授業「自分の探求」をめぐって
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(2) 授業「 自分 の探求」 をめ ぐって. 「 自分 の探求」 の背景. 1。. 1。. 大学 の入 学期指導 をめ ぐる動 き. 「 自分 の探求」 に至 る議論 を湖 った時 に行 き当た るの は, 大学 の入 門期指 導 を どの よ うに行 うべ きか, とい う問題 で あ る。 平成 3年 の大学設 置基準大綱化 によ って,従 来 の一 般教育科 目 と専門教育 科 目の 区分 が廃止 され,大 学 の カ リキ ュラム は大 幅 に 自由化 された。 これ に 伴 い,一 般教育科 目にあ った人文 0社 会・ 自然 とい う 3分 野 の区分 や最低履 修単位数 に関す る縛 りもな くな り,各 大学 の裁量 に任 され ることにな った。 本学 で も, これを受 ける形 で平成 7年 度 に全 学 的 な カ リキ ュラム改訂 を行 い. ,. 単位数 の見直 しや科 目名称 の変更 を 中心 に共通科 目の カ リキ ュラム も改訂 さ れた。 一 般教育科 目に対 す る規制 が無 くな った ことで生 じた流 れ の一 つ は,専 門 教育 を重視す るとい う傾 向 で あ った。例 えば一 般教育科 目の必修単位数 を大 幅 に削減 した り,分 野 の枠 を取 り払 って科 目選択 の 自由度 を大 幅 に高 め ると い う動 きが出て きた1)。 各地 の国公 立大学 で 見 られ た教養部 の解体 は最 も典 型 的 な帰結 で あ った。 しか しそ の一方 で,新 入生 に対 して行 う入学期指導 を 見直 し,一 般教育科 目に新 しい視点 を加 え よ うとす る動 き も,各 地 の大学 で 見 られ るよ うにな った。 このよ うな新 しい試 み の 中 で は,大 学 での教養教育 の意 味 につ いて,大 き く三 つ の考 え方 が あ るよ うに思 われ る。 一 つ は,バ ラ ンスの とれた知 性 のた めに, 自分 の専 門 とは別 の学 問分野 に対 す る教養 が必要 だ とい うもので あ る。 これ は従来 の一 般教育 の考 え方 に近 い もの と思 われ る。大綱化 によ って一 般 教育 よ りも専 門教育 とい う志 向 が強 くな ったのに対 す る揺 り戻 しともとれ る. 1)一 例 として,実 践女子大学 では. 語学 や体育 を も含む「総合教育科 目群」 の中か 。 ら自由に 48単 位 とればよい ことにな っている。黒木比 呂史『検証大学改革』 1994年 。論倉1社 。 ,.
(3) 梅. 原 大 輔. が,平 成 5年 の オ ウ ム真 理 教 の事件 に有力大学 の学生 や卒業生 が多 く関わ っ て いた ことが, 大学 関係者 に大 きな衝撃 とな った こと もあ っただ ろ う2)。 理 科系 の学生 に と って も文 科系 の教養 が必要 で はないか, とい う議論 とな る場 合 が多 いが,文 科系 の学生 に とっての理 科系科 目の重要性 が語 られ ることも あ る。 二 つ めの考 え方 は,現 代 の社会 に見合 った教養 は,従 来 の人文・ 自然 0社 会 とい う区分 で は取 り扱 う ことがで きず,学 際的 に と らえ るべ きだ, とい う もの であ る。例 えば,立 教大学 の寺崎教授 は,「 『 新 しい知 の領域』 であ る環 境 ,人 権 ,生 命 ,宇 宙 を核 と した専 門性 に立 つ新教養教育 が必要」 で あ ると 述 べ て い る3)。 教養 に対す る第 二 の考 え方 は,上 の二 つ よ りもず っと実用主義 的 な もの で あ る。特 に,現 代 の「 読 み書 きそ ろばん」 で あ る英語会話 と コ ンピュー タを 全 ての学生 に必要 な基 礎 的教養 と し,実 際的 な運用能力 を高 めよ うとす る考 え方 は広 く行 き渡 って い るよ うに見 え る。 カ リキ ュラム改革 の際 に,英 語 の 必修単位 を増 や した り,新 入生全員 にノー トパ ソ コ ンを購入 させ るとい った 例 が数多 く報告 されて い る。英語 と コ ンピュー タ以 外 に も,大 学 で学生 と し て学 んで い く上 で の基 礎 的技術 を入 学期 に身 につ けさせ よ うとす る試 み もい くつ かの大学 でな されて い る。 これ につ いて最 も注 目を集 めたの は,平 成 6 年 よ り始 ま った東京大学 の 「 基礎 演 習」4)で ぁろ う。 この授業 は, その テキ ス トで あ リベ ス トセ ラー とな った『 知 の技法』 によ って も広 く知 られて い る。 これ 以 外 に も,高 知 大 学 の「大 学 学」5)ゃ 広 島大 学 の「学 び 方 ゼ ミ」6)と い った ものが平成 9年 度 よ リー年生 の必修科 目 と して 開講 されてお り,新 聞 2)「 オウム事件 に見 る大学教養教育 の貧困」 『 朝 日新聞』 1995年 5月 8日 など。 3)『 朝 日新聞』 1997年 H月 8日 朝刊。. 4)教 養学部 の文科系一年生 1,600人 の必修科 目。 5)同 大学 の歴史, 資料 の探 し方, 卒論 の書 き方などを 8回 で講義す るもの。『 朝 日 新聞』 1996年 9月 18日 夕刊。. 6)全 学部 の約 2,900人 の新入生 が受講。 一 クラス 10人 前後 で, 資料 の探 し方, み方, レポー トの作成方法,討 論 の仕方 などを学 ぶ。 『朝 日新聞』1996年 9月 日夕刊。. 読 26.
