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教育実習後における課題探究型学習のための教育方法の開発に向けた予備的研究

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(1)Title. 教育実習後における課題探究型学習のための教育方法の開発に向けた予 備的研究. Author(s). 星, 裕; 福岡, 真理子; 越川, 茂樹. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 68(2): 611-621. Issue Date. 2018-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9683. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第68巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 68. No.2. 平 成 30 年 2 月 February, 2018. 教育実習後における課題探究型学習のための教育方法の開発に向けた 予備的研究 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹* 北海道教育大学釧路校 *. 北海道教育大学釧路校保健体育研究室. Pilot Study of Development of Teaching Methods for Problem Solving Learning after Teaching Practice HOSHI Yutaka, FUKUOKA Mariko and KOSHIKAWA Shigeki* Kushiro Campus, Hokkaido University of Education *. Department of Health and Physical Education, Kushiro Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 本研究の目的は,教育実習後の学生が授業実践上の課題を探求することを目的として設定さ れる科目「学校臨床研究」の中に,双方向遠隔システムを活用した授業観察・双方向交流を取 り入れることにより,新たな教育方法を開発することである。授業試行段階の今回は3コマを 1ユニットとし,授業の観察前に指導案の検討を通して自己課題を中心に観察する視点を設定 し,観察後には授業者への質問や学生間での交流を図ることで課題についての理解を深めるこ とができるように授業を設計した。その結果,教育実習等を通して学生が抱えていた課題を, 授業観察を中心として考えていくという学習過程は一定の効果があったと考えられた。特に, 双方向遠隔授業システムを活用し,授業観察後の授業者と交流したことは学生の学びを深める 上で大きな機会となった。一方,学生同士での交流をいかに深い学びにするかということが今 後の課題となった。. 1.はじめに. を通して明らかになった課題を教職実践演習(仮 称)で重点的に確認したり,必要に応じて補完的. 平成18年7月11日に中央教育審議会答申「今後. な指導を行うなどの工夫を図ることが適当」(中. の教員養成・免許制度の在り方について」が出さ. 教審,2006)と示している。さらに,教職指導の. れた。その中で, 「教職実践演習」を新設する場合,. 充実に努めることが必要であることにも触れ, 「同. 教育実習との関係を整理することが必要であると. 学年や異学年の関わりを通して相互に学習し合う. し, 「具体的には,教育実習やその後の事後指導. 集団学習の機会を充実するとともに,インターン. 611.

(3) 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹. シップや,子どもとの触れ合いの機会,現職教員. 2006)には,期間が空きすぎている。そこで,3. との意見交換の機会等を積極的に提供することが. 年次後期に「学校臨床研究」を位置付けることで,. 必要である」 (中教審,2006)と指摘している。. 教育実習とのカリキュラム上の関連を図ることを. また,平成27年12月21日に同じく中央教育審議. 意図している。. 会より「これからの学校教育を担う教員の資質能. また, 「学校臨床研究」の実施に当たっては, 「同. 力の向上について~学び合い,高め合う教員育成. 学年や異学年の関わりを通して相互に学習し合う. コミュニティの構築に向けて~」が答申された。. 集団学習の機会を充実する」ことや「現職教員と. その中では,教員養成段階において新たな教育課. の意見交換の機会を積極的に提供すること」(中. 題に対応できる力の基礎を育成できるように「ア. 教審,2006),「教員養成課程における授業そのも. クティブ・ラーニングの視点からの教育の充実の. のを,課題探求的な内容や,学生同士で議論をし. ためには, 教員養成課程における授業そのものを,. て深め合うような内容にしていくこと」 (中教審,. 課題探究的な内容や,学生同士で議論をして深め. 2015,p. 42)を意図して行うことにした。. 合うような内容としていくことも求められる」 (中. 平成28年度については,翌年の本格実施に向け. 教審,2015,p. 42)と指摘している。. ての試行実施を行うことにした。試行実施を行う. 北海道教育大学(以下,本学と記す)において. ことにしたのは,二つの理由がある。. も,第3期中期目標の中で,「学校における“新. 一つ目は,教育実習やその後の事後指導を通し. たな学び”に対応するための,アクティブ・ラー. て明らかになった課題を学生が探究していく上. ニングやICT教育等を取り入れた大胆なカリキュ. で,どのような教育方法が良いのか検討するため. ラム改革」 (第3期中期目標,2016,p. 1)を重. である。試行実施を行うために構想した授業の流. 点の一つとし,「平成28年度 国立大学法人北海. れは,次の通りである。まず,教育実習の課題を. 道教育大学 年度計画」 (以下,h28年度計画). 