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上方芝居ひいきと役者絵

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Academic year: 2021

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(1)(1). 緒. 上方芝 居 ひ いき と役者絵. 川貞 信 を 除 いて、 よく わ か ら な い。例え ば 上 方 役 者 絵 師 と し て名 品 の多 い春 好 斎 北 洲 は 、 職業 的 浮 世 絵 師 では な い. 絵 師 と ひ いき の つな が り を ま ず 問題 にし た い。 上方 の役 者 絵 師 た ち の経 歴 と いう も のは 、後 期 の柳 斎 重 春 や長 谷. 一. き の関 与 、 そ し て役 者 絵 師 の中 の特 定 集 団 に つ いてと い った点 を 考 え て みた いと 思う 。. の強 い つな が り を 指 摘 し て い いよう に思う 。 本 稿 では役 者 絵 師 と ひ いき と のか か わ り 、役 者 絵 の画 中 に見 え る ひ い. 関 与 し て いた よう に思 わ れ る。 上方 役 者 絵 の特 色 と いえ ば 種 々あ げ る こと が でき る が、 そ の 一つと し て、 ひ いき と. と 大 いにか か わ るだ ろう 。 と こ ろが上 方 の役 者 絵 を 見 て いると 、 売 行 き のみな らず そ の生 産 にも 、 ひ いき が大 き く. 気 不 人 気 は 、 ひ いき の数 と 熱 心 さ の度 合 いに左 右 さ れ る こと が多 い。 当 然 、 役 者 絵 の売 行 き と いう も のも 、 ひ いき. 芝 居 あ る いは役 者 の周 辺 には 、 そ の熱 愛 者 た ち︱ ︱ ひ いき と いう も のが存 在 す る。 芝 居 の当 り はず れ や役 者 の人. 進.

(2) (2) 上方芝居 ひい きと役者絵. と いわ れ る が 、 そ れ では本 職 は わ か ら な いのか 、 ど のよう な 人 な のか 。 戯 画 堂芦 ゆき 、寿 好 堂 よ し 国 は ど う か 。 も と よ り 明 確 な 答 え は 出 な いに し ても 、あ る程 度 は さ ぐ ってみ た いと 思う 。. ま ず 文 化 十 二年 ︵一八 一五︶ に版 行 さ れ た 三 つの資 料 を 見 よう 。 ま ず 一枚 摺 り ﹃ひ いき ﹄ は 、 ﹁ 文 化 十 二年 亥 六 月. 大 新 板 改 正﹂ と あ る見 立 番 付 で、 当 時 の 二大 人 気 役 者 嵐 吉 三 郎 2と 中 村 歌右 衛 門 3と のひ いき を 、 そ の熱 心 さ の程. 度 で格 付 け し て相 撲 番 付 の形 で並 べたも の であ る 。 東 は吉 三郎 ひ いき で、大 関 が好 之 池 、 関脇 が大 隠 居 、 小 結 が中. 隠 居 、 前 頭 筆 頭 が 辰 巳 屋 。 西 は 歌 右 衛 門 の側 で、 大 関 が西喜 、 関脇 が 百喜 、 小 結 が木 里 、前 頭筆 頭 が枡 仁 であ る。. 東 西 そ れ ぞ れ 七 十 一名 のひ いき を 挙 げ 、 そ の下段 にそ れ ぞ れ 十 六名 の頭 取を 並 べ て いる。 そ し て最 下段 は ﹁ 世話人. 浪 花 似 顔 画 師 ﹂ で、 四十 四名 と いう 多 数 の絵 師 た ち が列 記 さ れ て いる。 こ の似 顔 画 師 は東 西 の区 分 が な い。 だ か ら. こそ 世 話 人 であ って、 ど ち ら にも 偏 し な い立 場 と いう 意 であ ろう 。 四十 四名 の配 列 を 見 ると 、右 端 に春 好 、左 端 に. 芦 国 が 記 さ れ てお り 、 実 作 品 か ら 感 じ る所 と 一致 し て、 こ の時 点 で こ の二人 は主 要 絵 師 だ った こと が確 認 でき る。. 他 の絵 師 を 拾 って み ると 、 松 楽 ・芦 幸 ・梅 好 o春 蝶 ・露 好 ・梅 国 ・真 好 ・春 錦 ・芦 友 ・歌 く に ・春 玉 ・丸 丈 ・春 郷. ・春 陽 な ど は 、 版 画 作 品 が管 見 に入 って いる絵 師 であ る。 丸 丈 は丸 丈 斎 国広 、 歌 く には浜 松 歌 国 であ ろう 。 逆 に い. う と 、 これ 以 外 の絵 師 の作 品 は 私 はま だ 見 て いな いと いう こと であ って、調査 が いか に不十 分 な 状 態 であ るか が わ. か り 、 そ の点 でも 有 意 義 な 資 料 であ る。 こ こ に名 の見え る絵 師 は 、 必 ず 役者 似 顔 絵 を 版 行 し て いると 考 え て いるか ら であ る。. と こ ろ で東 側 二段 日 、前 頭 十 四番 目 に芦 舟 と いう 名 が見 え る。 で 孫 芦 舟﹂ と あ り 三休 橋 近 く に住 む ひ いき だ ろ. 芦 舟 画 ﹂ と 署 記 す る役 者 絵 が管 見 に入 って いる。 ひ いき でな く 下段 の絵 師 の方 に入 れ ても い い人 物 な のだ う が、 ﹁. と 思う 。 ま た 歌 国 は絵 師 に入 って いる が 、 同 時 に 歌 右 衛 門 の頭 取 にも 名 を つら ね て いる。 ﹃ひ いき ﹄ と 題 す る 一枚. 摺 に絵 師 が あ が って いると いう こと は 、 ひ いき と 絵 師 の近 い関係 を 見 ても い いだ ろう 。 特 に絵 師 でひ いき と いう 例.

