• 検索結果がありません。

僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題 ― 音楽・技術・理科の各専攻の教員および小学校教員の共同による授業 ―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題 ― 音楽・技術・理科の各専攻の教員および小学校教員の共同による授業 ―"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題 ― 音楽・技術 ・理科の各専攻の教員および小学校教員の共同による授業 ―. Author(s). 芳賀, 均; 小泉, 匡弘; 高橋, 一将. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 68(1): 219-232. Issue Date. 2017-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9545. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第68巻 第₁号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 68, No.1. 平 成 29 年 ₈ 月 August, 2017. 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題 ― 音楽・技術・理科の各専攻の教員および小学校教員の共同による授業 ―. 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将 北海道教育大学旭川校. The Effect and Task of Integrative Learning by Comprehensive Learning at a Remote school: The lesson by cooperation of music, technology, science and primary school teachers. HAGA Hitoshi, KOIZUMI Tadahiro and TAKAHASHI Kazumasa Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 本研究は,学校現場や地域の課題解決につながる研究として,僻地・小規模校といった特定 の学校や地域に着目しながら,児童の学びの質的向上に資することを目指したものである。社 会が直面する昨今の課題は,複数の分野の複雑な関連を含み,その解決には各教科の領域を越 えた全人的教育が求められている。このことで創造力の育成,ひいては僻地をはじめとする地 域の活性化に対する波及効果も期待できる。その全人的教育の一つの方法として合科的学習, すなわち異なる教科を融合させた学習に焦点を当て,音楽・技術・理科の各専攻の教員および 小学校教員の共同によって弦を三本張った弦楽器(ドアチャイム)を製作する活動を構成した。 音の性質について理解し,その仕組みを利用した楽器を作り,それを活用して音楽づくりを行っ た合科的学習について,児童の視点から捉えたことを交え,効果と課題について整理した。. はじめに. 僻地・小規模校といった特定の学校や地域に着目 しながら,全人的教育の一つの方法として合科的. 社会が直面する昨今の課題は,複数の分野の複. 学習,すなわち異なる教科を融合させた学習を取. 雑な関連を含み,その解決には各教科の領域を越. り上げる。. えた全人的教育が求められている。そうした状況 においては,児童の学びの質的向上が不可欠であ ると考えられる。このことに対し,本研究では,. 219.

(3) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. 「ばらばらの知識の『記憶』と『再生』ではなく,. 1 求められる能力. 現実の世界でリアルな課題の『探求』あるいは『問. 目まぐるしく変動している世界,そこでは,情. 4) になるといえる。 題解決』が重要」. 報化の進展や価値観の多様化による社会の変化に 主体的に対応できる資質や能力が求められる。現 在求められている資質・能力について,松尾知明 は以下のように指摘している1)。. 2 次期(第9次)学習指導要領に向けて 次期学習指導要領の改定に際しては,児童が「何 ができるようになるか」を重視する視点で,社会. 仕事のやり方や私たちの生活は大きな変化. において自立的に生きるために必要とされる力,. を遂げている。職場では歴史的な変化が起. すなわちOECDにおけるキー・コンピテンシーの. こっており,情報へのアクセス,保存,処理,. 議論や,問題発見・解決能力,21世紀型スキルな. 生産などでICTを駆使して,プロジェクト. どを育てていく上で,「各教科等で育成されるも. チームを組み協働的に新しいサービスや製品. の(教科等ならではの見方・考え方など教科等の. を創造するといった知識労働が求められてい. 本質に関わるものや,教科等固有の個別の知識や. る。またICTは私たちの日常生活の一部と. スキルに関するもの)といった視点で,相互に関. なっており,毎日の生活の中でもICTを道具. 連付けながら位置付けなおしたり明確にしたりす. として使いこなすデジタル生活様式への対応. 5) が提言されている。 ること」. に迫られている。. その一方で,次期学習指導要領において,「『生 きる力』とは何かを資質・能力として具体化し,. 現行の学習指導要領(第8次・平成20年)では,. 教育目標や教育内容として明示したり,教科等間. 言語活動の充実を各教科等を貫く改善の視点とし. のつながりを示したりしていくこと」6)が求めら. て掲げている。しかし,この点について,「次期. れる。具体的には,次期学習指導要領では,以下. 学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまと. のように教科間のつながりの重要性が指摘されて. 2). め」では以下のような課題が指摘されている 。. いる7)。. 言語活動の導入により,思考力等の育成に. 教科等における学習と,教科等や学校段階. 一定の成果は得られつつあるものの,教育課. を越えた教育課程の在り方と関連付けながら. 程全体としてはなお,各教科等において「教. 検討していくことは,資質・能力の育成に当. 員が何を教えるか」という観点を中心に組み. たって,教科等における学習が重要な意義を. 立てられており,それぞれ教えるべき内容に. 持つ(中略)。様々な資質・能力は,教科等. 関する記述を中心に,教科等の枠組みごとに. の学習から離れて単独に育成されるものでは. 知識や技能の内容に沿って順序立てて整理し. なく,関連が深い教科等の内容事項と関連付. たものとなっている。そのため,一つ一つの. けながら育まれるものであることや,資質・. 学びが何のためか,どのような力を育むもの. 能力の育成には知識の質や量が重要であり,. かは明確ではない。. 教科等の学習内容が資質・能力の育成を支え ていることが明らかになってきている。. また,我が国が「新興国にコスト競争力で勝つ ことは難しい。日本は高付加価値産業への構造転 3). 以上のことから,資質・能力の育成のために,. 換を急ぐべきである」 というこれからの時代に. その育成を支える教科等の学習の意義を再確認し. 臨む際には,先述のような状況を克服する上で,. つつ,内容を大切にしながら,教科等相互あるい. 220.

