協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学
びの実践
著者
山内 誠
雑誌名
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要
巻
27
ページ
523-532
発行年
2018-03-30
URL
http://hdl.handle.net/10232/00030199
1 . 研 究 の 目 的 本 校 で は,2014 年度より国立台北教育大学及び,鹿児島大学教育学部の教育実習生を同時 期 に受 け入れ ,協 働型教 育実習 とし て 学 生間の 協 働的な「授 業づ くり」や 教育実習後 のタブレ ッ ト 端 末 を 活 用 し た 「 遠 隔 教 育 」 の 研 究 実 践 を 行 っ て い る。 本 研 究 に 当 た っ て は, 国 立 台 北 教 育 大 学 と 学 部 間 と の 学 術 交 流 協 定 文 書 に お い て も 相 手 方 の 同 意 , 協 力 を 得 て お り, 来 年 度 も 国 立 台 北 教 育 大 学 教 育 実 習 生 を 受 け 入 れ, 協 働 型 教 育 実 習 に 取 り 組 む こ と と な っ て い る 。 さ ら に , 2017 年の新・学習指導要領(中学校外国語)告示に基づいて,「主体的・対話的で深い学び」 の 実 現 に 向 け た 授 業 の 在 り 方 を 考 察 す る 。 特 に 平 成27 年度に行った第 65 回全国英語教育研究 大 会 ( 全 英 連 大 分 大 会 ), 第63 回九州地区英語教育研究大会(大分大会)における研究実践発 表 と 平 成28 年度に行った第 64 回九州地区英語教育研究大会(鹿児島大会)中学校壇上授業を 中 心 に し て , 授 業 計 画 立 案 に 至 っ た 経 緯 や 実 際 の 授 業 に お い て 取 り 組 ん だ 内 容, 成 果, さ ら に 今 後の 課題な ど にも 言及 する 実践的 研 究で ある 。 2 . 主 題 設 定 の 理 由 2 . 1 . 社 会 の 要 請 か ら 少子 化,産 業 の空 洞化 などの 問題が 顕著 に 現わ れ て いる現代 社 会にお いて,グロー バル化等 , 多 様 な 価 値 観 が 広 が る 中, 人 々 は そ の 社 会 の 当 事 者 と し て の 自 覚 を も ち , 一 律 の 正 解 が 存 在 し な い 諸 問 題 の 解 決 に 取 り 組 む こ と が 求 め ら れ て い る。 そ の よ う な 社 会 情 勢 を 受 け, 人 々 の 多 様 な 個 性 ・ 能 力 を 基 盤 と し な が ら ,「 自 立 ・ 協 働 ・ 創 造 に 向 け た 一 人 一 人 の 主 体 的 な 学 び 」 を 方 針 と し た 今 後 の 計 画 が 教 育 振 興 基 本 計 画 に お い て 示 さ れ た。 そ の 中 で ,「 新 た な 価 値 を 創 造 す る 人 材 , グ ロ ー バ ル 人 材 等 の 養 成 」 が 謳 わ れ て い る 。 ま た , 外 国 語 能 力 の 向 上 に 関 す る 検 討 会 に よ る 「 国 際 共 通 語 と し て の 英 語 力 向 上 の た め の 5 つ の 提 言 と 具 体 的 施 策 」 に お い て, グ ロ ー バ ル社 会で求 め られ る外 国語 能力と は 以下 のよ う なもの であ ると示さ れた。 ・ グ ロ ー バ ル 社 会 で 求 め ら れ る 外 国 語 能 力 と は , 異 な る 国 や 文 化 の 人 々 と 外 国 語 を ツ ー ル と し て 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る こ と が で き る 能 力
報 告
Bulletin of the Educational Research and Development, Faculty of Education, Kagoshima University
2018, Vol.27, 523-532
協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学びの実践
山 内 誠
[鹿児島大学教育学部附属中学校]A Practical Research of Active Learning through a Collaborative Teaching Practicum
YAMAUCHI Makoto
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) ・ 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る こ と が で き る 能 力 と は , 例 え ば , 異 な る 国 や 文 化 の 人 々 と 臆 せ ず 積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う と す る 態 度 や , 相 手 の 文 化 的 ・ 社 会 的 背 景 を 踏 ま え た 上 で , 相 手 の 意 図 や 考 え を 的 確 に 理 解 し , 自 ら の 考 え に 理 由 や 根 拠 を 付 け 加 え て , 論 理 的 に 説 明 し た り , 議 論 の 中 で 反 論 し た り 相 手 を 説 得 し た り で き る 能 力 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 際 に は , 相 手 の 意 図 や 考 え を 瞬 時 に 理 解 し, 即 興 的 な や り と り を し よ う と す る 態 度 が 必 要 で あ る 。 そ の よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 成 立 す る た め の 能 力 を 育 成 す る に は, 生 徒 自 身 が 主 体 的 に 学 習 に 参 加 し た り, 学 ん だ り す る 力 が 求 め ら れ る 。 