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<論説>国家公務員倫理法・倫理規程--制定の背景とその内容及び施行状況と今後の課題

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(1)国家公務員倫理法 ・倫理規程. 制 定 の背 景 と そ の内 容 及 び 施行 状 況 と今 後 の課 題1. 国 家 公 務 員 倫 理 法 ・倫 理 規 程 ー. 石. 田. 榮 仁 郎. 二 一世 紀 を 迎 え た 二 〇 〇 一 ( 平 成 十 三 ) 年 一月 六 日 よ り 中 央 省 庁 が 一府 二 二 省 庁 か ら 一府 一二 省 庁 へと ス リ ムな 行. 政 機 構 に再 編 さ れ 、 国 の 行 政 情 報 の公 開 も 同 年 四 月 よ り 実 施 さ れ る こ と と な り 、 いわ ゆ る 行 政 改 革 は か な り の年 月 を. 費 や し つ つも 、 緩 や か で は あ る が 着 実 に 、 一歩 一歩 進 ん で き た 。 し か し 、 肝 心 の、 行 政 を 担 う 公 務 員 のあ る べき 姿 に. つい て は 、 これ ま で (一九 九 九 年 ま で) 全 く と 言 って よ い ほ ど 手 を つけ て こ な か った が 、 国 家 公 務 員 に 対 す る 接 待 や. ( 平 成 十 一年 法 律 第 一二 九 号 )。 平 成 十 二 年 す な わ ち 西 暦 二 〇 〇 〇 年 四 月 に施 行 さ れ た 倫 理 法 の規. 贈 り 物 な ど を 規 制 す る 国 家 公 務 員 倫 理 法 が 、 た び 重 な る 不 祥 事 の再 発 防 止 策 と し て、 一九 九 九 ( 平 成 十 一) 年 八 月 に よ う や く成 立 した. ②. 制 対 象 と な る職 員 は本 省 課長 補 佐 級 以上 で約 九 万 四千 人 に のぼ る と言 わ れ る。 そ こ で本 稿 では、公 務 員 への過剰 な 接 ㈲. 待 な ど 、 相 次 ぐ 汚 職 事 件 の 反 省 か ら 、 議 員 立 法 と し て 提 出 さ れ た 本 法 の成 立 し た背 景 か ら ま ず な が め る こと と し 、 次. の. に倫 理 法 及 び倫 理 規 程 の内 容 を紹 介 し た上 で、 最 後 に施 行 状 況 と今 後 の課 題 に つい て指 摘 し てみ た い。. 一83一.

(2) ω. 働 ㈹ ω. ︿注 ﹀. 行 政 改 革 が 色 々と 叫 ば れ てき た が 、 行 政 改 革 は 行 政 シ ス テ ム の改 革 だ け でな く 、 シ ス テ ムを 担 う 公 務 員. ( 制 度 ) の改 革 も 含. ま れ な け れ ば な ら な い筈 であ る 。 た び 重 な る 公 務 員 の不 祥 事 の発 生 や い わ ゆ る 天 下 り 問 題 等 に つい て、 国 民 か ら 公 務 員 に対 す. る厳 し い批 判 が な さ れ 、 そ の根 底 に は行 政 に対 す る不 信 感 が 募 って い る こと は 否 定 で き な い。 ﹁行 政 を 支 え る 公 務 員 制 度 に つい. ﹁公 務 員 制 度 改 革 の基 本 方 向 に関 す る 答 申 ﹂. ても 、 新 た な 行 政 シ ス テ ム の下 で内 外 の多 様 な 課 題 に対 し 積 極 的 か つ機 動 的 に そ の役 割 と 責 任 を 果 た し 行 政 と 公 務 員 に対 す る 国 民 の 信 頼 の再 構 築 を 図 る こ と が 喫 緊 の課 題 と な って い る 。﹂ (公 務 員 制 度 調 査 会 平 成 十 一年 三 月 )。. な お 、 倫 理 法 第 四 三 条 に よ る と 、 地 方 公 共 団 体 にも 、 こ の法 律 の規 定 に基 づ く 施 策 に準 じ て、 地 方 公 務 員 の職 務 に係 る倫 理. の保 持 の た め に必 要 な 施 策 を 講 ず る よ う に努 め な け れ ば な ら な い義 務 が 課 せ ら れ る こと と な った 。. 相 次 ぐ 汚 職 事 件 の反 省 を 中 央 省 庁 が 示 す 形 の政 府 提 案 (内 閣 提 出 法 案 ) で はな く 、 議 員 立 法 で あ る こ と に、 ﹁公 務 員 、 人 事 院 、. 各 省 庁 は 深 刻 に受 け 止 め な け れ ば な ら な い﹂ と 九 九 年 六 月 に出 さ れ た 人 事 院 ( 九 八 年 度 ) 白 書 (の自 己 批 判 ) にも示 され てい る。. な お 、 筆 者 は 、 ア メ リ カ に お け る 公 務 員 倫 理 法 の実 情 に つい て、 一九 九 八 年 四月 二十 二 日、 第 一四 二 国 会 の参 議 院 行 政 監 視 (有 斐 閣 )、 同 拙 稿. ﹁あ る べき 公 務 員 の倫 理 ﹂ 国 会 月 報 一九 九 九 年 十 二月 号. (新 日本 法 規 出 版 )、 及 び 同 拙 稿. 委 員 会 にお い て意 見 陳 述 す る 機 会 を 得 た 。 詳 細 に つい て は、 第 一四 二国 会 議 事 録 及 び 拙 稿 ﹁国 家 公 務 員 倫 理 法 ﹂ 法 学 教 室 一九 九 九 年 十 一月 号. (二〇 〇 二年 二 月 ) に特 別 寄 稿 と し て掲 載 し た 内 容 を 同 協 議 会 の許 可 を 得 て、 若 干 修 正 の 上. ﹁公 務 員 倫 理 規 制 に 関 す る 日米 比 較 ﹂ 国 会 月 報 一九 九 八 年 七 月 号 等 参 照 。 な お 、 本 稿 は 、 全 国 行 政 相 談 連 絡 協 議 会 編 ﹃季 刊 行 政 苦 情 救 済 ・オ ンブ ズ マ ン﹄ 第 四号 本 紀 要 に寄 稿 し た 原 稿 で あ る。. 制定 の背 景ー 接 待 文 化 と の訣 別ー. 公 務 員 の倫 理 を マ ス コミ が 問 題 提 起 し は じ め た の は 、 一九 七 九 年 の 公 費 天 国 事 件 あ た り か ら と 記 憶 し て い る が 、 九. 五 年 に自 治 体 の官 官 接 待 と 公 金 の不 正 使 用 、 金 融 危 機 に か ら ん だ 大 蔵 官 僚 の 過 剰 交 遊 な ど が 白 日 の も と に さ ら さ れ る. 一84一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(3) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. や 、 行 政 お よ び 行 政 の担 い手 と し て の公 務 員 に 対 す る 国 民 の信 頼 は 失 わ れ 、 公 務 員 倫 理 の あ り 方 が 真 剣 に 問 わ れ 始 め. た 。 し か し 、 公 務 員 倫 理 法 の制 定 に む け て 大 き な イ ン パ ク ト を 与 え た 事 件 は 、 何 と 言 っ ても 、 九 六 年 十 一月 に発 覚 し た 厚 生 省 事 務 次 官 の汚 職 事 件 であ ろ う 。. し か し 、 当 時 の首 相 は、 ( 公 務 員 ) 個 人 の倫 理 を 法 で 規 制 す る も の で は な い と 発 言 し 、 各 省 庁 ご と の倫 理 規 程 で対. 応 し よ う と し た が 、 そ の後 大 蔵 省 の 汚 職 事 件 な ど が 相 次 ぎ 、 九 八 年 三 月 に 発 覚 し た 大 蔵 省 キ ャリ ア官 僚 の課 長 補 佐 や. ノ ンキ ャ リ ア .ト ップ ら が 接 待 汚 職 で逮 捕 さ れ る に及 び 、 倫 理 を 法 で規 制 せ ざ る を 得 な い (も は や 法 律 を つく る し か. な い) こ と を 認 め 、 国 家 公 務 員 倫 理 法 の制 定 へよ う や く 本 格 的 に 動 き 出 し た (﹁バ ン ド エイ ド 日本 ﹂ か ら の脱 却 )。 こ. の事 件 は 、 と く に 大 蔵 省 に 限 って言 え ば 、 強 大 な 許 認 可 権 を バ ック に証 券 ・銀 行 業 界 を 支 配 し てき た 、 い わ ば ﹁官 僚. 天 国 ﹂ を 示 し た も の であ り 、 従 って、 公 務 員 の良 識 と 省 庁 内 の自 律 に任 せ る 方 法 (自 律 作 用 ・自 浄 能 力 ) に は限 界 が. あ る こ と を 示 し た も の に ほ か な ら な い (こ こ に は 、 規 制 緩 和 の 問 題 も 含 ま れ て い た )。 こ の事 件 を 機 に 、 ﹁接 待 文 化 ﹂. に 日 本 中 が け じ め を つけ 、 行 政 へ の信 頼 回 復 に む け て 倫 理 法 制 定 の必 要 性 が よ り 明 確 に な った と 言 え よ 飯 ( 勿 論、 そ の前 提 と し て の行 政 情 報 の 公 開 が 必 要 と な る )。. 国 家 公 務 員 の服 務 の根 本 基 準 お よ び 信 用 失 墜 行 為 の禁 止 に つい て は 、 国 家 公 務 員 法 第 九 六 条 お よ び 九 九 条 ( 地方公. 務 員 に つい て は 、 地 方 公 務 員 法 第 三 〇 条 お よ び 三 三 条 ) に規 定 さ れ て い る と こ ろ で は あ る が 、 そ れ は 総 則 的 、 努 力 目. 標 に 過 ぎ な い。 何 が 信 用 失 墜 行 為 に あ た る か な ど 、 公 務 員 の倫 理 に 関 す る 具 体 的 行 為 規 準 、 準 則 は 定 め ら れ て いな. か った 。 し た が って 、 職 務 権 限 の関 係 で贈 収 賄 に は な ら な い ( 触 れ な い ) と い う こと か ら 、 ( と く に高 級 ) 官 僚 に対. す る 贈 与 、 接 待 お よ び 、 い わ ゆ る ご 招 待 な ど 色 々 と 形 を 変 え て の利 益 供 与 が な さ れ て き た 。 こ の考 え 方 が 、 相 次 ぐ 汚. 一85一.

