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歯学部歯学科5年生 統合科目I

口腔腫瘍の基礎と臨床

口腔がんの画像診断

2018年4月13日(金)3限

顎顔面放射線学分野

孝文

http://www.dent.niigata-u.ac.jp/radiology/handout/

画像診断とは?

• 電離放射線や超音波、核磁気共鳴現象、放射

線同位元素などを利用して、生体の内部構造

を画像として視覚的に表現し、疾患の診断を

行う医療技術

• モダリティ:

• 単純エックス線(パノラマエックス線など) • 超音波検査(US、エコー) • CT、歯科用コーンビームCT(CBCT) • 磁気共鳴画像法(MRI) • 陽電子放射断層撮影法(PET)、PET/CT

口腔癌の疫学

• 口腔領域に発生する悪性腫瘍の約90%以上は、病理組織 学的には扁平上皮癌である。そのほかには、小唾液腺に由 来する粘表皮癌や腺様嚢胞癌などの腺系癌、肉腫、悪性リ ンパ腫、悪性黒色腫、転移性癌などがある。 • 口腔扁平上皮癌は口腔粘膜を母地として、舌(前方2/3)、頬 粘膜、上下顎歯肉、硬口蓋、口底に発生したものであるが、 口唇と中咽頭(口峡咽頭)を含める場合もある。さらに、上下 咽頭、上顎洞、鼻腔、喉頭、唾液腺などを含めた場合には、 頭頸部扁平上皮癌と表現される。中咽頭には、舌根(舌後 方1/3)、軟口蓋、扁桃、口蓋弓が含まれる。 • 口腔扁平上皮癌の罹患患者数は全癌の1%程度を占めると され、最も多いのが舌癌で60%程度、次に下顎歯肉癌、口 底、頬粘膜でいずれも10%前後、さらに上顎歯肉、硬口蓋 が続く。

口腔癌の病期分類

• 悪性腫瘍は、その臨床所見から病期分類が行われる。 その目的は、①情報共有のため施設間での統一性を はかる、②治療方針決定の材料とする、③予後予測を 行う、④治療成績の比較を行う、ことにある。

• 一般的には、UICC(Union Internationale Contre le Cancer[英語ではInternational Union Against Cancer ]:国際対がん連合)のTNM分類に従って表現する。腫 瘍の部位ごとに設定され、原発腫瘍の大きさ(T)、所属 リンパ節転移(N)、遠隔転移(M)の三要素で病期を決 定するものである。判定にあたり、視診・触診に加えて 画像診断の利用も記載されている。

UICCによる口腔癌の分類

T:原発腫瘍

TX 原発腫瘍の評価が不可能 T0 原発腫瘍を認めない Tis 上皮内癌 T1 最大径が2cm以下でDOI(depth of invasion*)が5mm以下 T2 最大径が2cm以下であるがDOIが5mmを超えて10mm以下 または最大径が2cmを超えるが4cm以下でDOIが10mm以下 T3 最大径が2cmを超えるかまたはDOIが10mmを超える T4a 皮質骨を超えた骨浸潤**ないし上顎洞ないし顔面皮膚への浸潤 T4b 咀嚼筋隙、翼状突起ないし頭蓋底への浸潤、および/または内頸動脈 を全周性に取り囲む * 腫瘍周囲の正常粘膜により定義される平面からの浸潤の深さであり、腫瘍の 厚みとは区別されるべきとされる(AJCC Cancer Staging Manual 8th Edition, 2017)

**歯肉原発病変で骨及び歯槽の表在性浸潤の場合にはT4aと評価しない (TNM Classification of Malignant Tumors 8th Ed. 2017)

UICCによる口腔癌の分類

N:所属リンパ節(頸部リンパ節)

