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生活資源コントロールに関する考察 : ケアラー支援を例として

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Academic year: 2021

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(1)

生活資源コントロールに関する考察 : ケアラー支

援を例として

著者

堀越 栄子

雑誌名

経済学論究

66

2

ページ

1-24

発行年

2012-09-20

URL

http://hdl.handle.net/10236/10779

(2)

生活資源コントロールに関する考察

ケアラー支援を例として

On the Control of Social and Family

Resources: A Case of Support for Carers

堀 越 栄 子  

Our daily lives require a variety of social and family resource which inevitably change over time. However, one can not always provide what each family needs. While carers are now facing physical, mental and economic problems, the necessity of their support for families are recognized as much as it should be. Based on these facts, this paper clarifies the following points; the support for carers is now a nation-wide and urgent issue and citizen participation and collaboration are effective means to develop this support.

Eiko Horikoshi

  JEL:131

キーワード:生活資源、介護者、介護者支援、市民参加

Keywords:social and family resource, carers, caregiver, support for carers, citizen participation

はじめに

私たちは、日々の生活ニーズを満たすためにさまざまな生活資源を必要とし ており、それは時代とともに変化する。ここでいう生活とは、生命の維持、生 計の維持、人生の有り様からなるものととらえ(新社会学事典[1993])、生活 の基本的ニーズには、生存(食・住・仕事)はもちろん、保護、愛情、理解、 参加、余暇、創造、アイデンティティ、自由などの人間的ニーズを満たすこと を含んでいる(Max-Neef, Mandfred[1987])。また、生活資源とは、「よりよ い生活の実現を目指して展開される活動に有用な機能を持つ源泉、手段」(赤

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塚[2010])ととらえることとする。 今日、私たちは、必要とする生活資源を、市場や行政、協同組織などを通じ て、主に家庭の外部から取り入れて暮らしている。しかしながら、常に、各家 庭(基礎的生活単位を指す)のニーズにそった生活資源を必ずしも入手できて いるわけではない。例えば、ケアラー(家族など無償の介護者)は、身体的、 精神的、経済的に多くの生活問題を抱えているが、その支援の必要性について は、社会的な承認をほとんど得ておらず、ニーズの把握も十分になされていな い。本稿では、ケアラーへの支援が最早国民的な、しかも喫緊の課題であるこ とを筆者らが行った実態調査結果により示し、ケアラー支援を進めるための生 活資源の創造に際しては、ケアラーの特徴を踏まえた方法が重要であること、 そして市民参加と協働による基盤的な支援が有効であることについて述べる。 なお、ケアラーとは、「介護」「看病」「療育」「世話」「気づかい」など、ケア の必要な家族や近親者・友人・知人などを無償でケアする人と広く定義し、被 介護者の年齢や病気・障がいを限定していない。「介護者」というと主に高齢 者の身体介護をしている高齢介護者という、行為についても年齢についても狭 いイメージに繋がるのではないかと危惧したため、「ケアラー」を使っている。

1 ケアラーへの支援は国民的な、しかも喫緊の課題

日本には、高齢者の介護を支援する介護保険制度、病気や怪我をした人のた めの医療保険制度、障がい者の福祉をはかりまた自立を支援する制度がある。 しかしながら、それらの人々を「無償で介護する家族などのケアラー」を直接 に支援する制度はほとんどなく、これまでケアラー支援の視点は欠けていたと 言って良い。 一方、ケアラーの精神的、身体的、経済的な過剰な負担や、行き詰まった挙 げくの、介護理由による離職、虐待、自殺、無理心中、殺人等さまざまな実態 が明らかになっている。介護でストレスを感じている人も多くおり、厚生労働 省「平成22年 国民生活基礎調査の概況」によれば、6割の人は「悩みやス トレス」があり、「ない」人の割合は介護保険実施前と比較して減っていない。

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(1) 「ケアラーを支えるための実態調査」の概要 2010年度、「特定非営利活動法人介護者サポートネットワークセンター・ア ラジン」と「ケアラー(家族など無償の介護者)連盟(現在、一般社団法人日 本ケアラー連盟)」は、「ケアラー(家族など無償の介護者)を支えるための実 態調査」(以下では「調査」)を行った(「平成22年度厚生労働省老人保健事業 推進費等補助金老人保健健康推進等事業」[2011])。筆者は責任者の一人とし て企画、実施、進行、まとめを担当した。 調査の目的は、在宅ケアラーの存在率、ケア1) がケアラーの生活に及ぼす 影響、ケアラーの支援要望等を明らかにし、ケアラーを総合的に支援する施策 の方向性や具体的な取り組みを考察することである。 調査協力5地区は、北海道栗山町全世帯、東京都杉並区高円寺地区、新潟 県南魚沼市、静岡県静岡市葵区、京都府京都市山科区音羽川学区である。一次 調査はアンケート調査 で、調査協力5地区の中でほぼ行政区でまとまった各 約4,000世帯に行い、配布21,641世帯、有効回答数10,663、回収率49.3%で あった。二次調査はインタビュー調査で203人(202世帯)に地域インタビュ アー60人で実施した。 調査の特徴は、3つある。第一に、ケアラーを広く捉えたことである。ケア をしている相手の年齢や病気、障がいに関わらず把握した。第二に、地域参加 型の手法をとったことである。地域の社会福祉協議会やNPOなどの組織が、 老人クラブや自治会、民生委員、ボランティアなどの協力を得て調査を行い、 調査のプロセス自体がその後のケアラー支援の地域活動につながるように組み 立てた。第三に、ケアラー支援の様々な方法に関するニーズをケアラーの属性 1) ケア:近年、「ケア」は世界的に注目されている。OECD(経済協力開発機構)は、グローバル

な経済社会の変化を捉え、21 世紀に向けて「A Caring World : The New Social Policy Agenda」(1999 年)をまとめまた。そこでは「ケア」という用語は「介護」とイコールでは なく、人間の生活形成に関わる広範な領域への配慮や総合的な社会的対応を意味している。ま た広井良典は、「ケア」は狭くは「看護や介護」、中間的なものとして「世話」、もっとも広くは 「配慮、関心、気遣い」を指すとしている(『ケアを問いなおす』ちくま新書、1997 年)。ミルト ン・メイヤロフは、他者をケアするとは、「もっとも深い意味において、その人の成長と自己実 現を助けることである」という(田村真也・向野宣之訳『ケアの本質』ゆみる出版、1998 年)。 「ケア」は経済至上主義の社会を、人と人との関係から見直す新しい価値でもある。

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別に体系的に明らかにしたことである。 調査協力5地区は、協力していただける地区を選定したので、代表制に欠け るという限界はあるが、ケアラーの存在率を調査するパイロット的な調査と位 置づけている。今後は国や自治体による調査が必要である。 (2) ケアラーの存在率と多様なケア 有効回答数10,663人のうち、ケアラーは2,075人(19.5%)であり、在宅 ケアラーのいる世帯は5世帯に1世帯である。「国民生活基礎調査の概況」(厚 生労働省、平成22年)によれば、「手助けや見守りを要する者のいる世帯」は 10.7%、ほぼ9世帯強に1世帯である。6年前は約6%、ほぼ17世帯に1世帯 であり、伸び率は著しく、絶対的にも割合としても被介護者とケアラーは増え 続けていることがわかる。ただし、この調査は在宅の6歳未満の世帯員は含ま ないため単純に比較はできない。適切なケアラー支援策を立案するためにはケ アラーのいる世帯のできるだけ正確な把握が必要である。 ケアラーの3分の1が男性である(80歳以上のケアラーでは、43.1%)。年 齢層は、60歳代29.6%、50歳代27.7%、70歳代14.9%、40歳代12.8%、40 歳未満6.5%、80歳以上6.3%と各年代に幅広く分布している。別居している ケアラーは、4∼5人に1人である。 ケアラーの4人に1人はケアをしている相手(被介護者)が複数おり、就 学前の子どものいるケアラーの13人に1人は育児とケアの両方をしている。 ケアをしている相手の病気や障がいは、複数回答で、身体的障害41.0%、認 知症30.7%、精神疾患9.6%、がん7.4%、知的障害7.4%、視聴覚障害6.8%、 難病4.6%、依存症1.3%、その他18.2%である。コミュニケーションの取りに くい人も多い。 年齢層は、80歳代35.1%、70歳代18.7%、90歳以上16.1%、60歳代6.1%、 10歳代3.4%、10歳未満3.1%、40歳代3.1%、50歳代3.0%、30歳代2.3%、 20歳代1.8%と、高齢者の割合が高いものの各年代に幅広く分布している。 ケアラーと被介護者の年齢の組み合わせは多様で、40歳未満から80歳以 上のケアラーが10歳未満から90歳以上の人のケアをしている【図1】。40歳