そ の よ う な 力 を 養 う た め に, 協 働 的 な 言 語 活 動 の 後 , 自 分 の 表 現 を 振 り 返 り , 自 分 の 改 善 点 や 必 要 な 学 習 に つ い て 主 体 的 に 考 え, 次 の 学 び に 繋 げ る こ と が で き る よ う な 生 徒 を 育 成 す る 必 要 が あ る と考 えた。 2 . 2 . 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 能 力 の 高 ま り に つ い て グ ロ ー バ ル 社 会 で 求 め ら れ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 と は , 異 な る 国 や 文 化 の 人 々 と , 外 国 語 を ツ ー ル と し て 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る こ と が で き る 能 力 で あ る。(「 国 際 共 通 語 と し ての 英語力 向 上の ため の5 つの提 言 と具 体的施 策」 文部 科学 省,2011)そのため,本校では, こ の「 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る こ と が で き る 能 力 」 を 高 め る こ と に よ っ て ,「 グ ロ ー バ ル社 会で活 躍 する 生徒 の育 成」に つ なげ ていき たい と考 えた 。 具体 的には ,「 円滑に コミュ ニケ ー シ ョンを図る 能力」を 以下 のよ うに定 義付け た。 ① 異 な る 国 や 文 化 の 人 々 と , 臆 せ ず 積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う と す る 態 度 ② 相 手 の 文 化 的 ・ 社 会 的 背 景 を 踏 ま え た 上 で , 相 手 の 意 図 や 考 え を 適 切 に 理 解 す る こ と が で き る 力 ③ 自 ら の 考 え に 理 由 や 根 拠 を 付 け 加 え て , 論 理 的 に 説 明 し た り , 議 論 の 中 で 反 論 し た り 相 手 を 説 得 し た り す る こ と が で き る 力 「 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 能 力 」 と 学 習 指 導 要 領 解 説 (2008)を照らし合わせてみ る と,「 読 む こ と 」 と 「 聞 く こ と 」 に 関 し て は,「 初 歩 的 な 英 語 を 聞 い た り, 読 ん だ り し て , 話 し 手 や 聞 き 手 の 意 向 な ど を 理 解 で き る よ う に さ せ る こ と 」 と 明 記 さ れ て い る 。 つ ま り , 単 に 英 語 を 表 面 的 , 機 械 的 に 理 解 す る 能 力 に と ど ま ら ず, よ り 踏 み 込 ん だ 能 力 を 身 に 付 け さ せ る こ と が 大 切 で あ る 。 ま た ,「 話 す こ と 」 や 「 書 く こ と 」 に お い て も,「 与 え ら れ た 語 句 や 文 を 繰 り 返 す こ と が で き る だ け で な く, 自 分 の 考 え を 話 さ せ た り, 書 か せ た り す る こ と 」 と 示 さ れ て い る 。 実 際 , 本 校 で も こ れ ら を 踏 ま え て, 理 解 か ら 表 現 の よ う に 4 技 能 の 統 合 的 な 活 用 を 意 識 し た 協 働 的 な 言 語 活 動 に 取 り 組 ん で き た。 し か し , 相 手 の 話 す 内 容 に 関 し て, 質 問 し た り, 意 見 を 述 べ た り す る 生 徒 が 増 え, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 継 続 に 向 け た 積 極 的 な 態 度 が 見 ら れ る よ う に な っ た 等 の 成 果 は あ が っ た が, 内 容 の 深 ま り が 見 ら れ な か っ た 。 ま た,Speaking の内容に お け る 表 現 の 正 確 性 を 高 め る 必 要 が あ る 等 の 課 題 も 残 っ て い る。 ま た , 学 習 目 標 の 達 成 の た め に , 自 分 の 学 習 状 況 を 客 観 的 に 把 握 し た り , 自 分 の 課 題 を 見 い だ し た り す る こ と が で き な い 生
山内 誠:協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学びの実践 徒 が多 いこと も 分か った 。 そ こ で , 社 会 の 情 勢 や こ れ ま で の 研 究 の 課 題 , 生 徒 の 実 態 等 を 踏 ま え , 課 題 の 解 決 に 集 団 で 協 力 し な が ら 取 り 組 ま せ,「 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 能 力 」 を 高 め る 協 働 的 な 言 語 活 動 を 設 定 し た 。 そ の 際 , 評 価 基 準 や モ デ ル を 効 果 的 な タ イ ミ ン グ で 生 徒 に 示 し た り, 話 し 合 っ た り さ せ , 生 徒 が 自 分 を 振 り 返 っ た り, 友 達 に ア ド バ イ ス し た り し や す く な る よ う な 手 立 て を と っ た 。 そ の こ と に よ り, 量 に こ だ わ っ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で は な く , 理 解 し た 理 由 や 根 拠 を 基 に , 論 理 的 な 説 明 を し た り , 議 論 の 中 で 反 論 や 説 得 し た り す る 活 動 が 活 性 化 し, 質 の 向 上 に つな がり, 円 滑な コミ ュニ ケーシ ョ ン能 力が更 に高 まっ てい くと考え た。 2 . 3 . 