(4) 職 事 件 を 生 む と い う 結 果 を 招 い た 原 因 の 大 き な 部 分 を 占 め よ う 。 少 な く と も 、 行 政 の担 い手 た る 公 務 員 へ の信 頼 は 、 地 に堕 ち た と ま で は言 わ な い ま でも 、 大 き く 失 墜 し た こ と は 紛 れ も な い事 実 で あ る 。. 明 治 維 新 以 来 、 日本 を こ こ ま で の地 位 に築 き 上 げ た の は 、 ま さ に 官 僚 で あ る と さ え言 わ れ た ﹁官 僚 国 家 ﹂ 日本 の姿 、. 神 話 は 一体 ど こ へ行 って し ま った のか 。 そ の能 力 に お い て世 界 で有 数 と 言 わ れ た 日 本 の官 僚 の行 政 能 力 に対 す る 不 信. に ま で発 展 し て い た 当 時 、 わ が 国 の建 て直 し の た め にも 公 務 員 倫 理 法 の制 定 は 最 重 要 課 題 の 一つと な っ て いた 。 厚 生. 省 事 務 次 官 汚 職 事 件 に次 ぎ 大 蔵 省 キ ャリ ア官 僚 ら が 接 待 汚 職 で逮 捕 さ れ る と い う 相 次 ぐ 官 僚 の不 祥 事 は 、 中 央 お よ び. 地 方 を 問 わ ず 、 行 政 シ ス テ ム全 体 に重 荷 を 負 わ せ 、 公 務 員 に対 し 十 字 架 を 背 負 わ せ る結 果 と な った 。 な ぜ 公 務 員 倫 理. が 問 わ れ て い た か 、 あ る べ き 公 務 員 の姿 が 求 め ら れ て い た の か が 理 解 でき よ う 。 ま し て や 、 長 引 く 不 況 の 下 で は、 一. 般 企 業 の サ ラ リ ー マ ン に比 べ、 公 務 員 に対 す る 羨 望 感 は強 ま る ば か り であ り 、 し か も 不 況 下 の納 税 者 は 税 金 の行 方 を. 厳 し く チ ェ ック す る の は 当 た り 前 の こと であ る 。 国 民 の 、 住 民 の税 金 を 振 り 分 け て い る 行 政 の担 い手 と し て の公 務 員. が 倫 理 に 反 す る 行 為 を し て い た の で は 、 国 民 や 住 民 の 不 満 、 憤 慨 、 不 信 感 は 募 る ば か り であ る。. ②. こ の た び の国 家 公 務 員 倫 理 法 制 定 に 際 し 、 与 野 党 協 議 で色 々 と 議 論 が な さ れ た よ う で は あ る が 、 公 務 員 の行 動 規 準. な い し 行 為 の準 則 と し て の 公 務 員 倫 理 法 が 透 明 で開 か れ た 、 信 頼 さ れ る 行 政 の実 現 の た め の 、 ま た 社 会 が 信 頼 す る 公. ︿注 ﹀ 因 み に、 九八年 三月. (前 記 大 蔵 省 不 祥 事 発 覚 後 ) の朝 日新 聞 世 論 調 査 で は 、 官 僚 を ﹁信 頼 せ ず ﹂ が 七 一% (前 年 ・六 五 % ). 務 員 像 を 形 成 す る た め の 不 可 欠 の 要 素 で あ る こ と だ け は 論 を ま た な い であ ろ う 。. ω. 一86一. 第50巻 第1号 近畿大学法学.

(5) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. ②. で、 ﹁信 頼 し て い る﹂ は 二 六 % にす ぎ な か った 。 ま た 、 公 務 員 倫 理 法 制 定 に ﹁賛 成 ﹂ 六 八 % で、 ﹁必 要 な し ﹂ は 二 四 % と な って いた。 拙 稿 、 前 掲 、 法 学 教 室 (有 斐 閣 )、 国 会 月 報 (新 日本 法 規 出 版 ) 参 照 。. 一一 倫 理法 及び 倫 理規 程 ( 倫 理 行 動 規 準 等 ) の内 容. 平 成 十 二年 ( 西暦 二 〇 〇 〇年 ) 四月 一日 に全 面施 行 さ れ た国 家 公 務 員 倫 理法 ( 平 成十 一年 法 律 第 一二九 号) 及び 同. 倫 理法 の内 容. 法 に基 づ く国 家 公務 員倫 理規 程 ( 平 成 十 二年 政 令第 一〇 一号 ) の内 容 を 以下 に概 略 す る。. 0 総. 則. 1 目. 的. ①. こ の法 律 (以 下 ﹁法 ﹂ と し て 引 用 ) は 、 国 家 公 務 員 が 国 民 全 体 の奉 仕 者 であ っ てそ の職 務 は 国 民 か ら 負 託 さ れ た 公. 務 であ る こと に か ん が み 、 国 家 公 務 員 の職 務 に 係 る 倫 理 の保 持 に資 す る た め 必 要 な 措 置 を 講 ず る こ と に よ り 、 職 務 の. 執 行 の公 正 さ に対 す る 国 民 の疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な 行 為 の防 止 を 図 り 、 も っ て公 務 に対 す る 国 民 の信 頼 を 確 保 す る. 倫 理原 則. ことを 目的 と す る ( 法 一条 )。 ②. 職 員 は 、 国 民 全 体 の奉 仕 者 であ り 、 国 民 の 一部 に 対 し て の み の奉 仕 者 で は な い こ と を 自 覚 し 、 職 務 上 知 り 得 た 情 報. 一87一.