基に,授業を観察する視点を設定する。その視点. の中に, 「学生の主体的・能動的学修を実質化す. を中心に本学で導入した双方向遠隔授業システム. るため,第2期中期目標期間に教職大学院等で. を活用して学校で実施している授業の様子を大学. 培った双方向遠隔授業システムのノウハウを活か. 側から観察し,観察後にはそのシステムを活用し. しつつ,学校現場の活用も見据えた教育方法の改. て学校にいる授業者と大学にいる学生で質疑応答. 善 (アクティブ・ラーニング,ICT教育の導入等). を行う。その後,学生同士がグループや全体で,. に取り組み, 学生の学修時間を確保・増加させる」. 交流する時間をとるという以上の流れを3コマで. (h28年度計画,2016,p. 1)ことを位置付けた。. 1ユニットとして実施していくことにした。. その具体化された授業科目が「学校臨床研究」で. 二つ目は,双方向遠隔授業システムを活用する. ある。. ため,授業を実施してもらう学校との間で調整が. 「学校臨床研究」は,平成29年度より実施する. 必要な事項について検討するためである。協力校. 3年次の教育実習後の学生を対象とした必修科目. は,5校である。試行実施では,このうちの3校. である。教育実習やその後の事後指導を通して明. と接続して授業を実施することにした。なお,双. らかになった課題のうち,授業実践上の課題や講. 方向遠隔授業システムに関して,草原(2006)は,. 義を通して新たに見つけた課題の解決を目指すこ. その有効性として「授業構成・指導過程のマクロ. とをねらいとしている。本学における主免実習は,. な把握に適している」 (草原,2006,p. 79)こと,. 3年次前期に実施している。そのため,4年次後. 「教室とは物理的に別の空間で,教員が随時時期. 期に実施する教職実践演習にて,教育実習や事後. を捉えて指導できる」(草原,2006,p. 87)こと. 指導を通して明らかになった課題を重点的に確認. を指摘している。こうした点を踏まえるならば,. し,必要に応じて補完的な指導を行う(中教審,. 学生が授業構成・学習過程を把握する上で効果が. 612.

(4) 課題探究型学習の教育方法の開発に向けた予備的研究. ある,また,観察の際に,教員による指導が効果. ように補完するかという点に関して,姫野・渡部. 的である,という双方向遠隔授業システムの良さ. (2006)は,教育実習事後指導が,「実習中に学. を生かして活用した授業を構想していく必要があ. 生が抱いた課題の解決,そして今後さらに学習・. る。. 研究を深めるためのきっかけを作る機会として,. 上記の二点から試行実施を行うこととしたが,. その役割は非常に大きい」(姫野・渡部,2006,. 教員養成大学の教職課程における授業そのものを. p. 166)と指摘している。加えて,授業後に,実. アクティブ・ラーニングの視点から改善していく. 習経験の省察を促すことで効果を上げたものの,. ことが求められている今(中教審,2015,p. 38),. 課題として,「実習の経験をより多くの実習生で. 特にこの授業の成果と課題について検討していく. 共有したり,様々な対応行動を検討するためには,. 必要があるといえる。そこで,本研究においては,. 実習生同士の話し合いは意義深いもの」 (姫野・. 一つ目の理由に係って学生が授業実践上の課題を. 渡部,2006,p. 175)とも示している。ここでは,. 探究していく上で,どのような教育方法が効果的. 学生が学びを深めていく上で実習後という時期. かを検討していくことを目的とした。. が,非常に大切であることが示されている。実習 事後指導がきっかけとして重要であることが指摘. 2.教育実習の位置付けの変化と事後指導の 重要性に関する先行研究. されているが,それにとどまらず,実習生同士で 経験を共有したり,課題について検討したりして いくことが重要な視点になってくることが示され. 教育実習に関して,姫野(2010)は,近年の教. ている。. 員養成課程においてインターンシップ等で教育現. これらの先行研究からは,インターンシップ等. 場にかかわる機会が拡充していることから,「教. で教育現場に学生が関わる機会が増えているた. 育理論の総仕上げとしての完成実習から,教師と. め,今まで以上に理論と実践の往還を意識したカ. しての問題発見・課題発見への変化である」(姫. リキュラムを構築していくことの重要性が示され. 野,2010,p. 164)とその位置付けの変化につい. ているといえる。その一つに教職実践演習がある. て指摘している。従来,段階的に理論から学び,. が,4年次の後期では,教育実習の補完とするに. 3年次の教育実習でそれを実施するという流れ. は時期的に遅すぎる。実習の直後であり,明確な. だったものが,早い段階から学校現場を経験する. 課題を抱えている3年次後期にその解決を図る機. 機会が増えてきたことで,理論と実践をスパイラ. 会を設定することが理論と実践の往還を意識した. ルに積み重ねていくことの必要性が出てきたこと. カリキュラムになると考えられる。また,その方. を指摘している。. 法に関しても,学生同士が経験を共有し,課題解. また, 教職実践演習の位置付けに関して,玉井・. 決に向けて話し合う機会を設定する重要性が示唆. 倉賀野(2010,p. 257)は,教職実践演習は,4. されている。学生の課題を解決するために学生同. 年次で集大成として行うことになっているが,実. 士で話し合う場を授業の中に設定していくことが. 践的なカリキュラムを多く取り入れている大学で. 求められているといえよう。. は,4年次までに行うという方が妥当であると指 摘している。 これは,早い段階から学校現場に入っ ている学生にとっては,教職実践演習で総括とい. 3.研究の対象と方法. う流れではなく,実習を経験するたびに,それを. 3. 1.研究の対象. 基にした省察等を行うことが大切になってきてい. 2016年度の学校臨床研究については,試行実施. ることを示しているといえる。. のため,履修学年と同じ3年次学生の中で受講希. さらに,教育実習で明らかになった課題をどの. 望者の募集を行った。また,今回の試行実施にお. 613.

