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教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識 ―講義「教科教育の実践と課題」の振り返りから―

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(1)Title. 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識 ―講義 「教科教育の実践と課題」の振り返りから―. Author(s). 森, 健一郎. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 6: 21-30. Issue Date. 2016-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7907. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 第6号. 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識 -講義「教科教育の実践と課題」の振り返りから- 森 健一郎*. 1 序 論 本研究のテーマは「学部新卒院生に対する教科教育の指導の重点を明らかにすること」である。本 、 「教科 学の教職大学院では1年次に、教科教育に関する共通講義1)として「教科教育の実践と課題」 等の実践的指導力の形成」 「総合学習のためのカリキュラム開発」の3つを設けている。そのうち「教 、 科教育の実践と課題」は、3つの講義の中で最初に履修することになっている。院生とりわけ学部新 卒院生は、この講義を通して、学部よりも多面的に教科教育を捉えることの必要性を理解することと なる。この講義の到達目標として「広く教科領域一般における指導方法に関わる内容を理解・習得す ること」と「教育課程における各教科の役割を深く理解すること」を設定している。しかし、学部教 育における教育実習や教育実践演習の指導の重点2)が、授業計画、教材研究、指導方法に関わる内容 になっているため、講義の受講後も、学部新卒院生については、教科教育を授業計画、教材研究、指 導方法といった視点から捉える傾向が強いのではないかと考えた。本研究では、このような傾向があ ることを実証的な手法で明らかにし、教職大学院における教科教育の講義の指導の重点をより具体的 にすることを試みる。このことで、教職大学院への教科教育の取り入れとカリキュラム開発に関して 具体的な視点を与えることができると考える。 教職大学院における講義は、文部科学省によって示された「カリキュラムのイメージ」 3)に基づい て設定されている。ここでは、各教職大学院において共通的に開設すべき授業科目を5つの領域(5 領域)として整理している。具体的には「教育課程の編成・実施に関する領域」 、 「教科等の実践的な 指導方法に関する領域」 、 「生徒指導、教育相談に関する領域」 、 「学級経営、学校経営に関する領域」、 「学校教育と教員の在り方に関する領域」の5つである。教科教育は、 「教科等の実践的な指導方法 に関する領域」という名称で設定されている。この領域の具体的な内容は、 中央教育審議会答申 (2006) に見ることができ、以下の5つが例示されている。 ① 教科等の意義・目的(教科間の関連指導の工夫を含む) ② 授業計画(学習指導案の作成) ③ 教材研究(教材の収集・選択・分析、教材化の工夫など) ④ 指導方法(授業構成・授業形態の工夫(少人数・習熟度別指導など、個に応じた指導等)を含 む) ⑤ 指導と評価(テスト等の作成、評価の在り方) 各教職大学院では、これらの例示をもとにして教科教育に関する講義の内容や到達目標が設定され ている。本学の教職大学院における教科教育の共通講義も、これらの例示をもとにしてシラバスが設 ───────────────────── *. 北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教職実践専攻)釧路. 21.