(6) に つい て国 民 の 一部 に対 し て の み 有 利 な 取 扱 いを す る な ど 国 民 に対 し 不 当 な 差 別 的 扱 い を し て は な ら ず 、 常 に公 正 な 職 務 の執 行 に 当 た ら な け れ ば な ら な い ( 法 三 条 一項 )。. ま た 、 職 員 は 、 常 に公 私 の 別 を 明 ら か に し 、 い や し く も そ の職 務 や 地 位 を 自 ら や 自 ら の属 す る 組 織 の た め の私 的 利 益 のため に用 い てはな ら な い ( 同 条 二 項 )。. さ ら に、 職 員 は 、 法 律 に よ り 与 え ら れ た 権 限 の行 使 に当 た っ て は 、 当 該 権 限 の行 使 の対 象 と な る 者 か ら の贈 与 等 を. 国 家 公 務 員倫 理規 程. 受 け る こ と な ど の国 民 の疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な 行 為 を し て は な ら な い ( 同 条 三 項 )。. 2. 内 閣 は 、 右 の倫 理 原 則 を 踏 ま え 、 職 員 の職 務 に係 る 倫 理 の 保 持 を 図 る た め に必 要 な 事 項 に 関 す る 政 令 ( 以 下 ﹁国 家. 公 務 員 倫 理 規 程 ﹂ と い う ) を 定 め る も の と し た 。 こ の 場 合 に お い て、 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 に は、 職 員 の職 務 に利 害 関. 係 を 有 す る 者 か ら の贈 与 等 の 禁 止 及 び 制 限 な ど 職 員 の 職 務 に 利 害 関 係 を 有 す る 者 と の接 触 そ の他 国 民 の疑 惑 や 不 信 を. 招 く よ う な 行 為 の防 止 に 関 し 職 員 の遵 守 す べき 事 項 が 含 ま れ て い な け れ ば な ら な い ( 法 五 条 一項 )。. ( 同 条 二 項 )、 ま た 各 省 各 庁 の長 は 、 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 の同 意 を 得 て、 当 該 各 省 各 庁 に 属 す る 職. 内 閣 は 、 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 の制 定 ま た は 改 廃 に 際 し て は、 後 述 の国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 の意 見 を 聴 か な け れ ば な ら な い ことと し. 員 の職 務 に 係 る 倫 理 に 関 す る 訓 令 を 定 あ る こ と が でき る (同 条 三 項 )。. 一88一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(7) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. ①. 3 贈 与 等 の報 告. 贈 与 等 の報 告 及 び 公 開. 本 省 課 長 補 佐 級 以 上 の 職 員 は、 事 業 者 等 か ら 、 金 銭 、 物 品 そ の他 の 財 産 上 の利 益 の供 与 も し く は 供 応 接 待. (以 下. ﹁贈 与 等 ﹂ と い う ) を 受 け た と き 、 ま た は 事 業 者 等 と 職 員 の職 務 と の関 係 に基 づ い て提 供 す る人 的 役 務 に対 す る 報 酬. と し て国 家 公 務 員 倫 理 規 程 で定 め る 報 酬 の支 払 を 受 け た 時 ( 当 該 贈 与 等 を 受 け た 時 ま た は 当 該 報 酬 の支 払 を 受 け た時. にお い て本 省 課 長 補 佐 級 以 上 の職 員 であ った 場 合 に限 り 、 か つ、 当 該 贈 与 等 に よ り 受 け た 利 益 ま た は 当 該 支 払 を 受 け. た 報 酬 の価 額 が 一件 に つき 五 千 円 を 超 え る 場 合 に限 る ) は 、 四 半 期 ご と に、 贈 与 等 報 告 書 を 各 省 各 庁 の長 ま た は そ の. 株 取 引 等 及 び 所 得 等 の報 告. 委 任 を 受 け た者 に提出 し な けれ ば な ら な い ( 法 六 条 一項 )。 ②. 本 省 審 議 官 級 以 上 の職 員 は 、 株 取 引 等 報 告 書 及 び 所 得 等 報 告 書 を 毎 年 、 三 月 一日 か ら 同 月 三 十 一日 ま で の間 に、 各. 報 告 書 の保 存 及 び 閲 覧. 省 各 庁 の長 ま た は そ の委 任 を 受 け た 者 に提 出 し な け れ ば な ら な い ( 法 七 条 ・八 条 )。 ③. 前 三 条 の規 定 に よ り 提 出 さ れ た 贈 与 等 報 告 書 、 株 取 引 等 報 告 書 及 び 所 得 等 報 告 書 は 、 こ れ ら を 受 理 し た各 省 各 庁 の. 長 ま た は そ の委 任 を 受 け た 者 に お い て、 これ ら を 提 出 す べき 期 間 の末 日 の翌 日 か ら 起 算 し て 五 年 を 経 過 す る 日 ま で保 存 し な けれ ば な ら な い ( 法 九 条 一項 )。. ま た 、 何 人 も 、 各 省 各 庁 の長 ま た は そ の委 任 を 受 け た 者 に対 し 、 九 条 一項 に よ り 保 存 さ れ て い る 贈 与 等 報 告 書 ( 贈. 与 等 に よ り 受 け た 利 益 ま た は支 払 を 受 け た報 酬 の価 額 が 一件 に つき 二 万 円 を 超 え る 部 分 に 限 る) の 閲 覧 を 請 求 す る こ. 一89一.

(8) と が で き る。 た だ し 、 公 に す る こ と に よ り、 国 の安 全 が 害 さ れ る お そ れ が あ る も のな ど に該 当 す る も のと し てあ ら か. ①. 4. 審 査 会 の所 掌 事 務 及 び 権 限 は 、 こ の法 律 ま た は こ の法 律 に 基 づ く 命 令 に違 反 し た 場 合 に係 る 懲 戒 処 分 の基 準 の. 人 事 院 に、 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 ( 以下 ﹁ 審 査会 ﹂ と いう) を 置 く ( 法 一〇 条 )。. 国家 公 務員 倫 理審 査 会. じ め 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 が 認 あ た 事 項 に係 る 部 分 に つい て は、 こ の限 り で は な い (同 条 二 項 )。. ②. 作 成 及 び 変 更 に関 す る こ と 、 贈 与 等 報 告 書 、 株 取 引 等 報 告 書 及 び 所 得 等 報 告 書 な ど の審 査 を 行 う こと な ど と す る ( 法. 倫 理 監督 官. = 条 )。. 5. 職 員 の 職 務 に係 る 倫 理 の保 持 を 図 る た あ 、 各 行 政 機 関 に 、 そ れ ぞ れ 倫 理 監 督 官 一人 を 置 き 、 倫 理 監 督 官 は 、 そ の 属. す る行 政 機 関 の職 員 に 対 し そ の職 務 に係 る 倫 理 の保 持 に 関 し 必 要 な 指 導 及 び 助 言 を 行 う と と も に、 審 査 会 の指 示 に 従. 倫 理 規 程 の内 容. い、 当 該 行 政 機 関 の 職 員 の職 務 に係 る 倫 理 の 保 持 のた め の体 制 の整 備 を 行 う ( 法 三 九 条 一項 ・二 項 )。. ⇔. 国 家 公 務 員 倫 理 法 に基 づ い た 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 は 、 二 〇 〇 〇 ( 平 成 十 二 ) 年 三 月 制 定 さ れ 、 四 月 一日 よ り倫 理 法. と と も に全 面 施 行 さ れ た が 、 倫 理 規 程 の制 定 に 当 た って、 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 は 内 閣 に対 し て意 見 の申 出 を 行 った。. 一90一. 第50巻 第1号 近畿大学法学.

(9) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. こ の意 見 の申 出 は 、 深 刻 な 不 祥 事 が 続 発 し 国 家 公 務 員 倫 理 法 を 制 定 せ ざ る を 得 な い 事 態 に 立 ち 至 った こ と を 重 く 受 け. 止 め 、 い った ん 緩 ん だ 規 律 を 引 き 締 め る た め に は 、 あ る 程 度 厳 し い ル ー ルを 適 用 す る こ と が 必 要 であ る と の基 本 的 考 ②. え 方 の下 に行 った も の で あ る。. 倫 理 規 程 で は 、 許 認 可 等 の相 手 方 、 補 助 金 等 の交 付 を 受 け る 者 な ど 、 職 員 の 職 務 と 利 害 関 係 を 有 す る 者 の範 囲 を 明. 確 に定 め 、 職 員 が こ の 利 害 関 係 者 か ら 贈 与 や 接 待 を 受 け る こと な ど 、 職 員 と 利 害 関 係 者 と の 間 の国 民 の疑 惑 や 不 信 を. ロ. 招 く よ う な 行 為 を 禁 止 ・制 限 し て い る 。 以 下 に、 倫 理 法 に基 づ く 倫 理 規 程 の 内 容 の う ち 、 倫 理 行 動 規 準 、 利 害 関 係 者 、. 倫 理 行動 規 準. 禁 止 行 為 、 禁 止 行 為 の例 外 、 倫 理 監 督 官 へ の相 談 、 懲 戒 規 準 等 に つ い て、 紙 面 の都 合 上 概 略 の み を 示 す こと と す 樹。. 1. 職 員 は 、 国 家 公 務 員 と し て の 誇 り を 持 ち 、 か つ、 そ の使 命 を 自 覚 し 、 第 一号 か ら 第 三 号 ま で に掲 げ る 倫 理 法 第 三 条. の倫 理 原 則 と と も に第 四 号 及 び 第 五 号 に掲 げ る 事 項 を そ の職 務 に係 る 倫 理 の保 持 を 図 る た め に 遵 守 す べ き 規 準 と し て、 行 動 し な け れ ば な ら な い。. 職 員 は 、 常 に 公 私 の 別 を 明 ら か に し 、 い や し く も そ の職 務 や 地 位 を 自 ら や 自 ら の属 す る組 織 の た め の私 的 利 益. に 公 正 な 職 務 の 執 行 に当 た ら な け れ ば な ら な い こ と 。. 情 報 に つい て 国 民 の 一部 に対 し て の み有 利 な 取 扱 い を す る 等 国 民 に 対 し 不 当 な 差 別 的 取 扱 いを し て は な ら ず 、 常. 一 職 員 は 、 国 民 全 体 の奉 仕 者 であ り 、 国 民 の 一部 に対 し て の み の 奉 仕 者 で は な い こと を 自 覚 し 、 職 務 上 知 り 得 た. 二. の た め に 用 い て は な ら な い こと 。. 一91一.

