論的に説明するととも に、地域別データを用いて、地域のどのような特色がシングルマザーの無業率 の決定要因になるのかを実証分析によって検証する。 第二に、就業するシングルマザーの家庭の子どもに及ぼす影響を高校進学 率から検証することとし、まずシングルマザーと子どもから成る家計モデルを 理論的に構築し、次に外国人集住都市で行われた調査のマイクロデータを用い て、特定の地域において、子どもの高校進学という行動を決定する要因を実証 分析によって検証する。 そして就労可能なシングルマザーが公的扶助制度である生活保護受給を選 択しなくても、就労するほうが本人にとっても子どもにとっても望ましい環境 となるように、就労可能なシングルマザーに限定して現行法制度の問題点を論 じ、制度改正や就労しやすい環境の向上策に関する提言を行う。 厚生労働省「人口動態統計」によると、離婚率は1990年後半から2000年代 初頭にかけ増加し、2000年代は約2%台で推移している。また女性に視点を向 けた場合、同居をやめたときの妻の年齢には特徴が見られ、離婚率が高いのは 30∼34歳層、次いで25∼29歳層、35∼49歳層と続くことが分かる(図1)。 これらの年齢層では、もし離婚時に養育義務のある子どもがいる場合、子 どもの年齢は低いと考えられ、こうした子どもを持つシングルマザーは就労と

(5)

図 1  同居をやめた時の妻の年齢別にみた離婚率(人口千対)    ‰     出所 厚生労働省「人口動態統計」(2006)(2013)に基づき筆者作成 育児を同時に担わなくてはならない。厚生労働省による全国母子世帯等調査1) (平成23年度)によれば、母子世帯の80.8%、父子世帯の74.3%が離婚による ものであり、母子世帯になった時の母の年齢階級は「30∼39歳」が最も多く 全体の41.4%を占め、次いで「20∼29歳」32.1%となっている。また末子の年 齢も「0∼2歳」が最も多く全体の35.1%を占め、次いで「3∼5歳」20.9%で ある。 こうした小さな子どもを持つシングルマザーにとって就業と育児とのバラ ンスをとることは大変難しい。なぜならシングルマザーにとって育児のサポー トが多く見込めない場合に育児に合わせた就労時間や帰宅時間の調整が必要で あり、また子の病気・けがによる休暇取得等で就労が不規則になる場合が配偶 者のいる世帯より増加するからである。このような状況で就労する場合、雇用 形態は不安定なものになり、その結果年間収入は減少し何らかの事情で就労が 困難になった場合には就労収入が途絶えてしまうリスクが発生する。実際に 1) この調査の目的は、全国の母子世帯、父子世帯及び養育者世帯の生活の実態を把握し、これら 母子世帯等に対する福祉対策の充実を図るための基礎資料を得ることである。詳細については http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo kosodate/boshi-katei/boshi-setai h23/dl/h23 01.pdf

(6)

2011年時点で母子世帯の47.4%はパート・アルバイト等の勤務に従事し平均 年間収入は223万円2)であり、児童のいる世帯の 1世帯当たり平均所得金額 の36.1%3)にしかならない結果がでている。 こうした状況において、子どもがいる現役世代(世帯主が18歳以上65歳 未満で17歳以下の子どものいる世帯)のうち「大人が一人」の現役世帯の貧 困率は、54.6%、「大人が二人以上」の現役世帯の貧困率は12.4%であり、そ の差は4倍以上となっている4) 日本には、生活保護制度のほか、児童扶養手当制度などひとり親に対する公 的制度があり、所得の減少や無業に伴い、必要に応じて目的にあう利用が可能 であるが、これらの制度を利用するには、所得や資産に関する制約が多い。こ うした理由もあるためか、生活保護受給世帯に占める母子世帯の割合は低く、 2011年現在、生活保護受給世帯の約8%しかいない(図2)。 しかしながら、母子世帯だけに注目した場合、母子世帯の生活保護率は高 く、2011年は母子世帯100世帯中、14.9世帯となっている。高齢世帯の生活 保護率は100世帯中、6.6世帯であることから、母子世帯が生活保護を受給す る確率は高齢者世帯に比べ高いといえる(図3)。 家族形態の変貌等に対応するため、生活保護制度の見直しの動きが高まり、 生活保護基準や制度・運用の在り方と自立支援の見直しを目的として2005年 には「自立支援プログラム」に基づく就労支援がスタートした。生活保護世帯 や母子家庭世帯等に対する就労支援として、福祉事務所とハローワークが連携 して自立意欲のある者等に対し、就労による自立を促すプログラムも含まれ、 個々の受給者の態様に応じた支援を行うものである。 また2007年12月には「福祉から雇用へ」推進5か年計画が制定され、生 2) 厚生労働省(2012)「平成 23 年度全国母子世帯等調査結果報告」 なお、平均収入とは、生活保護に基づく給付、児童扶養手当等の社会保障給付金、就労収入、別 れた配偶者からの養育費、親からの仕送り、家賃・地代などを加えた全ての収入額である。 3) 厚生労働省(2014)「平成 25 年国民生活基礎調査の概況」参照。この調査結果に基づき、筆者 算出。 4) 厚生労働省(2014)「平成 25 年国民生活基礎調査の概況」参照。なお「貧困率」は、OECD の作成基準に基づいて算出されており、「子どもがいる現役世代」の貧困率とは、現役世帯に属 する世帯員の中で、貧困線に満たない世帯の世帯員の割合をいう。

(7)

図 2  世帯類型別生活保護被保護世帯構成比(2011) 㧗㱋⪅ ୡᖏ 43% ẕᏊୡᖏ 8% യ⑓⪅ ୡᖏ 21% 㞀ᐖ⪅ ୡᖏ 11% ࡑࡢ௚ࡢ ୡᖏ 17% (出所)厚生労働省大臣官房統計情報部「23年度社会福祉行政業務報告」(福祉行政報告例)に基 づき筆者作成 図 3  世帯類型別生活保護世帯保護率の年次推移 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 ‰ ᖺ ẕᏊୡᖏ 㧗㱋⪅ୡᖏ ඲య (出所)厚生労働省大臣官房統計情報部「平成 23 年度社会福祉行政業務報告」及び「平成 23 年国 民生活基礎調査」に基づき筆者作成 活保護の被保護者や母子家庭の母の中でも、稼働能力を有し、就労意欲のある 者で早期に適切な就労支援を行うことにより、自立の可能性が見込める者に対 して就労支援を推進することとなり、達成目標数も設定された。 2015年4月には、生活困窮者自立支援法が施行され、生活保護に至る前の 段階の自立支援策の強化が図られている。生活困窮者に対する自立相談支援事 業、住居確保給付金の支給等の支援とともに、この支援制度では、生活困窮世

(8)

