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日本産カミキリムシのさなぎの形態学的研究(第1部)

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(1)

      小 島 圭 三  ● 中 村 慎 吾

    (高知大学農学部昆虫学研究室・広島県西城町立西城中学校)

Morphological

Studies

of the Cerambycid

pupae \n

Japan*

(Part

1)

      Keizo KOTIMA and Shingo Nakamura

(haboratory of JLiitornology^ Faculりof Ag,‘ic 「ねばe.Saijo J・untor high・School**)

       は じ め に

 日本産カミキリムシの幼生期に関する形態学,分類学的研究は成虫の研究に比べて,はなはだ遅

れている。幼生期のうち,幼虫については筆者のひとり,小島(1959)***の総括後,現在までに

122種の形態が明らかにされ,比較研究がなされているか,それでも成虫の既知種の約垢に過ぎな

い。さらに,さなぎについてはわずかに44種が報告されているだけで,しかもそれらは断片的な記

載であって,種聞の比較検討は全くなされていない。

 私たちは従来記載されていた種類よりほかに,40種あまりのさなぎを新た叱採集することができ

たので,あわせてそれらのさなぎの比較検討をすることかできた。しかし,これでも成虫の既知種

の約凭に過ぎず,ニセクワガタカミキリ亜科(Parandrinae)をふくんでいないか,残りの亜科の

ものでは,ほぼ,代表的な種類がふくまれているから,さなぎの種の判別には役に立つであろう。

そこで,・それらの比較検討した結果を報告し,日本産カミキリムシの幼生期の研究と農林害虫防除

のための一助としたい。

 この報告をまとめるに当って,貴重な標本をご提供くださった藤村俊彦,藤下章男,林長閑,

衣笠恵士,仲宗根平男。岡本光雄,寺岡義一,下山健作,渡辺弘之の諸氏に厚くお礼申し上げる。

日本におけるカミキリムシさなぎの研究史

 日本産力,ミキリムシの研究は18世紀末,スエーデンの博物学者C.

Thunbergに始まり,19世

紀に入ってH.

W.

Batesほか,多くの外国人の手で研究が活発に進められ,その後,松下真幸博

士によって一応の集大成がなされた。戦後は林匡夫│専士,故大林一夫氏の努力によってカミキリム

シ成虫の分類学・分布学についての知見は飛躍的に増加し,こん虫の中でもチョウについで詳しく

研究がなされている。

 しかし,成虫の生態学的研究や幼生期の形態学・分類学的研究や生活史などに関する研究は非常

に遅れており,さなぎの形態について研究がなされたのは1929年である。

 即ち,日本でカミキリムシのさなぎを最初に記載したのは小島俊文(1929

a)で,小島はその論

*   * * * * * この研究に小島は文部省科学研究補助金(一般研究,課題番号86554)のー・部を,中村は文部省科学研究 補助金(奨励研究,課題番号25069)のー一部をそれぞれ使用した。なお,揺々の都合でここにはノコギリ カミキリ亜科,ハナカミキリ亜科,ホソカミキリ亜科,クロカミヰリ亜科,マルクビカミキリ皿科とカミ キリ亜科について第1部として報告し,フトカミキリ亜科については第2部として別に報告する。したが って,第1部では今まで記載されたさなぎの目録を掲げるだけに止め,まとめ,欧文摘要,引用文献など は第2部の末尾につける。 Bingo-Saijo, Hiroshima-Pref. 小島圭三。(1959)日本産カミキリムシの幼虫の形態学的研究,高知大学農学部紀要 6

(2)

 82      J知大学学術研究報告 第18巻 a 学 第9号

文において,幼虫と共に,ただ1種コバネカミキリのさなぎを記載した。続いて,小島(1929b,

1931)はコバネカミキリを英文で再記載すると共に,ミヤマカミキリ,テツイロヒメカミキリ,牛

ボシカミキリなど3亜科12種のさなぎを記載発表した。この小島の業績は戦前,戦後を通じて比較

的まとまった研究である。      こ

 その後,神谷一男(1933)はベニカミキリ,皆川正実(1938)はスギカミキリとヒメスギカミキ

リ,玉貫光一(1939)はハイイロハナカミキリ,松下真幸(1940)はハイイロヤハズカミキリをそ

れぞれ記載した。これらの研究の結果,戦前までに4亜科18極のカミキリムシのさなぎが記載され

た。

 戦後,まず,黒田祐一(1950)はタカサゴシロカミキリのさなぎの形態を明らかにし,ついで,

中島茂・清水m

(1951)はクロカミキリを,梅谷献二・藤村俊彦(1954)はリュウキュウルリボシ

カミキリを記載した。さらに,藤村俊彦は1955年より1969年まで5回にわたって,カッコウメダカ

カミキリ,スネケブカヒロコバネカミキリなど5種のさなぎを記載し,あわせて生活史についても

記述した。また,筆者のひとり中村は1955年より1960年まで,7回にわたってコジマヒゲナガコバ

ネカミキリ,牛クスイカミキリ,ヨツキボシカミキリなど15種のさなぎの形態について調べ生活史

とあわせて報告し,下山健作(1957,

1958)はシロオビカミキリ,アカネカミキリ,エソナガヒゲ

カミキリを,中村慎吾・藤村俊彦(1958)はシラオビゴマフケシカミキリ,ゴマフカミキリなど4

種を,小島圭三・渡辺弘之・国古清保(1964)はサビアヤカミキリを,それぞれ記載発表し,現在

までに記載されたカミキリムシのさなぎは4亜科44極に達した。

 しかし,それらの記載はいずれも前記したように断片的なもので,各種を系統的に比較検討した

ものではなく,同一報文の中で記載された種の間でも全く比較はなされていないため,記載された

特徴が,各亜科,族,属の特徴を示すものか,それとも種個有の特徴であるかという点については

不明なところもある。

 カミキリムシの各亜科,族,属など系統的にさなぎの形態を比較するためには,かなり多数の標

本が必要なので,カミキリムシの生活史研究の困難性から代表的な種類を集めるにも相当の年月と

多くの労力を要する。現在までの記載が│析片的に終らざるを得なかったのも,そこに原因があった

と言えよう。

       カミキリムシさなぎの形態

 カミキリムシのさなぎは裸さなぎで,さなぎの大きさ,概形や頭部り胸部などにある各部分の形

やその比は成虫のそれらの形や比に似ている。

 色彩は乳白色で真珠光沢かおり,ときには淡黄色,淡かっ色を呈ずることもある。

 体表は尾端針状突起(terminal

spine)やとげ状突起(spine)などの一部を除いてクチクラの発

達が悪く,柔弱であるが,尾端針状突起,とげ状突起などは淡黒かっ色あるいは淡かっ色を呈し固

い。

 頭部は一般に前胸腹面に向って曲り,そのため腹面に傾く。ホソカミキリ,クロカミヰリ,マル

クビカミキリ,カミキリの各亜科に属するものでは特に強く傾くが,フトカミキリ亜科に属する

もののようにあまり傾かないものや,ベーツヒラタカミキリのようにほとんど傾かないものもあ

る。

 頭部にある大あご(mandible),上。しん(labrum),フトあご(maxilla),小あごひげ(maxillary

palp)などのロ器は明りょうで,各部分が区別で奇る。

 触角(antenna)は体側にそって下降し,触角の各節もはっきり区別でき,極によって長短があ

るので,触角の形状はさなぎの分類上。重要な標徴として利用できる。さなぎの触角の形状はつぎの

(3)

7型にわけることができる。

1/きわめて短かく,わずかに腹面に向って曲り,腹面にあらわれず,触角の先端が前あし,また

 は中あしのたい節近くに達するもの。

2.腹面に向って湾曲し,中あしのたい節のところで屈曲して,触角の先端が腹面にあらわれ,さ

 やばね上。で軽く曲っているもの。

3.触角がやや長いので,先端が強く内側に曲り,光端が腹而でたがいに交さしているもの。

4.さやばね上で1回以上,コイル状に巻いているもの。

5.触角がさやばね上にあらわれてから,上。方にのび,先端が前,中あしの基部近くに達している

 もの。

6.触角の先端か頭部の上面または側面に達しているもの。

7.触角が頭部上面または側面に達した後,再び曲って下降して腹部第7節近くに達し,そこでさ

 らに湾曲して上方へ仲びているもの。

 胸部は前・中・後の3節よりなり,さやばね(erytron)は腹而に向って曲り,その先端は第3

∼4腹節に達する。前・中あしはさやばね上にあって,たい節(femur)