(5) 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹. いては,15コマ全ての実施ではなく,3コマを3. トから第3ユニットまでに観察した授業の内容は. 回という形で実施した。これは,事前検討・授業. 以下の通りである。第1ユニットは,A小学校で. 観察・授業者との交流・グループ交流・全体交. の3年生の国語の授業を観察した。第2ユニット. 流・個人での振り返りという一連の流れを3コマ. は,B小学校の3年生の道徳の授業を観察した。. で1ユニットとして実施し,2017年度は,15コマ. 第3ユニットでは,C小中学校での高学年複式学. の中で,3ユニット分実施することを想定してい. 級での算数の授業を観察した。各ユニットは,3. るためである。今年は,その1ユニットの学習過. コマで実施した。接続先との授業時間の調整の関. 程が効果的かどうかを検討することを意図して,. 係で多少時間配分はユニットごとに異なっている. 1ユニットを3回実施することにした。なお,1. が,大まかな流れは表1の通りである。. ユニットごとに希望者を募ったため,各ユニット 表1 1ユニットの授業内容の概要. トごとの参加学生の数は,第1ユニットが11名,. 〇 内容. 第2ユニットが9名,第3ユニットが10名と異. 〇 ガイダンス. なっている。この参加学生を対象とした。. ・授業の目的と内容. 3. 2.授業実践の内容. 第1講目. への参加学生は共通ではない。そのため,ユニッ. 今回は,教育実習後の学生が授業実践上の課題. との交流・グループ交流・全体交流・個人での振 り返りという一連の流れを1ユニットとした学習 過程に焦点化して効果を検討した。 事前検討におけるねらいは,教育実習等の経験,. ・授業のポイント説明 ・グループでの交流. 第2講目 第3講目. 討した。そのため,事前検討・授業観察・授業者. 〇 事前検討 ・授業観察の視点の設定. を探究していく上で,双方向遠隔授業システムを 活用した教育方法が効果的であったかどうかを検. ・実習での課題. ・観察の視点の決定 〇 授業観察 〇 授業者との交流(質疑・応答) 〇 グループでの交流 〇 全体での交流 〇 個人での学びのふりかえり. 指導案の検討から授業を観察する視点を焦点化す ることである。教育実習を経て自分の課題として. 最初にガイダンスを行い,授業の目的や内容等. いることに,指導案を通して授業で観察できるこ. について説明した。その後,教育実習後に学生に. とを考慮して,観察する視点を設定することに. 実施したアンケートの結果や先行研究をもとに,. よって,学生が目的意識を持って授業を観察する. 事前に教育実習を振り返り,教育実習での個人の. ことを意図した。授業観察は,具体的な視点を中. 課題を想起させた。. 心に観察することをねらいとした。学生が設定し. 事前検討では,ある程度,授業のポイントにな. た自分の視点を中心に観察することで,課題に関. る部分を予め伝えておくことで,学生の観察する. する学びを得ることができるだろうと考えた。最. 視点を広げることを意図し,まず,観察する授業. 後に,交流と振り返りを設定したのは,学生が観. のポイントとなる部分について,教員から伝えた。. 察した授業について視点を中心に分析し,今後の. その後,配布した指導案をもとに,各自で授業を. 観察や授業実践に生かす学びを得ることを意図し. 観察する際の視点を設定した。次に,各自が設定. た。授業者やグループ・全体での交流を行うこと. した観察する視点を付箋に書き出し,KJ法を援. によって,視点を中心に授業を分析・考察し,学. 用してグループで交流した。この活動を通して,. びを広げていくことにつながるだろうと考えた。. 授業を観察する際にグループで共通の視点を三つ. 次に, 授業内容について記していく。第1ユニッ. に焦点化した。これは,多様な観察の視点に触れ. 614.

