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僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究 : 釧路市の児童との比較

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(1)Title. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研 究 : 釧路市の児童との比較. Author(s). 戸田, 須恵子; 福岡, 真理子. Citation. 僻地教育研究, 53: 91-101. Issue Date. 1999-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1634. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである. Hokkaido University of Education.

(2) No.53. 1999.3. 僻地学校における児童の学校ストレスと ソーシャルサポートに関する研究: 釧路市の児童との比較 戸 田 須恵子. 福 岡 真理子. (北海道教育大学釧路校). (別保小学校). TheStudyofChildren’sSchooIStressandSupportinthelocalschool: ThecomparisonwithchildreninKushirocity Sueko TODA and Mariko FUKUOKA. れた情動的,認知的,身体的変化のことと定義している。. 1 はじめに. 大人と子どもではストレッサーは異なり,さらに,個人. 近年,学校社会では,登枚拒否・不登校や無気力など の非社会的行動の増加に加え,いじめとか暴力といった. がそのストレッサーをどのように評価するかによってス. 反社会的行動が浮上してきている。特に,いじめ問題は,. 研究は嶋田の定義に基づき子どものストレスについて検. 子どもの自殺や殺人などあってはならない社会問題にま. 討している。. トレスの程度やストレス反応も各人によって異なる。本. で発展してきている。いじめの要因は様々であるが,そ. 子どものストレスが言われるようになったのはそれほ. の一つにストレス問題が挙げられている。ストレスとい. ど古くはない。入学試験のための勉強や塾,稽古事など. う言葉はカナダの生理学者セリエが1930年代にストレス. に日々追われ,リラックスする暇もない緊張の日々は,. ということばを使用したのが最初であると言われている. 子どものストレスが容易に蓄積されやすい環境にある。. (桜井,1998)。セリエによると,「ストレスとは何らか. 現代の「キレル」という流行語は,ストレス耐性が限界. の刺激によって生体に生じる生理的なひずみとそれに伴. を越え,爆発する時を言っているようである。最近,子. う生理的反応である」と定義している。何らかの刺激と. ども連の中で,ストレス耐性がキレ,ストレス反応とし. はストレッサーを意味する。ストレスは,一般に成人を. ていじめや暴力行為が行われ,他者を傷つけたり,殺人. 対象として研究され,現在ではいろいろな方面から定義. 行為を犯してしまうという悲惨な事件が増加してきてい. されているが,Lazarus&Folkman(1984)は,スト レスは人や動物の適応に関する現象を理解するためにス. る。全国調査はその実体の深刻さを示しており,学校嫌 い,学校不適応,無気力,いじめ,自殺が年々増加し(佐々. トレスを組織化した概念として取り扱うことを提案し,. 木,1994),近年数値的に減少したように見えていたい. 心理的ストレスを人間と環境との関係で説明している。. じめ問題についても沈静化したのではなく内面化,陰湿. ストレスは,人的資源に負担を負わせたり,個人の資源. 化しており,これらの原因としてストレス説も多々指摘. を越えたり,また個人の安寧を危険にさらしたりするも. されている(岡安,嶋田,坂野,1993;嶋田,岡安,坂. のとして,個人が評価する人間と環境との関係から生じ. 野,1992)。このような深刻な社会問題に伴って,研究 者も子どものストレスに日を向けるようになってきた。. るものであり,ストレッサーによって生じる心理的葛藤 状態であると述べている。ストレッサーから受ける刺激. では,子どものストレスをどのように測定すればよい. は文様々であるが,それが表面化してくると身体にいろ. のだろうか。外国では学校ストレスに関する質問紙が多. いろな影響を及ぼす。嶋田はストレスはストレッサーと ストレス反応とを包括的に表現することばとして捉えて. く開発され実施されてきた。しかし,それらの結果を見 ると,学校システムや文化の異なる日本においては,こ. いる(1995)。彼は,ストレッサーは,嫌悪的あるいは. れらの質問紙が全て適応できるとは限らない。そのよう. 脅威的であると感じられる刺激や出来事のことと定義. な状況の中で,日本の研究者は,学校ストレスについて. し,ストレス反応は,ストレッサーによって引き起こさ. 子ども用ストレス測定尺度作成を試みてきた(岡安・嶋. − 91−.