(4) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. は学校段階相互の関係をつないで,総合的な学び. 本実践は,総合的な学習の時間で行うため,そ. を主体的・対話的に展開し,「何ができるように. の特質から求められることを視野に,「一つの教. なるか」を目指していくというのである。. 科等の枠に収まらない課題に取り組む学習活動を とおして,各教科等で身に付けた知識や技能等を. 3 児童の視点で考えること. 相互に関連付け,学習や生活に生かし,それらが 10) ような活動を構 児童生徒の中で総合的に働く」. さて,本稿にも,「児童が」という言い回しが. 成したいと考える。このことを実現するためにも,. しばしば現れる。すなわち,活動は児童の立場か. 以下の点に留意する(中央教育審議会初等中等教. ら構築するということが考えられる。しかし,こ. 育分科会教育課程部会「次期学習指導要領等に向. のように,児童の視点で考える,あるいは児童の. けたこれまでの審議のまとめ」11)より)。. 考えといっても,結局は,それが大人の考える児 童,大人から見た児童であったならば,すなわち. ・課題 (学習対象) に関する概念的知識を獲得し,. それは大人の考えであるに過ぎない。本研究では,. 課題の解決に必要な知識や技能を身に付け,. 本当に児童がその活動をどのように認識したかと. 探究的な学習のよさを理解するようにする. いう点をそのまま捉えることをねらうことにする。. ・実社会や実生活の中から問いを見出し,自分 で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,. 4 音楽・技術・理科の合科的学習の構想. まとめ・表現する力を育成する ・主体的・協同的(協働的)・探究的な学習に. ⑴ 各教科の立場. 取り組み,互いのよさを生かしながら,積極. 本研究では,音楽・技術・理科の各専攻の教員. 的に社会に参画する態度を育てる. が共同する。 音楽という立場からは, 「音楽科での学習の対. こうして,音楽・技術・理科の各専攻の教員が. 象として規定しえるのは,直接的な感情や感動で. 共同する本研究における,合科的な学習に取り組. はなく,それを具現化している音や音の構造であ. む総合的な学習の時間を,教科等の枠を超えた横. る。すなわち,音楽教育とは,感じ取らされるも. 断的・総合的な学習とすることと同時に,探究的. のではなく,能動的に感じ取ったり表現したりす. な学習や協同的な学習として構成していく。. るために,音や音の構成による表し方,見方を学 8) であるといえる。ここには,「音や音の ぶもの」. ⑵ 活動の構成. 構造」といった科学的な見方や考え方で捉えるこ. 〈4⑴〉を踏まえると,科学的な学習と楽器に. とが可能なもの,すなわち理科で扱うことが可能. 関わるものづくり,製作した楽器を活用して音楽. な側面をもっており,現に,音に関する学習は中. 的な活動をするという流れが考えられる。すなわ. 学校1年生の理科の学習内容に存在する。. ち,教材は楽器とする。. また, 「今日的なコンピテンシーとして重視さ. 製作する楽器は,音程の調節を自在に行えるこ. れているものに創造性があるが,フィンランドで. とが必要である。木琴や管楽器のように,材料を. は,創造性の育成のために,ものづくりを中心と. 短くしたら元に戻せないようなものであるなら. した芸術系教科の重要性に着目して多くの時間を. ば,すなわち音程を高くはできても低くすること. 割いている」9)ことを踏まえ,音について科学的. ができない。口を使うものだと,音を出しながら. に捉え,知識を得たならば,その性質を活用した. 児童同士がやりとりすることができない。膜を. 楽器を製作する活動を用意することが効果的であ. 使った打楽器だと,響きのはっきり異なる和音を. ると考えられる。. 出すための,三つの音を同時に鳴らすことが難し. 221.

(5) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. い。これらのことを考慮すると,弦を三本張った 弦楽器が適していると考えられる。 【図1】および, 【図2】の試作を経て,ギターのペグを用いて自 在に音程(音高)を調整できる形(【図3】参照) にした。さらに,樹脂の玉を弦に当てて発音する 機構を設け,ドアチャイムとして使用できるよう にした。 音を鳴らしながら測定作業や音程の無段階の調 節ができるようにするため,片方の手でバチ(棒) を,もう片方の手でペグ(糸巻)を調節できるよ. 【図4】弦をバチで叩く様子. うな構造にした(【図4】および【図5】を参照)。. 【図1】弦楽器の試作⑴. 【図5】ペグを回して音程の調節をする様子. 以上の教材を用い,関心・意欲を重視した体験 的で児童の主体的な活動,および,各教科等で育 成される能力が活用される活動,その活動を児童 【図2】弦楽器の試作⑵. がどのように認識したかについてそのまま捉え る,ということをねらった活動を構成する。 設定した活動名は「自分の好きなサウンドのド アチャイムをつくろう」(対象:小学校5・6年 生)である。活動の流れは,以下のようである(な お,[大括弧]の数字は活動の段階を示す)。 ① 「どのように音が出ているか,仕組みも含 めて学んでいこう」「この楽器を作るのに, どのような知識や技術が必要かな?」と投げ かけて活動を開始する(活動[0])。まず, 音についての学習を行う。「どこから音が出. 【図3】弦を三本張った弦楽器(ドアチャイム). ているかな?」と問いかけ,児童の回答(「穴」 「箱」「弦」など)を得て,最終的には弦の 振動であることを捉える(活動[1])。音の 高さ(音程)と振動数(周波数)との関係に. 222.