(3) 森 健一郎. 定されている。つまり、講義を終えた段階で、完全ではないにせよ、教科教育についてはこれら5つ を踏まえた認識をもつことが望まれる。しかし、学部における教育実習や教職実践演習の「教科・保 育内容等の指導力に関する事項」においては、 「教科等の知識や技能」 、 「板書、話し方、表情など授 業を行う上での基本的な表現力」 、 「子どもの反応や学習の定着状況に応じた授業計画や学習形態等」 に重点が置かれているため、講義終了後も「① 教科等の意義・目的(教科間の関連指導の工夫を含 む)」や、 「⑤ 指導と評価(テスト等の作成、評価の在り方) 」に意識が向きにくいことが予想される。 本研究で、学部新卒院生の理解を実証的に示すことで、講義の評価および今後の指導で重視すべき点 が明らかになると考えた。. 2 先行研究 本研究に関わる先行研究としては、松本(2013) 、河野(2013)が参考となる。 松本(2013)は、 「進学目的の積極性と、正課外学習の多寡が教員としての能力獲得の度合いを高 める」という仮定のもと、 全国の教職大学院生の意識調査のデータを分析している。分析結果からは、 1)積極的な進学目的を持つことがとりわけ学部新卒院生において正課外の学習の多寡と関連するこ と、2)学部新卒院生、現職教員ともに積極的な進学目的を持つことで正課外学習をともなって能力 を獲得することがわかったが、同時に進学目的の有無にかかわらず正課外学習を多くおこなうことで 能力獲得にいたる場合もあること、3)学部新卒院生は授業力を獲得しやすい傾向にあるのに対し、 現職教員は学校経営力や汎用的技能を獲得しやすい傾向にあること、などが明らかとなっている。 河野(2013)は、 教職大学院における学生の能力獲得に関し、 学部新卒院生と現職教員学生の間で、 入学前に抱く能力獲得に対する期待や大学院での能力獲得の状況に違いがあるのかを、松本(2013) と同様の調査データに基づいて考察している。この研究では、1)入学前に獲得を期待した能力に関 して、学部新卒院生は「授業力」 、 「児童生徒理解」の獲得を期待する者が多く、現職教員学生は「学 校運営力」の獲得を期待する者が多いこと、2)大学院で身につけた能力に関しては、圧倒的に現職 教員学生の獲得した割合が高いこと、特に「学校運営力」 、 「学校外連携」 、 「児童生徒理解」では、現 職教員学生の方がより能力を獲得していること、3)入学前の能力獲得に対する期待と実際の能力獲 得を掛け合わせると、期待通りに能力を獲得しているのは学部新卒院生の約6割、現職教員学生の約 7割であり、他方、期待したように能力を身につけられていないのは学部新卒院生の約3割、現職教 員学生の2割弱であること、4)学部新卒院生と現職教員学生によって、獲得を目指す能力や大学院 教育に求めるものに違いがあり、これは実務経験の有無によって規定される可能性があること、など が明らかとなっている。 これらの研究成果のうち、学部新卒院生に関する知見のみに注目すると、 「学部新卒者は、積極的 な進学目的を持つことで正課外学習をともなって、能力、特に授業力を獲得する傾向にあること」と 「学部新卒院生は授業力と児童生徒理解についての学びを期待して教職大学院に進学する者が多く、 それらの学生のうち、 期待通りに能力を獲得している学生は約6割であること」 が読み取れる。なお、 これらの研究では、授業力を「教科の専門知識」 、 「授業を展開していく技術(発問、机間巡視など)」 としている。この2つは、前述の中央教育審議会答申で例示された内容に当てはめると、 「② 授業計 画」、「③ 教材研究」 、 「④ 指導方法」に関するものと判断できる。 これらのことから判断すると、教職大学院における教科教育のカリキュラムでは、 「① 教科等の意 義・目的」、 「⑤ 指導と評価」 の必要性についても意識化させていくことが必要であるといえる。現在、 22.

(4) 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識. 全国的に教職大学院の拡充が進められているが、その実現のために取り組むべき課題の一つとして、 「教職大学院への教科教育の取り入れとカリキュラム開発」 があげられている (日本教職大学院協会、 2015)。こういった現状からも、教職大学院における教科教育のカリキュラムの効果について検証し ていくことは必要と考える。 そこで、本研究では、 本教職大学院における教科教育の現状について実証的に検証することとした。 本学の学部新卒院生が、教科教育に関する講義を受けることで、 「教科の専門知識」や「授業を展開 していく技術(発問、机間指導)」以外の内容( 「① 教科等の意義・目的」 、 「⑤ 指導と評価」 )の必 要性を意識化しているかどうかを検証したい。教職大学院では、現職教員院生と学部新卒院生が共に 学んでいるが、特に学部新卒院生に対しては、学部教育における教職実践演習の内容を俯瞰する視点 を与えることが必要となる。