(6) 課題探究型学習の教育方法の開発に向けた予備的研究. ることで,授業観察の視点を広げることを意図し. は,発表を行う。. たためである。また,グループで共通の視点を設. ④ 他のホームグループが作成した模造紙のとこ. 定したのは,観察後の交流の柱となる視点を決め. ろに移動した時は,発表を聞き,質問や感想を. ておくことで,交流の内容についての学びを深め. 言う。. ることをねらいとした。学生は,観察の際に,こ れらの交流を踏まえて,グループで共通の視点と. ⑤ 全部の発表を聞き終わった後は,ホームグ ループに戻り,自分の学びを交流する。. 個人で設定した視点を中心に授業を観察した。. この形での交流をとったのは,時間を設定して. 授業観察では,第1ユニットと第2ユニットは. 順番に話す役と聞く・質問や感想を言う役を行う. 双方向遠隔授業システムを活用して,授業を観察. ことで参加への平等性に配慮し,最後には学びを. した。学校と大学をつなぎ,2台のカメラを用い. ホームグループに伝えるとしておくことで,聞く. て,教師を中心として撮影した画面と,児童の様. ことの目的をはっきりさせ,話す・聞く等の個人. 子を中心として撮影した画面の2画面で観察でき. の役割を明確にするためである。また,順番に移. るようにした. 注1). 。第3ユニットのC小中学校の. 動しながら少人数で同時に発表することで,活動 注2). 。. 授業については,録画したものを編集して観察し. の同時性にも配慮した. た。複式学級での授業のため,教師の様子を中心. 授業の最後には,自分自身の実習でもった課題. に撮影した画面をメイン画面とし,それ以外にサ. 意識を中心にしながら,学習指導についての学び. ブ画面を2画面入れて,小さなサイズで5年生と. をレポートにまとめた。. 6年生の児童の様子がそれぞれでわかるように編. これらの学習を通して,学生が授業実践上の課. 集を行った。これらの授業を,グループで共通の. 題を探究していくことを意図した。. 視点と個人で設定した視点を中心に観察した。観 察の際は,参考になった点と,授業者に質問して. 3.3.分析方法. みたい点に分けて記録した。. 本研究では,自記式質問紙による調査を実施し,. 授業者との交流は,双方向遠隔授業システムを. その回答状況の分析を行った。回収できたのは,. 用いて行った。そのため,授業者は学校,学生は. 30名分である注3)。なお,ユニットごとに分析せ. 大学の講義室にいる状態で行った。まず,授業者. ずに3ユニットをまとめて分析することで,今回. から授業の振り返りを話し,その後,学生との質. の学習過程が効果的であったかについて検討する。. 疑応答を行った。. 質問紙は,「自己課題を基に,事前検討で観察. その後,授業観察と授業者との交流を踏まえて. の視点を明確にすることができたか」,「授業の観. グループごとに学びについて交流を行った。この. 察・交流は,今後の授業観察や実践上,参考になっ. グループは事前検討と同じグループである(以下,. たか」の二項目から構成している。「自己課題を. ホームグループと記す) 。グループで設定した視. 基に,事前検討で観察の視点を明確にすることが. 点を中心に,KJ法を援用して学びを付箋に書き. できたか」は,4件法で「4 できた」,「3 大. 出し,交流を行いながら模造紙にまとめた。. 体できた」,「2 あまりできなかった」,「1 で. 全体での交流は,次のような形で行った。. きなかった」から選択し,理由について自由記述. ① ホームグループのメンバーが1人ずつに分か. するようにした。「授業の観察・交流は,今後の. れ,発表時のグループ(以下,発表グループと. 授業観察や実践上,参考になったか」は,「授業. 記す)を作る。. の観察」, 「授業者との交流」, 「グループ交流」, 「全. ② 発表グループでは,順番にホームグループで 作成した模造紙のところに移動する。 ③ 自分が作成した模造紙のところに移動した時. 体交流」の視点ごとに4件法で「4 かなり参考 になった」,「3 参考になった」,「2 少し参考 になった」,「1 あまり参考にならなかった」か. 615.