(4) 4. 授業「自分の探求」をめ ぐって. で紹介 されて い る。 また,何 らか の形 で 日本語 の文章力 や 口頭 での プ レゼ ン テ ー シ ョ ン能力 を高 め る ことを狙 いに した授業 とな ると,更 に多 くの大学 で つ 開講 されて い る実例 が あ る 。 いず れ の場 合 も従 来 は,「学生 が 自分 で 身 に つ けるべ き能力」 と して正面 か ら授業 で扱 う ことな ど考 え られなか った もの で あ るが,大 学 の大衆化 に伴 う学生層 の変化 によ り,そ れぞれ の大学 が実状 に合 わせて対応 せ ざ るを得 な くな った ことを伺 わせ る。 また,大 教室 での講 義 にな りが ちで あ ったために学生 の関心 を失 わせ ることが 多 か った一 般教育 の授業 に対 す る反省 か ら, こうい った技術 的科 目が,新 入生 ゼ ミの形 で少人 数 で行 われて い る場合 も多 いよ うで あ る。新入生 に大学教員 と近 い距離 で 関 わ ることの で きる授業 を提供 す ることで,大 学 へ の適応 を促 そ うとい う狙 い が見 て取 れ る。 一 般教育科 目 に対 す る必修枠 を完全 に取 り払 い,数 多 くの科 目の中 か ら完 全 に 自由 に選択 させ るとい う方 が,学 生 に とって は好評 で あ る ことは間違 い ないだ ろ う。 しか し一 方 で,一 般教育 に どの よ うな必修科 目を置 くか とい う ことは,そ の大学 が,全 ての学生 に最低 どの よ うな教養 や技 術 を求 め るのか. ,. とい う大学 の理 念 に も関わ る大 きな問題 で あ る。 甲南女子大学 で も,新 学部 設 置準備委員会 で新 しいカ リキ ュラ ムを作 るにあた って,従 来 の枠組 み は前 提 にせず,全 く白紙 の状態 か ら共通科 日 とい うものを考 え直 してみ よ うと考 えた。本学 の学生 に とって, どの よ うな教養 が必 要 か,何 が欠 けて い るのか. ,. 学生 と教員 の間 の認識 の違 い を埋 め,新 入生 に大学 にス ムー ズに適応 して も らうにはどのよ うにすれば いいのか, とい う ことを検討 した。. 1。 2。. 新 カ リキ ュラムの 中 の共通科 目の位 置 づ け. 共通科 目のカ リキ ュラムを見 なおす に当 た って は,共 通科 目を軽視 せ ず. ,. 共通科 目に新 しい役割 を与 え ることか ら出発 した。本学 の性格 は,大 学 院 を. 7)多 摩大学 の「国語」,富 山大学 の「言語表現科 目」,高 知大学 の「 日本語技法」 な ど。.