(3) 戸田須恵子・福岡真理子. 田・坂野,1992;嶋田・岡安・坂野,1993;嶋田,. 耐性が媒介となって関係していることを明らかにしてい. 1993)。しかし,藤井はこれらの尺度はどの観点(情動. る(1992)。つまり,ストレスが高い子どもが必ずしも. 的変化,生理的変化,行動的変化)から測定するかで同. 学習意欲が低いというのではなく,子どもの耐性の度合. じような結果が出たとしても解釈が異なることを示唆し. いによって学習意欲への影響度も異なるという事であ. ている(1997)。丹羽・山際は,学校で子ども達がどの. る。赤坂は,エリクソンによる発達的段階から子どもの. ようなストレスを感じているかを小・中・高校の教師か. 発達的課題とストレッサーとなる心理的危機との関係を. ら自由記述によって回答を得ている。その結果は,小・. 報告し,家庭は子どもを勉強だけさせて何もさせないと. 中・高校でそれぞれ主たるストレスが異なり,高校生や. いった養育態度によってストレッサーへの適応能力の発. 中学生では学校環境要因としての校則によるストレスが. 達が阻害されていると批判している(1996)。以上述べ. 高い割合を占めていたのに対し,小学生は友人関係によ. た研究結果から学校ストレスには学業,対人関係要因が. るストレスが高い割合を示していた(1991)。しかし,. 共通しており,このことは,一日の大半を学校で過ごす. これは先生が子どもの日々の生活からストレスとして感. 子ども達は毎日ストレスを感じる環境にあることがうか. じられる行動や状態を判断した結果であり,子どもから. がえる。. ストレスに対処する方法の一つとして,ソーシャルサ. 直接聞いていないので,果たして先生の判断と本人の判. 断が一致しているかどうか不明である。しかし,彼らの. ポートが大きな役割を果たしている。ソーシャルサポー. 研究結果は,小,中,高校生とそれぞれストレッサーが. ト源として人,物,空間等いろいろ考えられるが,最も. 異なることを示し,子ども用ストレス測定尺度の作成に. 重要なサポート源は人である。即ち,父親,母親,きょ. は,別々の測定尺度が必要であることを示唆している。 桜井(1998)は,子どものストレスは,友達からのス. うだい,友人,先生等々である。誰を信頼すべき相談相 手として選ぶかは,個人差が大きい。しかし,誰であれ,. トレスが一番強く影響し,そのストレスが連鎖的に他の. 悩みを持った時に相談する相手を持つということは必要. ストレスを生じさせることを報告している。さらに,そ. である。人との関係が成立する基礎に信頼関係が成立し. の対処方法としてゲームを行う子どもが多いが,心理的. ていることが必要であり,人を信頼することのできない. なストレスは軽減されるかも知れないが,身体的には解. 子どもは,人との関係が成立しにくい。最近,核家族化. 消されない状態であり,本当のストレス解消にはならな. が進み,きょうだいの数も少なくなっている。さらに,. いことを述べている。学校ストレスには友人関係だけで. 受験のための塾やお稽古通いで十分に友達と遊んだりす. はなく,先生との関係,学業,先生からの叱責,クラス. る時間が少なくなっている。さらに,社会の変化として. の崩壊などによっても子どものストレスは生じると言わ. コンピューターの発達は又,子どもをコンピューター. れている(Forman&0’Malley,1984:桜井,1998;嶋田. ゲームに走らせ,コミュニケーション・スキルを発達さ. ,1995)。その結果ストレス反応として,子どもは抑うつ,. せる機会をますます少なくさせている。子どもが人とコ. 不安,引きこもり,無力感,不機嫌や怒り,身体症状な どを呈してくるようになる。長根は,小学4,5,6年生. ミュニケーションするという事は,面と向かい会って話. の学校ストレスについて研究し,最もストレスが大きい. 動きなどを肌で感じ,推察しながらコミュニケーショ. かったのは友達関係であることを見いだした(1991)。. ン・スキルを身につけていく方法を自ら体験し学んでい. しをするという事であり,そこで相手のことばや感情の. さらに,女子の方がストレス度が高く,学年間では20. く事なのである。上記に述べたストレス研究でも示して. 項目中1項目のみに有意差が見られたことを報告してい. いるように人間関係でストレスを感じる度合いが大きい. る。学年差が見られなかった理由としては,4,5,6. という結果は,人とのコミュニケーションが十分なされ. 年性は高学年として一つにまとまる為と考えられる。福. て来なかった結果ではないだろうか。沢崎は,ストレス. 岡は,低学年と高学年(3年生対6年生)でストレスを 比較しており,規制やサポート因子に学年差及び性差に. 反応を大きく4つに分け(いらいらし不機嫌になる,身 体的症状を示す,抑うつになる,無力感,意欲,集中力 の低下),その対処方法として一つはソーシャルサポー. おいて有意差が認められたことを報告している(1997)。 規制因子に関しては高学年及び男子においてストレス得. トをあげ,情緒的サポート,実際的なサポートを得るこ. 点は高く,サポート因子(先生の不在,仲良しの友達の. とで,アサーティブな自己表現を身につけることである. 欠席)では低学年及び女子においてストレス得点が高か. ことを述べ,話しを受けとめてもらえることによって子. った。これらの結果は,ある特定のストレスは学年差や. どもたちは初めて自分のことを表現するようになるのだ. 性差があることを示唆している。嶋田はストレスとスト. と述べている(1996)。. レス耐性と学習意欲との関連を検討した結果,ストレス と学習意欲とは直接関係しているのではなく,ストレス. 福岡は釧路市内の小学生のストレスとソーシャルサ ポートについて研究し,ストレッサーとして5因子(シ. − 92 −.