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未満のケアラーがケアしている相手は10歳未満が27.4%であるが、80歳代や 90歳以上の人のケアもしている。80歳以上のケアラーがケアしている相手は 80歳代が53.8%、90歳以上が11.5%であるが、40歳代や50歳代、またわず かではあるが10歳未満の人のケアもしている。高齢になっても障がいのある 子どもやきょうだいのケアをしているのである。 図 1  ケアラーの年齢別、主にケアを受けている人の年齢(2,075 名) 出所:NPO 法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン『平成 22 年度老人保健推進費等 補助金老人保健健康増進等事業 家族(世帯)を中心とした多様な介護者の実態と必要な支援に関す る調査研究事業』2011 年 3 月 多様な組み合わせは年齢だけではない。老老介護、働き盛り介護、認認介護 (認知症の人が認知症の人を介護)、障老介護(障がい者が高齢者を介護)、老 障介護、息子介護、娘介護、シングル介護、遠距離介護、週末介護、通い介護 と、ケアラーが100人いれば100通りのケアの形態とケア関係がある。

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今後、未婚率の上昇や、家族規模の縮小等により家族形態の変化が進むとケ アの形態も変化するであろう。ケアラーの支援には、多様なケアに対応できる 個別支援が必要である。 (3) ケアがケアラーの生活に与える影響 ケアラーの12人に1人(8.1%)は20年以上ケアをしており、とくに、知 的障害(32.7%)、依存症(25.9%)、精神疾患(17.6%)の人のケアラーで長 くなっている。相手を気づかう時間は、ケアしている時間よりずっと長く、終 日気づかっている人は29.0%、実際にケアを終日している人は12.4%であり、 精神的な拘束時間がより長いことが分かる。4∼5人に1人は深夜(0時から5 時)に睡眠が中断されている。9人に1人は、自由時間が1時間未満である。 5人に2人は、趣味や社会活動の機会が減った。ケアにより、勤務時間を減ら した人は9人に1人、退職した人は9∼10人に1人、転職した人は30人に1 人、休職した人は40人に1人おり、そのうち、収入がおおいに減った人は3 人のうち2人である。8人に1人は協力してくれる人が誰もいない。5人に1 人は、信頼して相談できる先がない。 社会との交流の機会が減り、協力者や相談相手に恵まれないケアラーは、次 第に社会的に孤立していく。 全く健康ではないケアラーは100人に3人おり(80歳以上は10人に1人)、 4人に1人はあまり健康ではない。また、ケアはケアラーの健康維持に大きな 影響を与えており、40人に1人は健康診断を受けたいけれど受けられておら ず、6人に1人は受けていない。身体の不調を感じている人は2人に1人いる が(80歳以上は3人に2人)、そのうち20人に1人は受診したくてもできて いない。こころの不調を感じている人は4人に1人以上いるが、そのうち20 人強に1人は受診したくてもできていない。40人に1人はまったく、7人弱 に1人はあまり健康維持に時間がかけられていない。ケアラーは、健康づくり をしにくい人といえるであろう。 現在の収入で家計が成り立っているケアラーは、2人に1人。40人に1人 は他の家族や親せきからの仕送りで家計が成り立っている。

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5∼7人に1人のケアラーは不満やとまどい、不自由を感じており、「被介護 者の行動に対し、困ってしまう(「いつも思う」プラス「よく思う」)」29.0%、 「被介護者のそばにいると腹が立つ」17.6%、「被介護者のそばにいると、気が 休まらない」19.1%、「ケアをだれかに任せてしまいたい」15.2%、「被介護者に 対してどうしていいかわからない」15.2%となっている。とくに、被介護者が 認知症の人、精神疾患の人、知的障がいの人のケアラーの場合、感じ方が強い。 7人に1人は、ケアは「かなりの負担」(14.9%)、12人に1人は「非常に 大きな負担」(8.3%)と回答しており、約4人に1人(23.2%)は「介護は負 担である」と感じている。被介護者が認知症の人、精神疾患の人、知的障がい の人の場合、「介護は負担である」(かなり+非常に)とする割合は、33.3%、 35.2%、36.6%である。 5人に1人が孤立感を感じる(感じた)ことがあり、依存症の人のケアラー の5人に2人強、知的障害の人のケアラーの5人に2人弱、精神疾患の人の ケアラーの3人に1人強、認知症の人のケアラーの3人に1人弱は、孤立感 を感じる(感じた)ことがある。 現在はケアラーでない人(有効回答6,269人)に、将来のケアへの不安を聞 くと、84.5%が将来のケアへの不安を表明している(「ややある」47.0%、「非 常にある」37.5%)。 (4) ケアラーの求める支援 イギリスやアメリカなど海外ですでに行われているケアラー支援策を参考 にどのような支援がほしいかを、5分野21項目について聞いた(三富[2000、 2008、2010])。5分野は、「ケアラーへの直接支援策1∼12」「経済的支援策13、 14」「仕事と介護の両立支援策15∼17」「被介護者への直接支援策18、19」「ケ アラーへの理解20、21」である【図2】。 ケアラーは支援を強く希望している。ケアラーが、「とてもほしい」と強く希 望する支援項目を見ると、「19緊急時のサービス」54.3%、「13在宅介護者手当」 47.0%、「18サービスや制度の充実」46.9%、「14年金受給要件を考慮」44.6%、 「21地域や職場の理解」35.9%、「20専門職や行政職員の理解」35.5%、「16介