帯の子どもに対する支援を行うこととなった。この支援策は、貧困の連鎖の防 止を目的として、生活保護受給世帯の子どもを含む生活困窮世帯の子どもに対 する学習支援事業を実施するものであり、各自治体が地域の実情に応じ、学習 支援に取り組むことができる。 一方全国19の政令指定市でつくる指定都市市長会は2010年、働くことが 可能な人に対する「集中的かつ強力な就労支援制度」の導入や受給期限の制限 等について提言を行った。このように生活保護制度の見直しが積極的にすすめ られている。 こうした見直しの背後には、低賃金で就労するより生活保護を受給するほう が収入面で高くなる可能性があるためにおこる就労インセンティブの低下を防 止する目的がある。しかし先に見たように、実際には生活保護受給世帯に占め る母子世帯の割合は低く、多くのシングルマザーは生活保護ではなく、自立の 道を選択している。 そこで本論文では、就労可能なシングルマザーに限定し、第2章ではシング ルマザーの就労と生活保護受給及び貧困家庭の子どもの教育に関する先行研究 を概観する。第3章では生活保護を受給せず就労するシングルマザーと生活 保護を受給するシングルマザーの所得格差と労働供給行動について現行の生活 保護制度に基づいて論じ、生活保護を受給せず就労するシングルマザーの経済 的厚生を高めるための理論的枠組みを考えるとともに、その枠組みに基づき、 計量分析を行い、これらの理論および計量分析から得られたファインディング を整理する。第4章では、家族への影響という視点から、子どもの高校進学を 決める要因について理論的枠組みを考え、その理論的枠組みに基づき、計量分 析を行い、これらの理論および計量分析から得られたファインディングを整理 する。最後に第5章では就労可能なシングルマザーにとっても子どもにとっ ても就労するほうが望ましい環境となるための現行法制度の運用方法や改正、 就労しやすい環境の向上策に関して提言したい。

2 先行研究

これまでも現行制度のもとで行われている生活保護被保護世帯に対する就労

(9)

支援や就労インセンティブを高めるための制度の改正に関する先行研究は多く なされてきた。道中(2006)は、稼働阻害要因のない保護受給層の「就労自立 支援事業」の就労自立支援状況の調査の分析結果から、就労支援により就労し ても低賃金で保護からの脱却が困難なワーキングプアとしての就労が大半を占 めることから、受給層の就労インセンティブに課題があることを指摘する。宮 本(2009)は、生活保護制度における就労支援の有効性について、まず2005 年度に開始された自立支援プログラムの参加要件を満たす人が非常に少なく、 全受給者に占める参加率が低いうえに、参加者の実情に合わないプログラムの 内容を指摘する。また勤労収入の基礎控除額は勤労収入が上がれば上がるほど 低くなってしまう実態から、基礎控除額表を見直さなくては就労インセンティ ブを上げることができないとする。道中(2009)は、就労支援を貧困の問題と して認識し、「ワーキングプア」を「働いているが貧困状態にある者」として とらえ、その基準を生活保護受給の「最低生活費(保護基準)」とすることは、 低賃金就労の生活保護受給者はもちろんだが、最低生活費の範囲内で就労する 生活保護受給者も「ワーキングプア」とみなされることから実態に合わないと 指摘する。そして最低生活の保障の枠組みは社会保障制度の公的扶助と雇用の 賃金問題の両面から分析する必要があると指摘する。 一方母子世帯への就労支援を対象としたものとしては、まず阿部他(2008) があげられる。母子世帯の生活保護受給額と勤労所得に着目し、低学歴、高年 齢などの不利な条件のため、一般の母子世帯に比べ就労阻害要因をかかえてい ると思われる被保護母子世帯は、生活保護制度に取り込まれ給付を受けるよう になると、実際の就労からの所得よりも潤沢な就労所得の取り扱いによって、 受給者の就労意欲が損なわれ、「貧困の罠」に陥る側面があることを指摘する。 そしてこれらの問題の解決には、就職支援に加え就労してからのサポートを充 実させた支援策の強化が必要であると述べる。この点について、宮本(2009) は、被保護世帯より生活保護を受けていない母子世帯の方が所得が低いことか ら、被保護世帯に対する加算の廃止など福祉を切り下げる方針を改めるべきだ とし、問題なのは低い賃金、不安定な雇用、母子世帯の福祉などが手薄になっ ている状況であると指摘する。また道中(2009)は、被保護世帯の実態調査を

(10)

行い、低位学歴によってライフチョイスが限定され、職業も限定的になり低所 得になり低い生活水準のもとでおこる貧困の世代的連鎖を指摘し、就業支援だ けでなく、様々な支援が地域のネットワークの再構築につながると指摘する。 このように母子世帯の就労支援に関する先行研究においては、現行の生活保 護制度のもとで行う生活保護受給母子世帯に対する支援策に関するものが多い が、第1章でもみたように、生活保護を受給する母子世帯の割合は一般母子世 帯に比べ低い。それにもかかわらず、生活保護受給母子世帯が得られる収入5) と一般母子世帯の収入の格差から起こる不就労の選択が労働市場に与える影響 に関する実証研究は少ない。その理由としては、岩永(2010)は、そもそも生 活保護制度は、最低限度の生活を保障する制度であり、その最低限度の生活の 需要、および保護の程度を測定する基準が保護基準であるため、課税最低限、 最低賃金等のほかのものとの比較によって左右されるものではないという考え 方があることを指摘した。岩田(2010)も生活保護制度と最低賃金制度の水準 の整合性について、両制度の水準比較をどのように比較することができるかと いう技術的な問題があることを指摘し、今日両者の調整が問題となっているの は、非正規労働者の拡大、単身世帯の拡大と重なり合って、高度経済成長期に 形成された労働者生活それ自体が標準型としては崩壊しかかっていることと関 連しているのではないかという。そして両者の整合性をとる方法として、「仕 事への報酬」にウェイトをおいてその生活が成り立つようにする政策と、逆に 生活保障にウェイトをおいていくべき状況を、労働時間で区分していくことを 提案している。 この点に関し、全国知事会及び全国市長会の「新たなセーフティネットの 提案」(2006)では、現行生活保護制度は少子高齢・人口減少社会の到来、家 族の変容、就業形態の変化、ワーキングプアの広がり等、戦後の日本の社会経 済構造の大変化に十分に対応できず制度疲労を起こしていることを指摘してお り、特にワーキングプアを「働いても生活保護基準以下の収入しか得られない 世帯」と定義している。 5) この収入には、最低生活費に加え必要に応じて加算される一時扶助費も含む。

(11)

なお、生活保護の受給の有無ではなく、婚姻の有無を基準に配偶者のいる母 と配偶者のいない母の労働時間や所得の違いを分析した研究としてはReimers (2002)がある。配偶者のいない母は、結婚して配偶者のいる子どもの母に比 べ労働時間は長いが所得は低く、子どもと過ごす時間も少ないという結果を実 証するとともに、低学歴の母やシングルマザーに対する公的援助を行うことに よって労働力率が上がったという結果を出している。日本における母子世帯の 仕事と育児時間に関する研究においても、田宮・四方(2007)によって同様の 結果がでている。夫婦世帯の妻と比べ、シングルマザーの仕事時間は長く、育 児時間は短く、1986年と2001年を比較した場合、2001年にかけて両者の差 は拡大傾向にあることが実証されている。 こうしたシングルマザーの置かれた状況と貧困との関係を分析した研究と して、石井、山田(2007)がある。慶応義塾家計パネル(KHPS)を用いて、 3年間の日本における貧困動態分析を行った結果、貧困はすべての人にランダ ムに起こり得る現象ではなく、ひとり親世帯や世帯主が低学歴、非典型雇用で ある世帯において継続的に貧困に陥る可能性が高く、貧困突入、脱出の際に最 も重要なのは雇用者所得(賃金)の変動であることが実証されている。 近年シングルマザーに対する就労支援、不就労ではなく就労を選択する施 策に関する研究だけではなく、こうしたシングルマザーの子ども等を対象とし た研究も行われている。日本財団は2015年12月、「子どもの貧困」を放置し た場合の経済的影響を推計した。この研究の背景として、貧困が次の世代の貧 困を生む「貧困の連鎖」の存在が指摘されており、子どもの貧困対策が急務と なっている現状で、深刻化する子どもの貧困を経済的視点から捉えるために実 施された。現状を放置した場合、わずか1学年6)あたりでも経済損失は約 2.9 兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られた。 子どもの貧困問題が社会問題に留まらず、経済への大きな影響を及ぼす問題で あることが明らかであると結んでいる。 6) 日本財団のホームページによれば、「現在 15 歳の子ども(約 120 万人)のうち生活保護世帯、児 童養護施設、ひとり親家庭の子ども(約 18 万人)」としている。詳細は http://www.nippon-foundation.or.jp/news/pr/2015/116.html 参照

