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日本語教育実習における課題と展望 (上條彰次先生退任記念号)

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title

日本語教育実習における課題と展望

Issues and prospect of Japanese teachers training program

Author(s) 下田 美津子(SHIMODA Mitsuko)

Citation 文林(BUNRIN),No.35:77-86

Issue Date 2001

Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文

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日本語教育実習における課題 と展望

日本語教育実習 におけ る課 題 と展望

美 津 子

1.は じめ に 国文 学 科 に 日本 語 教 育 専 攻 の コー ス が設 置 さ れ て本 年 度 末 で14年 が 経 過 した。2001年3月 に は第11期 の卒 業 生 を送 り出 す こ とに な る。 こ の コ ー ス で は 日本 語 教 師養 成 大学 と して 学生 に将 来 の 目標 と希 望 を持 たせ る ため に、 1期 生 の卒 業 時点 か ら協 定 大 学 へ の 日本 語 教 育 助 手(TA)を 派 遣 して お り、 学 内 の 国際 交 流 室 の努 力 に よ り現 在 は 、毎 年 、 協 定 校 で あ る北 京 外 国 語 大 学 へ2名 の助 手 、 アデ レー ド大 学生 涯教 育 コー ス へ1名 のTAを 送 り 出 して い る(2000年 度 にあ らた にデ ラ ウエ ア大 学 へ のTAの 派 遣 も始 ま っ た が、 デ ラウ エ ア大 学 が 要 求 す るTAと して の高 い英 語 運 用 能 力 を最 優 先 させ 、 第1回 目 は英 語 英 米 文 学科 の卒 業 生 を 派遣 した)。 学 生 の卒 業 後 の 日本語 教 育 関 係 の 進 路 はTAの 他 に は大 学 院 進 学 、 日本 語 学 校 非 常 勤 講 師 な どで 、卒 業後 数 年 して海 外青 年 協 力 隊 で 日本 語 教 師 と な る もの も出 て きて い るが、 卒業 直 後 の 日本 語教 育 関係 へ の就 職 はむ ず か しいの が 現 状 で あ る。 本 稿 は、 卒 業 生 の 進 路 選択 に あ た って教 育 実習 が有 効 に作 用 して い るか ど うか と い う 日本 語 教 師 養成 大学 に 共通 す る問題 を、 本 コ ー ス の教 育 実 習 を 通 じて 考 察 し、近 年 の 日本 語教 育 に お け るさ ま ざ ま な変 革 の流 れ の 中で これ か らどの よ うな方 向 に進 む べ きか 展望 す る こ とを 目的 と して い る。 一77一