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び ( 協 働 的 な 言 語 活 動 ) に つ い て 本校では,「協働的な言語活動」を以下のように定義づけて実践研究してきた。目指すべき主体 的・対話的で深い学びは,これまで本校で実践してきた「協働的な言語活動」と共通点が多いこ とが分かる。そこで,この「協働的な言語活動」の更なる充実を図るべく,国立台北教育大学教 育実習生との遠隔教育の充実のための協働型教育実習の在り方について,研究実践を進めている。 本校では,協働の心理的側面における視点を,「二人以上の生徒がそれぞれの役割に責任を持っ て協力し合うこと」,いわゆる「責任感」と「協力心」といった言葉で表されるものと考えた。また, 協働の行為的側面における視点については,「二人以上の生徒が互いに知識・技能や経験を補っ たり,組み合わせたりすること」,いわば「補完」や「組合せ」といった言葉で表されるもので あるとした。 これらの協働の視点を加えた言語活動を授業場面では次のように例示できる。まず,生徒同士 が互いに協力しなければ,よりよい解決に至らない異なる国や文化の背景を踏まえた課題を設定 する。生徒は,この課題を解決するという目的に向かって,グループで役割を分担し,それぞれ がその分担された役割に対して責任感を持ち,情報を集めたり,解決策をまとめたりする。その 後,それぞれが得た情報や解決策をグループ内に持ち寄り,互いの考えを尊重し合い,周囲とや りとりをしながら,多様な考えを補完し合ったり,組み合わせたりする。このように,互いに協 力し合って,試行錯誤しながら,よりよい解決策を見出していく言語活動の活性化が,円滑なコ ミュニケーション能力をより確かなものに変容させていくと考えた。その際,理想の姿を示した り,留意すべき点を気付かせるための話合いをさせたりし,自分たちの英文をより良いものにす るために主体的に学ぼうとする手立てにより,学習者として,質の向上とより良い相互評価につ ながり,深い学びを追求するようになると考えた。 2.4.主体的・対話的で深い学び(協働的な言語活動)をより活性化させるために 本校では,平成27 年度から,協働的な言語活動を活性化させるための手段として,よりよい 1つの考えを見いだすための合意形成を行なう活動を取り入れた。具体的には,個々の主体が自 分の知識・技能や経験に基づく考えを他者に向けて外化(認知科学や教育心理学用語:自分の考
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) えを脳の中に閉じ込めたままにせず,文章や図表に表すこと)させ,それぞれが持つ多様で異な る考えを共有させ,一つのよりよい考えに,合意可能な地点を探り合うコミュニケーションを図 らせることが必要である。その過程においては,相互に知識・技能や経験を活用しながら思考を 練り上げ,修正し,発展させながら,よりよい方向に向かって,双方が歩み寄ることが求められる。 他者に向かって表出される,つまり,日本語や英語を使って外化される個人の考えは,それぞ れの知識・技能や経験に基づいた多様なものである。よって,相手の考えをすぐには理解するこ とができない場合において,相手の考えをより深く理解しようと自らの知識・技能や経験の中で 同じようなものはないかと考え,互いに話し合えば,協働的な言語活動は活性化し,生徒間にお ける双方向的で,主体的な学びがつくられる。そうすることによって,それぞれの知識・技能や 経験が共有され,関連付けられて,一つのよりよい考えとしてまとめられ合意に至る。その際, コミュニケーションを英語で行えば,他者との協働や外界との相互作用を通じて,自らの考えに 加え,英語の知識・技能をも広げ深めるため,その学びはより深いものになると考えた。 3.主体的・対話的で深い学びを実現するための協働的な言語活動の実践例 3.1.目的 「目的や場面,状況など」は,外国語を適切に使用するために必要不可欠である。ある情報を 精査する際には,単に一つの情報をうのみにするのではなく,他の情報と比べる必要がある。ま た,意見を述べる際には,考えを整理したり話す内容の構成を考えたり,相手に応じた表現を選 択したりする。このように,「目的や場面,状況など」に応じた言語の運用を考えることで,「思 考力,判断力,表現力等」の育成を目的とする。(中学校学習指導要領解説 H29 年7月) 3.2.主体的・対話的で深い学びを実現するための協働的な言語活動とは 平成25 年度から受入を行っている台北教育大実習生の意向に関する情報収集のための分担を 行う。また,分担する情報の獲得のさせ方として①メール文②ビデオレター③インターネット電 話を用いた質問④教科担任の観光地紹介に対する思いの4種を準備する。生徒は,それぞれの情 報の解釈をエキスパートグループの中で協力して行い,自分なりにメモ(キーワードで)する。 その後,持ち寄った情報のキーワードを示しながら自分の言葉で再構成し伝え合う。互いの情報 を比較したり,組み合せたりしながら,観光地紹介文を改善させることで,他者の意向を捉えた よりよい観光地紹介を創造させる。 情報①:ビデオレター「国立台北教育大学実習生からの動画(聞く・書く)」 情報②:e-mail「同実習生からの e-mail(読む・書く)」 情報③:インターネット電話「同実習生とのテレビ電話(話す・聞く・書く)」 情報④:鹿児島大学教育学部実習生との電話「揺さぶりアドバイス(話す・聞く・書く)」 3 . 3 . 活 用 方 法