(7) 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹. ら選択するようにした。自由記述の部分について は, 「授業の観察」,「授業者との交流」,「グルー プ交流」 , 「全体交流」の中から,自分が特に参考 になったと思った場面を選択して記述するように している。自由記述については,内容を検討する ことで,効果を分析していくこととした。. 4.結果と考察 4.1.事前検討における観察の視点の明確化 事前検討で「観察の視点を明確にすることがで きましたか」 ,という質問への学生の回答の結果 は,図1のようになった。 4件法で 「4 できた」, 「3 だいたいできた」, 「2 あまりできなかった」, 「1 できなかった」 から選択することとした。有効回答数は30であっ た。 「できた」を選択した割合が47%,「だいたい できた」を選択した割合が53%で,「あまりでき なかった」と「できなかった」を選択した学生は いなかった。ほとんどの学生が,授業を観察する 視点を持てたと感じていることがわかる。. 表2 視点の設定に関する学生の自由記述 〇 自分だけでは気づけなかったことに気づけた から。ここに視点を向ければいいということが わかったから。 〇 今までに着目したことがないような視点など を他の人と交流し,意見の違いなども感じるこ とができたから。 〇 個人で考えることで,第1の課題が見つかり, その上でグループで交流したことで,第2の課 題が見つかりました。時間がしっかり確保され ていたのがとても有難かったです。スライドが 大変見やすくて私たちが今すべきことが明確 だったため,考える時間を多く持てたのだと思 います。ありがとうございました。 〇 ただ何となく授業を参観するのではなく,同 じ視点を全員で共有した上でグループでそして 全体で交流できたことがよかった。そういう意 味で課題を明確にすることができたと思う。 〇 個人思考からグループにすることで,個人で は出ないような意見も出たと思う。また,個人 で出した意見がグループで深まっていった。 〇 指導案の検討やグループ活動など,もう少し 時間が欲しかった。短い時間内で課題を見つけ ようと努力し,話合い等を行う中で明確にして いくことはできたように思う。 〇 自分で考えた視点以外の多くの視点をグルー プワークで得ることができ,新たな課題や課題 意識を明確にすることができたから。 〇 自分の課題としっかり照らし合わせることが できた。また,他の人とも交流ができてよかった。 発表することで深まりが広がった。 〇 見るときの視点が焦点化されたことで付箋に まとめやすくなった。 〇 個人→グループにすることで,自分が見たい 視点,グループで交流することで見える視点の どちらも考え,交流することができた。 〇 前回より慣れてどういう課題があるか見つけ ることができるようになったと思うからです。 〇 前回よりも自分の見たい視点をグループ内で 深められる機会が増えたところがよかった。今 回は3人で三つの視点なので,自分も参加して いるということを感じられると思う。 〇 指導案を授業を見る前に読み,検討したこと で疑問を持つことができたからです。また,そ. 図1 視点の設定に関する学生の回答(n=30). 次に学生にとって観察する視点を持つ上で,何 が効果的だったのかについて学生が自由記述した 内容を整理すると表2のようになった。未記入, 他の観点の記入を除くと,有効回答数は19であっ た。. 616. れをグループ内で交流したことによって,他の 視点を持つことができたからです。ただ授業を 見る以上に深く考えながら見ることができまし た。 〇 自分自身が考えていたこと,他の人が考えて いたこと,それぞれが考えることでより自分自 身の課題はどこにあるのか考えることができた から。 〇 ある程度は行えたが,複式学級に慣れていな.

(8) 課題探究型学習の教育方法の開発に向けた予備的研究. かったのでうまくできない部分もあった。しか し,その中でもしっかりと考えを持ちながら行 うことができました。 〇 個人での考えとグループで発表・まとめをし た際に,重なる部分が多くあったため,より明 確に課題を設定,発見することができた。授業 を見る前に,指導案上だけで話し合いを考える ことで,課題を見つけやすかった。 〇 複式の授業による指導案の検討であったため, 通常の学級における授業にはない複式授業らし さに着目することができたため。また,通常学 級でも行われていることについて,複式授業で 応用すると,どうなるのか等の観点からも着目 でき,明確にすることができたため。 〇 グループの疑問点を集め,全体の疑問点とす ることで,他の人と共通した認識だと確認する ことができたから。 〇 同じ意見や同じ疑問を持っている人と考えを 共有することで,よりここが見たい,と思える 視点(課題)が明確になったから。. 択した割合が3%であった。「かなり参考になっ た」と「参考になった」を選択した学生が90%以 上を占め,学びがあったと考えている学生が多い 一方,学びを得ることができなかった学生も見ら れた。「少し参考になった」と「あまり参考にな らなかった」を選択した学生については,第1ユ ニットと第2ユニットの授業の実施の際,双方向 遠隔授業システムでの授業映像の配信で機械のト ラブル等があり,見にくい状況であったためであ ると考えられる。. 「グループで交流したことにより自分にない視 点に気付くことができた」,「他者の視点と比較す ることで自分の課題がどこにあるのか気づくこと ができた」等,グループで視点を交流したことに よる気づきが多かったことが挙げられている。ま た, 一部重複して参加した学生からの意見として, 「前回よりも課題を見つける視点が持てた」,「課. 図2 授業の観察に関する学生の回答(n=30). 題について深まった」という意見が出されていた。 学生が視点を持つための手立てとして,視点の. 次に学生にとって授業の観察で何が効果的だっ. 交流を行うことに一定の効果があったとみられ. たのかについて自由記述した内容を整理すると表. る。さらに,同じ形の授業を複数回行うことで,. 3のようになった。有効回答数は6であった。. 自分の課題がどこにあるのか,より深く考えるこ. . とができると考えられる。 4.2.授業の観察・交流の効果 授業観察は今後の参考になったか,という質問 への学生の回答の結果は,図2のようになった。 回答については,4件法で「4 かなり参考に なった」 , 「3 参考になった」,「2 少し参考に なった」 , 「1 あまり参考にならなかった」から 選択することとした。 「かなり参考になった」を 選択した割合が60%,「参考になった」を選択し た割合が34%, 「少し参考になった」を選択した 割合が3%, 「あまり参考にならなかった」を選. 表3 授業の観察に関する学生の自由記述 〇 これまでにA小の授業の様子を見たことがな く,それを参観することができただけでも貴重 な体験だと思った。 〇 板書でイメージマッピングを利用していたと ころが参考になります。箇条書きで自分はまと めることが実習中でも多かったので,イメージ マッピングの利用は大変良いと思います。 〇 指導案の検討で,課題・視点をもって授業を 視聴したことでなるほど,と参考になること新 たに疑問に思う事などを持つことができました。 〇 子どもの言葉の拾い方。 〇 複式の授業は,私が子どもの時にも経験がな いものであるし,フィールドや教育実習におい ても見る機会が少ないこともあり, 「授業の観察」. 617.