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図 2  ケアラーが希望する支援(1,734 名) 㪉㪉㪅㪏 㪈㪋㪅㪈 㪉㪊㪅㪌 㪊㪇㪅㪋 㪉㪐㪅㪍 㪈㪎㪅㪐 㪈㪍㪅㪋 㪈㪈㪅㪏 㪐㪅㪈 㪈㪍㪅㪊 㪉㪉㪅㪉 㪈㪎㪅㪊 㪋㪎㪅㪇 㪋㪋㪅㪍 㪊㪇㪅㪋 㪊㪉㪅㪐 㪊㪉㪅㪋 㪋㪍㪅㪐 㪌㪋㪅㪊 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪐 㪋㪉㪅㪋 㪊㪐㪅㪋 㪋㪌㪅㪋 㪋㪈㪅㪐 㪊㪎㪅㪐 㪊㪏㪅㪎 㪊㪊㪅㪊 㪊㪉㪅㪈 㪊㪇㪅㪐 㪊㪐㪅㪉 㪊㪋㪅㪍 㪊㪐㪅㪉 㪉㪐㪅㪊 㪉㪏㪅㪏 㪊㪉㪅㪎 㪊㪈㪅㪐 㪉㪐㪅㪌 㪊㪋㪅㪌 㪊㪈㪅㪇 㪊㪏㪅㪋 㪊㪐㪅㪇 㪈㪋㪅㪎 㪉㪋㪅㪍 㪈㪊㪅㪈 㪈㪇㪅㪈 㪈㪉㪅㪐 㪈㪐㪅㪐 㪉㪋㪅㪋 㪊㪇㪅㪈 㪊㪈㪅㪍 㪉㪈㪅㪊 㪈㪍㪅㪏 㪉㪇㪅㪊 㪍㪅㪐 㪍㪅㪉 㪎㪅㪈 㪍㪅㪍 㪎㪅㪍 㪊㪅㪊 㪉㪅㪎 㪎㪅㪊 㪍㪅㪐 㪌㪅㪋 㪏㪅㪍 㪌㪅㪉 㪌㪅㪋 㪎㪅㪊 㪐㪅㪍 㪈㪉㪅㪈 㪈㪉㪅㪐 㪈㪊㪅㪌 㪐㪅㪌 㪏㪅㪉 㪏㪅㪌 㪋㪅㪏 㪋㪅㪊 㪌㪅㪐 㪌㪅㪋 㪍㪅㪍 㪉㪅㪉 㪈㪅㪐 㪉㪅㪐 㪉㪅㪏 㪈㪋㪅㪎 㪈㪊㪅㪊 㪈㪉㪅㪎 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪊 㪈㪋㪅㪇 㪈㪊㪅㪏 㪈㪊㪅㪈 㪈㪋㪅㪐 㪈㪊㪅㪎 㪈㪏㪅㪈 㪈㪋㪅㪎 㪈㪉㪅㪈 㪈㪍㪅㪈 㪉㪊㪅㪐 㪉㪊㪅㪉 㪉㪊㪅㪐 㪈㪊㪅㪈 㪈㪇㪅㪇 㪈㪍㪅㪇 㪈㪌㪅㪌 㪉㪉㪅㪏 㪈㪋㪅㪈 㪉㪊㪅㪌 㪊㪇㪅㪋 㪉㪐㪅㪍 㪈㪎㪅㪐 㪈㪍㪅㪋 㪈㪈㪅㪏 㪐㪅㪈 㪈㪍㪅㪊 㪉㪉㪅㪉 㪈㪎㪅㪊 㪋㪎㪅㪇 㪋㪋㪅㪍 㪊㪇㪅㪋 㪊㪉㪅㪐 㪊㪉㪅㪋 㪋㪍㪅㪐 㪌㪋㪅㪊 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪐 㪋㪉㪅㪋 㪊㪐㪅㪋 㪋㪌㪅㪋 㪋㪈㪅㪐 㪊㪎㪅㪐 㪊㪏㪅㪎 㪊㪊㪅㪊 㪊㪉㪅㪈 㪊㪇㪅㪐 㪊㪐㪅㪉 㪊㪋㪅㪍 㪊㪐㪅㪉 㪉㪐㪅㪊 㪉㪏㪅㪏 㪊㪉㪅㪎 㪊㪈㪅㪐 㪉㪐㪅㪌 㪊㪋㪅㪌 㪊㪈㪅㪇 㪊㪏㪅㪋 㪊㪐㪅㪇 㪈㪋㪅㪎 㪉㪋㪅㪍 㪈㪊㪅㪈 㪈㪇㪅㪈 㪈㪉㪅㪐 㪈㪐㪅㪐 㪉㪋㪅㪋 㪊㪇㪅㪈 㪊㪈㪅㪍 㪉㪈㪅㪊 㪈㪍㪅㪏 㪉㪇㪅㪊 㪍㪅㪐 㪍㪅㪉 㪎㪅㪈 㪍㪅㪍 㪎㪅㪍 㪊㪅㪊 㪉㪅㪎 㪎㪅㪊 㪍㪅㪐 㪌㪅㪋 㪏㪅㪍 㪌㪅㪉 㪌㪅㪋 㪎㪅㪊 㪐㪅㪍 㪈㪉㪅㪈 㪈㪉㪅㪐 㪈㪊㪅㪌 㪐㪅㪌 㪏㪅㪉 㪏㪅㪌 㪋㪅㪏 㪋㪅㪊 㪌㪅㪐 㪌㪅㪋 㪍㪅㪍 㪉㪅㪉 㪈㪅㪐 㪉㪅㪐 㪉㪅㪏 㪈㪋㪅㪎 㪈㪊㪅㪊 㪈㪉㪅㪎 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪊 㪈㪋㪅㪇 㪈㪊㪅㪏 㪈㪊㪅㪈 㪈㪋㪅㪐 㪈㪊㪅㪎 㪈㪏㪅㪈 㪈㪋㪅㪎 㪈㪉㪅㪈 㪈㪍㪅㪈 㪉㪊㪅㪐 㪉㪊㪅㪉 㪉㪊㪅㪐 㪈㪊㪅㪈 㪈㪇㪅㪇 㪈㪍㪅㪇 㪈㪌㪅㪌 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 㪈㪅䉬䉝䈱ᖠ䉂䈮᳇䈨䈇䈩䉅䉌䈋䉎ᯏળ 㪉㪅㔚⹤䉇⸰໧䈮䉋 䉎⋧⺣ 㪊㪅ቯᦼ⊛䈭ᖱႎឭଏ䉰䊷䊎䉴 㪋㪅᳇シ䈮ભᕷ䉇ભ㙃䈏䈫䉏䉎ᯏળ 㪌㪅䊥䊐䊧䉾䉲䊠䈱ᣏⴕ䈏䈪䈐䉎ᤨ㑆 㪍㪅䉬䉝䊤䊷䈱ቯᦼஜ⸻䉇ஜᐽᚻᏭ 㪎㪅䉦䉡䊮䉶䊥䊮䉫 㪏㪅䉬䉝䊤䊷䈏㓸䉁䉍᳇ᭉ䈮⹤䈞䉎႐ᚲ 㪐㪅ኅᣖ䉇䉬䉝䊤䊷ห჻䈱⥄ഥ䉫䊦䊷䊒 㪈㪇㪅䉬䉝䈱ᛛⴚ䈏ቇ䈼䉎⎇ୃ 㪈㪈㪅䉬䉝䉕ᜂ䈉ఽ┬䉇⧯⠪䈻䈱ᡰេ 㪈㪉㪅ᔅⷐ䈭ᡰេ䉕᣿䉌䈎䈮䈜䉎㕙⺣ 㪈㪊㪅࿷ቛ੺⼔⠪ᚻᒰ 㪈㪋㪅ᐕ㊄ฃ⛎ⷐઙ䈮੺⼔ᦼ㑆䉕⠨ᘦ 㪈㪌㪅䉬䉝䉕〯䉁䈋䈢ൕോ૕೙䈨䈒䉍 㪈㪍㪅੺⼔ભᬺ೙ᐲ䈱᥉෸䈫೑↪䈱ଦㅴ 㪈㪎㪅䉬䉝䈮䉋 䉎㔌⡯ᓟ䈱ౣዞ⡯䈱ᡰេ 㪈㪏㪅ⷐ੺⼔⠪䈻䈱䉰䊷䊎䉴䉇೙ᐲ䈱లታ 㪈㪐㪅ᧄੱ✕ᕆᤨ䈱ⷐ੺⼔⠪䈻䈱䉰䊷䊎䉴 㪉㪇㪅ኾ㐷⡯╬䈱䉬䉝䊤䊷䈻䈱ℂ⸃ 㪉㪈㪅࿾ၞ䉇⡯႐╬䈱䉬䉝䊤䊷䈻䈱ℂ⸃ 䈫䈩䉅䈾䈚䈇 䉁䈅䉁䈅䈾䈚䈇 䈅䉁䉍䈾䈚䈒䈭䈇 ో䈒䈾䈚䈒䈭䈇 ή࿁╵ 出所:図 1 と同じ 護休業制度」32.9%、「17再就職支援」32.4%、「15勤務体制づくり」30.4%、 「4休息や休養の機会」30.4%、「5リフレッシュ旅行」29.6%の順となってい る。被介護者への直接支援策(18・19)、経済的支援策(13・14)、ケアラーへ の理解(20・21)、仕事と介護の両立支援策(15・16・17)、ケアラーへの直

