幼稚園における「数量・形」と小学校での「算数」の学びをつなげる幼小連携カリキュラムの開発に関する予備的研究
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(2) 甲南女子大学研究紀要第46号. 84. 人間科学編 (2010年 3月. で は ,J。 ピア ジェの発達理 論 に基 づ く子 ど もの. 1。. は. じ. め. ). 数理認識 の発達 につ い ての考察 を し,算 数 ・数学 の基. に. 礎 となる内容 ・考 え方で幼児期 に経験 ・習得が求 め ら 幼稚 園教育要領 ,小 中学校学習指導要領 の 見直 しが 進 め られ ,平 成 20年 3月 に改 訂 版が告示 され た。改 訂 にあた つた 中央教育審議会初等 中等教育分科会教育. れ る事柄 と して 「源 数学」 を提 言 した。 2。 稚 園 と小 学 校 (特 に ,1学 年 )の 「算 数」 の カ リキ ュ ラム. (「. で は ,幼. 「 数量 ・形 」 及 び. 教育要領」 と「学習指導要. 課程部会 は,現 行教育要領 の「生 きる力」 をは ぐくむ. 領」)の 考察 を行 った 。幼稚 園教 育要 領 につ い て は. とい う理 念 の上 に,「 ゆ と り」 か 「詰 め込 み 」 か の二. 昭和 39年 か ら平成 20年 の 3回 の改訂 につい て比 較検. 項対 立で はな く,基 礎 ・基本 の確実 な定着 に よる 「確. 討 を行 った 。 3。. か な学力」 の 向上 をめ ざ して改訂 にあた った と して い. ,. で は ,幼 稚 園 の 「 数 量 ・ 形 」 及 び. 「小学校 1学 年算 数」 の 学習指導 の 実 際 につ い て の 検 討 を行 った。幼稚 園 での保育実践 の 中か ら源数学 的 な. る。 (文 部科学 省初等 中等教育局 ,2008) 幼稚 園教 育要領 は,2.で 詳 し くの べ る よ うに平 成. 経験 活動 を掘 り起 こ して表 に ま とめた。 また ,小 学校. 元年 の改訂 で大 きな変更が な され現在 に至 って い る。. 1学 年 の「算数」 の 問題状 況 ,つ ま り「つ まず き」 の. そ の大 きな変更 とは,幼 稚 園教育 の基本 として「環境. 掘 り起 こ しと考 察 を行 った 。 そ して ,小 学 校 1学 年. に よる教育」 と「遊 び を とお しての指導」 を明確 に打. 「 looま でのか ず」 の 授 業実践 論 文 を本研 究 の視 座 か. ち出 した こ とで あ る。 数量 と図形 に関 して は ,領 域. らの分析 を行 った。お わ りに,今 後 の研究課題 を整理. 「環境 」 の三 つ の 「ね らい Jの ひ とつ に「 …… 物 の 性. して箇条書 きで挙 げた。. 質や ,数 量 ,文 字 な どに対す る感 覚 を豊か にす る」 と 位置 づ け られて い る。 平成元年 の改訂 以前か ら幼稚 園 実践 を研 究 して きた筆 者 (白 川 )の 感 想 に過 ぎな い. 小学校. 1.幼 児 (4-5歳 )か ら 1学 年 (6歳 )の 数 理 認 識 の 発 達. が ,旧 教育要領 の もとで は,数 量 と図形 を「ね らい」 の ひ とつ に定 めて設定保育 を行 う こ とがあ ったの に対. 1。. 1。. 人間の数理認識. (シ. ステム)の 発達. 育指導案 の「ね らい」 に取 り上 げ られ るこ とが ほ とん. 人間が もの ごとを認識するとは,対 象 を何 らかの枠 組 を通 して捉 える ことであ る。 もの ごとを,数 ・量 ・. どな く,「 遊 び を とお して何 を学 んで い るのか」 が不. 図形 ・文字 ・式 ・関数な どの「数学 とい う枠組」 を通. 明確 で ,遊 び を学 びにつ なげる こ とが 実践 の 中 で 意識. して把握することが数理 (数 学的)認 識 である。. 化 されて い ない よ うに思 われた。 幼稚 園 の研究会 で も しば しば この ことが話題 に された。特 に論理 的思考が. 数学 とい う枠組 は一種 の言語 (科 学言語)と み られ る。言語 は現象 ・事実 ・思想 ・感情 ・意思な どを表現. 芽 生 える幼稚 園年 中 ・年長期 の 子 どもた ちには,数 量. 0伝 達する手段 (道 具)で ある。つ ま り,言 語 は働 き. ・形 を「ね らい」 に した設定保育 も必要 なのか もしれ. をもった ものであ り,そ の意味 は使 われる中で,使 い. ない と思 われた。一 方 で は,幼 稚 園外 の幼児教室 で 算. 方 を通 して理解 (認 識)が 深 め られてゆ くのである。. 数 の 知識 ・技 能 を学ぶ幼児 たち も多 く,小 学校 の教 師. 数学 とい う枠組 を構成 し,そ の枠組 を通 して認識. か らは,計 算 はで きるが数量 ・形 の 感覚が身 につ い て. し,判 断 し,そ して行動する (使 う)過 程 を「数理認. い な い ,す なわち,抽 象的 ・形式 的 な数量 0形 と具体. 識 システム」 とい う。 したが って,数 理認識 システム. 的 0日 常 的 な経験 との柔軟 な結合 ・分離が で きて い な. を形成す るのは,枠 組 (言 語)と その構成お よび判断 ・行動 の過程 で培 われるものの見方 ・考 え方 ・扱 い方. して ,「 遊 び を とお しての指導」 で は 数量 や 図形 が保. い子 どもが 多 い こ とが 指摘 されて い る。 また ,1学 年 の最 後 の段 階 で も「の こ りは. といった枠組 を制御する機能. い くつ 」「 ちが い は. い くつ 」 で ,指 を使 って計算す る子 どもが い る こ とが. がある。. 問題 と して指摘 された (3.の 事例 1か ら)。 これ らの. 数理. (算 数. (メ. タ言語)の 二つの面. 0数 学)の 学 びとは,数 理認識. (シ. ステ. 子 どもは幼稚 園 での遊 び体験 を とお して の学 び (数 量. ム)の 発達 とい える。人間個体 としての数理認識 の発. 認識 )が 十分 身 につい て い ない例 と考 え られ る。 本論 文 は ,幼 稚 園 の 「 数量 ・形 」 と小 学 校 の 「 算. 達 は,ピ アジ ェ (Piageto J)の 発達理論 (波 多野完. 数」 の学 び を一 貫 させ た授業 (保 育 )実 践 に基 づ く. ることが考え られる。第 1段 階 (感 覚運動的):数 学. 幼小連携 の「 カ リキ ュ ラム」 開発 のための研究課題 を. 的知識 を対象か ら感覚によって直接引 き出 し,知 覚 と. 明 らか にす るこ とを 目的 と して い る。. 思考が未分化 である。 第 2段 階 (前 概念的):感 覚運. ,. 治,1965)な どを基に して,次 の ような 5段 階に分け.