山内 誠:協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学びの実践 ⑴ 台 北 教 育 大 実 習 生 か ら の ビ デ オ レ タ ー ( L i s t e n i n g → W r i t i n g ) 英 語 が 苦 手 な 生 徒 に と っ て も, 紹 介 動 画 が 繰 り 返 さ れ る こ と に よ っ て 内 容 理 解 が 深 ま っ た 。 ま た , 生 徒 は 実 習 生 の メ ッ セ ー ジ だ け で な く, 表 情 や 音 調 か ら , お 勧 め の 観 光 地 に 必 要 な 情 報 を 推 測 し て い る 様 子 も 伺 え た。 得 ら れ た 情 報 を メ モ さ せ る た め に 用 い た 付 箋 紙 は, 生 徒 の 要 約 や ホ ー ム グ ル ー プ で 表 現 ( 再 構 成 ) す る 際 の ヒ ン ト と な る も の で あ っ た 。 実 際 , 教 師 の 内 容 理 解 に 対 す る 質 問 に 対 し て も 正 確 に 答 え る こ と が で き , ホ ー ム グ ル ー プ で も 実 習 生 の 発 話 モ デ ル と キー ワード を 基に 自信 を持 って説 明 して いた。 ⑵ 台 北 教 育 大 実 習 生 か ら の e - m a i l ( R e a d i n g → W r i t i n g ) 生 徒 は , 相 手 の 意 向 を 捉 え よ う と , 英 文 の 読 解 を チ ー ム で 主 体 的 に 進 め て い た。 特 に, 実 習 生 と の お 別 れ 会 で プ レ ゼ ン ト し た 曲 が 好 き で あ る と い う 情 報 に つ い て は 傾 聴 す る 姿 が 見 ら れ, そ の 後 の 観 光 地 紹 介 で もBGM として活用するなどの姿が見られた。また,季節に関する質問 に つ い て は, ど の チ ー ム も 合 意 形 成 を 図 る 知 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 中 心 的 な 話 題 と な っ て お り , メ モ を 基 に 活 発 な 対 話 が な さ れ て い た 。 こ の こ と か ら , 合 意 形 成 を 図 る た め の 試 行 錯 誤 を 促 し たe-mail が「相手意識」を高めるための課題文として,有効な手立てとなっていたと考 え られ る。 ⑶ 台 北 教 育 大 実 習 生 と の イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 ( S p e a k i n g / L i s t e n i n g → W r i t i n g ) 同 実 習 生 に と っ て , よ り よ い 観 光 地 紹 介 と な る た め に 必 要 な 情 報 を イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 を 活 用 し て , 即 興 的 に 引 き 出 さ せ た 。 英 語 が 得 意 な 生 徒 が 中 心 と な っ て , 取 り 組 ん だ こ と も あ り, 協 力 し 合 い な が ら 対 話 を 行 う こ と が で き た。 一 方 , 実 践 的 で あ る が ゆ え に, 単 な る 一 問 一 答 で は なく ,自 然 な対 話に発 展する こと に 戸 惑う場面も 見られた 。しか し,実際の 活用場面の 設定は, 生 徒 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 対 す る 意 欲 を 高 め る に は 十 分 で あ り, 国 際 的 な 視 野 を 広 げ さ せ る た め のICT の活用として,今後の授業展開の可能性を得られるものであった。実際,e-mail な ど か ら 得 ら れ た 情 報 を 更 に 広 げ よ う と, 再 度 イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 で 質 問 す る こ と を 求 め る 積 極 的な 姿も見 ら れた 。 ⑷ 鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 実 習 生 と の 電 話 ( S p e a k i n g / L i s t e n i n g → W r i t i n g ) 「 相 手 意 識 」 を よ り 高 め さ せ る た め に, 同 実 習 生 と 一 緒 に 教 育 実 習 を 受 け た 鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 実 習 生 の ア ド バ イ ス を 基 に, 他の台北教育大実習生の気持ちを傾聴させた。本時のタスク は , 同 実 習 生 の た め の よ り よ い 観 光 地 紹 介 で あ っ た が , 他 の 実 習 生 が 同 実 習 生 を う ら や ま な い だ ろ う か と 揺 さ ぶ り を 行 っ て も ら っ た 。 結 果, 生 徒 の 観 光 地 紹 介 は, 2 名 の 実 習 生 に も よ ろ し く 伝 え て く だ さ い と い っ た 言 葉 が 添 え ら れ た こ と か ら , 様 々 な 人 々 に 傾 聴 し な が ら, 相 手 意 識 が 高ま ったと 考 えら れる 。
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 4 . 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び を 実 現 す る た め の L A F モ デ ル を 活 用 し た 実 践 例 4 . 1 . 目 的 「LAF」を用いることにより,自己課題設定に必要な「インプット」「プロセス」「アウトプッ ト 」 の 3 つ の 段 階 を 絶 え ず 繰 り 返 す こ と が で き る の で ,large task に向かうためのよりよい自 己 課 題 設 定 が 可 能 に な る と 考 え る 。 つ ま り , 主 体 的 で 深 い 学 び を 実 現 す る 能 動 的 な 学 習 者 の 育 成 を 図 る べ く, 単 元 を 通 し て 理 想 と 現 状 の 間 に あ る 問 題 を 見 出 し , 自 己 課 題 を 持 ち 続 け な が ら 学 習に 取り組 ま せる こと を目 的とす る 。 4 . 2 . 単 元 導 入 時 に 用 い た 自 己 課 題 を 設 定 さ せ る た め の L A F と は 具 体 的 に は , ま ず, 対 象 者 に 向 け た 発 表 を 通 し て 生 じ た 問 題 を 把 握 す る (「 イ ン プ ッ ト 」 の 段 階 )。 