(3) 平 松. (3). を 見 ると 、 両 者 の融 合 し た 状 態 を 考え て い いと 思う 。. も う 一つの文 化 十 二年 刊 行 資 料 罫 肺贔 贋 花 実 知 ﹄ を 見 よう 。 役 者 評 判 記 の形 を と った 歌 右 衛 門 ひ いき の評 判 記. で、 日録 にあ が る 人 数 は 二 三 七 名 。惣 巻 頭 の五人 は 、 客 座 無 類 の西 村 屋、相 伴 と し て大 上 上吉 の梅 岡 、極 上 上 吉 の. 亀 遊 、大 上 上 吉 の梅 喜 、 亭 主 方 と し て真 上 上吉 の本 理 があ が って いる。惣 巻 軸 には 功 上 上 吉 の百喜 が見え る。 し か. し 注 目 す べき は 上 上自 士 あ た り の位 付 け で列 記 さ れ て いる ﹁ 芦 国 しん丁春 好 石やばし春 陽座摩のま全 の三 人 であ る。 評 文 には こう あ る。. 芦 国 春 好 春 陽 の三先 生 と も   家業 には被 成 ね ど 生 得 顔 似 せ が お好 に て  それ ゆ へいづ れ の役 者 衆 共 心 やす く 致 さ れ升 れ ど も   別 て芝 翫 丈 の部 屋 へは毎 々行 る ゝゆ ヘ  ヒイ キ の部 へ入 れま し た 家 業 ﹂ には し て いな いと 明 記 さ れ て いる。 つづ いて、 顔 似 せ は好 き だ が ﹁. 顔 似 せ は 三 人 と も 妙 を 得 ら れ 、彩 色 画 にしき 画 は 世 上 に流 行 な し  人 々 のよく 御 存 じ に て  中 にも 春 陽様 は若. 手 と い へど も 画 の筋 が よ いと の事 ゆ へ  追 ノヽ に御 上 達 あ ら ば  御 親 父山東 軒 も 御 満 足ノヽ. 芦 国と 春 好 に つ いては種 々発 表 し て いる ので贅 言 は 避 け た い。 た だ 春 好 は文 政 元年 に北 斎 に入 門 し て春 好 斎 北 洲 と. 改 名 し て いる こと のみ付 記 し てお こう 。 ビ ﹂で若 手 と いわ れ て いる春 陽 は、山 東 軒 の息 子 だ と いう 。山 東 軒 の名 は 、 , 同 書 の目 録 に ﹁ 上 上  山 東 軒 座摩のユ ど と あ が って いる。 た だ 評 文 が な いのは そ こま で の大 物 では な か った のだ ろ. ゎたなべ山 東 軒 ﹂ と 名 前 が あ が る。 座 摩 に隣 接 し  一枚 摺 り ﹃ひ いき ﹄ の方 にも 、歌 右 衛 門 側 の最 末 尾 近 く に ﹁ う。. て渡 辺橋 が あ り 、 同 一場 所 を 指 す のであ ろう 。 春 陽 は 春 好 と 同 じく 北斎 に入 門 し た と 思 わ れ 、 文 政 元年 か ら春 陽 斎. 山 北 敬 と 改 名 、 文 政 十 一年 ま では 作 画を し て いる。 上 方 で中 堅 ど こ ろ の絵 師 であ る。 画 号 と し て コ程太 楼 ﹂のほか ﹁. 東 閣﹂ の朱 印 を 使 う のは 父 親 ゆず りだ ろう が、 あ る いは ひ いき と し て こ の名 を 使 った のか も し れ な い。. 芝 翫節 用 百 戯 通 ﹄であ る。 本 書 に関 し ては荻 田清 氏 の コ 芝 翫節 用 百戯 通 ﹄考 ﹂ もう 一つの文 化 十 二年 刊 の資 料 は ﹃.

(4) (4) 上方芝居 ひい きと役者絵. が 詳 細 であ る の でそ れ に ゆず り た いが 、 ひ いき に関 し ても 多 く の情 報 が含ま れ て いる本 であ る。 挿 絵 には 百喜 ・住 じ 治 ・木 里な ど 二十 余 名 が讃 を 寄 せ 、 ﹁ 贔 贋方 角 編 欄 之 図﹂ では ひ いき の住 所 を 記 し て いる。 ﹁ 嚇好牲 字 つく し﹂ と. 蒋 睡 が 見 え て いる。. ﹁ 嚇人 名 y召 之 部 ﹂ は ひ いき の名 簿 で、 両 者 合 わ せ て 一九 〇名 近 く が あ が って いる。 こ の中 に絵 師 が 含 ま れ て いて 黙際 っ 紳 嘔. 以 上 文 化 十 二年 の時 点 で、 こ のよう に ひ いき 関 係 資 料 が集 中 し て出 てく る のは、嵐 吉 三郎 と 中 村 歌 右 衛 門 の人気. の対 抗 と沸 騰 のた め で、多 く の出 版 物 が続 く わ け であ る が 、 そ の後 の文 政 ・天保 期 に つ いては 、 同 じ様 な資 料 を 得. る こと が でき な い。 し か し 春 梅 斎 北 英 ま で の絵 師 た ち は 、 大 体 春 陽 ・春 好 ・芦 国 ・歌 国 と い った 人 々と 同 じ よう な. 立 場 だ ったと 推 定 でき る。 西 沢 一鳳 の ﹃ 伝 奇 作 書 拾 遺 上 の巻 ﹄ に、 芝 居 関係 の書物 出 版 の場 合 の作 者 に つ いて次 の よう に記 し て いる。. 京 摂 に て戯 場 に よ り た る書 を 出 す 時 は  東 都 と 違 ひ 戯 作 者 を 業 と す る人 なく   只金 満 家 の主   戯 場 遊 里 に遊 び. 俳 優角 紙 芸 者 を 愛 し 、 穴 を 探 って楽 と す る人  是 を 皆 粋 人 と 号 疎螂狂は大 中 興 河太 郎 丸 平 大 江丸 な ど 是 な り. 役 者 絵 出版 の場 合 も こ の書 物 出 版 の場 合 に準 じ て考 え て い いと 思う 。 そ し てひ いき は粋 人 の魁 首 と いわ れ た 。. 上 方 のひ いき 連 中 に関 し ては 、 以 前 にま と め て述 べた ので重 複 は 避 け た いが、役 者 絵 師 た ち は ひ いき あ る いは そ. れ に近 い存 在 で、 当 然 相 当 に裕 福 であ っただ ろう 。 彼 ら は版 下絵 を 描 いて生 活 を た て る画 工 では な か った 。 ただ 職. 業 的 絵 師 でな いと いう こと は 、 いう ま でも な く 画 技 の拙 劣 を 意 味 し な い。多 く の上方 絵 師 た ち の秀 作 が そ れを 証 明 し て いる。.