NX 所属リンパ節転移の評価が不可能 N0 転移なし N1 節外進展のない同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下 N2a 節外進展のない同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmを超えるが 6cm以下 N2b 節外進展のない同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下 N2c 節外進展のない両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下 N3a 最大径が6cmを超える節外進展のない単発性のリンパ節転移 N3b 臨床的節外進展*がある単発性あるいは多発性のリンパ節転移 *皮膚浸潤、深部にある筋肉や隣接構造物に及ぶ深部固着を伴う軟組織浸潤、 神経浸潤の臨床症状が存在する場合に臨床的節外進展と分類する (正中は同側とする)

(2)

頸部リンパ節転移の画像診断の意義

1. 口腔癌の治療方法や成績は、

頸部リンパ

節転移の有無に大きく依存

する。

2. リンパ節転移の正確な診断は、

治療方針を

決定する上で極めて重要

である。

3. 触診で検出し得ない転移リンパ節の検出に

おいて、

画像診断の果たす役割は大きい。

1.オトガイ下リンパ節 level IA 2.顎下リンパ節 level IB 3.深頸リンパ節-外側群- 1)上内深頸リンパ節 level IIA・B 2)中内深頸リンパ節 level III 3)下内深頸リンパ節 level IV 4)副神経リンパ節 level VA 5)鎖骨上窩リンパ節 level VB 4.その他のリンパ節 1)耳下腺リンパ節 2)浅頸リンパ節 3)深頸リンパ節-正中群-

頸部リンパ節の名称と分類

頸部リンパ節の分布図

頸部リンパ節の名称と分類

(日本癌治療学会リンパ節規約より)

1.

オトガイ下リンパ節

submental nodes

• 広頸筋と顎舌骨筋の間で下顎骨、舌骨、顎二

腹筋前腹に囲まれた部位のリンパ節

2.

顎下リンパ節

submandibular nodes (

SMLN

)

• 広頸筋と顎舌骨筋との間で下顎骨と顎二腹

筋の前腹と後腹に囲まれた部位のリンパ節

3.深頸リンパ節 -外側群- 1)上内深頸リンパ節(上内頸静脈リンパ節) superior internal jugular nodes (SIJN) , superior deep cervical nodes,

jugulo-digastric nodes

• 顎二腹筋の後腹の高さで内頸静脈に沿ったリン パ節(上限は顎二腹筋の後ろにある)

2)中内深頸リンパ節(中内頸静脈リンパ節) middle internal jugular node (MIJN) , middle deep cervical nodes,

jugulo-omohyoid nodes

• 肩甲舌骨筋上腹の高さで内頸静脈周囲に存在 するリンパ節

3)下内深頸リンパ節(下内頸静脈リンパ節) inferior internal jugular nodes (IIJN) , inferior deep cervical nodes

• 肩甲舌骨筋下腹の高さで内頸静脈周囲に存在する リンパ節(静脈角リンパ節も含まれる)

4)副神経リンパ節spinal accessory nodes

• 副神経に沿ったリンパ節。僧帽筋の前縁より前にあ る。上方では深頸リンパ節と区別できない

5)鎖骨上窩リンパ節supraclavicular nodes

• 鎖骨上窩にあるあるリンパ節で、内側群は下内深頸 リンパ節とし、外側群を鎖骨上窩リンパ節とする

(3)

UICCによる口腔癌の分類

M:遠隔転移

MX 遠隔転移の評価が不可能 M0 遠隔転移なし M1 遠隔転移あり

病期(Stage)分類

Stage 0 Tis N0 M0 Stage I T1 N0 M0 Stage II T2 N0 M0 Stage III T3 N0 M0 T1, T2, T3 N1 M0 Stage IVA T4a N0, N1 M0 T1, T2, T3, T4a N2 M0 Stage IVB すべてのT N3 M0 T4b すべてのN M0 Stage IVC すべてのT すべてのN M1

口腔の悪性腫瘍(扁平上皮癌)