次 に , 生 じ た 問 題 に つ い て ,「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン へ の 関 心・ 意 欲 ・ 態 度 」「 外 国 語 表 現 の 能 力 」「 外 国 語 理 解 の 能 力 」「 言 語 や 文 化 に つ い て の 知 識 ・ 理 解 」 の 4 つ の 視 点 か ら 捉 え, 論 理 的 に 思 考 し た り , 発 想 転 換 を 行 っ た り し て 課 題 を 発 見 す る (「 プ ロ セ ス 」 の 段 階 )。 さ ら に 問 題 を 基 に し た 課 題 の 解 決 を 図 る た め の 練 習 を 行 っ た 後(「 ア ウ ト プ ッ ト 」 の 段 階 ), 再 び 発 表 す る 。 そ れ で も 解 決 に 至 ら な い 問 題 を, 本 単 元 を 通 し て 解 決 す べ き 問 題 と 捉 え, そ の 問 題 の 解 決 に向 けての 手 立て を自 己課 題とし て 設定 してい く。 【 L e a r n e r s A u t o n o m y F l o w ( L A F ) の イ メ ー ジ 】 4 . 3 . 活 用 方 法 ⑴ 国 立 台 北 教 育 大 実 習 生 と イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 を 介 し た L A F モ デ ル の 活 用 実 際 の 授 業 に お い て は, 単 元 の 1 限 目 に, イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 を 介 し て , 既 習 の 言 語 材 料 を 活 用 し な が ら 宿 題 と し て 作 成 し た 原 稿 を 用 い て, 台 北 教 育 大 学 生 に 映 画 紹 介 を 行 っ た。 う ま く 伝 わ ら な い 要 因 を 把 握 す る 「 イ ン プ ッ ト 」 段 階 で は , 生 徒 の 多 く が,「 発 音 や 英 文 の 正 確 性 の 問 題 」 や「 映 画 の 内 容 に 関 す る 情 報 量 の 少 な さ 」,「 相 手 の 質 問 に 即 興 的 に 応 じ る こ と が で き な い こ と 」 等 を 「 問 題 」 と し て 挙 げ て い た 。「 プ ロ セ ス 」 の 段 階 で は,「 問 題 」 の 解 決 を 図 る た め に 辞 書 や 参 考 書 で 発 音 や 文 法 を 確 認 し た り , 相 手 の 質 問 に 適 切 に 応 じ る た め の 原 稿 修正 や音読 練 習等 を行 った りして い た。 2 回 目 の 紹 介 場 面 で は , 1 回 目 と 比 較 し て , 生 徒 が 自 信 を 持 っ て 表 現 す る 様 子 が 見 ら れ た り , ま た , 相 手 の 質 問 に 適 切 に 応 じ る こ と が で き た り , 相 手 の 共 感 的 な 理 解 を 得 ら れ た り し 㮵ඣᓥᏛᩍ⫱Ꮫ㒊ᩍ⫱ᐇ㊶◊✲⣖せ ➨㸰㸵ᕳ యⓗ࣭ᑐヰⓗ࡛῝࠸Ꮫࡧࢆᐇ⌧ࡍࡿࡓࡵࡢ /$) ࣔࢹࣝࢆά⏝ࡋࡓᐇ㊶ ┠ⓗ ࠕ/$)ࠖࢆ⏝࠸ࡿࡇࡼࡾ㸪⮬ᕫㄢ㢟タᐃᚲせ࡞ࠕࣥࣉࢵࢺࠖࠕࣉࣟࢭࢫࠖࠕ࢘ࢺࣉࢵ ࢺࠖࡢ㸱ࡘࡢẁ㝵ࢆ⤯࠼ࡎ⧞ࡾ㏉ࡍࡇࡀ࡛ࡁࡿࡢ࡛㸪ODUJHWDVN ྥ࠺ࡓࡵࡢࡼࡾࡼ࠸⮬ᕫ ㄢ㢟タᐃࡀྍ⬟࡞ࡿ⪃࠼ࡿࠋࡘࡲࡾ㸪యⓗ࡛῝࠸Ꮫࡧࢆᐇ⌧ࡍࡿ⬟ືⓗ࡞Ꮫ⩦⪅ࡢ⫱ᡂ ࢆᅗࡿࡃ㸪༢ඖࢆ㏻ࡋ࡚⌮⌧≧ࡢ㛫࠶ࡿၥ㢟ࢆぢฟࡋ㸪⮬ᕫㄢ㢟ࢆᣢࡕ⥆ࡅ࡞ࡀࡽᏛ ⩦ྲྀࡾ⤌ࡲࡏࡿࡇࢆ┠ⓗࡍࡿࠋ ༢ඖᑟධ⏝࠸ࡓ⮬ᕫㄢ㢟ࢆタᐃࡉࡏࡿࡓࡵࡢ /$) ࡣ ලయⓗࡣ㸪ࡲࡎ㸪ᑐ㇟⪅ྥࡅࡓⓎ⾲ࢆ㏻ࡋ࡚⏕ࡌࡓၥ㢟ࢆᢕᥱࡍࡿ㸦ࠕࣥࣉࢵࢺࠖࡢẁ 㝵㸧ࠋḟ㸪⏕ࡌࡓၥ㢟ࡘ࠸࡚㸪ࠕࢥ࣑ࣗࢽࢣ࣮ࢩࣙࣥࡢ㛵ᚰ࣭ពḧ࣭ែᗘࠖࠕእᅜㄒ⾲⌧ࡢ ⬟ຊࠖࠕእᅜㄒ⌮ゎࡢ⬟ຊࠖࠕゝㄒࡸᩥࡘ࠸࡚ࡢ▱㆑࣭⌮ゎࠖࡢ㸲ࡘࡢどⅬࡽᤊ࠼ㄽ⌮ⓗ ᛮ⪃ࡋࡓࡾⓎ㌿ࢆ⾜ࡗࡓࡾࡋ࡚ㄢ㢟ࢆⓎぢࡍࡿ㸦ࠕࣉࣟࢭࢫࠖࡢẁ㝵㸧ࠋࡉࡽၥ㢟ࢆᇶ ࡋࡓㄢ㢟ࡢゎỴࢆᅗࡿࡓࡵࡢ⦎⩦ࢆ⾜ࡗࡓᚋ㸦ࠕ࢘ࢺࣉࢵࢺࠖࡢẁ㝵㸧㸪ࡧⓎ⾲ࡍࡿࠋࡑ ࢀ࡛ࡶゎỴ⮳ࡽ࡞࠸ၥ㢟ࢆ㸪ᮏ༢ඖࢆ㏻ࡋ࡚ゎỴࡍࡁၥ㢟ᤊ࠼㸪ࡑࡢၥ㢟ࡢゎỴྥࡅ ࡚ࡢᡭ❧࡚ࢆ⮬ᕫㄢ㢟ࡋ࡚タᐃࡋ࡚࠸ࡃࠋ ࠙/HDUQHUV$XWRQRP\)ORZ/$)ࡢ࣓࣮ࢪࠚ ά⏝᪉ἲ ᅜ❧ྎᩍ⫱ᐇ⩦⏕ࣥࢱ࣮ࢿࢵࢺ㟁ヰࢆࡋࡓ /$) ࣔࢹࣝࡢά⏝ ᐇ㝿ࡢᤵᴗ࠾࠸࡚ࡣ㸪༢ඖࡢ㸯㝈┠㸪ࣥࢱ࣮ࢿࢵࢺ㟁ヰࢆࡋ࡚㸪᪤⩦ࡢゝㄒᮦᩱ ࢆά⏝ࡋ࡞ࡀࡽᐟ㢟ࡋ࡚సᡂࡋࡓཎ✏ࢆ⏝࠸࡚㸪ྎᩍ⫱Ꮫ⏕ᫎ⏬⤂ࢆ⾜ࡗࡓࠋ࠺ ࡲࡃఏࢃࡽ࡞࠸せᅉࢆᢕᥱࡍࡿࠕࣥࣉࢵࢺࠖẁ㝵࡛ࡣ㸪⏕ᚐࡢከࡃࡀ㸪ࠕⓎ㡢ࡸⱥᩥࡢṇ☜ ᛶࡢၥ㢟ࠖࡸࠕᫎ⏬ࡢෆᐜ㛵ࡍࡿሗ㔞ࡢᑡ࡞ࡉࠖ㸪ࠕ┦ᡭࡢ㉁ၥ༶⯆ⓗᛂࡌࡿࡇࡀ ࡛ࡁ࡞࠸ࡇࠖ➼ࢆࠕၥ㢟ࠖࡋ࡚ᣲࡆ࡚࠸ࡓࠋࠕࣉࣟࢭࢫࠖࡢẁ㝵࡛ࡣ㸪ࠕၥ㢟ࠖࡢゎỴࢆ ᅗࡿࡓࡵ㎡᭩ࡸཧ⪃᭩࡛Ⓨ㡢ࡸᩥἲࢆ☜ㄆࡋࡓࡾ㸪┦ᡭࡢ㉁ၥ㐺ษᛂࡌࡿࡓࡵࡢཎ✏ ಟṇࡸ㡢ㄞ⦎⩦➼ࢆ⾜ࡗࡓࡾࡋ࡚࠸ࡓࠋ 㸰ᅇ┠ࡢ⤂ሙ㠃࡛ࡣ㸪㸯ᅇ┠ẚ㍑ࡋ࡚㸪⏕ᚐࡀ⮬ಙࢆᣢࡗ࡚⾲⌧ࡍࡿᵝᏊࡀぢࡽࢀࡓ ࡾ㸪ࡲࡓ㸪┦ᡭࡢ㉁ၥ㐺ษᛂࡌࡿࡇࡀ࡛ࡁࡓࡾ㸪┦ᡭࡢඹឤⓗ࡞⌮ゎࢆᚓࡽࢀࡓࡾࡋ
山内 誠:協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学びの実践 た こ と か ら , 伝 わ っ た 喜 び を 実 感 し て い る 様 子 が 見 ら れ た。「LAF」学習を通して,生徒の 主 体 的 な 学 習 態 度 が 高 ま り , 単 元 を 通 し て 意 欲 的 に 学 び に 向 か う た め の 自 己 課 題 を 持 た せ る だ け で な く, 今 後 の 学 習 を 通 し てlarge task をよりよく解決することできそうだという自己 効 力感 を与え る こと にも つな がると 考 えら れる。 ⑵ L A F モ デ ル と 単 元 構 成 シ ー ト を 組 み 合 せ た 活 用 導 入 時 に 示 し た 単 元 構 成 シ ー ト を , 各small task において,生徒の言葉に置き換えさせな が ら そ の 共 有 化 を 図 り, 何 が で き る よ う に な れ ば よ い の か と い っ た 理 想 の 姿 を 持 た せ る 工 夫 を 行 っ た 。 