(5) 進 平 松. (5). 二. 画 面 に ひ いき の姿 が描 か れ て いる場合 が時 々あ る。 そ れを 見 て行 く こと にし よう 。 図 1は役 者 と 共 に ひ いき が集. 団 で恒 例 の劇 場 行 事 を 行 って いる 図 であ る。 文 政 九 年 ︵一公 工C 十 二月 に角 の芝 居 に江 戸 の関 三十 郎 2が 出 演 し た 時 の座 附引 合 。 絵 師 は戯 画堂 芦 ゆき であ る。. 戯 場楽 屋 図会 ﹄ は次 の 早朝 か ら始 ま る顔 見 世 の諸 行 事 の内 、 最 も 肝心 な 座 附 引 合 に ついて、 松 好 斎 半 兵衛 著 画 ﹃ えて いる 。 よう に伝 ゝ. 二番 斐 お わ り て座 附 引 合 せ にか ゝれば   ひ いき の 手 打 の連 中 は そ ろ への衣 装を 着 し  舞 台 の前 へ座 す るなり   一. 工役 と だ 衆 中 は舞 台 に進 物 を つむ事 山 のご と し  そ れ より 座 本 は じ め太 夫   子 やく   若 衆 形   娘 形   若 女 形   工. んノヽ 引 合 す な り   此 とき 手 打連 中 は銘 々頭巾 を か づ き   役者 衆 中 に残 らず 進 物 を おく り   其 時 ノヽ の歌 にあ. わ せ て拍 子 木 を う ち   そ の外 さま ハヽ の諸 芸 あ り て  人 の耳を お ど ろか す 事 筆 紙 に つく し がた し. 花王﹂ 連 の連 印 が付 さ れ て いる。 画 面 を 圧 し て いる のは役 者 でなく 制 服 制 帽 姿 の こ の図 の場 合 、 提 灯 や頭巾 には ﹁. ひ いき 連 中 の姿 であ る。左 方 に こち ら向 き に立 つ男 は手 打 の指 揮者 で、 平 土 間 前 方 に座 す 一般 連 中 に対 し 、舞 台 上. で析 を 打 って いる。 析 は黒 檀 であ ろう 。 こ のよう に ひ いき を 役者 より 大 き く と り あ げ た絵 も 、 同様 に売 れ た のだ ろ. う か 。 あ る いは 出 版 に花 王連 中 の経済 的 支 援 があ った のか 、 そ のあ た り は 想 像 を めぐ らす 以 上 には出 ら れ な い。. 図 2は 天 保 三年 ︵一△ 壬 じ 十 一月道 頓 堀 竹 田芝 居 で の市 川森 之 助 の座 付 引 合 であ る。 五瓢 亭 貞 芳 画 。 森 之 助 を. 上﹂ の字 を 重 ね た印 の頭 巾 を か ぶ つて いる。 画 面 上 部 の文 字 の背 囲 ん で手 打 す る連 中 は 、 ﹁ 笹 ﹂ と 読 め る文 字 に ﹁. 平 谷 ﹂ と あ る が意 味 不 明 。 衣 装 は 飛 鶴 景 にも 同 じ印 の頭 巾 が見え 、柏 子 木 ・篠 笛 o帽 子 が描 か れ て いる。 笛 には ﹁.

(6) (6) 上方芝居 ひい きと役者絵. 模 様 で そ ろえ て いる ら し い。 左 端 の人 物 の 肩あ た り に ﹁チ リ﹂ ﹁ 丸﹂、右 端 には ﹁ 豆 六﹂ な ど の字 も 読 め る。 し か し. 連 の名 称 は わ か ら な い。 中 ゥ芝 居 でも 早 く か ら顔 見 世 興 行 は行 って いた が、大 芝 居 と 同様 手 打 ま で行 わ れ て いた わ. ぁ 手﹂ と 題 し て、 ﹁ け であ る。 拍 子 木 は し か し 黒 檀 な ど では な いら し い。 ﹁八 千 代 獅 子△ 寿 々 これ ヲ祝  歌手 一両 軒 /. 文 亀 / 登 市 ﹂ と ひ いき と 思 わ れ る名 前 が並 び 、 三段 か ら 成 る歌 詞を よ せ て いる。 手 打 は 歌を 伴 う か ら、歌 詞 は年 々. 新 作 さ れ るわ け であ る 。内 容 は 天保 三年 十 月 に大 阪 へ着 いた 琉 球 人 一行 にひ っか け たも ので、 始まりは い ﹂ う であ る 。. ○ 天保 三 の辰 の年 、 唐 か ら 粋 な 人 来 た 日本 にも 、 ゑ ら いす ひな 娘 か化粧 し て唐 人 見 に行 た ⋮ ⋮. 中 央 の市 川森 之 助 を は さ む よう に、 二 つのひ いき 連 中 の顔 が見え る の に注 目 し よう 。 こ の 二人 の顔 は役 者 のそ れ. と 同 じ 似 顔 にな って いる。 前 の関 三十 郎 の花 王 連 の男 と 比 較 す ると よく わ か る。 花 王 連 の指 揮 者 は、 画面 にた ま た. ま 描 き 入 れ ら れ た り す る観 客 の顔 と 同 じ く 、や や滑 稽 だ が 一般 的 なも の で、 特 に個 人 の特 徴 を 描 き と め ては いな い。. そ の意 図 がな い絵 であ る。 し か し こ の森 之 助 の手 打 二人 は 、 役 者 と 同質 の描 法 で、 描 き 分 け を 意 図 し て描 か れ た 顔 であ る 。 二人 は自 分 の似 顔 絵 を 描 か せ た のだ ろう か 。. こ こ で図 4を 見 よ う 。 これ は ﹁ 笹 瀬 連 手 打 の上手 ﹂ ︵ 贔贋花実地︶と呼 ば れた 芝 翫 ひ いき の ﹁ろ十﹂の勇 姿 であ る。. 江 南 亭 国 広 画 。 可 な り 手 ず れ があ る が推 定 し て読 む と 、 見 出 し は ﹁ 文 政 六年 未 霜 月 道 頓 堀 顔 見 世 手 打 新 □句 μ行鍼珈. 愕 。 三 段 に分 か れ た 歌 詞 は 、珍 獣 略 駐 の こと を 滑 稽 に詠 じ て いる。 こ の年 七 月 に諮 舵 が 難 波 新 地 で見 せ 物 にな り 大 評 判 にな った た め こ こ に使 った のであ る。 冒 頭 は次 の通 り であ る。. ○ 文 政 六年 未 ノ夏 ノ頃 二  異 国 ヨリ奇 妙 な 毛 物 が   ツガ イ 揃 フテ渡 り来 テ  其 名 ヲ ラ クダ ト イ フテ  海 上 万 里 ヲシ ノギ ツ ヽ⋮ ⋮. 諮 駐 の図 は衣 装 模 様 にも 用 いてあ り 、 ﹁ろ十 ﹂ の文 字 も 染 め ら れ て いる。手 に し た 拍 子 木 も 上 等 のも のと 見 え る。. こ の年 の顔 見 世 で ろ十 は こ の衣 装 を 着 込 み新 歌 詞 で手 打 ち を し て得 意 だ った ろう 。 そ の姿 を 錦 絵 に作 らせ て、 恐 ら.

(7) (7). 松. 図4. 笹瀬連 ろ十. (国. 広). 平. 進. 図. 関 三十郎. 図2. 市 川森之助. (芦. ゆ き). ろ. “ ぼ 群= キ 熱. │1111: 1■. ■摯. 図3. 沢村音松. (貞. 芳. ). (貞. 芳).

(8) (8). 上方芝居 ひい きと役者絵. 図7. 片 岡我 当. (貞. 信. ). 尾上英雀. (多. 美国. ).

(9) (9). 松. 平. 進 な■. 撻灘. 筵11 中村歌六. 図 10 中村芝翫. (国. 広). 図9. (よ. し国). 中村鶴助 (北 洲 ).

(10) 上方芝居 ひい きと役者絵. (10). 図11 嵐橘 三郎. (多. 美国). 図 13 尾上芙雀. (と. し国. lt導 │サ. 七 二 聟 1‐. ヽ1:111■. (よ. 11111::. し国. ). ).