このような背景から、学部新卒院生に焦点を当てつつ、教職大学院にお ける教科教育のカリキュラムのあり方を検討する。 研究にあたっては、本教職大学院の修士1年次対象の共通講義「教科教育の実践と課題」 (全15回 のうち筆者が担当した1回)において、院生が記述した講義の振り返り4)の文章から、学部新卒院生 の記述のみを収集するという方法を用いた。振り返りの文章を分析し、先行研究の結果と併せて検討 したところ、教職大学院における教科教育では、 「① 教科等の意義・目的」と「⑤ 指導と評価」を 意識的に取り上げる必要性があることが明らかとなった。以下、その詳細について述べる。. 3 研究方法 1)分析対象の講義について 本教職大学院の1年次の共通講義「教科教育の実践と課題」 (全15回のうち筆者が担当した1回) において、院生が記述した講義の振り返りの文章から、学部新卒院生の記述のみを収集した。この講 義は、教職大学院における教科教育について、基本的な内容や考え方を取り上げているものであるた め、進学後の早い時期に実施することとなっている。 授業内容は、表1のシラバスにもある通り、 「子どもの興味・関心や探究力の育成を大切にした授 業づくりの要件を取り上げ、それに基づく授業改善プランを作成する」というものであり、前出の中 央教育審議会答申で示すところの「① 教科等の意義・目的」 「② 授業計画(学習指導案の作成) 、 」、 「③ 教材研究」、「④ 指導方法」 、 「⑤ 指導と評価」を満たすことが意識されている。 授業の目標としては、表1にあるように3点を設定しているが、それらのうち「学校の教育課程の 中核となる各教科の授業について、その設計、実行、評価を指導的立場から適切に遂行できる能力を 身につけさせる」は現職教員院生に対しての目標、 「児童、生徒の確かな成長・発達と創造的な学力 を保証する教科等の実践的指導力を形成する」 は学部新卒院生と現職教員院生の双方に対しての目標、 「受講者自身の授業実践能力の向上とあわせて、学校における授業づくりの推進者としての能力の形 成をはかる」は学部新卒院生に対しての目標である。学部新卒院生に関する目標に着目すると、 「児童、 生徒の確かな成長・発達と創造的な学力を保証する教科等の実践的指導力を形成する」は、 「③ 教材 研究」、「④ 指導方法」に対応し、 「受講者自身の授業実践能力の向上とあわせて、学校における授業 づくりの推進者としての能力の形成をはかる」は、 「① 教科等の意義・目的」 、 「② 授業計画(学習 指導案の作成)」 、 「⑤ 指導と評価」に対応している。さらに具体的な到達目標としては、表1にある ように2点を設定しているが、特に「教育課程における各教科の役割を深く理解するとともに、学校 での授業づくりの推進者となる能力を身につける」という目標は、 「① 教科等の意義・目的」を強く 23.

(5) 森 健一郎. 表1 講義「教科教育の実践と課題」シラバス 授業の目標 ・学校の教育課程の中核となる各教科の授業について、その設計、実行、評価を指導的立場から適切に 遂行できる能力を身につけさせる。 ・児童、生徒の確かな成長・発達と創造的な学力を保証する教科等の実践的指導力を形成する。 ・受講者自身の授業実践能力の向上とあわせて、学校における授業づくりの推進者としての能力の形成 をはかる。 到達目標 ・受講生は自らの担当教科等における指導方法に関する内容を念頭に履修することとなるが、この講義 では、当該特定教科における指導方法ではなく、広く教科領域一般における指導方法開発に係わる内 容を理解・習得する。 ・教育課程における各教科の役割を深く理解するとともに、学校での授業づくりの推進者となる能力を 身につける。 授業計画 ■第1、2回(担当:渡部英昭)6月9日 6・7講目 1.教育で大切にすること(不易と流行) (双方向遠隔システムで講義) 科学的素養、理科で培う力とは 2.講義を受けて「各教科で培う力」についての討議 (各キャンパス対面で) ■第3、4回(担当:本間 仁)6月16日 6・7講目 1.教科教育の実践と課題 ~授業の観方と学習の評価~(双方向遠隔システムで講義) 2. 「よい授業とはなにか」 「学習評価の意義と学校が抱える評価の課題」「見えない・見えにくい学 力の捉え」 ■第5、6回(担当:濵野雅輝)6月23日 6・7講目(双方向遠隔システムで講義) 1.教科教育を進めるにあたっての教師集団の重要性 2.算数科の具体的な授業実践から ■第7、8回(担当:水上丈実)6月30日 6・7講目 1.授業設計の実際 -旭川市内の実践校の実際- (双方向遠隔システムで講義) 2.各自の授業設計への助言と交流 (各キャンパス対面で) ■第9、10回(担当:追分 充)7月7日 6・7講目 1.子どもの問題解決とその指導における課題~社会科を例に~(双方向遠隔システムで講義) 2.