(5) 梅. 原 大 輔. 中心 に研究者 を養成 す るとい うよ りは,高 い教養 を持 った卒業生 を社会 に送 り出す ことに あ り,そ の意味で は学部 を中心 と した大 学 であ る。 このため高 度 に細分化 された専 門 の学 問領域 に学生 を閉 じ込 めが ちな各学科 のカ リキ ュ ラム との間 にバ ラ ンスを取 るために,共 通科 目を充 実 させて幅 の広 い教養 を 与 え ることが必要 だ と考 えた。他学部 ,他 学科 へ の聴講 を現 在以 上 に促 す た めに も,各 学科 で 開講 で きる科 目 は原則 と して共通 科 目で は開講 せ ず,. 8学. 科 で は開講 で きな い領域 の科 目や,学 部学科 の枠 に と らわれない学際的 な性 格 の科 目を共通 科 目に置 くことに した。 また共通 科 目を専 門科 目と並行 して 4年 間 にわた って履修 で きるよ うにす る もの と考 え,特 に 3年 生 を対象 に した必 修科 目 とい う考 え方 を導入 す るこ とに した。 これ は卒業準備科 目 とい う位置 づ けで,「 現実 を知 る」 とい う授 業 にな った。 これ に対 して,一 年生 での科 目 は必然 的 に,高 校 まで の生活 か ら大 学 での生 活 へ の導入 を促 す科 目 と して位置 づ け られ ることにな った。 こ れが「 自分 の探求」 と「科学 の方法」 につ なが った。 一 方 で,文 献検索 , 日本語 表現 ,プ レゼ ンテ ー シ ョンな ど学習技術 に関 わ る科 目 は,各 学科 で少人数 の もの を設定 す る方 が望 ま しい と考 え,共 通科 目 と して置 くことは しなか った。実 際 ,多 くの学科 で は一 年生用 の基礎演習科 目が 開講 され る予定 で あ る。. l.3。. 「 自分 の探求」 の 目的. そ もそ も「 自分 の探求」 のよ うな授業 を設定 しよ うと した 出発点 には,新 入生 の知 的好奇心 を広 げ るきっか けを作 りた い とい う意図が あ った。平均 的 な新入生 に とって,大 学 で提供 されて いる多 くの専門的 な学 問 は, 日常 の生 活 か らあま りに もか け離 れて いて接点 を見 出せ ないので はないか とい う懸念 が あ る。 これ には大学 の大衆化 によ って,大 学生 で あれば こ うい う本 を読 ん で いな ければ恥 ずか しい, とい うよ うな共通 の価値観 が な くな った こと,社 会 の情報化・ マ ニ ュアル化 が進 み, 自分 が必 要 とす る知 識 をお手軽 に効率 よ く手 にす るとい う考 えが浸透 して い ること,な どが影響 して いるだ ろ う。 ま.
(6) 6. 授業「自分の探求」をめぐって. た高校 まで の授業 を通 して,勉 強 とい うもの を与 え られ た知識 を受 け入 れ る もの と捉 え る傾 向 も強 い。 このよ うな学生 に と って,高 度 に専門化 ,細 分化 された授業 を受 けて も,直 接 に生活 に必要 でな ければ,そ れが 自分 に何 らか の役 に立 つ と感 じる ことがで きな いのは当然 の ことだ ろ う。 このよ うな ことか ら,特 に新入生 が大学 で最初 に接 す る授業 は,ま ず学生 自身 が 自分 で考 え る ことがで きるよ うに,過 去 と現 在 の 自分 の周辺 を対象 と した もので あ るべ きだ,と 考 え た。 それ は例 え ば,学 校・ 家族・ 女 性・ 若 者・ 日本 な どをキ ー ワー ドにす る もの で,教 育学・ 社会学・ 哲学・ 心理学・ 文学・ 言語学・ 文化研究 な ど幅広 い領域 か ら参加 で きる ものにな るので はな いか と考 えた。 これ らの領域 を通 じて,現 在共通科 目で 開講 されて い る人文 科学・ 社会科学 の多 くの部分 を覆 う ことがで きるので,そ れ によ って共通科 目部分 か ら従来 の人文系 0社 会系 の科 目を取 り除 いて もいいので はな いか と い う方 向 で議論 は進 め られた。 後 の議論 で は, この授業 を一人 の担 当者 によ る もので はな く, リ レー講義 の形 に して はど うか, とい う ことにな った。現在 , 自由科 目の「女性学」 で 実 際 に行 われて い る形式 を良 き前例 と して想定 した。 また学生 の「 自分」 を め ぐる領域 をで きるだ け幅広 く眺 めて もらいたい とい う欲張 りな理 由 か らで もあ る。 こ うい った議論 を通 じて, この授業 は専任教員 が責任 を も って担 当 す るべ きだ, とい う方 向 にな った。 これ は 3年 生 を対 象 と した「 現 実 を知 る」 が,原 則 と して大学 の外 の社会 の人 たちを非常勤 と して招 いて担 当 して もらう, とい う方 向 と対称 をな して い る。 この授業 につ いての最初 の教授会報告 は平成 10年 7月 22日 の もので あ る。 この時 , この授業 には「人間学 基礎」 とい う重 々 しい名前 が仮称 と して つ い て いた。授業 の 内容 はあ る程度 明 らかにな って きたが,そ れを うま く言 い表 す授業名称 が 見 つ か らなか ったので あ る。 この報告 で述 べ られて いるこの授 業 の 目的 は次 のよ うな もので あ る。. (1)主 と して過去 と現在 の 自分 を見 つ め,ア イデ ンテ ィテ ィを意識 させ る.