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2.日 本 語 教 育 をめ ぐる現 状 学 部 学 生 の 日本 語 教 師 養 成 の在 り方 につ いて は、 大 学 日本 語 教 師養 成 課 程 研 究協 議 会(以 下 大 養 協 と呼 ぶ)な どで これ ま で に も、 さ ま ざ まな論 議 が積 み重 ね られ て き た。 特 に卒業 後 の進 路 の開 拓 に っ い て は どの 大学 も苦 慮 して お り、 た び た び取 り上 げ られ議 論 さ れ て きた。 日本 語 教 育 専 攻生 が 大学 で学 ん だ こと を基 礎 に、 社 会 の各 層 各 分 野 で1幅広 く活 躍 して い る とい うこ と 自体 に意 義 が あ る こ と は言 う まで もな い。 しか し、 こ と 日本 語 教 師 とな る と、種 々 の 問題 が横 た わ って い る。 資格 の 認 定 も そ の問 題 の ひ とっ で あ る。 主 専 攻 、 副 専 攻 、 日本 語 教 育 能 力検 定試 験 合 格 者 な ど とい っ た基 準 はあ る もの の 、 そ の基 準 を満 た したか らと い って 卒 業 後 国 内、 海外 で 日 本 語 教 師 を仕 事 と して い こ うとす る意 欲 あ る学 生 に制 度 的 な保 証 は ま った くな され て い な い。 ま た 現在 、 国 内 の公 立 学 校 で は定 住 者(イ ン ドシ ナ難 民 、 中 国 帰 国者 、 日系南 米 人 な ど)の 子 弟 の 日本 語 教 育 に大 き な 問題 をか か え て お り、 特 別 に 日本 語 を 指導 す る い わ ゆ る下 配 の教 員 の手 当 て が な さ れ る学 校 が増 え て きて い るが、 日本 語 教 師 の課 程 と教 員 免 許 を連 携 させ る こ と もさ まざ まな要 因 で い ま だ実 現 に い た っ て い な い。 ひ とっ に は 日本語 教 師 とい う仕 事 が 国 内 の 日本 語 学 校 の場 合 、 学 校 教 育 と は違 って 、 目に 見 え る結 果 が もと め られ、 現 場 で教 師 を育 て て い く余 裕 が な い こ とが あ げ られ る。 そ こで は、 学 校 教 育 の よ うに毎 年 新 規 の教 員 を 雇 い いれ る と い うよ うな 制度 的 な保 証 は ま った く期 待 で きな い。 な に よ り も現 場 で の教 育 経 験 を積 ん だ 「す ぐ役 に立 っ」 教 師、 ま た一 方 で は多 様 化 す る学 習 者 に 柔軟 に対 応 で きる教 師 が 求 め られ て い るが、 現 状 は そ の よ うな教 師 を 大学 は 養 成 で きて い な い とい う こ とを 示 す結 果 に な っ て い る。 そ こで 問題 とな るの が教 育 実 習 の 在 り方 で あ る。 そ れ は現在 の大

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日本語教育実習 にお ける課 題 と展望 学 で の教 育 実 習 の 内容 が 卒 業 後 す ぐに教 壇 に立 っ に は不 十 分 だ と い う こ と で もあ る。 そ の よ うな実 態 を踏 まえ て 、 養 成 大学 で これ か らど の よ うな点 で 、 どの よ うな方 策 が可 能 かが 過 去 数 年 にわ た って議 論 さ れ て き た。 そ して 今 回 、 大 学 日本 語 教 師養 成 課 程 にお け る教 育 実 習 の 在 り方 に っ い て、 目に 見 え る 変 革 が 行 わ れ よ う と して い る。 少 しで も現 場 を経 験 さ せ るた め に 大 養 協 で は民 間 の 日本語 学 校 に協 力 を求 め、 大 学 との 連携 に 向 け て2000年 秋 か ら準 備 が 進 め られ て きた。 全 国 を各 ブ ロ ック に分 け、 ア ンケ ー ト調 査 で 大 学 か らの 実習 生 の受 け入 れ に協 力 で き る と答 え た 日本 語学 校 と大 学 とが 個 別 に 協 議 す る とい う もので、2001年 度 に もその試 みが 実行 に移 さ れ る こ とに な っ て い る。 教 育 実 習 の 内容 は受 け入 れ 側 の 日本 語 学 校 の 態 勢 、 受 け 入 れ 時 期 、 期 間 な ど さま ざ ま な要 因 で 異 な って くるで あ ろ う し、 授 業 見学 だ け受 け入 れ る の か、 現 場 の教 師 に よ る教 壇 実 習 指 導 が あ るの か 、 ま た そ れ が 可能 な場 合 の実 習 生 の受 け入 れ人 数 や費 用 にっ い て もさ らに協議 が必 要 にな って くる。 そ の ほか に大 学 の 教 員 が どの よ うに 関 わ って い くか、 単 位 の認 定 は ど うす るのか な ど、 まだ 手 付 か ず に残 され て い る問 題 は多 い。 しか し教 育 実 習 が 個 別 の養 成 大 学 の 枠 を超 え て 、 外 に 一 歩 踏 み 出 した こ との意 味 は 大 き い。 2001年 度 か らは従 来 の主 専 攻 、 副 専攻 の 区別 、 単位 の しば り もな くな り、 標 準 的 教 育 内 容 も各 大学 へ の 調 査 の 結 果 を ふ ま え て、 大 幅 に 改革 され た。 それ に従 って カ リキ ュ ラム 改 革 が 行 わ れ 、 大 養協 で は先 行 の大 学 で の カ リ キ ュ ラ ム案 を い くっ か モ デ ル と して 開 示 して い る。 改革 の基 本 的 な 考 え方 は、 多 様 化 す る 日本語 教 育 に対 応 す る ため に、単 一 の一 方 向 だ け に 縛 られ る こ とな く、各 大 学 が独 自の特 色 を 出 す と い う こ とだ と思 わ れ る。 -79一