(6) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. ついて,モノコードとタブレット端末にイン. ⑶ 授業者:芳賀(T1)・小泉(T2)・高橋(T3)・. ストールした「周波数カウンタ」を用いて,. 早川(T4)・六本木(T5)。T5は,学級担任と. 音の視覚化(技術)を通して科学的に捉え(理. して,常時,児童の立場から,質問や確認,指. 科)理解する。その際,どのように音程を変. 示の徹底を行う。. 化させるかについても理解する(活動[2])。. ⑷ 活動名:「自分の好きなサウンドのドアチャ. これらの活動を通して,科学の学習が不十分. イムをつくろう」. で技術寄りの内容が多い理科の学習改善と,. ⑸ 本活動の目標:. 音を扱っていても音階(ドレミ)に縛られ過. ○音について知り,音を意図的に操作して,音. ぎて音そのものへの注目に弱さのある音楽の 克服につなげる。 ② ドアチャイムをつくる(技術)。どのよう. を構成することができる ・音について科学的に捉えることができる ・音を出す道具を製作することができる. に作れば,目指す楽器に至るか。材料にドリ. ・音の性質や音を出す道具を使用して好きな. ルで穴を開けたり,部品をねじ止めしたりす. 音環境や音楽をつくることができる. るなどの技術を活用する(活動[3])。 ③ 音の高さ(音程)を,周波数カウンタを用. ⑹ 活動の展開([大括弧]の数字は活動の段階) [0]活動の把握(T1・T3). いて,数字で捉える。すなわちドレミといっ. 「自分の好きなサウンドのドアチャイムをつく. た音階に依るのではなく,あくまで数量的に. ろう」との提示を受けた後,見本のドアチャイム. 音そのものを捉える。また,三つの音の組合. を確認した。活動全体のおおまかな流れに見通し. せと響きの感受による感覚(音楽)との関わ. をもち,「ただ作るだけでは面白くないから,ど. りを感じ取る(活動[4-1])。. んな風に音が出ているか,仕組みも含めて学んで. ④ 音を構成して音楽づくりをする(活動[4 -2] ) 。 ⑤ 活動のまとめを行い,全校児童に作品を発 表する(活動[5])。. いこう」 「これを作るのに,どんな知識や技術が 必要かな?」との問いかけで,ドアチャイムの作 成に必要な知識を学ぶことを確認した。 [1]音とは何かを掴む(T3・T1). ⑥ 弦楽器 (ヴァイオリン)による演奏を聴く。. 「どこから音が出ているかな?」との発問で,. 曲目や演奏法といった音楽的な側面のみなら. 見本のドアチャイムを見ながら,音はどのように. ず,音そのものや音の発生の仕組みに注目し. して生じているのか考えた。児童の「穴」「弦」. た聴取も意識する(活動[6])。. 等の回答を経て,最終的には弦の振動に収束した。. これら①~⑥を基に,学習指導案を作成した。. [2]音について科学的に捉える(T3). それについて,児童の実態等に合わせ,発問や指. 「弦の動きって,目で見えるかな?」「どうす. 示等について,実践する学級の担任教諭が補正す. れば弦の振動を記録できるかな?」「高い音と低. るという手順で学習指導案を完成した。. い音をどのように比べたらいいかな?」という発. なお,本稿の末尾に,附録として,使用したワー. 問から,形のない「音」をどのように捉えるか考. クシートを示す。. えた後,音叉およびモノコードによる実演を見な がら,タブレット端末にインストールしたオシロ. 5 音楽・技術・理科の合科的学習の実践記録. スコープによって,音を視覚で捉えた。その際, 教師側は,オシロスコープの説明に続いて音叉,. ⑴ 日時:平成28年12月19日(月)1~6校時. モノコードの弦で振幅や周波数を簡単に演示(高. ⑵ 児童:名寄市立智恵文小学校5・6年生. い音と低い音の波形の確認)した。「振動数(周. 5年生6名,6年2名,計8名. 波数)を可視化していること(Hzの単位の確認)」,. 223.