原発巣の診断

• 口腔扁平上皮癌は視診と触診で検出されやすく、 生検も容易なため、早期に病理診断が得られる。し かし、初期の舌癌や口底癌であっても、正確な治療 のための進展範囲の評価や予後の推定において、 MRIやCT、超音波診断(US)などの画像診断は有 用であり、腫瘍進展が隣接組織に及んだ場合には、 画像診断は必須となる。 • 上下顎歯肉癌や硬口蓋癌では、初期から顎骨に浸 潤する傾向があり、骨の高精細な三次元的評価法 が必要となる。 • 特に下顎歯肉癌における骨吸収型の評価は、病期 決定や手術法の選択に関係し、虫食い型の骨吸収 は予後が悪いとされている。 • 上顎歯肉癌や硬口蓋癌では、鼻腔や上顎洞、眼窩、 側頭下窩や頭蓋底への進展の評価が必須である。 また、まれに顎骨中心性に扁平上皮癌が生じること もあり、画像診断で偶然発見される場合がある。 • 近年、PET/CTが悪性腫瘍の診断に多用されるよう になった。F-18 fluorodeoxyglucose(18F-FDG)が 核種として使われることが多く、腫瘍の亢進した糖代 謝を反映して高集積となる。原発巣の治療効果判定 や再発診断に加えて、遠隔転移検索や重複癌検出 などに有用である。

口腔の悪性腫瘍(扁平上皮癌)

リンパ節転移の診断

• リンパ行性転移の場合、癌細胞は原発巣からリンパ流を介し て、輸入リンパ管からリンパ節に流入する。初期段階では、リ ンパ節の被膜下や辺縁洞で腫瘍が増殖して徐々に大きくなり、 最終的にはリンパ節全体が腫瘍で占拠され、転移リンパ節の 形態は楕円体から球体に近づく。 • 画像分解能に満たない微小転移巣も考慮すると、画像診断で すべての転移リンパ節を検出することは不可能である。CT、 MRI、USともに、リンパ節内部に中心壊死が認められる場合 には、大きさに関わらず転移をほぼ確定しうる。 • 造影CTや造影MRIでは、リンパ節辺縁部が線状に強く造影さ れ、内部の壊死領域が低濃度もしくは低信号として描出される ため、rim-enhancementなどと表現される。また造影されない 壊死領域等はfocal defectと呼ばれる。 • USでは、リンパ節内部が不均一となり、不定形の無エコー 域や高エコー域、あるいはこれらの混在が認められる場合 がある。超音波ドプラではリンパ節内部の血管走行の異常 や血流信号の欠損、リンパ節辺縁部の血流信号の出現が 認められる。また、リンパ門の変形・消失が転移の判定に 役立つ場合もある。超音波ドプラではリンパ門に血流信号 が検出されるため、 • このような微細な変化がとらえやすい。一方、リンパ節内部 にこのような所見が明瞭には認められない場合、リンパ節 の短径について、CTやMRIでは10 mm以上、USでは6~8 mm以上の場合に転移とする基準が多く受け入れられてい る。しかし炎症性腫大を考慮すると、この基準ではかなりの 偽陽性が避けられない。この基準を越えていても、全体の 形態が細長く、リンパ門が明瞭に認められる場合には、転 移とは判定できない。 • また、転移巣の増大に伴ってリンパ節は球体に近づくこと から、長径と短径の比率が1に近いほど転移リンパ節であ る確率が高いこととなり、診断の参考となる。PET/CTも高 い診断精度を示すが、短径10 mm未満のリンパ節に課題 を残している。 • 原発巣の治療後にリンパ節転移が顕在化することを後発 リンパ節転移と呼ぶ。画像で検出不能な微小転移巣が潜 在的に存在していたものであり、舌癌では原発巣の外科 的切除術後2~4割程度の症例に出現するため、予防的 郭清術を行わない場合には、術後の定期的な経過観察が 重要となる。一般的に経過観察に適する画像診断法は、 非侵襲的で検査費用の安価なUSとされ、原発巣治療後1 年程度までの間は少なくとも1か月に1回程度の頻度の経 過観察が提唱されている。ただし、USでは評価困難な部 位にリンパ節転移が生じる場合もあるため、CTやMRIも 適宜施行する必要がある。