(12)

一方、子どもの貧困と教育支援に関する研究としては、益田(2016)によ る学習支援事業の全面的な展開により、貧困の再生産を防止できるかどうかを 分析した研究がある。生活保護受給世帯の子ども(小中学生)を対象とした学 習支援事業を実施した結果、貧困の再生産は、学習支援のみで断ち切りうるも のではなく、所得・生活保障や教育機会の平等化と並行的に進める必要がある が、子どもの社会的自立のための基礎的要件を満たすことで、その機能を部分 的に果たしうると結論付けている。 また、アメリカにおける移民第2世代の学校教育からの脱落とその決定要 因についてポルテスとルンバルト(2014)による研究がある。高校を卒業す ることで、ドロップアウトした者に閉ざされてしまう将来の様々な選択肢が与 えられるため、第2世代の若者にとって高校卒業は最も重要なことであるが、 家族構造や、教育上の目標、自己イメージの発達が重要であり、非欠損家族の 永続的な効果が、子どもをよりよい学業成績へと動機づけていると実証してい る。そして、出身国や両親の地位による効果が見られないのは、適応プロセス に与えるこれら初期の影響の大部分が、思春期後期までには子ども自身の経験 によって既に解消されていることを示唆している。 そこで次章では、まず生活保護を受給せず就労するシングルマザーと生活保 護を受給するシングルマザーの所得格差と労働供給行動について焦点をあて、 生活保護を受給せず就労するシングルマザーの経済的厚生を高めるための理論 的枠組みを考えるとともに、その枠組みに基づき、計量分析を行い、これらの 理論および計量分析から得られたファインディングを整理する。

3 シングルマザーの所得格差と労働供給行動

(1) 理論的考察 1)制度的前提 日本における戦後のシングルマザーに対するサポートは、1946年に制定さ れた生活保護法までさかのぼることができる。そもそも生活保護法は、生活に 困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的

(13)

な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的として7) 定された。その後生活保護法は改正を経て、現在母子世帯に対する保護につい ては、生活扶助基準に妊産婦加算又は母子加算などが付加されている。 一方生活保護を受給しないシングルマザーの生活の安定と自立を促進する ための制度としては、1961年に制定された「児童扶養手当制度」があり、金 銭的給付8)が行われるのだが、児童扶養手当の受給には所得制限がある。この 点に関し2002年の法改正9) により所得額が見直され、全部支給、一部支給、 支給停止を決定する所得の限度額が変わるとともに、一部支給の額が所得に応 じてきめ細かく設定されている。例えば母と子ども2人の母子世帯の場合、所 得が95万円未満の場合は全部支給され、所得が95万円を超え268万円未満 の場合には、一部支給される10) その他の制度としては、1964年に制定された「母子及び寡婦福祉法」があ り,母子福祉資金の貸付等の経済的自立促進対策,母子自立支援員による自立 支援や求職支援、生活支援などが行われている。 このように日本ではシングルマザーに対する様々なサポートが用意されて いるが、どの制度を利用するかによって、可処分所得の面で格差が生じる。も ちろん制度の趣旨が異なることから水準比較は難しいが、産業構造や雇用形態 が大きく変化している現在このような議論は避けて通れなくなってきている。 第1に就労支援によって就労可能なシングルマザーと、病気等の理由で就 労ができないシングルマザーに同じ受給要件のもとで生活保護費が支払われて いる一方で、近年は生活保護水準以下の所得しか得られない不安定な就労で生 活保護費を受給しないシングルマザーもいる。所得面だけを考慮すると、不合 理であるように思える。 7) 生活保護制度の詳細については厚生労働省 HP を参照。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/seikatuhogo.html 8) 2016 年 8 月より、児童扶養手当法の一部が改正され、第 2 子の加算額、第 3 子以降の加算額 が変更となり、増額されることになった。詳細は厚生労働省 HP を参照。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/100526-1.html 9) 児童扶養手当制度の改正に関する詳細は厚生労働省 HP を参照。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/06/tp0626-2.html 10) 扶養親族等の数が異なるとこれらの限度額は変わることに注意する。

(14)

第2に現行法制度では、就労可能で生活保護を受給するシングルマザーが就 労支援の結果就労することになったとしても、就労所得によって生活保護の支 給要件から外れたり、生活保護額を減額されたりすることで、所得が上昇しな いことが明らかであれば、就労のメリットが感じられず、就労を選択する人は 増えない。2007年に策定された「福祉から雇用へ」推進5か年計画では、稼 働能力を有し、就労意欲のある者で早期に適切な就労支援を行うことにより、 自立の可能性が見込める者に対して就労支援を推進することにより就職につな げるとして数値目標をかかげているが、平成18年度における母子家庭世帯の 常用雇用率は42.5%と目標値に達していない11) 第3に現行法のもとでは、就労可能で生活保護を受給するシングルマザー と生活保護をしない低所得のシングルマザーの所得格差は縮小しない。 公平性の観点やモラルハザードの問題を考えると、行政側が行う生活保護受 給のための厳密な資産評価は難しいと考えるが、当面は生活保護制度について は柔軟な運用を可能にし、「資産」や「扶助」に対する考え方を見直し、いずれ は就労可能な者に対する生活所得保障を生活保護制度と分けるなどの法改正が 必要であろう。また児童扶養手当の受給要件である「所得制限枠」の緩和や、 子に対する扶助の現物給付制度など、生活保護を受給しないシングルマザーに 対するサポートを検討しなくては、この問題は解決しないのではないだろうか。 ドイツでは就労可能な長期失業者向け給付「失業給付Ⅱ」の受給するため の資産テストにおいて、自宅住居の広さや自家用車のグレード、財産、年金額 等が許容範囲かどうかを確認し、古い中古車の場合は持っていることが許され る場合もある12)。地域の実態にあう形で制度の整合性をとることが必要であ ろう。 2)経済学的視点 シングルマザーの所得格差と就労・不就労の選択を考える場合、シングルマ 11) 厚生労働省(2009)「福祉から雇用へ」推進 5 か年計画∼誰でもどこでも自立に向けた支援が 受けられる体制整備∼参照。 12) 2010 年 2 月にドイツ連邦雇用機関において実施した現地調査で聴取した内容に基づく。詳細 は井口・長谷川(2010)参照