(7) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. 「波形の高さ(振幅)が音の大きさ(音量)」を,. その結果,まとめとして, 「音を高くするには,. 「波形の幅(波長)が音の高さ(音程(音高))」. 振動数を多くする。そのため,①弦の張りを強く. を示していることを伝えた(以上は[2-1])。. する,②弦を細くする,③弦を短かくする」こと. 課題として「弦の音の高低を変化させるために. が確認され,「弦の振動数が多いと,音が高い」. は,弦の何を変化させればよいでしょうか。音が. ことが理解された(以上は[2-2],板書は【図. 変化した証拠を集めながら解明しましょう」の提. 6】参照)。. 示を受け,二人ペアに1台配布されたモノコード. [3]各自のドアチャイムを作る(T2). と,銘々に配布されたタブレット端末(周波数カ. 作業工程表( 【図7】 )を参照しながら,表板へ. ウンタ)を使用して,弦からの発音について,科. のペグの穴開け( 【図8】参照) ,続いて,ペグの. 学的に捉えていった。その際, 「弦の何を変えると,. 取り付け(次ページ【図9】参照) ,および,木材. 音の高さは変わるだろうか?」との発問を受けて,. の塗装に取り組んだ(次ページ【図10】参照) 。さ. 児童は弦を操作しながら結果を記録し,まとめと. らに弦を張り, 表板を筐体に接着した。その上で,. して,音の高低を変化させるために,「弦の巻き. 天板を筐体に接着し,樹脂の玉を装着して完成し. 方を変える」等,モノコードの弦の何を変化させ. た。この活動[3]における作業を終えた段階で,. たのか発表した。. 4時間を要した(予定より1時間多く要した) 。発. 【図6】[2-2]における板書. 【図8】ドリルを使用して穴を開ける様子. 【図7】ドアチャイム製作時に掲示した作業工程表. 224.

(8) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. [4-1]振動数の組合せと響きを知る(T1・T4) 「音域の選択」と「音の組合わせ」に関して教 師の演示をもとに,音の感じ(知覚と感受)と周 波数カウンタの数値(視覚)とを結び付ける。そ の際,振動数は400Hz,500Hz,600Hzといった 形で100Hz単位のものを使用することとした。三 つの振動数の比と響きの関係を,例えば4:5: 【図9】ペグの取り付け. 6は明るい響き(長三和音)という具合に知覚・ 感受し,整理することをねらった。しかし,比の 学習をしていない5年生を含む実践であったた め,数と音の相関関係の理解を求めることは困難 と判断し,教師からの振動数の組合せの例示と, それに対する児童から得られた「明るい響き」 「不 思議な響き」等の印象に関する発言を板書するに 留めた。. 【図10】木材の塗装. [4-2]音楽づくり(T1・T4) 「お気に入りの音に設定してみましょう」「ま. 表および音楽鑑賞の段階(活動[5]および[6]. ずは好みの音の高さ(音域)を探しましょう」 「続. の段階)は全校児童との活動のため,予定通り5. いて,周波数カウンタを使って,好みの音の組合. 校時に行うこととし, [4] ( [4-1]および[4. せを探しましょう」という形で児童各自で作業し. -2] )と順序を入れ替えて実施することとした。. た(【図11】参照)。その際,振動数を表す数字を. [5]全校児童への作品発表. 先に決定してから響きを味わったか,響きを先に. 活動をまとめられる状況には至っていない(活. 決定してから振動数を測定したかに関する記述. 動[4] ( [4-1]および[4-2] )の段階が. は,次節〈6⑴〉を参照)。. 未実施)ため,作品の発表のみを行った(発表時 のコメントについては,次節〈6⑶〉を参照)。 教師(T5)の概要説明に続いて,児童が一人ずつ 音を鳴らした上で発表した。 [6]ヴァイオリン演奏の鑑賞(T4・T1) 音の性質や音を出す道具の利用を,楽器演奏を 通して実感するため,鑑賞を行った。通常,音楽 鑑賞においては,楽曲の美しさを味わったり,演 奏の技巧を楽しんだりするものであるが,そうし. 【図11】音の組合せを決める. た視点に留まらず,音そのものの発生や,楽器の 構造等にも注目することをねらった。本実践では,. 続いて,「音の組合せを決めたら,音のパター. 4校時までに行った活動や学習した内容を活用し. ン(リズム)を考えましょう」という形で,三つ. た演示を誇張して行うためにヴァイオリニストの. の音を使用したオスティナート(定型の反復する. 演奏を取り入れた(鑑賞後の感想については,次. リズム)をつくり,ペアで交流した上で,ペアの. 節〈6⑷〉を参照)。. オスティナートを組合わせて音楽を構成した。. 225.

