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帯球関数に関係する可積分接続について(等質空間上の群の表現に関する最近の話題)

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Academic year: 2021

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(1)

50

帯球関数に関係する可積分接続について

名古屋大学理学部 松尾 厚 $\mathfrak{h}$ を $n$-次元複素ベク トル空間とし, $\Sigma\subset \mathfrak{h}^{*}$ を階数 $n$ のルート系とする。対応する

Weyl

群 を $W$ とする。ここで, $\Sigma$ は被約とは限らない。正ルートの全体を $\Sigma^{+}$, 割れないルートの全

体を $\Sigma_{0},$ $\Sigma_{0}^{+}=\Sigma^{+}\cap\Sigma_{O}$ とする。複素数 $k_{\alpha}$ を, 任意の $\alpha\in\Sigma,$ $w\in W$ に対して $k_{w\alpha}=k_{\alpha}$

を満たすように与え,

multiplicity

と呼ぶ。ただし, $\alpha\not\in\Sigma$ のときに, $k_{\alpha}=0$ と解釈するこ

とにする。 また, $\lambda\in \mathfrak{h}^{*}$

も一つ与え,

weight

と呼ぶ。

さて, $\mathfrak{h}$

上の変数を $u$ と書こう。 $\mathfrak{h}$ 上の関数 $f(u)$ の $\xi\in \mathfrak{h}$ 方向の微分を $\partial_{\xi}f(u)$ と表

わす。 このとき,

Laplacian

$L= \sum_{i=1}^{n}\partial_{\xi;}^{2}+\sum_{\alpha\in\Sigma^{+}}k_{\alpha}\frac{e^{\alpha(u)}+1}{e^{\alpha(u)}-1}\partial_{\alpha}$

と定義する。ただし, $\{\xi_{i}\}$ は $\mathfrak{h}$ の正規直交基底である。一方, $\mathcal{R}$ を $\{\frac{1}{1-e^{\alpha(u)}};\alpha\in\Sigma^{+}\}$

の多項式で書かれる関数全体とする。 $\mathfrak{h}$

上の R-係数の微分作用素であって $L$ と可換で

W-不変なもの全体を $D$ と表わすことにする。

Heckman

Opdam

は次の微分方程式系を考

えた。

(1)

$P\phi=\gamma(P)(\lambda)\phi$

;

$P\in D$

.

ここに, $\gamma(P)(\lambda)\in C$

weight

$\lambda\in \mathfrak{h}^{*}$ に依存する固有値である。 この方程式系は

Weyl

群 $W$ の作用で不変であり, 解空間の階数は $W$ の位数に等しい。 もし, $\Sigma$ が非コンパク ト型

Riemann

対称空間 $G/K$ の制限ルート系の2倍で, $k_{\alpha}$ が対応する重複度の半分であったな らば, $D$ $G/K$ の不変微分作用素の動径部分全体と一致し, この微分方程式系は帯球関数 の満たす微分方程式系とみられる。 ところで, この方程式を高階のものまで実際に書き下すのは困難である。我々の目標 はこの方程式をより単純で扱いやすい方程式に書き換えることである。そこで, $W$ の群環 $C[W]=\oplus_{w\in W}Cw$ を考える。 各 $\alpha\in\Sigma$ に対し, $\sigma_{\alpha}(w)=s_{\alpha}w$

,

$\epsilon_{\alpha}(w)=\{\begin{array}{l}wifw^{-1}\alpha\in\Sigma^{+}-wotherwise\end{array}$ 数理解析研究所講究録 第 778 巻 1992 年 50-51

(2)

51

により, $\sigma_{\alpha},$ $\epsilon_{\alpha}\in End(C[W])$ を定める。ただし, $s_{\alpha}\in W$ は $\alpha\in\Sigma$ に付随する鏡映であ

る。 また,

weight

$\lambda\in \mathfrak{h}^{*}$

に依存する $e_{\zeta}(\lambda)\in End(C[W])$ を各 $\xi\in \mathfrak{h}$ に対して

$e_{\xi}(\lambda)(w)=(w\lambda, \xi)w$

と定義する。 これらを用いて, 次の微分方程式を考えよう。

(2)

$\partial_{\xi}\Phi(u)=\{\sum_{\alpha\in\Sigma^{+}}\frac{k_{\alpha}}{2}(\alpha, \xi)(\frac{e^{\alpha(u)}+1}{e^{\alpha(u)}-1}(\sigma_{\alpha}-1)+\sigma_{\alpha}\epsilon_{\alpha})+e_{\xi}(\lambda)\}\Phi(u);\xi\in \mathfrak{h}$

.

ここに, 未知関数 $\Phi(u)$ は $C[W]$ に値を取るものである。この方程式は,

Frobenius

の意味

で可積分であり, 階数は $W$ の位数に一致する。なお, この方程式は共形場理論にあらわれ

Knizhnik-Zamolodchikov

方程式に類似していることを注意しておく。

我々の主要結果は次の定理である。

定理

:

方程式

(2)

の任意の解 $\Phi(u)=\sum_{w\in W}\phi_{w}(u)w$ に対し

,

$\phi(u)=\sum_{w\in W}\phi_{w}(u)$ は方程式

(1)

の解である。 この対応が解空間の同型を与える必要十分条件は $k_{\alpha}+2k_{2\alpha}+(\lambda, \alpha^{v})\neq 0$ 任意の $\alpha\in\Sigma_{0}^{+}$ について成立することである。 方程式

(2)

はいわゆる

logarithmic connection

を定めており, 特に方程式系は鏡映面に 添って

regular

singularity

を持っている。 方程式

(1)

がこのような単純な方程式で表示され ることは著しいことであって, この事実により対称空間上の調和解析の結果が, 別の角度か ら整理されるのではないかと期待される。 参考文献

1.

Cherednik, I.V.,

Generahzed

braid

groups and local r-matrix systems, Doklady

Akad.

Nauk

SSSR.

2.

Cherednik, I.V.,

Affine

extensions

of

Knizhnik-Zamolodchikov equations and Lusztig’s

isomorphism,

Preprint

RIMS-742.

3.

Heckman, G.J., Opdam, E.M.,

Root

systems and hypergeometric

functions

$I$

,

Comp.

Math.

64

(1987)

329-352.

4.

Heckman, G.J.,

An elementary

approach to the hypergeometric

shift

operators

of

Op-dam,

Invent.

Math

103

(1991)

341-350.

5.

Helgason,

S.,

Groups and

Geometric

Analysis,

Academic

Press,

1984.

6.

Matsuo, A.,

Knizhnik-Zamolodchikov

type

$equ$

ations

and

zonal

spherical functions,

参照

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