,けい節(tibia)

,ふ節

 (tarsus).かぎづめ(claw)などの各節は明りょう。後あしは大部分さやばねにおおわれている

ものから,一部分だけおおわれているものまで,後あしの長さに:よってかなりの差異がある。

 前胸の形は成虫の前胸に似ており,剛毛(setae`),毛(hair),乳頭状突起(papilla),針状突起

 (spicule),とげ状突起(spine),果粒状突起(tuberculate)などをもつ。中・後胸は一般に平滑

で,後胸背板(metathorax

scutellum)には小たて板M

(scutellar groove)があり,その部分は

浅い溝となり,表面にしばしば横しわが認められる。

 ,腹部は一般に背面からの9節が数えられるが,8節のものもあ・る。第10腹節(ときには第9腹

節)は前節の中に深く陥入している。第8腹節(ときには第7腹節)はほかの何れの腹節より著し

く長く,筒状となる。 第9腹部端にはするどい円錘状をした尾端針状突起(terminal

spine)や側

端にかぎ状あるいはバラのとげ状をした尾刺(urogomphi)を持つことが多く,尾端針状突起は中

央に1本,尾刺は左右に1対ある。

 腹節背には幼虫のときみられた歩行隆起(ampulla)に似た果粒状突起,とげ状突起,剛毛がや

や密に生じた小判状に軽くふくらんだ部分かおる。

 気門(spiracle)は第1∼7腹節の体側にあり,第1∼5腹節の気門は機能を持つが,第6∼7

腹節のものは機能を失ったものが多い。

 ろく膜(pleura)は軽く陥没するか,果粒や剛毛を欠き平・滑となり。腹面と背面とを明りょうに

区分している。

 カミキリムシのさなぎの体表には岡lj毛をはじめ,いろいろな小突起があり,それらはさなぎの分

類上。,重要な標徴となる。

 剛毛は外皮のクチクラから直接生ずるものと乳頭状突起などから生ずるものとがある。そして,

それらの長さ,太さ,形にはいろいろと変化があるが,一般に淡赤かっ色を呈し,固い。

 毛(hair)は細長くて柔らかく,その長さ,太さにもいろいろと差異があり,淡黄かっ色を呈し

ている。

 突起には,非常に固く針状にのびる小さい針状突起(spicule)i円錘形で先端が丸いか,ドーム

状となっている乳頭状突起(papilla),するどく円錘状になっていたり,先が曲ってバラのとげ状

になったもの,さらに強く曲ってかぎ状となっているとげ状突起(spine),半球形あるいは結節状

となっている果粒状突起(tuberculate)がある。 これらの突起は腹節背面に多くみられ,特に尾

端にみられる大きな円錘状の突起は尾端針状突起(terminal

spine),

1対のとげ状あるいはかぎ

状突起は尾刺(urogomphi)として区別されている。

(4)

 84      高知大学学術研究報告  第18巻  a  学  第9号

 また,前胸の側部には胸側突起(lateral

thoracic spine)といわれる鈍頭の円錘状の大きな突起

を持つことがある。      `

1 1 247 1 1 1 6  5 2 1  1 17 10 川 25 26

よご」≒

ご三上

VI V目 IV 目 V日│       第1図 さなぎの部分の名称と突起の模式図  1 背面(フトカミ牛り亜科),H 腹面(フトカミキリ亜科),Ⅲ 尾端側面(フトカミ牛り亜科),Ⅳ 尾端背面(マルクビカミキリ亜科),V 乳頭状突起, VI 柴粒状突起,Ⅶ 針状突起,VⅢ とげ状突起

 H 頭部head, Tl T狩胸prothorax, T2中胸mesothorax, T3後胸metathorax, A腹部abdomen, AI∼A10 腹部第1節∼腹部第10節 1st abdominal segment∼lOlh abdominal segment

 1 頭頂vertex, 2 顔面front, 3 複眼compound eye, 4 上しんlabrum> 5 大あごmandiblej 6 小あごひげmaxillary palp, 7 下しんひげlabial pa】p,8 前胸背pronotum, 9 胸側突起lateral thoracic spine, 10触角antenna) 11 中胸小たて板scutellum of meso thorax, 12 小たて板借scute】lar groove. 13 前あしfore-leg, 14 中あしmiddle-leg, 15 後あしhind-leg, 16 たい節femur, 17 け い節tibia, 18 ふ節tarsus, 19かぎづめclaw, 20 さやばねerytron, 21 後ばねhind-wing, 22 気門 spiracle! 23 腹節背tergite, 24ろく膜pleura, 25尾端針状突起terminal spine, 26 尾刺urogomphi.

      さなぎにおける亜科の検索

1.頭部にはとげ状突起ぺ4・状突起や剛毛は全くなく平滑。一触角基部は大あごのごく近くに着く。

  腹部の気門は細長いだ円形で,きわめて幅がせまい。………ノコギリカミキリ亜科

一 頭部には明りょうな剛毛がある。触角基部は大あごのごくフ近くに着く。腹部気門は幅広く,卵

形となる。………

ホソカミキリ亜科

一 頭部には明りょうなとげ状突起や剛毛があり(カミキリ亜科の一部では欠き,平滑なものもあ

  る),触角基部は大あご基部から離れて若く。腹部気門は幅広く卵形となる。………2

2.頭部は前胸腹面に向って強く傾くので,頭頂は全くか,あるいは大部分が背面から見えない。

  頭頂部には深い縦のくぼみがなく丸く膨出し,円丘状となる。大あごに剛毛はない。(トラヵ

  ミ牛り族の一部に短剛毛を持つものかおる。)………3

− 頭部は前胸腹面に向って,わずかに傾くので,背面から頭頂の大部分がみえる。頭頂部は触角

  基部のところが深く縦にくぽむか,正中溝かおり,丸く膨出しない。大あごに剛毛かおる。…

………フトカミキリ亜科

(5)

ノコギリカミキリ

     ,亜科

j)

カミキリ亜科

ド゛  かな

ホソカミキリ亜科 ………`’

第2図 さなぎにおける亜科の検索の模式図

(6)

86 高知大学学術研究報告  第18巻  農  学  第9号 3。第9腹節端に垂直にのびる円錘形の尾端針状突起か,1対の尾刺を持つ。

第9腹節端に尾端針状突起も,尾刺もない。………j

…カミキリ亜科

顔面は複眼間で最も幅広く,複眼後方は強くくびれて狭くなり,顔面は前方に細長く伸びる。

前胸背は基部が幅広く,前方に向って幅が狭くなり,幅より長が大。

尾刺は体にほぽ平行またはやや外側につき出し,先端は内側に曲らない。…ハナカミ牛り亜科

顔面は幅が広く,卵形。複眼後方はくびれない。前胸背は幅と長さかほぽ等しく,両側縁は円

孤状となる。

尾刺は内側へ強く曲り,かぎ状となるか,

またはわずか曲る。……… ……クロカミキリ・マルクビカミキリ亜科*

      ノコギリカミキリ亜科さなぎの形態

 頭部は前胸腹而に向ってわずか傾くか,ほとんど傾かない。従って,背而から頭部の大部分とロ

器がみられる。

 頭部には突起や剛毛・毛を欠き平滑。触角は大あご・の基部近くに接して着生する。上しんは小さ

く,ほぽ三角形で大あごの幅とほぽ等しい。顔面は小さい。

 触角は中あしのやや下方で湾曲して腹面に向い,先端はさやばね上で怪く曲るが,腹面でたがい

に交さしたり,それぞれがコイル状に巻くどとはない。 Du斤y

(1953)によればノコギリカミキリ

属では触角が短かいので,先端が曲らず,後あしたい節に達するという。

 前胸背は幅が広く,長さより幅が大。

 気門は細長いだ円形で,きわめて幅がせまい。

ノコギリカミキリ亜科さなぎの種の検索

1。頭部はほとんど前胸腹面に向つて傾かない。前胸側縁は円孤状で, ・ − や扁平。……

側突起を欠き,からだはや

頭部はわずか,前胸腹而に向って曲がる。前胸側縁は円孤状にならず,

または,前胸の後方が幅広く,前方に向って幅が狭くなる。

ベーツヒラクカミキリ

前胸側突起を持つか,

2。前胸側突起を欠き,前胸後部が幅広く,前方に向って幅が狭くなる。………

-前胸側突起がある…………

3。前胸側突起は3個ある。…

−   * * *

後しを完全に被覆しない。

……2 ウスバカミキリ 3 ノコギリカミキリ** ……コバネカミキリ

前胸側突起は1個,さやばねは短かく,

  Kurypo・k

hatesi

Gahan ベーツヒラタカミキリ

 休は扁平で淡黄白色。頭部は腹面に向ってほとんど曲らず,大あごは前方に突出するので背面か

ら頭部,上。しん,大あごなど明りょうに見える。

 頭部は扁平・で幅が広く,上しんは先端が丸味を帯びた正三角形。大あごは大きく,前方に著しく

幼生期では両亜科の区別は困難なので,便宜的に一緒にした。 ノコギリカミキリの標本をみていないので, Duffy (1953)によった。なお, Duffy (1953,!957, 1960, 1963)はノコギリカミキリ亜科の重要な標徴としてgin trapを持つということをあげているか,日本産 のノコギリカミキリ亜科に属する3種のさなぎを調べた範囲ではいずれもgin trap は不明である。