(11) 進 平 松. (11). く 配 布 し た も のと 思う 。 こう いう 錦絵 が存 在 す る こと を 考 え ると 、 役 者 と 共 に似 顔絵 にお さま る ひ いき が いても お. か し く は な いだ ろう 。 市 川森 之 助 の図 にも ど る が、 こ のよう に ひ いき を 描 き 入 れ た絵 は役者 絵 の 一種 と し て売 れ た. 。 のだ ろう か 。 出版 にひ いき の経 済 支援 が無 か ったと は考 え にく いが 、 あ る いは ひ いき が配 り 物 と し た のだ ろう か そ のあ た り は想 像 以 上 には 出 ら れ な い。. と こ ろ で こ の図 の版 本 は 一部 改 刻 し て図 3 のよう に再使 用 さ れ て いる。 沢 村 音 松 の座 附引 合 であ る。 こ の時 竹 田. 、 執 花 櫓 当 座 は森 之 助 のほか に嵐 寿 之 助 ・市 川米 十 郎 ・中 村仲 蔵 ら 人 気 役 者 が 揃 い座 本 が沢 村 音 松 で 顔 見 世 狂 言 ﹃ 。 達 ﹄ を 上 演 し て いる。 改 刻 さ れ て いる のは 役 者 の顔 と 家 紋 だ け で、 衣 装 の彫 り は そ のま ま で色 だ け 変 え て いる ひ. いき 連 中 な ど 他 の 一切 は 元 のま ま であ る。 同 一芝 居 に出演 の 二人 を 、 顔 と 家 紋 だ け改 刻 し てた だ ち に版 行 し た と い う こと にな る。 画 中 の讃 には こ のよう にあ る。 此 度 の座 本 沢 村 音 松 でム リ 升 いよソヽ 御 ひ いき 私 し はな ん にも 知 ら て宝 の梅     沢 村 音 松 し は らく のこゑ に開 く や冬 乃梅   川木 の松 ○ な ゝゑ 八重 り つは に咲 や冬 牡 丹     一 月竹 □ 沢 音 丈 の初 櫓 を 祝 し て 火 矩 か ら 雪 見 る 日あ り ふく と汁     四木 亭. 、 版 の前 後 は 画 中 の字 配 り と 文 章 の不自 然 か ら 、沢村 音 松 の方 が後 の摺 り と 見 る。こう いう 出 版 が あ ると いう こと は. 同 座 の役 者 達 も 、皆 こ の形 で引 合 せ図 の版 行 が 可能 だ と いう こと にな る。 同座 でな く とも 流 用 は広 く 可能 であ る。 、 む し ろ そ う いう 類 型 出 版 な いし嵌 め込 み出 版 を 考え る べき かも し れ な いが 、今 の所 二例 だ け し か見 て いな いの で.

(12) (12) 上 方芝居 ひい きと役者絵. 確 実 には 何 と も 言え な い。. 嘉 永 五 年 ︵一八五一こ 二月 に 中 村 歌 右 衛 門 4が 没 し た。 そ の大 き な 穴 を う め る の に、甥 でわ ず か 十 六 歳 の中 村 玉. 七 が起 用 さ れ る。 経 験 の浅 い若 い役 者 は た ち ま ち 人気 を 得 て見 事 に重 責 を 呆 たす のだ が、 そ の起 用 さ れ た 時 の 口上. 図 が広 貞 の 二枚 続 にあ る ︵ 図 5︶。 先 輩 の中 山 な んし に従 って両 手 を つ いて平 伏 し て いる上 に、 駒 絵 で花 王 連 の男 が 二人 黒 色 の拍 子木 を 打 って いる。 花 に来 て月 に戻 る や桜 川     如 竹. と 讃 があ り ﹁ 七 岬   相の手似 蝶 作 ﹂ と 題 し て歌 詞 が 記 し てあ る。 こ の花 王 連 中 の 二人 は顔 が全 く 一致 し て いて、 同. 一人 物 を 似 顔 で描 いたも のと 思 わ れ る。 も う 一つは 元 治 元 年 ︵一八六四︶顔 見 世 時 の刊行 と 思 わ れ る 照 皇 亭 貞 広 画. の三枚 続 で、 花 王 連 の正 装 を し て拍 子 木 を 打 つ嵐 璃 寛 ・中 村 雀 右 衛 門 ・中村 翫 雀 を 描 いて いる。 背 景 は 紺 色 つぶ し. で、 そ こ に灰 色 で大 手 ・笹 瀬 ・花 王 ・川 竹 の連 印 や文 字 が 図案 にな って散 ら し てあ る。役 者 の手 打 の姿 と いう も の も 、 日常 図 と 同 じ親 近 感 が あ った のか 、 買 い手 があ ったも のと 思 わ れ る。. 以 上 役 者 絵 の中 に現 れ て いる ひ いき 或 は役 者 ・ひ いき の融 合 状 態 を 示 す 図 柄を 見 てき た。. 三. 役 者 絵 の画 中 に添 え ら れ て いる讃 を 見 て行 く こと にし よう 。 讃 は 四種 類 に分 け る こと が出来 そう であ る。 第 一は. 描 か れ て いる役 者 自 身 が狂 歌 ・狂句 を 詠 ん で いる場 合 、第 二は ひ いき が名 前 を 明 記 せず に詠 ん で いる 場 合 、第 三 は. ひ いき が 記 名 し て讃 を し て いる場 合 、第 四は 絵 師 が讃 を 寄 せ て いる場 合 であ る。 ま ず 第 一の場 合 を 見 よう 。 1  御 ひ いき の蔭 に や よ ら ん夏 木 立     梅 華.

(13) 八︶六 月 宮 島 芝 居 。 役 者 の讃 は 大 体 謙 遜卑 下 の姿 勢 で御 ひ いき を 乞 中 村 松 江 3が お 高 を 演 じ た 文 政 十 一年 ︵一▲ 一 う と いう 内 容 のも のが当 然 な が ら多 い。 エ役 尾 上 芙 雀 2  難 波 か へり て    尾州名古屋登リ エ 図 6︶ 頭 には あ つき めく みを いた ゝき て帰 る旅 路 のな には菅 笠 ︵. 四︶名 古 屋 出 演 か ら帰 った 時 。 こう いう 尾 上 芙 雀 3が 旅 姿 で荷 物 を 脇 に置 いて 口上 を 述 べる 図。 文 政 七 年 ︵一八一一 場 合 は無 沙 汰 を わ び ると いう 形 を と る。 3  浪 花 津 の空 にも ま れ ん奴 凧    薪 水. 坂 東 彦 三郎 4が 上 方 来 演 直 後 、 天 保 三年 ︵一△ 壬こ 正 月 に奴 鹿 蔵 を 演 じ た 図 に添 え ら れ て いる。 御 当 地 を た て て 何 と ぞ よ ろし く と いう 内 容 が当 然多 く な る。 単 に季 節 を 詠 む 場合 も あ る 。. の讃 は 最も 一般 的 に見 ら れ るも の であ る。次 は ﹁ひ いき ﹂ と のみ記 す よう な 場 合 であ る。. 中 村 歌 右 衛 門 3が 文 政 十 年 ︵一八一石 ︶正 月 に大 内 左 衛 門秀 丸 に扮 し た 図 柄 。 以 上 こ の場 合 を 四例 あ げ た が 、 役 者. 4  梅 の宿 た し か には る の来 り け り    梅 玉 平. ︶ し は た の こ の 日 の 出︿ 7 ゆ の あ り 夢   ま や 花. 味 共 に不 明 であ る。. モ ︶ の大 西 芝 居 であ る。 贔 樹 と 読 ん で み た が、 中 船 居 は 読 み ・意 片 岡 我 当 2の猫 間 新 太 郎 光 実 、 天 保 八年 ︵一▲ 一. 図 7︶ 6  村 か ら す 我 当 ノ ヽ と 日 の出哉     中 船 居贔 樹 ︵. 谷川貞春︶か 版 元 か 、あ る いは 全 く 名 を 秘 し た 人 物 な のか 、 三 つの場 合 が 考 え ら れ ると 思う 。. 長 嵐 璃 旺 2の小 春 屋 弥 七 の立 姿 で天保 末 年 のも の。 日意 喜 と 読 ん で い いも のと 思う 。 こう いう 場 合 ひ いき は 絵 師 ︵. 5  咲 並 ふ中 にひと 染 き く 白 し    日意 喜. 松. (13).