(10) 三. 四. 五. 2. 職 員 は 、 法 律 に よ り 与 え ら れ た権 限 の行 使 に当 た っ て は 、 当 該 権 限 の行 使 の対 象 と な る 者 か ら の贈 与 等 を 受 け る こと 等 の 国 民 の疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な 行 為 を し て は な ら な い こ と 。. 職 員 は 、 職 務 の遂 行 に 当 た って は 、 公 共 の利 益 の増 進 を 目 指 し 、 全 力 を 挙 げ て これ に取 り組 ま な け れ ば な ら な いこと。. 四. 三. 二. 国 の行 政 庁 が す る 不 利 益 処 分 の相 手 方 と な る 事 業 者 等 ま た は 個 人. 予 算 、 級 別 定 数 、 定 員 の査 定 を 受 け る国 の機 関. 立 ち 入 り 検 査 、 監 査 ま た は監 察 の対 象 と な る 事 業 者 等 ま た は 個 人. 国 か ら の補 助 金 等 の交 付 の対 象 と な る事 業 者 等 ま た は 個 人. ( 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 第 一条 ). 職 員 は、 勤 務 時 間 外 に お い て も 、 自 ら の行 動 が 公 務 の 信 用 に 影 響 を 与 え る こ と を 常 に 認 識 し て行 動 し な け れ ば な ら な い こと。. 利害関係者. 一 許 認 可 等 を 受 け て事 業 を 行 って い る 事 業 者 等 許 認 可 等 の申 請 を し て い る 事 業 者 等 ま た は 個 人 * ﹁事 業 者 等 ﹂ と は 、 法 人 そ の他 の 団 体 及 び 事 業 を 行 う 個 人 を い う 。. 五. 行 政 指 導 に よ り 、 現 に 一定 の 作 為 ま た は 不 作 為 を 求 あ ら れ て い る 事 業 者 等 ま た は 個 人. * ﹁ 個 人 ﹂ と は、 事 業 を 行 っていな い個 人 ( 倫 理 規 程 の ﹁特 定 個 人 ﹂) を い う 。. 六. ∼92一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(11) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. 八. 七. 国 と の間 にお い て契 約 を締 結 し て いる事 業 者 等 ( 契 約 の申 し込 みを し てい る事業 者 等 を 含 む). 省 庁 の所 掌 に係 る事 業 を行 う事 業 者 等. 禁 止 行 為 と 禁 止 行 為 の例 外. ( 倫 理規 程 第 二条 関係 ). 3. 利 害 関 係 者 か ら 金 銭 、 物 品 ま た は 不 動 産 の贈 与 を 受 け て は な ら な い ( せ ん 別 、 祝 儀 、 香 典 ま た は 供 花 な ど の名. 利 害 関 係 者 か ら 無 償 で サ ー ビ ス の提 供 を 受 け て は な ら な い。. ︹ 例 外 ︺・職 務 と し て利 害 関 係 者 を 訪 問 し た 際 に、 当 該 利 害 関 係 者 か ら 提 供 さ れ る物 品 を 使 用 す る こと 。. 利 害 関 係 者 か ら 無 償 で物 品 ま た は 不 動 産 の貸 付 け を 受 け て は な ら な い。. が 利 害 関 係 者 に該 当 す る 場 合 は 、 一顧 客 と し て金 融 機 関 か ら 貸 付 け を 受 け る こ と は 許 さ れ る )。. 利 害 関 係 者 か ら 金 銭 の 貸 付 け を 受 け る こと は 、 通 常 一般 の利 子 を 払 っ ても 許 さ れ な い (た だ し 、 金 融 機 関 な ど. ・多 数 の者 が 出 席 す る立 食 パ ー テ ィ ー に参 加 し て、 利 害 関 係 者 か ら 飲 食 物 の 提 供 を 受 け る こと 。. ︹ 例 外 ︺・職 務 と し て出 席 し た 会 議 等 に お い て、 利 害 関 係 者 か ら 提 供 さ れ た茶 菓 、 簡 素 な 飲 食 物 の提 供 を受 け る こと 。. も 含 む )。. 利 害 関 係 者 か ら 供 応 接 待 を 受 け て は な ら な い (酒 食 に よ るも てな し の ほ か 、 ゴ ル フ、 観 劇 な ど に よ る も てな し. ︹ 例 外 ︺ ・広 く 一般 に 配 布 さ れ て い る 宣 伝 用 の 物 品 や 記 念 品 を 受 け 取 る こと 。. 目 を 問 わ な い)。. 一. 二. 三. 四. 五. 一93一.

(12) ︹ 例 外 ︺・職 務 と し て利 害 関 係 者 を 訪 問 し た 際 に 、 周 辺 の交 通 事 情 か ら み て相 当 と 認 め ら れ る 範 囲 で当 該 利 害 関 係. 六. 利 害 関 係 者 と 一緒 に旅 行 や ゴ ル フ ・遊 技 を し て は な ら な い ( 自 己 の費 用 を 負 担 す る ︿割 り 勘 に す る ﹀ 場 合 を 問. 利 害 関 係 者 か ら の未 公 開 株 式 の譲 り 受 け は 、 有 償 、 無 償 を 問 わ ず 禁 止 さ れ る。. 者 か ら 提 供 さ れ る 自 動 車 を 利 用 す る こと 。. 七. 八. 倫 理 監 督 官 への相 談. 利 害 関 係 者 と 一緒 に会 食 を し て は な ら な い ( 自 己 の費 用 を 負 担 す る ︿割 り 勘 にす る﹀ 場 合 を 問 わ な い)。. わ な い)。. 4. 職 員 は 、 自 ら が 行 う 行 為 の相 手 方 が 利 害 関 係 者 に該 当 す る か ど う か を 判 断 す る こ と が で き な い場 合 ま た は利 害 関 係. ( 倫 理規 程 第 四条 ). 者 と の 間 で 行 う 行 為 が 第 三 条 第 一項 各 号 に掲 げ る 行 為 に該 当 す る か ど う か を 判 断 す る こ と が でき な い場 合 に は 、 倫 理. 戒告. 懲戒規準. 監 督 官 に相 談 す る も のと す る。. 5. (贈 与等. 減給 又は 戒 告. 懲 戒処分の 種類. 各種 報 告書. を 記載し た 各 種報 告書を 提 出するこ と. 違 反 行 為 、 報告 書 株取 引等 報告 書及び 所得 等報告 書 ) を 提 出しない こ と 虚 偽の 事項. 、 、 免 職 停 職 減 給 又は 戒 告. 停職 又は 減 給 関係 者か ら 金 銭又は 物品の 贈 与を 受けるこ と. 部 下の 倫 理 法 等 違 反 を 黙 認 し 又は 隠ぺ い す る こ と. 利害. 一94一. 第50巻 第1号 近畿大学法学.