(9) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. ここに,製作した楽器を用いて音楽づくりをす. [4-1]段階において板書した数値(振動数). るという形で活動を終えた。. をそのまま取り入れたり,参考にしたりして活用 されている様子は見て取れる。ただ,「和音を聴. 6 ワークシートの記述内容,および,児童 の発表内容と考察. いて,その響きが3:4:5である」というほどの 結び付きを得るまでには至らず,すなわち,数値 と音そのものの結び付きが弱く,往還が見られな. 本実践において使用したワークシートは,本稿. いことから,数学という側面が弱かったといえる。. 末尾に掲出した附録であり,アンケート部分に関. 一対一対応のような,数字と具体物との対応とい. しては活動を一通り終えてから記入した。また,. う意味そのものを丁寧に確認させる必要がある。. [6]におけるヴァイオリン演奏の鑑賞について. そうした習得という側面と,それを活用するとい. の感想文は,全校児童を対象に行ったため,別紙. う側面の両方に見られた課題であるが,比につい. の自由記述のアンケート用紙を用いた。. て未習である5年生を対象としたことが要因で あった。本実践において,合科的学習,総合的学. ⑴ 「黒板の数値を参考にしたか」について, 「[数. 習に取り組んだことで,各教科の学習にも,まさ. 値]→[音] ,あるいは,[音]→[数値]のど. に,習得と活用という一つの構造があると考えら. ちらか」に関する記述. れた。. 板書された振動数の組合せを参考にして鳴らす 音を決定したか否かに関する記述である(【表1】. ⑵ 「どんな力を使って活動したと思うか」 「そ. 参照) 。数値(振動数)を先に決定して音を鳴ら. う感じた場面」 「それはどんな教科で使う力か」. したか,音を鳴らしてみて振動数を測定(数値). これは,「①どんな力を使って活動したと思い. したかについて,児童の記述を拾ったものを掲出. ますか?(どんな力・そう思った理由)」「②そう. する(原文ママ) 。算数と音楽の相互関係があっ. 感じた場面は?(活動の番号:指導案およびワー. たかどうかを見取ることを意図したものである。. クシート上の活動番号)」「③ふだん,それはどん な教科で使う力ですか?」の三つの問いに対する. 【表1】板書された振動数の組合せを参考にしたか. アンケート記述結果である(【表2-1】参照)。. 児童. 本活動に対して,児童が,一体何の学習であった. 記 述. 1. 参考にしたけど自分で考えた. か,どのように感じているかを見取る。どんな能. 2. 参考にして自分で考えた/音を決めてから数 字を測りました. 力を使ったか,また,それは従来の教科名でいえ. 3. 参考にして自分で考えた/音を決めてから数 字をはかった. る。. 4. (黒板の数字を)そのまま試した/数字を決 めてから音を選んだ. 5. 参考にして自分で試した/数字を決めてから 音を選んだ. 6. 参考にして自分で考えた/数字を決めてから 音を選んだ. 7. 参考にして自分で考えた/音を決めてから数 字を測った. 8. 参考にして自分で考えた/音を決めてから数 字を測った. 【表2-1】アンケートの記述結果. どんな力. 理由. ・実験力. ・ H z を 確 か め 2-2 るとき. どんな教科で使う力. 1. どんな力を使って活動したと思 うか. そう感じた場面 . 児童 . 226. ば何に該当するかを児童の視点で捉えたものであ. 理科.

(10) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. ・考える力. ・工作力 ・音を考える 力 ・きよう(筆 者 注: 器 用)力 2. ・あたま ・力 ・ちょうせつ 力 ・こまかい作 業 ・センス ・危けんに気 をつける. 3. 4. ・ヘルツをおぼ える ・ドリルやネジ ドメ ・おとのちょう せつ ・ひもをとおす. 道徳. 2-3 ※ 4-2. 図工. 2-3. 図工. 2-1 2-2. 全教 科 図工. 4-2. 理科. 3. 図工. ・いろをぬる 3 ・実験でも危険 に気をつける から. 図工 理科. ・想像. 3, 4-2. 図工 国語. 3. 図工. 3. 図工. ・色々,考えた 1 から ・予想をたくさ 1 んしたから。 ・図工みたいだ 3 から. 理科. ・頭のせかいで 作ることがで きたから。 ・自分の音を選 ぶときに音を きいたから。 ・物を切ったり くみたてたり するとき。 ・先生たちの説 明をきくとき。. 4-2. 全部 の教 科 音楽. 3. 図工. ・考える力 ・予想する力. ・想像する力 ・音をきく力 ・作る力 ・耳できく力. 3. 4-2. さん すう 音楽. 8. ・想ぞう力. ・頭の中で想ぞ うして作った から ・あきらめな ・音をさがす時 い力 に色々試した から/体育で 技をあきらめ ないから ・センス ・色を選ぶ時に 使ったから ・き用さ ・げんをつける 時に使ったか ら ・音を聞く力 ・音を決める時 使ったから. 3. 図工. 4-1, 4-2. 体育. 3. 図工. 3. 図工. 4-1. 音楽. ・面白く考え ・みんなはきれ 4-2 る力 いな音を作っ ていたけど自 分は面白くし たから。 ・考える力 ・振動が多いと 2-2 どうなるか考 えたから. 図工. 国語 算数 理科 社会. (原文ママ。※:[2-3]はワークシート上の活動段 階には存在しない。[3]のことを指すと考えられる). 本活動では,最初から最後まで「音」に関わる 活動であったにもかかわらず,「音楽」を挙げて いない児童が見られる。ドレミという音階を使用 せずに音そのものを扱ったためであろうか。また, 理科や図工(小学校には技術科は存在しないため) に関しても挙げていない児童が見られる。これら の記述について,活動の段階ごとに,活動と能力 の関係を整理したものは,以下の【表2-2】で ある。. 理科. 【表2-2】活動と能力の関係 活動の段階. ・作る力. ・頭で設計した から/国語は 物語を想像す るから ・想像しながら 作ったから ・地味だと気づ かれないから. 7. 音楽. りか. ・センス. 6. 4-2. ・作る力 (音) ・きれいに音を 3 だしたいから ・グラフを見 ・音のしんどう 2-2 る力 すうをみつけ るため ・きく力 ・音をみわける 3 ときにひつよ うだから. ・作る. 5. ・わからなくて も考えたか ら,成功につ ながったと思 いました ・たくさん作っ たから ・どうなったら キレイになる か考えたから ・はりがねをと めるときにが んばった. 図工. 全部 の教 科. 指導案作 成時に想 児童が感じ取っ 使った力 定してい た教科 た教科. 1. 理科. 2-1. 理科. 2-2. 理科. 理科. 考える力. 理科. 予想する力. 全教科. あたま. 理科. 実験力. 図工. 力. 算数. グラフを見る力. 国語・算数・理 考える力 科・社会. 227.