(14) (14) 上方芝居 ひい きと役者絵. 嵐 璃 寛 2の小 栗 判 官 兼 氏 、 天保 四年 ︵一△ 壬こ 。 ひ いき 連 の連 印 が 記 さ れ て いる が ど の連 か は 不 明。 役 者 が 璃 寛 で. 連 印 が 橘 だ か ら 璃 寛 ひ いき で矛 盾 は な い。 芝 居 茶 屋 の竹 葉 屋 が 、 こ の印 か ら 連 の字 を 除 いた印 を 用 いて いる が 、 こ れ と 結 び つけ る確 証 は な い。 次 に少 し 古 い例 を 二 つあ げ よう 。 8  大 鳥 と ひ やう ば んも よ し 男 吉 古 今 無 類 の孔 雀 三郎. 中 山 文 七 1の孔 雀 三 郎 を 描 いた 雪 圭 斎 昌 房 の合 羽 摺 細 判 、安 永 九 年 ︵一七八〇︶であ る。 9  た ち 花 や香 は都 ても 難 波 ても. 市 川市 紅 の義 経 に長 範 の嵐 吉 三郎 2、 文 化 十 三年 ︵一八 王 C の大 判 横 絵 一枚 であ る。 こ の三枚 は讃 に記 名 が な い。. 内 容 は 明 瞭 に ひ いき の立 場 で詠 ま れ た も のだ が 、 5 ・6と 同 じく 版 元 ・絵 師 と 第 三者 を 考 え て い いだ ろう 。 次 に記 名 のあ る場 合 を 見 よう 。. 名 にた ち 花 の俳 優 の絵 は  春 廼 屋. 0  か ら こ ろも 袖 に つ ゝみ て土 産 にせ む 1. 嵐 吉 三郎 2の納 涼 図 で文 政 二年 ︵一八 一九︶頃 。 役 者 絵 を 上 方 土 産 にす ると 詠 ん で いる が 、 これ は 江 戸 の場 合 と 同. じ 役 者 絵 消 費 の 一方 法 であ った 。 他 に洛 東 春 の屋 ・春 の屋 など 数 例 あ り 、全 て初 代 ・二代 の璃 寛 の絵 だ か ら 、 京 都. 住 ま い の岡 島 屋 ひ いき は 間違 いな い。 春 の屋 と 名 のる人 物 は何 名 か あ げ られ る が特 定 はむ ず か し い。 H  よ し 国 ぬ し のせち に乞 給 ふ に辞 み か た く て酔 中 に 浪 速 津 に昇 れ る み つの朝 日影 ゑ みを ふく め る 四方 の山 ノヽ   暁 鐘 成. 去 年 の枝 折 の道 を た か へてな を 深 く 分 てめ つら し奥 山 の花   暁初日連真 間 野 川成 笑 ふく む 山 の額 の紫 は あ け よ り 人 の気 を 集 ふ雲   睦句 斎 文 成 ︵ 図 8︶.

(15) 進. 二枚 続 の楽 屋 入 図 で、 江 戸 か ら 登 ってき た 坂 東 三津 五郎 3と 浅 尾奥 山 1 ・中 村 歌 六 1を 寿 好 堂 よ し 国 が描 く 。 狂 歌. に そ れ ぞ れ 、 み つ ・奥 山 ・紫 ︵ 〇︶末 の版 行 だ ろう 。 鐘 歌六俳名紫琴︶と 役 者 を 詠 み こ ん で いる。 文 政 三 年 ︵一八一一. 成 が絵 師 よ し 国 に乞 わ れ て作 歌 し たと 詞 書 の中 で記 し て所 が注意 さ れ る。絵 師 が 企 画構 成 し版 元利新 を 動 か す 形 だ ろう か 。 暁 初 日連 は ひ いき 連 の名 。睦 句 斎 文 成 と 読 んだ が 、 鐘 成 以外 は 不 明 。 2  卯 花 や雨 露 のめ く みを う け て咲     梅 好 ︲. 尾 上 和 三郎 1の油 屋 お こ ん。 杉 山 秀 麿 と いう 珍 し い絵 師 の柏 宗 版 。文 政 中 期 京 都 の中 ゥ芝 居 だ が未 考 証 であ る。. 窓梅好 ︵ 梅 好 斎 ﹂ と 署 記 す る 一枚 を 見 た が、 同 一 二世鶴廼屋︶が 狂 句 を 寄 せ た のか 。 文 化 二年 の細 判 に絵 師 で ﹁ 物 か と 思 わ れ る。. 嵐 小 六 4の布 袋 お市 の姿 だ が 死絵 。文 政 九 年 十 一月 十 六 日没 。女 性 のひ いき だ と は っき り わ か る名 前 な の で注 目 し. あ ち き な き 世 や雪 折 の夜 の音     士口田 屋勢 い女.       3   おも ひ が け な き わ か れ にた ゞむ ね のみ ふ さ がり て ︲. た。 ﹃ 芝 翫 節 用 百戯 通 ﹄も 女 性 ひ いき の部 を 設 け て いる が、 時 期 も 異 な る し こ の名 は見 出 せ な い。 贔 贋 花 実 知 ﹄も ﹃. が こ こ にも 見 ら れ る 。 そ れ が 一般 的だ った か ど う か は な お 不 明 であ る。 ま た 詞 書 は 、 上演 と 出版 と の時 間 的 ず れ と. のを 鶏 明舎 が勧 め て版 行 し たと いう 経緯 が 注 目 さ れ る。 ひ いき と 思 わ れ る人 物 が版 元 に働 き か け ると いう 出 版 の形. 明 。 詞 書 は 、 こ の役 を 演 じ てか ら時 間 が た ち 年 も 改 ま って版 行 したと いう 事 情 を 述 べたも のだ が、版 元 が躊 躇 す る. 中 村 鶴 助 1の加 藤 与 茂 七 、 大 首 絵 。文 政 七年 の春 好 斎 北 州 作 品 で版 元 は本 清 ・泉 であ る。 鶏 鳴 舎 な ら ぬ鶏 明 舎 は 不. 図 9︶ 葉 桜 の中 にま し れ る遅咲 は春 の色 香 に増 こ ゝち す れ    鶏 明舎 ︵. いか ヽあ ら んと て板 元 の心苦 しく 思 は れ侍 る に. 4 ︲  時 にを く れ し 面 影 を 今 さ ら梓 にも のせ んも. 平. ノ 、 ゴヒ. 松. (15).