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接支援策のうちの「4休息や休養」「5リフレッシュ」について、ケアラーの2 人に1人、あるいは3人に1人が「とてもほしい」としており、その希望が 強いとともに、「ほしい支援」の種類は幅広く多様であることが分かる。 「とてもほしい支援」で示された希望の傾向は、「とてもほしい支援」と「ま あまあほしい支援」を合計してもあまり変化はないが、「4休息や休養の機会」 72.3%、「3定期的な情報提供」68.9%、「5リフレッシュ旅行」67.6%、「1困 りごとへの気づき」65.2%が、仕事と介護の両立支援策(15・16・17)を抜い て順位を上げている。また、全体として、希望する割合はほとんどの項目が5 割以上から8割強と、とても高くなる。さらに、「とてもほしい支援」では低 めの希望であったケアラーへの直接支援策の各項目が、「とても+まあまあほ しい支援」では、高い希望割合を示している。ケアラーは被介護者を第一に考 えて、自分のことは二の次とする傾向がある事が予想される。 しかしながら、ここに並ぶ項目、とりわけケアラーを直接支援する項目につ いては、現在は提供されていない、あるいはケアラーが知らない項目もある。 たとえば、「12」は、ケアラーがどんな援助を必要としているかを把握して、そ の支援のためのサービスにつなげることを目的に認定をするケアラーアセスメ ントを指しており、イギリスでは法制化されており、「アセスメントを行う人 はケアラーがケア役割を望んでいるとか、続けたがっているとの予見に立って 話を聞いてはならない」とされている。同様に、「8気楽に話せる場」「9自助 グループ」についても、まだまだ知らなかったり、体験するチャンスのないケ アラーが多いと思われる。そのため、希望は低く出ていると予測できる。 次に支援希望(「とてもほしい支援」と「まあまあほしい支援」)を年齢別に みると、40歳未満でどの項目も一番高く、ついで40歳代、50歳代、60歳代、 70歳代、80歳以上となっている【図3】。いわゆる現役世代になればなるほど 支援希望が強い。このことは大事であり、尊重すべきであるが、高齢ケアラー の希望がより低いと判断して良いとも言えない。支援のメニューを利用したら 自分の生活がこう変わるということが実感できるようなサービスの理解や、ケ アラーに寄り添って混乱や不安を一緒に整理する人がいないとサービスは活用 されない。

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図 3  ケアラーの年齢別、ケアラーが希望する支援 (1,734 名/複数回答/無回答 27 名) 出所:図 1 と同じ また、知的障がいの人のケアラーはほぼすべての項目について、支援希望 が強い。精神疾患の人のケアラーはカウンセリングへの希望がとても高い【図 4】。知的障がいの人のケアラーは比較的年齢層が若く、認知症の人のケアラー はかなり高齢者が多いことと回答の傾向は重なっている。 (5) 被介護者とケアラーの両当事者の尊重 さらにとても大事なことは、ケアラーは、「ケアラー自身への支援策」と「ケ アをしている相手に対する日常的そして緊急時の支援策」との両方を強く望ん でいることである。ケア関係の両当事者の尊重が必要である。21項目の中で、 ケアをしている相手への直接支援策(18・19)は、「とてもほしい支援」の1 位54.3%と3位46.9%、「とてもほしい+まあまあほしい支援」の合計でも1 位85.4%と2位81.4%であった。ケアをしている相手への初期の段階から終 末までのサービスの提供と、ケアラーへの直接支援は車の両輪となっており、 それでようやくケアの包括性が担保される。

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図 4  疾病・障がい別、ケアラーが希望する支援(1,734 名) (知的障がい、精神疾患、認知症/回答者数 131 人、167 人、568 人/        複数回答/無回答を除く) 出所:図 1 と同じ (6) ケアラーの特徴と支援の方向性 調査の中でケアラーの3つの特徴が見えてきた。1つは、ケアラーは、「介 護をするのを嫌がるなんてなんて冷たい家族だ、と思われたくない」と考えて いる。重症重複障害のある娘さんを介護してきた児玉真美さんは、「家族介護 者の自己犠牲と献身への賛美によって、ケアラーは助けを求める声を封じられ てしまうが、万が一にも虐待や殺害という事態に至ってしまったら、今度は一 転して『なぜ助けを求めなかったか』と責められる。このように社会が使い分 けるダブル・スタンダードによって、ケアラーはダブル・バインド状態に置か れている」と述べている(児玉真美[2011])。 特徴の2つは、「客観的にみると支援が必要なのに本人がそれに気づいてい ない」、3つは「自分の中で問題が整理されておらず、生活のしづらさや生き にくさの状況を相手にわかる形で話すことができない」ということである。こ うした特徴は社会的排除の状態にある人びとと共通している。 これまで行政や福祉専門職にとって、ケアラーは無償の愛を注ぐ家族であ り、ケアのキーパーソンであり、ケア資源だったのではないであろうか。しか

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しながらすでに見たように、さまざまな条件によりそのケアラーモデルは破た んしている。ケアラー自身も生身の人間であり、また人生の主人公であり、ケ アする家族としての役割だけでなく、休息や健康、家族の団欒、仕事、友だち づきあいや学習、趣味、市民活動などの社会参加を必要としている。 人は厳しい状態であればあるほど、まわりの人にはその人の問題が見えにく く、サービスの必要性が高いほどサービスが届きにくく、問題が複雑で状態も 変わりやすいほど包括的な支援が必要である。ケアラー支援に向けては、ケア ラーが発見され支援に結びつく環境づくり、そのためにもケアラーが本音を発 信できる場づくりが最重要課題である。 ここで、ケアラー支援の目的を確認しておきたい。ケアラー支援の目的は、 ① ケアを必要とする人とケアラーの両当事者がともに尊重される、② 無理 なくケアを続けることができる環境を醸成・整備する、③ ケアラーの社会参 加を保障し、学業や就業、趣味や社交、地域での活動などを続けられるように する、④ ケアラーの経験と、人びとのケアラーへの理解と配慮がともに活か される社会(地域)をつくる、ことにある(「日本ケアラー連盟」による)。 つまり、ケアラー支援の目的は、基本的にはケアラーと市民・専門家等がケ アの行為や負担感を分かちあい、家族生活はもとより、社会生活も含めて生活 全体の質を上げることで、ケアラーと被介護者、ケアラーと社会、被介護者と 社会の良い関係を保つことにある。 このような目的を実現する生活資源として、個別生活支援(ケアラーが発 見され支援に結びつく仕組みづくり)と、ケアラーが生活しやすい地域づくり (とくに、本音を発信できる場づくり)に焦点を当てて考えてみたい。

2 生活相談支援という生活資源への注目

(1) 千葉県中核地域生活支援センターの取り組み 千葉県には健康福祉センターの所轄圏域は13あり、そこに中核地域生活支 援センター(以下、中核センター)が1か所ずつ設置されている(県が単独事 業として設置)。政令市の千葉市と中核市の船橋市には中核センターはないが、