(4) No・53. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究:釧路市の児童との比較. 1999.3. いちがう”(2)“たぶんちがう”(3)“たぶんそうだ’. ステム,規則,学業,対人,サポート)抽出している(1997)。 又,ソーシャルサポートに対しても,両親や友人及び先. (4)“きっとそうだ”(9)“わからない”の5段階評定を. 生において学年差が見られている。結果は,低学年では 両親のサポート得点が高く,高学年ではクラスの友達や. するようになっている。但し,“わからない”は,父,母,. 先生のサポート得点が高かった。又,ストレスの低い子. “わからない”に回答してもらい,欠損値として処理した。. きょうだいのみに設定され,これらの人が不在の場合に. どもはサポート源としての先生の得点が有意に高く,先 生のサポートを得ることによってストレスを軽減してい. 3 結果と考察. る事が示唆される。このようなストレスとソーシャルサ ポートの結果は地域を越えて同様な結果が見いだされる. (1)学校ストレスについて. か興味のあるところである。学校社会という環境は同じ. 学校ストレスについては,因子分析(主成分分析,バ. かもしれないが,僻地という地理的・社会的環境が異な れば,そこで生活する子どものストレスに対する受け止. リマックス回転)を行った。項目のまとまり具合を考慮 し,固有値1.1以上とした結果3つの因子が抽出された。. め方に遠いが見られることが予測される。本研究の目的. 各項目の因子負荷量は.35以上であったので全ての項目. は,僻地における子どものストレスとソーシャルサポー. が各因子内にまとめられた。第1因子は学業に関する項. トについて調査し,釧路市内の子どもとどのような違い. 目で構成されているので“学業”と命名した。第2因子. が見られるのか,さらに学年によってもストレスやソー. は,対人関係に関する項目で構成されているので“対人”. シャルサポートに違いがあるのか比較検討することであ. と命名した。第3因子は,規制とか日常生活のなかで偶. る。高学年は低学年と比較して受験などを控えている為. 発的に起こり得る事柄で構成されており“規制”と命名. ストレスは高いであろうことが予測される。. した。Tablelには各因子別における各項目と因子負. 荷量が示してある。各因子毎に信頼性係数を算出した (Tablel参照)。a係数はそれほど高くもなく低くもな. 2 方 法. い数字である。因子間の相関を見たところ,相互に高い. 対象者:僻地校として根室管内の小学校2校で,3年生. 相関を示しており,いずれもp<.001で有意差が認め. 141名,6年生139名,合計280名から回答を得た(男子151. られた。そこで,各項目間の相関を見たところ,No.7. 名,女子129名)。釧路市の小学校の児童については4校. とNo.12を除いた他の項目は相互に高い相関を示してい. で,3年生168名,6年生141名,合計309名から回答を. た。No.7「友達に無視や仲間はずれにされた時いやな. 得た(男子163名,女子146名)。. 気持ちになる」と有意な相関が認められなかった項目は. 手続き:2種類の質問紙(ストレスに関する質問紙とサ. No.2「静かにしていなければならない時」,No.3「宿. ポートに関する質問紙)は学校へ郵送され担任の先生に. 題が沢山出た時」,No.4「先生がいきなりテストをやっ. よって行われた。質問紙は各児童に配布され,先生が質. た時」,No.5「給食できらいなものが出る時」,No.8「通. 問項目を読み上げ,それについて児童が回答していく方. 知表をもらう時」,No.12「先生が出張や休みでいない時」. 法と各児童が自分で読み,回答していく方法のいずれか. の6項目でいずれも友達関係とは関係のない項目群であ. によって行われた。所用時間は約30分くらいである。. った。又項目No.12「先生が出張や休みでいない時」と. 調査材料:ストレスに関する質問紙:嶋田ら(1992)が. 有意な相関が認められたのは,No.1「新しい勉強を教. 作成した小学生用学校ストレスを修正して作成された福. わる時」(r=013,p<.05),No.11「友達にいやなあ. 岡(1997)の小学生用学校ストレス質問紙を使用した。. だなや悪口を言われた時」(r=.15,p<.01),No.13.. この質問紙は,情緒的変化の観点から「いやな気持ちに. 「なかのよい子が学枚を休んだ時」(r=.16,p<.01). なっことのある頻度」をもとに作成されている。質問紙. の3項目であった。これらの項目は先生の存在が大きい. は16項目からなり,評定は(1)“ぜんぜんない”(2)“あ. ことが推測される。しかし,このような事柄でいやにな. まりない’’(3)“ときどきある”(4)“いつもある”の. ったからと言って先生の援助を期待しているわけではな. 4段階評定となっている。. いことはソーシャルサポートにおける先生のサポートと. ソーシャルサポートに関する質問紙:森・堀野(1992),. は相関がないことから明らとなった。. Table 2は,ストレッサーの因子得点を学年別及び性. 岡安(1993)の尺度を参考して作成された福岡の質問紙. (1997)を使用した。項目は6項目からなり,各項目には. 別で示した表である。因子得点を従属変数として2(学. サポート源としてのおとうさん,おかあさん,きょうだ. い,クラスの友達,その他の友達,先生,その他の人と. 年)Ⅹ2(性)の2要因分散分析を行った。その結果 3因子全てに対して,学年の主効果に有意差が認められ. 計7人が記述されており,それぞれについて(1)“ぜった. た。3年生より6年生の方が得点が高く,学業,対人関. − 93 −.

(5) 戸田須恵子・福岡真理子. Tabl¢1.学校ストレッサーの因子分析結果. 第1因子 学 業. Alpha=.74. 幽. 山. 04..715 0$..677 03..651 06..609 01..420. 先生がいきなりテストをやった時、いやな気持ちになる 通知票をもらう時、いやな気持ちになる 宿題がたくさん出た時、いやな気持ちになる 授業(勉強)がわからない時、いやな気持ちになる 新しい勉強を教わる時、いやな気持ちになる. 甲要員 粗 相 11..76$ 07..755 15..574 16..550 13..474. 哩‖規引⇒∴ね‖. 友達にいやなあだなや悪口を言われた時、いやな気持ちになる 友達に「むし」や仲間はずれにされた時、いやな気持ちになる 先生にしかられた時、いやな気持ちになる 先生に言いたいことがつうじない時、いやな気持ちになる なかのよい子が学校を休んだ時、いやな気持ちになる. 夢三因子御. 05..643 10..5g6 ∞..5S2 14..553 02..477 12..353. 給食できらいなものが出る時、いやな気持ちになる 授業がながびいて休み時間がへった時、いやな気持ちになる あまり好きでない子が同じ班になった時、いやな気持ちになる 花だんの草取りをやらされる時、いやな気持ちになる 静かにしていなければならない時、いやな気持ちになる 先生が出張や休みでいない時、いやな気持ちになる. 寄与率 第1因子 29.0 第2因子 9.S 第3因子7.O N=2SO. Table2.学年別・性別によるストレツサー因子得点 因子名. 3年. F Sign.. 6年. 男子. 男子 女子. 女子. 第1因子 学 業 1.96(.73)1.92(.57) 2.39(.67) 2.39(.71) 29.61 G***. 第2因子 対 人. 2.08(.76)2.45(.70) 2.39(.65) 2.61(.57) 8.49 G**. 第3因子 規 制. 2.10(.69)2.11(.55) 2.27(.55) 2.35(.57) $.OS G**. 12.82 S***. G=学年 S=性別 *pく.05 **p〈.01***pく.00l. 係,規制をストレスと感じる度合いが大きいことを示し. 因子の各項目に対しては,No.15,No16において学年. ている。又,第2因子“対人,,では性の主効果に有意差 が認められた。女子は男子より,対人関係に関してより. の主効果が認められ,No.7,No.15,No.16において性 の主効果に有意差が認められた。特に女子が男子よりス. ストレスを感じていることが明らかとなった。この結果. トレスを感じるのは「友達からの無視されたり,仲間は. は先行研究の長根(1991)の結果と一致している。項目. ずれにされた時」「先生に叱られた時」「仲の良い友達が. 別に見ると,第1因子の各項目とも学年の主効果に有意 差が認められている(いずれもp<.001で有意)。第2. 学校を休んだ時」である。又,6年生は3年生より「先 生に叱られた時」「仲の良い友達が学校を休んだ時」に. − 94 −.