(13) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. 利害. 利害. 利害. 利害. 利害. 関 係 者 か ら 供 応 接 待 ( 飲 食 物の 提供. 関 係者から 未公 開 株式. 関 係者から 無償で 役務 の 提 供を 受け るこ と. 関 係者から 無償で 不 動産の 貸付けを 受けるこ と. 関 係者. 関 係者 から 無償で 物品 の 貸 付けを 受けるこ と. から 金 銭の 貸付 けを 受けるこ と. から 不動 産の 贈与を 受けるこ と. 減 給又は 戒告. 、 、 免 職 停 職 減 給 又は 戒 告. 停職 又は減 給. 減給 又は 戒告. 減 給又は 戒告. 免 職又は 停職. 利 害関 係者. 利害. 関 係 者 か ら 遊 技 又はゴ ル フ の 接 待を 受け る こ と. 減 給又は 戒告 、 停 職 減給 又は 戒告. に 限 る。) を 受 け る こ と. 又は 減 給. 利害. 関 係者から 海外 旅 行の 接 待を 受けるこ と. 減 給又は 戒告. 戒告. 戒告. 戒告. 停職. 利害. 関 係者から 国内 旅行の 接 待を 受けるこ と. を 譲り 受けるこ と. 利害. 。 者 と 共 に 旅 行を す る こ と ( 旅 行の 接 待 を 受 け る 場 合 を 除 く). 。 利 害 関 係 者 と 共 に 飲 食を す る こ と ( 供 応 接 待 を 受 け る 場 合 を 除 く ) 利害 関 係. 。) く 利 害 関 係 者 と 共 に 遊 技 又 はゴ ル フ を す る こ と ( 遊 技 又 はゴ ル フ の 接 待 を 受 け る 場 合.を除. 、 免 職 停 職 又は 減 給. 減 給又は 戒告. 者に つ け 回 し を す る こ と. 利害 関 係者に 該 当しない 事業 者 等か ら 供応 接 待を 繰り 返し 受ける 等通 常一 般の 社 交 ること は えて を の け 供応接待又 程度 受 供与 利益 財産上 超 利 害 関係. 減 給又は戒 告. 減給 又は戒 告. 者に 該 当 し な い 事 業 者 等 に つ け 回 し を す る こ と. 関係 者か らの 依 頼に 応 じて 報 酬を 受け て 講 演等を す ること. 利 害 関係. 倫理 監 督官の 承 認を 得 ずに 利害. ( 国家 公務 員倫 理審査会 編 ﹁ 国家 公務 員倫 理教 本﹂ によ る). 一95一.

(14) 職 員 が倫 理 法 ま た は 倫 理 規 程 に違 反 し た 場 合 、 前 表 の規 準 に よ り 、 懲 戒 処 分 に付 さ れ る こ と と な る 。. 右 に 示 し た よ う な 、 倫 理 規 程 に よ る こ の行 為 規 範 の 内 容 に つ い ては 、 人 事 院 の募 集 し た モ ニタ ー に対 す る ア ンケ ー. ト の 結 果 に よ る と 、 ﹁妥 当 な 内 容 であ る ﹂ が 三 二 ・七 % 、 ﹁厳 し い内 容 だ が 、 公 務 員 倫 理 確 立 の た め に は や む を 得 な. い﹂ が 三 五 ・七 % と な っ てお り 、 国 民 か ら は 概 ね 肯 定 的 に 受 け 止 め ら れ て い る 。 し か し 、 一方 で、 ﹁全 体 的 に甘 い内. 容 で あ り 、 公 務 員 倫 理 確 立 の た め に は 、 よ り 厳 し い規 制 を 行 う べき で あ る ﹂ が 一二 ・八 % 、 ﹁ 概 ね 妥 当 だ が 、 一部 に. 甘 い と 思 わ れ る 項 目 が あ る ﹂ が 一〇 ・八 % と な っ て い た 。 ま た 、 ﹁全 体 的 に 厳 し す ぎ て、 公 務 員 の行 動 を 萎 縮 さ せ る ω. お そ れ が あ る ﹂ が 一 ・六 % あ った 。. ︿注 ﹀. な お 、 国 家 公 務 員 倫 理 法 に つい て は、 拙 稿 ﹁国 家 公 務 員 倫 理 法 ﹂ 法 学 教 室 一九 九 九 年 十 一月 号 (有 斐 閣 ) 参 照 。 人 事 院 編 ﹃公 務 員 倫 理 審 査 会 こ の 一年 の活 動 ﹄ (平 成 十 三 年 六 月 ) 二 頁 。. ω α. 人 事 院 編 ﹃公 務 員 倫 理 審 査 会 こ の  年 の活 動 ﹄ (平 成 十 三 年 六 月 ) 四 〇 i 四 五 頁 及 び 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 編 ﹃国 家 公 務 員 倫 人 事 院 編 ﹃公 務 員 倫 理 審 査 会 こ の 一年 の活 動 ﹄ (平 成 十 三 年 六 月 ) 三 頁 。. 理 教 本 ﹄ 一八 ー 二 一頁 参 照 。. ㈹ ゆ. 一96一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(15) 国家公務員倫理法 ・倫 理規程. 施行状況. 施 行 状 況と 今 後 の課 題. の 各 種 報 告 書 の提出 件 数. 三. 1. 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 編 ﹁平 成 十 二 年 度 国 家 公 務 員 の 倫 理 の 保 持 に 関 す る 状 況 及 び 倫 理 の 保 持 に関 し て講 じ た 施 策. 贈与 等 報 告 書 の提出 件数. に関 す る 報 告 ﹂ に 示 さ れ た 内 容 は 、 以 下 の ご と く であ る 。 ①. 倫 理 法 第 六 条 一項 で は、 本 省 課 長 補 佐 級 以 上 の職 員 は 、 事 業 者 等 か ら 贈 与 等 を 受 け た と き 等 は、 四半 期 ご と に、 贈. 与 等 報 告 書 を 各 省 各 庁 の 長 に 提 出 し な け れ ば な ら な い こ と と さ れ て い る。 同 条 第 二 項 に 基 づ き 、 そ の う ち 指 定 職 以 上. の職 員 に 係 る報 告 書 の 写 し は 国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 に 送 付 さ れ 、 ま た 、 同 法 第 九 条 第 二 項 に 基 づ き 、 贈 与 等 に よ り 受. け た 利 益 ま た は 支 払 を 受 け た 報 酬 の価 額 が 一件 に つき 二 万 円 を 超 え る 部 分 に つい て は 、 閲 覧 に供 さ れ て い る。. 平 成 十 二年 度 分 の贈 与 等 報 告 書 の提 出 総 数 は 、 一七 、 五 七 四件 で あ った 。 こ れ ら のう ち 、 指 定 職 以 上 の職 員 に係 る. 報 告 書 の 件 数 は 二 、 六 二 五 件 、 ま た 、 閲 覧 に供 さ れ て い る 報 告 書 の件 数 は 八 、 四 五 九 件 で あ る 。. 贈 与 等 報 告 書 の提 出 総 数 一七 、 五 七 四 件 の内 訳 を み る と 、 金 銭 、 物 品 等 の 供 与 関 係 が 七 九 六 件 ( 提 出 総 数 に占 め る. 構 成 比 四 ・五 % )、 飲 食 の提 供 関 係 が 、 二 、 七 四 六 件 ( 同 一五 ・六 % )、 報 酬 関 係 が 一四 、 〇 三 二 件 ( 同 七 九 ・八 % ). と な って い る 。 指 定 職 以 上 の職 員 に係 る 報 告 書 に つい て は 、 金 銭 、 物 品 等 の 供 与 関 係 が 一六 七 件 ( 指 定 職 以 上 の職 員. 一97一.