(15)

ザーの所得の変化について検討する必要がある。シングルマザーは、就労を選 択し、生活保護を受給しないシングルマザーと、生活保護の受給範囲内の就労 もしくは無業を選択し、生活保護を受給するシングルマザーに分類できる。そ れでは、シングルマザーの労働供給モデル(図4)に基づき、シングルペアレ ンツの意思決定の過程をみてみよう。 図 4  シングルマザーの労働供給モデル ປാ᫬㛫 B W䠍 A W䠎 䠟 䠌 L1 L2 U3 E U2 U1 D   (出所)筆者作成 図4において、0点はシングルマザーが無業で収入がない状態である。A点 はシングルマザーが無業または失業状態で、子に対する金銭的サポート13) 受給している場合の所得を表す。B点は無業で生活保護を受給している場合 の所得を表す。直線L1は賃金率W1で就労する場合の所得曲線である。直線 L2は賃金率W2で就労する場合の所得曲線である。これらの収入には、就労 収入のほか、児童扶養手当や養育費なども含まれる。直線L1上のC点は、児 童扶養手当を全部支給受けることができる最大限の労働時間や所得を表す。同 じように直線L2上のD点は、児童扶養手当を全部支給受けることができる最 13) 生活保護受給母子家庭の場合は母子加算、生活保護を受給していない一般母子家庭の場合は児童 扶養手当の支給を受ける。

(16)

大限の労働時間や所得を表す。いずれの所得曲線も途中で傾きが変わっている が、これは児童扶養手当全部受給の要件である一定の所得を超えてしまったた めに児童扶養手当が減額され、総所得が減ってしまうためにおこる。E点は児 童扶養手当が減額されたとしても所得を上昇させるために多く就労した場合の 所得を表す。U1はC点の、U2はE点の、U3はB点の効用を表す無差別曲 線である。 次にこのモデルではシングルマザーZの意思決定の過程を見るにあたり以 下の点について仮定している。  ① Zは持ち家がなく、賃貸住宅に住んでおり毎月家賃を支払っている。  ② 最低所得保障には生活扶助、母子加算、住宅扶助を含む各種費用に対応 する扶助が含まれる。 Zがシングルマザーになり無業であるなら、まず0点においてZは生活保 護を受給できるかどうか決定される14)。もし生活保護を受給できるのであれ ば、Zは0点からB点に移動する。なぜなら、就労に伴う所得による効用よ り効用が高くなるからである。 しかしながら自動車や貯金などの資産があり資産テストで生活保護の受給 要件を満たさない場合は現行法制度の下では生活保護を選択することができな いため、Zは毎月児童扶養手当を受給しながら就労することとし、0点からA 点を通り、直線L1上のC点15)で就労することを決定する。この収入を超え ると児童扶養手当は収入に応じて削減されるため、C点を境に直線L1は緩や かな直線になる。よってZはC点より多く労働することを好まずC点におけ る効用は効用曲線U1上にあるため、Zの効用は生活保護を受給する場合より も低いことが分かる。 次にZが転職し賃金率がW2の直線L2上で就労したとすると、D点が児 童扶養手当の所得制限を受けず全部支給を得られる限界収入地点となる。この 14) 資産がなく、様々な理由により就労による所得が見込めないまたは保護基準に満たない所得しか ないシングルマザーが生活保護を受給できる。ここでは先に述べたように、対象を就労可能であ るシングルマザーに限定して論じている。 15) この限界収入地点の収入には、就労収入のほか養育費なども含まれるため、就労収入以外に収入 がある場合には、収入調整を行うため C 点の左側で就労することも考えられる。

(17)

収入を超えると児童扶養手当は収入に応じて削減されるため、D点を境に直線 L2は緩やかな直線になる。Zは児童扶養手当を全部支給してもらおうとする なら、D点より多く就労せず最大限D点での就労を好む。だが児童扶養手当 を減額されても収入を増加させようと考えれば、労働時間を増やしE点にお ける収入を選択する。この時の効用は生活保護を受給するよりは低いが、賃金 率が上昇した分だけ効用が高くなったといえる。だが、子の養育もしなければ ならず、労働時間をどれだけ延ばせるかはわからない。 このモデルにおいては、生活保護を受給する場合の経済的厚生が一番高い。 なぜならモデルを作るにあたり、実際の所得の動きを考え、最低所得保障に住 宅扶助やその他各種費用に対応して支給される扶助等を含めると同時に、生活 保護を受給しない場合は、給与所得控除や社会保険料、その他の控除が考慮さ れているとしても、税や社会保険料、毎月の家賃の支払い等の支出を所得から 減額しているためである。 このように可処分所得ベースでみると所得の差は、法制度上の名目所得に比 べ大きくなると考えられる。 (2) 計量分析 本節では、前節で行った理論的枠組みを基にして、地域のどのような特色が シングルマザーの無業率を決定するかを明らかにするため、地域別データを用 いて計量分析を行うこととする。 生活保護受給世帯にしめる母子世帯の割合は低い16) ことから、シングルマ ザーの多くは生活保護費を受給せず所得を得ていると考えられる。シングルマ ザーの所得の大半が稼働所得による17) ものとすれば、何らかの事情で所得が 減少したり、失業したりすれば、生活保護を受給しなければならない状況に陥 ることが想定される。そのためどのような場合に、就業から無業状態に陥るの かということを検証することは意義がある。ただし就業といっても多様な雇用 16) 厚生労働省大臣官房統計情報部「社会福祉行政業務報告」(福祉行政報告例)によると、母子世 帯の全生活保護被保護世帯数に占める割合は 2011 年は 8%である。 17) 国民生活基礎調査でも結果は明らかである。

(18)

形態があり、就労時間も所得も雇用形態によって変化することから、検証の際 雇用形態にも配慮する必要があるが、ここでは非正規雇用を想定18)し分析を 進めることとする。 そこで、シングルマザーの無業率の決定には、地域のどのような特色が要因 となっているかを明らかにするために分析を行う19)。利用するデータは、 47 都道府県の1995年、2000年、2005年の総務省統計局「国勢調査」を特別集 計して得られた数値とし、最小二乗法による多変量解析により、計量方程式を 推定することとする。なお、シングルペアレンツには父子家庭及び母子家庭が 含まれるが、一般的に父子家庭の場合就労している場合が多い20) ことから、 分析に用いるデータはシングルマザーの数値を用いることとした。 ◎計量モデル(線形回帰モデル) Y = a0 + a1X1 + a2X2 + a3X3 + a4X4 + a5X5+ u        (ただしuは残差項) ・被説明変数  Y:シングルマザーの無業率 ・説明変数  X1:母子世帯生活保護受給率  X2:離婚率  X3:パートタイム労働者の1時間当たり所定内給与額(企業規模計21))  X4:就業するシングルマザーの割合  X5:大都市ダミー 被説明変数の統計上の特徴は以下のとおりである。 18) 厚生労働省「平成 18 年度全国母子世帯等調査結果報告」によると、母子世帯の約 51%が「臨 時・パート」で就労しており、平均の就労収入額は 171 万であることから、本分析で想定する 雇用形態を「非正規雇用」とした。 19) 分析にあたり、シングルマザーの所得に所有する資産額や養育費を含めないのは、データの制約 によるものである。 20) 厚生労働省「平成 18 年度全国母子世帯等調査結果報告」によると、父子世帯の 67.2%が「正 規の職員・従業員」で、平均の就労収入額は 398 万円であることから、本分析では父子家庭の 数値を対象外とした。 21) 従業員規模 10 人以上の企業を対象にしたものである。