(11) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. 3. 4-1. 4-2. 技術. 図工. 工作力. 面が弱かったといえる。[4-1]において,(知. 図工. 器用力. 図工. 細かい作業. 覚と感受を伴って)音楽的に捉えた音と振動数の. 図工. センス. 理科. 危険に気を付け る. 理科. (音を)作る力. 音楽. 聞く力. 図工. 想像. 図工. 作る. なお,その活動を[2-2]で行うと,和音の響. 図工. センス. 図工. 作る力. きと結び付けることができずに,ただ単に音に名. 全教科. 想像する力. 図工. 作る力. 図工. 想像力. 図工. センス. 図工. 器用さ. 音楽 体育 ・数学 音楽 (不完全). あきらめない力 音を聞く力. 道徳. 考える力. 音楽. 音を考える力. 理科. 調節力. 音楽 国語 ・数学 (不完全) 音楽 全教科. 想像 音を聞く力. 比との結び付きを強め,往還関係を得ることが必 要であった。そのため,比を活用して進めること が叶わなかった。この点の克服には[4-1] [4 -2]で振動数(Hz)をはっきりと意識させるよ うにすることと,比に関する知識が不可欠である。. 付けるにとどまってしまうことが考えられるた め,[4-1]で丁寧に行うことが好ましいと考 えられる。 ⑶ 作品発表会におけるコメント 製作したドアチャイムを全校児童の前で発表し た際の発言内容は,【表3】のようである。 【表3】発表時における児童の発言内容 児童1. ドアチャイムを付けてみようと思う場所 は,家の玄関に付けられるということで す。今回の授業を通して勉強になったこ とは,僕は実験したことと,あと,発表 力です。今日勉強したことを生かして, これからまた自由研究もしてみたいです。. 児童2. きれいなドアチャイムを作りました。こ の部分を音がきちんと出るように丁寧に 作りました。 秘密の授業をしての感想は, ドリルはあまり使っていなかったので, 大変なところはあったのですけど,でき たのでよかったです。これからは,(ド アチャイムを)ドアなどにつけて,家族 にも楽しんでもらいたいです。. 児童3. 私はドアチャイムを作っていて工夫した ところは,高い音や低い音を入れて面白 い音にしてみました。秘密の授業をして みての感想は,タブレットで(音の)振 動を見ていたときに,ちょっと大きなビ リビリが出ていてびっくりしました。. 児童4. えっと,私は,ここの弦から音が出るの を知らなかったし,これ(弦から出る音) をつなげて色んな音になるのでびっくり しました。これを作ってみての感想は, 自分なりの音が出るし,リズムもここで 調整できるので,色んなときに使えるな と考えていました。. 耳で聞く力. 体育. あきらめない力. 図工. 面白く考える力. (児童の記述は漢字表記に改めた。また, 【表2-1】 において注記したことに基づいて, [2-3]を[3]と して整理した). 児童が考える力と,そもそも教科で意図してい る能力に齟齬があるようである。ただ,同一の力 (考える力)を指していても,文脈によってその 力がどの教科に関連するのかは異なっているもの の, 「関心・意欲・態度」に関するもの,「思考・ 判断・表現」に関わるもの,「技能」に関わる記 述がそれぞれ見られ,力を活用していると考える ことができる。 特に,活動[1]~[3]の段階については, 授業者側が意図した教科の内容が,児童の理解に 反映されていると考えられる。 しかし, [4-1] [4-2]に関しては, 〈6⑴〉 で触れたように,数値と音そのものの結び付きが 弱く,往還が見られないことから,数学という側. 228.

(12) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. 児童5. 音って目に見えないけど, こういうの (タ ブレット)を使って音が目で見えたから びっくりしました。これを作ってみての 感想は,モノコードみたいな,いつもは 作れない楽器を自分で作ってよかったで す。. 児童6. ドアチャイムを作ってみての感想は,玉 と弦がぶつかり合って音が出ていること だということと,タブレットを使って, 見えない音を見えるように測ったことで す。. 児童7. 私がこのドアチャイムを工夫して作った のは,一つの玉を一つの弦に(確実に) 当たるようにして色々な音を響かせるよ うにしたことです。ここに穴を開けると きに,床に穴を開けそうになったけど, 無事に開けられてよかったです。. 児童8. 私はドアチャイムを作っていて,ドアを 閉めて開けたときに明るい雰囲気になれ るような高い音程で作りました。ひみつ の授業をやってみて,初めての試みだっ たけれど,意外とうまくできて楽しかっ たです。 (下線は筆者). 以上のような「今日勉強したことを生かして, これからまた自由研究もしてみたい」 「色んなと きに使えるなと考えていました」等の児童の語り から,情意的な面,特に関心・意欲を読み取るこ とができる。児童は,概ね楽しみながら,「高い 音や低い音を入れて面白い音にしてみました」 「明 るい雰囲気になれるような高い音程で作りまし た」という具合に,創造的な態度で活動に取り組 んだと考えることができる。. 【表4】感想文の記述内容 児童1. ・みんなで活動するのが楽しかった。 ・バイオリンの手先がすごかった ・今日の授業で勉強になった事は冬休み に生かしたい. 児童2. ・音はどうやってでているかがわかった。 ・まるいあながあいているいみがわかっ た ・おとをちょうせつする(筆者注:ヴァ イオリンのチューニングの演示)のが 楽しかった. 児童3. ・コントラバスが180cmもあってびっく りした。. 児童4. ・たくさん演そうして手をたくさんうご かしてきれいな音を出していたのです ごい ・バイオリンのげんの方がコントラバス より短い。. 児童5. ・ペグを使って音を変えていてすごいと 思った。 ・げんを使ってドレミファソラシドをひ いていて,すごいと思った。. 児童6. ・ゆび1本で色々な音がでていてすご かった。 ・ヴァイオリンもげんをちょうせいする のが大変そうだった。. 児童7. ・コントラバスの大きさにおどろいた。. 児童8. ・ヴァイオリンをひいている時に指すべ らせたりして音を変えたりしていてす ごいと思った。 ・音がずれていたらげんをちょうせつし ているのを見てならったことが出てき てべんきょうになった。 (下線は筆者). 「みんなで活動するのが楽しかった」「冬休み に生かしたい」といった自由記述から,関心・意. ⑷ ヴァイオリン演奏会を鑑賞した際の感想文. 欲を読み取ることができる。児童は,概ね楽しみ. 本活動で取り扱ったのは,弦を使った音の出る. ながら,活動に取り組んだと考えることができる。. 道具(弦楽器)である。その活動が,弦楽器演奏. また,音楽鑑賞をする際も,楽曲の味わい,音. の鑑賞に何らかの影響を与えるかを見取る。ヴァ. 色の美しさ,演奏技能,といった音楽そのものを. イオリン演奏会の感想文の記述を【表4】に整理. 味わうことに留まるのではなく,「まるいあなが. する。. あいているいみ」「バイオリンのげんの方がコン トラバスより短い」「ペグを使って音を変えてい て」 「指すべらせたりして音を変えたりしていて」 という具合に,音と演奏時の指先等の関係や,楽. 229.