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ま た学 習者 の 多様 化 に対 応 す る ため に 各大 学 が そ れ ぞ れ 具 体 的 に帰 国子 女 の 日本 語 教 育 、 海 外 の 中等 教 育 で の 日本語 教 育 、 日本 語学 校 で の大 学 や 専 門 学 校 へ の進学 を 目指 す 日本 語 教 育 な ど、 個 別 の 対 象 や 目的 に合 った 教 育 を特 色 と して 打 ち 出 して い く こと も考 え られ る。 日本 語 教 師養 成 に関 す る以 上 の よ うな変 革 の 流 れ を背 景 に と らえ て 、 本 学 で の教 育 実 習 の さ ま ざ まな方 策 に焦 点 を当 て て 、 以 下 に学 内 で の教 育 実 習、 学 外 の教 育 実 習 プ ロ グ ラ ムそ して ボ ラ ンテ ィア の 日本 語 教 育 活 動 の順 に、 現 状 と課 題 そ して 今 後 の 展望 を述 べ て い く。 3.学 内 に お け る教 育 実 習 現 在 、 本学 の教 育 実 習 は 日本 語 教 育 特殊 演 習(教 育 実 習 を 含 む)と い う 科 目名 で3、4年 次 の 日本 語 ・日本 語 教 育 コ ー ス の学 生 を対 象 に 開講 され て い る。87年 の コー ス初 年 時 入学 生 は必 修 科 目で あ っ たが 、 次 年度 か ら は 選 択 科 目 とな って い る。 近 年 の履 修 者 数 は15∼25名 程 度 で30名 を超 え る こ と はな く、 履 修 制 限 は 行 って い な い。 この演 習(以 下 教 育 実習 と呼 ぶ)は 通 年 科 目で 本学 で は初年 度 か ら模 擬 実 習 と教 壇 実 習 を共 に行 って い る。 ま た希 望 す る受 講 生 は短 期語 学 研 修 で来 日す る学 内 の ア メ リカ人学 生 の チ ュ ー タ ー と な り、 日本語 学習 の手 伝 い をす る こ とが で き る。 模 擬 実 習 で は受 講 生 が互 い に実 習 生 と模 擬 学 習 者 に な り、 実 習 生 は教 案 を作 成 し、20分 の 授 業 を 通年 で3、4回 担 当 す る。 本 学 で は6人 規 模 の ク ラスを 想 定 し、 実 習 生 が6人 の模 擬 学 習 者 に 模擬 実習 を行 い、 他 の受 講 生 は後 ろで 授 業 観 察 を して 実 習 後 に 実習 生 に評 価 表 を渡 す とい う形 式 で 行 っ て い る。 教 壇 実 習 は初 年 度 の89年 度 か ら後 期 にJapanStudyCenterに 短 期 日本