(19)

 Y:シングルマザーの無業率 関西学院大学少子経済研究センターが(財)統計センターに委託し、総務省 統計局国勢調査(1995年、2000年、2005年)を特別集計して得られたデータ を利用し、シングルマザーの非労働力人口から家事・通学を除いた人口を15 歳以上の女性人口で除した数値とする。国勢調査の特別集計を用いたのは、世 帯数をより厳密に得るためであり、また過去3回分のデータを用いたのは、長 期的な変化の分析を行うためである。なおこれは民法上婚姻可能な年齢は女性 の場合16歳以上であることを考慮して15歳以上の女性人口を用いることと した。 次に説明変数は、無業の選択に影響を及ぼす社会要因、労働市場要因に関し て、それぞれ仮説を設定した。 1) X1:母子世帯生活保護受給率 厚生労働省大臣官房統計情報部編「社会福祉行政業務報告」に基づく「現に 生活保護を受けた母子世帯」を「国勢調査」に基づく15歳以上の女性人口で 除した数値とする。母子世帯生活保護受給率が高い地域は、生活保護を受給し やすいために生活保護受給を希望するシングルマザーが増加し、そのため無業 状態のシングルマザーが増加するとの仮説をおくことができる。 2) X2:離婚率 厚生労働省大臣官房統計情報部編「人口動態統計」に基づく離婚率とする。 離婚率が高くなると、様々な離婚理由により離婚後資産がなく、また自立の ための仕事を持たず、また養育費も得られない場合も増える。しかしすぐに自 立できるほどの所得が得られず育児時間も必要なために無業状態のシングルマ ザーが多くなるとの仮説をおくことができる。 なお、離婚の原因として配偶者の失業や家族の崩壊、金銭トラブルなど様々 な理由が考えられる。それゆえ離婚率は内生変数といえる。データの制約上、 離婚に影響を及ぼす要因として完全失業率のみ入手可能であった。ところが離 婚率と完全失業率の相関関係をみたところ強く相関していたため、離婚率のみ 採用することとした。 3) X3:パートタイム労働者の1時間当たり所定内給与額(企業規模計)

(20)

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくパートタイム労働者の1時間 当たり所定内給与額とする。パートタイム労働者の1時間当たり所定内給与額 が高くなれば、労働時間が少なくなっても就労によって得られる給与が増加す ることによって収入が増え、そのため育児の時間を以前より多く持つことがで きるため、就労によるインセンティブが高まり、無業状態のシングルマザーは 減少するとの仮説をおくことができる。 4) X4:就労するシングルマザーの割合 総務省統計局「1995年、2000年、2005年の国勢調査の特別集計」によるシ ングルマザーの労働力人口を、15歳以上の女性人口で除した数値とする。シン グルマザーの就労率の高い地域は、就労しやすい環境にあり、仕事と育児の両 立がしやすいため、シングルマザーは就労することを選び、無業状態のシング ルマザーは減少するとの仮説をおくことができる。なお、このような家事と育 児の支援のためを測る政策変数としては、保育所数や待機児童数、財政力指数 などが考えられるが、市町村レベルで行われる政策に対するデータの入手に制 約があり、都道府県レベルの数値は結果に限界があることから採用しなかった。 5) X5:大都市ダミー 首都圏、中京圏、関西圏周辺の都市では、その他の都市よりサービス業な どの仕事も多く就労しやすいため無業になりにくいという仮説をおくことがで きる。 ⅱ)分析結果 地域別にみるシングルマザーの無業率を被説明変数として多変量解析を行っ た結果は以下のようにまとめられる(表1)。 母子世帯生活保護受給率が高い地域ほど、シングルマザーの無業率は上昇す る傾向が見られた。このことは仮説の通り、生活保護受給率が高い地域におい ては生活保護を受給しようとするシングルマザーが増加することからシングル マザーの無業率が高くなることを示している。 次に離婚率が高まると、シングルマザーの無業率は上昇する傾向が見られ た。離婚する親の中には育児を行っていた専業主婦もいれば、扶養の範囲内の

(21)

表 1  地域別にみるシングルマザーの無業率の決定要因 ಀᩘ 㼀್ ẕᏊୡᖏ⏕άಖㆤཷ⤥⋡ 㞳፧⋡ 䝟䞊䝖䝍䜲䝮ປാ⪅䛾㻝᫬㛫䛒䛯䜚ᡤᐃෆ⤥୚㢠䠄௻ᴗつᶍィ䠅 ᑵປ䛩䜛䝅䞁䜾䝹䝬䝄䞊䛾๭ྜ ኱㒔ᕷ䝎䝭䞊 ᐃᩘ㡯 ⮬⏤ᗘㄪᩚ῭㻾㻞 䝃䞁䝥䝹ᩘ ㄝ᫂ኚᩘ 㻜㻚㻡㻠㻟 㻝㻠㻝 㻝㻚㻥㻥㻟 㻥㻚㻡㻣㻜 㻙㻟㻚㻢㻢㻠 㻙㻠㻚㻜㻠㻣 㻙㻜㻚㻞㻤㻠 㻜㻚㻠㻥㻜 㻜㻚㻜㻟㻤㻖㻖 㻜㻚㻜㻜㻜㻖㻖㻖 㻙㻜㻚㻜㻜㻜㻜㻜㻜㻡㻖㻖㻖 㻙㻜㻚㻜㻞㻟㻖㻖㻖 㻙㻜㻚㻜㻜㻜㻜㻜㻣 㻜㻚㻜㻜㻜㻡 (注)***は 1 %水準で有意、**は 5 %水準で有意、*は 10 %水準で有意であることを示す。 (出所) 筆者作成 就労を行っていた親もいる。また資産や預金がないままに予期せぬ離婚をした ために何も持たない親もいる。このようななかで、仮説の通り、離婚によって 低所得または無業のまま、子の養育をしなければならない親が増加すると、働 きたくてもすぐに働けない無業状態の親が増加することを示している。 また、パートタイム労働者の1時間当たり所定内給与額が高くなると、シ ングルマザーの無業率は低下する傾向が見られた。仮説のとおり、所得が上昇 することによって以前より短い労働時間で依然と同じ所得を得ることができ、 かつ育児時間を増やすことができるために、シングルマザーが無業より就労を えらびやすくなったといえる。 そして、シングルマザーの就業率が高まると、シングルマザーの無業率は低 下する傾向がある。このことは、シングルマザーの就業率の高い地域では、子 どもを育てながら就業しやすい労働環境や保育環境が他の地域に比べ高いため、 無業でいるより就労を選択するシングルマザーが増加することを示している。 これに対し、大都市周辺は、無業のシングルマザーが減少するという仮説は 支持されなかった。

(22)

