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コートジボアールでの協力活動を終えて

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Academic year: 2021

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ミツバ チ科 学

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コー トジボアールでの協 力活動 を終 えて

筆者 は

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月か ら

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年 までの2年 4か月間, 西 アフ リカの コー トジボアール共和 国 (以下象牙海岸)のカチ ョラ県 カチ ョラ市 に あるアフ リカ開発援助事務所 (以下AID)とい う

NGO

に青年海外協力隊 の養蜂隊員 と して派 遣 された.象牙海岸 は北緯

5

度,西経

5

度 に位 置す る.南 はギニア湾に面 し, ガーナ, リベ リ ア, ギニア,マ リ, ブルキナファソと国境 を接 す る国である (図 1).面積 は北海道 の約4倍, 人口はおよそ東京都 とおな じで首都 はヤムスク ロである. しか し実質上の首都 はア ビジャンで 人 口は

200

万人を超 え る西 アフ リカ きっての 大都会である (図 2).

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年代か ら

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80

年 代 にかけて 「象牙の奇跡 (ミラクル ・イポ リア ン

)

」 とい うコー ヒー ・カカオを中心 と した高 度経済成長 を遂 げ 「黒 い日本」 と呼ばれたが, コー ヒー ・カカオ市場 の低迷 とともに経済 も衰 退 していった. 象牙海岸の気候 は,熱帯雨林,熱帯 サバ ンナ に占め られている.また1年 は雨季 と乾季 に区 別 されている. 私 の赴任地であ ったカチ ョラ市 は, ア ビジャ ンか ら北

-400

km

(バス約6時間) のところ 図1 コートジボアール共和国とカチョラ市の位置

松岡 満男

で, 熱帯 サバ ンナに属 している.

6

-9

月の雨 季, そ して

1

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∼3

月の乾, その他が存在す る.雨季 といって も

1

日中雨が降 る日はほとん どな く,激 しい夕立のよ うな一時的な雨が一 日 に一度降 るぐらいである. 日中の気温は高 い. また,乾季の中で も特 に11月∼2月はハルマ ター ンと呼ばれ一滴の雨 も降 らない日が続 き, また強い季節風 によってサ- ラ砂漠の砂が運 ば れて きて苗に舞 い,町中がぼんや りかすんでい て とて も挨 っぼ くなる.太陽の光が妙 により遮 断 されるので比較的涼 しい. Ⅰ

象牙海岸における養蜂

養蜂の歴史 は古 く,現在 で も伝統的な手法が 存在す る.伝統的方法 によ って採 られたハチ ミ ツは

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(焼かれた-チ ミツ)"と呼 ばれている.養蜂家たちは日中に見つけた野生 の蜂群を夜中に強襲す る,火を使 って蜂 を追 い 払 い,巣 を全部切 り取 り採蜜す る.色は黒 く, かな り焦 げ臭 い-チ ミツで クセ も強 い. 近代養蜂 につ いて いえば まだ まだ歴 史 は浅 い. カチ ョラ市周辺 においていえば

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980

年 代半ばより農業省の家畜部 と ドイツの援助 によ 図2 アビジャン中心部

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136 図3 バオバブの木に営巣 した野生群 って始 まった.普及方法 は,養蜂希望者 を募 り, 養蜂道具一式 を販売 し,1-2日の簡単 な研修 の後 に実 際 に蜂 を飼育 す るとい う方 法 で あ っ た. Ⅲ

象牙海岸の ミツパテの特徴

存在す る ミツパテはいわず とも知れたアフ リ カ蜂 であ る (図3).噂 に聞 いて いた以上 に凶暴 で,内検 をすれば,巣箱 の蓋 を開 けた途端 に彼 女 たち (ミツバ チ)が飛 び出 し,面布 に もび っ しりと蜂 が張 り付 き, また大量 の蜂 の体当た り を自分の体で感 じることがで きる (図4).内検 後 も彼女 たちは,体 にまとわ りつ き,草 む らで じっと して いて もいな くな るまでに