理 想 の 姿 の 示 し 方 に つ い て は, 教 師 が 教 科 書 本 文 を 基 本 と し な が ら , 生 徒 に 活 用 さ せ た い 表 現 を 用 い て, モ デ ル ス ピ ー チ 等 を 示 し た り ,ALT との連携を図りながら,完成例 を 映 像 と し て 示 し , そ れ ら に 含 ま れ る ポ イ ン ト に 気 付 か せ た り ,TED などの動画を活用して プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 工 夫 な ど に 気 付 か せ た り す る。 そ の こ と に よ り , 生 徒 は よ り 具 体 的 に 「 で き る よ う に な る こ と 」 を 理 解 す る こ と が で き, 自 身 の 自 己 課 題 を 明 確 に し, 主 体 的 で 深 い 学 び に つ な げ る た め の 見 方 ・ 考 え 方 を 明 ら か に で き る と 期 待 で き る 。 し か し , 理 想 の 姿 を 見 い だ す こ と は 難 し く, 何 を も っ て 良 い と す る か を 考 え る 必 要 が あ り , 教 師 自 身 が 高 い 意 識 を 持っ て,英 語 と 向き 合っ たり,教科書 題材の 分析 を深 く行っ たりする必 要がある。 つまり, 設 定 す る 理 想 の 姿 が 高 ま ら な け れ ば , 生 徒 が そ れ 以 上 に 伸 び る 可 能 性 は 低 く な っ て し ま う と い った 意識を 教 師自 身が 持つ 必要が あ る。
実 際 , 単 元 構 成 シ ー ト 等 で 理 想 の 姿 を 明 確 に さ せ た 後,middle task において再度「LAF」 学 習 を 行 わ せ た と こ ろ,「 相 手 の 問 い か け か ら 対 話 を 展 開 さ せ て い く た め に は,Yes/No だけ
で 終わ らない 応 答が でき るよ うにな る 必要 がある 。」等,middle task における LAF 学習では,
よ り 生 徒 の 発 言 に 広 が り や 深 ま り が 見 ら れ た 。 つ ま り,「LAF」学習を複数回設定すること や 理 想 の 姿 と し て 単 元 構 成 シ ー ト を 用 い て で き る よ う に な る べ き こ と が 共 通 理 解 さ れ る こ と が よ り よ い 表 現 へ と つ な が り , 生 徒 同 士 の ア ド バ イ ス へ も 影 響 が 大 き い こ と か ら, 単 元 レ ベ ル での カリキ ュ ラム ・マ ネジ メント は ,今 後の指 導に おい て重 要である と考 えられる 。 【 単 元 構 成 シ ー ト 】 ⴭ⪅ྡࢱࢺࣝ ࡓࡇࡽ㸪ఏࢃࡗࡓ႐ࡧࢆᐇឤࡋ࡚࠸ࡿᵝᏊࡀぢࡽࢀࡓࠋࠕ/$)ࠖᏛ⩦ࢆ㏻ࡋ࡚㸪⏕ᚐࡢ యⓗ࡞Ꮫ⩦ែᗘࡀ㧗ࡲࡾ㸪༢ඖࢆ㏻ࡋ࡚ពḧⓗᏛࡧྥ࠺ࡓࡵࡢ⮬ᕫㄢ㢟ࢆᣢࡓࡏࡿࡔ ࡅ࡛࡞ࡃ㸪ᚋࡢᏛ⩦ࢆ㏻ࡋ࡚ODUJHWDVN ࢆࡼࡾࡼࡃゎỴࡍࡿࡇ࡛ࡁࡑ࠺ࡔ࠸࠺⮬ᕫຠຊ ឤࢆ࠼ࡿࡇࡶࡘ࡞ࡀࡿ⪃࠼ࡽࢀࡿࠋ /$) ࣔࢹࣝ༢ඖᵓᡂࢩ࣮ࢺࢆ⤌ࡳྜࡏࡓά⏝ ᑟධ♧ࡋࡓ༢ඖᵓᡂࢩ࣮ࢺࢆ㸪ྛ VPDOOWDVN ࠾࠸࡚㸪⏕ᚐࡢゝⴥ⨨ࡁ࠼ࡉࡏ࡞ ࡀࡽࡑࡢඹ᭷ࢆᅗࡾ㸪ఱࡀ࡛ࡁࡿࡼ࠺࡞ࢀࡤࡼ࠸ࡢ࠸ࡗࡓ⌮ࡢጼࢆᣢࡓࡏࡿᕤኵ ࢆ⾜ࡗࡓࠋ⌮ࡢጼࡢ♧ࡋ᪉ࡘ࠸࡚ࡣ㸪ᩍᖌࡀᩍ⛉᭩ᮏᩥࢆᇶᮏࡋ࡞ࡀࡽ㸪⏕ᚐά⏝ ࡉࡏࡓ࠸⾲⌧ࢆ⏝࠸࡚㸪ࣔࢹࣝࢫࣆ࣮ࢳ➼ࢆ♧ࡋࡓࡾ㸪$/7 ࡢ㐃ᦠࢆᅗࡾ࡞ࡀࡽ㸪ᡂ ࢆᫎീࡋ࡚♧ࡋ㸪ࡑࢀࡽྵࡲࢀࡿ࣏ࣥࢺẼࡏࡓࡾ㸪7(' ࡞ࡢື⏬ࢆά⏝ࡋ࡚ ࣉࣞࢮࣥࢸ࣮ࢩࣙࣥࡢᕤኵ࡞Ẽࡏࡓࡾࡍࡿࠋࡑࡢࡇࡼࡾ㸪⏕ᚐࡣࡼࡾලయⓗ ࠕ࡛ࡁࡿࡼ࠺࡞ࡿࡇࠖࢆ⌮ゎࡍࡿࡇࡀ࡛ࡁ㸪⮬㌟ࡢ⮬ᕫㄢ㢟ࢆ᫂☜ࡋ㸪యⓗ࡛῝ ࠸Ꮫࡧࡘ࡞ࡆࡿࡓࡵࡢぢ᪉࣭⪃࠼᪉ࢆ᫂ࡽ࡛ࡁࡿᮇᚅ࡛ࡁࡿࠋࡋࡋ㸪⌮ࡢጼࢆ ぢฟࡍࡇࡣ㞴ࡋࡃ㸪ఱࢆࡶࡗ࡚Ⰻ࠸ࡍࡿࢆ⪃࠼ࡿᚲせࡀ࠶ࡾ㸪ᩍᖌ⮬㌟ࡀ㧗࠸ព㆑ࢆ ᣢࡗ࡚㸪ⱥㄒྥࡁྜࡗࡓࡾ㸪ᩍ⛉᭩㢟ᮦࡢศᯒࢆ῝ࡃ⾜ࡗࡓࡾࡍࡿᚲせࡀ࠶ࡿࠋࡘࡲࡾ㸪 タᐃࡍࡿ⌮ࡢጼࡀ㧗ࡲࡽ࡞ࡅࢀࡤ㸪⏕ᚐࡀࡑࢀ௨ୖఙࡧࡿྍ⬟ᛶࡣపࡃ࡞ࡗ࡚ࡋࡲ࠺ ࠸ࡗࡓព㆑ࢆᩍᖌ⮬㌟ࡀᣢࡘᚲせࡀ࠶ࡿࠋ ᐇ㝿㸪༢ඖᵓᡂࢩ࣮ࢺ➼࡛⌮ࡢጼࢆ᫂☜ࡉࡏࡓᚋ㸪PLGGOHWDVN ࠾࠸࡚ᗘࠕ/$)ࠖ Ꮫ⩦ࢆ⾜ࢃࡏࡓࡇࢁ㸪ࠕ┦ᡭࡢၥ࠸ࡅࡽᑐヰࢆᒎ㛤ࡉࡏ࡚࠸ࡃࡓࡵࡣ㸪<HV1R ࡔࡅ ࡛⤊ࢃࡽ࡞࠸ᛂ⟅ࡀ࡛ࡁࡿࡼ࠺࡞ࡿᚲせࡀ࠶ࡿࠋࠖ➼㸪PLGGOHWDVN ࠾ࡅࡿ /$) Ꮫ⩦࡛ ࡣ㸪ࡼࡾ⏕ᚐࡢⓎゝᗈࡀࡾࡸ῝ࡲࡾࡀぢࡽࢀࡓࠋࡘࡲࡾ㸪ࠕ/$)ࠖᏛ⩦ࢆ」ᩘᅇタᐃࡍࡿࡇ ࡸ⌮ࡢጼࡋ࡚༢ඖᵓᡂࢩ࣮ࢺࢆ⏝࠸࡚࡛ࡁࡿࡼ࠺࡞ࡿࡁࡇࡀඹ㏻⌮ゎࡉࢀࡿࡇ ࡀࡼࡾࡼ࠸⾲⌧ࡘ࡞ࡀࡾ㸪⏕ᚐྠኈࡢࢻࣂࢫࡶᙳ㡪ࡀࡁ࠸ࡇࡽ㸪༢ඖࣞ ࡛࣋ࣝࡢ࣒࣭࣐࢝ࣜ࢟ࣗࣛࢿ࣮ࢪ࣓ࣥࢺࡣ㸪ᚋࡢᣦᑟ࠾࠸࡚㔜せ࡛࠶ࡿࡇࡀศࡿࠋ ࠙༢ඖᵓᡂࢩ࣮ࢺࠚ
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) 5 . 主 体 的 ・ 対 話 的 で な 深 い 学 び を さ せ る た め の カ リ キ ュ ラ ム ・ マ ネ ジ メ ン ト の 実 践 例 5 . 1 . 目 的 外 国 語 の 背 景 に あ る 文 化 に 対 す る 理 解 を 深 め る べ く,「聞き手,読み手,話し手,書き手に 配 慮 し な が ら 」 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 必 要 が あ り, そ の 一 つ と し て 相 手 の 外 国 語 の 文 化 的 背 景 に よ っ て 「 配 慮 」 の 仕 方 も 異 な っ て く る。 ま た , 外 国 語 の 学 習 や そ の 他 に お い て も 他 者 を 配 慮 し 受 け 入 れ る 寛 容 の 精 神 や 平 和 ・ 国 際 貢 献 な ど の 精 神 を 獲 得 し, 多 面 的 思 考 が で き る 人 材 を 育成 するこ と を目 的と する 。(中 学 校 学習指導要 領解説よ り H29 年7月) 5 . 2 . 主 体 的 で 深 い 学 び を 実 現 す る た め の カ リ キ ュ ラ ム ・ マ ネ ジ メ ン ト と は 平 成25 年度から受入を行っている台北教育大実習生の来校にともない,全校朝会を GT(グ ロ ー バ ル タ イ ム ) と 位 置 付 け, 2 年 生 の 英 語 教 科 連 絡 員 を 中 心 にAll English での全校朝会を