(16) (16) 上方芝居 ひい きと役者絵. いう 問 題 も 考 え さ せ る 。 名 前 を 明 記 し た 讃 は 例 が多 いの で、 以 下 に名 前 のみ記 し て詳 細 は省 略 す る こと にし た い。 椎本 庵              寿梅老 人 舟 越 /角市                         橘 狂 陳 人 史 甚 / 斜笠 /角 市 / 緑未             陰 山芝 好 戯 坊                               龍 尺亭 西 花 亭 石直                         亀 人 里一 種春                             土 楼 立 花 園 /立 花 園意 宗                 小 黒 庵 ゆ み雄                             将 酉 産 人 一ろ                              土 卵. 在 原 梅 成 / 千 代 竹 成 / 住 の江 松 成     公 秋 ぃ 解 一﹂ と 見 え る。種 春 は 柳 園 種 春 か 、 天 保 元 年 の絵 に讃 し て 芝 翫節 用 百 戯 通 ﹄ の ﹁ 嚇人名 字 つく し﹂ に ﹁ 角市 は ﹃ いる 。 次 は作 画 し た絵 師 自 身 が讃 を 寄 せ て いる場 合 を 見 よう 。 5  粧 の其 香 も た か き 白 牡 丹     一 募 亭国 広 画 賛 一 ︲. 。 絵 師 の丸 丈 斎 国 広 が絵 と 狂句 を 作 り 、 そ の国 広 が版 元 天満 喜 兵 衛 そ 九︶ 市 川白 猿 の梶 原 平 次 、 文 政 十 二年 ︵一八一一 の人 であ る 可能 性 が 強 く 、   一層 興 味 深 い作 例 にな って いる。. 春 の竹 世 々を か さ ね てし やう ふな り     と し 国. 6  年 こと に み と り の色 を ま し にけ り       さと 葉 ︲.

(17) 進. 平 松. (17). 御 ひ いき の日あ た り に咲 春 の梅         寿   葉. と し 国 画 、 市 川 甚 之 助 の若 党 要 助 、文 政九 年 。 絵 師 が 二人 の女 性 ら しき ひ いき と 共 に 一句 寄 せた のだ ろう 。 ただ 寿. 葉の ﹁ 御 ひ いき ﹂ と いう 用 語 は ひ いき の立 場 では 使 わ な いよう にも 思う 。 役 者 甚 之 助 の立 場 な ら お か しく な いが、 甚 之助 の俳 名 を 確 認 でき な い。 7 ︲  尾 か し らも し ら てう こめく海鼠 哉     璃 鶴 手 き は よき つき 木 そ冬 の玉 つはき     士 戸ゆき. 芦 ゆき 画 、 嵐 橘 三郎 2の頼 政 、 文 政 五年 。 璃 鶴 = 橘 三郎 が謙 遜 の句 を 寄 せ 、芦 ゆき が 絵 と 一句 、 初 代 か ら 二代 ロ ヘ. 。. の襲 名 がう ま く 行 った こと を 讃 え て いる。 次 に、 役 者 を 描 いた絵 師 自 身 でなく 、 別 の絵 師 が讃 し て いる場 合 を 見 よ ゝつ. 8  手 に 入 た お や也 子 な り にほひ鳥     士 戸丸 ︲ 芦 陽 画 、 嵐 橘 三郎 2の浮 須 仁 三 、文 政七年 。 芦 丸 は芦 陽 と 同 門 の絵 師 であ る。 9  ﹂ ︲ 保し さ や橘 の香 の何 処 ま でも    清 国 英 国 画 、 嵐 橘 三郎 2の月 本 始 之 助 、文 政十 年 。 清 国 は英 国 と 同 門 の絵 師 。 0 2  初 夢 の欲 は禿 にな か り け り    芙 雀 薮 入 の や の字 結 ひ や名 こ や帯     よ し 国. ょし国門人多 美 国 画﹂、名 古 屋 山 三 ・尾 上 芙 雀 3、文 政 六年 。 門 下 の作 品 に師 匠 よ し 国 が 一句 、 そ し 画 面 の署 記 は ﹁. 重春門人重 安 ﹂ の作 品 に重 春 と 国 広 が句 を 添 え て いた り 、あ し 舟 の て画 か れ た 役 者 がも う 一句 寄 せ て いる。他 に ﹁. 作 品 に そ の師 匠 あ し 国 が 讃 し た り す る例も 見 ら れ る。 次 に版 元 が讃 し て いる場 合 に目 を 転 じ よう 。 ︲ 2  評 判 を と り 出 役 者 の大 芝 居.

(18) (18) 上方芝居 ひい きと役者絵. 図 =︶ ち ん こ の時 の気 は 放 れ駒     利 倉 ︵. ︵図 0 1︶. 利 新 = 利 倉 屋 新 兵 衛 版 、多 美 国 画 、 嵐 橘 三郎 2の放 駒 、文 政 六 年 。 中 ゥ芝 居時 代 の気 分 を 抜 いて大 芝 居 役 者 ら しく な った 橘 三郎 を 称 讃 し て いる。 2 2  東 路 に花 を 咲 せ て浪 花 津 に枝 葉 も し け る芸 の親 玉 金花堂 ヽ 王人 の需 に応 じ て平 亭 銀 鶏. 国 広 画 、天喜 = 天 満 屋喜 兵 衛 版 、中 村 芝 翫 2の道 成 寺 、天保 六年 。金 花 堂 は天喜 。そ し て国 広 自 身 でも あ る ら し い。. 小西五長] [. 小西五長] ︵ [ 図2 1︶. 小西五長] [. 小西五長] [. そ れ が銀 鶏 に依 頼 し た讃 であ る。 次 の四例 は ﹁ 鏡 覆 当 世競 ﹂ と 題 す る円 窓大 首 の連 作 で、 貞 信 画 、 天保 十 二年 頃金 花 堂 小 西版 。 3 2  布 袋 市 こぞ る十 日 の恵 比 寿 か な    ひ いき 4 2  大 木 にな って いてう の実 入 よ し    ひ いき 5 2  京 さ く ら こ ほ る ヽほ ど の愛 さ かり   ひ いき 6  か ゑ役 のき わ た つ菊 のね じ め か な   ひ いき 2. 順 に実 川延 三 郎 1の布 袋 市 右 衛 門 、 片 岡我 童 2の児 富 丸 、 同 じ く 小 栗 判 官 、中村 富 十 郎 2の重 の井 。 朱 印 [ 小西五長]. 2 で見 た 通り は ﹁ひ いき ﹂ に接 近 し て押 さ れ て いる。 版 元 金 花 堂 小 西 五長 が ひ いき であ って讃 し て いる例 であ る。 2 天喜 も 金 花 堂 だ が 、 両 者 の関 係 は 不 明 であ る。. 以 上讃 の様 々な 場 合 を 見 てき た が 、絵 師 ・版 元 ・ひ いき な ど が 一体 と な った比 較 的 限 ら れ た 人 間 関 係 の中 で役 者. 絵 が生 産 さ れ て いる様 子 が 、 お ぼ ろげ な が ら 浮 か ん でく る。 上 方 絵 は 江 戸絵 より 讃 や 口上 ・台 詞 ・歌 詞 な ど の文 字. →﹂の場合、役名 o役者名 ・絵師 ・版元などは除く︶が 入 る こと が多い と いう こと は言 え るだ ろう 。 そ れ でも 総 数 では文. 字 の入 ら な いも の の方 が多 い。 従 って叙 上 の上 方 絵 生 産 の特 色 が ど こま で範 囲を 広 げ て言 え るか は 、 疑 間 が残 ら な.