4 シングルマザーの家庭の子どもに及ぼす影響

(1) 理論的考察 シングルマザーの家庭における家族の抱えるリスクには、衣食住環境、教育 環境などが考えられる。子どもの貧困対策については、2014年8月に、内閣 府において「子どもの貧困対策に関する大綱」がまとめられ、生活の支援、保 護者の就労支援、経済的支援、教育の支援などの支援が示されている。このよ うな多岐にわたる支援の中で、近年貧困の連鎖の予防措置として子どもの教育 が重視されている。それでは中学校卒業後高校進学がどのような要因で決定さ れるのだろうか。 シングルマザーと子どもから成る家計モデルを構築し、これを高校進学関数 と名付け、以下の式で示すことができる。    X = f (PI, Pe, Pc, Cl,) Xは、子どもの高校進学率とする。PIは、家族の状況、Peは親の就労状況、 Pc,は親の権利状況(国籍、在留資格)、Clは、子どもの学習能力とする。 子どもは高校進学を希望すればだれでも行けるわけではない。学費等の支 払いのため親の収入がなければ進学は難しい。次に、親自身が、社会でどのよ う生活環境にあり、どのようなサポートを受けられるかに影響されるだろう。 また、子どもの学習能力、外国人であれば更に学校生活で必要な日本語運用能 力が必要である。これらがそろって高校進学率が高まると考えることができ よう。 (2) 計量分析 所得は低下するものの、就労を選択するシングルマザーは多いが、こうし たシングルマザーとともに過ごす家族、とりわけ子どもにはどのようなリスク が生ずるのであろうか。子どもの貧困という点からみると、教育問題は子ども の将来に大きな影響を及ぼすと考えられる。もし子どもに教育を受けさせるこ とで、貧困の連鎖を防止できるのであれば、子どもの進学はどのような要因に よって決まるのか検証することは意義がある。 そこで高校進学に焦点をあて、特定の地域における高校進学を高める要因

(23)

を明らかにするためにマイクロデータを用いて、計量分析を用いて行うことと する。 用いるデータは、2014年に外国人集住都市会議の三重・滋賀・岡山ブロック が同会議に参加する26都市で実施した「外国人集住都市会議 外国人住民ア ンケート調査」22)(調査は自治体窓口に来た成人 1035人に対して行われ、子 どもに関する情報は第1子のみを集計)の結果を利用することとし、マイクロ データによる二項ロジスティック回帰(最尤法)により、計量方程式を推定す ることとする。 なお、マイクロデータを用いて分析を行うのは、家族単位で見られる特徴 を、個票データを用いて分析し、親子の関係性から子どもへの影響を解明する ためである。 ◎計量モデル(確率決定モデル) 推定方程式 Ln (P / 1 – P) = a0 + a1 X1 + a2 X2 + a3 X3 + a4 X4 + a5 X5 + u        (ただしuは誤差項) ・被説明変数 「高校進学した」の確率Pのロジット変換 Ln (P / 1 – P)  高校進学をした=1 高校進学をしていない=0 ・説明変数    X1:シングルマザーである    X2:仕事の有無    X3:日本国籍の有無    X4:永住権の有無(外国籍で永住者の在留資格などを有する者。なお、 結果的には、特別永住者は含まれていない。)    X5:子どもの学習能力 22) 筆者が外国人集住都市で行われた調査のマイクロデータを使用した理由は以下の理由によるもの である。 日本国内では、国勢調査、国民生活基礎調査、就業構造基本調査などにおいても、親の就業、生 活、家計構造と子どもの状況の関係性を把握するデータが入手できない。

(24)

説明変数は、家族の状況を表す変数として「シングルマザーである」を、経 済変数として「仕事の有無」を、親の日本滞在の根拠となる権利状況を想定す る変数として、「日本国籍の有無」や、「永住権の有無」を、子どもの学習能力 変数として、「子どもの学習能力」とし、子どもの高校進学の確率が高まるか どうかの仮説を設定した。 ①X1:シングルマザーである ここで使用するシングルマザーとは、「16∼19歳の子どもがいるシングルマ ザー」と定義する。大多数がシングルマザーであるが、データの制約上、ごく 一部シングルファーザーがいる。シングルマザーは、世帯の所得水準が低く、 また家庭における教育機能が十分に働かない可能性があるため、高校進学の確 率が低下するとの仮説をおくことができる。 ②X2:仕事の有無 親が仕事をしていると、収入はあるため、子どもの高校進学の確率が高ま るとの仮説をおくことができる。 ③X3:日本国籍の有無 親が日本国籍をもっていれば、日本国内における経済基盤やネットワーク があり、将来子どもも日本を拠点に生活していくと考えられるため、高校進 学の確率が高くなるとの仮説をおくことができる。 ④X4:永住権の有無 親の在留資格が「永住者」であれば、日本国内で住宅ローンなどを組むこ とができ、日本と母国を行き来できるため、日本における生活基盤を築きや すい。そのため在留資格が永住者の場合、子どもの高校進学の確率が高まる との仮説をおくことができる。 ⑤X5:子どもの学習能力 高校進学をするために入学試験に合格しなければならず、また授業につい ていくために必要な学習能力が必要である。また学習意欲を持つことも重要 である。 さらに日本語が母国語ではない子どもの場合、学習言語として、学校教育 で必要な言語能力が一定以上であることが求められる。

(25)

そこで、子どもの学習能力を示す代理変数として、「日本語の方が得意で ある」を採用した。 子どもにとって、日本語が話せると、コミュニケーション手段があるた め高校生活を支障なく過ごすことができ、将来日本で生活基盤を持つ可能性 があることから、子どもの高校進学の確率が高まるとの仮説をおくことがで きる。 ⅱ)計量分析の結果 分析の結果は以下のようにまとめられる。 表 2  高校進学率関数(ロジスティック回帰) ಀ ᩘ  ᶆ ‽ ㄗ ᕪ  :DOG ᭷ ព ☜ ⋡  ࢜ ࢵ ࢬ ẚ  ࢩ ࣥ ࢢ ࣝ ࣐ ࢨ ࣮ ࡛ ࠶ ࡿ        ௙ ஦ ࡢ ᭷ ↓        ᪥ ᮏ ᅜ ⡠ ࡢ ᭷ ↓        Ọ ఫ ᶒ ࡢ ᭷ ↓        Ꮚ ࡝ ࡶ ࡢ Ꮫ ⩦ ⬟ ຊ        ᐃ ᩘ        ࢫ ࢸ ࢵ ࣉ  ᑐ ᩘ ᑬ ᗘ  &R[6QHOO5஌  1DJHONHUNH5஌   D   (出所)筆者作成  ① 親がシングルマザーの場合、子どもが高校進学する確率が低下する。仮 説のとおり、世帯所得が低く、子どもと接する時間が少ないなどのこと から、家庭の教育機能が十分機能していない可能性がある。  ② 親が仕事をしている場合、仮説とは異なり、子どもが高校進学する確率 が低下する。これは、親が仕事をしても、その収入が低く、進学させる 余裕がないことや、また長時間働かざるを得ないため、子どもに対する

(26)