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柏市は、中核市に移行する以前から中核センターが設置されていたので、それ を市が柏市生活支援センターとして引き継いでいる。圏域ごとの公募により決 定した事業者に県が委託をして、3名から5名のスタッフで運営されている。 各圏域の市町村数(1市から10市町)、人口(約8万人から80万人)、高齢 化率(15.6%から32.9%)はかなり幅がある。担当エリア面積も大きく異なる (「平成23年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金老人保健健康推進等事 業」[2012]。筆者は企画、実施、進行、まとめを担当した)。 2010年度の「ケアラー(家族など無償の介護者)を支えるための実態調査」 から、ケアラーの声は、普段、なかなかキャッチできないことが明らかとなっ た。ケアラー自身が、「自分は支援を必要としているケアラー」であることに 気付き、「助けて」と言えるようにするにはどうしたらよいかと考え、中核セ ンターに注目し、13の中核センターへのヒアリング調査と、3つのセンターが 連携している窓口や機関へのアンケート調査を実施した(1センターの連携先 は80から100の窓口や機関)。それは、中核センターはケアラー支援を焦点 化したセンターではないが、対象者を限定していないため、また、生活支援を 目的とするため、さらに権利擁護の視点を据えているため、いったん相談につ ながると、中核センターは、相談者本人だけでなく、ケアラーも含む家族単位 (=生活の単位)の支援をしているためである。ケアラーが発見されると、必 要があれば、申請をしなくても相談支援につながる。 中核センターは、2004年3月に策定された千葉県地域福祉支援計画のなか で、①新しい福祉理念と、②「健康福祉千葉方式」という方法論の基に提案さ れた事業である。「理不尽な理由で辛く悲しい思いをしている人はいないか」 という問に応えるため、誰もがありのままにその人らしく、地域でくらすこと ができる地域社会の実現を目指し、子ども、障がい者、高齢者等の対象者横断 的な施策展開と、生活当事者一人ひとりを全人的に捉え、同時に家族や家庭を 包括的に捉えることにより、本質的な問題解決を図っている(ブレーメンの挑 戦編集委員会[2004])。 中核センターは、地域総合コーディネート事業、相談支援事業、権利擁護事 業の3つの事業を担っており、さらに相談支援を進めるために必要で、緊急性

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があり、また他に利用できるサービスがない時は直接生活支援も行っている。 だれでも、いつでも、どこでも、どんなことでも、本人の生活に寄り添って、 最後の砦として、関連機関と連携しながら中核センターは活動している。 「千葉県中核地域生活支援センター活動白書2010∼孤立したひとへの支援 と地域づくりの実践∼」(中核地域生活支援センター運営協議会、2011年)に よれば、2010年度の相談件数は合計87,427件、新規相談者実人数は2,576名 である。対象者を限定しない中核センターであるからこそ寄せられる特徴的 な相談として、「これまで福祉制度の対象にならなかった人たちの相談」「虐待 や、触法などに関わる相談」「医療依存度の高い人たちの相談」など、これま で社会から見過ごされ、排除され、支援への手がかりがなかった人たちが相談 に結びついてきている。人の生活に寄り添って相談支援を行うため、24時間 365日、いつでも相談できるようになっており、17時以降翌朝9時までの、夕 方、夜、深夜、早朝を合わせた相談は、全体の21.1%となっている。 中核センターの大きな特徴の1つは、積極的に出かけていく相談(アウト リーチ)を重視していることである。訪問相談が全体の約4分の1を占めて いる。なお、訪問先は、相談者の自宅の他、職場や行政機関、福祉サービス事 業所や学校、医療機関等への同行支援も含み、対応方法別件数をみると、訪問 は25.1%である。ちなみに、来所は6.7%、電話・メール等は67.5%である。 どんな問題にも、複雑な問題にも相談にのり縦割り的な対応をしておらず、 そのため相談の内容は多様で、介護・支援サービス利用、医療、家族関係、経 済的問題、コミュニケーション、仕事、住まい、ひきこもり、虐待等、生命、生 計、人生に関わるあらゆる問題にわたっている。しかも、多くの問題を含み、 かつ複雑な相談事例も多い。 対応方法の基本姿勢は、「本人に寄り添う。たらいまわしをせず、必要なと きは同行し、本人の自尊心や、生活力、問題対応・課題解決力を増す方向で関 わる」、「権利擁護を意識する。相談支援は申請や登録に基づかない」、「家族全 体を視野に入れる。本人の立場に立つことはもちろん家族員ひとりひとりに 目を向け、家族(生活の単位)全体の状況を把握して総合的、包括的に対応す る」、「複数のスタッフで関わる」、「自治体や他の専門機関と連携して問題解決

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に当たる等、効果のある相談支援になるような方法を開発」している。 困りごとの解決に向けて中核センターが行った対応(複数回答)をみると、 「傾聴・話し相手」「介護・支援サービスの調整」「介護・子育て・障害の相談窓 口等の紹介」「障害や疾病の説明・情報提供」「関係者会議の主催または参加」 「家族関係の調整」「医療に関わる調整・話し合い支援」「介護・支援サービス の申請支援」と続いている。つまり、相談者は、問題解決の入り口でつまずい ており、中核センターは、まずは信頼関係を作りながらそれを解きほぐし、問 題解決のスタートライにたてるようにしていることが分かる。 連携して相談支援をおこなった機関(複数回答)をみると、さまざまな相談 窓口を持っている市町村行政機関との連携が4割強となっているが、医療機関 が2割弱を占めている。また、連携先は福祉、医療、教育分野にとどまらず、 法律家、裁判所、警察にも及んでいる。なお、現在の連携先の、89.7%が今後 も中核センターとの連携を望んでいる(「とても連携したい」38.5%、「連携し たい」51.3%)。 中核センターは、一人ひとりの尊厳が大事にされ、一人ひとりの課題が地域 の課題として共有され、地域が問題解決力を持てるよう新しい資源を開発した り、地域の社会資源のネットワーク化を進めている。地域総合コーディネート の活動は、具体的には、「自立支援協議会の事務局や幹事機能を担って運営の 活性化を図る」、「要保護児童対策協議会で提案し地域全体で『こどもの虐待ゼ ロ運動』を展開する」、「医療資源の創出」、「居場所づくり」、「勉強会や研究会 の立ち上げ」、「まつりの実行委員会に参加し関係者の繋がりを強めつつ地域住 民への啓発を図る」などである。 (2) 応急仮設住宅サポートセンターの取り組み 東日本大震災により被災した方への生活支援のあり方は、対象を限定しない 個別生活支援と、だれでもが生活しやすい地域づくりを目指しているという点 で、日本のこれからの生活支援サービスのあるべき方向への大きな提起を含ん でいる。食料、衣服、住居の提供、保健衛生・医療・福祉サービスやライフラ インなどの公共サービス、情報提供、行政や法的手続き、孤立への予防等につ

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いて、被災者が申し出てくるのを待つのではなく、生活支援サービスを提供す る側が応急仮設住宅や地域に出向いて、一人ひとり(そして家族全体)が求め ている物資やサービス、社会参加などのニーズを見出し、住民や行政、市民団 体・NPOも含めた関連先と連携してそれらの解決を相談者とともにはかる、 さらに住民自身の問題解決力を増すというあり方である。 現在、応急仮設住宅には約100か所のサポートセンターが設置されており、 その機能は、個別生活支援や引きこもり・孤立感・孤独感の解消等となってい る。「応急仮設住宅地域における高齢者等のサポート拠点等の設置について」 (厚生労働省老健局進行課、平成24年4月27日、4月19日付事務連絡)のサ ポート拠点イメージによれば、サポートセンターは、LSA(ライフサポートア ドバイザー)や相談支援専門員が、近隣の居宅サービス事業所等や在宅診療所 等との連携をはかりながら、総合相談、デイサービス、情報支援、日中活動、 居宅サービス、配食サービス等の生活支援、地域交流スペース(サロン)、心の 相談窓口等を行うことになっている。対象は、「だれでも」であり、地域の仮 設住宅、避難所、自宅等に居住している高齢者、障がい者、子ども、ケアラー 等をアウトリーチにより支援することになっている(厚労省の示す図には、ケ アラーは明示されていないが、当時の細川律夫厚生労働大臣がサポート拠点に よるケアラー支援について答弁している)。 このように、サポートセンターによる復興に向けた包括的な生活支援のあり 方は、さまざまな生活の困難を抱えた人びと(家族)に対する平常時に必要な包 括的な生活支援のあり方そのものである。しかしながら、筆者はこれまで3つ のサポートセンターでインタビューしたに過ぎないが、サポートセンターを設 置する主体である行政、および運営主体である社会福祉法人や社会福祉協議会 等が、サポートセンターの先端的な機能を把握し、生活支援の新しいモデルを 構築するという見通しを持って運営しているのかが課題であると思っている。 行政の相談は、これまで、まず、各担当課が持っている事業のメニューに、 市民の相談内容が合うかどうかを判断し、振り分けていたのではないであろう か。担当課が知りたいことを質問するというのでは、相談にはならない。中核 センターやサポートセンターの取り組みは、縦割り行政の中で欠けていたもの