(6) No・53. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究:釧路市の児童との比較. 1999.3. よりストレスを感じるようである。第3因子の項目に関. 喧嘩したりいじめられたりした時助けてくれる人がいる. しては,どの項目においても(No.5,10,9,14,2. ことを示している。又,男子は,女子より助けてくれる. ,12)学年の主効果に有意差が認められた。さらに,. 人がいないと答えている。項目6に対しては有意差はみ. 項目14においては交互作用効果に有意差が認められた. (p<.05)。6年生の女子ほ,男子より,又3年生より「花. とめられなかった。全体的に見て,6年生の男子が一般 にどの項巨=こ対しても得点が低い。この低さは内なる自. 壇の草取りをやらされていやな気持ちになる」ことが多. 己に目を向けるようになり,自己をネガティブに考えや. い。各因子を合計し総得点を従属変数として2(学年). すい青年期前期の特徴を示しているのではないかと推測. Ⅹ2(性)の2要因分散分析を行ったところ学年の主効. される。又,3年生は6年生より自分をサポートしてく. 果に有意差が認められた[F(1,252)=20.60,P<. れる人がおり周りの人をより肯定的に捉えていることが. .001)]。予測したように,6年生の方が3年生よりスト. わかる。. レスを感じる度合いが大きかった。. Table 4は,学年別・性別による各サポート源の平均. 得点が示してある。各サポート源を従属変数として2(学 (2)ソーシャルサポートについて. 年)Ⅹ2(性)による2要因分散分析を行った。サポー. Table 3は,学年別及び性別によるソーシャルサポー. ト源父に対しては性の主効果に有意差が認められた。女. 子の方が男子より,父はより助けてくれると思っている. トの各項目の平均得点が示してある。各項目に対して2. (学年)Ⅹ 2(性)の2要因分散分析を行った。項目1. ことが明らかとなった。サポート源,母に対しては,学. に対しては,性の主効果に有意差が認められた[F. 年及び性の主効果に有意差が認められた。3年生は6年. (1,178)=8.49,p<.01)]。女子の方が男子より,怒. 生より,又女子は男子より,母はより助けてくれると考. られた時になぐさめてくれる人がいることを示してい. えている。きょうだいに対しては,性の主効果に有意差. る。項目2に対しては,有意差は認められなかった。項. が認められた。又,交互作用効果にも有意差が認められ. 目3に対しては,学年と性の主効果に有意差が認められ. た。女子,特に6年生の女子は男子や3年生よりも,き. た[学年F(1,193)=6.07,p<.5;性F(1,193)=. ょうだいは助けてくれると思っていることが明らかであ. 4.24,p<.05]。3年生は6年生より,女子は男子より. る。クラスの友達に対しては,性の主効果に有意差が認. 勉強などわからない時敢えてくれる人がいると答えてい. められた。女子の方が男子よりクラスの友達は助けてく. る。項目4に対しては学年の主効果に有意差が認められ. れると思っている。その他の友達については,性の主効. た〔F(1,196)=5.40,p<.05]。3年生は,6年生よ. 果に有意差が認められ,又,交互作用効果においても有. りもいやなことがある時真剣に聞いてくれる人がいるこ. 意差が認められた。女子,特に6年生の女子は,男子や. とを示している。又,項目4に対しては,交互作用効果. 3年生よりもクラス以外の友達でも助けてくれると考え. も有意差が認められた[F(1,196)=4.81,p<.05〕。. ていることを示している。先生に対しては学年の主効果. 即ち3年生男女,及び6年生の女子は,6年生の男子よ. に有意差が認められた。3年生は6年生よりも先生は助. りいやなことがある時真剣に聞いてくれる人がいること. けてくれると思っているようである。その他の人に対し. を示している。項目5に対しても学年と性の主効果に有. ては有意差は認められなかった。全体的に見て,6年生. 意差が認められた[学年F(1,182)=5.76,P<.05;. の女子の得点が高く,又学年としては3年生の得点が高 く,彼らは各サポート源に対してより高く評価している. 性F(1,182)=4.93,p<.05〕。3年生は6年生より,. Tabl03.学年別・性別によるソーシャルサポート項目の平均得点. 3 年 項. 目. 6 年. 男子. 女子. 男子. 女子. 1.おこられたときなぐさめてくれる. 17.04(5.52). 17.卵(4.14). 14.76(4.10). 17.80(3.98). 2.ひとりではできないことを手伝ってくれる. 19.39(5.20). 19.92(4.38). 17.47(4.70). 19.34(5.09). 3.勉強などのわからないところを教えてくれる. 20.36(4.Og). 20.10(4.36). 17.53(4.38). 19.85(4.69). 4.いやなことがあるときしんけんに聞いてくれる. 1臥S4(5.39). 18.61(4.74). 15.53(5.02). 18.51(5.12). 5.けんかしたりいじめられたりしたとき助けてくれる. 19.10(5.76). 19.亀l(4.93). 15.93(5.70). 柑.95(6.14). 6.失敗した時(テストや試合など)はげましてくれる. 17て1(6.41). 17.67(5.60). 15.ユヱ(5.S4). 17.S6(5.Sl). ー 95 −.