教育機能が十分機能していない可能性があると考えられる。  ③ 親が日本国籍をもっている場合、また親の在留資格が永住者である場 合、子どもが高校進学する確率は高まる。今後の生活基盤として日本も 視野に入っているため、外国人の子どもも、日本の教育を受けたい気持 ちが強いためと考えられる。  ④ 子どもの言語能力と高校進学については、日本語の方が母語より得意な 子どもは、高校進学する確率が高い結果となった。日本語の方が母語よ り得意な場合、学習言語である日本語で学習ができることから高校進学 がしやすく、日本を生活基盤として生きていく選択肢を選びやすくなる ためと考えられる。

5 シングルマザーの就労環境改善に関する提言

本研究では、まず地域データを用いて、シングルマザーの無業率を決定する 地域の特色について明らかにするとともに、次にマイクロデータを用いて子ど もの高校進学に影響を及ぼす要因について明らかにした。本章では、シングル マザーが生活保護を受給するより、就労を選択するほうが本人にとっても、子 どもにとっても望ましい環境となるための制度の改正と促進政策を提言するこ ととする。 理論的及び実証的な分析結果から次のことが読み取れる。離婚率の上昇によ り、離婚後の子の養育の費用も含む収入のあてがないままシングルマザーにな る数も増加すると考えられる。そして資産等がなく、またすぐには仕事が見つ からない場合は、生活保護を受給しようとする。しかしながら賃金率の高い仕 事に就ければ、労働時間を短くし子どもにかける時間をこれまでより増やすこ とができ、かつ所得も増大することから、より就労を選択することが立証され た。しかしながら、現状は就労していても収入が低いためか、子どもの高校進 学率は低下している実態が見られた。なお、外国人の子どもの場合、子どもの 高校進学の困難はさらに大きく、日本語能力がないと進学が難しい。 こうした状況の下で、現行法制度においては、就労が可能なマザーに限定す ると、資産がない場合に生活保護は支給され、資産があると本人自身低所得で

(27)

あっても生活保護は受給要件にあてはまらず受給できない。また生活保護受給 者が生活保護受給可能な範囲内で就労して得た所得に対して所得控除があって も、所得が高額になると控除率が下がるとともに生活保護額が減額される現状 は、働いても働かなくても収入水準は大きく変わらず、制度上貯金もできない ことから自立への道が厳しく就労インセンティブが高まらない。また自立支援 による就職は、その仕事が賃金率の低い仕事の場合、ワーキングプアを作り出 すことになる。時代にあったサポート制度の見直しが必要であろう。 そこで、以下のことを提言する。 ① 生活保護制度の当面の柔軟な運用と今後の抜本的改正  1)生活保護制度において、所得に応じ教育扶助、家賃扶助等必要な援助の みを分離して支払うことができる部分支給を可能にする。  2)また資産の有無を厳格にチェックし透明性に努める一方で、現代社会の ライフスタイルにあった資産の許容範囲を見直す。  3)子どもに対する十分な教育環境を与えるため、高校進学に必要な金銭的 援助を充実させる。現在非課税世帯を対象に、授業料以外の教育費を支 援する「高校生等奨学給付金制度」があるが、非課税枠から外れるワー キングプア世帯の場合、対象とならないため、制度の柔軟な運用ができ るようにする。  4)生活保護受給者の勤労所得に対する所得控除率を見直し、就労を選択し やすくする。  5)就労可能なシングルマザーに対する生活所得保障を従来の生活保護制度 から分離し、新たな制度のもとでサポートする。 ② 児童扶養手当制度の要件の緩和 シングルマザーが児童扶養手当の全部支給のため就労制限を行うことがな いよう、児童扶養手当の所得制限額を地域レベルで緩和する。 ③ 職業訓練制度の積極的活用と訓練期間中の金銭的支援 就労するシングルマザーはスキルアップの職業訓練に多くの時間をかける ことができないことから、就労できず機会費用が高くなってしまうため資格取

(28)

得を条件とするなど、一定の条件のもとで、本人の所得状況に応じた職業訓練 期間中の支援を行う。 ④ シングルマザーの子どもたちに対する教育支援・高校進学支援 外国人の子どもたちの教育にあたっては、自治体や地域において、日本語学 習の支援が強化されているが、シングルマザーの家庭を中心に、積極的に教育 支援・高校進学を支援する必要がある。シングルマザーが就労することで経済 的に苦しく、子どもへの教育機能を十分に発揮できなくても、公的支援による 教育支援によって、世代間の貧困の連鎖を部分的にでも防止することができる。 今後における研究推進上の課題としては、コーホート別シングルマザーの無 業率の決定要因について研究し、コーホート別にどのような特徴があるかを明 らかにしたい。なぜなら、本論文ではシングルペアレンツの無業の決定要因に ついて、コーホート別に分類せずシングルマザーの総計で分析を行っているた めである。子の成長とともにシングルマザーの年齢によって、就労に関する考 え方や行動パターンが変わるのではないかと考えられる。 またこうしたシングルマザーの家庭の子どもに対し、公的な教育支援が重要 であるが、実際に様々な支援制度が始まって日が浅く、充実しているとは言え ない。シングルマザーや、その子どもに対するサポート制度について国際比較 を行い、今後の雇用対策と生活保護制度等の効果的な組み合わせ方についても 研究を深めていきたい。

(29)

別添資料 㸯 ᅜໃㄪᰝࡢグ㏙⤫ィ㸦ᖺィ㸧 ᭱ᑠ್ ᭱኱್ ᖹᆒ್ ᶆ‽೫ᕪ ࢩࣥࢢ࣐ࣝࢨ࣮ࡢ↓ᴗ⋡     㸦ฟᡤ㸧➹⪅సᡂ 㸰 ᅜໃㄪᰝࡢグ㏙⤫ィ 㸦ࠊࠊᖺィ㸧 ᭱ᑠ್ ᭱኱್ ᖹᆒ್ ᶆ‽೫ᕪ ẕᏊୡᖏ⏕άಖㆤཷ⤥⋡ 㸦㸣㸧     㞳፧⋡㸦㸣㸧     ࣃ࣮ࢺࢱ࢖࣒ປാ⪅ࡢ᫬ 㛫ᙜࡓࡾᡤᐃෆ⤥୚㢠㸦௻ ᴗつᶍィ ෇      ᑵປࡍࡿࢩࣥࢢ࣐ࣝࢨ࣮ ࡢ๭ྜ㸦㸣㸧         ኱㒔ᕷࢲ࣑࣮     (ฟᡤ) ➹⪅సᡂ 㸱  እ ᅜ ே 㞟 ఫ 㒔 ᕷ ఍ ㆟ ㄪ ᰝ ࡢ グ ㏙ ⤫ ィ   ᭱ ᑠ ್  ᭱ ኱ ್  ᖹ ᆒ ್  ᶆ ‽ ೫ ᕪ  㧗 ᰯ 㐍 Ꮫ ࡋ ࡓ      ࢩ ࣥ ࢢ ࣝ ࣐ ࢨ ࣮ ࡛ ࠶ ࡿ      ௙ ஦ ࡢ ᭷ ↓      ᪥ ᮏ ᅜ ⡠ ࡢ ᭷ ↓      Ọ ఫ ᶒ ࡢ ᭷ ↓      Ꮚ ࡝ ࡶ ࡢ Ꮫ ⩦ ⬟ ຊ     (ฟ ᡤ ) ➹ ⪅ స ᡂ

(30)