(4)

• 腫瘍からのリンパ流を最初に受けるリンパ節をセンチネル リンパ節(sentinel node)とよび、腫瘍がリンパ行性に転移 する場合には、まずこのリンパ節から転移が生じるという 概念が存在する。これによれば、センチネルリンパ節に転 移のない症例はリンパ節転移を生じていないと判断され、 不要な郭清術を避けることが可能となる。今後は画像診断 法の進歩に伴い、さまざまなセンチネルリンパ節の検出法 が展開されることが期待される。

遠隔転移の診断

• 口腔癌で最も高頻度にみられる遠隔転移は肺転移であり、 胸部エックス線画像が最も頻繁に利用され、追加検査として CTが用いられる。近年ではPET/CTの高い有用性が認めら れ、検査が一般的に行われるようになった。

口腔の悪性腫瘍(腺系の癌)

粘表皮癌(mucoepidermoid carcinoma)と

腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma) • 小唾液腺に発生した粘表皮癌は、口腔扁平上皮癌と 類似の画像所見を呈することが多いが、顎骨中心性 に発育する場合もあり、初期には嚢胞と誤診されるこ ともある。 • 腺様嚢胞癌は比較的緩慢な発育を示すものの、周囲 組織への浸潤性が強い腫瘍とされ、神経に沿った浸 潤を生じやすく、三叉神経などを介した頭蓋内進展を 来たすことがある。そのため、画像診断では注意深 い観察が必要となる。特にMRIは、神経走行領域の 異常や咀嚼筋の変化に敏感であり、有用性が高い。

PET (positron emission tomography)

• PETは、陽電子を放出する放射性薬剤を体内

に投与して検査する撮影法である。

• 陽電子は陰電子と結合して消滅し、電子対の全

質量に相当するエネルギーが互いに反対方向

に放射される2個の光子に変わる。この一対の

消滅放射線を同時計測して、RIの取り込み部位

を断層像として描出するものである。

• 最も多く使われている臨床検査薬は

18

F-FDG(

18

F-フルオロデオキシグルコース、2-fluoro

[

18

F]-2-deoxyglucose)である。

PETの原理

原子核 p→n+β++ν • 陽電子を放出する放射性同位元素(positron核種)か ら放出された陽電子が、近くの電子と結合して消滅し、 180度正反対の方向に放出されたガンマ線を検出する e- 消滅放射線511keV 消滅放射線511keV

PET(続き)

• 細胞は増殖速度が速いものほどより多くのエネルギー を必要とするため、癌細胞はより多くのFDGを取り込 む。 • 取り込まれたFDGは糖代謝を受けず細胞内にとどまり (メタボリックトラッピングといわれる)、その集積の程度 はブドウ糖代謝を反映することとなる。 • PETの口腔癌における有用性としては、病期診断(リ ンパ節転移・遠隔転移など)、悪性度診断、治療効果 判定、再発診断などが挙げられる。特にCTやMRIでの 検出が困難な再発やリンパ節転移、遠隔転移や重複 癌の有無などの全身検索にきわめて有効である。

PET(続き)

• 非癌組織においても集積が見られる点は読影の際 に要注意であり、大唾液腺や扁桃などのリンパ組織 の生理的集積や、骨髄炎などの炎症性病変は偽陽 性となる。 • 検出可能な容積の癌組織が存在しても組織型や、 癌の生物学的特性によって集積が有意でなく偽陰性 となる場合もある。 • このため、特に原発巣と頸部所属リンパ節における PETの読影のポイントとしては、より空間分解能の 高いCTやMRI、エコーをあくまで基本として詳細に 読影し、判断に迷う場合にPETによる付加的な情報 で確認するという手順が望ましい。

(5)

PET(続き)