 また, Duffy (1953)の記載したノコギリカミキリの1 SI Prionus・r血バ心(Linn6)でもgin trap のことは触れていないことから,さほど重要な特徴とは思えないようである。

(7)

突出する。複眼は大きく触角基部をとりまき,軽く膨出する。触角は大あご基部近くから発して体 側を下降し,雄でははねの先端近くに達してはねの表にあらわれず,郎では中あしのやや下方で曲 がり,はねの表にあらわれる。  胸部,前胸背は幅が広く,その両側は丸味を帯び突起はない。剛毛やとげなどはなく,背面中央 部に不規則な横しわがある。後胸の小たて板溝はやや幅が広く,横しわがある。あしはいちじるし く扁平で平滑。短かく後あしのたい節は第3腹節に達する。また,はねの先は第5腹節に達する。  腹部は背面から8節が数えられ,各腹節背にはこまかいかつ色の果粒状突起かおり,特に側部と 後方で密になる。腹脂は平滑。  体長 26∼33mm,前胸最大幅 7∼8. 5mm。  この記載に使用した標本は1966年6月9日,7月2日に高知市でスダジイの枯木(Castanopsis cuspidataSchottkyvar. seiboはiiNakai)から採集したものを使用した。

  MegopissinicaWhite ウスバカミキリ         ,・  体はやや扁平で乳白色。頭部は腹面に向ってわずかに曲がる。  頭部は扁平で平滑。頭頂はV字状に浅くくぽむ。上しんは長方形で先端は丸味を帯びる。大あご は上しんとほぽ同じ幅で,鋭くない。  触角は大あご基部のやや上方につき,体側を下降して中あしたい節のやや下方で曲がり,はねの 表にあらわれる。  胸部は平滑。前胸背は丸味をM4:びた合形で側部には突起を欠く。小たて板溝は明りょうで,浅く くぼみ,後方に向うに従って幅が狭くなる。  あしは扁平で長く,著しく斜め下方に張り出す。後あしのたい節は第6腹節に達し,ふ節の大部 分ははねでかくされ,かぎつめが第4腹節に達する。  腹部は背面から8節が数えられ,第1∼6腹節はほぽ同幅,同長。第7腹節より急に幅が狭くな り,さらに第8腹節は細長くなり,円筒状となる。第1∼腹節背には歩行隆起に似た横長の長方形 の細い溝にかこまれた部分かおり,全体にきわめてこまかいかつ色の果粒状突起があり,各節とも 後方と側部が密。腹而は平滑。  体長 約38mm,前胸背幅 約8mm。  この記載に使用した標本は雌らしく, 1959年6月,広島県高野町下湯川で,シナノキ(Tillia laponicaSimonkai)の腐朽木より採集した。   Psephactus r剛・ligerHarold コバネカミキリ  小島俊文(1929) 応用動物学姪誌 1(3・4)*

 Kojima T. (1931) Jour. Coll. Agric. Tokyo Imp. Univ. 11 0)  体はやや円筒形で乳白色。頭部は腹而に向って,わずかにかたむく。頭部は卵形に近く,頭頂に V字状の浅い清かおるほかは,平滑。上しんは丸味を帯びた三角形。触角は大あご基部近くより発 して,体側にそって下降し,光端は後ばねの先近くに達する。  前胸背は幅が広く,側部の前方より・約%のところに胸側突起が鈍く突出する。 さやばねは短か く,その先端は後あしたい節基部近くに達する。後ばねは第3腹節に達する。 あしは扁平で短か く,側方に張り出す。後あしのたい節は成虫に似て著しく扁平。中・後胸背は平滑で小たて板清は 不明りょう。  腹部は背面より9節が数えられ,第9腹節端の側部に1対の大きなとげ状突起がある。円筒形で 第4腹節が最も幅広く,第7腹節より急に細くなる。第4∼6腹節の側部は円丘状につき出しにそ * さなぎが記載されている文献。以下同様。

(8)

 88      高知大学学術研究報告  第18巻  農  学  第9号 の先はとげ状突起となり,ややかっ色を呈する。第1∼7腹節背には歩行隆起に似た横長の長方形 の細い溝にかこまれた部分かおり,かっ色の微小なとげ状突起がある。腹面は平滑。  雄 体長 14∼16mm。前胸背幅 約3mm。  雌 体長 21∼24mm。前胸背幅 約5mm。  この記載に使用した標本は1959年6月,広島県高野町下湯川で,シナノキ(Tぶia iaponica Simonkai)の腐朽木からと, 1960年5月16日高知県手箱山で,ミズナラ(QitercMs mongolica

Fischor var. gり之serrata Rehd. et Wils. )の腐朽木とから採集したものと,林長閑博士が1960 年5月20日,奄美大島で採集した(樹種不明)ものを使用した。  奄美大島のコバネカミキリは本州のものと区別され,別皿種?2 Hayashiとされているが,さなぎではやや本土産のものに比べて小型であったが,体長はきわめて 変異に富む形質であり,亜種間の区別点とは言えない6したがって,さなぎでは,全く,本土のも のと奄美大島産とで区別することはできない。

       ホッカミキリ亜科さなぎの形態

 日本産のホソカミキリ亜科に属するカミキリムシは2種が知られているに過ぎない。

 そのうち,オオクボカミキリの幼生期は未発見であるから,亜科としての特徴を調べることがで

きない。したがって,ホソカミキリ亜科のさなぎの形態についての記述することはやめ,調べるこ

とのできたホソカミキリのさなぎについてつぎに記載する。

  Distenia

gracilis【B】essig) ホソカミキリ

 体はやや扁平で乳白色。頭部は腹面に向って強く傾き,背而からほとんどみえない。頭頂は円丘

状で正中部を残して剛毛がほぽ全体に疎生する。顔面は触角が大あご近くに着生しているため小さ

い。顔而には毛がなく平滑。上。しんの基部の両側は軽く膨出し,剛毛か疎生し,また,先端の両側

縁近くには短剛毛が疎生する。士。しんは大きく長方形で先端両側は丸味をおび,中央部は基方に向

って軽く湾入する。触角基部に短かい剛毛がやや密生した部分かおる。触角第1節は基部より約払

のところで強く体側にそって曲り,そのまま下降して,中あしたい節端で腹胚にあらわれてさらに

下降しに後あしふ節のところで左右の触角が交さして先端は上方にのび,前あしふ節基部に達す

る。触角第1節は他節より著しく太い。小あごひげが長く,その先端は前あしけい節のほぼ中央に

達する。

 前胸はほぽ円筒形で1対の胸側突起がある。

 前胸背の中央部を残して剛毛が疎生するが,後縁と胸側突起付近のものは長く,また,やや密生

する。巾・後胸とも正中部を残してその左右に剛毛が疎生する。後胸小たて板清は浅くくぼみ平

滑。あしは扁平・で各けい節に清かある。

 腹部は背而から9節が数えられ,第1∼5腹節背の後縁付近にはとげ状突起と短剛毛が疎生し,

側部にはやや長い毛が疎生する。第6腹節背の中央部にはとげ状突起が疎生し,側部には長い毛か

おる。第7・8腹節は細長く,背面に4対の内側にまがった長いとげ状突起があり,側縁に1∼2

個の小さいとげ状突起がある。第9腹節端にはこう門部をかこんで環状に12本の長いとげ状突起が

並び,前側縁にそれぞれ2本の小さいとげ状突起がある。,腹面は平滑。

 体長 約21 mm。前胸背幅 約5mm。

 この記載に使用した標本は藤村俊彦氏か1958年6月10日,島根県阿井町仁多でサワグルミ

 (P£erocarya

rhoiかHaSeib. et. Zucc. )の枯木から採集した。

(9)