(7) 梅 原 大 輔 ため の科 目で,下 位学年 に対 して提供 され る。. (2)大 学 で学 ぶ とい うことを理 解 させ,学 習意欲 を刺激 す ること。 その後 ,夏 休 み の議論 を経 た 8月 26日 の委員会資料 で は,「 自分 の探求」 と い う名称 と共 に,次 のよ うな 目標 が与 え られて い る。. 自分 で もの を考 え ること,他 者 の生 き方・ 考 え方 を理 解 す る姿勢 が少 し で も身 につ くよ うに な る。学 問以前 に,自 分 につ いて,人 間 につ いて考 え るよ うにな る。. 11月 にな って,「 自分 の探求」 を平 成. H年 度 か ら試験 的 に開講 して み て. はどうか, とい う ことにな り,教 務委員会 に趣意書 が提 出 された。 この書類 には,か な り具体 的 な授業 の姿 が示 されて い るのだが,教 授会 で のカ リキ ュ ラム変更 の議事 の際 には この資料 は添 付 されなか った。 ここには次 の よ うな ことが書 かれて いた。. 平均 的 な高校卒業生 の視点 か ら出発 し,学 生 が 自分 の視野 を広 げ, 自分 を客 観 的 に と らえ るきっか けを作 れ るよ うに します。 2週 間ず つ 5人 程度 の リレー形式 あ るいは シ ンポ ジウム形式 の講義 と学生 の フィー ドバ ックを もとに,授 業 を ま とめてい きた い と考 えて い ます。 さまざまな材料 を通 し て,現 在 の学生 が平均 的 に持 って い る世代 的文化 的価値観 を揺 さぶ り,学 生 が もの ごとを判 断す るときに使 って い る「価値 の もの さ し」 を意 識 させ ます。 また,そ の もの さ しを大 き くした り,立 場 をかえて別 の もの さ しで もの を見 る, とい う体験 がで きるよ うに します。結果 と して,学 科 を問 わ ず大学 での専 門的 な勉 強 につ な ぐための意 識 の下地 を作 ることが狙 いで す。. この授業 の 内容 が最後 に教授会 に報告 された の は,平 成 11年 5月 12日 で あ る。 この時点 は実際 に H年 度 の 「 自分 の探求」 を何度 かや ってみた後 で.
(8) 授業「 自分 の探求」をめ ぐって. あ る。 ここで は,授 業 の見通 しも含 めて, もう少 しつ っこんだ 目標 が示 され て い る。. 複数 の専任教員 が ひ とつの授業 を担 当 し,専 門分野 での研究・ 教育 を通 して,あ る い は人生 の経験 を通 して,得 た ことや感 じた ことを投 げか けた い と思 い ます。 時代 ,世 代 ,性,地 域 な どの異 な る生活 0人 生 を提 示 す る ことで す。方法 と して は, 自 らを語 るとい うス タイ ル で もいい し,ま た映 画 ,音 楽 ,文 学 , ドラマ,マ ンガ,新 聞,雑 誌 な どの材料 を提示 して もい い と思 い ます。 新入生 が,そ のよ うな話題 に共感 した り,想 像 した り,自 分 と比 較 して み るな ど, 自分 な りに受 け とめ ることで,高 校 まで の勉強 や経験 の殻 を う ちや ぶ る機会 になれば と思 い ます。 そ して. (1)新 しい ものの見方 がた くさん あ るのだ とい う予感 (2)自 分 が生 活 し生 きて い く ことと大 学 で の勉 強 の接 点 を探 そ うと い う き っか けを与 え ることがで きれば と思 い ます。. 最後 の資料 は新学部 の設置 に関 わ る文部省 へ の 申請書類 か ら抜 き出 した も の で あ る。特 に下線部 には実 際 の授業 を行 ってみて得 られ た感触 が示 されて い る。. 従来 の 区分 で い う「人文」「社会」「 自然」分野 の専任教員 が共 同 で担 当 す る リレー形式 の授業 であ る。1年 次 の入学 直後 の学生 に,専 門分野 の研 究・ 教育 を通 して得 た知見 やそれ に至 る過 程 ,あ るいは人生 経験 を通 して 身 につ けた こと感 じた ことな どを提供 す る。各教員 は, 自分 の専門 を 中心 に しつつ も,で きるだ け幅広 い話題 を提供 し,受 講生 が,そ のよ うな話題 に共感 した り,そ こか ら何 かを想像 した り,他 者 の生 き方 を 自分 と比 較 し てみ るな ど,自 分 な りに受 け取 れ るよ うに工夫 をす る。 理 解 を助 けるた め に,新 聞・ 雑誌記事 や各種 メデ ィアな ど も適宜用 い る。.