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を超える新たな生活支援の試みであり、日本の今後の生活支援モデル、地域再 建モデルでもある。 (3) エンパワメントと回復のプロセスの理解 多重債務者対応 こうした取り組みは、相談者本人や家族の問題を肩代わりするのでなく、生 活の当事者(と家族等)が日常生活の中で出会う大小さまざまな問題や課題に、 自分で、あるいは他者とともに、効果的で創造的な対処ができるよう、生活資 源をコントロールし、生活経営力をたかめる取り組みである。このことが生活 支援の本質ではないであろうか。ここで、コントロールとは、「行為や問題状 況を望ましいと考えられる方向に導く」「自らの手で社会をつくりかえる作用 も含む」と考えている(久木田[1998])。 したがって、支援者にはエンパワメント2) の考え方や、「回復力」、「回復」 への理解、その実現の方法への習熟、地域の各機関(行政や、相談機関、民生 委員・児童委員、医療機関、入所施設、消費生活センター、市民団体・NPO、 法律家、裁判所、警察など)との連携など、まさに生活を継続するための内部 条件と外部条件の充実が必要になる。 生活支援を行うには、必要な施策や施設などの家庭生活の外部条件が必要な だけではなく、内部条件を豊かにすることが必須である(松村[2012])。内部 条件とは、家庭の生活資源、すなわち人的資源(身体的・認知的・情緒的・時 間的な側面を総合した個人的な資源や、家庭などの親和的な関係がもたらす対 人的資源)や物的資源(生活空間、カネ、モノなど生活手段)や情報資源を指 す(御船[1996])。 ここで、多重債務者が復活する事例を通して、エンパワメント(生活資源獲 得のプロセス)について述べてみたい(花城「2010」)。花城は、多重債務者 は、金銭面だけではない重層した生活困難を抱えているのみでなく、教育や雇 用といった生活資源にアクセスできず、自由なコントロールができない状態に 2) エンパワメント:社会的に差別や搾取を受けたり、自らコントロールしていく力を奪われた人 が、そのコントロールを取り戻すプロセス(久木田[1998])。あるいは、「(内在している)力 を引き出している状態」。内在する力は、肯定的なパワーといわれる知識、経験、技術、自己決 定、援助、共感、信頼、愛などをえることによってますます活性化される(金[2004])

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あり、しかも本人は社会的弱者であることに気付いていないという。そして久 木田[1998]の提示するエンパワメントの5つのプロセスに拠りながら、多重 債務者が必要な生活資源のコントロールを取り戻すだけでなく、社会を変えて いく事例を提示している。 「Ⅰ アクセスレベル」は、相談機関へのアクセスの段階である。多重債務 の整理は専門家の手を借りないと難しい。「Ⅱ 意識化レベル」は置かれている 状況の客観的、構造的把握の段階である。「Ⅲ 参加レベル」は、自ら勉強会に 参加して法的知識の獲得や利息制限法以上の利息を計算する等の段階である。 「Ⅳ コントロールレベル1」は、家族や、同じ境遇の仲間と励まし合い、自信 を付けていく段階である。「Ⅴ コントロールレベル2」は、同じ境遇の人の支 援をしたり、金利引き下げ運動等、外部への働きかけをする段階である。 このようにコントロールを取り戻すということは、抱えている課題を生活の 内部条件と外部条件の双方を視野にいれた社会的な脈絡の中におき、公と私の 関係性を問い、協力・協働のための場やしくみづくりを行いながら社会システ ムを変革していくことにつながるのである。したがって、自助努力だけでは不 十分であり、同時に共助や公助が不可欠である。とくに、重要なことは、「Ⅰ アクセスレベル」で、経験者や専門家につながる仕掛けである。それは、生き 直すための、助けあえる人間関係という生活資源を手に入れることにつなが るだけでなく、やがては、自分も他者のための生活資源である「パブリックリ ソースになる」3)ことにつながる。

3 ケアラー支援は市民参加と協働を基盤に

ケアラーの生活支援を進める上で、少なくとも2つの視点を重視することが 必要である。2で述べたように、ケアラーは、被介護者の家族であることが多 い。そこで第一に、家族生活は共同生活であるので、「家族」とひとくくりに せず、家族構成員個々人を生活主体と位置づけ、家族構成員個々人が協力して 3) パブリックリソース:NPO や市民が非営利活動を行う時に活用される人材、施設、資金、情報 などの経営資源。“新たな公共”をつくる“共創”“共益の社会資源”(パブリックリソース研究 会[2002])

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家族生活を営むという視点であり、それを活かした個人の支援と家族全体の支 援が求められる。また、以下に述べるように、第二に家庭生活をとりまく状況 や事象を与件として捉えるのではなく、家族構成員が、市民(社会を構成する 社会的な責任を自覚した一人の人間)として社会に働きかけ、生活に必要な生 活環境を創造するという、生活をダイナミックに捉えるという視点である。そ の意味でも、中核センターやサポートセンターの地域づくりの取り組みには、 地域再建モデルとしての役割も期待したい。しかしながら、中核センターの場 合は主に人員不足により少しずつ進んでいるように、サポートセンターの場合 は存在意義や役割認識のあいまいさにより、これからの取り組みであるように 見える。 (1) 市民活動で培われるもの ここでは堀越たちの行った地域活動者調査から、上記の2つの視点にかかわ る興味深い結果を3つ紹介したい(堀越[2008])。1つは、活動のきっかけで ある(複数回答)【図5】。活動のきっかけは、「地域の役に立ちたくて」43.5%、 「友人や近所の人に誘われて」41.6%が最も多く、生活の場である地域におけ る近隣や友人のつながりをベースに、さらに働きかけられることが重要である ことが分かる。今後も地域の役に立ちたいと考える人は増えてくることが予想 されるので、いかに「誘うか」が大事な行為になる。 2つは、活動を続けることによる変化である(複数回答)【図6】。トップは、 「様々な人と出会い多様な暮らしに理解が深くなった」62.2%である。自分の 人生が豊かになることもさることながら、多様な生活や地域への理解が深まっ たと感じている。「私生活」を超えて、自らが暮らす地域や社会、抱える課題、 そして社会の制度や仕組みなどへの意識や関心が高まり、また地域の行政の委 員会や審議会などに所属し施策の決定過程に参画するようになっている。地域 を理解することで、さらに地域のつながりのベースが豊かになるであろう。 3つは、家族の意識や行動の変化(複数回答)である。地域活動者が活動を 行うことで、家族の誰かの意識や行動に変化があったかどうかを地域活動者自 身に聞いたところ、「特に変化はない」は16.7%であった。「無回答」は7.9%で