-………2

ハナカミキリ亜科さなぎの形態

 頭部は前胸腹面に向って強く曲がるので,頭部は背面からほとんどみえない。顔面は複服部で最

も幅が広く,複眼の後方と,前方はそれぞれ狭くなり,顔面は長く前方へつき出す。

 頭部(顔面も)にかっ色の太い剛毛がある。’

 触角は中あしたい節端で腹而に曲がり,さやばね上。に達するが,交さしない。

 前胸背は幅より長さが大で,基部が幅広く/前方に向って狭くなる。

 第9腹節端に1本の大きな尾端針状突起か,あるいは2本の円錘形の尾刺があるが,尾刺の先端

は曲らない。

ハナカミ牛り亜科さなぎの種の検索

L。顔面にかっ色の太い剛毛を待ち,第9腹節端に1本の尾端針状突起を待つ。・・・丿・・・d・・・・・・・・・・・・・・I・・ ハイイロハナカミキリ

顔面の剛毛はこまかく短かい。第9腹節端に円錘形の2本の尾剥がある。……

2.第6・7腹節端に4本のとげ状突起がほは横に1列に並ぶ。尾刺は鋭くて,長く,外側へ突出I

する○ ‘'゛‘'・・‘'‘・'‘"・"・'゛'゜l' …ヨツスジハナカミキリ

第6・7腹節端に6∼7本のとげ状突起が不規則にニ並ぶ。尾刺は短かく,あまり鋭くない。。…

・ツマグロハナカミキリ   尺ノlagMμ・njapomcu‘jl・1Bates ハイイロハナカミキリ  玉貫光一(1939) 日本動物分類 天牛科(絹天牛亜科 花天牛亜科)  体はやや扁平で乳白色。頭部は著しく腹面に曲り,ほぼ卵形。上しんは大きく,丸味を帯びた台 形。前方より約垢のところに,左右3本ずつの長い剛毛が,それぞれ,横に並び,%のところに横 溝かおる。頭頂はほぽ三角形状に軽くくぼみ,左右の膨出部に5∼6本の剛毛を持つ。また,頭部 後縁にも,正中部を残して左右にそれぞれ5∼6本の剛毛か枇に並ぶ。複眼はかるく膨出し,その 前縁の腹・背両而にそれぞれ1本の長い剛毛を持つ。触角は体側にそって下降し,その先端は中あ したい節に達する。触角基部に3∼4本の長いかつ色の剛毛かおる。  前胸背は幅より長さが大。前胸背の前縁側部近くにそれぞれ3∼4本の長い剛毛を持ち,後縁近 くに正中部を残して,左右にそれぞれ,横に一列に並ぶ長い剛毛の密生した部分かある。中胸背板 は平滑で後縁に短毛かおり,後胸背は中央部の左右に,短かい剛毛がほは1列に並ぶ。  あしはやや扁平で,たい節端を8∼10本の短かい剛毛がほぽ環状にとりまく。前・中あしは側方 へ強く張り出し,かぎづめに2本の短毛かある。  腹部は背而より9節か数えられ,第1∼5腹節背には,正中部を残してほぽ一列にかっ色のとげ 状突起が横にならぶ。そして,側部はとげ状突起と長毛がある。  第9腹節端の中央に尾端針状突起が1本おり,円錘形で大くて長い。  体長14∼16mm。前能幅約3. 5mm,  記載に使用した標木は1968年8月6日,木曽御岳で,トウヒ(Picca jezonemtsCarr. var. hondoe・nsisRehder)の伐倒木の樹皮下で採集した老熟幼虫を飼育し,8月9日,さなぎになった ものを使用した。   hepturaochraceofasciata(Motschulsky) ヨツスジハナカミキリ  体はほぼ円筒形で乳白色。頭部は腹面に向って強く曲がり,顔面は細長く突出する。上しんは大 きく丸味を帯びた台形。上しんの基部に6本の短毛が横に並ぶ。頭頂の中央はかるくくぽみ,左右

(10)

90 高知大学学術研究報告  第18巻  農  学  第9号 の膨出部に2本の短剛毛がある。触角は体側にそって下降し,中あしたい節のところで曲り,はね の表にあらわれ,中あし基部近くに達し,触角基部には3本の太い剛毛がある。(雌では触角の先 端はやや短かく,中あしふ節に達する)  前胸背は幅より長さが大で,胸側かややかるく膨出する。前縁近くに短剛毛が不規則に並び,後 縁近くの左右にそれぞれ,短毛が疎生した部分がある。中胸背は平滑。後胸背後縁近くの左右にか っ色の小突起が疎生する部分がある。  腹部は背面から9節が数えられ,第1∼7腹節背にはこまかい小突起が不規則に並んでいるが, 後方のものはやや長く大きい。第8・9腹節背では,後方近くの部分かひだ状に突出し,その先に かっ色のとげ状突起が4木並ぶ。第9腹節端は深く切れこみ,尾刺は外側へ向って強く突出し,鋭 くて長い。  体長 17∼18mm。前胸背幅 約3. 5mm。  この記載に使用した標木は196011 5 月1日,広島県高野町新市でコナラ ,(QuercMS serrata Thunb.)の枯木から採集した。   LepはraarenaはPanzer ヤツボシカミキリ  前種によく似ているが,つぎの諸点でかろうじて区別することができる。 1.頭頂側部(左右のかるく膨出した部分)にそれぞれ4∼5本の短剛毛がある。触角基部近くに  10本の短剛毛がある。 2.前胸背後方の短モは前種のように不規則に並ばず,ヽほぽ横に1∼2列に並ぶ。 3.第8・9腹節背のとげ状突起がやや多い。 4.第9腹節後縁の切れこみが浅く,尾刺は太くて短かい。 5.後あしが長く,ふ節のかぎづめは第6腹節端に達し,たい節は強く斜め下方に張り出す。  体長 15∼18 mm。前胸背幅 3.0∼3.5mm。  記載に使用した標本は1965年4月2日,広島県可耶町で,シイタケのほだ本に使用したコナラ (Quercusserra£aThunb.)より藤下章男氏が採集した。

       クロ・マルクビカミキリ亜科さなぎの形態

 頭部は前胸腹面に向って強く傾き,背而からほとんど見えない。  ∧

 頭部はほおが円孤状を呈しているので,顔而はほぽ卵形となる。頭部にはこまかい剛毛と乳頭状

突起がわずか認められる。触角は短かく,その先端は中あしのたい節端か,またはけい節中央近く

に達する。

 気門はだ円形。前胸背はだ円形で,長さより幅がやや大。

 第9腹節端に,内側へ強く曲るかぎ状の尾刺が1対ある。

1 − 2 -クロ・マルクビカミキリ亜科さなぎの種の検索

前胸背に先の曲ったとげ状突起を持つ。

前胸背にとげ状突起がなく,乳頭状突起と剛毛を持つ。…………

…クロカミキリ 2

前胸の乳頭状突起はあらい。尾刺は第9腹節端のほぽ中央近く化あり,たかいに接近してい

る。………;●一一

前胸背の乳頭状はこまかく疎。尾刺は第9腹節端の両側近くにあり,

……21-オクロカミキリ

たがいにはなれている。

マルクビヒラタカミキリ

(11)