(7) 戸田須恵子・福岡真理子. Tab始4.学年別・性別による各サポート源の平均得点 サポート源. 3年 男子. 女子. 男子. Sign.. F. 6年 女子. 10.65(4.52)14.Sl(6.40). クラスの友達. 16.90(4.63)17.51(4.31). 14.75(4.36)19.28(4.13). その他の友達. 14.69(5.54)14.73(5.09). 13.06(4.72)16.$6(3.$6). 18.15(4.59)1§.35(4.29). 15.01(5.32)15.78(4.99). つム. 1. 77. 50. 35 つん 14. その他の人. 5. 生. 丘. 先. 、目. 12.2S(5.71)12.45(5.05). ㌣. きょうだい. **. 16.07(4.87)19.40(4.60). ハニこ. 19.26(4.17)19.42(4.12). 7. 母. 22.31 73.71. 14.12(5.39)16.74(7.09). ′れ. 16.19(5.30)17.50(4.91). 4 3 5. 父. 13.99(5.56)14.09(5.04) 12.04(5.18)13.$2(5.16) 2.54 *pく.05 **pく.01***pく.001. ようである。6年生男子の得点はどのサポート源に対し. 9.9. G=学年 S=性別. (3)釧路市内の小学生と僻地の小学生との比較. 3. ても低く,女子と比較してサポートしてくれる人があま. 上記の結果は僻地小学校の学校ストレスとソーシャル. りいないと答えている傾向にある。全体と比較して得点 は低い僻地の6年男子の得点に注目すると,サポート源. サポートの結果である。僻地の児童と釧路市内の児童と. の中で母の得点が一番高く(16.07点,),次いで先生の. ストレスに違いがあるのか比較検討した。Table 5は, 地域別にストレッサー項目別平均得点が示してある。釧. 得点が高い(15.01点)。これは,クラスの友達の得点よ. 路市内と僻地問で一要因分散分析を行い比較した。項目. り高く,先生への信頼感・期待感を示している。今後, 学校で何か問題が生じた時,先生が積極的に相談にのる. 5,6,7,10,11,12,15において有意差が認められた。. ことによってより信頼感が得られる事を示唆している。. 気持ちになる」のみ僻地の子どもの得点が高かった[F. 子どもから信頼を得る事は又,問題を未然に防ぐ事に役. (1,584)=4.82,p<.05]。それ以外の有意差の認めら. 項目10.「授業が長引いて休み時間がへった時にいやな. れた項目においては,釧路市内の子どもの得点が高く僻. 立つであろう。. 次に,ストレス得点とサポート源との関係を検討した。. 地の子どもよりストレスが大である事を示している。即. ストレスの高低によって,サポート得点が異なるのでは ないかと考えた。即ち,ストレスの高い子どもはサポー. 友達に無視や仲間はずれにされた時,友達にいやなあだ. ト得点がどのようになっているのかという事である。ス. なや悪口を言われた時,先生に叱られた時には,市内の. トレスが高くサポート得点が低ければ,子どもは人に相. 子どもの方が僻地の子どもよりストレスを感じる度合い. ち,給食できらいなものが出る時,授業がわからない時,. が大きい事を示している。. 談しないで悩んでいることが示唆される。逆にサポート. 得点が高ければ,人に相談して問題を解決しようとして. Table 6は因子別得点が示してある。2(地域)Ⅹ2. いるとも考えられる。そこでストレスの総得点を高得点. (学年)の分散分析を行った。第1因子では,学年の主 効果と交互作用効果に有意差が認められた。学業に関し. 群,中得点群,低得点群の3群にわけ,サポート源の総 得点及びサポート源別との相関を見たところ有意差は認. て,6年生,特に僻地の6年生が市内の3年生より,又. められなかった。さらに,ストレスの因子別との関連も. 僻地の3年生よりストレスが高い事を示した。第2因子. 見たが有意な関係は認められなかった。その理由として. に対しては,地域と学年の主効果が認められた。対人関. は,ストレス項目とサポート項目が違う為と考えられる。. 係に関しては市内の子どもは僻地の子どもよりストレス. 今後ストレスとサポートが同じレベルで比較可能な項目. を感じるようである。又,6年生は3年生と比較して友 達関係でストレスを感じることが多い。第3因子の規制. を検討していく事が必要であろう。 − 96 −.