(3) 船越. 「数量・形」と小学校 での 「算数」の学 びをつ なげる幼 小連携 カリキュラムの開発に関す る予備 的研 究 他 :幼 稚 園における. 85. 動 的 に獲得 した数学 的知職が 内面化 されて イメー ジが. 認 知 す る)際 に媒 介 的 に働 く「 見 方 ・ 考 え方 (思 考. 発生 し,用 語 で表象す るこ とがで きる よ うになる。 第. 法 )」 が考 え られ る。. 3段 階. 例 えば,そ れぞれ を表 に まとめ る と,次 の ペ ー ジの. (直 感 的 ):概 念 化 が進 み ,事 物 を分類 した り. 関連付 けた りす る こ とも進 んで くるが ,そ の際 の推理. 表. 1,表 2の よ うな ことが考 え られ る。. や判 断が直感 に依 存 して い る。 知覚 的 に 目立 った特徴. 幼児期 にお け る「経験 (体 験 ・遊 び を通 しての第. に よって左 右 され ,一 貫 した論 理 的操 作 はで きに く. 段 階か ら第 3段 階 の 発達 )」 が源 数学 の 習得 (発 達 ). い。数 ・量 ・形 (空 間)を 抽象的 な概念 と してか な り. の礎 になるのであ る。経験 は「個 人差」が あ り,し た. の程 度認識 で きるが ,ど んな活動 を経 て認識 したのか. が って源数学 の発達 には個 人差が あ る。 この個 人差 ヘ. とい う過程 (操 作 )に つ い ての意識 (自 覚性 )が な. の計画的 ・意 図的 な支援 が幼稚 園 (特 に,4-5才 児 ). い 。 第 4段 階 (具 体 的操 作 的 ):具 体 的 な事 物 ・事. にお け る保育 の重要 な使命 と考 え られ る。. 1. 象 ,具 体 的 な経験 を通 して概念 を体 系 的 ・論理 的 に組 織化 し,思 考 した り推理 した りす る ことがで きる よ う. 2.幼 稚 園 と小 学 校 1学 年 の 「 数 量 0形 」. になる。 どんな操作 に よって ,数 学 的概念 を認識 した. 及 び 「 算 数 」 の カ リキ ュ ラ ム. のか を意識す る。 つ ま り,論 理的 (科 学 的 )認 識が可 能 になる。 しか し,こ の段 階 で は形式 的 な対象 (科 学. 2.1.幼 稚園における数量・形 のカリキュラム. 言語 )に 対 しての論理 的操作 の 適用 は 困難 で あ る。 し. 2。. たが って,演 繹 的思考 は 困難 であ り,帰 納 的思考が 中. 1。. 1.幼 稚園教育要領 での数量・形 の変遷. 旧幼稚園教育要領. (昭 和. 39年 ∼昭和 64年 )と 現行. 心 となる。 第 5段 階 (形 式 的操作 的 ):具 体 的 な事 物 ・事 象や実際的 な経験 。結果 だ け を対 象 にす るので は. 幼稚園教育要領 を比較することか ら始めたい。旧教育 要領 では領域 「自然」 の 中で数量 ・形が取 り上げられ. な く,そ の具体 的結果 ・内容 を離 れて ,論 理 的形式 に. てい た。領域 「 自然」 の四つ の柱 の 4番 目に「4 数. したが って 形 式 的 に思 考 す る こ とが で きる よ うに な. 量や図形などについて興味や関心 をもつ ようになる」. る。思 考 の対象 と して ,現 実 の もので な くて も,命 題. を掲げ,そ の具体的な内容 として,(1)具 体物 による. を対 象 にす ることが可能 となる。「操作 の操作」,つ ま. 量の大小の比較 ,(2)物 の分類 ,集 合づ くり,(3)具. り 2次 的操作 的認識が可能 とな り,演 繹 的 な思考 も可. 体物 を数えた り,順 番 を言 う,(4)長 短 ,面 積 の大. 能 となる。. 小 ,速 度 ,(5)物 の形 につい て,丸 や四角 な どの特. ここで ,幼 児期 (4才 ・5才 )と 児童期 の初期 (小 学校低 学年 ),つ ま り第 3段 階か ら第 4段 階 の初 期 の. 徴 ,(6)前 後,左 右 ,遠 近な どの位置関係 ,(7)日 常 生活の中での時刻 ,の 7項 目が挙げ られてい る。 (文. 数理認識 (シ ス テ ム)の 発達 を,「 数量 ・形 の 発 達 」. 部省,1964 ※各項 目を筆者. とい う こ とにす る。. れ らの 7項 目の内容が適切に実践 されていたかの吟味. 1。. は別に して,こ れ らは 1.で 述べ た幼 年期 の数理認識 の発達 を網羅す る もので あ つた。『幼稚園教育指導書. 2.源 数学 数理認識. (白 川)が 要約 した)こ. (シ. ス テ ム)の 発達 にお け る第 4段 階が小. 領域編. 自然』 では,最 初 の節 で,幼 児 の「思考 の. 学校算 数科 と して意 図的 ・計画 的 ,つ ま り科学 的体系. 発達」 を,「 3歳 頃ではまだ (知 覚 と思考 の)分 離が. としての 数理認識 (シ ス テ ム)を 構 成 し始 め る時期 で. 十分ではないが」「5-6歳 ごろに なる と,か な り知的. ある。. な関心 も高 まり論理的な思考 の能力 も増大 して くる」. ところで ,そ の算 数科 での 数理 (認 識 )の 基礎 ・基 本 の 習得 (学 び)を 可能 にす るには,も の ・ ひ と・ こ. と捉 え,「 幼児 の思考力や知的欲求 を養 うためには. 遊 びな どの中で い ろい ろな材料 や用具 を使 つて ,自 由. ととの 関わ り,つ ま り「生 活 ・遊 び を通 して体得 的 に. にい ろい ろな もの を作 らせ る こ とが 大切 で あ る」 と解. 学 ばれ る数学」が基礎 となる。 この「基礎 の基礎 と し. 説 して い る。 さらに次の節 で は「 数量 や図形 の 意識 や. ての 数学」 は,単 なる数学 の基 礎 とい う よ りも,人 間. 処理 の しかた の発達」 につい て ,(1)数 意識 ,(2)量. が もの ご とを論理 的 に考 える こ と. 思考」)と 正確 に. 意識 ,(3)図 形意識 ,(4)空 間意識 ,(5)時 刻 ・時間. 認識 」)の 源 とな る力 なの で あ る。 そ こ. 意識 ,の それぞれ の 発達 につい て詳述 して い る。 そ の. で ,こ れ を筆者 (船 越 )は 「源数学」 と呼 んで きた。. うえで ,7項 目の内容 を 日常生 活 や遊 びの 中 で どの よ. 源数学 の 内 は,直 接 的 に数学 (算 数 )の 内容 の「基. うに取 りあげ て行 け ば よい か を具体例 をあげて説 明 し. 知ること. (「. (「. 礎 となる事柄」 と,そ の事柄 を獲得す る (体 得す る ・. ,. て い る。 (文 部省 ,1970).
(4) 甲南 女子大学研究紀要 第 46号. 86. 表. 1. 源 数学. (「. 基礎 となる事柄 」 ). 人間科学編 (2010年 3月. ). ・形 は領域 『環境』 の 中 で 取 り挙 げ られて い る。「 環. 考 える範 囲 ,働 きかけ る範 囲 を決め る。 ものの属性 に したが って ,も のの 集 ま りを思考 の対 象 にす る。. 境」 の三 つ の「ね らい」 の三 番 目に「 (3)身 近 な事象. 集合. 士 交 ヒ車. もの ともの を (観 点 を決 めて )比 べ る。. 数量 ,文 字 な どに対す る感覚 を豊か にす る」が挙が っ. 対応. もの ともの を対応付 け られ る。. て い る。 リテ ラシ ー環境 の一 部 と して組 み込 まれて い. 分類. あ る観 点 に よって もの を集 めた り,も のの 集 ま りをあ る観点 か らさらに部分 に分 ける。. る と言 える。「 内容」 につ い て は 第 8項 目に「 (8)日. 分割. ものをい くつかに分ける。. まとめて 2こ ずつ,5こ ず つのようにまとめて数える。 数 える. を見 た り,考 えた り,扱 った りす る中で ,物 の性 質や. 常 生活 の 中で 数量 や図形 な どに関心 を もつ 」 と掲 げ ら れて い る。「 内容 の取 り扱 い」 で ,「 日常生活 の 中で … (略 )数 量 や文字 に関す る興 味 や 関心 ,感 覚 が養 われ. 順序. 並 んだ もの を 1つ の系列 と して捉 える。. る ようにす る」 とあ る よ うに,明 らか に数量 ・形 の そ. ものの量感 を捉 える。. れぞれの内容 を意 図的 に取 り立 てて指 導す る方 向 は勧. 測定. 全体 を もとにす る量 のい くつ 分 で捉 える。. 距離. もの ともの との 間 の遠近 (隔 た り)を 捉 える。. 構造. もの ともの との 関連 ,集 合 と集合 の 間 の 関連 を 提 える。. 不変性 ` あ る現 象が 変 化 す る と き,不 変 な性 質 を提 え 保存性 る。 位置. ものの前 後 ,左 右 な ど位置 を提 える。. 立本 イ 目. ものの結びつ き方 を区別する。 形 の弁 別 ,閉 じて い る形 と開 い て い る形 を区別 す る。. 形. 連続性 系列. もの ご との連続性 ,時 の流 れ な どを感 じ取 る。. 場合分 け い ろい ろな場 合 につい て調 べ る。 もの ご とやその関係 を順序立 てて整理す る。. 整理. 結合性. い くつ かの操 作 (行 動 )を 結 び付 けて新 しい操 作 を作 る。. め られて い ない。『幼稚 園教育指導書 省 ,1989)で は,第. 増補版』 (文 部. 8項 目につ い て「幼児 の生 活 の 中. には,量 を比 べ た り,事 物 を数 えた り,形 を構 成 した りす るな ど数量 や図形 に関す る感覚 を養 う上 で基 礎 と なる体験 が数 多 く含 まれて い る。 