  Spondylis huprestoides(Linn6)グカミキリ  中島茂・清水m (1951)地下電話Cableに障害を与えるムネマルクロカミキリに関する調査研   究  体はほぼ円筒形で乳白色。頭部は著しく腹面にかたむき,卵形。上。しんは小さくほぽ正三角形。 大あごは半月状で大きい。触角はあごの基部近くから発して短かく,中あしのたい節端に達する。  前胸背は前方より約%の部分は半円形で。その後方は狭くなる。側縁と前縁に大きなとげ状突起 が並び,背面中央には微小なとげ状突起が2∼3木ある。中胸,後胸部は平滑。後胸小たて板溝は 明りょうで軽くくぽむ。あしは短かく,前・中あしのたい節は正中線に対してほぽ直角に張り出す が,体の幅よりわずかはみ出す程度。  腹部は背面から9節が数えられ,第1∼7腹節背の後方は横に長く,膨出し,その部分にほぽ一 列にとげ状突起が並ぶ。側部には円錘状に膨出した部分があり,その先に1∼2本のとげ状突起が ある。尾刺は円錘形で短かく,わずか内側に曲がる。  体長 約27mm。前胸背幅 約7mm。  記載に使用した標本は東京目黒でぃ1950年,アカマツ(Finns densifloraSeib. et Zucc.)の 伐根より採集した。   Asemurna・mtげびiseKraatz マルクビヒラタカミキリ  休はやや扁平で乳白色。頭部は著しく腹而に傾き,卵形。大部分は平滑でわずかに複眼の上方に きわめてこまかい乳頭状突起が疎生する。」ユしんは小さく三角形。触角は中あしたい節端で曲り/ その先端がわずかはねの表にあらわれる。  前胸背は長さより幅が大きく,横長のだ円形。背面の中央は平滑で側部にこまかい乳頭状突起が ある。中・後胸背は平滑。あしは短かく,いずれもたい節が正中線に対してほぽ直角に張り出し, 前・中たい節の端に1∼2本のこまかいとげ状突起がある。  腹部背面の中央は平滑。側部近くにこまかく細長いとげ状突起が疎生する。腹而も中央は広く平 滑で側部近くにこまかいとげ状突起がある。第4∼8腹節の側部には2∼3本のかぎ状になったと げ状突起がある。第9直節端には尾刺が1対,たがいに離れて両端近くに位置してあり,内側に先 端は曲る。  体長約18mm。前鯖幅約4. 5min。  記載に使川した標本は1950年,群馬県赤城山でカラマツ(Lartx  leptolepsisGordon)の伐倒 木中より採集した。   Megasemum q・ほadricostidatumKraatz オオクロカミ牛り  休はほぽ円筒形で乳白色。頭部は著しく腹而に傾き,卵形で平沼・。頭頂は浅くくぽむ。上しんは 小さく丸味を帯びた三角形。触角は短かく中あしのたい節に達し,はねの表にあらわれない。  前胸背は丸味を帯びた台形で幅が広く,中央は広‘く平滑で,側部にこまかい乳頭状突起がきわめ てまばらにあり,各突起の先端には細い毛かある。あしは短かく,たい節が正中線に対して,ほぼ 直角に張り出し平滑。  腹部第1∼6節背面の後半部にはきわめてこまかいとげ状突起がやや密にある。腹面は平滑。側 部には突起がない。尾刺は第9腹節背のほぼ中央に互いに接近して,1対ある。  体長 約31mm。前胸背幅 約6. 5mm。  記載に使用した標本は1958年7月14日,北海道十勝三股で,アカトドマツ(Abies sachcdinensis Masters)の伐倒木中から採柴した。

(12)

92         。高知大学学術研究報告  第18巻  a  学  第9号

     −−−−−

       カミキリ亜科さなぎめ形態

頭部は前胸腹面に向って強く傾き,背面からほとんど見えない。正面からみたとき,頭頂は円丘

状またはドーム状に突出しており,ドーム状に突出する場合には頭頂部が背面からわずかにみえ

る。

触角基部間は広く,触角着生点は隆起しているが,顔面も膨出するので,左右の触角はたがいに

接近しているようにみえ,その部分がハチマキ状にみえる。顔面の正中部はくぽまない。頭部には

一部を除いてとげ状突起や剛毛がある。

 前胸はほぽ円筒状で幅より長さが大。

 尾刺や尾端針状突起はない。

1 − 2 − 3 − 6 − 7 − 8

-カミキリ亜科さなぎの種の検索

さやばねは短かく,腹部に達しない。●●●●●●●●●●●・●●●●●●・・・・●●●●●●・●・●●●●・●●●●●●●●・・ さやばね,後ばねとも同じ長さで,その先端は腹部に達する。………

顔面に横に並ぶ剛毛列がある。

顔面は平滑で,剛毛列はない。………

2 3 ………コジマヒゲガコバネカミキリ ……スネケブカヒロコバネカミキリ 8 5

頭頂はドーム状に突出し,顔面に正中溝がある。………4

頭頂は円丘状に膨出し,顔面に正中溝がない。I●・●●●●I●●●●I●I●●●●・●・●I●●●●・●●I●・・●●●●●・・・ 一 前胸側部は突出せず,胸側突起はない。・・・・・・・・・・・・・・・・■・・・・・・・ 5,触角は長く腹而にあらわれる。………j ・ 4。前胸側部は強く突出し,明りょうな胸副突起がある○ "‘""¨・・・"'“'‘¨カッコウメダカカミキリ …・●6

触角は短かく,その先端は中・後あし間で終り,腹面にあらわれない。………ホタルカミキリ

触角は腹部腹而で曲り,左右のものが前後にmなる。………ミヤマカミキリ

触角は中・後あし開か,またはさやばねにそって曲り,さやばね上にあらわれる。…………7 触角は中・後あし間で曲り,先端は前あし基部または頭部下方に達する○ ‘゛゜゜゜゛゛'゛゛゛゛“‘゛゛"""・'I' ヒメカミキリ族(Callidiopini) (13) ……9 ……トラカミキリ族(Clytini) (14) ‥‥‥10 さやばね上で1回まく。胸側突起が ミドリカミキリ

その先端は頭部下方に達する。胸側突起はない。…

触角はさやばねにそって曲り,その先端は頭部の上方に達する。・‥・・・………トビイロカミ・キリ

前胸は幅より長さが大か,またはほぽ同じ長さ。後あしのたい・けい節は下方に向って体とほ

ぽ平行にのび,長い。●・●●●●・・・●・・●●●●・●●●●●●●

前胸は幅が長さよりやや大。後あしのたい・けい節は斜め下方にのび,短かい。………11

第7・8腹節背に大きなとげ状突起がある。

第7・8腹節背にとげ状突起はない。

10.触角は中あしたい節端で曲って,さやばね上にあらわれ,

ある。

触角は後あしたい節下方で曲り,

11.大きく,明りょうな胸側突起がある。 一 胸側突起はなく,前胸側縁は円孤状。……… 12.腹節背にとげ状突起があるo """""'゜`゜'“‘' 一 腹節背にとげ状突起はない。・・・■■・・・・・・・・・・・・・■ 13.前胸背の前縁に毛をもつ乳頭状突起があり, ・アオスジカミキリ …・ベニカズキリ属 ……12 イェカミキリ …スギカミキリ族(Callidiini) (18)

ヒメカミキリ図

第9腹節背の下端に鈍頭の突起が2個ある。…

(13)

-= -− -− …15 …16 17 ‥‥‥19

前胸背に乳頭状突起はない。また,

  とげ状突起がある。

14.大あごに毛かおる。

第9腹節背の下端に2個の突起もなく,腹節背にこまかい

大あごに毛がない。………

15.第7腹節後縁に7∼8本のとげ状突起が左右にそれぞれ並び,

突起が並ぶ。………… 16.前胸背の幅と長さはほぽ等しく,側部が著しく突出する…………

前胸背は幅より長さが大。側部のふくらみはやや小。

17.後あしは長く,たい節端は第6腹節端に達する。…………

後あしは短かく,たい節端は第6腹節端Rニ達しない。………

18.体は著しく扁平で,前胸背の前縁は上反する………

体はやや扁平で,前胸背の前縁は上反しない。

19.前胸背にとげ状突起と毛がやや密生する。あしはオール状。…・

前胸背にとげ状突起が疎生し,毛がない。あしはこん棒状。

Ptぴ夕uricenus べニカミキリ属

触角は長く,後あしたい節端近くで曲って,

は3>4>1c………

触角は中あしにそって曲り,

触角は中あしにそって曲り,

1931による)………

大あごの毛は6∼7木。

ヨツボシカミキリ かぎ状に曲る

第8腹節端に5∼6本のとげ状

…キイロトラカミキリ

第7腹節後縁の左右にそれぞれ3本,第8腹節端の左右に各3本のとげ状突起が並ぶ。………

…クロトラカミキリ属

……コトラカミキリ属

…………トラカミキリ属

…‥牛スジトラカミキリ

‥チビヒラタカミキリ属

……スギカミキリ

ヒメスギカミキリ

第7腹節背にこまかいとげ状突起が不規則にあり,後縁はひだ状に突出し,その部分にあると

げ状突起は大きく,内側に強く曲る。触角第2∼3節と後あしけい節に短毛がない。

かぎ状にならない。 ベニカミキリ

第7腹節背のこまかいとげ状突起は前種より疎。後縁はひだ状に突出せず,その部分にあると

げ状突起は細く小さい。触角第2∼3節と後あしけい節に短毛がある。ヘリグロベニカミキリ

Ce・rest・1m1 ヒメカミ牛り属

上方に向い先端は複眼に達する。触角の節の長さ

…ヒゲナガヒメカミキリ ……IJユウキュウヒメカミキリ テツイロヒメカミキリ …ヤエヤマトラカミキリ エグリトラカミキリ :ヨツスジトラカミキリ …コトラカミキリ …・クリストフコトラカミキリ 先端は複眼に達する。触角の節の長さは1>3=40 """'‘'`・'I'・