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日本語教育実習におけ る課題 と展望 語 プ ロ グ ラムで 来 日す るア メ リカ人 学 生 を対 象 に行 って いた が、95年 度 は 震 災 に よ りプ ロ グ ラ ムが取 りや め に な った。 そ の時 に学 内 の 英 語 母 語 話 者 教 員 よ り実 習 へ の 協 力 の 申 し出 が あ り、 以 下 に述 べ る よ うに変 則 的 で は あ るが学 内 で教 壇 実 習 も途 切 れ る こ とな く続 け られ る こと に な っ た。 そ の後 ア メ リカ学 部 留 学 生 の 短 期 日本語 プ ロ グ ラム も復 活 した が、 英 語 教 員 を対 象 とす る教 壇 実 習 は2000年 度 まで 過 去6年 間続 け られ て い る。 この教 壇 実 習 は英 語 教 員 の協 力 無 しに は続 け られ な い が、 教 壇 実 習 の機 会 の少 な い大 学 で の ひ とっ の試 み と して 簡 単 に紹 介 して お きた い。 昼 休 み の20分 間2人1組 の実 習 生 が 英 語 教 員2名 、 模 擬 学習 者4名 の6 人 ク ラス を教 え る とい う もの で、 他 の受 講 生 は後 ろで 観 察 し、 実 習 後 全 員 で 授 業評 価 を行 い、 評 価 表 を実 習 生 に渡 して い る。 ち なみ に英 語 教 員 の 参 加 人 数 は実 数 で95∼97年 度 は17人 、98年 度10人 、99年 度11人 、2000年 度9 人 と な って い る。 英語 教 員 の 日本 語 能 力 は実 際 はゼ ロ初 級 か ら中 ・上 級 ま で と さ ま ざ まだ が 、 実 習 に あ た り全 員 初 級者 とい う設 定 で協 力 を求 めて い る。 この教 壇 実 習 の最 大 の特 長 は、 学 習 者 に な る のが 語学 教 師 だ とい う点 で あ る。 実 習 直 後 に担 当 の実 習 生 に、 声 の 出 し方 、 自信 を持 って学 習 者 に 臨 ん でい るか ど うか、教 案 に振 り回 され て い な いか、 板書 の仕方 、 フ ラ ッ シュ カ ー ドや絵 パ ネ ル な ど教 具 の使 い方 、 ロー ル プ レイや ゲ ー ムな どの 指 示 の 出 し方 が 適 切 か ど うか 、 学 習 者 へ の反 応 の仕 方 ま で詳 し く書 か れ た 実 習 評 価 表(英 語)が 渡 さ れ る。 この点 に っ い て は短 期 留 学 の大 学 生 の 日本 語 学 習 者 を対象 に行 って い た実 習 と は比較 に な らない ほど効 果 が あ が って い る。 扱 う言 語 は 日本 語 と英 語 とい う違 い はあ って も、外 国語 教 育 の教 授 法 と い う共 通 した視 点 か らの適 切 な表 現 によ る コ メ ン トは実 習 回数 の 少 な さを補 っ 一81一