日常生活 の 中で ,こ の よ うな体験 が 積 み重 ね られ 自然 に数量や図形 に対す る興味 ・関心が培 われて い くよ うにす る こ とが 大切 で あ る。」 (文 部省 ,1989)と の み簡 単 に説 明 され て い る。 2。. 1。. 2.平 成元年幼稚 園教育要領 の転換. 平成元年 (1989年. )3月 告示 の幼稚 園教育要領 は. ,. 幼稚 園教 育 の 内容 方 法 に関 して 旧幼 稚 園教 育 要 領 を. 25年 ぶ りに大 幅 に変 更す る もの で あ った 。 そ の 後 の 平 成 10年 告示 の 改訂幼稚 園教 育要領 は この 改 訂 の 方. 表2 弁別. 源数学 (「 見方 。考え方」 ). 向性 をその まま引 き継 い だ ものであ った。平成元年改. もの ご とを見分 ける。. 訂 の 背 景 には大 き く二 つ の 要 因が 考 え られ る。 一 つ. もの ご とを理 由付 けて考 える。. は ,1989年 の小 中学校 学 習 指導 要 領 改訂 の 流 れ に沿. 分析. こ とが らを細 か い ことが らに分 けて捉 える。. う もので あ る。「臨 時教 育審 議会 (1984∼ 87年 )」 が. 総合. い くつ かの こ とが らを統 合 して,新 しい こ とが らを作 る。. 戦 後教 育 の抜 本 的 な見直 しを提 言 し,「 個性 の重 視 」. こ とが らの要点 (要 素 )を 抜 き出す。. や 「心 の教育」 を提 唱 した。幼稚 園教育要領 につい て. もの ご とを関係付 けて捉 える。. も小学校 の「教科」 に連動す る よ うに受 け止 め られが. 抽 象化 一 般化. こ とが らか ら不 必 要 な要 素 を捨 て去 って 捉 え る。 い くつ かの こ とが らに共通 の性 質 を見 つ け る。. ちであ った,六 領域. 観点変更. もの ご とや そ の 関係 を異 な った 角 度 か ら捉 え る。場 合や状態 を拡 げた り変 えた りして見 る。. 根拠性. 本質性 関係性 `. 映 f象 化. 具体 的 な こ とが らをイメー ジ化す る。. 可逆性. あ る操作 (行 動 )の 逆 を考 え られ る。. 推移律. 「Aな らば Bか つ Bな らば C」 か ら「Aな ら ば c」 を導 く。. 「…でない」「 もし… なら 論理 的 「そ して」「 または」 ば」な どのことばが使える。 思考. (「. 健康」「社 会」「 自然」「言語」. 「音 楽 リズ ム」「絵 画製作」)を 幼 児教 育 にふ さわ しい 現在 の五 領域 に改訂 した。 もう一 つ の背景 は,幼 稚 園 教 育 に独 自の もの で あ る。 1989年 の 改訂 に先 だ ち. ,. 「 幼 稚 園教 育 要 領 に関す る調 査 研 究 協 力 者 会 議 」 が. 1984年 9月 か ら 10月 にか け て全 国 の 幼 稚 園 に対 し て ,教 育課程編成や指導形態 の実状 を調査 した。 なか で も文字や数量 の 扱 い につ い て ,「 い ろ い ろな経 験 や 活動 の 中 で文字 (数 量 )に 対す る興味 や関心が育 つ よ う環境 を整 えて い る」 と回答 した園が大多数であ った. ところで ,平 成 10年 に改 訂 された現行 の 幼 稚 園教. が ,一 方 「全員 に一斉の指導 を して い る」 園が文字 に. 育要領 (平 成 12年 度 よ り施行 )で は 数量 ・形 の 内容. つ い て 12.7%(但 し,私 立 で は 21.4%),数 量 に つ い. は大幅 に簡略化 されて い る。 この教育要領 で は,数 量. て は 8。 1%(但 し,私 立 で は. 13。. 9%)で あ った. (日. 本.
(5) 「算数」の学 びをつなげる幼小連携 カリキュラムの開発に関する予備的研究 「数量・形」と小学校での 他 :幼 稚園における. 船越. 87. 幼年教 育研 究会 ,1989)こ とが 注 目を浴 びた。 つ ま. ⑤算数的活動 0数 学的活動 を生か した指導 を一層充実. り,か な りの幼稚 園 (特 に私立 )で 文字や数量 をワー. し,ま た,言 語活動や体験活動 を重視 した指導が行. クシ ー トや フラ ッシ ュカー ド等 で一 斉 に教 えて い た 問. われるようにするために,各 学年 の内容において. 題 が指摘 された。調査研 究協 力者会議 は 1986年 「 幼. 算数的活動 ・数学的活動 を具体的に示す。. 稚 園教 育 の在 り方 につ い て」 を発表 し,本 来 の幼児教. また,内 容 の 4領 域. 育 にふ さわ しい「環境 に よる教育」が幼稚 園教育要領. ,. C。. (A.数 と計算 B.量 と測定 図形 D.数 量関係 )の うち,1学 年,2学 年 では. 平成 20年 には学 習指導要領 の 改訂 と足 並 み を揃 え. 現行 にはなか った D。 数量関係 が設定 された。 1学 年 の内容 は,次 のようである。 (1)加 法及 び減法が用 い. て幼稚 園教育要領が改訂 され告示 された。新幼稚 園教. られる場面を式に表 した り,式 を読み取 った りす るこ. 育要領 の「環境」 の 数量 ・形 に関す る部分 は現行要領. とがで きる ようにす る。 (2)も のの個数を絵 や図など. と同 じであ る。. を用 いて表 した り読 み取 った りす ることがで きる よう. に方 向性 として打 ち出 された。. にする。 平 成 20年 3月 に改 訂 され た 「小 学 校 学 習 指 導 要. 算数的活動 は,学 力 の「習得」「!舌 用」「探究」 とい う 3つ の要素 をしっか り身に付 けるための「方法」 と. 領」 の算 数 (数 学 )科 の改善 の基 本方針 は,次 の よ う. して,ま た,そ れ らを活用 して課題 を解決する際に算. で あ る。. 数的活動 を実体験すること,す なわち教育 の「内容」 としての 2つ の働 きの重要性 が認識 され,新 しい学習. 2。. 2.小 学校算数科 の カ リキュラム. ①小 ・中・高等学校 を通 じて,発 達 の段階に応 じ,算 数的活動 0数 学的活動 を一層充実 させ,基 礎的 ・基 本的な知識 ・技能を確実 に身に付 け,数 学的な思考 力 0表 現力 を育 て,学 ぶ意欲 を高める。 ②理数教育 の一層 の重要性 か ら,基 礎的 ・基本的な知 識 ・技能の確実な定着 を図る観点か ら,算 数 ・数学 の内容 の系統性 を重視 しつつ,学 年間や学校段階で 反復. (ス. パ イラル)に よる教育課程 を編成で きるよ. 指導要領 では,教 育の内容 として も位置付 け られてい る。なお,「 算数的活動」 とは,児 童が 目的意識 をも って主体的 に取 り組む数学 に関わ りのある様 々な営み であると説明 されてい る。 内容 としての算数的活動 は,例 えば,「 具体物 を用 いて数量や図形 についての意味 を理解する活動」,「 矢日 識 0技 能を実際 の場面 で活用す る活動」,「 問題解決 の 方法 を考え説明する活動」が考え られるとし,各 学年. うにす る。 ③数学的 な思考力 ・表現力 は,合 理的,論 理的に考え をすす めるとともに,互 いの知的な コ ミュニケー シ ョンを図るために重要な役割 を呆たす。 このため. ,. 数学的な思考力 ・表現力 を育成するための指導内容 や活動 を具体的に示す ようにする。特 に,根 拠 を明 らかに し筋道を立てて体系的に考える ことや,言 葉 や数,式 ,図 ,表 ,グ ラフなどの相互の関連 を理解 し,そ れ らを適切 に用 いて問題 を解決 した り,自 分. の 4領 域 の次に [算 数的活動]と して具体的に列挙 さ れてい る。 1学 年 の [算 数的活動 ]は ,次 の よ うにな っている。 ア.具 体物 をま とめて数 えた り等分 した り,そ れ を整理 して表す活動 イ.計 算 の 意味や計算 の仕方 を,具 体物 を用 い た り,言 葉 ,数 ,式 ,図 を用 い て比 べ た りす る活動 ウ。 身 の 回 りにあ る もの の長 さ,面 積 ,体 積 を直. の考えを分か りやす く説明 した り,互 い に自分の考. 接 比 べ た り,他 の もの を用 い て比 べ た りす る活動. えを表現 し伝 え合 った りすることなどの指導 を充実. 工 。 身 の 回 りか ら,い ろい ろな形 を見付 け た り. す る。 ④子 どもたちが算数 ・数学 を学 ぶ意欲 を高めた り,学. ,. 具体物 を用 い て形 を作 った り分解 した りす る活動 オ .数 量 に つ い ての 具体 的 な場 面 を式 に表 した. ぶ ことの意義や有用性 を実感 した りで きるようにす. り,式 を具体 的 な場面 に結 び付 け た りす る活動. ることが重要 である。. この よ うに新 しい学習指導要領 の象徴 的 なキ ー ワー. ・数量や図形 の意味 を理解する上で基盤 となる素地 的な学習活動 を取 り入れて,数 量や図形の意味 を 実感的に理解 で きるようにする。 ・発達や学年の段階に応 じて反復 による教育課程 に よ り,理 解 の広が りや深 まりなど学習 の進歩が感 じられるようにす る。. ドは「算 数的活動 」 であ り,関 連 で「思 考力 」「 表現. 力」「!舌 用力」「反復. (ス. パ イラル)」 「実感 を伴 った理. 解」等が重要視 されてい る。.
