内モンゴルにおける観光地域に関する地理学的研究
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(2) 観光地域,交通整備,観光開発などの変遷を迫 ることにより,これまでの観光の発展経緯を明 らかにした。古代から駅路の整備や航海技術の 発達など交通機関の整備が中国の観光の発展に とって重大な意義をもち,駅舎や民間旅館は後 のホテルなどの宿泊施設の元となっていること. などによるウェブページの開設も少なく,その ため観光情報発信が少ない状況となっている。 また従来からの草原観光地域としてのイメージ が強く,ほかの観光資源は認識されていないの が現状である。観光地域の宣伝やイメージ形成 の課題については,内モンゴル政府も認識して おり,宣伝映画を作製するなどの取り組みがな されており,その効果が今後期待される。 本研究を通じて,内モンゴル観光が現在がか える課題は次のようにまとめられる。まず観光 資源の特性によって観光客数の季節的偏りがみ られ,その季節的偏りをなくすための工夫がみ られないことである。次に観光開発の資金投下 が少なく,交通機関や観光施設の不備が内モン ゴル観光産業の大きなボトルネックとなってい ることである。さらに観光市場の調査や考察が 不十分であり,観光に関する情報発信が少なく, 観光地域の宣伝や誘致活動が重要視されていな いことも課題としてあげられる。また政府や個 人が観光に対する認識がまだまだ不十 分であり,観光産業を地域振興の重要な柱産 業として位置づけられていないのが現状である。 最後に,本研究で明らかにした点を踏まえて, 今後の内モンゴル観光のあり方について5つの. を明らかにした。また古代の観光活動は,帝王,. 提案をする。. 貴族,士大夫などが中心に盛んに行われていた が,中華人民共和国の建国以後,とくに改革開 放以後は,一般の人々の観光活動が活発になっ. 1 観光産業の発展には行政の関与が必要で. 第3節旅行合杜とインターネット 結論 【結論】. 本研究では,内モンゴルにおける観光に関し て,これまでの発展経緯,地域的,社会経済的 特性を分析し,そこに存在する問題を明らかに することを目的として研究を進め,次のような 結果を得ることができた。. 序章では,先行研究として世界,中国,内モ ンゴルにおける観光に関する研究を分析した。 学術的視点からみた内モンゴルにおける観光地 域の研究は,量的に少ない状況であり,その中 では観光開発計画や景観経営の研究が多く,観 光開発の社会・経済的効果や観光産業について の研究が少ないことが明らかとなった。 第1章では,古代から現在までの中国の観光 にわたる諸要素,すなわち,観光客,観光資源,. たことを指摘した。. 第2章では,内モンゴルの観光資源と観光地 域の分析によって,内モンゴルでは草原をはじ め,森林,古跡,湖沼,砂漠,山岳,高原など の観光資源があり,それらは内モンゴルの東西 に不均等に分布していることを明らかにした。 また,国際観光客はモンゴルとロシアからの観. 光客が約8割を占めており,続いて日本と韓国 からの観光客も数多く訪れていることが明らか となった。. 第3章では,内モンゴルの観光が観光収入や 雇用創出など社会・経済的面において大きな意 味をもつことを明らかにした。しかし,内モン. ある。. 2 観光資源,自然環境の保護を前提に,新 たな観光資源を発掘し,持続的可能な観 光を図るべきである。. 3 よりよい観光地域形成のために,人材育 成は欠かすことができない。. 4 観光イメ』ジ形成において、草原観光の 宣伝と他の観光資源の広告宣伝が必要で ある。. 5 観光客数の季節的偏りを打開するには, 新たな観光資源を作り出す,あるいは観 光シー スン以外の時期に資本投下を して各種のイベントや誘致活動を行う必 要がある。. ゴルの観光には,観光資源の画一化,交通不便,. 環境破壊,観光施設の不備,観光に携わる人材 の欠如,広告宣伝の不足,政府から観光へ投資 が少ないこと,観光産業が正しく位置づけられ ていないこと,さらに観光活動に季節的傾向が あるなどの問題点を明らにした。 第4章では,今日の情報化社会において観光 に対し,重要な役割を果たす観光情報とインタ ーネットについて検討した。内モンゴルの場合,. それらへの関心が少なく,旅行合杜や観光施設. 一299一. 主任指導教員 吉本剛典. 指導教員 南埜 猛.
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