(13) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. 器の構造についての記述が見られた。本実践を. 要があると考えられる。僻地校においては,一校. 行っていない他の学級で,こうした記述が見られ. あたりの教員数が少なく,一人が多くの種類の役. たのは1件(4%)であった。他の学級は下学年. 割をこなさなくてはならないことが,かえって本. であることを考慮しても,本実践を経て,楽器演. 実践の合科的学習と関連性を見ることができる。. 奏を音楽的にのみ捉えるのではなく,楽器演奏の. さらに,実験に使用する機材や材料も,児童数が. 見え方が変わったのではないかと推察する。. 少ないため,全員に行き渡る形での活動が可能で ある。このように,創造性の求められる僻地におい. 7 本研究のまとめ. ては実践を行いやすい条件は揃っているといえる。 今後の課題としては,以下の三点が挙げられる。. 本実践は,音楽・技術・理科の各専攻の教員が. まず,僻地のマンパワーを補填するために大学. 共同した合科的学習に取り組む総合的な学習の時. と僻地の連携を考えた際には,費用と労力が大き. 間であった。教科等の枠を超えた横断的・総合的. いという,運営上の問題を避けて通ることはでき. な学習とすることと同時に,探究的な学習や協同. ない。恒常的な資金源が課題となる。また,大学. 的な学習とし, 「関心・意欲を重視した体験的で. 側の人数は,多くなると円滑かつ効果的に行うこ. 児童の主体的な活動」「各教科等で育成される能. とが難しい。. 力が活用される活動」を構想し,実践した。そし. 次に,本実践を,より規模の大きな学校等で行. て,その活動を児童がどのように認識したかにつ. おうとする際には,機材や材料を児童全員に行き. いてそのまま捉え,整理した。. 渡らせることが難しいことが挙げられる。. その結果, ①学習への意欲の高まりを得られた,. また,本研究では,音楽・技術・理科の各専攻. ②普段の教科における学習を横断的に活用する様. の 教 員 が 共 同 し た。 理 系 領 域 を 一 括 し て 扱 う. 子が見られた,ということができる。. STEM教育に芸術を加えたSTEAM教育13)は,音. 一方,数学と音楽の結び付きが弱かったことが. 楽・技術・理科の合科的学習と関連が考えられそ. 課題として挙げられる。科学的性質を活用しても. うである。そのような意味で,STEAM教育を意. のづくりを行う,あるいは,技術で製作したもの. 識した実践を取り入れることも今後の課題といえ. を使って音楽を行うということは行いやすい。す. るかもしれない。. なわち,理科と技術,あるいは音楽と技術の結び 付きは比較的強いといえる。しかし,音楽と技術. 註. と理科の相互の強い結び付きには,数学を媒介に することが有効ではないかということが見いださ れた。 以上の改善を図る上で,活動を一日で完結させ るのは困難であるといえる。そこで,一つの単元 として構成し,例えば六年生の三学期に卒業制作 として取り組む等の方法が考えられる。 さて,日本創成会議の提言では,地方に対して の具体的な施策メニューとして,「『地域自治体に よる連携』 のほか, 『地域経済を支える基盤づくり』 や『農林水産業の再生』,さらに『地方へ人を呼 12) とあるが,そ び込む魅力づくり』を展開する」. の実現には,地域において創造力が発揮される必. 230. 1)松尾知明『21世紀型スキルとは何か』明石書店, 2015,p.35. 2)中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「次 期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」 教育課程部会,平成28年8月26日,p.12. http://www.mext.go.jp/component/b_menu/ shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/ 1377021_1_1_11_1.pdf[平成28年9月25日10:05閲覧] 3)日本創成会議 第2回提言「地域開国:グローバル都 市創成」日本創成会議,平成24年7月12日,p.4. http://www.policycouncil.jp/pdf/prop02/siryo2.pdf [平成29年2月1日15:50閲覧] 4)松尾知明『教育課程・方法論―コンピテンシーを育 てる授業デザイン』学文社,2014,p.45..