先端は複眼に達する。触角の節の長さは1>3>4(小島俊文,

Chlorophor・us クロトラカミキリ属

人あごの毛は3∼4本。第7腹節背の内側に曲ったとげ状突起は細く,側部に毛がない。第8

腹節端のとげ状突起は小さい。

大あごの毛は6∼7本。第7腹節苛の内側に曲ったとげ状突起は大きく,側部に毛かおる。

第7腹節背の内側に曲ったとげ状突起は長い。側部に毛がない。……

Plagt・0710tttS コトラカミキリ属

前胸側部のとげ状突起はやや密。側縁のとげ状突起は大きく,

前胸側部のとげ状突起はやや疎。側縁のとげ状突起は小さく,

(14)

一 一 -一 一 -94 高知大学学術研究報告  第18巻  農  学  第9号

     --χyolo£rechus トラカミキリ属

腹部第7節端に4本の長く,内側に強く曲ったとげ状突起がある。…………ンマキトラカミキリ

腹部第7節端に2本の長くて大きい内側に強く曲るとげ状突起がある。

腹部第7節端に10∼12本の短いとげ状突起があり, …ウスイロトラカミキリ いずれも上。に反っている。

Ph.yりlatodes チビヒラタカミキリ属

前胸背に毛がある。触角の第2∼4節に短剛毛がある。

…ブドウトラカミキリ …シロオビカミキリ

前胸背に毛がない。からだが小さい。(体長約11mm)腹節背の環状に並ぶ果粒状突起の発達

が悪い。 前胸背に毛がない。からだは大きい。 明りょう ○ ‘'゜`゛'‘`‘゛`゛“`゛‘'゛゛゛‘゜‘'‘゜"""‘"

(体長約13∼17mm)

アカネカミキリ

 腹節背の環状に並ぶ果粒状突起は

………チャイロホソヒラタカミヰリ

  χys£rocer

glohosa(Olivier) アオスジカミキリ

 体はやや扁平で乳白色。頭部は腹面に向って曲るが,背面から頭部の一部が見える。頭頂は円丘

状で平滑。顔面は触角基部が強く膨出し,それに続く顔面の中央部も好く膨出するので,「ハチマ

キ」状に見える。上しんは小さく半円形で中央がくぽむ。触角第1節は正中線に対してほぽ直角に

着生し,触角間は広い。触角第2節は長く,ほぽ体側にそって平行に下降して,中胸に達する。触

角は腹部第6節のところで曲って腹面を上方に向って伸び,さらに中あしけい節にそって伸びて,

先端は前胸に達する。触角各節端は環状に好くふくらむ。

 前胸はほぽ円筒形で,。側部中央はかるくふくらむ。平滑で剛毛,とげ状突起などがなく,きわめ

て小さい果粒状突起がわずかに疎生する。中・後胸とも平滑で,後胸小たて板溝はくぽまず,こま

かい横しわもない。あしは扁平で中・後あしのたい節はほぽ体に平行に下方に向ってのび,中あし

たい節はさやばねの%のところ,後あしたい節は第7腹節に達する。平滑で剛毛などはない。

腹部は背而から8節が数えられ,腹・背両而とも平滑で剛毛やとげ状突起などかない。第2∼6

腹節背而のほぽ中央に,やや深い横溝があり,その横溝の左右は横長の長だ円形に膨出する。

 体長 18∼20mm。前胸背幅 約4mm。

 記載に使用した標本は1959年4月,高知市と1968年5月24

la,

広島県庄原市でネムノ牛・(Albi-zia iulibrissinDurazz.

)の枯木から採集した。

  Mallambyエr砲公i

(Blessig) ミヤマカミキリ

 Kojima

(1931) Jour. Coll. Agric. Tokyo

Imp. Univ. 11 (3)

 体は円筒形で乳白色。頭部は腹面に向って強く曲るので背而から頭部がほとんど見えない。頭頂

はドーム状に突出し平・滑。顔面も平滑で正中部がやや浅くくぽみ,上しん基部近くの左右に円丘状

に膨出した部分かおる。上しんは丸味をおびた長方形。触角は体側にそって下降し,はねの先近く

で曲って腹而にあらわれ,・軽く湾曲しながら下降し,第4腹節のところで左右の触角が前後にm:な

り,たがいに交さすることなくそれぞれ上方に向って曲り,先端が前・中あし間に達する。

 前胸背はほぼ丸味をおびた台形で前方より約%のところが最も幅が広くに側部は軽く膨出する。

平滑でわずかに前縁の側部近くにきわめて小さい乳頭状突起と微毛が疎生する。

 中・後胸は平滑。中胸小たて板の正中部にこまかい枇しわがある。後胸小たて板溝はくぽまず横

しわだけある。

 腹部は背面から9節が数えられ,第2∼6腹節背而の中央よりやや下方のところに,黒かっ色の

こまかいとげ状突起がやや密に横に並ぶ。第7腹節背而では後半に黒かっ色のこまかいとげ状突起

(15)

が散布する。  腹石は平滑でとげ状突起などがない。ろく膜はひだ状に膨出する。  体長 48∼52mm。前胸背幅 10∼12mm。  記載に使用した標本は1964年5月21日,高松市栗林公園で,ウバメガシ(Quercus phillgraeoi-ゐ5 A. Gray) の生木の材中から採集した。   Stro・natiwnIon・gicornc(Newman) イェカミ牛り  屋代弘孝(1940)イヘカミキリに就て,沖繩県山林会学術報告 1*  体はやや扁平で乳白色。頭部の一部は背面からわずかに見える。頭頂は平滑で円丘状。顔面は平 滑,正中部がわずかにくぽむ。上しん基部近くの左右は三角形に膨出し横しわを装う。触角間は広 く,左右の触角は側部近くに着生する。触角ぱ体側にそって下降し,雄では第4腹節端で曲って腹 面にあらわれて上方に向い,前胸部で再び曲って下降し,先端は前あしたい節に達する。雌では中 あし下方で曲り,腹面を上へ伸び先端は前あしの基部近くに達する。  前胸背は丸味のある台形で,中央部は不規則なしわがあり,毛が疎生する。側部はとげ状突起と        .        t      「 毛がある。中・後胸は平滑。後胸小たて板溝は前方が幅広く,後方に向うに従ってせまく浅くくぽ むが,横しわはない。  腹部は背面から8節が数えられ,第2∼6腹節には,正中部を境いにして左右にそれぞれとげ状 突起が環状に並ぶが,後方の腹節になるにしたがってとげ状突起は大きくなり,密に並ぶ。第7腹 節背では不規則に全体に散布するが,後縁では横に1列,かなり大きなとげ状突起が密に並ぶ。第 8腹節端には8∼10本の大きいとげ状突起が横に並ぶ。  雌雄の差は触角にはっきりとあらわれているが,そのほか,第8腹節内に強く陥入した第・9腹節 の腹板が,雄は広く,丸味をおびた方形。雌は小さく三角形であることでも区別できる。 ・雄 体長 20∼26mm。前胸背幅 5∼7mm。  雌 体長 26∼32mm。前胸背幅 6∼7 mm。  記載に使用した標木は1962年6月23日,沖繩首里で仲宗根平男氏が柱材(樹種不明)から採集し た。   Allotraeus sphaerioniniisBates トビイロカミ牛り  休はほぽ円筒形で乳白色。頭部は腹石に向って強く曲るので背面からほとんど見えない。  頭頂はドーム状に突出し平滑。顔而の正中溝は浅い。顔面のほぼ中央に,やや深い横溝かおる。 上。しんは丸味をおびた三角形。顔面の触角基部近くとほお部にきわめてこまかい果粒状突起がわず かある。触角は逆八字状に着生し,触角開は広い。触角は長く,体側にそって下降して,第6腹節 端で曲って腹面にあらわれて上。方へ伸び,その先端は頭頂上に達する。  ‘前胸背は円筒状で側部中央は軽く膨出する。全休にきわめてこまかい果粒状突起かおり,側部に は乳頭状突起がある。中胸背は平滑,後胸小たて板溝は浅く平滑,その両側に短毛が疎生する。あ しは長く平滑。たい節はこん棒状を呈する。  腹部は背而から9節が数えられ,第1∼6腹節背にはとげ状突起が不規則にならぶ。第7腹節背 では半円形にやや大きなとげ状突起が並び,第8腹節背のほぽ中央に1対のとげ状突起がある。側 部には乳頭状突起が疎生する。第9腹節背の後縁にはこまかい針状突起と毛かおる。腹面は毛や突 起がなく,不規則なしわがある。  体長 19∼22nim。前胸背幅 約4mm。 * 形態学的な詳細は記載ではない。