(9) 梅 原 大 輔. 各 クラスは,具 体 的 なテーマに基 づ いて構成 され る。 その テ ーマや個 別 の話題 や資料 か ら,学 生 が,時 代・ 世代・ 性・ 地域 な どの異 な る生 活・ 人 生 に触 れ,知 的 な探求 や 日常生活 の背後 にあ る歴 史 や社会 の メカ ニ ズ ム に 気 づ くき っか けを与 え る。最終 的 には, 自分 を探す とい うことは, 自分 で しかで きない こと,時 間 がかか るとい う ことに気 づ かせ る。 また,専 門分 野 の異 な る専任教員 が担 当す ることによ り,本 学 の専 門教育 や全 学共通科 目へ の動機 づ けを与 え る機会 と もな る。. 6名 の教員 が ひ とつ の クラスを構成 す るオ ムニバ ス形式 の授業 で あ るが. ,. 個別 のテーマ と各教員 の担 当部分 につ いて は,開 講 直前 に,社 会 の新 しい 動 きや話題 ,学 生 の関心 な ど も考慮 しつつ協議 し,設 定 す る。. 「 自分 の探求」 を開講 して 授業計画 には次 のよ うな シ ラバ スを掲載 した。意識 的 に「 です ます」調 を 用 い,学 生 に呼 びか けるよ うな文章 に した。. これ は特定 の学 問分野 につ いて学 ぶ ための授業 で はな く,あ なた 自身 を 知 るための講座 です。. 20年 近 くも生 きて くる中で,誰 で もさまざまな人 や ものの考 え方 に影 響 を受 け,自 分 の価値観 を形成 して い ます。 その中 には 自分 で も気 が付 か ない うちに影響 を受 けて い る もの もあ るはずです。 自分 の 中 にあ る価値観 を時代 や文化 に照 ら しあわせ ることで「 自分探 し」 を してみ ませんか。 自 分 を客 観 的 に と らえ ることを通 じて,異 な る価値観 を受 け止 め,自 分 の視 野 を広 げ るき っか けにな るはずです。 あ らゆ る学科 か らの学生 を歓迎 します。. 当初 , この授業 の定 員 は平成 13年 度 か らの予定 に合 わせ て 100人 程度. ,. 最大 で 150人 まで と考 えて いた。 どの くらいの学生 が第 1回 の授業 にや って.
(10) 授業「 自分 の探求」 をめ ぐって. 来 るのか は全 く予測 で きなか ったが,蓋 を開 けてみ ると 250人 もの学生 が マ ル チ メデ ィア教室 に温 れ ることとな った。 月曜 の 5限 とい う時間帯 であ った こと,例 年多 くの学生 を集 め る「女性学」 と同 じ時間帯 で あ った こと,専 攻 科 目 との関係 で フラ ンス語学科 か らの履修 がで きなか った こと,を 考 え ると. ,. これ は驚 くべ き数字 で あ ると言 え る。結局 , 1回 目の授業 は大抽選会 と授業 開 きの ア ンケ ー トだ けで終 わ って しま った。 この時 の ア ンケ ー トに,「 なぜ この授業 に来 ま したか」 とい う質 問 を入 れ てお いた。 これ に対 す る学生 の回答例 を い くつ か あげてみ る。 ・「 自分 の 探 求」 と い う授 業 名 とそ の 内容 を よん だ と き,す ご く衝 撃 的 だ った。今 ,. 2年 だ けれ ど も最近 ,勉 強 や就 職 の ことで悩 む ことが多 く. な って きた ので,ま ず この授業 を うけて い ろんな話 を きいて, もう一 度 自分 自身 をみ つ めなお してみた い と思 ったか ら。 ・ 学生要覧 を見 て「 自分 の探求」 とい う科 目名 を見 て, ピ ッ ピ ッときま し た。 そ して授業 内容 を見 て,ぜ ひ受講 した い と思 い ま した。私 は今年 4 回生 なのですが,今 までで は じめて とい うか,ぜ ひ受 けた い とい う授業 に巡 り会 えま した。 とて も楽 しみです。 ・ 自分 の 日常生活 の 中 で は知 ることので きな い世界 を見 ることがで きるか と思 い来 ま した。 ・ 今 の私 に とって,最 も学 ぶ べ き必要 の あ る内容 だ と思 ったので。 ・ 他 の授業 と違 って 自分 とい うもの を しっか り考 え られそ うだか ら。 ・ 他 の授業 とは違 って,ユ ニ ー クで楽 しそ うだ ったか ら。授業名 か らして 怪 しか った けど, どんな授業 なのか見 てみたか ったか ら。 ・ 今 まで の授業 とは全 く違 うお も しろさを感 じたか ら。 2人 の先生 十ゲ ス トと,一 つの授業 でた くさんの人か ら「学 問」 とは違 う ことをた くさん 吸収 で きそ うだ ったか ら。 ・ 学 問 で はな く,自 分 につ いて考 えた りす る所 が他 の科 目 にはな い魅力 だ と思 って来 ま した。.
