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JAIST Repository: バーチャルリアリティに重要な体感に基づく心理生理的評価の一提案

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

バーチャルリアリティに重要な体感に基づく心理生理

的評価の一提案

Author(s)

石川, 智治; 宮原, 誠

Citation

映像情報メディア学会誌, 60(3): 446-448

Issue Date

2006-03-01

Type

Journal Article

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/4930

Rights

Copyright (C) 2006 映像情報メディア学会. 石川智治

, 宮原誠, 映像情報メディア学会誌, 60(3), 2006,

446-448.

Description

(2)

バーチャル リア リテ ィに重要な体感に基づ く心理生理的評価

の-提案

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正会員 石 川 智 治 I, 正会員 宮 原

誠I

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i pace, ase ion, t t ensa ea itrua u e i f sso fpsycop ysoogh h il t rea na a h to t srac h h il psycop ysoog e キーワー ド:心理生理,体感,身体 ・皮膚感覚,体感評価語 1. ま え が き 観的か ら, より客観的評価 を 目指 した生理学的分析か ら導 出され る生理的反応モデルを提案す る. 映像 ・音情報は,今や時間や場所濠問わず入手 ・体験でき na l assessnen a entilta oviZ l rli・tua eaty.

2.

人間の感覚 と深 い感動の 喚起 や深 い癒 しを もた る時代になってきた.家庭 におい七もネ ッ トワーク技術の 発展 によ り,視聴覚技術 を応用 したバーチャル リア リティ 空間が作 り上げれ られ るようになるであろ う. しか しなが ら,長時間のゲーム機器使用やテ レビ鑑賞などによる体調 -の悪影響 1)な どが問題 とされていることも事実である. また,高齢化社会 を迎え,身体は衰 えるが,心や精神 は高 まってい く高齢者 に対 して,おためごか しでなく心身 とも に癒 され る,本物の癒 し2)が求められている.これ らの問 題 を解決す るためには,人間が本来,無意識 に捕 らえて反 応 している心理 ・生理情報 を総合的に分析す ることが重要 である.そのためには,心理学,生理学的知見の両方 を加 味 した心理生理学に基づ く客観的評価が必要 となる.本論 文では,人間の意識以前に生体が反応 して喚起にいたる深 い感動や深い癒 しに注 目し,その時に重要な、"体感 ":身 体 ・皮膚感覚を切 り口として,主観的であ りなが ら客観的 測定-の結びつ きが期待できる心理生理的評価語 について 述べる. 具体的には

,

「音 (音楽)の空気振動が体感 されて,脳幹に らす 「場 」 人間が本来持 っている動物 としての原始的生命 は,あ ら ゆる感覚を使 って外敵か ら身 を守 った り,心身の欲求 を満 た した りをコン トロール してい る.特 に,皮膚感覚 5)は, 単なる臓器のカバー としてではな く,すべてのデ ィテクタ が集結 しているといわれ るように,外界 との入 り口として の役割 を持つ. しか しながら,現在の高度な物質的情報化社会 において 多 くの感覚機能は衰退 し,それ によって,本来は事前に対 応できるはずの刺激 に耐 えられず,心身のバ ランスが壊れ て,様々な問題 を生 じるに至っていると推測する. そ こで,我々は人間が意識す る以前 に,外的刺激 によっ て生体が反応 し,深い感動や深い癒 しを経験 した ときに発 せ られた評 に注 目し,その中に上記問題 を解決す るヒン ト がある一と考え た. 我々は,これまでに演奏家が思いを込めて演奏 した音楽 を,高忠実に再生す るシステム開発 と,それ らの試聴実験, 至って喚起 され る深い感動等を評価す る文」を新たに 「体 お よびデモンス トレーシ ョン 3 ))4 を行 ってきた.その中で, 以下の条件が満 たされた時に,深い感動の喚起や深い癒 し 4 ) 感評価語」 と定義 し,これまでの多 くの実験 3 )で得 られ た評か ら抽出 ・分類を行い,評価方法を提案する.次に,主 がもた らされ ることがわかってきた. 0 5 200 年 1 I北陸先 端科学技術大学院大学 情報科学研 究科 5 年 2月 28日受付,200 月 18日再受付,2006年 1月 8日採録

(

1

)

暗 ・静環境 (アフォーダンス)において, -1 6 7 1, -f norm lo Sc t 石川県儲美市旭台 1 TEL0 hoo fI 2 (〒93-1292 5111232)

2

3

(

(

)

深い感動を喚起 させ る,また,深い癒 しをもた らす 情報 を含む入力画像お よび,音 コンテンツ 6)を,

)