(16)

 96         高知大学学術研究報告  第18巻  農  学  第9号

 記載に使用した標本は1952年5月25日,高知県窪川でカゴノキ(Actinodaphne lancifolia

Meisn. )の枯木よりと,196211 3月25日,高知県天狗高原でアオカシ(Maohilus japonica Seib・

et Zucc. )のたき木より採集した。   Steりgrimび,1quadi・inotatiimBates ヨツボシカミギリ  中村慎吾(1960)比和科学博物館研究報告 3  体はやや扁平で乳白色。頭部は腹脂に向って曲るが背而からその一部か見える。頭頂は丸くドー ム状に突出し,平滑。顔面は平滑で中央がくぽむ。上しんは丸味を帯びた台形。触角は逆八宇状に つき,第1節は膨出する。体側にそって下降し,中あしのけい節にそって曲り,先端は前あしけい 節端に達する。       ’  前胸は円筒状で長く,側部はわずか膨出する。前胸背面は平滑で前縁と後縁付近にわずかの短毛 が疎生する。中・後胸背も平滑。後胸小たて板清は前方が幅広く,後方に向うに従って狭くなり, きわめてこまかい枇しわがある。あしは平滑で毛や突起がなく,各たい節はこん棒状を呈する。  腹部は背面から8節が数えられ,第2∼6腹節背では正中部を残して左右それぞれ,こまかいと げ状突起が疎生する。第7腹節背ではこまかいとげ状突起が不規則に,全体に疎生し,後縁では1 列に太いとげ状突起が並ぶ。  第8腹節背後縁に太いとげ状突起が正中部の左右にそれぞれ2本ずつ並ぶ。腹面は平滑。  体長7∼9mm。前胸背幅約2mm。  この記載に使用した標本は広烏県高野で1959年11月,コナラ(Quercus serra£・どIThunb. )の枯 木から採集した。

  CeresitmifuseLI川。 Matsumura et Matsushita リュウキュウヒメカミ牛り  体はやや扁平・で乳白色。頭部は腹面に強く傾き背而からはほとんど見えない。頭頂はドーム状に 突出し平滑。顔面は平滑で複眼近くに短毛がある。正巾部はかるくくぼむ。上しんは丸味を帯びた 三角形で大きい。触角間は広くあいている。触角は中あしにそって曲り,雄では複眼,雌では前あ し基部に達する。触角の各節の長さは成虫と同じ< 1>3 = 4 c  前胸は円筒状で幅より長さが大きく,前縁に乳頭状突起が1列に正中部を残して左右にそれぞれ 5∼6個並び,その先から長毛が生じている。前胸背け長いこまかい横しわがあり,後半では正中 線が認められる。中・後胸背は平滑。後胸小たて板溝は浅くくぽみ,平滑で横しわはない。後胸小 たて板溝の左右に若干の短毛が疎生する。あしはオール状で,たい節の前半は細く円筒形で,後半 はやや扁平となって幅が広い。  服部は背而から8節が数えられ,第1∼6腹節背は正中線が明りょうでその左右にこまかいとげ 状突起が疎生する。第7腹節背ではほぽ3列,横に並ぶ内側に曲ったやや長いとげ状突起列かお る。第8腹節背では左右に鈍頭の突起がそれぞれ1個ずつあり,そのまわりにこまかいとげ状突起 が2∼3個ある。腹而は平滑。  雄 体長 約12. 5mm。前胸背幅 約4mm。  雌 体長 約16mm。 前胸背幅 約5mm。

 この記載には衣笠恵士氏が1967年5月21∼31日に,東京でゲヤキ{Zelkova serrata Thunb. )

の枯木から採集した標本と1968年6月16日に高知県足摺岬でたき木(樹種不明)から採槃したもの とを使用した。

  Ceresiuiii

loneicornePic ヒゲナガヒメカミキリ

 前種に酷似しているが,つぎの諸点でかろうじて区別することかできる。

1.触角は長く,後あしのたい節端近くで曲って上方にのび,先端は複眼に達する。

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  触角の各節の長さは3>4>lo 2.前胸はほぽ円筒形で,幅より長さがはるかに大きい。 3.前胸背前縁にある乳頭状突起はきわめて小さく,短毛を持つ。 4.腹節背面のとげ状突起は小さく疎。特に第7・8腹節背のとげ状突起も,第1∼6腹節のもの  と大差がなく,第8腹節端には4本のとげ状突起が並ぶ。  体長 約13mm。前胸背幅 約3 mm。  この記載に使用した標本は1962年5月19日,沖繩石垣島で,シャリンバイ(Rhaphiolepis an・be-llataThunb. )の枯木から採集した。   Ceresiimisinicum ^φVhite テツイロヒメカミキリ

 Kojima (1931) Jour. Coll. Agric. Tokyo Imp. Univ. 11 (3)

 木種のさなぎを入手することができなかったので,小島俊文(1931)の記載と前2種とを比べて みたが,この餌の分類上。重要な標徴である触角の各節の比,前胸背や腹節背の形状についてふれ ていないので,種としての特徴ははっきりしない。前2種の触角の各節の比がいずれも,成虫の場 合と同じ傾向を示しているので,恐らく,木種の場合も成虫の触角の比とさなぎのそれとは同じで あろうと考えられる。。そうだとすれば,この触角の各節の長さは1>3>4となっているであろう し,この比で,かろうじて前2種と区別できるのではなかろうか。つぎに小島(1931)の記載を引 用する。’  体色は淡黄白色。体長約15mm。顔面の両側に3本の剛毛がある。触角は湾曲して先端は頭部に 達する。上。しんは幅より長さが大。上しん前縁中央はくぽむ。前胸に小さい果粒状突起と剛毛を持 つ針状突起が疎生する。後胸に小たて板溝かある。第1∼7腹節背に若干のキチン質の針状突起を 持つ。雌の第8腹節背に大きいめいりょうな球状の突起かおる。   StenhonialuscleroidesBates カッコウメダカカミキリ  藤朴唆彦(1957) げんせい 6(1・2)  松木むしの会(1959)ニュー・エントモロジスト 18(4)*  木種のさなぎを調べることができなかったので,藤村(1957)の記載を引用する。  体長8mm。全休乳白色を呈し長筒形。羽化直前には複眼,各たい節末端が黒化する。  頭部は頭頂を除いて大部分は前胸下にかくれる。顔而には明りょうな正中溝かあり,触角基部は 膨隆する。複眼は大きく各小眼は粗で明りょうである。触角は体側にそって下降し,雌では第7腹 節,雄では第8腹節で反転して腹而を上昇して小あごひげ末端に達するノ各節は明りょうで滑沢で あるが第10および第11節には微毛が生ずる。小あごひげの各節の区画は不明で「く」゛の字型に屈曲 する。前胸は円筒状で前縁と後縁はほぽ同幅で側縁の鈍突起は大きく明りょう。背面には不規則な 多数の横しわかおり後縁のくびれは明らかである。  小たて板は小さく図のような隆起部がり,後縁にはX/形の小黒はんがある。さやばねは腹部第1 節中央部に達し平滑であるが,基部には微細なしわがある。腹部は滑沢で明りょうな黒い太い背中 線がある。雌では第2節腹部にむらがった毛がある大きなへこみがあり,以下の各節にも半月型の 横泄か認められ,末端節にはむらがった毛かおる。各たい節には若干の細毛があり,各ふ節は明り ょうである。   Molorchushoimiai(Matsushita) コジマヒゲナガコバネカミヰリ  中村慎吾(-1960) 比和科学博物館研究報告 O)  休は扁平で乳白色。頭部は腹面に向って強く曲り,頭頂の一部がわずかに見える。頭頂は円丘状 。図のみでくわしい記載はない。