(11) 梅. 原 大 輔. ・「授業」 とい うよ りも「 思 いが けず ためにな る話 が 聞 けた」 とい う時間 が過 ごせ そ うな気 が した の で来 ま した。「 ゲ ス トを まね く」 とい う点 に も興味がか きたて られ ま した。 ・「 勉 強す る」 とか「学 ぶ 」 とい う感 じで はな く, 自分 です す んで「 知 る」 ことがで きそ うだか ら。 ・ 今年 か ら新 しく始 まる授業 とい う ことで, どのよ うな授業 なのか興 味 が あ った。少 しで も知 らなか った 自分 を知 れ るのな ら楽 しそ うだ と思 った。 それ にあ らゆ る学科 か らの学生 を歓迎 す ると書 かれて い た ので。 ・ なんかお もしろそ うな ことをす ると思 ったか ら。 テス トが ないか ら。. こ うい った回答 を読 んで,受 講生 の熱気 を感 じなが らも, こ うい う期待 に 応 え られ るのか,カ ウ ンセ ラーの よ うな役割 を期待 されて も困 る, と悩 ま し い授業開 きで あ った。 授業 の 内容 につ いて担 当 の二 人 で話 し合 う中で,今 回 の授業 のキー ワー ド を「 若者」 にお くことに した。 まず「 今 の時代 の若者」 とい うテ ーマ を通 し て マ スメデ ィアで流布 して い る若者像 と当事 者 と して の 自分 を比 較 し,「 30 年前 の (つ ま り親 の世代 の)若 者」 とい うよ うに時間 の軸 をず らして今 の 自 分 と比 較 し,更 に「別 の国 の若者」 とい うよ うに空間を移動 して今 の 自分 と 比較 す る, とい うよ うに,時 間や空間 を変 えた視点 を通 して, 自分 お よび 自 分 の世代 を客観 的 に見 つ め ることを計画 した。実際 に行 われた授業 は, この テ ーマの周辺 を右往左往 しなが ら,時 にはか な り型破 りな授業 も行 った。授 業 を進 めて い く中で は具体 的 に次 の よ うな題材 を用 いた。(1)若 者 につ いて 歌 った音楽。古 い もの,新 しい もの。(2)現 代 の高校生 の生活 を描 いた映画. ,. (3)30年 前 の大学生 の生 活。 ビデ オや話 を通 して。(4)ボ ラ ンテ ィアに参加 す る若者。 ビデオを利用 して, とい った もの で あ る。 また岡 田明,朴 一 功 ,森 田勝 昭,山 上暁 ,島 式子 の各教授 にゲ ス トと して 参加 して いただ き,あ る場合 には こち らの設定 したテ ーマ につ いて,あ る場 合 には 自由 に設定 して もらった テ ーマで話 な どを して いただいた。.
(12) 授業「 自分 の探求」をめ ぐって. レポー トの課題 は「 か つて若者 だ った人 たちの話 を きいて きな さい」 とい の う も の に した。丁 度 話 題 に な って い た『 二 十 歳 の こ ろ』 と い うイ ン タ ビュー集 を少 し意 識 してみた。 最後 に,セ メス ターの終盤 で受講生 が書 いた この授業 に対 す る感想 を い く つ か拾 って お きた い。. ・ ……実際授業 に 出 てみ るとお どろ きの連続 だ った。生 まれて は じめて こ ん なにたの しい授業 が あ るのか と思 えた ほどだ。授業 はただだま って先 生 が しゃべ ることを き くものだ とあた りまえのよ うに思 って いた。 しか しここで はゲ ス トの先生方 が い らっ しゃ った り,音 楽 を きいた り,映 画 を見 てみた りと,い つ も気持 ちが リフ レ ッシュ された気 が した。 ・ 自分 の探求 とい うお も しろ い言葉 の響 きに誘 われて この授業 を と ったわ けですが,「 授業 らしくな い授業」 とい った ところが気 に入 って, 欠席 も一 回 しか しませんで した。結局今 で も「 自分 とは何 か」 はよ くわ か っ て, とい うか全然 わか って いないんで すが,考 え るき っか けがで きただ けで ももうけ ものだ と思 って喜 んで ます。本 当 に この授業 は楽 しか った と思 って ます。 ・ 私 は月 曜 日の 時 間割 は大 嫌 いで す が,こ の授 業 の ため にがん ば った と い って も い いで す。抽 選 に通 った 時 にや った 一 と思 って,. 2回 目 に. ,. 取 って大正解 と思 い ま した。人間 が生 きて い く上 で必 要 な もの を考 えた と思 い ます。人 の話 を き くの は と って も好 きだ し,さ まざまな先生方 の 話 が 聞 けて よか ったで す。 ・ 最初 の ころは この授業 が とて も楽 しみで あ った。 3曲 の歌 を聴 いた とき す ご く感動 した し,映 画 を見 た ときもす ご く考 え させ られた。 それ に他 の人 の考 えな ど も知 れて, とて も楽 しか った。 だ けど途 中 か ら私 が この 授業 になれて しま ったのか も知 れな いが,あ ま りお もしろ くな くな って. 8)立 花 隆 +東 京大学教 養学部立花隆 ゼ ミ。 1998年 。新潮社。.