日本学術振興会未来開拓研究推進事業にて開発 した vance i J cence a, pa io t a nS nAd dInstittueofS -ci y h l ecnoog dT encean -( 1AsahdiNa o, mi,Ihsika-a923-1292J,apan) 1 4 46 ( )70 映像情報 メデ ィア学会誌 VJ6o,0 N 3, .o,pp44-46 48(2006) 1 i

(3)

tam S , )によ り再生す る 「 Exr ystem M T 慶」に身をお くこ とにより喚起 され る. 深い感動の喚起や深い癒 しが もた らされた ときの評 ¢)の 中か らその山側を以 卜に示す. ◎頭の

r

llがふわっと基 っ白にな りま した. ◎音が五臓六肺に しみわたって,脂,身体が ときほぐさ れてい くように感 じます.眠って しまいま した.この部屋 だけ,何だか神が選んだ特別の場所で,そ こに天使が舞い 降 りてきたよ うにさえ思います. ◎背 中か ら腰が温か くな り,顔が上気 して, とて も気持 ちよくな りま した‥ ‥ 以上のよ うに多 くの方々が

(

1

)

~(

3)

の条件に基づいて構 築 され る 「場」において,これまでに体験 したことのない深 い感動の喚起や深い癒 しの体験に至っていることがわかる.

3.

体 感 評 価 語 前章 (2車)のよ うに,深い感動や深 い癒 しを体験 した 時に,人間は身体の様々な部分で,変化 を感 じてい る.す なわも,深い感動の喚起や深い癒 しには "体感 "が非常に 重要な要素であ り,必要不可欠である.そ こで我々は,こ れまでに,1000人以上の評を調査 し,人間の身体 ・皮膚感 覚などに関連す る言葉などに注 目し,それを体感評価語 と して抽出 した (表

1

)

.なお,本研究で扱 う ``体感 "とは, 情動回路研究 8)との関連性 もあるが,聴覚刺激 を身体各部 の反応 と感 じる知覚 と実際に空気などの媒体を介 した振動 か ら,身体反応が生理的に生 じる感覚の両方 を含む ことと す る. 表 1 抽出 した体感評価語

AssessmentWordsbasedonBodilySensation 体感評価語 身体 が包み込まれ る,膿が盛 える,五臓大府 が煩 える, 頭の中が英 っ白になる,鳥肌が立つ,胸 に絡み込む, 音が尾低骨 まで低 く下がる,音が頬 を撫でる, 空気 を肌で感 じる,身俸全体の細胞が音 を聴 いている, 頑がふわっ とす る,大 きな風船 を抱っ こしているよ うだ, 背中がぞ くっ とす る,頭が熱 くなる, サ ラウン ドの揺 り塩のよ うだ, 許の後 ろ斜 めか ら昔が8,み込む,h 足のつ ま先か ら晋が絡み込む,脳や身体が溶 きほ ぐされ る, 背 中か ら腰 が温か くなる,顔が上気す る, 身体 に溜まっていた しこりが解消 され る, 身体が音楽 に合せてのって くる ・動 く,放 され る, 脱か ら指先が冷た くなる,指先が しびれ る, 声が首筋か ら頭の天辺 にかけて しびれ る (体 に怒気が走 る), 音楽 に同期 して身体全体の血液 が踊っている,背J馴 こ輝いて くる 上記のよ うに抽出 された体感評価語 は 28語である. こ れ らをバーチャル リア リテ ィ空間の実現に向けた評価指標 とす ることによ り, これまでに体験 した ことのない, よ り リアルな空間の構基が期待 され る.ただ し,単純 に評価縛 の-つのみに注 目した外的刺激を li・えるな どではかえって 弊番が生 じて しま うため,充分な紘意が必要である,すな わち,外的刺激 に対す る身体反応 の詳細がわか らない うち は,総合的に評価 を行 うべ きである.そのために体感評価 語を分類 し,各 グループ内や各 グル-プ間にお ける評価点 のバ ランスを慎重に分析す ることによって,評価尺度 とす ることを提廉す る.つま り,各 グループ内での評価 のバラ ツキや各 グループ間の評価のバ ラツキの聞達性 までも分析 す ることによ り,評価 に抜 けがないよ うにす ることが一つ の評価方法 となろ う.次章 (4

)では,そのための分類 を行 う.

4.

体 感評 価語 の分 類 :主観 的 で あ りなが ら客観性 を持 つ評 価へ 抽 出された体感評価語の 28語を KJ法 にて分類 した.そ の結果,以下のように身体の各部分にフォーカス した四つ のグループ (1,身体全体に関連す る皮膚感覚

,2.