(9) 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹. と「授業者との交流」はすごく参考になった。 〇 複式の授業をやったことがないので,型を決 めたり,工夫するところはどのように工夫した らいいのかがわかり参考になった。. 「授業を観察すること自体が貴重な体験だ」,. 次に,学生にとって,授業者との交流で,何が 効果的だったのかについて,学生が自由記述した 内容を整理すると表4のようになった。有効回答 数は18であった。 . 「視点をもって見たことで参考になった」 ,とい. 表4 授業者との交流に関する学生の自由記述. う授業を観察したこと自体が参考になったという. 〇 授業者に疑問点をすぐに質問できたこと。 〇 すぐ授業者の先生に質問できたこと。 〇 授業者に直接意図を聞くことができる機会は とても参考になりました。自分に新しい方法が 付け加えられたように感じました。 〇 質問コーナーは現場の先生にすぐにお答えい ただくことができて,大変ありがたかったです。 回答の内容がすごく参考になりました。 〇 やはり実際に授業をしていただいた先生から どんな意図だったのかなど直接聞けるとその結 果から何がわかるのか,どういうことが言える のかなどもわかること。 〇 授業を視聴し,その後に授業者に直接質問す ることができたこと。 〇 授業者との交流。授業の意図が理解できた。 〇 現場の先生とのやりとり。 〇 授業者との交流による質疑応答。 〇 授業参観者と授業者の思いの違いに気づき, 共有することができた。そういった意味で授業 者との交流は有効であるし,他の学生が質問し ている様子も見られてすごくためになった。 〇 授業者との交流で自分自身が疑問に感じてい たところ,そこはこっちの方が良いのではない かと考えていたところが納得することができた。 〇 授業者との交流は,深く聞くことができるの で良かったと思います。 〇 授業者との交流が最も参考になった。普段か ら様々な学校へ授業見学をしに行くが,学生の 立場で授業者と交流することや質問する機会は なかなかないためとても勉強になった。 〇 疑問に思ったことを直接先生に聞けたこと。 〇 複式の授業は,私が子どもの時にも経験がな いものであるし,フィールドや教育実習におい ても見る機会が少ないこともあり, 「授業の観察」 と「授業者との交流」はすごく参考になった(重 複) 。 〇 授業の中でどのようなことを意識しているか などを聞いて,これを来年のへき地実習に繋げ て自分のものにしていきたいです。 〇 授業者に質疑ができる点,また,複数の質問 をすることで勉強になることが多かったから。 〇 疑問に思ったことを直接聞くことのできた授 業者との交流。. 意見が見られた。また,板書,子どもとのやりと り,複式の指導法等の具体的な学びを授業から得 られたものとして記述している学生もいた。授業 観察の視点を設定すること,学生の経験が少ない ものを見ること等を意図することで,授業の観察 による学びが深まると考えられる。特にへき地複 式指導のような実施経験がない内容について観察 することによる学びは大きいといえる。 次に,授業者との交流は,今後の参考になった かについて検討する。質問への学生の回答の結果 は,図3のようになった。. 図3 授業者との交流に関する学生の回答(n=30). 授業観察と同様の4件法で学生が選択すること とした。 「かなり参考になった」を選択した割合 が83 %, 「参考になった」を選択した割合が 17%, 「少し参考になった」と「あまり参考にな らなかった」を選択した学生はいなかった。特に 「かなり参考になった」を選択している学生が多 く,多くの学生が,授業者との交流から学びを得. 疑問に思っていたことを直接聞くことができた. ることができたと感じていることがわかる。. こと,授業の意図を知ることができたこと,が理. 618.