(13) 梅 原 大 輔. きた。 何 が ど う変 わ ったか ら, とい うの は分 か らな いが,な ぜか あま り 面 白 くな くな って きた。 で もまた この授業 が あ るな ら,絶 対受 けた い と 思 う。 こ うや って,い ろんな人 の考 えや 自分 の新 しい考 えな どを見 つ け られ るの は, とて もいい機会 だ った。 ・ 自分 の探求 って何 をす るんや ろ うと思 ってた けど,期 待通 りとい うか期 待通 りで ない とい うか よ くわか らな い け ど,確 信 を持 って言 え るの は こ の授業 が好 きだ った とい うこと。 日によ って感 じ方 が違 うけれ ど, この 前 の コ ンサ ー トはか な りよか った。 そ の人 の好 きな こと,大 切 に して い る ことに触 れ ることがで きて,す ご くうらや ま しか った。 この授業 を受 け るよ うにな って,前 よ りも自分 につ いて い ろ い ろ考 え るよ うに な った し,自 分 の適性 とか 自分 の好 きな ことを探 そ うと努力す るよ うに な った。 そ の点 においてかな り影響 力 が あ った と思 い ます。. 0私 が一番 印象 に残 って い るの は学生運動 の話 で した。 なぜか とい うと. ,. 昔 の大学生 が今 ,大 学生 で あ る私 たち とどのよ うに違 ったのか,知 りた か ったか らです。違 うだ ろ うと思 って いた けど,昔 と今 とで はほ とん ど 考 えて い ることは変 わ って いなか ったのに驚 きま した。若 い ころはみ ん な=緒 の ことを思 うんだなあ, と思 い ま した。他 の授業 で は得 られな い 何 かを得 たよ うな感 じです。 ・ この授業 は時間 ごとにいろいろな ことを しま した。 そ してそれぞれ の時 間 に学 び とることが あ りま した。 いや正 しく言 えば,あ ったので しょう。 私 は,自 分 の探求 で何 を得 たか と問 われて も答 え ることがで きません。 で も決 して この授業 を受 けて も受 けな くて も同 じとい うわ けで はな いん です。 自分 で もよ く分 か らな い部分 で何 かを感 じと った とい うことは何 とな くわか るよ うな気 がす るんです。 で も何 か はあ くまで何 かなんです 。 い ろ い ろな意 味 で この授業 は不思議 な ものだ ったよ うに思 い ます。 ・ 私 は「 自分 の探求」 とい う授業 に対 して とて も興味 が あ り期待 もして い たが,今 まで受 けてみて,正 直言 ってが っか りした。退屈 だ と思 った。 い ろんな形 の人生 や,い ろん な人 の考 え方 が見 れ ると思 って い た の に. ,.
(14) 14. 授業「自分の探求」をめ ぐって 当 た り前 の ことや きれ い事 しか聞 けなか った し, 自分 にプ ラスにな る意 見 はほとん ど聞 けなか った。 「型 にはま らな い授業」 とい う名 目だ けど. ,. 内容 は「型 にはま ったつ ま らな い もの」 だ った。 も っ といろんな人 のい ろん な ことに対 す る意見 を聞 きたか った。毎回 テ ーマ を作 って,そ れ に 対 す る資料 を先生 方 が私 たちに提供 し,最 後 にその ことにつ いての意見 な どを提 出 し,次 の授業 で匿名公開す る形 が よい と思 う。. 問 題 点 と展 望 一 セ メスターの授業 を終 えてみて感 じた ことを列挙 してみた い。 これ はあ くまで も梅原 の個人的 な感想 で あ る。. 3。. 1.「 自分 の探求」 という名称 につ いて. 「 自分 の探求」 とい う授業 の名前 に学生 が 強 く反応 して第 1回 の授業 に詰 めか けて くれ た ことは間違 いない。 しか し学生 の 中 には, この授業 で心理 テ ス トな どを して 自分 の 姿 を知 る ことがで きる ので はな いか, と い う期待 を 理 学 に興 味 があ ったか ら」 この授業 に来 持 って いた もの もか な りあ り,「 J己 ヽ た, とい う回答 が初 回 の ア ンケ ー トに も見 られ た。梅原 と して は,心 理 テス トを一 つ の トピ ックに して心理学 の先生 あ るいはカ ウ ンセ ラーの先生 に話 を して もら って もいいか と思 って いたが,「 若者」 とい うキ ー ワー ドに うま く 繋 が らなか った こと もあ り,今 回 はそれが実現 しなか った。学生 が一 般 に心 理 学 に対 して持 って い るイメ ー ジ (心 理 学 を勉 強す れば 自分 や他人 の心 がわ か る, とい うよ うな もの)が この授業 の科 目名称 か ら強 く感 じられたのか も しれな い。 いず れ にせ よ, この名称 が学生 ,教 員 の両方 に とって誤 解 を生 む 可能性 の あ る もので あ ることは否 めない。 この授業 の 目的 を学生 と教員 の双 方 が理 解 しな い と,学 生 の不満 を招 くことに もな るだ ろ う。. 3。 2。. 何 か面 白 い ものが あ るので はな いか とい う予感.
