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人工知能 の発展とコンピュータ支援診断の開発 東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学 / 予防医学講座 林直人 Computational Diagnostic Radiology and Preventive Medicine, University of Tokyo Hospital 1

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Academic year: 2021

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会場

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日目 共催:株式会社ジェイマックシステム/イーサイトヘルスケア株式会社

“人工知能”の発展とコンピュータ支援診断の開発

1月29日(日) 8: 20~8: 50 座長:松尾義朋(イーサイトヘルスケア) 林 直人(東京大学) モーニングセミナー

(2)

“人工知能”の発展とコンピュータ支援診断の開発

東京大学医学部附属病院

コンピュータ画像診断学/予防医学講座

林直人

(3)

“人工知能 Artificial Intelligence AI”の発展

人工知能の定義、AI効果

人工知能のレベル

強いAI, 弱いAI

ムーアの法則

技術的特異点 Singularity

(4)

“人工知能”?

そもそも“知能”を定義できるか?

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

知能には種々の定義があるが、比較的広く受け入れられてい

るものを類型化すると、次の六つに大別される。

(1)抽象的思考力を重視するもの

(2)学習する能力とみなすもの

(3)新しい環境に対する適応性を強調するもの

(4)包括的に定義しようとするもの

(5)操作的定義

(6)情報処理の能力

(5)

AI効果

かつては人工知能と呼ばれていたが、実用化され、ひとつの分野を構成

すると、人工知能と呼ばれなくなること。

多くの人はその原理がわかってしまうと、「これは知能ではない」と思うの

である。

例:音声認識、文字認識、自然言語処理(かな漢字変換や翻訳)、ゲーム

(将棋や囲碁)、検索エンジンなど。

出典:「人工知能は人間を超えるか」松尾豊

(6)

人工知能のレベル

レベル1:単純な制御プログラム

エアコンや掃除機、洗濯機などの家電で人工知能と言っているもの

レベル2:古典的な人工知能

将棋のプログラムや掃除ロボット、エキスパートシステムなど

レベル3:機械学習を取り入れた人工知能(1990年代~)

 与えられた特徴量をもとにデータから学習する

例:検索エンジン、迷惑メール振り分けなど

レベル4:深層学習を取り入れた人工知能

 特徴量自体を学習する

(出典: 松尾豊 「人工知能は人間を超えるか」2015年)

(7)

強いAI 弱いAI

汎用AI(強いAI、artificial general intelligence (AGI)):

ドラえもん、鉄腕アトム、ターミネーター

→「人と同じような知性を持った機械」、常識的判断可能

専用AI(弱いAI):

高度な計算、チェスをする、顔認識、文字認識、CAD

→ タスクごとのプログラミングが必要

(8)

ムーアの法則

By shigeru23 [GFDL (

http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html

) or CC BY-SA 3.0

(

http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0

)], via Wikimedia Commons

ICのトランジスタ数が

約2年ごとに倍になる

(9)

Moore’s Law

the Fifth Paradigm

By Courtesy of Ray Kurzweil and Kurzweil Technologies, Inc.

(en:Image:PPTMooresLawai.jpg) [CC BY 1.0

(http://creativecommons.org/licenses/by /1.0)], via Wikimedia Commons

(10)

脳容積から見るヒトの情報処理能力の発達

現代人

1500ml

原人

750ml (250万年前)

チンパンジー

350-400ml (700万年前に分岐)

人類は約250万年で情報処理能力が倍増

一方、コンピュータは2.5年で倍増

 100万倍のスピードで発達!

(11)

$1000パソコン計算速度の発展

$1000パソコン

ヒト

(12)

Singularity 技術的特異点

技術的特異点

は、汎用人工知能や人間の知能増幅が可能とな

ったときに起こるとされている出来事であり、ひとたび優れた知

性が創造された後、再帰的に更に優れた知性が創造され、人

間の想像力が及ばない超越的な知性が誕生するという仮説で

ある。

人工知能

が自分よりも優れた人工知能を作るというサイクルに

より加速度的に発達し、それによって他の技術革新も加速度的

に進展する。

2014

年の映画 TranscendenceはSingularityを扱っている。

(13)

コンピュータ支援診断(Computer-assisted

diagnosis/detection, CAD)の開発

 放射線画像の増加

 脳動脈瘤の検出成績

 CADの用語

 CADの問題点

 CADソフトウェアの仕組み

 学習について

 データについて

 CIRCUS

(14)

放射線画像の急速な増加

1895年

RöntgenによるX線の発見

1972年

CTの発明

1983年

MRI臨床機

1986年

ヘリカルCT

1998年

4列MDCT

2000年頃

PACS

2012年

320列MDCT

 画像数の増加!