30

分 くら いかか る.周辺住民 たち も彼女 たちにかな りの 恐怖感を抱 いてお り,内検す ることにかな り敏 感であ った (図5). 最初の頃 は私 もロシア式面布 を使用 して いた が,彼女 たちの激 しい攻撃 に耐 え られず に,面 布 と服が一体化 した ヨー ロッパ式 の ものを使用 した. あと彼女 たちは, 内検時 には大部分が外 に飛 び出 し巣箱 の壁 などに張 りついている. 象牙海岸 に は2種 類 の ア フ リカ蜂 が存在 す る,黒 い体を したabeillenoire(アベイユ ・ノ ワール) と普通 の ミツバ チ と同 じ色を した ab-eillejaune(アベイユ ・ジ ョー ン) であ る. 彼女 たちの性質 は,逃去 しやす く,花が少 な くなる乾季 の始 ま りの時期 などには些細 な取 り 扱 い ミスで多 くの群 を逃 が して しま うことにな る. また花蜜 を集 め ると同様 にプ ロポ リスを集 め ることが大好 きであ る. 図4

巣門で警戒を強めるミツパテ

実際の活動 (

1年 目)

私 が配 属先 であ るAID か ら要請 された事項 は以下 の通 りであ った. ・養蜂 の普及 と理解 ・組織 の グループ化 ・青少年婦人を対象 と した養蜂講習会の開講 ・蜂 の生産物 を利用 しての現金収入の確保 ・近代的養蜂への転換 配属先 は創設 されたばか り, さ らに私が初代 の隊員 とい うことで何か ら手 をっ けてよいのか わか らなか った. しか し, とりあえず歩 いてい ける範囲で一軒ずつ養蜂家 の家庭 を訪問 して話 を聞 くことに した (図 6).すでに活動 をやめて いるもの もいたが, きっか けがあれば再開 した いとい う者 もいたので養蜂 に対 して興味がある 者 を募 っての会合を企画 した. その結果,養蜂 講習会 の開催が決定 され, 過 に1-2回程度で 撫料で行 うことに した. フランス語での講習で あるか ら準備だ けで も 大変 で,友人 たちに助 け られなが ら何 とか乗 り 図5 内検 中の筆者

(3)

図6 養蜂家 とともに 切 ることがで きた.基本的 な ことばか りであ っ たが,養蜂 に興味 を持 たせ ることが 目的だ った ので楽 しくやれ た と思 う.最初 は受講者 も

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名程度 いたが,熱意 のない者 は脱落 してい き, 最終的 には12名程度 にな った. 講習会を続 けて いる間 に実際 に蜂場 で活動 す るための必要最小限の服 や道具 を隊員支援経費 を利用 して準備 した.現地 の仕立屋や板金屋が 見 よ う見 まねで作 った ものであ ったが形 だけは 整 った.そ して講習会を始 めて3か月後 にや っ と蜂 場 に出て, 実 際 に蜂 に触 れ る ことがで き た,ち ょうど近 くの小学校 で8群 はど飼 って い るところがあ ったので (図7),学校が休みの土 曜 日の早朝 に行 うことに した.蜂 に対す る恐怖 感を払拭 させ るために, わざと刺 されて見せた り, たまに手 袋 な しで蜂場 に出た りした.彼 ら に も蜂針 の痛 みを理解 して もらうために刺 され るよ うにア ドバ イスを した りもした. しか し実 際 には彼 ら以上 に筆者 が学 んだ ことの方 が多か ったよ うだ (図8).1年 目にやれた ことは この 図7 講習会を行った小学校の蜂場 137 講習会 と, あ とは小学校 の上級生 を対象 に行 っ た自然 と養蜂 の5回 シ リーズの講習会 (図 9), そ して配属先 の指導者 の育成だけであ った.何 しろ単車 の貸与 が遅 れ, どこにい くに も歩 いて だ ったので必然的 に活動範 匪=ま狭 め られた. Ⅳ 実際の活動 (2年 目) 国連開発計画 (UNDP) の援助 で巣箱 を導 入 す ることにな った.当初 の計画で は,15枚 の ト ップバ ーを収納 で きる小型 のケニア式巣箱 を導 入 しよ うと してモデルを作 った りもした. しか し発注す る段階 にな り筆者 が フ レグモーネとい う細菌性 の感染症 を患 い,腐桃腺 の摘出手術 な ど も行 ったので2か月 の休養 を余儀 な くされ た. その間 に も巣箱 の話 は着 々 と進んだ. しか し私 の不在 の間 に注文 されたのは日本式 の ラ式 巣箱 であ った,私 も予想外 の ことで驚 いたが仕 方 な く, とりあえず導入す ることに した. これまで は,巣箱 の中の巣板間隔がバ ラバ ラ で, かな り太 い針金 をそのまま使用 して いた と ころ もあ ったので, トップバ ー自体の幅をアフ リカ蜂用 に3.2cm に した (図10) また巣 をま っす ぐに作 らせ るために下部 は三 角形 に した. 病気療養中にバ イクを貸与 され, この巣箱 を 持 って周辺4か所 の村 々で の養蜂講 習 会 を開 始 した. また前年度 の講習会 に参加 した青年 た ちが中心 とな り現地語 での講習会 も開かれた. 筆者 がだ らしないので周 りの若者 たちが自主的 に動 いて くれた ことは大変 に うれ しい限 りだ っ た. 図8 蜂場での講習の後で