(8) No.53. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究:釧路市の児童との比較. 1999.3. Tabt05.地域別ストレツサー項目得点比較. 項 目. 釧路市内. 6年. ・事. 3年. *. 6年. *. 第1因子 学 業. 3年. *. 因子名. 地. ・事. 僻. 5. TabI06.地域別・学年別によるストレツサー因子得点比較 釧路市内. *. 3. *pく・05 **pく・01*…p〈・001. *. つ2 ん つ1 ん つん. 3. 総合計. つ つエ ︼. 16.先生に言いたいことがつうじない時. 2. 15.先生にしかられた時. ■事. 1. 14.花だんの草取りをやらされる時. 2. 12.先生が出張や休みでいない時 13.なかのよい子が学校を休んだ時. 止T. つ‘. 11.友達にいやなあだなや悪口を言われた時. つん. 10.授業がながびいて休み時間がへった時. つん. 0$.通知票をもらう時 個.あまり好きでない子が同じ班になった時. つん. 07.友達に「むし」や仲間はずれにされた時. つん. 05.給食できらいなものが出る時 06.授業(勉強)がわからない時. 00 7 0ノ 3 3 4 0 0 0ノ 4 つム 3 3一7 つJ 00 0 0 1 ‘U 1 2 つ▲ 4 7 4 ′b ′b 5 八U 1 5 つー 08. 04.先生がいきなりテストをやった時. 2. 03.宿題がたくさん出た時. 5 1 7︵U U ∠ OU 2 7q′ 50 57 1100 ′b0ノ ′b O 2 l 4 ‘4 3 q 4ノ 0 0 5 7 3つん. 02.静かにしていなければならない時. 1. 2 2 2 2 2 2 2 L 2 2 2 L 2 2 2 2 6. 01.新しい勉強を教わる時. 2.17(.67)2.31(.56) 1β4(.65) Z.39(.69) Z9.65 G*… 8.17. AxG**. 第2因子 対 人. 2.47し59)2.60(.52) 2.25(.76) 2.49(.62)10.01 A**. 第3因子 規 制. 2,22(.65)2.16(.49) 2.10(.63) 2.30(.56) 7.01 AxG**. 1ユ.80. G***. A=地域 G=学年 書pく.05 **pく.01…*p〈.001. 6年生は釧路市内の子どもや僻地の3年生よりストレス. レス度が高いようである(釧路市内 3年36.5点6年 37.5点,僻地 3年33.5点6年38.1点)。一般にストレ. 度が高かった。項目別で「授業が長引いて休み時間がへ. スは市内より僻地の子どもの方が高いのではないかと言. った時」のストレス度が僻地の子どもに高かったという. われていたが本研究はそれを実証した。特に学業に関す. については交互作用効果に有意差が認められた。僻地の. 結果から見ると,特に僻地の6年生がその事についてス. るストレスが高かった。Table 7は地域別及び性別の. 平均得点が示してある。2(地域)Ⅹ2(性)の2要 因分散分析を行った。第2因子“対人”のみに地域及び. トレス度が高いようである。. ストレスの総合得点については,学年の主効果[F. (1,561)=18.38,p<.001]と交互作用に有意差が認め. 性の主効果,交互作用効果に有意差が認められた。即ち,. られた[F(1,561)=7.65,p<.01]。全体的ストレス. 釧路市内の子どもの方が対人関係に対してストレスが大. として,6年生は3年生より,特に僻地の6年生はスト. きく,特に市内の女子は男子よりストレス度が高いこと ー 97 −.

(9) 戸旧須恵子・福岡真理子. Tabl¢7.地域別・性別によるストレッサー因子得点比較. 僻 地. 剋監岨 因子名. 女子. 男子. 女子. 男子. F. 第1因子 学 業 2.23し63) 2.24(.62) 2.18(.73) 2.14(.67) 第2因子 対 人. 2.49(.57)2.57(.55) 2.23(.72) 2.53(.65) 8・25 A** 12.40 S*** 4.41 Ax S *. 第3因子 規 制. 2.25(.59)2.13(.56) 2.19(.63) 2.22(.57) A=地域 S=性別. *p〈.05 **pく.01 ***pく.001. Ta別e8.地域別・学年別の各サポート源における得点比較 型雌連出 サポート鯨. 3年. M. 3年. 6年. 6年. F. p. 父. 16.62(4.9$)14.73(5.48) 16.83(5.13)15.27(6.29) 11.4$ G***. 母. 1$.40(4.28)17.13(4.$9). 19.34(4.12)17.64(5.01)12.34. きょうだい. 13.11(5.32)12.27(5.45). 12.35(5.40)12.50(5.7釦. クラスの友達. 15.92(4.g4) 柑.01(4.33). 17.19(4,4S)16.79(4.$0) 10.05. 4.65. G*. AxG**. その他の友達. 14.43(4.97)15.き2(4.54). 14.71(5.31)14.76(4.74). 先 生. 16.Ol(5.07)18.50(4.22). lS.25(4.44)15.36(5.17) 45.60. 13.59(5.45)13.35(4.32). 14.04(5.30)12.S4(5.23). その他の人. G***. AxG***. A=地域 G=学年 *pく.05 +*pく.Ol***pく.001. が明らかとなった。僻地においては,幼児期より常に一. 達については,6年生,特に釧路市内の6年生のサポー. 緒に過ごしてきた関係からストレスは市内と比較してあ. ト得点が高く興味ある結果を示した。又,先生について. まりないのかも知れない。ストレスの総合得点の地域と. は,釧路市内の6年生が最も高い得点を示し,僻地の6. 性については分散分析の結果有意差は認められなかっ. 年生は最も低い得点を示している。即ち,僻地の6年生 は市内の子どもより,又3年生より先生からのサポート を期待していないと言える。Table 9は各サポート源. た。. Table 8は各サポート源の学年別による得点が示して. ある。2(地域)Ⅹ2(学年)の分散分析を行ったと. の地域別及び性別による得点を示したものである。2(地. ころ,いくつかのサポート源において有意差が認められ た。父と母及びクラスの友達については学年で有意差が. 域)Ⅹ2(性)の分散分析を行ったところ,すべての サポート源に対して性の主効果に有意差が認められた。. 認められた。又クラスの友達と先生については,交互作. 即ち,どのサポート源にたいしても女子の得点は男子よ. 用が認められた。父,母に対しては,3年生の方がサポー. り高く,市内,僻地を問わず,女子は,男子より,困っ. ト源としてより高く評価しているのに対し,クラスの友. た時にはこれらの人たちからサポートしてもらえるだろ. − 98 −.