(10) 課題探究型学習の教育方法の開発に向けた予備的研究. 由として挙げられていた。特に参考になった場面. 表5 グループでの交流に関する学生の自由記述. として選択して記述した人数が最も多く,学生の. 〇 すぐに交流して深められた。 〇 グループ間の交流も通して,特に参考になっ たことはネームプレートの活用についてです。 立場をはっきりさせ,全員参加の授業にできる こと,指名に役立てられることなどのメリット に気づくことができたり,デメリットについて 考えたりすることができ,とても勉強になりま した。 〇 個人で考えてから,グループで交流するため, 考えが一層深まると思ったから。. 学びの中心場面となっていると考えられる。観察 しただけではわからない授業の意図に触れること が大きな学びとなっていると推察される。 今度は, グループでの交流は,今後の参考になっ たかについて検討する。質問への学生の回答の結 果は,図4のようになった。. 個人で考えてから,グループでの交流という進 め方が考えを深める上で効果を発揮しているもの の,特に参考になった場面として選択している学 生は3名であった。 最後に,全体での交流は,今後の参考になった かについて検討する。質問への学生の回答の結果 は,図5のようになった。 「 か な り 参 考 に な っ た 」 を 選 択 し た 割 合 が 40%, 「参考になった」を選択した割合が57%, 「少 し参考になった」を選択した割合が3%,「あま り参考にならなかった」を選択した学生はいな かった。 「かなり参考になった」か「参考になった」 を選択している学生が多く,全体での交流も学び 図4 グループでの交流に関する学生の回答 (n=30). を得ることができたと感じていることがわかる。 一方,グループでの交流と同様に「参考になった」. 「 か な り 参 考 に な っ た 」 を 選 択 し た 割 合 が. の割合が, 「かなり参考になった」よりも高くなっ. 30%, 「参考になった」を選択した割合が64%, 「少 し参考になった」と「あまり参考にならなかった」 を選択した割合は3%ずつとなった。 「かなり参 考になった」か「参考になった」を選択している 学生が多く,グループでの交流から学びを得るこ とができたと感じていることがわかる。一方, 「参 考になった」の割合が, 「かなり参考になった」 よりも高くなっていることや, 「参考にならなかっ た」を選択している学生がいることもわかる。 次に,グループ交流では,何が効果的だったの かについて,学生が自由記述した内容を検討して いく。学生が自由記述した内容を整理すると表5 のようになった。有効回答数は3であった。 図5 全体での交流に関する学生の回答(n=30). 619.

(11) 星 裕・福岡真理子・越川 茂樹. ている。. ては,授業の意図を知ることができたこと,が挙. それでは,学生が自由記述した内容を検討し,. げられていた。教育実習等で,学生が自身の実践. グループでの交流で,何が効果的だったのかを検. に対して色々と助言をもらう機会はあったと思わ. 討していく。学生が自由記述した内容は表6の通. れるが,学生の記述に,「学生の立場で授業者と. りである。有効回答数は6名分であった。. 交流することや質問する機会はなかなかない」と あるように,教員がなぜそのようにしていたのか. 表6 全体での交流に関する学生の自由記述. 学生が聞く機会はそれほど多くないだろう。授業. 〇 全体交流で,各グループの意見,考え,疑問 点を交流して一層深められたから。 〇 グループによって視点が違ったので,たくさ んの考え,視点について学び,深めることがで きた。 〇 全体交流において,視点が分かれていて,よ り多くの視点から考えることができたので良 かったです。 〇 全体交流において,周りのグループが違う視 点で授業を見ているので,より多くの視点から 一つの授業を見ることができたので参考になり ました。 〇 似たり寄ったりの視点でも,考えや意見が少 し違っていたため,改めて考えさせられること が多くあったから。 〇 全体交流で他の視点からの意見を聞くことが できたから。. の観察後,現場の教員に,自身の課題に係る部分 でなぜそのようにしているのか意図を聞くことが できたことが大きな学びになっていると考えられ る。 一方,課題として考えられるのは,学生同士の 交流である。グループでの交流も,全体での交流 もほとんどの学生は, 「かなり参考になった」か「参 考になった」を選択しており,グループや全体交 流を通して,他者と自分の意見を比較して,考え の広がりは感じていると考えられる。ただ, 「か なり参考になった」の割合は,授業観察や授業者 との交流と比較すると低くなっており,一つの視 点について学生同士の話し合いをいかに深めてい くかという部分に課題が残った。 講義全体を通. グループによって観察の視点が異なったため,. すと授業の観察と授業者との交流を通して,考え. 多様な視点からの学びがあったことが挙げられて. を深めることを意図していたが,学生同士の交流. いた。ここに関しては,第1ユニットでは,全グ. 自体も深い学びを得ることができるものにしてい. ループ共通の視点を設定したが,第2ユニットと. くことが大切になると考えられる。. 第3ユニットはグループごとに視点を設定するよ うにして実施した。その結果,自由記述で出され た意見は第2ユニットと第3ユニットで書かれた. 6.おわりに. ものであり,第1ユニットで全体での交流に関す. 本研究は,双方向遠隔授業システムを活用して,. る記述は見られなかった。学生の学びを深める上. 実際に学校で実施している授業の観察や授業者と. で,グループごとの観察の視点は異なっていたほ. の交流を行い,学生が授業実践上の課題としてい. うが良いと考えられる。. ることに気付き,解決していくことを目的として いた。そのため,観察前に指導案の検討を通して. 5.全体的考察. 自己課題を中心に観察する視点を設定し,観察後 には授業者への質問や学生間での交流を図ること. 全体を通して,特に学びが深まった場面として. で課題についての理解を深めることができるよう. は, 「かなり参考になった」の割合も高く,自由. に授業を設計した。. 記述の数自体も多かったことから,授業者との交. 本研究より,双方向遠隔授業システムを活用し,. 流と考えている学生が多いと推察される。授業者. 教育実習等を通して学生が抱える課題を考えてい. との交流において学びが深まったという理由とし. くという教育方法は一定の効果があったと考えら. 620.