私の授業実践と各自の授業設計 (各キャンパス対面で) ■第11回(担当:川端香代子)7月14日 6講目 (双方向遠隔システムで講義) 1.教科教育の実践と課題 ~授業で大切にしたいこと~ 2.国語科の具体的な授業実践から ■第12回(担当:大久保和義)7月14日 7講目(双方向遠隔システムで講義) 1.学力の状況についての俯瞰 2.問題解決を重視した授業の展開 -算数・数学を例として- ■第13、14回(担当:森健一郎)7月21日 6・7講目 1.教材研究(教材の収集、選択、分析、教材化の工夫)の実際(双方向遠隔システムで講義) 2.講義を受けて、教材研究についての討議、次週発表の授業指導案検討(各キャンパス対面で) ■第15回(担当:追分、渡部、本間、水上、森)7月28日 6講目 各キャンパスでこれまでの院生の授業指導案1、2題をもちより意見交流する。 特別なテキストは使用せず、授業に必要な資料を随時配布する。 参考文献については、適宜紹介する。 備考(履修条件・履修上の注意等) 2015年度入学生(1年目)に適用. 24.

(6) 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識. 意識したものである。学部における教育実習や教育実践演習では、指導の重点が、授業計画、教材研 究、指導方法に関わる内容が中心であるため、 「教育課程における各教科の役割」について学ぶのは、 ほとんどの学部新卒院生にとってこの講義が初めてとなる。ここでは、 そのような実態を踏まえて「① 教科等の意義・目的」を中心に講義や討議をおこなっている。 2)テキストマイニングの方法について 講義後の振り返りのうち、学部新卒院生の文章をテキストファイル化し、テキストマイニングのソ フトにより、頻出150語の抽出と、共起ネットワーク図の描画をおこなった。テキストマイニングに 用いたソフトは、KH-Coder(樋口、2012)である。このソフトでは、テキストファイル形式のデー タについて、指定した語句の検索を行えるほか、頻出語句の上位150個を表形式の出力によって確認 することができる。さらに多変量解析を用いた共起ネットワーク図の作成によって、同時に出現する ことが多い語句のグループや、同じ語句を含む文書のグループを確認することができる。これらの手 法により、データ中に含まれるコンセプトを探索的に抽出することができる。 振り返りの文章は、講義後に各院生が「認識を深めたこと」や「新たに学びたいと思ったこと」、 または「講義の感想」について記述するものであり、自己に対する省察をおこなうために、各講義で ほぼ毎回記述させている。本研究では、全15回分の講義のうち、終盤の筆者による回で書かれた振り 返りを分析対象とした。この講義では、 講義出席者は42名であり、 そのうち学部新卒院生は20名であっ たため、分析対象となった振り返りの数は20である。これらの文章に含まれていた語句の種類は590 であった。登場回数が3回未満の語句は分析対象から除外したため、実際に分析対象とされた語句の 種類は417であった。これらの語句を対象として、頻出150語の抽出や、語句同士のつながり方を可視 化する共起ネットワーク図の作成をおこなった。 頻出150語の抽出は、登場回数の多い語句を確認することで、振り返りを書いた院生が着目した内 容を把握するために実施した。頻出150語の抽出に当たっては、同じ意味であっても表記が異なる場 合は別の語句として認識されてしまうため、原文の意図を確認しつつ置き換えをおこなった。例えば 「先生」と「教師」は「教員」に、 「児童」と「子供」と「生徒」は「子ども」に、 「討論」は「討議」 などである。また、 「学習指導要領」などの複合語は、初期設定では「学習」と「指導」と「要領」 に分割されて出力されるため、 「学習指導要領」という語句として強制的に抽出されるための設定を おこなった。例えば、 「教材研究」 、 「異校種」 、 「指導計画」などである。さらに、 「感じる」 、 「考える」、 「行う」などの動詞は、文章中で「感じない」 、 「考えない」 、 「行わない」と未然形で記述されていて も、すべて終止形( 「感じる」 、 「考える」 、 「行う」 )で抽出されるため、振り返りの原文を確認し、未 然形の動詞についてはそのまま強制的に抽出されるための設定をおこなった。 共起ネットワーク図の作成は、同時に出現することが多い語句のグループや、同じ語句を含む文書 のグループを確認し、データ中に含まれるコンセプトを抽出するために実施した。共起ネットワーク 図の描画に際しては、いくつかの手法が存在するが、本研究では、他の語句とのつながり(リンク) の数が多いものを重要とみなす手法を選択した。この手法は、語句のネットワークの分析手法の中で 最も単純でわかりやすいものとされている。. 4 結果と考察 本研究は、教職大学院のおける教科教育のカリキュラムのあり方を明らかにする研究の一部である。 25.