SUV(Standardized uptake value)は、投与したRIが 全身に均一に分布したと想定した場合の値を1として、 目的とする領域の放射能濃度がその何倍であるかを 半定量的に数値化したものである。  悪性度の高い病変がより大きい値を示す場合が多く、 SUV値が良悪性の鑑別や治療効果の評価に役立つ 場合があるが、異なる装置や施設間の相互比較は厳 密には困難とされている。 PET/CTはPETとCTを同一装置で撮影する手法であ り、解剖学的な位置の同定が容易となる。今後は FDG以外のイメージング製剤の利用による診断精度 の向上も期待される。

MRI (Magnetic Resonance Imaging)

• MRIは軟組織コントラストに優れた任意の断面画像 を得られることから、口腔癌の画像診断の中核とし ての位置にあり、主として原発巣の進展範囲と頸部 所属リンパ節転移の評価に用いられる。 • T1強調像、T2強調像をはじめとする多様なシークエ ンスを用いることによって情報量を増やすことができ るが、同時に様々なアーチファクトにも精通して誤診 に注意する必要がある。 • 最近では、水分子拡散を画像化する拡散強調画像 が日常的に利用されるようになった。腫瘍の診断で は原則として経静脈的造影が必要となる。

MRI(続き)

• 一般的に扁平上皮癌は、T1強調像で隣接する筋組 織と同等の比較的低い信号強度を呈し、脂肪抑制 T2強調像ではリンパ組織と同等からやや低い程度 の不均一な比較的高信号を呈する。腫瘍内部の壊 死や嚢胞状化を生じた部分は高信号を呈し、線維化 や角化など水分に乏しい部分は低信号となる。 • 造影後には腫瘍は新生血管と造影剤の血管外細胞 外腔への移行などにより周囲組織よりも信号強度が 上昇しその範囲が明瞭化するが、内部構造が複雑 である場合が多いため、造影のされ方は一般に不均 一である。

MRI(続き)

• ダイナミックMRIは造影剤投与後の信号強度の経時 的変化を追跡する手法であり、血行動態や進展範囲 の把握に有効である。 • 拡散強調画像では、得られる生体の拡散係数は、水 分子の真の拡散にボクセル内の毛細血管による微 小灌流の影響が加わるため、見かけの拡散係数(

Apparent diffusion coefficient, ADC)と呼ばれる。 • ADC 値が高い場合は水分子の拡散が大きいことを 意味し、拡散強調画像では低信号を示す。一方、低 ADC値は、水分子の拡散が小さいことを意味し、拡 散強調画像では高信号を示す。

MRI(続き)

• 一般に悪性腫瘍は細胞径が大きく細胞密度が高いた め、細胞外腔が狭小化し水分子の拡散が制限され、 ADC値は低下し、拡散強調画像で高信号を呈すると されている。 • MRIは一般にCTよりも歯科用金属による影響は少な いといえるが、磁性体金属により顕著なアーチファクト で画像化できない場合もある。また撮影時間が長い ためCTよりも患者の動きによるアーチファクトを受け やすい。

CT (Computed Tomography)

• CTは生体のエックス線吸収係数を画像化したもの であり、多方向からの収集データにより断層画像を 得る手法である。最近の装置では検出器の64列、 128列、320列などの多列化が進み、体軸方向の データが緻密となり等方ボクセルによる撮影が日 常的に可能となっている。 • 単純CTでは軟組織コントラストが不足するため、 造影剤非適応の症例を除いて口腔癌の診断には 経静脈的造影が必須となる。MRIと同様に造影後 には腫瘍は周囲組織よりも濃度が上昇しその範囲 が明瞭化するが、内部の造影のされ方は一般に 不均一である。

(6)

CT(続き)