(19) 進 平 松. (19). 四. 。 今 は 限 ら れ た 範 囲 か ら 一つの推 定 を 示 し た わ け であ る。. わ け で は な い. と し 国 画       置 o本 清 ︵ 図3 1︶. 多 美 国     ふじ 国     政 国     よ し 国. 牡 丹 咲 て外 に花 な く 思 ひ けり     梅   国. 勤 け るを 祝 し て. こた ひ芝 翫 丈 の伊 勢 路 へま かり て無 三 四 のやく を. 寿好 堂社. 8 芳洲] 2  宮 本 無 三 四  中 村 芝 翫 2          梅都寿 好 堂 よ し 国 画 [ 4︶ 図1 旅 姿 の無 三 四 が 扁 額 を 見 上 げ る 図 で、 額 には次 のよう に記 さ れ て いる ︵. の で こ れを 読 ま せ る意 図 は な く 、 名 前 を 連 ね て いる のが 肝 心 な 点 であ る。. 寿 好 堂 よ し 国 の堂 号 を と って寿 好 堂社 中 と す る集 団 であ る。 狂句 作 品 は 上半 分 が 一部 見 え な い状 態 で書 か れ て いる. と し国     梅 国. の人 々 の句 が 見 え てく る。. 寿 好 堂 社 中﹂ と し て次 文 政 九 年 七 月 。 着 流 し で脇 差 姿 の芙 雀 が絵 馬堂 のも と に立 って いる 図 で、 頭 上 の横 額 には ﹁. 7 2  上 田慶 次 郎     尾 上芙 雀 3. 日 に つく 一団 であ る 。 ま ず 三 つの資 料 を 見 よう 。. 中 には 、 いく つか の集 団 があ ると 思 わ れ る。 よし 国 を 中 心 と す る名 前 の末 尾 に国 の字 の つく 絵 師 集 団 は 、 そ の中 で. 前 章 で多 美 国 画 の役 者 絵 によ し 国 が讃 を し たり 、 英 国 画 に清 国 が句 を 寄 せ た り す る場 合 を 見 てき た 。 役 者 絵 師 の. い.

(20) (20) 上方芝 居 ひい きと役者絵. 花 より と 人 も い ヽけ り 若 葉 山     政   国 更 衣 扱 ノ ヽ か ろき 立 居 か な       ふし国 ほ め声 のと よ み合 け り 大 矢 数     と し 国 時 鳥 いか な る 人 も き く 気 也       よ し 国 願主 宮本 氏. 7 。 。 2 の六 名 か ら多 美 国 のみ が抜 け た 顔 ぶれ であ る 文 政 十 年 四 月 頃伊 勢 出 演 の前 の作 画版 行 と 考 え ら れ る. 次 は 百 村 百 太 郎 関 係 の摺 物 で、 楽 屋 の浴 衣 姿 で角 形 の鏡 にう つ つた 大 首絵 であ る。寿 好 堂 よ し 国 画 。 そ の左 側 に 次 のよう に句 が並 ん で いる。. 寿好堂社 中. 9 2  其 ほと も し ら て いた ヽく 鳥 か ふと  百 太 郎. みな 月 や み るま に延 る稲 のた け         き し 国 ひと つノヽ あ た り を ふ れ る大 矢 かず     橋   国 いろノ ヽ の姿 か は る や夏 木 立           千 歌 国 わ れ先 に舟 のく ら へや こと し 米         よ し直 咲き みち てあ た り ま は ゆき ふよ う 哉     晴   国 露 さ へも く れ な ひ ふく む も みち か な     一 二津 国 □ 雪 のな か に立 田 の にしき か な         よ し幸 名 と ゝも に ひ ら く や花 のと り か ふと     政   国 添 竹 にを と こむ す ひ や み た れ 菊・     む め国.

(21) 秋 は な ほ した ふ てみ る や月 の顔 一こ ゑ のねう ち も 高 し秋 の雁 ○ 秋 草 のむ ら さき は名 を と り か ふと      よし 国. 1か ら 3点 し か 見 て いな い。 寡 作 絵 師 であ る。も と より 私 の所 見 数 は作 画 数 o版 行 数 ではな いが 、 し か し 彼 ら が多. 3占じ 。と し 国 ︵ 2占じ ・多 見 国 ︵ ︲点︶ のみ であ る。 他 は 王 国 ・千 歌 国 の 7点 のほ か 皆 見 に入 って いる のは梅 国 ︵ 3 3 3. 市 川茂 々太 郎 o尾 上多 見 蔵   寿 暁 堂 梅 国 画              本 清. 0 3  尾 上 芙 雀 ・浅 尾奥 次 郎       寿 鶴 堂 政 国 画              本 清. 芝 居役 者 十 人を描く。. ま ず ﹁風 流 鍋島 夕 涼 み﹂ 合 作 五枚 続 。 鍋 島 藩 邸 近 く の大 川 堤 は夕 涼 み に絶 好 の場所 と され 、 そ こ で涼 を と る 中 ゥ. 居 を 離 れ な か った。寿 好 堂 社 は 中 ゥ芝 居 と 特 に関係 の深 い集 団 と 思 わ れ る。 次 に役者絵 の合 作 品 を 二点 見 よう 。. 先 にあ げ た 三資 料 は 、 芙 雀 ・芝 翫 ・百太 郎 関 係 のも のだ った 。 芙 雀 と 百 太 郎 は 中 ゥ芝 居役 者 であ り 、 生 涯 中 ゥ芝. 7 。 作 絵 師 でな いこと は 間 違 いな い。 よし 国 のみ が作 品数 9 1点 を 数 え る主 要絵 師 であ る. 平. 国 の字 は つく が為 国 ・彦 国 ・歌 国 ら は こ の社 と 関係 がな い。 十 九 人 のう ち で、 し か しな がら 三十 点 を 越 す 作 品 が管. 駒 国     清 国     登美 国     峯 国     英 国. れ に加 え て い いと 思う 。 都 合 十 九 人と な る。. こ こま で の資 料 で少 な く と も 社 中十 四人 がわ か るが、他 に、 豊 川と いう 画 姓 の使 用 な どを 根 拠 に、 左 の五名 も こ. 政 五か ら 七 年 ︵ 没年︶頃 の版 行 と 推 定 でき る。. 社 中 は末 尾 に ﹁ 国﹂ の つく 者 のほ か、 頭 に ﹁よ し﹂ の つく 者 も 含 ん で いる。 こ の摺物 は 百太 郎 の活 躍 か ら考 え て文. 国. は つ 国 玉. 松. (21).