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図 5  活動のきっかけ (%) N=802                                                        ⥄ ಽ ߇ ࿎ ߞ ߚ ኅ ᣖ ߇ ࿎ ߞ ߚ ࿎ ߞ ߡ ޿ ࠆ ੱ ࠍ ⷗ ߡ ኅ ᣖ ߦ ⺃ ࠊ ࠇ ߡ ෹ ੱ ߿ ㄭ ᚲ ߦ ⺃ ࠊ ࠇ ߡ ૗ ߆ ߒ ߡ ߺ ߚ ߆ ߞ ߚ ࿾ ၞ ߦ ખ 㑆 㨯 ෹ ㆐ ߇ ߶ ߒ ߆ ߞ ߚ ࿾ ၞ ᖱ ႎ ߇ ߶ ߒ ߊ ߡ ࿾ ၞ ߩ ᓎ ߦ ┙ ߜ ߚ ߊ ߡ ⢻ ജ ߿ ⚻ 㛎 ࠍ ᓎ ┙ ߡ ߚ ߊ ߡ ␠ ળ ߩ ⺖ 㗴 ࠍ ⸃ ᳿ ߒ ߚ ߊ ߡ ↢ ᵴ ߦ ల ታ ᗵ ߿ ㆐ ᚑ ᗵ ߇ ߶ ߒ ߊ ߡ ⦡ ޘ ߥ ᐕ ઍ ߩ ੱ ߣ 㑐 ࠊ ࠅ ߚ ߊ ߡ ↢ ߈ ߇ ޿ ૞ ࠅ ߘ ߩ ઁ ή ࿁ ╵ ో૕ ᅚᕈ ↵ᕈ 出所:堀越栄子、「2007 年度文部科学省科学研究費補助金(2年目)『家族の生活経営から市民社会 と協働する家族生活へ─地域生活力・生活公共の概念と実証』アンケート調査報告の概要」『家政経 済学論叢  44 号』家政経済学会、2008 年。 図 6  活動継続による自身の変化 (%) N=802                                              ࿾ ၞ ߳ ߩ ᗲ ⌕ ߇ ᒝ ߊ ߥ ߞ ߚ ࿾ ၞ ߇ ࠊ ߆ ࠆ ࠃ ߁ ߦ ߥ ߞ ߚ ࿾ ၞ 㨯 ␠ ળ ߢ ⥄ ಽ ߩ ሽ ࿷ 㨯 ᓎ ഀ ࠍ ᗧ ⼂ ࿾ ၞ 㨯 ␠ ળ ߩ ⺖ 㗴 ߢ ⠨ ߃ ࠆ ᯏ ળ ߇ Ⴧ ߃ ߚ ࿾ ၞ 㨯 ␠ ળ ߩ ೙ ᐲ 㨯 ઀ ⚵ ߳ ߩ 㑐 ᔃ ߇ ᷓ ߊ ߥ ߞ ߚ ࿾ ၞ ⴕ ᡽ ߩ ᆔ ຬ ળ 㨯 ክ ⼏ ળ ߦ ෳ ട ᡽ ᴦ ⚻ ᷣ 㨯 ␠ ળ ໧ 㗴 ߳ ߩ 㑐 ᔃ ߇ ᷓ ߊ ߥ ߞ ߚ ᭽ ޘ ߥ ੱ ߣ ಴ ળ ޿ ᄙ ᭽ ߥ ᥵ ࠄ ߒ ߦ ℂ ⸃ ߇ ᷓ ߊ ߥ ߞ ߚ ↢ ᵴ ߩ ᖠ ߺ ࠍ ኅ ᣖ ᄖ ߢ ⋧ ⺣ ߢ ߈ ࠆ ੱ ߇ Ⴧ ߃ ߚ ↢߈ ߇ ޿ 㨯 ᭉ ߒ ߺ ߇ Ⴧ ߃ ߡ ੱ ↢ ߇ ⼾ ߆ ߦ ߥ ߞ ߚ ߘ ߩ ઁ ή ࿁ ╵ ో૕ ᅚᕈ ↵ᕈ 出所:図 5 と同じ

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あるので、地域活動者の75.4%が、家族の意識や行動に変化があったと回答し ている。この設問は家族にもしているが、家族自身も65.3%が地域活動者に影 響を受けたと回答している。家族地域活動者は、活動の内容を知らせるなど家 族に働きかけている。 特定非営利活動法人さいたまNPOセンターが開催する「介護者支援セミ ナー」の参加者の約半数は介護経験者であり、自分の経験を活かして社会の役 に立ちたいと考えている人たちである。志と経験のある市民を誘い、集まれる 場を提供し、彼らが継続して活動を続けていけるように支援することで、人間 関係をはじめとした地域生活の資源は豊富になり、社会的孤立は予防できる。 専門家でも行政でもない市民だからこそ独自に、あるいは協働して解決できる 問題、活躍できる場面がたくさんある(金子[1999])。 (2) 北海道栗山町、東京、埼玉の動向 すでに、東京都内や埼玉県内等では、ケアラーを孤立させないために、介護 者の会を支援したり、介護者サロンを運営する介護者サポーターが行政とNPO (特定非営利活動法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン、特定 非営利活動法人さいたまNPOセンターなど)の協働で養成されている。さい たまNPOセンターでは、2009年度はさいたま市との協働事業として、2010 年度、2011年度、2011年度は県内各地(3年間で15か所)の市民実行委員会 と協働して「介護者支援セミナー」を開催している。セミナー受講生は、団体 をつくり、地域包括支援センターや行政、民生委員らと協力しながら、各地で 介護者支援の活動をしている(堀越[2011])。 都内では、アラジンが、ケアに没頭して社会的にも心理的にも孤立しがちな ケアラーが安心して生活できるには地域の支えが重要であると、地域包括支援 センターと協働して「ケアラーズカフェ&ダイニングアラジン」を開設した。 誰にでも開かれた駅前の居場所であり、まずは、「Ⅰアクセスレベル」を効果的 に展開するための試みといえる(境[2012])。アラジンは、今後、カフェを介 護者支援の多機能拠点にしたいとしているが、地域に具体的にどのようなサー ビスや仕組みが必要かを考える上で、市民団体が運営する英国のケアラーズセ

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ンターは参考になる4) 特筆すべきは北海道栗山町社会福祉協議会の取り組みである。2010年度の 調査に参加した栗山町では助けあいの仕組みをつくったり、ケアラー手帳の作 成に取り組んでいる。栗山町は、長年に渡る福祉の実践をベースに、2010年 の調査にも果敢に取り組んだ。ケアラー調査で、「叫びにも似た多くの声」を 聞き、早速、栗山町社会福祉協議会は6つの事業を立ち上げた。①命のバトン を5000世帯に配布(要介護者の情報を入れた筒を冷蔵庫の中に)、②配布先 の家庭を民生委員などが定期的に訪問、③主婦ボランティアが家庭に出向いて 話しを聴き、相談にのる有料サービス「在宅サポーター」、④宅配電話帳(町 内の商店、町の相談窓口、生きがい挑戦コーナーなど)、⑤熟年人材センター、 ⑥ケアラー手帳の発行である(児玉真美[2012])。

おわりに

ケアラーを支援するといっても、ケアラーの生活の内部条件、外部条件に見 識があり、ケアラーに伴走できる人材が必要である。わが国ではケアラーを支 援する専門職や市民の育成に向けた体制はほとんど存在しておらず、市民レベ ルで試行錯誤が繰り返されている。そのため、ケアラーを支援できる人材育成 に向けて、養成プログラムの開発やシステムづくりが早急に必要である。すで に自治体や広域で子ども、障がい者、高齢者、女性等を対象とした相談窓口は それぞれ設置されている。育成した人材はその窓口に必ず1人は配置する、あ るいは相談員が研修を受けるなどしてケアラー支援の視野とノウハウをもち、 さらに、それぞれの窓口をアウトリーチができる地域担当型の「相談と生活支 援の窓口」に変えていくことも考えられる。 4) 英国のケアラーズセンターでは、社会的活動・サポート活動/カウンセリングやセラピー/助言 や情報提供/情報サービス/経済的支援/ヤングケアラーへの支援/メンタルヘルスに対応した 支援/緊急時の対応(緊急時計画)/医療機関に対する働きかけ/多文化社会への対応等の活動 をしている。財源は自治体や自主活動、寄付などである。特に入り口機能として大事なことは、 ケアラーの立場や思いを理解し寄り添う相談支援機能である。その際、自治体が行っている支援 策の紹介や、ケアラーを自治体の施策や窓口に結びつける活動をしている(NPO 法人アラジン [2012])。