(12) 課題探究型学習の教育方法の開発に向けた予備的研究. れる。それは,例えば今回は,1ユニットごとに. オに撮影していた映像を用いて,グループ交流の前に. 学生の募集を行ったため,全て共通の学生には. 授業の見にくかった場面を中心に確認した。. なっていないものの,複数回参加した学生の意見 に繰り返し参加することが学びを深めることにつ ながったとあったことから窺える。今後さらに改 善すべきこととして,本実施に当たっては講義全 体では,いくつかの授業を観察する機会を設定す ることや観察する授業には多様な規模・校種を取 り入れることが大切であると考える。理由の一つ. 注2)この考え方は,日本協同教育学会のワークショッ プで示された協同学習の定義のうち一つを参考にして いる(協同教育学会,2009) 。 注3)1ユニットごとに希望者を募ったため,各ユニッ トへの参加学生は共通ではないが,重複する学生も数 名いる。重複する学生については,1ユニットごとで 人数を数えるようにし,質問紙もそれで集計した。. 目は, 「学校臨床研究」が全員必修の講義であり, 多様な学生が集まることである。また,本校では,. 引用文献. 主とする取得免許状が小学校の場合と中学校の場 合があり,採用された際には,北海道ではへき地 複式校で勤務することもあることを考慮する必要 があると考えるからである。二つ目は,今回の研 究の中で複式指導が参考になったとの意見があっ たことである。経験の少ないものを見ることでの 新たな学びもあると考えられる。学生の課題と関 連させながら, 多くの授業を観察していくことで, 学びを深めることができると考える。 今後の課題として,学生同士の交流をより深い 学びにするためにどのような方法が効果的なの か,ということがある。これに関しては,学生同. 中央教育審議会(2006)今後の教員養成・免許制度の在 り方について(答申) .文部科学省 中央教育審議会(2015)これからの学校教育を担う教員 の資質能力の向上について~学び合い,高め合う教員 養成コミュニティの構築に向けて~(答申).文部科学 省 姫野完治・渡部淑子(2006)省察を基盤とした教育実習 事後指導プログラムの開発.秋田大学教育文化学部教 育実践研究紀要 28:165-176. 姫野完治(2010)段階的教育実習による教職志望学生の 成長観の変容.秋田大学教育文化学部教育実践研究紀 要 32:153-165. 北海道教育大学(2016)国立大学法人北海道教育大学中 期目標.. 士の交流を深めるために各自が視点に関して事前. http://www.hokkyodai.ac.jp/files/00003400/00003461/. 学習を行っておくことで,交流の際,他の学生か. 03-00_tyukimokuhyo.pdf(参照日 2017年9月11日). ら新しい知識を得ることができるようになると考 える。事前の視点を設定した後,交流までの期間 を使って各自が学習することで学生同士の交流自 体も深い学びを得る機会になるだろう。本実施ま でに,この部分における改善を図りつつ,15コマ 全体で学生が自分の課題を追究していくことがで きる教育方法を確定し,さらに検討を加えていき. 北海道教育大学(2016)平成28年度国立大学法人北海道 教育大学年度計画. http://www.hokkyodai.ac.jp/files/00003400/00003461/ H28nendokeikaku.pdf(参照日 2017年9月11日) 草原和博(2006)社会科授業実践の基盤となる授業分析 力と教材解釈力の育成-遠隔授業観察システムを活用 した演習の一事例-.鳴門教育大学情報教育ジャーナ ル 3:79-88. 日 本 協 同 教 育 学 会 2009 協 同 学 習 ワ ー ク シ ョ ッ プ <Basic>. たい。. 玉井康之・倉賀野志郎(2010) 「理論と実践の往還」を目 指す「教育フィールド研究」の体系化と「教職実践演習」. 注. への連動性への課題.日本教育大学協会研究年報 28:245-259.. 注1)双方向遠隔授業システムを活用した第1ユニット と第2ユニットの授業については,映像の配信で機械. (星 裕 釧路校准教授). のトラブル等があり,いずれも教師を中心として撮影. (福岡真理子 釧路校教授) . した画面のみの観察となった。そのため,同時にビデ. (越川 茂樹 釧路校准教授). 621.

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参照

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