(6) 甲南女子大学研究紀要第 46号. 88. 人間科学編 (2010年 3月. ). 表 4 設定保育 の 中で の 源数学 的 な経験 活動. 3.幼 稚 園 での「数量 ・形」 の指導 と 小学校 1学 年 の「算数」 の指導 の実際 3。. 1.幼 稚園での数量や図形の指導の実際. 活. 動. 内. ○朝顔 ,夏 野 菜 ,チ ュー リップな ど の栽培. 幼稚園教育における保育形態には①好 きな遊びに と りくむ,② 学級全体 の活動 (設 定保育 ),③ 園生活 (日. 常 生活 )が あ る。 ほかには,運 動 会 ,生 活発表. 会,遠 足 などの行事 があるが,こ こでは 日常の保育に 限る ことにする。保育 の 中で数量や図形 ,さ らに 1. で詳述 した「源数学」が どのように取 り上げられてい. ○体重身長測定. 自分 の 身長 ,体 重 ,座 高 を測 る。 一つ 大 き くなる こ とを知 る。 誕生 児 の 人数 を数 える。. ○ グルー プ作 リゲ ーム ・ 仲良 し遊 び. 出 した ものを表 3,表 4,表 5に 示す。 以上の表 か ら幼稚園では,「 好 きな遊 び」 の時間 と かる。 これを教師が意識的に取 り上げ援助すれば,幼. ○折 り紙 をす る. 稚園教育要領でい う「数量や図形に関する感覚が養 わ れ」,「 数量や図形に対する興味 ・関心が培 われる」 で. 表. あろう。それがで きてい るかを実践 の場 で確かめなけ ればならない。「設定保育」 の時間 にも幼児 たちは数 量や図形 に関す る体験 を して い る。 しか し,保 育 の. 5. ○朝 の集 ま り. 育 はほとんど見 られない。例えば「夏野菜の収穫」で ○ お弁 当時. 好 きな遊 び. ○砂場遊 び. 内. 容. 玩具 を種類 別 に片付 け る。 (分 類 砂 山つ くりで 友達 と高 さや体積 の大 きさを 比 べ る。 型 ぬ きで い ろ い ろな形 を作 り,そ れ を並 べ て い く。 さ ら砂 を作 って ペ ッ トボ トル に溜 め て い. ○積 み木遊 び. 折 り紙 を一 枚ず つ 取 る。 三 角 に折 る,四 角 に折 る。 半分 にす る。 日常生活 の 中で の源数学 的 な経験 活動. ○生活上必要 なこと. 日付け― 出席 ノー トに出席 シールを貼 る時 に「今 日は何 日 ?何 曜 日 ?」 と日め くりの カレンダー を見る。 欠席調ベー保健 の先生が登園後,出 席状況 を調べ に来る時 「今 日のお休みは○○人」 剛几は 5イ 固イ 吏い ます司「ラ 胡:に は 4ノ 、てり整りま しょう」 うが い を 5回 しましょう。 お茶は コ ップ半分 まで入れましょう。. ). く。 い ろい ろな大 きさの 団子 を作 り,出 て きた 団子 を並 べ て置 く。. ○生 き物 との ふれあい. 「猛獣狩 りにい こ う よ」∼歌 にあわせ て体 を 動 か し,「 うさ ぎ」 と リー ダー が 言 った ら 3人 組 ,「 ラ イオ ン」 と言 った ら 4人 組 に な ってす わる。 ピア ノが なった回数の人数 を集めて グル ー プ をつ くる。 ○ 人の 人 と握 手 を した らす わる。 ジ ャ ンケ ンを して ,3回 勝 った らす わ る。. 生活場 面. 「ね らい」 に数量や 図形 に関することを定 めた設定保. 表 3 好きな遊びの中での源数学的な経験活動. ,. ○誕 生 会. るかを,芦 屋市立の 2幼 稚園について保育形態別に抽. 園生活 の中で 自ら源数学的な体験 をしてい ることがわ. 容. 土作 りで カ ップで量 を測 る。 生長 を見 る中で高 さを測 る。 咲 い た花 の 数 ,収 穫 した野菜 の 数や大 きさ 形 を見 る。野 菜 は秤 を使 って重 さを量 る。 収穫 した じゃが い もの数 を loこ ず つ 並 べ て数 える。 収穫 したウメの重 さを量 る (8キ ロ グラム)。. は「ね らい」 は収穫 の成果 を楽 しむ ことで あ って. ,. 「 じゃが い もの数 を数えること」が最 終 の「ね らい」 ではない。「イ 中良 し遊 び」 も仲良 く遊 ぶ ことが「ね ら い」 であ り,グ ループの人数を確認 し,比 較す ること が「ね らい」 ではない。現行幼稚園教育要領では,数. 飼育 当番 で餌 の量 をカ ップで測 る。 捕 まえた ダ ンゴム シを数 えた り,大 きいの 小 さいの をお父 さん赤 ち ゃん と言 って比 較 す る。 ウサ ギの世話― ウサ ギの部屋。左 の大 きい 小屋 には「 ウサ ギは 3羽 」右 の小 さい小屋 には「 ウサ ギは 1羽 」. 量や図形 に関 して「感覚 を養 う」「興味 ・関心 を培. 大 きな形 を選 んで組 み立 て る。必要 な数 を 使 う。 形状 別 に片付 ける。 三 角 は二 つ 合 わせ て立 方体 に して片 付 け る。. 力 も増大 して くる」 とい う発達 の観点 に立 つ と,今. ○ 色水 つ くり. 草花 を搾 って 色水 を作 る と きの水 と花 の量 を考 える。. ○ 竹馬 ・ フー プ 。縄〃ヒび. 歩 く数 ,回 した数 ,跳 んだ数 を数 える。 竹馬 の 高 さを変 える。. ○鬼 ごっ こ 。 か くれ んぼ. 鬼 の 数 を決め る。 10数 えた ら追 い か け る。. う」 まで しか提示 されてい ない。 しか し,1.の 幼児 の数理認識の発達で述べ たことと,旧 教育要領 で指摘 していた「3歳 頃まではまだ知覚 と思考 の分離が充分 ではないが」「5-6歳 頃になる と,論 理的な思考の能 後,設 定保育で「ね らい」に取 り上 げ,好 きな遊びの 場面 と関連付 けて取 り立てて意図的に指導することが いっそ う重要 である と思われる。. 3。. 2.本 研究の視座 か らの小学校 1学 年 における 「算 数」 の状況 ここでは,小 学校 1年 生の「実際の授業」か ら掘 り.