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て余 りあ る もの と な って い る。 模 擬 実 習 にっ いて は 日本 語 母 語 話 者 で あ る模 擬 学 習 者 を相 手 に実 習 す る こ と に対 して懐 疑 的 な意 見 もあ るが 、 本 年 度 の 受 講 生 へ の ア ン ケー ト調 査 の結 果 を見 る と、 学 生 の 多 くが 英 語 教 員 の 反 応 に励 ま さ れ て 実 習 の達 成 感 を持 ち,教 壇 実 習 の回 数 を増 や して ほ しい と回 答 して い る一 方 で 、 そ の準 備 段 階 と して の模 擬 実 習 を意 味 の あ る もの と して い る。 今 後 い っそ う模 擬 実 習 の質 を高 め る ため に、2年 次 で行 って い る短 期 留 学 生 との 合 同 ク ラス の回 数 を増 や す な ど して,非 母 語 話 者 との接 触 場 面 で使 う 日本 語 と、教 室 で 教 え る時 の テ ィー チ ャー トー クの 日本 語 との関 連 を意 識 化 す るな どの方 策 を 考 え て いか ね ば な らな い で あ ろ う。 ま た、 授 業 見 学 は短 期 語学 研 修 の 日本語 コ ース で行 って い るが、 学 外 の多 様 な 日本 語 教 育 機 関 で の 見学 の機 会 を増 や す こ と も課 題 で あ る。 4,学 外 の実 習 プ ログ ラ ム 次 に学 外 で の実 習 の現 状 と可 能 性 に っ い て見 て い き た い。 現 在 、 担 当教 員 が 窓 口 に な り学 生 が 参 加 して い る の は以 下 の プ ログ ラム で あ る。 1)日 本 語 教 育 実 践 講 座 。 参 加 費 用 は24,000円(2000年 度)。 この プ ロ グ ラ ム は91年 度 よ り兵 庫 県 国 際 交 流 協 会(以 下HIAと す る) が 県 内在 住 外 国 人 の 日本 語 学 習 支 援 事 業 の 一 環 と して 行 って い る。 日本 語 教 師 と して の実 践 力 向上 の ため に、 主 に県 内 の 大 学 の 日本 語 教 師養 成 課 程 の学 生 を対 象 に 、HIAの 主 催 す る 「留 学 生 夏 期 集 中 日本 語講 座 」 を 実 習 の場 と して、 夏 期 の3週 間 行 わ れ る。 当 初 の 参加 校 は姫 路 独 協 大 学 と本学 の2校 の みで あ っ た が、 次 第 に 規模 も大 き くな り、 内 容 も充 実 した もの に な って 、2000年 度 に は5大 学 か ら1校5名 の 参 加 希望 者 を 募 って 開 催 され

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日本語 教育実習 にお ける課題 と展望 て い る。 本 学 か ら は3年 次 か ら参 加 で き るが 、 希 望 者 が 多 数 の場 合 は4回 生 を優 先 して い る。2年 続 け て参 加 す る こ と も可 能 で あ る。HIAは この プ ロ グ ラ ム の ため に多 くの ベ テ ラ ンの 日本 語 教 師 を配 して カ リキ ュ ラ ムを 組 み、 授 業 見 学 と実 習 指 導 が 行 わ れ る。 実 習 生 に と って は た く さん の教 師 の授 業 が見 学 で き、 初 級 か ら中 級 ま で 学習 者 の レベ ル に合 わ せ た教 案 指 導 と実 習 指 導 が 受 け られ る と い う他 に 例 を 見 な い プ ロ グ ラム で あ る。 本 学 は 単 位 認 定 は して い な いが 、 こ こで の 教 育 実 習 に よ る補 強 が あ るた め に、 特 に北 京 外 国 語 大 学 へ は安 定 して 質 の 高 い卒 業生 を 助手 と して 派 遣 す る こ と が可 能 に な って い る。 この実 践 講 座 で は2000年 度 か ら教 案 作 成 の 段 階 で 各 大 学 の 教 員 が 所 属 大 学 の実 習 生 を指 導 す る こ とに な った。 学 外 の 教 育 実 習 に どの 程 度 、 ま た ど の よ うに担 当教 員 が 関与 す る の か、 さ らに、 参 加 学 生 に単 位 を与 え るの か 否 か な ど、 今後 日本 語 学 校 との連 携 の 際 に起 こ る で あ ろ う と予 想 さ れ る さ まざ まな 問題 に取 り組 む た め の一 っ の先 行 ケ ー ス と して注 目 さ れ る。 2)JTTP(JapaneseTeacherTrainingProgram)。 参 加 費 用 は短 期 語 学 研 修程 度。 これ は98年 度 に始 ま った ロ ン ド ン大 学 ロ イヤ ル ホ ロ ウエ イ 校 が 主 催 す る 日本 語 実 習 と英 語 研 修 を 組 み 合 わ せ た プ ロ グ ラ ムで 、 本 学 か らは初 年 度 か ら毎 年 数 名 の学 生 が 参加 して い る。 この プ ロ グ ラ ム は 日本 語 教 師 養 成 課 程 を持 っ 日本 の 大 学 か ら個 人 参 加 の か た ちで 学 生 を受 け入 れ て お り、 夏 期 の 3週 間 、 大 学 の 寮 に寄 宿 して 行 わ れ る。 学 生 は他 の大 学 か らの参 加 者 と共 同で 教 案 を 作 り、 初 等 教 育 機 関 で の教 育 実 習 で は ペ ア ー ・テ ィー チ ン グを 行 うな ど、 学 生 同 士 の 交 流 もよ い刺 激 とな って 、 成 果 を あ げ て い る。 ロイ ヤ ル ホ ロ ウェ イ校 は本 学 と交 流 協 定 が あ るた め、 修 了 認 定 証 と成 績 一83一