(16) に係 る 報 告 書 の件 数 に占 め る 構 成 比 六 ・四 % )、 飲 食 の提 供 関 係 が 九 二 七 件 ( 同 三 五 ・三 % )、 報 酬 関 係 が 一、 五 一 三. 株 取 引 等 報 告 書 の提 出 件 数. 件 ( 同 五 八 二 二% ) と な っ て い る 。 ②. 倫 理 法 第 七 条 一項 で は 、 本 省 審 議 官 級 以 上 の職 員 は 、 前 年 に お い て行 った 株 券 等 の取 得 ま た は譲 渡 に つい て、 毎 年 、. 株 取 引 等 報 告 書 を 各 省 各 庁 の 長 等 に 提 出 し な け れ ば な ら な い こ と と さ れ てお り 、 同 条 第 二項 に基 づ き 、 そ の写 し は 倫 理 審 査 会 に送 付 さ れ て い る 。. 所 得 等 報 告 書 の提 出 件 数. 同 条 第 一項 に基 づ き 提 出 さ れ た 平 成 十 二 年 分 の株 取 引 等 報 告 書 の件 数 は 全 体 で 六 〇 件 で あ った 。 ③. 倫 理 法 第 八 条 第 一項 で は 、 前 年 一年 間 を 通 じ て本 省 審 議 官 級 以 上 の職 員 であ った職 員 は 、 毎 年 、 所 得 報 告 書 を 各 省. 各 庁 の長 等 に 提 出 し な け れ ば な ら な い こ と と さ れ てお り 、 同 条 第 三 項 に基 づ き 、 そ の 写 し は倫 理 審 査 会 に送 付 さ れ て いる。. ( 指 定 職 以 上 の職 員 に係 る も の)、 株 取 引 等 報 告 書 及 び 所 得 等 報 告 書 に つい て は、 倫 理 法 第 = 条 に. 同 条 第 一項 に 基 づ き 、 平 成 十 二 年 分 の所 得 等 報 告 書 は対 象 者 全 員 か ら 提 出 さ れ 、 そ の件 数 は全 体 で 一、 三 六 〇 件 で あ った 。 贈 与 等報 告 書. 基 づ き 倫 理 審 査 会 に お い て審 査 が 行 わ れ た が 、 国 民 の 疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な も の は な か った 。. 一98一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(17) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. 2. 許 可 等 の状 況. ① , 倫 理 監 督 官 の許 可 件 数. 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 第 三 条 第 二 項 第 八 号 で は 、 職 員 が 利 害 関 係 者 と 共 に自 己 の費 用 を 負 担 し て飲 食 を す る 場 合 で、. 職 務 と し て 出 席 し た 会 議 そ の他 の打 合 せ の た め の会 合 に お け る 簡 素 な 飲 食 以 外 の飲 食 ( 夜 間 に お け る も の に 限 る 。) を す る と き に は 、 倫 理 監 督 官 の許 可 を 受 け る こ と と さ れ て い る 。. 平 成 十 二年 度 に お け る 同 規 定 に基 づ く 許 可 申 請 は 全 体 で 三 六 、 〇 五 八 件 で あ り 、 そ の う ち 許 可 さ れ た も の は 三 五 、. 倫 理 監 督 官 の承 認 件 数. 八 九 四 件 あ った ( 従 っ て、 許 可 さ れ な か った も の が 一六 四 件 あ った )。 ②. 倫 理 規 程 第 六 条 第 一項 で は 、 職 員 が 利 害 関 係 者 か ら の依 頼 に応 じ て報 酬 を 受 け て講 演 等 を し よ う と す る 場 合 は 、 あ ら か じ め倫 理 監 督 官 の承 認 を得 な け れば な らな い こと と さ れ て いる。. 平 成 十 二 年 度 に お け る 同 規 定 に基 づ く 承 認 申 請 は 全 体 で九 、 六 八 七 件 であ り 、 そ の う ち 承 認 さ れ た も の は 九 、 六 八. 懲 戒 処分 等 の状 況. 五 件 であ った ( 従 っ て、 承 認 さ れ な か った も のが 二 件 あ った )。. 3. ① , 国 家 公務 員 倫 理法 令 違 反 に よ る処 分 等 の状 況. 任命 権 者 及 び倫 理審 査 会 は、 国 家 公務 員 法 ( 昭 和 二十 二年法 律 第 一二〇 号 ) 第 八 四条 第 一項 及び 倫 理法 第 三〇 条 に. 基 づ き、 職 員 が倫 理法 ま た は倫 理法 に基 づ く 命令 に違 反 す る行為 を行 った場 合 に は、 当 該 職 員 に対 し、 懲 戒処 分 を す. 一99一.

(18) る こと が で き る 。. 平 成 十 二 年 度 中 に 行 わ れ た 倫 理 法 令 違 反 に対 し て、 本 年 ( 平 成 十 三 年 ) 六 月 末 ま で に任 命 権 者 に よ る懲 戒 処 分 が 行. わ れ た事 案 は三 件 ( 三 名 ) で あ り 、 そ の内 訳 は 、 停 職 一名 、 減 給 一名 、 戒 告 一名 であ った 。 ま た 、 倫 理 審 査 会 に よ る 懲 戒 処 分 は な か った。 事 案 の概 略 は、 以 下 の と お り であ った 。 ︿ 事 案 一﹀. 出 張 に際 し て利 害 関 係 者 か ら 金 銭 の 貸 付 を 受 け た A 省 庁 の 地 方 機 関 の職 員 B に つい て、 減 給 二 月 ( 俸 給 の月 額 の 一. 〇 分 の 一) の処 分 を 行 った (な お 、 国 家 公 務 員 法 違 反 も 併 せ て 処 分 理 由 と さ れ て い る。)。 ︿ 事 案 二﹀. 検 査 出 張 中 に 、 利 害 関 係 者 か ら 物 品 の贈 与 を 受 け 、 ま た 、 利 害 関 係 者 と 共 に飲 食 を し た 会 計 検 査 院 職 員 C に つい て、 停 職 一月 の処 分 を 行 った (な お 、 国 家 公 務 員 法 違 反 も 併 せ て処 分 理 由 と さ れ て い る。)。 ︿ 事 案 三﹀. 親 睦 会 等 に お い て、 自 己 の費 用 を 負 担 す る こと な く 、 ま た 倫 理 監 督 官 の許 可 を 得 る こ と な く 、 利 害 関 係 者 と 共 に飲 食 を し た D 省 庁 の職 員 E に つい て、 戒 告 の 処 分 を 行 った 。. ま た 、 平 成 十 二 年 度 中 に 行 わ れ た 倫 理 法 令 違 反 に対 し て、 右 の懲 戒 処 分 以 外 に 本 年 ( 平 成 十 三 年 ) 六 月 末 ま で に各. 府 省 の内 規 等 に よ る 訓 告 、 厳 重 注 意 等 の措 置 が 講 じ ら れ た 事 案 は 五 件 (一八 名 ) であ った 。. 一100一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(19) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. ②. 懲 戒 処 分 の概 要 の 公 表 の状 況. 倫 理 法 第 二 七 条 第 一項 及 び 第 三 二 条 で は 、 任 命 権 者 及 び 倫 理 審 査 会 は 、 自 ら 行 った 懲 戒 処 分 に つき 職 員 の職 務 に 係. る倫 理 の 保 持 を 図 る た め 特 に必 要 が あ る と 認 め る と き は 、 そ の概 要 の公 表 を す る こ と が でき る こと と さ れ て い る 。. 平 成 十 二 年 度 中 に行 わ れ た 倫 理 法 令 違 反 に つい て は、 同 法 第 二 七 条 第 一項 に基 づ き 、 一件 の 懲 戒 処 分 の概 要 が 公 表. 今 後 の課 題. された ( 右 記 事 案 二 )。. ⇔. ﹁倫 理 法 及 び 倫 理 規 程 が 全 面 施 行 さ れ て か ら 一年 が 経 過 し た が 、 そ の 間 、 不 祥 事 の発 生 に つな が り か ね な い利 害 関. 係 者 か ら の 贈 与 や 接 待 と い った こと は 影 を ひ そ め 、 ま た 、 民 間 等 と の 意 見 交 換 の場 が 夜 の会 合 か ら 昼 間 の懇 談 会 等 へ. と 変 化 す る な ど 、 従 来 の行 政 手 法 を 見 直 す と い った 動 き も み ら れ 、 倫 理 法 及 び 倫 理 規 程 の精 神 が 行 政 内 部 に お い て着. 実 に 浸 透 し て い る の で は な い か と 思 わ れ る 。﹂ と の 人 事 院 が 平 成 十 三 年 六 月 に国 会 と 内 閣 に対 し て行 った 報 告 に み ら. れ る よ う に 、 一九 九 五 年 か ら 九 八 年 に か け て の相 次 ぐ 官 僚 の 不 祥 事 に対 す る 国 民 の行 政 あ る い は行 政 を 担 う 公 務 員 に 対 す る 不 信 感 は 払 拭 さ れ つ つあ る の で は な か ろ う か と 思 わ れ る。. ( 平 成 十 一) 年 十 二 月 号. ( 第 一四 二国 会 議 事 録 参 照 )、 公 務 員 倫 理 に つい て何 度 か 執 筆 す. 筆 者 は 、 大 蔵 省 不 祥 事 直 後 の、 第 一四 二 国 会 の参 議 院 行 政 監 視 委 員 会 に お い て、 ア メ リ カ にお け る 公 務 員 倫 理 の実 情 に つい て意 見 陳 述 す る 機 会 を 与 え ら れ た こ と か ら. る 機 会 に 恵 ま れ た が 、 国 家 公 務 員 倫 理 法 が 制 定 さ れ て間 も な い折 、 ﹃国 会 月 報 ﹂ の 一九 九 九 ( 新 日本 法 規 出 版 ) に執筆 し た際 、. 101.