(10) No・53. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究:釧路市の児童との比較. 1999.3. Tab旭9.地域別・性別の各サポート源における得点比較 鍬野市内 サポート源. 男子. 艶 女子. 塑 女子. 男子. F. p. 父. 15.33(5.00)16.24(5.5S). 母. 17.02(4.60)1$.72(4.46). 17.SO(4.76)19.41(4.31) 15.66. きょうだい. 11.78(5.03)13.79(5,59). 11.61(5.29)13.41(5.71). 13.9さ S***. クラスの友達. 15.54(4.74)1S.3‡(4.23). 15.S3(4.61)18.34(4.30). 4$.92. その他の友達. 13.91(4.76)16.36(4.56). 13.貼(5.19)15.74(4.65). 2乳22. 先 生. 16.25(5.10)l臥15(4.37). 16.62(5.19)17.14(4.79). 12.62(4.76)14.45(5.02). 13.06(5.45)13.97(5.0$) 10.25. その他の人. A=地域. 15.25(5.42)17.19(5.86). 7.85. S,l*. S***. S***. S***. 8.77. S**. S***. S;ゴ性別 *pく.05 …pく.01…pく.00l. Tab旭10.地域別・学年別によるソーシャルサポート項目得点比較 屈 腿. 謁[目頭砧退. 項. 3年. 目. 6年. 3年. 6年. 1.おこられたときなぐさめてくれる. 16.14(4.開). 16.4$(4.55). 17.4S(4.91). 16.09(4.30). 2.ひとりではできないことを手伝ってくれる. 1$.$3(4.$4). 19.10(4.27). 19.63(4.84). l臥30(4.94). 3.勉強などのわからないところを敢えてくれる. 柑.52(4.67). 19.55(4.2S). 20.25(4.19). 1S.55(4.64). 4.いやなことがあるときしんけんに聞いてくれる. 18.14(5.06). 柑.04(4.g5). 柑.74(5.09). 16.Sl(5.25). 5.けんかしたりいじめられたりしたとき助けてくれる. 18.60(5.79). 18、64(5.10). 19.41(5.41). 17.36(6.07). 6.失敗した時(テストや試合など)はげましてくれる. 17.S9(5.葛5). 1$.02(5.49). 17.69(6.04). 16.34(5.94). うと考えていることが明らかである。. ろを敢えてくれる人が多くいるようである。項目4につ. いては,学年の主効果に有意差が認められた[F(1,505). TablelOは,地域別,学年別によるソーシャルサポー. トの各項目における得点を示したものである。2(地域). =4.78,p<.05]。さらに,交互作用効果にも有意差が. Ⅹ2(学年)の2要因分散分析を行ったところ,いくつ. 認められた[F(1,505)=3.93,p<.05]。僻地の3年. かの項目で有意差が認められた。項目1については,地. 生は6年生より得点が高く,いやなことがあるとき真剣. 域と学年の交互作用効果に有意差が認められた. に聞いてくれる人が多くいるようである。逆に僻地の6. [F(1,487)=3.83,p<.05]。僻地の3年生の得点は. 年生は一番得点が低く,いやな辛がある時真剣に聞いて. 他の学年や釧路地域の子どもより高く,怒られた時なぐ さめてくれる人がより多くいるようである。項目2につ. くれる人がいないと思っているようである。項目5につ いては,交互作用効果に有意差が認められた[F(1,490). いてはいずれも有意差は認められなかった。項目3につ. =3.98,p<.05]。僻地の3年生は釧路市内の子どもよ. いては交互作用効果に有意差が認められた[F(1,502). り又僻地の6年生より,喧嘩をしたりいじめられたりし. =11.10,p<.001)]。僻地の3年生は他の学年や釧路. た時助けてくれる人がいると思っているようである。逆. 市内の子どもより得点が高く,勉強などわからないとこ. に,助けてくれる人があまりいないと思っているのは僻. − 99 −.