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表 の 提 出 を うけて 、 日本 語 教授 法2単 位 、 英 語2単 位 が与 え られ る。 3)桃 山 学 院 大学 日本 語 教 育実 習 プ ロ グ ラ ム。 参 加 費 用 は短 期 語学 研 修 程 度 。 この プ ロ グ ラ ムは桃 山学 院大 学 が99年 度 か ら単 独 で行 って い るオ ー ス ト ラ リァ、 メ ル ボ ル ンの ラ ・ トロ ー ブ大 学 へ の 夏 期研 修 プ ロ グ ラ ムで 、 日本 語 教 育 実 習 と英 語 研 修 を組 み 合 わ せ た 内 容 の プ ロ グ ラ ムで あ る。 学 生 は全 員 ホ ー ムス テ イ を し、 教 育 実 習 は中 等 教 育 機 関 で 行 って い る。 多 文 化 ・多 言 語 主 義 の オ ー ス トラ リア の言 語 政策 につ いて も学 ぶ。2000年 度 に同 じ聖 公会 系 の大 学 で あ る桃 山学 院 大 学 か らの 申 し出で 、4名 の参 加 が 実 現 した。 オ ー ス トラ リアへ の付 き添 い は桃 山学 院 大 学 の 教 員 が行 って い る。 結 果 的 に は、 合 同で 行 っ た こ と に よ り両 校 の 学 生 間 に良 い意 味 で の 緊 張 感 が 生 ま れ、 それ が 刺 激 と な って 成 果 が あ った と い う研 修後 の評 価 が得 ら れて い る。 こ の よ う な ゆ るや か な形 で の 他 大 学 の 実 習 プ ロ グ ラ ムへ の参 加 は こ れか らも増 え て い くもの と思 わ れ る。 ま た、 本学 は ラ ・トロー ブ大 学 と は交 流 協 定 が な い た め、 単 位 は認 定 して い な い な ど今 後検 討 す べ き課 題 は多 い。 5,日 本 語 支 援 の ボ ラ ンテ ィア 多 様 な学 習 者 に 出会 う場 と して、 ボ ラ ン テ ィ アで 行 う 日本語 教 育 を実 習 の場 と して と らえ る こ と も重 要 で あ る。 学 生 自身 が 居住 して い る地 域 の 自 治 体 が 行 って い る ボ ラ ンテ ィア 日本 語 教 室 に登録 して い る学 生 も多 いが 、 こ こで は本 学 の 多 くの学 生 が参 加 して い る2つ の 日本 語 ボ ラ ンテ ィア教 室 に つ い て 紹 介 しよ う。