(7) 森 健一郎. これにより、学部新卒院生に対する教科教育の指導の重点を明らかにすることができる。講義「教科 教育の実践と課題」で、学部新卒院生が記述した振り返りの文章を分析し、頻出150語のリストを作 成したところ、出現回数の最も多かった語句の上位3つは「授業」 、 「子ども」 、 「教材研究」であった。 また、共起ネットワーク図を作成したところ、他の語句との関連性が強い語句の上位3つは「教材」、 「分析」、「収集」であった。 表2 頻出150語のリスト. 26. 抽出語 授業 講義. 出現回数 45 32. 抽出語 学部 観点. 出現回数 5 5. 抽出語 ステップ マスターキー. 出現回数 2 2. 子ども 教材研究 思う 感じる 考える 教材 大切 教科 指導 今日 必要 行う 理解 改めて 系統 討議 概念 意識 感覚 教員 検討 工夫 自分 評価 分析 学ぶ 視点 重要 聞く 理科 後半 作成 実習 単元 話題 学び 研究 構造 今回 時間 深める 専門 内容 勉強 方法 グループ 意見 引き出せる. 31 24 22 19 19 18 18 17 17 16 15 14 14 13 12 12 11 10 10 10 10 9 9 9 9 8 8 8 8 8 7 7 7 7 7 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 5 5 5. 教科教育 今後 小学校 大事 部分 力 印象 課題 学習 学習指導要領 校種 持つ 自身 受ける 収集 身 進める 生かす 知る 用いる アプローチ 学校 学年 感想 基本 疑問 教える 具体 計画 見る 考え 行く 使う 実態 出る 数学 大学院 大変 知識 中学校 把握 1つ 4つ あいまい いろいろ ひとつ イメージ クモ. 5 5 5 5 5 5 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2. 扱う 安心 異校種 一番 過去 確か 教科書 現職 言葉 国語 今 作る 参考 算数 残る 仕方 思い出す 時代 示す 自転車 実感 実践 取り組む 重視 述べる 振り返る 整理 生じる 積み木 選択 前半 全く 足りる 題材 頂く 痛感 伝える 得る 特に 読み込む 発見 反応 不足 付ける 分かる 本 毎回 明確. 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2.

(8) 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識. 図1 共起ネットワーク図. 出現回数の最も多かった上位3つの語句「授業」 、 「子ども」 、 「教材研究」について、共起ネットワー ク図上で検討したところ、 「授業」と「子ども」は同時に使われる傾向が強く、同時に大きな一つの グループの一部を形成していた。特に、 「授業」は「実習」 、 「子ども」は「教材」と共に用いられる 傾向があった。一方、 「教材研究」は、これらとは別の小さなグループを「今日」 、 「講義」 、 「聞く」 という3つの語句と共に形成していた。これらの語句のグループからは、講義全体の総括が「教材研 究」という語句でなされていることが読み取れた。 他の語句との関連性が強い3つの語句( 「教材」 、 「分析」 、 「収集」 )のうち、 「教材」が最も他の語 句とのつながりが多く、 「子ども」 、 「力」、「必要」 、 「感じる」 、 「教員」 、 「分析」 、 「収集」と共に用い られる傾向があった。次いで、 「分析」は、 「意見」 、 「収集」 、 「観点」 、 「学習指導要領」 、 「教材」とつ ながりが強く、同様に「収集」は、 「観点」 、 「後半」 、 「工夫」 、 「分析」とつながりが強いことが読み 取れた。これらの3つの語句( 「教材」 、 「分析」 、 「収集」 )には、さまざまな語句とのつながりが見ら 27.