実 施 し て い る。 ま た ,GT の開催される火曜日を All English Day と位置付け,本校の2年生
を 対 象 に, 朝 の 会, 休 み 時 間, 昼 食 時 間, 帰 り の 会 をAll English で活動している。さらに, All English での学年集会や生活記録への英語での記入も積極的に実施している。 総 合 的 な 学 習 の 時 間 に お い て も , 台 北 教 育 大 実 習 生 の 受 入 を 基 に , 1 年 次 に は 鹿 児 島 ・ 台 湾 追 究学 習とし て「 ア ジア・フレ ンド シップ・プ ロ ジェ クト 」に取 り組み ,2年次に は「見 つよう! 日 本 の 魅 力 」 と 題 し , 世 界 か ら 見 た 日 本 の 追 究 学 習 に 取 り 組 み, そ し て 3 年 次 に は, 世 界 に 発 信 す る 探 究 学 習 に 取 り 組 ん で お り , 教 科 横 断 的 な 視 点 を 生 か し な が ら , 生 涯 に わ た っ て 継 続 し て 外 国 語 学 習 に 取 り 組 も う と す る と い っ た 態 度 を 養 お う と カ リ キ ュ ラ ム・ マ ネ ジ メ ン ト を 行 っ て いる 。 5 . 3 . 活 用 方 法 ⑴ G T ( グ ロ ー バ ル タ イ ム ) ⑵ A l l E n g l i s h D a y
火曜 日をAll English Day と位置付け,GT の事後活動として,学年で取組を始めた。しか
し , 伝 え た い 英 語 が 出 て こ な か っ た り , 日 本 語 を 無 意 識 に 使 っ て し ま っ た り と い っ た 課 題 が 次 々 と 上 が り, 本 当 に こ の 活 動 が 意 味 が あ る の か と い っ た 議 論 が 繰 り 返 さ れ た。 実 際,All English Day の目的等に関しては,学年集会等でも繰り返し議論し,生徒たちなりの目的や 㮵ඣᓥᏛᩍ⫱Ꮫ㒊ᩍ⫱ᐇ㊶◊✲⣖せ ➨㸰㸵ᕳ ɼ˳ႎ∝ݣᛅႎ↖↙ขⅳܖ↢⇁ↄ↊↺↰↝⇑∐⇓∋∏∆∝∄⇳⇞∇∙⇮↝ܱោ̊ ┠ⓗ እᅜㄒࡢ⫼ᬒ࠶ࡿᩥᑐࡍࡿ⌮ゎࢆ῝ࡵࡿࡃࠕ⪺ࡁᡭ㸪ㄞࡳᡭ㸪ヰࡋᡭ㸪᭩ࡁᡭ㓄 ៖ࡋ࡞ࡀࡽࠖࢥ࣑ࣗࢽࢣ࣮ࢩࣙࣥࢆᅗࡿᚲせࡀ࠶ࡾ㸪ࡑࡢ୍ࡘࡋ࡚┦ᡭࡢእᅜㄒࡢᩥⓗ⫼ ᬒࡼࡗ࡚ࠕ㓄៖ࠖࡢ᪉ࡶ␗࡞ࡗ࡚ࡃࡿࠋࡲࡓ㸪እᅜㄒࡢᏛ⩦ࡸࡑࡢ࠾࠸࡚ࡶ⪅ࢆ㓄 ៖ࡋཷࡅධࢀࡿᐶᐜࡢ⢭⚄ࡸᖹ࣭ᅜ㝿㈉⊩࡞ࡢ⢭⚄ࢆ⋓ᚓࡋ㸪ከ㠃ⓗᛮ⪃ࡀ࡛ࡁࡿேᮦࢆ ⫱ᡂࡍࡿࡇࢆ┠ⓗࡍࡿࠋ㸦୰ᏛᰯᏛ⩦ᣦᑟせ㡿ゎㄝࡼࡾ + ᖺ ᭶㸧 యⓗ࡛῝࠸Ꮫࡧࢆᐇ⌧ࡍࡿࡓࡵࡢ࣒࣭࣐࢝ࣜ࢟ࣗࣛࢿࢪ࣓ࣥࢺࡣ ᖹᡂ ᖺᗘࡽཷධࢆ⾜ࡗ࡚࠸ࡿྎᩍ⫱ᐇ⩦⏕ࡢ᮶ᰯࡶ࡞࠸㸪ᰯᮅࢆ*7 㸦ࢢ࣮ࣟࣂࣝࢱ࣒㸧⨨ࡅ㸪㸰ᖺ⏕ࡢⱥㄒᩍ⛉㐃⤡ဨࢆ୰ᚰ$OO(QJOLVK ࡛ࡢᰯᮅ ࢆᐇࡋ࡚࠸ࡿࠋࡲࡓ㸪*7 ࡢ㛤ദࡉࢀࡿⅆ᭙᪥ࢆ $OO(QJOLVK'D\ ⨨࡙ࡅ㸪ᮏᰯࡢ㸰ᖺ ⏕ࢆᑐ㇟㸪ᮅࡢ㸪ఇࡳ㛫㸪㣗㛫㸪ᖐࡾࡢࢆ$OO(QJOLVK ࡛άືࡋ࡚࠸ࡿࠋࡉࡽ 㸪$OO(QJOLVK ࡛ࡢᏛᖺ㞟ࡸ⏕άグ㘓ࡢⱥㄒ࡛ࡢグධࡶ✚ᴟⓗᐇࡋ࡚࠸ࡿࠋ ⥲ྜⓗ࡞Ꮫ⩦ࡢ㛫࠾࠸࡚ࡶ㸪ྎᩍ⫱ᐇ⩦⏕ࡢཷධࢆᇶ㸪㸯ᖺḟࡣ㮵ඣᓥ࣭ྎ‴ ㏣✲Ꮫ⩦ࡋ࡚ࠕࢪ࣭ࣇࣞࣥࢻࢩࢵࣉ࣭ࣉࣟࢪ࢙ࢡࢺࠖྲྀࡾ⤌ࡳ㸪㸰ᖺḟࡣࠕぢࡘ ࡼ࠺㸟᪥ᮏࡢ㨩ຊࠖ㢟ࡋ㸪ୡ⏺ࡽぢࡓ᪥ᮏࡢ㏣✲Ꮫ⩦ྲྀࡾ⤌ࡳ㸪ࡑࡋ࡚㸱ᖺḟࡣ㸪 ୡ⏺Ⓨಙࡍࡿ᥈✲Ꮫ⩦ྲྀࡾ⤌ࢇ࡛࠾ࡾ㸪ᩍ⛉ᶓ᩿ⓗ࡞どⅬࢆ ⏕ࡋ࡞ࡀࡽ㸪⏕ᾭࢃ ࡓࡗ࡚⥅⥆ࡋ࡚እᅜㄒᏛ⩦ྲྀࡾ⤌ࡶ࠺ࡍࡿ࠸ࡗࡓែᗘ ࢆ㣴࠾࠺࣒࣭࣐࢝ࣜ࢟ࣗࣛ ࢿࢪ࣓ࣥࢺࢆ⾜ࡗ࡚࠸ࡿࠋ ά⏝᪉ἲ *7㸦ࢢ࣮ࣟࣂࣝࢱ࣒㸧 $OO(QJOLVK'D\ ⅆ᭙᪥ࢆ$OO(QJOLVK'D\ ⨨ࡅ㸪*7 ࡢᚋάືࡋ࡚㸪Ꮫᖺ࡛ྲྀ⤌ࢆጞࡵࡓࠋࡋ ࡋఏ࠼ࡓ࠸ⱥㄒࡀฟ࡚ࡇ࡞ࡗࡓࡾ㸪᪥ᮏㄒࢆᖹẼ࡛ࡗ࡚ࡋࡲࡗࡓࡾ࠸ࡗࡓㄢ㢟ࡀḟࠎ ୖࡀࡾ㸪ᮏᙜࡇࡢάືࡀពࡀ࠶ࡿࡢ࠸ࡗࡓ㆟ㄽࡀ⧞ࡾ㏉ࡉࢀࡓࠋᐇ㝿㸪$OO (QJOLVK'D\ ࡢ┠ⓗ➼㛵ࡋ࡚ࡣ㸪Ꮫᖺ㞟➼࡛ࡶ⧞ࡾ㏉ࡋ㆟ㄽࡋ⏕ᚐࡓࡕ࡞ࡾࡢ┠ⓗࡸ࣮ࣝ
山内 誠:協働型教育実習を生かした主体的・対話的で深い学びの実践 ル ール を設定 さ せる こと で, 主体的 な 取組 に変わ り, 改善 を図 った。 具 体 的 に は , 時 間 の 限 定 と 英 語 で 伝 え た か っ た け れ ど 伝 え ら れ な か っ た 言 葉 を 付 箋 紙 に 書 き 出 す と い っ た も の で あ る。 そ こ で, フ ロ ア の 教 室 前 に ホ ワ イ ト ボ ー ド を 設 置 し, 付 箋 を 貼 り 付 け ら れ る よ う に 支 援 し た 。 ま た, 可 能 な 限 り 生 徒 が 英 語 を 使 用 す る 時 間 帯 はALT にも フ ロ ア に 上 が っ て も ら う な ど し て 必 然 性 を 高 め た。 ま た, 帰 り の 会 等 の 進 行 マ ニ ュ ア ル を 英 語 で作 成する 生 徒も 見ら れた 。 英 語 科 と し て は , 教 科 連 絡 員 と 連 携 し, 付 箋 紙 の 中 か ら, 日 々 の ス ペ リ ン グ 帳 に 英 作 文 の 課 題 と し て 帰 り の 会 に 数 枚 ず つ 提 示 さ せ , 授 業 で 指 導 を 行 っ て い る。 学 校 生 活 の 中 で 実 際 に 使 いた い言語 が 「話 し言 葉と して」 書 かれ たもの を既 習の 言語 材料を用 いて ,英訳す るため, 複 数 の 答 え も 存 在 し, 英 語 で の 表 現 の 楽 し さ を 授 業 の 枠 を 越 え て 味 わ う こ と に つ な が っ て い る 。当 然なが ら ,教 師の 英語 力向上 の 時間 にもな って いる 。 ⑶ 英 語 学 年 集 会 本 校 で は , 月 に 1 回, 学 年 の 代 議 員(10 名)を中心に企画・立案される学年の課題や行事 の 事 前 活 動 の 一 環 と し て 生 徒 主 体 の 学 年 集 会 が 実 施 さ れ る。 本 集 会 に お い て は, 9 月 に 1 ヶ 月 教 育 実 習 生 と し て 来 校 す る 台 北 教 育 大 教 育 実 習 生 へ の 「 配 慮 」 と し て, 附 属 中 の 学 校 文 化 や ル ー ル , ク ラ ス 紹 介 を 学 級 ご と に, イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 を 活 用 し て 「 発 表 」 さ せ, そ の 後 台 北 教 育 大 か ら の 質 問 や 応 答 「 や り と り 」 を 即 興 的 に 行 わ せ た 。 自 己 紹 介 や 学 校 紹 介, ル ー ル など の伝達 に 関し ては ,既 に授 業の中 でもタ スク とし て取り 組んできた ことであっ たため, 準 備 に は そ れ ほ ど の 時 間 を 要 さ な か っ た が, 実 際 に 発 表 や や り と り を す る 中 に お い て は, 正 確 な 発 音 に 関 し て, 大 き な 課 題 が あ る こ と を 実 感 す る こ と が で き た。 ま た, 活 動 後 は200 人 全 員 に 週 末 課 題 と し て 手 紙 を 書 か せ , 夏 休 み 前 に 実 際 に 台 北 教 育 大 へ 郵 送 し た。 不 安 な 中, 鹿 児 島 で の 1 ヶ 月 生 活 を 送 る 実 習 生 へ の 配 慮 や 理 解 を 深 く さ せ る こ と で, 学 年 で の 現 在 の 取 組 がど のよう な 意味 を持 つの かを実 感 させ ること につ なが ると 期待して いる 。 6 . 成 果 と 課 題 国立台北教育大学及び,鹿児島大学教育学部の教育実習生を同時期に受け入れ,協働型教育実 習 とし て学生 間の協 働的 な「授 業 づく り」や教育 実習 後 の タ ブレ ット端 末を活用し た「遠 隔教育」 の 研究 実践を 行って いる こと に対す る 成果 と課題 を述 べる 。 6 . 1 . 成 果 ・ 新 学 習 指 導 要 領 に お け る 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び の 実 現 に 向 け た , 知 識 及 び 技 能 , 思 考 力 , 判 断 力 , 表 現 力 , 学 び に 向 か う 力 や 人 間 性 の 育 成 に 欠 か せ な い 英 語 科 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 対 象 ・ 目 的 等 の 大 き な 存 在 と し て 台 北 教 育 大 実 習 生 や 鹿 児 島 大 学 実 習 生 が 存 在 し てお り,生 徒 の学 びの 大き な動機 付 けの 役割を 果た して いる 。
鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要 第27巻(2018) ・ 異 文 化 理 解 や 他 者 理 解 な ど グ ロ ー バ ル 人 材 の 育 成 に 欠 か せ な い 人 間 性 等 の 育 成 の 機 会 と な って おり, 英 語の 知識 及び 技能の 獲 得が 様々な 教育 活動 の手 段となっ てい る。 ・ 本 校 の 授 業 ス タ イ ル を 学 び , 生 徒 の 実 態 を 把 握 し た 台 北 教 育 実 習 生 が タ ブ レ ッ ト 端 末 等 を 活 用し て,実 習 後も タス ク設 定の目 的 や対 象とな り, 遠隔 教育 を進めて いる 。 ・ 台 北 教 育 実 習 生 の 教 育 文 化 を 生 か し た ク ラ ス ル ー ム イ ン グ リ ッ シ ュ や 授 業 展 開 , 言 語 活 動 か らヒ ントを 得 なが ら, より よい授 業 改善 につな げら れて いる 。 ・ 学 生 同 士 の 英 語 を 使 っ て の 学 び 合 い や 授 業 づ く り , 特 にTeam Teachingに関しては,将来 のALTとの授業づくりの大きなヒントとなっている。また,英語力のスキルアップにもつな が る貴 重な期 間 とな って いる 。 6 . 2 . 課 題 ・ 協 働 型 教 育 実 習 に よ り, 心 理 的 に も 行 為 的 に も 互 い の 良 さ を 補 完 し た り, 組 み 合 せ た り し な が ら, よ り よ い 授 業 改 善 を 図 っ て い る が, 指 導 時 間 の 十 分 な 確 保 が 困 難 な 状 況 に あ り, 受 入 人数 や更な る 教育 実習 の在 り方に つ いて 考える 必要 があ る。 ・ 遠 隔 教育 の推進 にあ たっ て, タ ブ レ ッ ト端末等 の十分な 設 備投資 を進め る必要が ある。 ・ 本 研 究 実践 の 県 内 の中 学校 への 汎用性 を考え ,単 元構 成の改 善や目標の 一致を図る ことで, 遠 隔教 育の可 能 性を 広げ なが ら,協 働 的な 言語活 動を 進め る必 要がある 。 7 . 参 考 文 献 ・ 外 国 語 能 力 の 向 上 に 関 す る 検 討 会『 国 際 共 通 語 と し て の 英 語 力 向 上 の た め の 5 つ の 提 言 と 具 体 策』(2011) ・ 鹿 大 附属 中「自 己を 発 揮 し, 未 来 を 拓 く生徒の 育成」研 究 冊子(2008-2012) ・ 鹿児島大学教育学部附属中学校平成25 年度研究冊子『自己を発揮し,未来を拓く生徒の育成』 ・ 樋 口 晶彦 ,島谷 浩( 編 )『21 世紀の英語科教育』開隆堂(2007) ・ 文 部 科学 省『中 学校 学 習 指導 要 領 』(2008)(2017) ・ 文 部 科学 省『中 学校 学 習 指導 要 領 解 説 外国語編 』(2008)(2017) ・ 文 部 科学 省『グ ロー バ ル 人材 の 育 成 に ついて』(2012) ・ 文 部 科学 省『教 育振 興 基 本計 画 』(2013)