(18)

98 高知大学学術研究報告  第18巻  a  学  第9号 -で正中溝は不明りょう。顔面の正中部は軽くくぽみ,ほぽ中央に長い剛毛が8∼10本横に並ぶ。上 しんは丸味を帯びた三角形で平滑。触角は体側にそって下降し,後ばねにそって曲り,先端は腹面 の中央で軽く交さする。  前胸は円筒状で後縁はくびれる。前縁は縁どられ,上反する。前胸背の中央部と後縁付近は毛が やや密生する。中・後胸は平滑で,後胸小たて板は軽くぽむが横しわはない。はねは短かく,さや ばねの先端は中あしのたい節下に達し,後ばねは第3腹節に達する。  あしは平滑でけい節は細長く円筒状,たい節はこん棒状を呈する。  腹部は背面から9節まで数えられ,第3∼7腹背にはこまかい針状突起が並び,側縁には若干の 毛が疎生する。第8腹節背には中央よりやや下方に,こまかいとげ状突起が横に並びy後縁にもこ まかいとげ状突起が1列に並ぶ。側部には若干の毛かおる。第9腹節は円筒形で小さく,長毛が疎 生する。  体長 約8mm。前胸背幅 約1. 4mm。  この記載に使用した標本は1957年12月13日,広島県高野町でソヨゴ■ (.He.エpedunculosaMiq.) の枯枝より採集した。   M.acroinQlorchushirsutus(Mitono et Nishimura) スネケブカヒロコバネカミキリ  藤村俊彦(1959) げんせい (19)  休は扁平で乳白色。頭部は背面からほとんど見えない。頭頂は円丘状で顔面は平・滑。毛や突起は ない。顔面の正中部はくぽまない。上しんは丸味をおびた台形。触角は頭部側縁近くに着生するの で触角間は広くあいている。      り  触角は体側にそって下降し,先端は巾あしたい節に達し,腹面にあらわれない。各節は明りょう で,のこぎりの歯状となり,・下方に向うに従って太くなる。  前胸背はほぽ台形で幅より長さが大。前縁と後録近くがくびれ,ハナカミキリ亜科のものに似 る。前方より約狐のところに深い横溝かあり,正中部には浅いたて清かある。前方より約%のとこ ろの中央部にみじかい剛毛がほぽ半円形に並ぶ。中胸・後胸は平滑。後胸小たて板溝は明りょう。 後胸背の前方より約%のところに小たて板溝を境いにして,左右に短かい剛毛の密生した部分かお る。前ばねは短かく,中あしのやや下方に達し,後ばねは第之腹節端に達する。あしのたい節はこ ん棒,けい節は細長い円筒状で,特に後あしのたい節は著しくふくらみ,大きなこん棒状となっ て,その端は第7腹節端に達する。  腹部は背面から8節が数えられ,第1∼7腹節背には果粒状突起と剛毛か疎生する。また,第1 ∼7腹節背の正中線は明りよシ。第8腹節端に2本の短毛がある。腹面は平滑。  雄 体長 約10mm。  前胸背幅 約2mm。  雄 体長 約13. 5mm。前胸背幅 約3mm。  この記載に使用した標本は1966年7月,島根県隠岐(大満寺山)で藤村俊彦,門脇久志両氏がネ ムノキ(Albixia iulihrissinDurazz.)の枯木から採集した。   Leon£iimi・irideThomson ミドリカミキリ  中村慎吾(1960) 比和利厚博物館研究報告 (3)  休はやや円筒形で乳白色。頭部は強く腹而に曲り,背面からはほとんど見えない。頭頂は円丘状 で平滑。顔面の正中部は浅くくぽみ平滑で,剛毛や突起がない。上しんは丸味を帯びた三角形。触 角は体側にそって下降し,第5腹節端で曲り,腹而を上へのび,先端はさやばねにそって曲り好い 環状となる。  前胸は円筒状で1対の胸側突起がある。平滑で,前縁と後縁にきわめて短かい毛が疎生する。中 ・後胸は平・滑。後胸小たて板溝は浅くくぽみ,平滑。あしははなはだ長く,中あしは体側にほぼ平

(19)

行に下方へのび,たい節端は,第3腹節端に達し√後あしも体に平行に下方へのびて腹節端よりや や下方へたい節端が達する。  腹部は背面から9節が数えられ,平滑で突起はない。  体長。約15mm。前胸背幅 約4mm。  この記載に使用した標本は1951年4月15日,北海道トムラウシでアカエゾマツ(Picea glahnii Fr. Schm. )の枯木からと1965年4月22日,香川県塩江でシイタケほだ木に使用したコナラ(Qy・ rcusserrataThunb.)とがら採集した。   Senianotusjapontcus(Lacordaire) スギカミキリ  皆川正実(1938) 応用勁物学州誌 10(2)  体はやや扁平で,仝体ぽうすい形で乳白色を呈する。頭部は腹面に強く曲り,背面からほとんど みえない。頭頂は円丘状で平滑。顔面は平滑で突起や剛毛がなく,正中部は浅くくぽむ。上しんは メL味をおびた長方形。触角は正中線に対してほぽ直角に着生し,触角間は広くあく。触角は体側に そって下降し,中あしのやや下方で曲って腹而にあらわれ,先端は中あしめふ節の近くに達する。  前胸背は丸味をおびた台形で側縁は膨出し,後縁は幅がせまくなる。前縁,中央,後縁のそれぞ れにとげ状突起と短剛毛が横に不規則に並ぶ。中・後胸の小たて板も正中部を残してそれぞれ左右 にこまかいとげ状突起が疎生する。後胸小たて板溝は明りょうで浅くぐぽみ,横しわはない。あし は短かく,中・後あしのたい節は扁平でオール状となる。  腹部は背面から9節が数えられ,第1∼6腹節は幅が広く,各節背の後縁近くに,正中部を残し て不規則にとげ状突起が並び,とげ状突起の先端は淡黒かっ色を呈する。第7腹節より急に細くな り第8腹節は円筒形となり,幅より長さが大。第7・8腹節背にもとげ状突起が疎生する。第9腹 節端に2本の毛かおる。腹面は平媚’。  体長 1 9∼23mm。前胸背幅 4∼6ヽmnl。  この記載に使用した標本は1961年10月23日,広島県東城でヒノキ(ChainaeりParis ob£usa Sieb. et Zucc. )の枯木から採集したものと,藤下章男氏が1965年10月10日,広島県可部でスギ  (Cr:yptomeriajaponicaLinn. fil.)の枯木から採集したものとを使用した.   Palaeocallidium rujipenne (Motschulsky") ヒメスギカミ牛り  皆川正実(1938) 応用勁物学雑誌 10(2)  体は扁平でぽうすい形。乳白色を呈する。頭部は腹面に強く傾き,背面からはほとんどみえな い。頭頂は円丘状で平滑。顔面も平滑。上。しんは三角形。触角は正中線に対してほぽ直角に着生 し,触角間は広くあく。触角は体側にそって下降し,さやばねの端近くで曲り腹面にあらわれ,湾 曲してその先端は中あしたい節の中央に達する。  前胸背は丸味をおびた方形で側縁は膨出する。中央と後縁近くにわずかのとげ状突起が不規則に 並ぶ。中胸は平滑。後胸は後胸小たて板溝の両側にごくわずかのこまかいとげ状突起がある。後胸 小たて板溝は明りょうで浅くくぽみ,平滑。あしは短かく,たい節はこん棒状にふくらむ。後あし たい節に短毛がある。  腹部は背面から9節が数えられ,第1∼6腹節背の後縁にこまかいとげ状突起が不規則に並ぶ。 第7腹節はこまかいとげ状突起と後縁近くに横に並ぶ剛毛列かおる。第8腹節は平滑で円筒形で背 而の中央に1対の短剛毛がある。腹面は平滑。  体長 12∼15mm。前胸背幅 2.5∼3. 5mm。  この記載に使用した標本は1956年11月18日,広島県比和でスギ(Cryptomeria japonicaLinn. fil.)の枯木より採集した標木と藤下章男氏が1965年9月3日,広島県可部でスギの枯木から採集 したものを使用した。

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