(14) 僻地校の総合的な学習における合科的学習の効果と課題. 5)中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「次. 本経済新聞,2016.1.20,北海道27面)や, 「私の専門は. 期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」. 音響学の分野だが,2007年から口笛の発生源理の研究. 教育課程部会,平成28年8月26日,p.12.. に取り組んでいる。こうした研究は世界的に見てもあ. http://www.mext.go.jp/component/b_menu/. まりない。口笛はいかにして鳴り,どうすれば曲を吹. shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/. けるようになるのか。その原理を科学的に解明しつつ,. 1377021_1_1_11_1.pdf[平成28年9月25日10:05閲覧]. 口笛の楽しさを世の中に広めていく。それが私のライ. 6)同上書,p.14.. フワークである」という実践紹介(森幹男「吹ける!. 7)同上書,p.42.. 理系式口笛奏法」 日本経済新聞,2016.3.17, 北海道44面). 8)山中文「音楽教育はなぜ必要か」『教育研究2012年10. というものがある。先行研究には,紙工作を教材とし. 月号』不昧堂出版,平成26年,p.19.. たもの(孔泳泰・池仁哲「紙工作を通しての楽しい. 9)前掲書1),p.106.. STEAM教材の開発」 『日本科学教育学会研究会研究報. 10)前掲書5),p.327.. 告』Vol.27.No.3,日本科学教育学会,2013.)や「未来. http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/. を救う昆虫ROBOT」の実践を検討したもの(安東恭一. toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/1377021_1_7.. 郎・金政孝「科学と芸術の融合による教育の可能性と. pdf[平成28年9月25日10:05閲覧]. 課題:韓国STEAM教育の原理と実践場面の検討」 『美. 11)前掲書5),p.334.「学習指導要領で示す目標(イメー ジ)」より抜粋。. 術教育学』35,美術科教育学会,2014,pp.61-77.)等 がある。. 12)日本創成会議・人口減少問題検討分科会「成長を続 ける21世紀のために『ストップ少子化・地方元気戦. [附記1]. 略』」日本創成会議,平成26年5月8日,p.33.の「 『地 方元気戦略』 ;地方を建て直し,再興を図る」の⑴実現 目標の記述。http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/. 本実践は,〈5⑹〉の[0]~[2]の部分を. prop03.pdf[平成29年2月1日15:41閲覧]. 高橋が,[3]の部分を小泉が,[4]~[6]の. 13)S T E A M ( S : S c i e n c e , T : T e c h n o l o g y , E : Engineering,A:Art,M:Mathematics) 教 育 は, 主に米国において,市民の全人的教育および創造的な. 部分を芳賀が主に準備および授業を担当した。 本稿の〈6〉における考察および〈7〉につい. 労働力の育成をねらいとして推進されており,近年で. ては三名による話合いによって整理した。. は韓国などにおいても実践が進められている。STEM. 本稿作成においては,の〈4⑵〉[3]および,. 教育(理系領域を一括して扱う)に続くSTEAM教育. ドアチャイム製作時に掲示した作業工程表(【図. では,個人の創造性を発揮するものとしてArtを位置づ けている(SoonBeom, Kwon, Dongsoo & Nam, TaeWuk. 7】)を小泉が, 〈4⑵〉の[0]~[2]および,. Lee (2011). The Effects of Convergence Education. ワークシート(表面)と〈6⑵〉の活動の段階ご. based STEAM on Elementary School Students’. とに活動と能力の関係を整理した表【2-2】を. Creative Personality. In: T.Hirashima et al. (Eds.). 高橋が,それ以外については芳賀が主に担当した。. Proceedings of the 19th International Conference on Computers in Education. Chiang Mai, Thailand: AsiaPacific Society for Computers in Education.)。これら. [附記2]. は,産業とも密接に関わっており,その関心が「各国 産業の国際競争力強化であることが多」い(丸山恭司・ 磯﨑哲夫・古賀信吉・三好美織・影山和也・渡辺健次 「STEM教育の展開可能性に関する研究」『広島大学大. 本研究は,平成28年度学長戦略経費(学術研究 (公募型プロジェクト)共同研究推進経費)「本. 学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書』13巻,. 学の音楽・技術・理科の各専攻の教員および小学. 広島大学大学院教育学研究科,2015,p.23.)。新聞紙面. 校教員の共同による新しい合科的学習の創造」の. 上でも,力を入れるべきとの論説が見られたり,芸術. 適用を受けた。. と科学が結びついた話題が掲載されたりしている。例 えば, 「国内の調査では中学生以降の『理科離れ』が浮 き彫りになっている。学力だけでなく実践力も身につ. (芳賀 均 旭川校講師) . けなければ,将来の産業競争力で欧米に後れを取りか. (小泉 匡弘 旭川校特任講師). ねない」という記事(「ビジネスに生かす人材育て」日. (高橋 一将 旭川校講師) . 231.

(15) 芳賀 均・小泉 匡弘・高橋 一将. 【附録】本実践で使用したワークシート. 232.

(16)

参照

関連したドキュメント

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.