(20) と 、. ﹁与 野 党 の妥 協 に よ り 成 立 し た 国 家 公 務 員 倫 理 法 で は あ る が 、 同 法 は 、 行 政 お よ び 公 務 員 に対 す る信 頼 回 復 の. た め 、 重 要 な 位 置 付 け を 担 う こ と と な ろ う 。 そ れ は、 単 に 国 内 の問 題 だ け で は な い。 自 由 で公 平 .公 正 な 健 全 な. 日本 市 場 と す る た め に も 、 ま た 日 本 が 世 界 市 場 か ら 閉 め 出 さ れ な い た め に も 、 グ ロー バ ル ス タ ンダ ー ド に基 づ い. た 考 え 方 を と ら な い と い け な い。 こ れ ま で の 接 待 文 化 に 日 本 中 が け じ め を つけ る と き と 言 え よ う 。. 大 事 な 事 は 、 法 律 さ え 制 定 さ れ れ ば 、 公 務 員 倫 理 が お の ず と 確 立 し 、 行 政 や 行 政 の担 い 手 と し て の公 務 員 に対. す る 国 民 や 住 民 の不 信 感 が 払 拭 さ れ る と 考 え る の は大 き な 誤 り であ る と い う こ と であ る。. 問 題 は そ の運 用 であ る 。 (こ の た び 制 定 さ れ た 倫 理 法 は 、 詳 細 を 政 令 に委 ね て いる が )、 従 来 の各 省 庁 の服 務 規. 程 が 現 実 に機 能 し な か った 原 因 の ] つに、 規 程 の 違 反 者 に 対 す る 実 質 的 制 裁 が 行 わ れ て こ な か った こと にあ ると. 言 わ れ て い る が 、 ﹁﹃仏 造 って魂 入 れ ず ﹄ は 論 外 であ る が 、 魂 を 入 れ た 仏 に 対 し ても 、 毎 日手 を 合 わ せ て拝 ま ね ば. 何 も な ら な い 。 公 務 員 の 毎 日 の行 動 に ﹃国 民 の疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な 行 為 ﹄ が あ って は な ら な い の であ って、. ﹃常 に 公 私 の 別 を 明 ら か に し ﹄、 ﹃い や し く も そ の職 務 や 地 位 を 自 ら や 自 ら の 属 す る 組 織 の た め の私 的 利 益 の た め. に用 い てはな らな い﹄ ( 倫 理 法 第 三 条 ) の であ る 。 間 違 っても 、 公 務 員 が お 供 え 物 を 前 にし た 仏 と な ら な い よ う. に し な け れ ば な ら な い 。 倫 理 法 は い わ ば 経 典 で あ り 、 彼 ら は 経 典 を 読 む 側 で あ り 、 経 典 に則 って行 動 す る 側 で あ る と い う 自 覚 を 忘 れ て は な ら な い。﹂. か な り 厳 し い指 摘 を 致 し た が 、 施 行 後 二年 近 く に な ら ん と す る ( 本 稿 の刊 行 時 は ﹁経 過 し た ﹂) 今 日 、 倫 理 法 及. び 倫 理 規 程 の精 神 は 着 実 に 、 し か も か な り 浸 透 し て い る よ う に思 わ れ る 。 不 祥 事 発 生 時 、 ご く 当 り 前 の よ う に考 え ら れ た ふ し の あ る 利 害 関 係 者 か ら の 贈 与 や 接 待 は お よ そ 影 を ひ そ め た か にも 思 わ れ る 。. 一102一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(21) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. あ つも の. なま す. ﹁奨 に 懲 り て膳 を 吹 く ﹂ の例 え で は な い が 、 ﹁国 民 の疑 惑 や 不 信 を 招 く よ う な 行 為 を し て は な ら な い﹂ と いう 倫 理. 規 程 第 一条 の精 神 が 、 徹 底 す る こと は 大 い に結 構 な こ と な の で あ る が 、 否 む し ろ徹 底 し な け れ ば な ら な い (そ う でな. け れ ば 、 ま た ﹁喉 も と 過 ぎ れ ば ﹂ に な って し ま う ) の で は あ る が 、 職 員 の間 に お い て は、 倫 理 規 程 を 誤 解 し て規 制 の. 範 囲 を 広 く 考 え た り 、 倫 理 規 程 違 反 と な る こ と を お そ れ る あ ま り 過 剰 に行 動 を 自 粛 し て い る 傾 向 も 見 ら れ る と の こと. で あ る 。 例 え ば 、 ﹁同 窓 会 に も 出 席 で き な い﹂、 ﹁親 子 で も 一緒 に 食 事 が で き な い﹂ な ど の誤 解 や、 ﹁ 許 可 を と れば 出席. でき る 会 合 に も 自 粛 し て参 加 し な い﹂ と い った こ と が 一部 で生 じ て い る と も 聞 く 。 こ れ ら が 原 因 の 一端 と な って い る. た め な の か 、 ﹁公 務 員 が 萎 縮 し て い る ﹂、 ﹁ 情 報 収 集 に支 障 が 生 じ る ﹂ と い った 意 見 も 聞 く 。 各 界 有 識 者 と 倫 理 審 査 会 と の懇 談 会 に お い て出 さ れ た 意 見 例 と し て は 、 次 の よ う な も の が み ら れ た 。. ○. 倫 理 規 程 は 細 部 を 規 定 し す ぎ て い る 。 公 務 員 の 一人 一人 が 倫 理 行 動 規 準 に基 づ い て自 ら の行 動 を 判 断 し て いく. 過 去 の度 重 な る 不 祥 事 を 踏 ま え 厳 し い 規 制 と し た の は 理 解 でき る 。. ︿各 界 有 識 者 と の懇 談 会 に お け る 主 な 意 見 例 ﹀. ○ こと が大 切 だ 。. 飲 食 に つ い て は 、 割 り 勘 を 基 本 と す べき だ が 、 行 政 に 必 要 な 情 報 収 集 の た め の飲 食 に つい てす べ て公 務 員 に自. 夜 間 に お け る 割 り 勘 で の飲 食 を 原 則 禁 止 、 許 可 を 受 け た 場 合 が 例 外 と い う 規 定 は 厳 し す ぎ る 。. ○. ○. これ か ら の公 務 員 は 、 民 間 等 と の コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン が 一層 必 要 と な る が 、 倫 理 法 の た め に 必 要 な コ ミ ュ ニ. 腹 を 切 ら せ る の は 酷 であ り 、 必 要 な 経 費 は 予 算 化 で き な い か 。. ○. 一103一.