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138 図9 講習会に参加 した学生たち

採 空 今までの採蜜 は夜 に懐 中電灯を持 って行 うの が普通であ った. これは夜の方が ミツバチがお とな しいと信 じられているか らである. しか し 視界が悪 いので採蜜時間が長 くな り, そのこと が逆 に彼女 たちの機嫌を損ね,障害 にな ってい るようだ ったので,早朝採蜜を指導す ることに した.前 もって内検す ることで蜜の有無 を確認 し,仕事をスムーズにす ることを教えた. 日の 出前 には蜂場でスタンバ イ し,明 るくなると同 時 に採蜜を開始 してで きるだけ素早 く終 わ らせ るように した.実際 に絞 るのは圧搾機 を使 って 行 った (図11). また癒過器 は日本製 の3重 み つ こしを用 いて可能 な限 りに蜜の見映えを良 く しようと試みた. この方法 によって良質 のハチ ミツを確保す ることがで きた.これ らの蜜 はle mielclair(透明の-チ ミツ) と呼ばれ販売 の 成果 もまずまずであ った.

反省点 以上 のよ うに活動を簡単 にであるが振 り返 っ てみ ると,筆者 の力のなさを思 い知 るばか りで 図 10 トップバ ー 図11 圧搾器で蜜を搾り出す ある. 一応,女王蜂 の人工養成や ローヤルゼ リーの 採取 の仕方 について も見せは した ものの実際に 応用 はで きなか った. また何 とか少 しだけで もいいか らミツバチの 性格を変えようと したが力が及ばなか った.内 検 について もや り過 ぎのためにかえ って蜂群の 勢 いをそ ぎ,蜂群を減 らす結果 に終わ った時期 もあ った.彼女 たちの ことを理解で きるよ うに な って きたのは任期が残 り少 な くな ってか らで あ った. しか し,遵良 く後任の隊員が見つか り, また 彼が筆者 よ り数段上 の レベルの ミツパテの知識 があるので,何の不安 もな く象牙海岸を去 るこ とがで きた. 最後 に,多大 なご指導 を賜 った(秩)下鳥養蜂 園の下鳥大作社長, また養蜂のイロハを教 えて くれた谷口金次郎氏, そ して玉川大学の吉田忠 晴助教授,活動 を支えて くれた多 くの方 々に感 謝の気持 ちをお送 りいた したい. (〒861-41熊本市野 田2-30-54)

MATSUOKA,MITSUO Beekeepingdevelopmentin Celte d'Ivoir.e.HoneybeeScience(1996)17(3)I

135-138.

Theauthorhasworked to develop beekee p-inginaruralareaofCe・ted'lvoireasamember of Japan Overseas Cooperation Volunteers ThlSreportdescribeshisactivitleSin thepr o-jectandalsotherecentstatusofbeekeepingin Celted'IvoireinWestAfrica.

図 6 養蜂家 とともに 切 ることがで きた.基本的 な ことばか りであ っ たが,養蜂 に興味 を持 たせ ることが 目的だ った ので楽 しくやれ た と思 う.最初 は受講者 も 30 名程度 いたが,熱意 のない者 は脱落 してい き, 最終的 には 1 2 名程度 にな った

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