(22) (22) 上方芝居 ひい きと役者絵. 欠︶ 市 川 滝 十 郎 ・市 川 甚 之 助     春 陽 堂 歳 国 画               ︵ 大 谷 友 治 ・沢 村 源 之 助       寿 松 堂 ふじ 国 画            本 清 中 村 友 三 ・中 村 鶴 助         芳 雅 堂 き じ 国 画             本 清 ・吉. 四︶夏 の版 行 と 見 る。 揃 いの堂 号 に注 意 し た い。 次 は 合 作 百 太 郎 が 居 な いこと と 役 者 の改 名 か ら 文 政 七 年 ︵一公 一 四枚 続 で やは り 中 ゥ芝 居 役 者 であ る。 ︲ 3  小 早 川帯 刀  市 川 滝 十 郎     多 美 国 画 毛 利 元 就   尾 上 芙 雀 3      梅 国 画 大 内 高 丸  大 谷友 治         よ し 国 画 尾 子 四郎   中 村 鶴 助 1      政 国 画.   一点 のみ が 知 ら れ る橋 国 ・登 美 国 ・峯 国 ・駒 国 ・英 国 ら は中 ゥ役 者 のみを 描 いた 絵 師 にな る。 を 描 く こと が多 く 、. で、 芙 雀 ・鶴 助 o源 之 助 が 比 較 的 多 いが 、 広 く 多 勢 の中 ゥ役 者 を 描 いて いる。 以 上 三 人 以 外 の寡 作 絵 師 も 中 ゥ役 者. 9 と 改 名 し て いる。 寿 好 堂 よ し 国 の作 画 活 動 が終 る年 であ る。 次 の梅 国 は 、所 見 点 数 3 3点 のう ち 1点 が 中 ゥ芝 居 役 者. とし国改春 婦 斎 北 蔦 画 ﹂ 中 ゥ芝 居 を 描 き 、 甚 之 助 を 最 も 多 く 描 いて いる。 な お 天保 三年 には 寿 好 堂社 を は な れ た のか ﹁. 2点 のう ち ︲点 は ょし国門人と し 国﹂ と あ り 、 そ の頃 か ら寿 好 堂 社 だ った と 思 わ れ る。 所 見 3 いる が 、 文 政 六年 には ﹁ 2. 、 。 そ のう ち 8 1点 に見 え る か ら ひ いき だ った のだ ろう と し 国 は 文 化 十 四年 の絵 に は 理戸国門人と し 国 ﹂ と 署 記 し て. 。 2点 だ が 、 そ のう ち 2 多美国 ︵ 民国とも書く︶は 管 見 に入 った 作 品 数 は 3 2点 中 ゥ芝 居 役 者 を 描 いて いる 芙 雀 の姿 が. て いる集 団 と 言 え よう が 、 個 々 の絵 師 は ど う だ ろう か 。. 端 又 は右 端 が 一枚 欠 け て いて元 来 五枚 続 だ った 可能 性 も あ る。 寿 好 堂 社 は中 ゥ芝 居 役 者 の豪 華 な 続 き 絵 を よ く 出 し. け いせ い花 発 船 ﹄、 よ し 国 と 社 中 三人 の合 作 であ る。 た だ し こ の作 品 は左 文 政 四年 ︵一八二 こ 正 月 若 太 夫 芝 居 の ﹃. 吉 吉 伝 伝.

(23) 7点 中 2点 にと どま る。 た だ よ し 国自 身 は 9 3 1. 家 業 ﹂ には し て いな 資 料 的 に確 証 が得 ら れ るわ け ではな いが 、 よ し 国 は春 好 など と 同 じく 、 役 者 絵 ・浮 世絵 を ﹁. いと 思 わ れ る。 ま し て社 中 の者 た ち は当 然 家 業 では な い。芝 居 ひ いき 特 に中 ゥ芝 居 ひ いき の集 団 だ った と 考 え ら れ. る。 寿 好 と いう と 白 縁 斎 梅好 の子息 玉 縁 斎 寿 好 がま ず 頭 に浮 か ぶ。 前 述 の通 り 梅 好 斎 画と 署 記 す る役 者 絵 も 一枚 あ る こと だ し 、 両 者 を 結 び つけ る 証 明 が得 ら れ れば 興味 深 いと 思う 。. 結. 上 方 役 者 絵 の大 判 期 を 中 心 に、 役者 絵 の背 後 にあ る広 範 囲 な 支 援 者 た ち を 見 てき た 。 ひ いき と 絵 師 ・版 元 は いわ. が ら 判 明 し た と 思う 。 文 政中 期 には中 ゥ芝 居 の支 援 にま で手 を ひ ろげ る集 団も 出 てき た 。職 業 的 な 役 者 絵 師 は ま だ. ば 一体 であ る か 、 入 り 組 んだ 緊 密 な 関 係 にあ り 、 そ の全 体 が支 援 し て役 者 絵 を 作 り 出 し て いた様 子 が 、 お ぼ ろげ な. 存 在 し な いが 、 す ぐ れ た画技 を 持 つ者 が ひ いき の活 動 に参 画 し て、高 い水 準 の作 品 を 生 み出 し た 。 役 者 絵 生 産 の場. 7︶ ﹃ 梅花女子大学文学部紀要2 芝翫節用百戯通﹄考﹂ 貧 九九二年十二月 ﹃ ︵ 2︶ 荻田清氏 ﹁ 、日本近世文学会︶ ひ いき連中に ついて︱︱道頓 一七八九∼ 一八二九︱︱﹂ ︵ 近世文芸0﹄ 昭和五四年三 ﹃ 堀 月 ︵ 3︶ ﹁ 3  一九八九年十 中ウ芝居 の役者絵﹂ 亀歌舞伎研究と批評4﹄ 一三 一二頁、 ︵ 4︶ この作品 に ついては詳細紹介 したことがある。﹁ 二月、歌舞伎学会︶. ︵ 1︶ これら の資料はすでに口頭発表や論文で紹介したことがある。重複を避け てここでは簡略な内容説明にとどめた。. 注. に ひ いき は大 き く か か わ った 。 ひ いき の密 な る連 係 の中 か ら生 み 出 さ れ た のが 、 上 方 の役 者 絵 であ った 。. 平. 進 松. (23).

(24) (24) 上方芝居 ひい きと役者絵. ︵ 5︶ こ の作品 に ついては挿図を 入れ て紹介 した こと があ る。 ﹁ 新出 のN氏所蔵 上方絵 に ついて﹂図Ю 亀甲南女子大学研究紀 要﹄ 一九九 五年 三月︶ 写真版 に ついて︺ ︹. 、 掲載を 許 可 下さ った 者 に 謝 しあげます。 図 1 ・Ю早稲 田大 学演 劇博物 館、図2 ・3 o5 o4 御 所 蔵 感 申 御 l阪 急 学 園 池 田 文 庫 、 、 2西尾市岩瀬文庫。他は個人 コレクシ ョン。 図 4 o3 l小島寿 星氏 図 8大阪 城天守 閣 図 1.

(25)

図 7  片 岡我 当 (貞 信 ) 尾上英雀 (多 美国 )

参照

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