胴体の 部位 における感覚,3.脳 など-の直接的感覚,4.結果的 に得 られ る身体反応)に分類 され ることがわかった.

(

1

)

音 を身体全体,肌,お よび皮膚が感 じている. 【身体全体】身体が包み込まれ る.身体全体の細胞が音 を 聴いている.大きな風船 を抱 っこしているよ うだ.サ ラウ ン ドの揺 り篭のよ うだ. 【肌,皮層 (衣服着た り,椅子 な どの物体 と触れない,港 接空気 と触れ る部分)】空気を肌で感 じる.鳥肌が立つ.普 が頬 を撫でる.

(

2

)

身体のある部位が音 を捉 えてい る ・感 じている. 【肉 (筋肉),激暑 など】腰拍ミ虞 える.五臓六肺が震 える. 胸 に絡み込む. 【骨 ;足 ・指 ・腰】音が腰

(

S

字結腸 あた り)まで下がる. 足のつま先か ら音が沌み込む.指が しびれる.背 中か ら腰 が温かくなる. 【骨 ;(身体の中心)背 中,首】背 中がぞ くっとす る.背骨 に響いて くる.首の後 ろ斜 めか ら音が絡み込む.首筋か ら 頭 の天辺にかけて しびれ る.

(

3

)

脂 (脳幹)が (直接,直撃)反応 している・ 頭 の中が其っ白になる.頭がふわっとす る.頭 の後ろが熱 くなる.顔が上気す る.

(

4

)

結果 として,体が 自然 と反応す る,癒 され る. 【楽 しい,の り】身体が音楽に合せてのって くる ・動 く.普 楽 に同期 して身体全体の血液 が踊 ってい る. 【癒 し】脳や身体が解 きほぐされ る.身体に溜 まっていた しこりが解 消 され る.癒 され る. 以上,求めた

4

グループの各グループ内,お よび各グルー プ間の評価点平均 とバラツキなどの関係を多 くの実験で求め て,総合的に判断 した抜けのない評価を行 うことにより,こ れまでに体験 したことのない新たなバーチャル リア リティ空 間の実現のためのシステム開発に生か されると考 えている. 研究速報 ロ バ ーチャル リア リテ ィに重要 な体感に基づ く心理生理的評価の一提案 (171) 447

(4)

5.

体 感評 価語 の 分析 :主観 的か らよ り客観 的 な評 価へ 前章 (4章)では,体感評価語の分類 を行い,身体 の各 部分 の反応 と,その結果 として, もた らされ る反応 の各

4

グループになるこ とがわかった.それ らに注 目した評価 に よ り,新 しいバーチ ャル リア リテ ィが期待できると考 え ら れ る. しか しなが ら,体感評価語 による評価 は,主観 的で あ りなが ら客観的測定 を期待できる評価ではあるが,被験 者 に対す る負担な どが多い ことや,外的刺激 によって評価 の安定性に不安が残 る.そ こで, より客観的評価 を目指 し て,生理特性 との結びつきの検討 を行 う.そのために得 ら れた体感評価語 を統一的にま とめ,身体の仕組みや生理学 的知識 5)に基づいて 1次元上の立場か ら分析 を行 う必要が ある.そこで,身体の内部で どのような状態 ・反応が起こっ ているのか,特に血涯 の流れ に注 目して,体感評価語か ら 矛盾 な く推測 され る生理的反応モデル を提案す る.以下に 示す.

(

)

血流量が増す (速 くなる) ○首筋か ら頭の天辺にかけて しびれ る.声が首筋か ら頭 の天辺にかけて しびれ る (体に電気が走 る) ○身体が音楽に合せ てのって くる ・動 く.音楽に同期 し て身体全体の血綾が踊 っている. o脳や身体が解 きほぐされ る.身体に溜 まっていた しこ りが解消 され る.癒 され る, ○首の後 ろ斜 めか ら音が絡み込む.足のつま先か ら音が 絡み込む.

(

)

脳 の興奮 頭の中が真 っ白になる.頭がふわっとす る.頭 の後ろが熱 くなる.顔 が上気す る.背 中か ら腰が温か くなる.(#脳 に いた る脊髄 な どの中心部)

(

)

血流低下による体温低下 指が しびれ る.背 中がぞ くっとす る.鳥肌が立つ.