• 特に転移リンパ節では、中心壊死に伴いリン

パ節辺縁部が造影され(

rim-enhancement

)、

内部に造影されない低濃度の領域(

focal

defect

)がみられるのが典型的であるが、転移

巣の占拠範囲や組織型により多彩であり、明

確な所見を呈さない場合も少なくない。

• 口腔癌では、手術に際し顎骨浸潤や歯と歯周

組織に関する高精細な画像が必要となるため

、骨関数アルゴリズムによる多断面再構成(

MPR)画像などのボリュームデータ処理が必

須である。

CT(続き)

• 歯科用コーンビームCT(CBCT)は撮影範囲

を限定し患者被曝線量を低減させ硬組織に

特化した

CTであり、一般的なCTよりも高分

解能であるが、軟組織コントラストが更に不

足するため口腔癌の診断には向かない。

• また一般にCTは、MRIと比較し歯科用金属

によるアーチファクトにより原発巣を評価でき

ない場合が多い。

超音波検査

(Ultrasonography, US)

口腔癌診療において、超音波検査は頸部リンパ

節転移診断に利用される場合が多い。原発巣の

局在部位によってはその深達度や範囲の評価に

も利用される。

1)原発巣の深達度評価

• 舌や口底、頬粘膜などに生じた比較的小さな癌では、 術中用の小型プローブを使用した口腔内走査により、 原発巣の深達度や範囲の評価が可能である。 • 癌が大きく舌根部や咽頭などの周囲組織に進展した 場合には、その全体像を把握することは困難である。

超音波検査(続き)

• 一般に粘膜に生じた扁平上皮癌は、粘膜上

皮層と連続性を有する低エコー域として描出

され、ドプラでは深部辺縁を中心として腫瘍

内部に広がる樹枝状の血流が認められる。

• 適切な厚み(3mm程度)の高分子音響カップ

リング材を介在させて走査を行うと、粘膜上

皮層、粘膜下層、固有筋層を区別して描出

することが可能であるため、腫瘍の深達度

の正確な評価には、音響カップリング材の利

用が望ましい。

7-13MHzホッケースティック型 術中用プローブ 厚み3mmの高分子音響カップリング材 舌中隔 粘膜下結合組織層 粘膜上皮層 筋層 粘膜表面 高分子音響カップリング材 舌側縁の正常超音波像(左:ドプラ・右:Bモード) 横断像

(7)

高分子音響カップリング材を併用した舌癌の口腔内超音波像 高分子音響カップリング材 粘膜表面 粘膜上皮層 Depth of invasion 粘膜下結合組織層 筋層 癌 横断像

超音波検査(続き)

2)頸部リンパ節転移診断 • 口腔癌が転移する可能性のある頸部所属リンパ節の ほとんどはエコーでカバーできる。 • 通常、正常なリンパ節は境界明瞭で辺縁整な低エコー のソラマメ状の形態を呈し、門と呼ばれる周囲脂肪組 織と連続した高エコーの陥凹を有する場合が多く、ドプ ラでは門を中心としリンパ節実質部分に連続する樹枝 状の血流がみられることが多い。 • リンパ節の大きさの評価は、リンパ節全体を楕円体に 模して三次元的な軸径(上下径・前後径・左右径)のう ち最長のものを長径、最短のものを短径と称し、特に 短径がリンパ節の病的変化に対して鋭敏である。 5mm 門から連続する樹枝 状の血流がみられる (hilar pattern) 門

リンパ節の長径・短径の定義と計測

左右径 上下 径 リンパ節は一般に楕円体に模すことがで きる。その場合の三次元軸径(上下径・左 右径・前後径)のうち、最長のものを長 径、最短のものを短径と呼ぶこととする。 リンパ門(hilum)が認められる場合,これ を含めて楕円体に模して計測する。 縦断像 横断像 長径 短径 短径 門 門

超音波検査(続き)

• エコーでの転移陽性判定基準としては、大きさ・形態 や内部エコーの異常で表現される場合が多い。 • 前者では短径で6~8mmが目安とされ、長径と短径 の比や門の形態が参考になる。後者では中心壊死に 伴う嚢胞状化による無エコー域と、角化等に伴う高エ コー域があり、通常はこれらが様々な程度で混在し不 均一となる場合が典型的であるが、内部エコーの病 的所見として検出できない場合もある。 • また画像分解能に満たない微小転移巣も存在するた め、一定の偽陰性は避けられない。