(9) 森 健一郎. れることと同時に、相互の強いつながりも見られる。したがって、これらの語句が文章中で中心的な コンセプトを構成しているといえる。これらの語句を含んだ文章のいくつかを、中心的なコンセプト を表すものとして以下に示す。なお、分析対象とした語句には下線を付けた。 ・講義から、授業作りについて教科という枠を越えた学びをすることができたように思う。後半の 討議では、「教材の収集」「教材の選択」 「教材分析」 「教材化の工夫」という4つの観点について意 見を出し合った。印象的であったのは「教材分析」の部分であり、 「見る・触る・使う」 「読む(教 材文) 」などの分析はいくらやってもやり足りないほど分析のしがいがあるのではないか、という 話題になった。子どもの反応や、どのような意見が出るかなどの考察も、上記の基本的な分析を繰 り返す上で気づくものなのではないだろうか。 ・講義を受けて、授業づくりの考え方について整理することができた気がします。大学院に来なが らも、授業づくりには大変苦労していたので、ねらい→評価→系統→工夫という授業設計の流れを 整理できたのはありがたいです。後半の討議では、教科教育における収集の仕方や工夫など、各々 の教科が考えるものを討議することができました。その結果、私たちの班では、子どもの発見、あ れ?を引き出すことがどの教科でも必要であり、必要感を感じさせることが重要となりました。そ のためにも、身につけさせたいことは何なのか、工夫するところは何なのか、を明確にさせて必要 感を感じさせるための教材の収集などが行われる必要があると思います。 ・講義を聞いて、教員側が計画的な教科指導を行っていくためにも、指導計画の作成、授業の構造、 評価の観点などを明確化していくことが重要だということを改めて感じました。教材研究における 系統性のひとつとして、 感覚→理解→概念化という系統が紹介されていたことが印象に残りました。 学校種ごと、学年ごと、単元ごと、1時間の授業ごとに、子どもが感覚的に捉えたものが構造化し ていくような授業づくりを意識していきたいです。学習指導要領・教科書分析を「どこが同じ」 「ど こが違う」 「どこがつながっている」という視点で進めていくことで、子どもへのアプローチの仕 方も変わってくるということがわかりました。 これらの文章からも、本学の学部新卒院生が、 「教材の分析」 、 「教材の収集」という側面から教科 教育を捉えていることがわかる。これらを前出の中央教育審議会答申による例示(①~⑤)に当ては めると、本学の学部新卒院生は、教科教育を「③ 教材研究」という視点から捉える傾向が強いこと がわかる。また、先行研究により、一般的な傾向として、学部新卒院生が「教科の専門知識」や「授 業を展開していく技術(発問、机間指導)」といった授業力の獲得を目的として進学してくることが 明らかとなっている。これらは、 「② 授業計画」 「③ 教材研究」 、 「④ 指導方法」に当たるものである。 、 本研究のテキストマイニングによって抽出された「教材の分析」と「教材の収集」は、 「③ 教材研究」 に当たるものである。 これらの結果を総合すると、教職大学院における教科教育においては、 「② 授業計画」 、 「③ 教材 研究」、「④ 指導方法」以外の「① 教科等の意義・目的」と「⑤ 指導と評価」をより意識的に取り上 げていくことで、よりバランスのとれた教育効果が期待できると考えられる。. 28.