(

Ⅳ)

各部位 にお ける感度があがる o腸が展 える.五臓六時が震える.胸 に絡み込む.音が 腰 (S字結腸 あた り)まで下が る.背骨 に響いてくる. o (#皮膚感覚 :体感)身体が包み込まれる.身体全体の 細胞が音 を聴いている.大きな風船 を抱 っこ してい るよ う だ.サラウン ドの揺 り篭のよ うだ.空気 を肌で感 じる.育 が頬 を撫 でる. 以上より,(Ⅰ) ~ (Ⅳ )の反応が生 じると推測 され る.す なわち,血液の流れの増減 によ り,身体の各部分において, 各 々反応が生 じているとい うモデルである.ここでは,モ デルの提案までに とどめるが,上記によ り,血流量,呼吸, 発汗,体温 な どの注 目すべき客観 的な特性が浮かび上がっ て くる.今後は,このモデルの実証のため,被験者 の負荷 な どを考慮 した非接触型計測 による実験 を考えている. 448 (172)

6.

ま と め 人間の意識以前に生体が反応 して喚起にいた る深い感動 や深い癒 しに注 目し,その時に重要な "体感 '':身体 ・皮膚 感覚 を切 り口として,主観的であ りなが ら客観的測定-の 結びつきが期待できる体感評価語 を調査 ・抽 出 ・分類 した. その結果,身体の各部分 に注 目した 4グループに分類 され, 各 グループ内,お よびグループ間のバ ラツキな どを総合的 に評価す る方法 を提案 した. さらに客観的評価 を 目指すた めに,体感評価語か ら生理学的知識 に基づいて推測できる 生理的反応モデル を提案 した.今後は, これ ら一つ一つの 実証 を進めてい く.現在の ところ,自律神経系に注 目し,非 接触型計測が可能な呼吸,お よび,発汗や体温な どの測定 を行 うことを考えている.これ らによるモデルの実証か ら, 客観的評価尺度の構築 な どにも発展 させていきたい. また, これ らを切 り口として,身体感覚 に注 目した新 た なシステム開発 を行い,リアルなバーチャル リア リティ空間 の構築 を 目指 していきたい.直近では,癒 しシステムを試 行 している.それ については,また別の機会 に報告 したい. 〔文 献〕 1)鵜飼 --磨 :"映像の人間への影響",日本米学会第 89回微小光学研究会 資料 ,32,6,(2003.7). 2)近江政雄 :Lr` 脳活動の計測 に基づいた 癒 しの方法」の開発-「 」" 知, 的 クラスター創成事業 「石川ハイテク ・セ ンシング ・クラスター」第 2 回 ビジネスモデル研 究会資料 ,(2004.12). 3)石川 智治,宮原 誠 :"リビング環境 においで '深い感動"を喚起 させ る 「墳」の実現方法の検討",轟術科学会輪読 ,2,3,pp91-93(2003,9). 4)石川 智治,宮原 誠 :"ホーム (リビング)周 境での"深い感動の喚起" や"深 い癒 し"の 「軌 の実現",映情学技軌 深 い感性のテクノロジー研 究全姿札 pp.13-16,(2003.7). 5)窮 鼠英信 :"生理学",文光 軌 (2002.3). 6)響 学 ・'"新 .電気音響再生論のポイ ン ト 自由空 間-の菅の吐き出 し", ラジオ技術 1月号 ,(2005.1). 7)石川智治 ,宮原観 :" 「深 い感動 を再現」の評価 を得 た芸大でのデモ シ ステム ExtraHISystem M "映情学技報 ,深 い感性のテ クノロジー時 限研 究全姿札 pp.1-8(2004.1). 8)堀哲郎 :"胸 と情動 一感情のメカニズムー",共立出晩 (1991.9), 石 川 い しかわ

智治

と もは る 1995年 ,神奈川 工科大学工学部情 報 工学科卒菜.1997年,北陸先端大情報科学研究科博士前 期課程7.2001年,同大学博士後期視程了.現在,高品 位 AudoViu.信 号処理の研究 を基盤 として深 い癒 しi- sa1 の研究に従事.博士 (晴報科学).正会員. 手こと 宮 原 み やは ち

1964年,東京工菜大学工学部電子工 学科卒業.1966年,同大大学院修士課程了.同年,NHK 入局,1968年, 同研究所テ レビ研 究部.1978年,長 岡 技科大助教授,1987年, 同大学教授. この間 1983年, UC, vs客員数枚Da i (1年間) .1992年,北陸先端大教 授.1997年,学振未来開拓事業 ・未来映像 ・音響創造研 究代表 .工学博士.正会見 映像情報 メデ ィア学会誌 Vo160,No.3 (2006)

参照

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