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さらに、地域でのケアラー支援をバックアップするための法整備とキャン ペーンが必要である。とくに、日本では親やきょうだい、祖父・祖母をケアす るヤングケアラーの支援はまだまだ進んでいないため、学校へのキャンペーン も重要である。 参考文献・資料 ・赤塚朋子[2010]3.1 生活の社会化と生活資源コントロールのありよう(日本家政 学会生活経営学部会編『暮らしをつくりかえる生活経営力』朝倉書店) ・ブレーメンの挑戦編集委員会編著[2004]『ブレーメンの挑戦∼新福祉論が目指す まちづくり』ぎょうせい ・金子郁容[1999]『コミュニティ・ソリューションーボランタリーな問題解決に向 けて』岩波書店 ・金香百合[2004]エンパワメント(『ボランティア・NPO 用語事典』社会福祉法人 大阪ボランティア協会編集、中央法規) ・児玉真美[2011]『アシュリー事件』生活書院 ・児玉真美[2012]日本で初の「ケアラー手帳」が誕生(『介護保険情報』2012 年 5 月号、社会保険研究所) ・久木田純[1998]エンパワーメントとは何か(『現代のエスプリ』No,376) ・花城梨枝子[2010]3.2.2 多重債務者のエンパワメントー生活資源のコントロール を取り戻す((社)日本家政学会生活経営学部会編『暮らしをつくりかえる生活 経営力』朝倉書店) ・堀越栄子[2008]2007 年度文部科学省科学研究費補助金(2 年目)「家族の生活経 営から市民社会と協働する家族生活へ─地域生活力・生活公共 の概念と実証」 アンケート調査報告の概要(『家政経済学論叢  44 号』家政経済学会) ・堀越栄子[2008]行政資源を市民資源に─地域生活課題の解決に向けての試論(『ま ちと暮らし』(財)消費生活研究所) ・堀越栄子[2010]参加と協働による生活経営((社)日本家政学会生活経営学部会 編『暮らしをつくりかえる生活経営力』朝倉書店) ・堀越栄子[2012]ケアラー支援の枠組みーともに生きる世界を支える社会システム (『都市問題』(公財)後藤・安田記念東京都市研究所) ・一般社団法人日本家政学会 生活経営学部会編[2000]『生活経営学部会 40 周年記 念『暮らしをつくりかえる生活経営力』朝倉書店 ・松村祥子[2012]Sustainability という概念を生活経営の視点で読み解く(『生活 経営学研究』No,47、一般社団法人日本家政学会生活経営学部会)

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・Max-Neef, Mandfred(1987)Human Scale Development. Conception, Appli-cation and Further Reflections

・御船美智子[1996]『家庭生活の経済』放送大学教育振興会 ・三富紀敬[2000]『イギリスの在宅介護者』ミネルヴァ書房 ・三富紀敬[2008]『イギリスのコミュニティケアと介護者─介護者支援の国際的展 開─』ミネルヴァ書房 ・三富紀敬[2010]『欧米の介護保障と介護者支援─家族政策と社会的包摂、福祉国 家類型論─』ミネルヴァ書房 ・森岡清美、塩原勉、本間康平編集代表[1993]『新社会学辞典』有斐閣 ・日米 LTCI 研究会編、高橋龍太郎/須田木綿子編集代表『在宅介護に置ける高齢者 と家族』ミネルヴァ書房、2010 年 ・NPO 法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン、『平成 22 年度老人保 健推進費等補助金老人保健健康増進等事業ケアラーを支えるために 家族(世帯) を中心とした多様な介護者の実態と必要な支援に関する調査研究事業報告書』平 成 23(2011)年 3 月 ・NPO 法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン『平成 23 年度老人保 健推進費等補助金老人保健健康増進等事業 被災地のケアラーとこれからのケア ラー支援』平成 24(2012)年 3 月 ・境朗子[2012]地域に開かれた介護者支援の多機能拠点(『介護保険情報』2012 年 6 月号、社会保険研究所)

図 2  ケアラーが希望する支援(1,734 名) 㪉㪉㪅㪏 㪈㪋㪅㪈 㪉㪊㪅㪌 㪊㪇㪅㪋 㪉㪐㪅㪍 㪈㪎㪅㪐 㪈㪍㪅㪋 㪈㪈㪅㪏 㪐㪅㪈 㪈㪍㪅㪊 㪉㪉㪅㪉 㪈㪎㪅㪊 㪋㪎㪅㪇 㪋㪋㪅㪍 㪊㪇㪅㪋 㪊㪉㪅㪐 㪊㪉㪅㪋 㪋㪍㪅㪐 㪌㪋㪅㪊 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪐 㪋㪉㪅㪋㪊㪐㪅㪋 㪋㪌㪅㪋 㪋㪈㪅㪐㪊㪎㪅㪐㪊㪏㪅㪎㪊㪊㪅㪊㪊㪉㪅㪈㪊㪇㪅㪐㪊㪐㪅㪉㪊㪋㪅㪍㪊㪐㪅㪉 㪉㪐㪅㪊㪉㪏㪅㪏㪊㪉㪅㪎㪊㪈㪅㪐㪉㪐㪅㪌 㪊㪋㪅㪌 㪊㪈㪅㪇㪊㪏㪅㪋㪊㪐㪅㪇 㪈㪋㪅㪎㪉㪋㪅㪍 㪈㪊㪅㪈 㪈㪇㪅㪈㪈㪉㪅㪐㪈㪐㪅㪐㪉㪋㪅㪋㪊㪇㪅㪈㪊㪈
図 3  ケアラーの年齢別、ケアラーが希望する支援 (1,734 名/複数回答/無回答 27 名) 出所:図 1 と同じ また、知的障がいの人のケアラーはほぼすべての項目について、支援希望 が強い。精神疾患の人のケアラーはカウンセリングへの希望がとても高い【図 4 】 。知的障がいの人のケアラーは比較的年齢層が若く、認知症の人のケアラー はかなり高齢者が多いことと回答の傾向は重なっている。 (5) 被介護者とケアラーの両当事者の尊重 さらにとても大事なことは、ケアラーは、 「ケアラー自身への支援策」と「ケ
図 4  疾病・障がい別、ケアラーが希望する支援(1,734 名) (知的障がい、精神疾患、認知症/回答者数 131 人、167 人、568 人/                      複数回答/無回答を除く) 出所:図 1 と同じ (6) ケアラーの特徴と支援の方向性 調査の中でケアラーの 3 つの特徴が見えてきた。 1 つは、ケアラーは、 「介 護をするのを嫌がるなんてなんて冷たい家族だ、と思われたくない」と考えて いる。重症重複障害のある娘さんを介護してきた児玉真美さんは、 「家族介護 者の自己犠
図 5  活動のきっかけ (%) N=802                  ⥄ ಽ ߇ ࿎ ߞ ߚ ኅᣖ߇࿎ߞߚ ࿎ߞߡ޿ࠆੱ ࠍ ⷗ ߡ ኅᣖߦ⺃ࠊࠇߡ ෹ੱ߿ㄭᚲߦ⺃ࠊࠇ ߡ ૗߆ߒߡߺߚ߆ߞߚ ࿾ၞߦખ㑆㨯෹㆐߇߶ ߒ ߆ ߞ ߚ ࿾ၞᖱႎ߇߶ߒߊߡ ࿾ၞߩᓎߦ┙ߜߚߊߡ ⢻ജ߿⚻㛎ࠍᓎ┙ߡߚߊߡ ␠ળߩ⺖㗴ࠍ⸃᳿ߒߚߊߡ ↢ᵴߦలታᗵ߿㆐ᚑᗵ߇߶ߒߊ ߡ ⦡ޘߥᐕઍߩੱߣ㑐ࠊࠅߚߊߡ ↢߈߇޿૞ࠅ ߘߩઁ ή࿁╵ో૕ᅚᕈ ↵ᕈ 出所:堀越栄子、 「2007 年度文部科学省科学研究費補助金(2年目

参照

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らぽーる宇城 就労移行支援 生活訓練 就労継続支援B型 40 名 らぽーる八代 就労移行支援 生活訓練 就労継続支援B型 40 名

 支援活動を行った学生に対し何らかの支援を行ったか(問 2-2)を尋ねた(図 8 参照)ところ, 「ボランティア保険への加入」が 42.3 % と最も多く,

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支援級在籍、または学習への支援が必要な中学 1 年〜 3

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