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実践編ⅩⅠ 総合的な学習の時間 地域の人やものと、かかわりあいながら、自らの生き方を豊かに表現できる生徒の育成

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Academic year: 2021

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ⅩⅠ 総合的な学習の時間 佐藤 和之 安藤 美紀 五十嵐 正登 地域の人やものと、かかわりあいながら、自らの生き方を豊かに表現できる生徒の育成 1 研究の概要 (1) 生徒の実態 総 合 的 な 学 習 の 時 間 部 会 で は 、 生 徒 の 現 状 を 次 の よ う に と ら え て い る 。 (2) 目指す生徒像 総 合 的 な 学 習 の 時 間 部 会 で は 、生 徒 の 実 態 を ふ ま え 目 指 す 生 徒 像 を 次 の よ う に 設 定 し た。 ① 自信をもって実践活動に取り組もうとする生徒 ② 地域や生活に目を向け、身近な課題解決に進んで取り組もうとする生徒 ③ 自分の思いや願いを適切にまとめ、それを発信することができる生徒 ①の生徒とは、課題解決に向けて、自分自身が判断した解決方法について、自信をもって意欲 的に取り組む生徒である。それには、実践活動に取り組む前のガイダンスや先行体験の段階で、 課題解決の方法を様々な視点から考え、異なる立場や意見があることを知り、それに共感しなが らよりよい方法を判断させることが必要である。 ②の生徒とは、身近に潜む問題を自分自身の課題として、それを積極的に解決しようとすると ともに、解決の過程から、自己の見方・考え方を広げ、進んでその後の課題解決に生かすことが できる生徒である。それには、生徒の周囲の環境や社会的な動きと、これまでの体験から、自分 にできることは何かを意識させていくことが必要である。 ③の生徒とは、課題解決を通して学んだことや大変だったことを、その後の自らの生き方にど のように生かしていくのかを適切にまとめ、発信できる力を身につけた生徒である。それには、 学習過程を振り返りながら、自分の考え方の変化やその後の生き方を状況に応じて効果的に発信するた めに、様々なまとめ方や、発信の仕方を身に付けていることが必要である。

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(3) 研究の構想 本校生徒の実態と、総合的な学習の時間部会で目指す生徒像をふまえて、以下のような構想で 研究を進めていく。 (4) 重点的に取り組む手だてについて 本校生徒の実態と、本校総合的な学習の時間部会が目指す生徒像とをつなぐ手だてを次のように考え、 授業実践を進めていく。 ① 意図した学習を効果的に生み出すために、他教科での学習を生かした単元構成 ② 学習過程が振り返れるポートフォリオの作成 ③ 課題解決を通して学んだことの発信方法の工夫 ①生徒が自分の地域や生活との関わりを意識しながら、自らの問いを追求していけるように、ガイダン スや先行体験を実施して、その後の実践活動に取り組めるような単元計画を作成し実施する。その中で、 実践活動の場を前期・後期の2回に渡って設定する等、教師が意図する学習を効果的に生み出すために、 各教科や特別活動等で学んだことを生かせる単元構成をしていく。こうすることで、自らの問いを様々 な側面から追求し続け、解決に向けて自信をもって実践活動に取り組むことができると考える。 ②生徒は課題解決に向けて、総合的な学習の時間の他に、他教科でもそれに関わる学習を行っていく。 その際に、学習した内容や過程を常に振り返ることができるように、ワークシートや資料を1冊のファ イルに綴じ込んだポートフォリオを作成していく。こうすることで、課題解決の前後で自分の考え方が どのように変化したのかを、生徒自身が読み取り、実感することができると考える。 ③生徒の活気あふれる発信の場を、設定していく。それには、自分自身の生き方を意識させながら、課 題解決に取り組ませていく中で、生徒が夢中になれるような実践活動を積極的に取り入れ、体験をとお して生の声で発表ができるようにしていく。また、発信や意見交換の方法を、それぞれの学年の発達段 階に応じて工夫していく。こうすることで、自分の思いや願いを適切にまとめ、それを発信する力 を身に付けることができると考える。

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2 実践例 重点的に取り組む手だてを設定して実践した単元の流れは、第2学年の「社会奉仕体験から学ぼう」 を例にすると、以下のようになる。 総合的な学習の時間部会では、社会奉仕体験学習の流れを、上記の単元構成でコーディネイトした。 事前学習としてボランティアセンターより講師を招いて講話を実施した。また、家庭科では「高齢者・ シニア体験」、道徳では「公徳心~障害者理解~」を学習して、ボランティアについての知識だけでは なく、体験的な活動を実施した後に実践活動に臨んだ。体験活動後は、新聞形式で学んだことや感想を 発信して、12月に実施予定の2回目の体験に向けて、各自の実践活動を設定していく。 【一連の学びのポートフォリオ】※説明は下記 ボランティアについてのガイダンスを聞いて、印象に残ったことや、自分の考えを記入した(左)。 ボランティアをキーワードに、イメージマップを作成して、ボランティアについて知っていることを再 確認した(中)。体験活動前の気持ち・意気込みを記しておくことで(右)、体験後の新聞とそれを比 べて、考え方がどのように変化したのか(詳しくはⅣ省察に掲載)が生徒自身で確認できるようにした。

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3 省察と展望 (1) 実践例について ポートフォリオから、生徒の変容を確かめた。体験活動を実施する前と比べて、実施後は受け身であ ったボランティアに対する意識が変わり、「今後も活動に取り組んでいきたい」という感想が多く見ら れた。また、体験前に高齢者体験や、障がい者理解を学習したことにより、体験に対しての不安がなく なり、自信をもって活動に取り組むことができていた。体験後に作成した新聞では、「ボランティアを 続けていきたい」というように、その後の自分自身の生き方についても触れられていた。 (2) 今後の展望 本年度7月の意識調査から、右のよう な結果を得た。活動や課題解決に対して 意欲的に取り組めている生徒が多くなっ てきたことが分かった。しかしながら、 自己の将来や生き方についての考えがま とまらず、それを適切に表現できない生 徒がまだ多い。これは、表現する以前に自己の将来や生き方について考える機会やきっかけがまだ不十 分であることも原因として考えられる。自分自身の生き方を意識させながら、課題解決に取り組ませて いくための手だてや、単元構成の工夫が今後の課題として残された。 研究主題「地域の人やものと、かかわりあいながら、自らの生き方を豊かに表現できる生徒の育成」 に向けて、本年度から2年間の研究を始めた。実践活動を通じて、苦労したこと、大変だったことを生 徒自身の生の声で発信させ、その後の生活に生かすことができるよう研究を始めたものの、活動内容や 発信の方法等で試行錯誤が続いている。今後も、自らの生き方を豊かに表現できる生徒を育成できるよ う、指導・支援の工夫を追究していきたい。 〈参考文献〉 1)高階玲治 編 (2008) 『中教審「学習指導要領の改善」答申』 教育開発研究所 2)川上啓一郎 編 (2009) 『授業のプロセスとデザイン』 福井大学教育実践研究会 3)矢木武 編 (2009) 『体験学習・体験活動の効果的な進め方』 教育開発研究所

参照

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