(7) 船越. 89. キュラムの 開発 に関する予備 的研 究 「数量・形」と小学校 での「算 数」の学 びをつ なげる幼小 連携 かリ 他 :幼 稚 園における. 起 こされる「源数学」,「 つ まづ き」等 ,本 研究に関わ る事夕1を 3例 挙げる。. ・被 減 数 が 5を 超 え る計算 に困難 を感 じる。 例 )8-2,7-3,9-3,10-3 ・減 法 にお け る 求 差 の理 解 が不 十 分 で あ る。. (事 例. 1)福 田・澤田の通常 の授業 を振 り返 っての分析. 改訂 「小 学校学習指導要領 算数」 に「D数 量 関 係」 と「算数的活動」が追加 ・新設 された ことについ. 03項 の 計算 に減 法 が 入 つた と き計 算 に困難 を感. じ. る。 例 )8-2-3,9-4+2,6+1-4. ては 2.で 述べ た。実際に小学校 1学 年 の「算数」 を. ・ 「20ま での. 現行学習指導要領 の もとで教 えた教師は次のような算 数の「つ まず き」 を掘 り起 こ してい る。 ・ 「のこ りは い くつ」「ちがい は い くつ」で, 指. つ数える。 05と びの数え方がで きない。 ・ 「looま での かず」で 10の 束 の意識 が薄 い。 こ. を使 って計算す る子が多 く,半 分 くらいの子が最. のことが,位 の仕組 みの理解 のつ まず きとなって. 初 つ まず いていた。 ・た し算は,ブ ロ ックを操作す ることで,つ まず い. かず」 で 10を 意識 しない で 1つ ず. い る。. ・ 「かず をじゅんばんにな らべ る」 では,1と びは で きるが,2と び,5と び等 になるとどこか誤 る. てい る子はほとんどいなか った。 ・幼児教室に通 っている子 と通ってい ない子 で計算. 子 どもが増 える。. -97-□ -99-100 □ -92-94-□ -98-□ 75-□ 一 □ -90-□ -100. 例)95-□. 力 の差が大 きか った。 ・基数 と順序数の区別がで きない。 0数 合成 はで きるが,分 解がす ぐにで きない。 例)10は 8と □. (事 例. 2)西 川 の平 成 21年 度 1学 期. (4月 ∼ 7月. )の. 授業 を振 り返 っての実情分析. 単元名 :「 10ま でのかず」 】 【 子 どもの実情. 平仮名 の「 く」を「>」 と書 くなど,鏡 文字を書 く姿が見 られる。 (本 年度 は「ち」「 さ」「ろ」「む」「す」「3」 「5」 「6」 などを鏡文字に していた。 )「 向 きがちが うよ」 とい う 口頭での説明をすると,手 が止 まって しまう。子 どもが書 く位置 のそばに手本 として正 しい字 を書 くと,た いていの 子 は正 しく書 き直 してい る。ご くまれに,そ れで も捉 えら えず,鏡 文字 のまま書 く子がい る。. 単元名 【. :「. 解釈 ,望 む こと 上下左 右 の どの方 向 に線 が引かれて い るか ,右 まわ り左 ま えわ りどち らに回 して まるを書 くのか ,捉 えるのが難 しい 子が い る。入学前 ,手 本 と同 じ線 や形 を書 くとい った活動 が あれ ば よい。. なんばんめ」 】 子 どもの実情. 。 「前か ら 5人 ,色 を塗 りましょう」 も「前か ら 5人 日,色 を塗 りましょう」 も「前か ら 5人 」 と捉 えてい る。一回の 授業 では定着せず,具 体 を示 しなが ら,ま た自分たちの教 室の座席で違 い を示す ことを数 日間続けた。. 解釈 ,望 む こ と 「 目」が あ る ときとな い と きの違 い を認識 す る こ とに時 間 が か か った。 日本 語 を学 び始 め た 1年 生 な らで は と感 じ た。 1回 の授 業 ,1単 元 内 での学 習 だけで な く,日 常生 活 の 中で「 目」 を用 い なが ら定着 させ る必要 を感 じた。入学 前 に この 問題 は難 しい と思 われ るが ,こ の言葉 に限 らず 子 どもに話 をす る際 ,微 妙 な言 い 回 しに気 をつ け て い きた い∩ ,. 単元名 :「 ふえたリヘったり」 】 【 子 どもの実情. 「2人 い ます。5人 乗 りました。」それをエ レベー タの絵 を 書 いた紙 の上に,ブ ロ ックを人に見立てて乗せ るよ うに伝 えると,2個 ある ところに 5個 置 く子 と,2個 あるところ に 3個 置 く子が い る。わか らない とい う子 もいたので,ブ ロ ックを操作 しなが ら「5人 乗 りました。 」 と「5人 にな り ました。 」 の違 い について話 し合 う。. 解釈 ,望 む こ と 。 「乗 りま した」 と聞 い た と き,教 師 と同 じ状 況 をイメ ー ジ して い な い子が い る こ とが わか った。 日本語 を学 び始 めた 1年 生 な らで は と感 じた。 l回 の授 業 ,1単 元 内 で の 学 習 だけで な く,日 常生活 の 中 で も用 い なが ら定着 させ る必要 を感 じた。子 どもに話 をす る際 ,微 妙 な言 い 回 しに気 をつ けて い きた い 。 なお ,数 図 ブ ロ ックに よる操作 は口頭 に よ る表現が厳 しい 1年 生 の子 どもに とって ,有 効 な思考表現 となる。.
(8) 甲南女子大学研究紀要 第 46号. 90. 反復練習 を繰 り返す と「2人 い ます。5人 乗 りました。 」は 答え られるようになったが ,「 2人 い ます。5人 乗 りま し た。次に 3人 降 りま した。」 では手 が止 まり,状 況 を示す 絵 を見てか ら答えている。. 人間科学編 (2010年 3月. ). 発達段 階上 当然 なのか も しれ な い が ,2段 階 の 問題 は難 し い。入学前 ,電 車 ごっ こや ,も の を もらった りあげた りす る活 動 を通 して ,増 えた り減 った りする状況になれてお く とよい。. 単元名 :「 生活の中で」 【 】 解釈 ,望 む こ と. 子 どもの 実情 入学 して 2ケ 月後 ,明 日の連絡 の板書 を連絡帳 に写 させ る と,文 字 や行 を とば して い る。 lヶ 月 ほ ど続 け る と,少 な くな って きては い るが ,依 然 と して とば して しま う子が い る。. 平仮 名 を習 い たてで ,板 書 内容 を一 度認識す る こ とを面倒 に感 じて い る場 面 もあれば,認 識す る気持 ちが あ って も見 落 と して しま う場 合 もあ る。一行 ご とに立 ち止 りなが ら写 させ る と,間 違 い に くい が ,全 て を板書 した後 に写 させ る と,抜 け落 ちが 目立 つ 。 しか し入学 直後 に一言一言 ,一 行 ― 行正 しく書 き写 して い くこ とを期待す るこ とは子 どもに とって負担 であ る。 それだけに入学前 に,簡 単 に続 けて も の ご とを捉 える こ とに慣 れて ほ しい 。 (伊 Jえ ば ,教 師が黒 板 にカー ドを貼 り付 けた い順番通 りに,手 元 の カー ドを並 べ て い く等 ). 一裁 一裁 機. 全体 を提 えなが ら適 当 な字 や形 を適 当 な位 置 に書 くこ と は,大 人で も難 しい ときが あ るが ,あ る程度 レイア ウ トで きれば と思 う。入学 後 ,入 学前 ,ゲ ーム感覚 で ,決 め られ た スペ ース に,決 め られた もの を等 間隔 に置 くとい った活 動 が あれば よい。. 教科書 30ペ ー ジ を開 きま しょう と伝 え る と,開 けて い る 子 の ペ ー ジを覗 い て開 い て い る子が い る。下 に書 かれたペ ー ジの 数 30で はな く,30ペ ー ジに書 か れて い る大 きな文 字 ,絵 や写真 な どに注 目 し,ラ ン ダム にペ ー ジ を開 い て い る。. loま で の 数 しか習 って い な い ため ,仕 方 の な い こ となの か も しれ ない が ,視 覚 に頼 り思 いつ きで開 いてい る よ うに 思 える。 国語辞典 の 引 き方 に もつ なが るが ,順 番 に並 んで い る こ とを意識 し,見 当 をつ けなが ら開 くこ とで早 く見 つ け られ る とい う よさを感 じて い ない 。場合 に よって はその ペ ー ジを開けな い。順序数 を学ぶ小 学校期 に身 につ け させ る こ とで あろ う。. 給 食 の 配膳 で ,味 噌汁 をお玉 で掬 ってお椀 に入れ る とき お玉 か ら汁が こぼれて しまい お椀 に入 る頃は,お 玉 の 半分 以下 になる。. もの を容器 か ら容器 に移す こ と,欲 を言 えば,道 具 を使 っ て移す こ とに慣 れて ほ しい。お玉 や ス プー ンの よ うな道具 を用 い る と き,指 や手首の動 きに合 わせ て上 に乗せ て い る ものが ど う動 くのか ,感 覚 をつ か んで ほ しい 。 (例 えば お玉 を使 って水 をため る競 争等. ∩︶ △ △. 決 め られた スペ ース に名前 を書 くとき,前 の 方 に よつて書 い た り,は み 出 して書 い た りす る子が い る。 ( に しか わ ちづ ) ( に しかわ ちづ ) わ ち )づ (に し か. ,. ,. ). 朝顔 の 観察 で ,芽 が 1つ 出たが ,記 録 には 3つ の芽 を書 い て い る。. (事 例. 3)穴 田・福田の論文 『小学校第 1学 年 「 100ま. でのかず」における「主観知」 の獲得』 の分析. 1つ しか芽が 出て きて い ない こ とは捉 えて い る と思 われ. ,. こ うあ ってほ しい とい う願 い を書 い て い る よ うに感 じられ た。創 造性 が求め られ る場合 と客観性 が求め られ る場合 を 示す こ とが 大切 だ と感 じた。. 念 )で あ り,そ れぞれの主観的な知すなわち,「 主観 知」 である。 本事例 は,小 豆 を数えるとい う経験的 ・体得的な関. (ア )本 事例 について. わ りを通 して獲得 した「能動知」 と 2位 数のよみ方 ・. 本事例 は,論 文 『小学校 第 1学 年 「 100ま でのか. か き方を知る ことか ら獲得 した「受動知」 の融合か ら. ず」における「主観知」の獲得』 の元 となった実践か. 「主観知」 の獲得 を目指 した もので ある。 この実践か. らの考察である。. ら,「 主観知」 を獲得するための「 レデ イネス」 とし. 福 田は,「 子 どもたちに算数 を本当に分かってほ し. て備えておいてほ しい力,ま たは本単元 の学習 を可能. い,学 習 した ことを 『生 きる力』 として働かせてほ し. とす る力 ,す なわち思考 と認識 の源 となる力「源数. い」 とい う願 いか ら,「 学 び」 を大切 にする授 業 を積. 学」 について考 える。. み重 ねて きてい る。「学 び」 とは,「 知」 の獲得 であ り,そ れは,計 画的 ・意図的に教授 =学 習す ることに よって受動的に獲得する「受動知」 と,経 験的 ・体得. (イ. )授 業について. 本事例における授業 の方法 とその教育 目標 は. ,. 的に能動的な関わ りを通 して自ら培 う「能動知」 とい. (1)実 際に 10の 東 をつ くることが必要 となる場面. う,二 つの タイプの知 として考えることがで きる。 こ. で 10ず つ まとめる ことの よさを経験 ・体得 した. れ ら二つの知のダイナ ミックな融合体 は,主 体 (学 習 者 )一 人 ひ と りが獲得 した概念 が もつ 「意味」 (観. うえで 2位 数の表記法 を知ることによって,十 進 位取 り記数法 の しくみを捉 える ことがで きるよう.
(9) 船越. キュラムの開発に関する予備的研究 「算数」の学 びをつなげる幼小連携 かリ 「数量・形」と小学校 での 他 :幼 稚園における. 91. 時の各授業 における指導内容 と「源数学」 を示す。. にす る。. (2)さ らに (1)で 獲 得 した知 (2位 数 の し くみ ). )各 時の分析. か ら発展 的 に類推 して ,100以 上 120ま での 数 で. (オ. も十 進 位 取 り記 数法 の し くみ を捉 え る よ う にす. ■ 第 1時. る。 で あ る。児童 一 人ひ と りが十進位取 り記 数法 の しくみ. 第 1時 の「小豆 を数える」では,児 童は自分が掬 っ た小豆 を一生懸命 に数えは じめる。1つ ずつ数える児. を「主観 知」 と して獲 得す る こと を 目標 と して い る。. 童 と 2個 ずつ まとめて数える児童がい る。小豆が い く. 具体 的 な場面 の設定 として ,ス プ ー ンー杯 で掬 える. つあ るのか数えた本人だけでな く他人 にもわか りやす. 小豆 は適 当 な 100ま で の 2位 数 (40∼ 70程 度 )に な. い ようにと指示す ると,何 人かが数 えなが ら 10個 ず. る こ とか ら,ス プ ー ンー 杯 で 掬 った小 豆 を数 え させ. つ まとめてい く。それを見て 10ず つ まとめるのが よ. る。 この「小豆 を数 える」 とい う作業 にお い て ,児 童. い と気付 いた児童 は,10ず つ まとめ始める。皆 と同. は能動 的 に 10ず つ ま とめ る こ とを見 出 し,他 人 に も. じでは気 に入 らない児童 は,5個 ず つや,3個 ず つ に. わか りやす く示 す ため には ,10ず つ ま とめ るのが よ. まとめた。 この ときクラスメイ トとの関わ りのなかで 児童が行 った比較 は,も の ともの とを比べ るのではな. い と考 える よ うになる. (「. 能動知」)。 さ らに 2位 数 の. ,そ こでのふ た つ の 知 ,「 能 動 知 」 と「 受 動 知 」 が 融 合 し,そ の 結 果 ,児 童 一 人 ひ と りが 「100ま でのか ず」 につ い ての よみ 方 とか き方 を知 る. (「. 受動知」)と. 「意味」 であ る「主 観知」 を獲 得す る と期待 され る。. (ウ. くて,自 分 の考 え方 と他人の考 え方の比較 である。 こ のことは,新 しいことを学ぶ ときに,自 分や他 人の考 え方 をモニ タしなが ら両者 を比較することによつて解 決に向か う姿勢 や態度が必要 であることと,小 学 1年 生の児童で も,そ の多 くはそのための能力を有 してい るとい うことを示 してい る。. )本 事夕1の 「主 観知」 につい て. 本事例 で獲得 を 目指 した「主観知」 を,次 の よ うに 挙 げ る こ とがで きる。 (小 豆 な ど,)か ず を数 える と きに は ,10ず つ. まとめ るのが よい と考 える。. 2位 数 の大 きさを量 と して捉 えるの に,10ず つ ま とめ るのが よい と考 える。. 2位 数 の場合 の十進位取 り記 数法 につ い て ,10 の ま とま りの 数 (十 の位 )と 残 りの 数 (一 の位 ) を並 べ て表記す る記数法の構 造 を自覚す る。. 2位 数 の大小 につ い て ,十 進位取 り記 数法 と関 係付 け て捉 える。 数 100に つ い て ,百 の位 の 数字 「 1」 の意 味 を. 2位 数 の十 の位 の 意味 か ら類 推 的 に捉 える。 2位 数 の大小 と順 序 につ い て ,十 進位取 り記 数 法 に よ り捉 えた もの と数直線上 で視覚 的 に捉 え た もの を関係付 け て理解 す る。. しか し,ほ とんどの児童が,10個 ずつ まとめて,10 個 ,10個 ,… ,10個 と数えるのが他人にも一番 わか りやす いこ とを納得す る一方で,一 つずつ数えること に夢 中で,ま とめることをしない児童 も数人い る。 ■ 第 2時 第 2時 の「す でに知 っている 20ま での数 を分解す る」 では,20ま での数 を 2つ に分割す る。 この問題 では分割 される一方が決 まってお り,他 方 はい くつか とい う分割 である。授業 では,10と い くつ に分 け る ことが簡単 である ことを気付かせた。 日常生活 の中で は,意 識 は してい ないが十進法 を使 っているため,一 方 を loで まとめる と,他 方 は 10に なれなか った残 り である。そ して,そ の残 りを答 えるのはわ りと簡単 で ある ことに気付 くように意図的,誘 導的 に指導 した。 その後 ,再 び小豆 を数えると,前 時 よ り 10ず つ まと める児童が増えたが,相 変 わらず,一 つずつ数えるこ とだけに夢中な児童 はい る。 ■ 第 3時 第 3時 の「位取 リシー トに積み木 をのせ る。2位 数. (工 )指 導内容 と「源数学」 との関係. 本事例 では,上 記 の「主観知」 の獲得 を目指 して 次のペ ージの表 6に 示す ような指導内容 で授業 を行 っ ,. の表記法 を知る」では,十 の位 と一の位 を,そ れぞれ 「十の (ま とま りの)部 屋」 と「十 にならない残 りの. た。対 象児童 は大阪市 立小学校 の第 1学 年 (26名 ). 部屋」 に見立てて指導 した。一の位が十になった ら. で,授 業 は平成 20年 2月 15日 ∼3月 4日 に行 った。. 隣 りの部屋 に行 くことは,抵 抗 な く受け入れた。「 10. 以下では,指 導内容 とそれぞれ の場面 で必 要 な. 個 になったら,十 のお部屋」 とい う発言 もみ られた。. ,. 「源数学」 との関係 で分析す る。 また表 6に は,全 12. ,. 残 りがな く, ち ようど 10の まとま りがで きた とき ,.