(11) ff田須恵子・福岡真理子. Tabtell.地域別・性別によるソーシャルサポート項目得点比較 僻. 鎚弘也止 項. 女子. 男子. 目. 男子. 地 女子. 15.16(4.40)17.55(4.77)16.00(5.03)17.90(4.05) 1.おこられたときなぐさめてくれる 2.ひとりではできないことを手伝ってくれる 18.07(4.63)19.93(4.33)1S.52(5.05)19.66(4.70) 3.勉強などのわからないところを教えてくれる 1臥15(4.63)19.93(4.21)19.04(4.44)19・99(4・49) 4.いやなことがあるときしんけんに聞いてくれる 16.82(5.07)19.51(4.43)17.39(5.46)ほ57(4朋) 5.けんかしたりいじめられたりしたとき助けてくれる17.50(5.83)19朋(4.77)17.82(5.92)19.43(5.4S) 6.失敗した時(テストや試合など)はげましてくれる16.74(5朋)19.30(5.14)16.61(6.26)17/75(5.66). 地の6年生のようである。項目6については有意差は認. 女子は男子よりストレスを感ずる革も明らかになった。. められなかった。Tablellは地域別,性別によるサポー. ソーシャルサポートに関しては,苦しみや悩みについて. ト項目の平均得点を示したものである。どの項目に対し. サポートしてくれるだろうと予測する人について地域差. ても性による主効果が認められた[No.1‥F(1,487). が見られたのは,クラスの友達と先生についてである。. =24.97,P<.001;No.2‥F(1,509)=12.60,p< クラスの友達については市内の3年生において友達の援 .001;No.3..F(1,502)=11.31,p<.001;No.4‥F 助をあまり期待していないという結果を示した。又,先 (1,505)=18.29,p<.001;No.5‥F(1,490)=15.17, 生については僻地の6年生の得点が最も低く,困った時 p<.001;No.6‥F(1,500)=12.33,p<.001]。即ち,に先生の援助は期待できないと思っている事を示してい どの項目に対しても市内,僻地を問わず,男子より女子 の方がこれらの問題に対して周りの人はサポートしてく. る。本研究で示された結果は,今後,教師が子どもをサ ポートする上でどのように接していくか,学年や性別で. れることを期待していると言える。全体的に僻地の男子. その対処方法を違えていくことがより効果的であること. の得点が低く,僻地の男子は周りの人からのサポートが. を示唆している。藤井(1997)は,学校ストレス測定に. 期待できないと思う傾向を示した。いろいろな問題を持. 関して,従来の尺度はそれぞれ異なった観点から項目が. った時,サポートが得られるという事は,そこに相互の. 作成されており,算出される学校ストレス得点の持つ意. 信頼関係が成立している事を意味し,社会的問題になる. 味には十分注意することが必要であり,学校ストレスを. 前に問題を解決できる可能性を持つと考えられる。本研 究のサポートに関する質問項目は6項目であった。さら. 単一の得点で表すのは危険であることを警告しており,. に質問項目を検討し,今後ストレスやコービングとの関. めている。本研究においても因子によってストレス度が. 連でさらに検討していく事が必要があろう。. 異なり,僻地と市内の相違も明らかになった。ストレス. おわりに. 僻地の男子はストレス度は最も高く,サポート得点は最 も低い結果を示したという結果は,僻地で教える教師に,. 多角的に個人の学校ストレスの構造を分析することを勧. とサポートとの間に有意な相関は認められなかったが,. 本研究は僻地における子どものストレス及びソーシャ. 今後児童を指導していく上で何らかの資料を提供してい. ルサポートとの関係を検討し,釧路市内の子どもと比較 検討した。子どものストレスは,一般に僻地の子ども,. ると思う。又,利用していただければ幸いである。. 特に6年生においてストレス度が高い事が明らかになっ. 4 引用文献. た。因子別に見ると,僻地の子どもは学業や規制に対し てストレス度が高く,釧路市内の子どもは対人関係に対 するストレス度が高かった。又,ストレスの合計得点で. 赤坂徹1996 子どもの学校ストレスとその対処 教育. は僻地の6年生のストレス度が高い結果を示した。全体. Forman,B.,&0’Malley,P.1984SchooIstressand anxie−. と医学 44,584−592. 的に見て,多くの因子や項目において学年で有意差が認 められた。3年生は小学校半ばであり,6年生は受験や. tyinterventions,SchooIPsychology Review,13, 162−170. 進路を考えなければならない年である。その為,ストレ. 藤井義久1997 現代の学校現場が抱える諸問題 教育. スも高くなるのであろう。さらに,友人関係においては,. 心理学研究 45228−237. −100−.

(12) No・53. 僻地学校における児童の学校ストレスとソーシャルサポートに関する研究:釧路市の児童との比較. 福岡真理子1997 小学生の学校ストレスとコービング に関する一考察 北海道教育大学 教育学研究科修士 論文. Lazarus,R.S.,&Folkman,S.1984Stress,apPraisal,and COpingNewYork:Springer監訳 本明寛・春木豊・織. 田正美(1998) ストレスの心理学 実務教育出版 森和代・堀野緑1992 児童のソーシャルサポートに関 する一研究 教育心理学研究 40,402−410 長根光男1991学校生活における児童の心理的ストレ スの分析−′ト学4,5,6年生を対象にして− 教育 心理学研究,39,182−185 丹羽洋子・山際勇一郎1991児童生徒における学校ス トレスの査定 筑波大学心理学研究13209−218 岡安孝弘・嶋田洋徳・坂野雄二1992中学生用ストレス 反応尺度の作成の試み 早稲田大学人間科学研究,5, 23−29. 岡安孝弘・嶋田洋徳・坂野雄二1993中学生における ソーシャルサポートの学校ストレス 軽減効果 教育. 心理学研究 41,302−312 桜井茂男1998 子どものストレス 大日本図書 佐々木保行1994「子どもの日」の社説にみる子ども・ おや・社会一社説心理学からの 朝日新聞(1949∼ 1993) 45年間の分析一鳴門教育大学研究紀要,9, 225−239. 沢崎達夫1996 子どもの学校ストレスとその対処 教 育と医学 44,593−599 嶋田洋徳1993 児童の心理的ストレスとそのコービン グ過程一知覚されたソーシャルサポートとストレス 反応の関連− ヒューマンサイエンス,2,27−44. 嶋田洋徳・岡安孝弘・坂野雄二1992 児童の心理的ス トレスと学習意欲との関連 健康 心理学研究 56, 7−19. 嶋田洋徳・岡安孝弘・坂野雄二1993 小学生用ソーシ ャルサポート短縮版作成の試み ストレス科学研究 8,ト12. 嶋田洋徳1995/ト学生のストレス 指導と評価 41, 12−15. 付 配 本研究のデータ収集にあたって,ご協力してください ました僻地の2校の小学校3年生と6年生のみなさん, 校長先生並びに諸先生に対して厚く感謝いたします。 釧路市内の児童のデータは,福岡の北海道教育大学教育 学部修士論文の一部である。. −101−. 1999.3.

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参照

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