超音波検査(続き)

• ドプラ法は血流を画像化したものであり、これを併用す ると血管走行の不整や欠損、リンパ節辺縁部の血流信 号の出現などがみられ、診断精度が向上することが報 告されている。 • またエラストグラフィを併用すると硬さの情報が得られ るため、診断精度の向上が期待できる。 • 後発リンパ節転移は、画像で検出不可能な微小転移 巣が潜在的に存在していたものであり、N0症例におけ る画像診断の感度は十分なものではない。この検出の ためのエコーによる経過観察として、原発巣治療後1か 月に1回程度の頻度の検査が推奨されている。

(8)

超音波検査(続き)

• 転移リンパ節の経時的変化としては、リンパ節

の一部が膨大し門が圧排され血流が不整化し、

転移腫瘍巣が大きくなるにつれて特に短径が増

大しリンパ節全体の形態は球形に近づき、腫瘍

内部や辺縁部に不定な血流がみられるようにな

る。

• エラストグラフィは組織の硬さを表す弾性係数を

画像化したもので、現在臨床で利用されている

ものは歪みを用いた手法(

Strain elastography)

と、せん断弾性波を用いた手法(Shear wave

elastography)に大別される。

転移リンパ節の経時的変化の概念図

転移腫瘍巣

超音波組織弾性イメージング

(超音波エラストグラフィ)

• 硬さをあらわす組織固有の物理量: 弾性係数(ヤング率) • 目的:弾性係数の定量化・画像化 • 手法: 1. 歪みを用いた手法(Strain elastography)

2. せん断弾性波を用いた手法(Shear wave elastography)

Ultrasonography 2014; 33(2): 75-82. http://dx.doi.org/10.14366/usg.13025

Strain elastography

• 探触子の用手圧迫による加圧などの前後にお

ける画像フレームを比較することで、変形により

生じた組織の各部位の変位分布を求める手法

である。

• 探触子の接触面とほぼ垂直方向にごくわずかな

加圧を行うと、超音波パルスの伝搬方向と平行

な成分が大部分となる偏位が生じ、組織変形は

一次元バネモデルで近似可能と判断される。

E=σ/ε

E: 弾性係数(ヤング率) σ: 応力 ε:歪み

• 局所の歪みは変位を軸方向に微分することで得ら れ、生体内の応力分布を一様と仮定すれば、弾性 係数が大きく硬い部分は歪みが小さくなることから 、歪みは相対的な硬さを表すこととなる。 • 各部の変位分布を計測してその空間微分をとるこ とで歪みの分布を得、歪みの平均値を算出して平 均より大きい歪みを赤、平均的な歪みを緑、平均 より小さい歪みを青でマッピングしてBモード画像 上に半透明化して重ねることで、リアルタイムのエ ラストグラフィ画像を得ている。

Shear wave elastography

• 生体組織内にせん断弾性波を発生させ、その伝搬速度 から弾性値を算出し、組織弾性を評価する手法である。 通常の超音波診断に用いられる疎密波は縦波(進行方 向と振動方向が平行)であり、生体内を1,500[m/s]で 伝搬するが、せん断弾性波は進行方向と振動方向が 垂直な横波であり、生体内を1~10[m/s]で伝搬する。 E≃3G=3ρ・Cs2 • ただし、E:弾性係数、G:剛性率、ρ:組織密度、Cs:せ ん断弾性波伝搬速度 • 生体内の組織密度を一定と仮定すると、弾性係数が大 きく硬い部分は、せん断弾性波伝搬速度が大きくなる。

参照

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N2b 同側の多発性リンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし N2c 両側または対側のリンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし

N2b 同側の多発性リンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし N2c 両側または対側のリンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし N3a

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