(10) 甲南女子大学研究紀要 第 46号. 人間科学編 (2010年 3月. ). 表 6 事 例 3に お ける指導 内容 と源数学. 指導内容 第 1時 第 2時 第 3時. 源. 数. 基礎 となる事柄. 学. 比較する対象が「考え方」になってい る 10と 残 り. 位取 リシー トに積み木をのせる。 まとめて数 える 総 合. 10ず つ まとめることか ら新 しい単位 をつ くる. 第 4時. 10ず つ ま とめ る こ と を意 識 しな が ら,2位 数 を書 く。. 第 5時. 「に じゅうろ く」 を 206と は書か ないこ とを説明す る。. 分類. 根拠性 観点変更. 2位 数 の 構 成 か ら,大 小 を捉 え 士ヒ車交 る。63と 48の 大小. 第 7時. 「99に 1増 えると 100」 を知る。. 10日 寺. 100ま で の 数 を表 に書 き,規 則 性 (ひ み つ )を 見 つ け る。. 0123456789 10 11 12 13 14 15. 2021 22232425 第. H時. -・. …・. 第 12時. 連続性 ・系列. 。 「 (26の 2を 指 して)loが 2個 ある」 。 「前 に習 った,じ ゅうい ちは,101と 書かなか った」 「十の位だけで いい。一の位 は関係 な い」 は じめ の ブ ロ ックの 数 (99個 )を す ぐに答 えた児 童 は ,loが 9個 とバ ラ が 9個 あ った と説 明 した. 総合 抽 象化 。一 般化. 一 の位か ら十 の位 へ の結集か ら,十 の 位 か ら百 の位 へ の結集 を類推 す る. 「上の段だけ,十 がつかない」 「右に増えて,左 に減る」 「斜 めに同 じ数字 11,22,33,44,… 」. 交 士 ヒ車 分類 川 頁序 量 距離 連続性 。系列 整理. 2位 数 を数 直線 上 で視 覚 的 に捉 え 川頁序 る。. 分析 本 質性. ま とめて数 える. 第 8∼ 9時 十 の 位 が 10に な った ら,百 の 位 結 合性 の 1と なる こ とを理 解す る。 第. 児童 の発言 な ど. す で に知 って い る 20ま で の 数 を 分 割 分解す る。. 2位 数の表記法 を知る。. 第 6時. 考. 2個 ずつ,5個 ずつ. ま とめて 数 える 比較. 小豆 を数 える。. 備. 見方 。考 え方. 観点変更 関係性 映像化. 2位 数 の ま とめ をす る。. 一 の位 は 0と なる こ とにつ い て ,一 の位 の部屋 に入 る. こ とが十 分 にで きて い ないの か もしれ ない。 自覚性 と. べ きもの は 0で あ り,「 な い か ら」 とい う説 明 もで き. 随 意性 を伴 った 「主 観 知」 を獲 得 した児 童 は ,「 (26. た。. の 2を 指 して ,)10が 2個 あ る。」や 「 (に じゅ うは 20. ■ 第 4時. と書 くこ とを根拠 に して ,)20が あ って ,0を 6に 替. 第 4時 の「 10ず つ まとめ る こ とを意識 しなが ら,2. える。」 な どの 根拠 を用 い て 説 明す る。 また ,「 (前 に. 位 数 を書 く」 で は ,36個 の 積 み 木 を位取 リシ ー トの. 習 った ,じ ゅうい ちは,)101と 書 か な い で ,Hと 書. 上 に,10ず つ ま とめ た ものが 3列 と残 りが 6個 を並. い たか ら」 と観点 を変更 した説明 もあ った。. べ る こ とが で き,そ れ を数字 で か く と き,36と 表記. ■ 第 6時. す る こ とを知 る。 10ず つ ま とめ て 新 しい 単 位 をつ く. 第 6時 の 63と 48の 大小比較 は,問 題 の本 質性 を提. り,36の 3は ,そ れが 3つ 分 であ るこ とを意識す る。. え,十 の 位 だけ比 較す れ ば よい こ とを,「 一 の位 の 決. ■ 第 5時. 闘 は 関係 ない」 と 2位 数 の大小比較 の本 質 をみ ぬ い た. 第 5時 の「『に じゅうろ く』 を 206と は書 か ない。」 で は ,児 童 が 自然 に無 意 的 に行 って い る こ と (26と 書 くこ と)を. 説明が で きた。 ■ 第 7時 第 7時 で は ,プ リ ン トに書 か れ て い る (99個 の ). ,自 覚 的 に随意 的 に行 う こ とを要 求 し た。206と 表記 した こ とに対 して ,そ の 誤 りを 「0は. ブ ロ ックを数 えるの に,「 普通 にブ ロ ックの縦 の かず. つ か ない」 や「真 ん 中 の Oを な くした ら,に じゅうろ. を数 えて ,10が 何 こあ るか を数 えて ,9こ あ った ら. く」 とい う説明 をす る児童 は,も しかす る と,適 当な. (残 りの 9個 と合 わせ て)0・ ・99。 」 と説 明 し,10ず. 状況 の なかで習得 した 2位 数 の 表記法 を技 能 と して機. つ まとめた もの を数 える ことで ,す ばや く全部 の 数 を. 械 的 に操作 して い るにす ぎず ,構 造 を随意 に使用す る. 答 える こ とがで きた。. ,.
(11) 船越. キュラムの開発に関する予備的研究 「数量・形」と小学校での 「算数」の学 びをつなげる幼小連携 かリ 他 :幼 稚園における. 93. を用 い る ことを 自覚す る態度があ る と考 え られ る。. ■ 第 8∼ 9時 第 8∼ 9時 で は,「 100」 の「 1」 の意味 を 2位 数か ら. ・他 人 の こ とばの微妙 な表現 の違 い を正 しく理解 で. 類推 して さ らに新 しい単位 (百 を単位 )と してみ る と. きる。 ・逆 に,自 らの こ とば を他 人 に発す る ときには適切. い う捉 えをさせ たか ったがで きなか った 。. ,loが 10イ 固あ る こ とは 理解 してお り,そ こか ら,loが H個 で HO,12個 で. な表現 をす るこ とがで きる。. 児童 らに とって は,looは. また , も ともとは, もの ともの を (観 点 を決 めて). 120と な る こ との ほ うが 理 解 しや す い 。 この と き DttБ 屋 に 10が 104固 , 114固 , 124固 100, 110, 120と 一 l θ. 比 べ る「比較」が ,他 人 との コ ミュニ ケ ー シ ヨンの な. と入 つてい る。. 比較が行 われた こ とか ら. ,. かで ,比 較 の対 象 が「考 え方」 にな り,さ らに高次 な ,. つ ま り,児 童 らには ,こ れ まで学 んだ こ とが ら (2. 0新 しい ことを学 ぶ ときに,自 分 や他 人の考 え方 を. 位 数 の記 数法 )を 統合 して「 100」 に適用 しよ う とす. モ ニ タ しなが ら両者 を比較 しなが ら解 決 に向か う. る態度が十分 に認 め られた。十進位取 り記 数法 へ の抽. こ とがで きる。. 象化 ・一 般化 を行 お う とす る とき,た だそれが ,2位. な どの 能力 も必要 であ る と考 え られ る。. 数 の構 造 の まま (2つ の 部屋 に)適 用 しよ う と して い. また,本 事例 の教育 目標 であ る十進位取 り記数法 の. たため ,新 しい単位 と しての百の位 をつ くるこ とが 困. しくみ を理解す るため には,一 の位 か ら十 の位 へ の結. 難 で あ った。. 集 を小豆 を数 えて経験 した よ うに,具 体 的 な経験 の場. ■ 第 10時. を設定 してや る こ とが必 要 で ,そ れ に よつて ,各 位 に. 第 10時 は ,1か ら 100ま で の 数 が書 か れ た 表 を見. 入 る数 (字 )は 0か ら 9ま でであ る こ と,10に な った. なが ら,児 童 らが見 つ けた並 びに関す る規則 を発表 し. ら次の位 へ 進 む ことを,十 の位 か ら百 の位 へ の結集 で. て い く。規則 を見 つ け るための ,基 礎 となる事柄 と し. も,場 面設定 してや る こ とが必 要 で あ る。そ して ,結. て,比 較 ,分 類 ,順 序 ,量 ,距 離 ,連 続性 ・系列 ,整. 