参考文献

Reimers,C.,W.,(2002)“Parents’ Work Time and the Family − Thirty Years of Change, −” edited by Kimmel,J., Hoffman,E.,P., “The Economics of Work and Family” W.E. Upjohn Institute for Employment Research 阿部彩、國枝繁樹、鈴木亘、林正義(2008)「就労支援と生活保護」『生活保護の経 済分析』第 6 章 東京大学出版会 pp173-197 アレハンドロ・ポルテス ルベン・ルンバルト(2014)「現代アメリカ移民第二世 代の研究 移民排斥と同化主義に代わる「第三の道」」明石書店 pp430-431 石井加代子、山田篤裕(2007)「貧困の動態分析− KHPS に基づく 3 年間の動態 およびその国際比較」『日本の家計行動のメカニズム〔Ⅲ〕−経済格差変動の実 態・要因・影響』第 3 章 慶應義塾大学出版会株式会社 pp101-129 井口泰(2011)『世代間利害の経済学』八千代出版 井口泰・長谷川理映(2010)「世界経済危機下における労働市場政策の新たな展開」 『経済学論究』第 64 巻第 2 号 関西学院大学経済学部研究会 pp39-70 岩田正美(2010)「最低賃金制度と生活保護制度−仕事への報酬と生活保障の整合 性−」社会政策学会誌『社会政策』第 2 巻第 2 号 ミネルヴァ書房 pp5-12 岩永理恵(2010)「保護基準とはいかなる意味を持つ基準か−生活扶助基準算定方 式と標準世帯−」社会政策学会誌『社会政策』第 2 巻第 2 号 ミネルヴァ書房 pp22-32 大里慶子(2010)「ひとり親家庭への支援策∼児童扶養手当法の一部改正案∼」『立 法と調査』No.303  参議院 pp40-52 厚生省(1976)『厚生白書』厚生省 厚生労働省(2014)『平成 25 年国民生活基礎調査の概況』 厚生労働省(2012)『平成 23 年度全国母子世帯等調査報告結果報告』 外国人集住都市会議(2014)『外国人集住都市会議東京 2014 報告書』 全国知事会・全国市長会(2006)「新たなセーフティーネットの提案−「保護する 制度」から再チャレンジする人に手を差し伸べる制度」へ」新たなセーフティー ネット検討会 田宮遊子・四方理人(2007)「母子世帯の仕事と育児−生活時間の国際比較から−」 『季刊・社会保障研究』Vol.43 No.3 pp219-231 内閣府(2010)『平成 23 年版 子ども・子育て白書』 内閣府(2014)『子供の貧困対策に関する大綱∼全ての子供たちが夢と希望を持っ て成長していける社会の実現を目指して∼』 日本財団(2015)プレスリリース『「子どもの貧困」に関する経済的影響を推計』 http://www.nippon-foundation.or.jp/news/pr/2015/116.html

(31)

濱口桂一郎(2010)「労働市場のセーフティーネット」『労働政策リポート』Volume7 サマリー 労働政策研究・研修機構 益田仁(2016)「学習支援事業は「貧困の連鎖」を食い止めるのか−長崎県川棚町 での取り組みより−」『社会分析』43 号 日本社会分析学会 pp121-130 道中隆(2009)『生活保護と日本型ワーキングプア−貧困の固定化と世代間継承−』 ミネルヴァ書房 宮本順子(2009)「生活保護制度における就業支援の有効性と生存権の保障」『香川 大学 経済政策研究』第 5 号(通巻第 5 号) 労働政策研究・研修機構(2008)『母子家庭の母への就業支援に関する研究』労働 政策研究報告書 No.101

図 1  同居をやめた時の妻の年齢別にみた離婚率(人口千対)    ‰     出所 厚生労働省「人口動態統計」(2006)(2013)に基づき筆者作成 育児を同時に担わなくてはならない。厚生労働省による全国母子世帯等調査 1) (平成 23 年度)によれば、母子世帯の 80.8% 、父子世帯の 74.3% が離婚による ものであり、母子世帯になった時の母の年齢階級は「 30 〜 39 歳」が最も多く 全体の 41.4% を占め、次いで「 20 〜 29 歳」 32.1% となっている。また末子の年 齢も「
図 2  世帯類型別生活保護被保護世帯構成比(2011) 㧗㱋⪅ ୡᖏ 43% ẕᏊୡᖏ 8%യ⑓⪅ୡᖏ21%㞀ᐖ⪅ୡᖏ11%ࡑࡢ௚ࡢୡᖏ17% (出所)厚生労働省大臣官房統計情報部「23年度社会福祉行政業務報告」 (福祉行政報告例)に基 づき筆者作成 図 3  世帯類型別生活保護世帯保護率の年次推移 0.020.040.060.080.0100.0120.0140.0160.0180.0 ‰ ᖺẕᏊୡᖏ㧗㱋⪅ୡᖏ඲య (出所)厚生労働省大臣官房統計情報部「平成 23 年度社会福祉行政業務報告」及び「平成
表 1  地域別にみるシングルマザーの無業率の決定要因 ಀᩘ 㼀್ ẕᏊୡᖏ⏕άಖㆤཷ⤥⋡ 㞳፧⋡ 䝟䞊䝖䝍䜲䝮ປാ⪅䛾㻝᫬㛫䛒䛯䜚ᡤᐃෆ⤥୚㢠䠄௻ᴗつᶍィ䠅 ᑵປ䛩䜛䝅䞁䜾䝹䝬䝄䞊䛾๭ྜ ኱㒔ᕷ䝎䝭䞊 ᐃᩘ㡯 ⮬⏤ᗘㄪᩚ῭㻾㻞 䝃䞁䝥䝹ᩘ ㄝ᫂ኚᩘ 㻜㻚㻡㻠㻟㻝㻠㻝 㻝㻚㻥㻥㻟㻥㻚㻡㻣㻜 㻙㻟㻚㻢㻢㻠㻙㻠㻚㻜㻠㻣㻙㻜㻚㻞㻤㻠㻜㻚㻠㻥㻜㻜㻚㻜㻟㻤㻖㻖㻜㻚㻜㻜㻜㻖㻖㻖㻙㻜㻚㻜㻜㻜㻜㻜㻜㻡㻖㻖㻖㻙㻜㻚㻜㻞㻟㻖㻖㻖㻙㻜㻚㻜㻜㻜㻜㻜㻣㻜㻚㻜㻜㻜㻡 (注)***は 1 %水準で有意、**は 5 %水準で有意、*は 1

参照

関連したドキュメント

We show that a discrete fixed point theorem of Eilenberg is equivalent to the restriction of the contraction principle to the class of non-Archimedean bounded metric spaces.. We

目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例

Apply in a total spray volume of 25 gpa or more using equipment that will apply the spray uniformly to the soil surface� Use a higher rate in the rate range for increased

◯また、家庭で虐待を受けている子どものみならず、貧困家庭の子ども、障害のある子どもや医療的ケアを必

海に携わる事業者の高齢化と一般家庭の核家族化の進行により、子育て世代との

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

子どもたちが自由に遊ぶことのでき るエリア。UNOICHIを通して、大人 だけでなく子どもにも宇野港の魅力

就学前の子どもの保護者 小学校 1 年生から 6 年生までの子どもの保護者 世帯主と子のみで構成されている世帯の 18 歳以下のお子さんの保護者 12 歳~18 歳の区民 25