(15) 梅 原 大. 輔. この授業 に何 か普通 の授業 と違 う臭 い をか ぎつ けてや って きた学生 もか な りい る。 リレー講義 ,複 数 の担 当者 の よ うな授業 の ス タイ ル その ものに面 白 味 を感 じて いる。 このよ うな反応 は,わ れわれが新 カ リキ ュ ラムで新 しい共 通科 目を提供 して い くにあた って,大 きな力添 えにな る。何 か面 白そ うな予 感 が あれば,. 5限 の授業 にで もや って くる学生 がた くさん い るのだ, とい う. 事実 は大 きな希望 で あ る。. 3。 3。. 一 年生 の必 修科 日 とす る ことにつ いて. 今 回 の授業 はどの学年 の学生 も受講 で きる自由科 目 と して開講 された。 こ のため クラスの四割 は一 年生以外 の上位学年 の学生 であ り,. 4年 生 も何人 か. 来 て いた。 しか し,本 来 この授業 は,新 入生 を対象 に して,新 入生 を大 学 の 授業 にな じませ る 目的を も って い るはずだ。今 回 と同 じ内容 の授業 を一 年生 だ けを対象 に, しか も必修 科 目 と して行 って うま くい くか ど うか,大 いに心 配 で あ る。 一 体何 を 目的 に何 をや って い るのか, とい う ことを明確 に しな け れば, こち らの意 図 が容易 に伝 わ る ことはないだ ろ う。 また編入生 のよ うに途 中入学 して きた学生 に, この授業 を課 す のか, とい う こと も検討 してお きたい。. 3。 4。. 若者 をテ ーマ と した ことにつ いて. 若者 と して の 自分 を見 直す, とい うテ ーマ は取 り組 みやす そ うに見 えたが. ,. 反面 ,学 生 と教員 の差 が 直接 的 に現 れす ぎるテ ーマであ ることが分 か った。 下手 をす ると,教 員 の話 を単 な る昔話 で時代 が違 うもの, と しか受 け とめな い ことにな る。 それを さ らに説 明す ればす るほど,説 教 じみた ものにな って しま う懸念 が つ きま とう。 まさに授業 の 中 で世代 間 の断絶 を感 じる ことにな る。. 3.5.達 成度 の評価 この授業 の達成度 を どの よ うに評価 す るか, とい うの は大 きな問題 で あ る。.
(16) 授業「 自分 の探求」をめ ぐって. そ もそ も達成度 を評 価 で きるよ うな授業 なのか もわか らな い。「楽 に単位 が 取 れそ うだか ら受講 した」 と正 直 に書 いた学生 ももちろん いた。卒業単位 を か き集 めな ければな らな い 4年 生 が,初 回 の授業 の抽選会 を経 ず に勝手 に登 録 して いた例 もあ った。必修 の科 目 とす る以上 , クラスによ って評価 の方針 が大 き くかわ ることは避 けな ければ な らない。 また リレー形式 の授業 で どの よ うな評価方法 を とれば いいのか, とい う課題 もあ る。 グ レー ドをつ けず に 合否 で成績 を 出す こと も含 めて,今 後検討 す る必 要 があ る。. 3。 6。. 方 法 論. レクチ ャーで終 わ ることな く,学 生 に能動 的 に授業 に参加 させ ることは難 しい。特 に リ レー講義 とい う形式 を とると,一 人 の担 当者 が学生 を じっ くり 知 るチ ャ ンスを作 ることが難 しく,一 方 的 な講演会 のよ うな授 業 にな って し ま う可能性 が あ る。学生 は,大 きな教室 での講義 に大学 らしさを感 じる一 方 で,対 話 の あ る双 方 向的 な授業 を強 く望 んで い る。授業 の形態 につ いて,最 も この授業 の 目的 にか な うもの を模索 して い く必要 があ る。 また教員 に とって専 門 の領域 に踏 み込 まなず に授業 を行 う, とい う こと も 大変 に難 しい ことで あ る。 まるで理論武装 を解除 されて学生 の前 に立 た され るよ うな ものだ か らで あ る。大学 の教員 は皆 ,そ れぞれの専門領域 を持 って お り,そ の分野 にお いて責任 の あ る発 言 がで きる。 そ して また,そ のよ うな 専 門性 に裏打 ちされた教員 が担 当す るとい う ことが,大 学 の授業 を高校 まで の授業 と区別 す る特性 で あ るはずだ。各教員 の持 つ 専門性 を「 専門 の学 問以 前」 を ス ロー ガ ンとす るこの授業 の 中 で どのよ うに活 か して い くのか, とい う点 につ いて更 に考 え る必 要 が あ るよ うに思 う。. 終 わ ってみて,今 回 の授業 はまさに暗中模索 ,試 行錯誤 , 自転車操業 とい う言葉 がぴ った りの もので あ った。 そのよ うな中 でかな り無理 を きいて もら う形 で協 力 して いただ いた先生方 には不手 際 をお詫 びす ると共 に深 く感謝 し ます。.
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