集 に よって つ くられ た新 しい単位 を,日 本語 の枚 とか. 理 な どの力が必 要 で あ る。. 本 とか 個 とい う助 数詞 と関連付 け て ,た とえば ,100. H時 第 H時 は,2位 数 の 大小 や順 序 を十進位 取 り記 数. ■ 第. は「 1枚 」,200は 「2枚 」 とい う言 い 方 を用 い る こ と も者5合 が よい か もしれ ない。. 法 の しくみで捉 えた もの を数直線上 で捉 える よ うに観 お わ り に 一今 後 の 研 究 課 題. 点変更 し,両 者 を関係付 け る。 また,数 直線 上 で は数 の系列 が映像化 されて捉 える こ とがで きる。 1。. )本 事例 か らの考察 本事夕1か ら,十 進位取 り記 数法 の しくみ を理解す る. (力. で は 4-6歳 の 数理 認識 の発 達 の重 要 な特 質 をお. さえ,2.で は幼稚 園 と小 学校 1学 年 の 数理認識 にか か わ る教育 (指 導 )要 領 を検討 し,3。. で は実践 現 場. ための「源 数学」 を以下の よ うに整理 す る ことがで き. か らの子 どもの経験 活動 ,学 習 の つ まず きを掘 り起 こ. る。. してみた。. 010ず つ ま とめ て ,新 しい単位 を作 る こ とが で き る。・……… [ま とめて 数 える]. 以下 に,こ れ らの基礎 資料 か ら浮 き彫 りにな った研 究課題 を箇条書 きで挙 げ る。. ・十 に満 たない ときは「一 の位 」,10ず つ ま とめた. (i)4-6歳 は知覚 と思 考 の分 離 が は じま り,身 体 や. 分 は「十 の位」と新 しい単位 で分類が で きる。 ……. 知覚 に しば られた直観 的思考か ら論理的思考が芽生 えて くる時期 で あ る。 リテ ラシ ー と数量 ・形 の教育. … [分 類 ] ・2位 数 の しくみ を根拠 を もとに説 明す る こ とが で きる。 …… … [根 拠性 ]. 02位 数 の大小比較 には,大 小 を決 め る十 の位 に着 ……… [本 質性 ] 目す るこ とがで きる。 。 ・2位 数 の しくみ を 3位 数 へ 拡張 して考 える こ とが で きる。 ………… [総 合 ,抽 象化 ・一 般化 ]. は幼稚 園教 育要 領 で い う ところの 「感 覚 を養 う」 「興味 ・関心 を培 う」 か ら,子 どもの「確 か な学 び」 につ なげて行 く必要 が ある よ うに思 われ る。 ・幼児 学 習塾 (五 )一 方 で ,一 部 の 幼稚 園や幼 児教 室 で は,「 感覚 を養 わず」「興味 ・関心 か ら外 れた」方 法 で ,子 どもの主 体性 を伴 わ な い ,「 教 え込 み」 や. さ らに,こ れ らの源数学 と相乗効果 を もた らす要 因. 「練 習 の繰 り返 し」 に よる リテ ラシ ー教 育 に走 りす. として ,言 語 とコ ミュニ ケ ー シ ョンの 能力及 びそれ ら. ぎて い る ところ もあ る。子 どもの小学校入学 を前 に.
(12) 甲南女子大学研 究紀要 第 46号. 94. 人間科学編 (2010年 3月. ). して多 くの保護者 は これ らの教室 に子 どもを通 わせ. 小 学 校 へ 進 む こ とに よって ,算 数 の 学 習 にス ム ー ズ. て い る。 幼稚 園 での実態調査が必要 で あ る。 また. に入 って 行 け ,数 理 認 識 の 発 達 が期 待 で きるの で あ. ,. 小学校側 か らは,入 学前 の幼児教室 へ の通塾 が もた. る。 この た め に ,幼 稚 園 で の 保 育 実践 の 中か ら「源. らす メ リッ トとデ メ リッ トが報 告 されて い るのでそ. 数 学 」 を掘 り起 こ し,小 学 校 算 数 との 関連性 を明 ら. の 実態 を調査 し検討す る必 要があ る。. か にす る と と もに ,小 学校 か らは ,算 数 の 学 びの実. (面. )幼 稚 園 での 数量 と図形 の 指導 法 を研 究 し,設 定. 保 育 に取 り入 れ る必 要 が あ る。例 えば ,「 数 えて. ,. 態 か ら,幼 稚 園 で の 学 び に求 め られ る経 験 活 動 を掘 り起 こ して行 くこ とが必 要 で あ る。. 全部で い くつ 」 とい う数量 の学 び を考 えてみ よ う。 「 数 える」 には,ア )実 物 を数 える,イ. )半 具 象物 (積 木 ,タ イル ,お は じき等 )を 数 える,ウ )身 体 の部分 (5本 の指 ,二 つ の 日)を 数 える,工 )動 作 0身 体運動 (竹 馬 で何歩 ,縄 跳 び を何 回,等 )を 数 える,オ )人 数 (お 休 みのお 友 だち,グ ルー プの人 数 )を 数 える,力 )抽 象的 な事柄 (何 歳 ,何 日た つ た ら運動 会 ,等 )を 数 える,な どが あ る。 抽象 の抽 象 で あ る 「数」 の 認識 にお い て は,「 実物 ⇒ 半具 象. 物 ⇒ 数」 となるのが基 本原理 で あ る。 これ を設定保 育 に組 み込 む際 は,小 学校 の よ うな授 業 とい う形態. 参考・ 引用文献 船越俊介 1998 数理認識 の発達 と教育. 学部児童発達研究 第 1巻 37-43頁 船越俊介 1980 算数教育における “ 遊 び"の 教育効果 に つ い て 神戸大学教育学部研究収録 第 64集 65-75 .. 頁。 、 波多野完治 1965 ピアジェの発達′ 亡 理学 要施策 と課題 頁. 教育委員会月報 4月 (第 703号 )11-23. 文部省 1964 幼稚園教育要領. フレーベ ル館。. しての設定保育 で あ る。その際 ,教 師 には数理 の系. 文部省 1989 幼稚園教育指導書. る。小 学生 では仮説実験授業やデ イベ ー トの よ うな 集 団思考が有効 で あ るが ,幼 児 にあ っては あて は ま らな い。 また幼児期 の論理的思考 には個 人差が大 き. 領域編. 自然. フレー. .. 58頁. 発が必要 であ る。思 考 は一 般 的 に個 人的 な もので あ. .. .. ではな く,あ くまで学級全体 で行 う「遊 び活動」 と. (iv)(面 )に 関連 して数理認識 を促す遊具や教具 の 開. 国土社. 文部科学省初等 中等教育局 2008 初等 中等教育関係 の重. 文部省 1970 幼稚園教育指導書 ベ ル館. 統性 の理解が強 く求 め られる こ とになる。. 神戸大学発達科. 増補版. フレーベ ル館. .. 日本幼年教育研究会 1989 幼稚園教育 は ど う変わるのか 明治図書 52-53頁. .. 澤田麻衣子 ・船越俊介 2005「 フレームモデル」 を用 い た 数理認識 システムのモデル化 ―数学 の学力 の様相 を表 す「6層 構造 のモデル図」 神戸大学発達科学部研究紀 要. 第 12巻. 第 2号 9-21頁 。. い。 モ ンテ ッソー リ 0メ ソ ッ ドを引 き合 い に出す ま. 自川蓉子他 2004 育ちあう乳幼児教育保育 有斐閣 白川蓉子他訳 2007 乳幼児教育 における遊 び 一研究動向. で もな く幼児 の学 びは個別 に遊 具 や環境 とかか わる. と実践 へ の 提 言 (translated iom Oo No Saracho&B.. こ とに よって促進 され る。. (v)小 学校. Spodek(ed):Contemporary Perspect市 cs on Play in Early. 1学 年 の学 習指導要領 「算 数」 と算 数 の. 教科書 を検討 した結果 ,幼 稚 園 での経験活動 に もと づ くものが 多 くみ られた。 したが って源数学 的 な経 験 活動 を幼稚 園 の遊 びの中で じっ くり溜 め込 んで. .. ,. Childhood Education)培 風倉 官。. 穴田恭輔 ・福 田裕美 2009 小学校 第 1学 年 「 100ま での かず」 における「主観知」の獲 得 会誌. 第 22号 9-21頁. .. 近畿数学教育学会.
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