(22) ○. ケ ー シ ョ ンが 抑 え ら れ て い る 。. 民 間 等 と の コミ ュ ニケ ー シ ョ ン に つい て は 、 倫 理 規 程 の解 釈 で も 可 能 な こ と を 各 府 省 が 過 剰 反 応 的 に自 粛 し て い る の で は な い か 。 ま ず 、 各 府 省 の 運 用 を 改 善 す べき であ る。. 国家 公 務 員 倫 理 審 査会 は、 贈 与 等 の報 告 制 度 の周 知 徹 底 を 図 る 一方 、 右 に み ら れ る よ う な 規 制 が 厳 し す ぎ る と の意 ②. 見 に対 し て は 、 次 の よ う な 冊 子 も 提 供 し て い る 。. ∼ ﹁同 窓 会 に も 出 席 で き な い﹂ は 誤 解 で す ! ∼. 国 家 公 務 員 倫 理 規 程 に つい て は、 ﹁同 窓 会 にも 出 席 で き な い﹂、 ﹁学 生 時 代 か ら の親 友 で あ っても 利 害 関 係 者 か. ら は 、 香 典 や 祝 儀 も 受 け 取 れ な い﹂、 ﹁官 僚 と 所 管 業 界 に勤 務 す る 者 は 親 子 でも 一緒 に食 事 で き な い﹂ と い った 批 判 が あ り ま す が 、 こ れ ら は い ず れ も 誤 解 です 。. 同 級 生 、 学 生 時 代 か ら の 親 友 、 親 子 な ど の関 係 は 、 倫 理 規 程 上 ﹁私 的 な 関 係 (職 員 と し て の身 分 にか か わ ら な い 関 係 )﹂ と し て取 り 扱 わ れ て いま す 。. こ の よ う な ﹁私 的 な 関 係 ﹂ が あ る 者 と の行 為 に つ い て は 例 外 が 認 め ら れ て い ま す の で、 同 窓 会 で利 害 関 係 者 と. 同 席 す る こ と 、 学 生 時 代 か ら の親 友 であ る 利 害 関 係 者 か ら 香 典 や 祝 儀 を 受 け 取 る こ と 、 利 害 関 係 者 に該 当 す る 親 と 食 事 を す る こと な ど の付 き 合 い は 一般 的 に でき る よ う に な って い ま す 。. と か く ﹁厳 し す ぎ る﹂ と い う イ メ ージ が 先 行 し て、 利 害 関 係 者 と の接 触 は 何 も でき な い よ う に規 制 し て い る か. の よ う に 思 わ れ が ち な 倫 理 規 程 です が 、 実 際 に は 、 常 識 的 な 付 き 合 い に も 配 慮 さ れ て い ま す 。. 一104一. 第50巻第1号 近畿大学法学.

(23) 国家公務員倫理法 ・倫理規程. 行 政 改 革 が 色 々 と 叫 ば れ てき た 。 行 政 改 革 は 行 政 シ ス テ ム の改 革 だ け で は な く 、 シ ス テ ム を 担 う 公 務 員 の改 革 も 含. ま れ な け れ ば な ら な い筈 で あ る 。 情 報 公 開 法 も 第 一四 五 回 国 会 で成 立 し 、 昨 年 ( 平 成 十 三 年 ) 四 月 に施 行 さ れ た が 、. 情 報 公 開 の キ ー ワ ー ド は ﹁透 明 性 ﹂ と ﹁ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ ー ﹂ であ る 。 国 民 や 住 民 に 説 明 でき な い行 為 は 、 公 務 員. に は 許 さ れ な い 時 代 が や っと 日 本 に も や っ て き た と 言 え よ う 。 情 報 公 開 法 と と も に 公 務 員 倫 理 法 ( 倫理規程も含め て ) は 、 わ が 国 の 民 主 主 義 の尺 度 と な る も の で あ る。. 人 事 院 が 毎 年 行 って い る キ ャ リ ア公 務 員 と し て中 央 官 庁 に入 った 新 規 採 用 職 員 の意 識 調 査 の九 八 年 調 査 に よ る と 、. 国 家 公 務 員 を 志 望 し た 理 由 の ベ ス ト 五 は 、 ﹁仕 事 に や り が い が あ る ﹂ ﹁スケ ー ル の 大 き い仕 事 が でき る﹂ ﹁ 専門知識が 生 か せ る ﹂ ﹁公 共 の た め に 仕 事 が で き る﹂ ﹁性 格 ・能 力 が 適 し て い る ﹂ の順 で あ った 。. こ の 調 査 か ら も わ か る よ う に、 国 家 公 務 員 の 志 望 動 機 と し て ﹁公 共 の た め に 仕 事 が でき る ﹂ に 大 き な ウ エイ ト ( 生. き が い) が か か っ て い る わ け であ る か ら 、 そ の 生 き が い た る ﹁公 共 性 ﹂ か ら 生 ず る ﹁公 務 員 倫 理 ﹂ は 、 信 頼 さ れ る 公 務 員 に課 せ ら れ た必 須 の命 題 と書 え よ う。. 国 の 行 政 を 支 え る 国 家 公 務 員 は 、 国 民 に 奉 仕 し 、 国 家 に貢 献 す る 高 い使 命 感 と 、 そ の職 務 に ふ さ わ し い高 い能 力 を も って 公 正 に職 務 を 遂 行 す る ﹁国 民 全 体 の 奉 仕 者 ﹂ で な け れ ば な ら な い 。. 国 家 公 務 員 に つ い て、 国 民 全 体 の奉 仕 者 に ふ さ わ し い、 厳 正 な 服 務 規 律 の確 保 に向 け た 取 り 組 み が 一層 重 要 な も の. と な っ て い る こ と は 自 明 の こ と で あ り 、 厳 正 な 服 務 規 律 の確 保 に つい て は、 職 員 の自 覚 に ま つべき 部 分 が 大 き い と こ. ㈲. ろ か ら 、 日 常 の業 務 に お け る 管 理 者 の職 員 に 対 す る指 導 を 充 実 す る こと 、 及 び 服 務 規 律 や 公 務 員 倫 理 に 関 す る 研 修 を. な お 一層 効 果 的 に実 施 す る こと に よ り 、 職 員 の 全 体 の奉 仕 者 と し て の自 覚 を 一層 高 め て い く 必 要 が あ ろ う 。. 一105一.

(24) 服 務 規 律 違 反 に つ い て は 、 迅 速 か つ厳 正 に懲 戒 処 分 等 を 行 う べき であ る 。 そ の際 、 同 種 の行 為 に つい て、 懲 戒 権 者 傾. 間 で処 分 の重 さ に偏 り が 生 じ る こ と は 好 ま し く な い た あ 、 処 分 規 準 の 明 確 化 と 速 や か な 処 分 の実 施 が 肝 要 であ る。. な お 、 幹 部 職 員 に つい て は、 そ の行 為 が 公 務 の 信 用 に与 え る 影 響 が 大 き く 、 特 に 高 い廉 潔 性 が 求 め ら れ る こと か ら、. ⑤. 各 省 庁 に お い て そ の 職 務 の実 態 も 踏 ま え た 、 よ り 厳 格 な 服 務 規 律 の徹 底 方 策 を 講 ず る と と も に、 現 在 、 採 用 時 の み に. 行 わ れ て い る 服 務 の 宣 誓 に つい て、 幹 部 職 員 に 就 任 す る 段 階 に お い ても 改 め て行 う こと に つい ても 検 討 す べ き か も 知 れ な い。. 行 政 及 び 公 務 員 (行 政 官 僚 ) に対 す る 国 民 の 不 信 感 の背 景 に は 、 行 政 自 体 の あ り 方 に 関 す る 問 題 だ け でな く 、 公 務. 一106一. 員 と 民 間 と の か か わ り 方 等 の不 透 明 性 の問 題 も あ る と 考 え ら れ る 。 国 民 の信 頼 の再 構 築 を 図 る た め 、 行 政 に お け る 情. 報 公 開 の実 施 と と も に、 公 務 員 倫 理 法 や 倫 理 規 程 を 通 じ て国 民 に対 し 透 明 性 を 高 め る こ と が 肝 要 と 思 わ れ る 。. 最 後 に付 言 し た い こ と は 、 立 法 、 行 政 お よ び 司 法 の う ち 、 行 政 を 担 う 公 務 員 だ け を 厳 し く 扱 う の は いさ さ か 騎 に落. ち な い。 国 家 公 務 員 倫 理 法 の次 は 、 立 法 、 行 政 、 司 法 を 包 括 し た 全 公 職 倫 理 法 の制 定 で は あ る ま い か 。. 公 務 員 制 度 調 査 会 ﹁公 務 員 制 度 改 革 の基 本 方 向 に関 す る 答 申 ﹂ ( 平 成 十 一年 )。. 国 家 公 務 員 倫 理審 査 会 編 ﹁国 家 公 務 員 倫 理 教 本 ﹂ 大 蔵 省 印 刷 局 発 行 (平 成 十 二 年 ) 一〇 頁 参 照 。. 国 家 公 務 員 倫 理審 査 会 が 平 成 十 二 年 度 に お い て行 った 広 報 活 動 ・研 修 等 に つい て は 、 人 事 院 編 ﹁前 掲 冊 子 ﹂ 八 ー 九 頁 参 照 。. 人 事 院 編 ﹃前 掲 冊 子 ﹄ 七 頁 。. 人 事 院 編 ﹁国 家 公 務 員 倫 理 審 査 会 こ の 一年 の活 動 ﹂ (平 成 十 三 年 六 月 ) 六 頁 。. ︿ 注﹀ (5)(4)(3)(2>{1). 第50巻第1号 近畿大学法学.

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