(15)

臨床現場の脳動脈瘤の検出感度

読影医単独

感度 65%, 特異度 99%

CAD単独

感度 82%, 特異度 NA

読影医+CAD

感度 69%, 特異度 99%

(ただし対象となる脳動脈瘤は2mm以上)

Miki S, et al. AJNR 2016

(16)

CADの用語

 機械学習: 病変の特徴量を用いて多数のデータで識別器を教育する

 特徴量: 観察対象の測定可能な濃度、辺縁形状、大きさなどの性質

(特徴量は、CADの成功の成否やその性能に直結する)

 深層学習(deep learning) : 多層のニューラルネットワーク

(特徴量自体をデータから学習可能)

(17)

現在のCADの問題点

CADの現在の定義:医用画像に対して、コンピュータで定量的に解析された

結果を「第2の意見」として利用する「医師による診断」

「医用画像のためのコンピュータ支援診断システムの開発の現状と将来」

2003 藤田広志.

推奨されているCAD利用法

1)まずCADなしで読影

2)次にCADを参照して読影

3)最終読影結果は医師の責任

医師だけの読影より、必ず時間が延長する!

(18)

CADソフトウェアの流れ

preprocessing 前処理

segmentation 領域抽出

candidate detection 病変候補抽出

feature extraction 特徴量抽出

classification 分類 機械学習

system output 結果出力

(19)

胸部CTにおける肺結節検出CAD (1)

1)肺野領域の抽出

2)3次元形状解析で病変候補領域

抽出(球場に近い形状を抽出)

3)各病変候補の特徴量計算、陽性

と偽陽性を識別

4)結果

出力

(20)

胸部CTにおける肺結節検出CAD (2)

1)肺野領域の抽出

2)3次元形状解析で病変候補領域

抽出(球場に近い形状を抽出)

3)各病変候補の特徴量計算、陽性

と偽陽性を識別

4)結果

出力

(21)

胸部CTにおける肺結節検出CAD (3)

1)肺野領域の抽出

2)3次元形状解析で病変候補領域

抽出(球場に近い形状を抽出)

3)各病変候補の特徴量計算、陽性

と偽陽性を識別

4)結果

出力

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(22)

胸部CTにおける肺結節検出CAD (4)

1)肺野領域の抽出

2)3次元形状解析で病変候補領域

抽出(球場に近い形状を抽出)

3)各病変候補の特徴量計算、陽性

と偽陽性を識別

4)結果出力

(23)

識別器の学習

1)識別境界を正しく決定するた

めには多数の学習用データ

が必要

2)識別器は学習データに依存

する

 開発に使用したデー

タに最適化されている

3)異なるデータに対して同じ成

績が出る保証はない(機種、

撮像法、母集団に依存する)

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過学習 overfitting

1)学習データに対して、相対的に

学習モデルのパラメーターが多

い時に生じやすい

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(25)

追加学習

1)不十分なデータ数で学習し

た場合に、データを追加して

学習して識別器のモデルが

合うように調整する

Computational Diagnostic Radiology and Preventive Medicine, University of Tokyo Hospital 24

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再学習

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元データと元モデル

異なるデータ

(27)

CAD性能評価-FROC曲線

肺結節検(Lung-CAD) 脳動脈瘤検出(MRA-CAD)

2011.9.7~2012.1.31分(計5施設、Lung-CAD:3,302例、MRA-CAD:1,209例)

(28)

CAD開発ではデータが重要

CAD

の性質や性能は学習データの量と質に依存する割合が大きい

 同じ設計でもデータの違いによって性能は大きく変わる

適用対象

と異なる性質のデータで学習したCADは性能が十分に出ない

診断

できる医師でなければ、データに正しいラベルをつけることができない

(29)

大量データの問題点

 画像以外の診療情報との紐付けが困難

 教師付き学習に必要なラベル付けのコストが高い

 複数の医師がラベルをつけると基準の統一が難しい

(30)

CIRCUS

Clinical Infrastructure for Radiologic Computation of United Solutions

統合されたソリューション群による放射線医学のための臨床情報処理基盤

http://www.ut-radiology.umin.jp/ical/CIRCUS/index.html

2006年〜

(31)

CIRCUSの特徴

CIRCUS DB (database)

・学習データの効率的収集と作成

CIRCUS CS (clinical server) フリーソフトとして公開中

・日常診療でCAD ソフトウェアを使用するWebプラットフォーム

・追加学習のためのフィードバックデータ収集

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黒船はすでに来ている!

IBM Watson Elementary : 前立腺MRIの自動診断、自動報告書作成

Merge Healthcare (RIS, PACS, reporting, CADstream)

Watson

TensorFlow

(33)

Take Home Points

 まもなく人工知能の情報処理能力が人間を超える

 CAD開発ではデータが最重要

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参照

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