(10) 教職大学院における学部新卒院生の「教科教育」に対する認識. 5 結 論 本教職大学院の修士1年次対象の共通講義「教科教育の実践と課題」 (全15回のうち筆者が担当し た1回)において、 院生が記述した講義の振り返りの文章から、 学部新卒院生の記述のみを収集した。 振り返りの文章を分析したところ、出現回数の最も多かった語句の上位3つは「授業」 、 「子ども」、 「教 材研究」であった。また、他の語句との関連性が強い語句の上位3つは「教材」 、 「分析」 、 「収集」で あった。本学の学部新卒院生は、教科教育を「③ 教材研究」という視点から捉える傾向が強いこと がテキストマイニングのデータから明らかとなった。また、先行研究により、一般的な傾向として、 学部新卒院生が「教科の専門知識」や「授業を展開していく技術(発問、机間指導) 」といった授業 力の獲得を目的として進学してくることが明らかとなっている。教職大学院における教科教育では、 主に「① 教科等の意義・目的」 、 「② 授業計画」 、 「③ 教材研究」 、 「④ 指導方法」 、 「⑤ 指導と評価」 について扱うことが、中央教育審議会答申で示されている。テキストマイニングによって抽出された 「教材の分析」と「教材の収集」は、これらのうちの「③ 教材研究」に当たるものである。そして、 先行研究による「教科の専門知識」と「授業を展開していく技術(発問、机間指導) 」は、 「② 授業 計画」、「③ 教材研究」 、 「④ 指導方法」に当たるものである。これらの結果を総合すると、教職大学 院における教科教育では、 「② 授業計画」 、 「③ 教材研究」 、 「④ 指導方法」以外の「① 教科等の意義・ 目的」と「⑤ 指導と評価」を意識的に取り上げていくことで、より教育効果が高まると考えられる。 註 1)本学教職大学院の教育課程は、理論と実践の往還を達成するため、 「共通科目」 、 「選択科目」 、 「学校における実習」 、 「共通演習」で構成されている。これらのうち「共通科目」は、 「教育課程の編成・実施」 、 「教科等の実践的指導方 法」 、 「生徒指導・教育相談」 、 「学級経営・学校経営」 、 「学校教育と教員のあり方」 、 「特別支援教育」の6領域で編 成されている。 (2016年度用教職大学院案内p. 5) 2)教職実践演習とは、教職課程を履修する学部学生の必修単位(4年次後期に受講)となっている。この演習の目 的は「教員として必要な知識技能を修得したことを確認すること」とされている。文部科学省による資料「教職実 践演習(仮称)について」においては、到達目標として「将来、教員になる上で、自己にとって何が課題であるの かを自覚し、必要に応じて不足している知識や技能等を補い、その定着を図る」ことが示されている。Retrieved from http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1337016.htm 3)文部科学省による資料「教職大学院:カリキュラムのイメージ」には、各教職大学院において共通的に開設すべ き授業科目の領域(5領域)として、 「教育課程の編成・実施に関する領域」 、 「教科等の実践的な指導方法に関する 領域」 、 「生徒指導、教育相談に関する領域」 、 「学級経営、学校経営に関する領域」 、 「学校教育と教員の在り方に関 する領域」が示されている。Retrieved from http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kyoushoku/youshoku/1354467. htm 4)各講義の後に、 その講義で学んだことや考えたことなどを各自で記述しており、 これを「振り返り」と呼んでいる。 これは、 各自の省察の機会となることをねらいとしている。講義によっては、 前時の各院生の振り返りを題材にして、 前時に学んだ内容をさらに深めていく場合もある。. 参考文献 中央教育審議会(2006) 「教職大学院におけるカリキュラムについて(補論) 」Retrieved from http://www.mext. go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1337020.htm 樋口耕一(2012) 「今日から始めるテキストマイニング-計量テキスト分析の環境『KH Coder』-(資料2) ” 」石田基 広・金明哲編『コーパスとテキストマイニング』共立出版,204-209.. 29.

(11) 森 健一郎. 河野志穂(2014) 「教職大学院学生の能力獲得に対する期待と能力獲得の関係 : 全国教職大学院意識調査の分析」 『早 稲田教育評論』第28巻,第1号,89-102. 松本暢平(2014) 「教職大学院で何を獲得するのか?:全国教職大学院学生意識調査にみる学生の進学目的と正課外学 習の多寡,能力獲得の関連」 『早稲田教育評論』第28巻,第1号,183-198. 日本教職大学院協会(2015) 「2014年度日本教職大学院協会年報」Retrieved from http://www.kyoshoku.jp/nenpo/ nenpo2014.pdf. 30.

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