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日本語教育実習における課題 と展望 1)神 戸 定 住 外 国 人 支 援 セ ンター 日本 語 プ ロ ジェ ク ト(KFC) 95年 の震 災 直後 に開 か れ た 「被 災 ベ トナ ム人 日本 語 教 室 」 が 母 体 とな っ て い る。97年 に 「被 災 ベ トナ ム人救 援 連 絡 会 議 」 が 「神 戸 定 住 外 国 人 支 援 セ ン ター」 に改 組 され た の に伴 って 発 足 した。 ベ トナ ム難 民 の定 住 者 が 多 い長 田 区 で行 わ れ て い る 日本 語 学習 支 援 活動 で、 本学 の学 生 も多数 登録 し て 、 マ ン ッ ーマ ン、 グ ル ー プ授 業 を行 って い る。 学習 者 の国 籍 はベ トナ ム を は じめ 中 国 、韓 国、 ブ ラ ジル な どで 、 参 加学 生 は 日本語 教 育 とい う入 口 か ら入 って,多 文 化共 生 とい うよ り大 き な枠 組 み の中 に い る こ と に気 づ く と い う貴 重 な 体 験 を して い る。 2)に ほん ご ひ ろば 岡 本 東 灘 区 に住 む 日系 ブ ラ ジル 人 へ の 日本語 学 習 支 援 を 目的 に、 前 記KFC の 日本 語 ボ ラ ンテ ィア ネ ッ トワ ー ク の ひ とっ と して 開 か れ た 日本 語 教 室 で あ る。 本 学 の 日本 語 教 育 専 攻 の学 生 を ボ ラ ンテ ィ ア の主 体 に とい う要請 を 受 け、99年11月 の立 ち上 げ に筆 者 も関 わ って い る。 現 在 は本 学 の学 生 だ け で な く、在 日外 国人 と地 域 社 会 で の共 生 を 目指 す 多様 な人 達 が ボ ラ ンテ ィ ア登 録 を して い る。 学 習 者 は2000年9月 現 在 で約40名(東 ア ジア を 中心 に 南 米 、 北 米 な ど)で 、 マ ンッ ーマ ンで の 日本語 教 育 支援 が主 で あ る。 登 録 して い る本 学 の 学 生 は1年 次 か ら4年 次 まで10数 人 で 、 運 営委 員 を して い る学 生 もい る。 6.お わ りに 大学 の 日本 語 教 師養 成 課 程 を修 了 した人 は、 確 か に 立派 な教 案 を 作 って くるが 、 教 案 を教 え る こ と にだ け汲 々 と して い る と い う批 判 を 日本 語 学 校 側 か ら聞 くこ とが あ る。 大 学 側 は、 教 案 作 成 に ばか り重 点 を置 いた 実 習 指 一85一

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導 を して い るわ けで は な いが 、 教 室 で 型 通 り の教 師 と して学 習 者 に対 す る と い う近 代 の教 育 の枠 組 み の中 にだ け と ど ま って い た の で は、 見 え て こな い も のが あ るの も確 か で あ る。 そ の よ うな教 育 観 が ほ こ ろ び は じめ て い る こ と は 日本 語 教 育 に限 った こ とで は な いが 、 異 文 化接 触 の最 先 端 と して の 日本 語 教 育 で は、 時 代 の予 兆 が いち早 く現 れ る。 日本 語 の授 業 の 中で 、 多様 な文 化 的背 景 を 持 っ た生 身 の学 習 者 の直接 的 な反 応 に対 応 す る た め に は、 さま ざ ま な活 動 経 験 が 不 可 欠 で あ る。 柔 軟 な 思考 と強靭 な神 経 が培 われ て い く場 と して 実 際 の教 育 現 場 で の 体 験、 学 外 で の実 習 プ ロ グ ラム や ボ ラ ンテ ィア活 動 へ の参 加 な ど は 日本 語教 師養 成 大 学 の 教 育 実 習 を よ り強 化 す る た め の方 策 と して有 効 で あ る と思 わ れ る。 学 生 の 経 済 的 負 担 、単 位 の認 定 、 大 学 聞 で の 合 同 プ ロ グ ラムへ の 形 成 な ど、 今 後 さ ま ざ まな課 題 が 残 され て い るが 、試 行錯 誤 を繰 り返 しなが らも、 開か れ た教 育 実 習 の確 立 が これ か らい っそ う 日本 語 教 師 養 成 に求 め られ て い くで あ ろ う。

参照

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