本号は, 2006 年 5 月 18 日に韓国・ソウル市の延世大学崔以順記念ホールで, 本学と延世大学 が共同開催した 「第1回韓日定期シンポジウム」 の全記録を収録した特集号です. このシンポジウムは, 本年から毎年, 両大学が共催して, 日本と韓国で交互に開催することに なっている研究シンポジウムの記念すべき第1回です. 今回はシンポジウム全体のテーマを 「高 齡化による保健福祉政策の韓日比較」 とした上で, 第1主題として 「高齢化と保健医療政策」, 第 2 主題として 「高齢化と地域福祉政策」 を取り上げ, 日韓双方の研究者による報告と活発な討 論が行われました. 日本側からの参加者は, 宮田和明本学学長, 二木立本学教授, 野口定久本学教授, 平野之本 学教授, 近藤克則本学教授, 武川正吾東京大学大学院教授 (以上, 本学 COE プログラム関係者) をはじめ, 教授・大学院生 (すべて韓国からの留学生) 約 10 人です. 韓国側からの参加者は, 延世大学関係者が中心でしたが, ソウル大学等韓国の著名大学からの参加者も少なくなく, 参加 者総数は約 100 人と思われます. シンポジウムでは, まず韓相完延世大学副総長が開会の挨拶をされたあと, 鄭暢泳総長が歓迎 の辞を, 宮田本学学長が答辞を述べられました. その後, 以下のような報告と討論が行われまし た. ○第1主題:高齢化と保健医療政策 「高齢化社会のための老人保健政策」 (文玉綸ソウル大学教授) 「日本における 21 世紀初頭の医療改革の 3 つのシナリオ」 (二木立本学教授) 討論:丁炯先延世大学教授, 近藤克則本学教授, 韓達鮮大韓保健協会長・前翰林大学総長, 二木 立本学教授 ○第2主題:高齢化と地域福祉政策 「高齢化と韓国における福祉政策の選択」 (金振洙延世大学教授) 「日本における高齢化社会のもとでの地域ケア政策」 (平野之本学教授) 討論:曹興植ソウル大学教授, 武川正吾東京大学大学院教授, 金振洙延世大学教授, 平野之本 学教授 ○総合討論:李奎植延世大学教授 (司会), 野口定久本学教授, 徐榮浚延世大学教授, 鄭武權延 1 日本福祉大学社会福祉学部・日本福祉大学福祉社会開発研究所 日本福祉大学社会福祉論集 特集号 2006 年 11 月
社会福祉論集
特集号刊行にあたって
日本福祉大学
教授・21 世紀 COE プログラム拠点リーダー
二
木
立
世大学教授, 二木立本学教授, 平野之本学教授, 金振洙延世大学教授 本シンポジウムでは, すべての報告の全文を日韓両国語で掲載した膨大な報告書が参加者全員 に配布され, しかも報告と討論はすべて流暢な同時通訳で行われました. そのためもあり, 報告・ 討論とも非常に高水準であり, 日韓双方の参加者にとって非常に実りの多いシンポジウムとなり ました. 本特集号には, 4 つの報告だけでなく, すべての討論も収録しました. しかも, 討論者は当日 の発言をテープ起こしたものに大幅に加筆補正したため, それぞれがまだ活字にはなっていない 最新情報や 「本音」 の見解を含んだ 「小論文」 にもなっています. 実は, 4 つの報告については, 韓国側の 2 人は保健医療福祉政策の 「総論」 を主に報告したのに対して, 日本側の 2 人は最新の 医療政策と地域ケア政策という 「各論」 を報告したため, 多少のズレがありました. しかしこの ズレは, 合計 4 時間近い率直な討論によってほとんど埋めることができました. それだけに, 日本と韓国における保健医療福祉政策の最新情報と最新の研究成果を満載した本 特集号が, 多くの研究者や大学院生に読まれることを期待しています. 最後に, 本シンポジウムの準備を入念に行っていただいた李奎植教授を中心とする延世大学教 授の皆様, および本特集号の発行をお認めいただいた日本福祉大学社会福祉論集編集委員会に, 心から感謝いたします. 2006 年 10 月 15 日 社会福祉論集 特集号 2