第33回群馬脳腫瘍研究会
日 時:2004年 6月 26日 (土) 場 所:群馬ロイヤルホテル 代 表:斉藤 人(群馬大院・医・脳脊髄病態外科学) 当番世話人:塚原 隆司(北信 合病院脳神経外科)一般演題・第1部>
座長:卯木 次郎 (埼玉県立がんセンター 脳神経外科) 1.群馬大学脳神経外科における転移性脳腫瘍の最近の 動向 堀口 桂志,鈴木 智成,今井 英明 高橋 章夫,石内 勝吾,斎藤 人 (群馬大・医・脳脊髄病態外科学) 高齢化社会が進行するにつれ癌人口は増加し, それに 伴い転移性脳腫瘍の頻度も増加傾向にある. 我々の施設 では過去 10年間に合計 58名, そのうち手術症例 34例, 原発巣別内訳は肺癌 11, 乳癌 6, 消化器 5, 腎癌 5, 卵巣癌 2, 甲状腺癌 2, 頭頸部癌 2, 悪性黒色腫 2, リンパ腫 1, 膀 胱癌 1, 原発不明 21である. 従来転移性脳腫瘍の手術適 応は脳病変が単発でかつ原発巣がコントロールされ脳以 外に転移巣がないことであった. ここ数年ガンマナイフ に加え抗ガン剤と 子標的療法併用という新しい癌治療 の出現により従来の手術適応基準が必ずしも当てはまら ない症例が出現し始めている. ガンマナイフ治療後に再 増大し手術にて腫瘍摘出した 80歳の肺ガン症例とハー セプチン治療後に多発脳転移をきたした乳ガン患者に対 して小病巣をガンマナイフ, 脳浮腫をきたす比較的大き な病巣を手術にて摘出した 2症例を呈示し, 最適な転移 性脳腫瘍の治療を議論するための話題を提供したい. 2.当院における転移性脳腫瘍診断の現状 黒田 勝宏,清水 庸夫 (関東脳神経外科病院) 脳神経外科単科病院である当院における転移性脳腫瘍 の診断・治療の現状につき報告する.平成 11年 1月より 平成 16年 5月までに当院で転移性脳腫瘍と診断した 23 例を検討の対象とした. 8例は癌の治療歴があり, 15例 は転移性脳腫瘍が先行して診断された. 癌の治療歴のあ る群では原発臓器は様々な臓器におよび, 比較的原発巣 の治療から長期間を経過したものが多く見られた. 一方, 転移性脳腫瘍の診断が先行した群では, 15例のうち 13 例は肺癌からの転移であると えられた. 転移性脳腫瘍 の診断が先行した症例を中心に臨床的特徴につき検討す る. 3.長期生存した脳転移手術症例の検討 早瀬 宣昭,楮本 清 ,卯木 次郎 (埼玉県立がんセンター 脳神経外科) 1992年 1月から 2003年 12月までの期間に 207例の 転移性脳腫瘍摘出術を行った. 原発部位は肺がん 117例 (56.5%),乳がん 19 例 (9.1%),大腸がん 15例 (7.2%),腎 がん 14例 (6.8%), 直腸がん 12例 (5.8%), その他 24例 (子宮がん 5例, 肝臓がん 4例, 胃がん 3例ほか), 原発不 明がん 2例 (1.0%)であった.1999 年 12月までに腫瘍摘 出術を行った 135例の平 生存期間は 9.2月 (中央生存 期間 : 6.4月) であった. 肺がん 3例, 乳がん 2例の計 5 例 (3.6%) が 5年以上生存し, 乳がん 1例を除く 4例が 生存中である. 肺がん症例は, 肺がん切除後, 脳転移を生 じた 2例, 小細胞がん化学療法中に脳転移を認めた 1例 であった. 術前検索で脳以外に転移を認めなかった. 1例 で後に生じた NPH に対し, V-P shuntを行った. 乳がん 症例は, 脳以外に転移を認めたが, 化学療法が奏功した. 脳転移症例といえども, 長期生存が得られる例があり, 集学的治療を積極的に行うべきである. 4.転移性脳腫瘍を疑ったトキソプラズマ脳症の一例 斎藤 太,河野 和幸,渡辺 仁 相島 薫 (佐久 合病院 脳神経外科) 石亀 廣樹 (同 臨床病理) 鹿児島海衛(深谷赤十字病院 脳神経外科) 症例は,45歳男性.頭痛,回転性めまいを主訴として平 成 16年 2月 6日当院受診. 意識清明で両側求心性視野 狭窄および左下四 の一盲を認めた. CT 上右後頭葉に 低吸収域をを指摘された. 胸部及び腹部 CT 上原発を疑 う病変は認めなかった. CEA, AFP, CA19-9 も正常で217 Kitakanto Med J