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江藤勝教授退任記念号の発刊に寄せて

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Academic year: 2021

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江藤勝教授退任記念号の発刊に寄せて

江藤勝教授は 2013 年 3 月に本学を定年退職されました。先生は 2002 年 4 月に経済学部お よび大学院経済学研究科の専任教員としてご着任され,本学の教育・研究活動に尽力されて きました。11 年間にわたる在職中のご貢献に対しまして,心から感謝申し上げます。 江藤先生は,九州大学法学部をご卒業後,九州大学大学院法律学研究科修士課程を 1971 年 3 月にご修了されました。そして,経済企画庁(現内閣府)に入庁され,ほぼ一貫して調査・ 研究の仕事に従事されてきました。経済企画庁では,世界経済白書や国民生活白書の執筆に も深く関わられたほか,JICA 専門家としてエジプト政府国民評議会総長顧問を 3 年間務め られました。さらに,国土庁(現国土交通省)でむつ・小川原開発計画に参画されたり,経 済企画庁の経済研究所で規制緩和や民営化の研究・分析をされるなど,経済政策の専門家と して,国内外でご活躍されてきました。 江藤先生は,1998 年 6 月に経済企画庁をご退職後,日本労働開発機構に籍を置き,引き続 き雇用問題に焦点を当て,経済政策の研究を継続されました。また,1994 年から関東学院大 学,日本女子大学,学習院大学等で非常勤講師を担当され,日本経済や規制緩和を講義され ました。そして,2002 年から本学で教鞭を執られ,「日本経済論」や「経済政策」という専門 科目のみならず,「現代経済学入門」という経済学部 1 年次の必修科目も担当されました。先 生は講義に関する詳細な資料や講義ノートを毎回用意され,学生に配付されていましたが, これは大学教員の模範とすべき姿勢であります。 江藤先生のご専門は経済政策,とくに規制改革に関する研究です。私が言うまでもなく, 経済学には大きく 2 つの流れ・立場があります。政府が経済運営に介入すべきであるという 流れと,政府の介入は余計なお世話で市場に任せておけばよいという立場です。戦後の日本 経済は,前者の立場から,政府の役割が過剰なまでに大きくなりました。そして,その介入 が経済の自立的な成長を阻害してきた面があります。政府による市場への介入を排除して, 市場の活力を取り戻すことが強く要請されてきました。小泉構造改革はまさにこの点を強調 して,規制や介入を取り除くことを目標としました。無論,無闇に規制を廃止すべきではあ りません。規制緩和による弊害もあります。江藤先生は規制改革に関して,その光と陰の両 方について深く調査・研究されてきました。その成果は 2002 年に日本評論社より刊行され た『規制改革と日本経済』に結実しております。江藤先生との会話で一番印象的だったのは, 「規制の恩恵を受けてきた既得権益者,いわゆる抵抗勢力を排除しないと日本は沈没する」と いう趣旨の一言でした。時代が必ずしもその方向に向かっていないことを,先生が一番残念 に思っておられるのではないかと思います。 退職時の送別会で江藤先生は「やり残した仕事をきちんと片付けておきたい」とお話にな ― 3 ―

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っておられました。同時に,国外中期研究員として 2008 年から 1 年間英国に滞在された際, 体調を崩された,とのお話もされておりました。健康にはくれぐれもご留意されながら,こ れからも末永く研究を続けられ,ご活躍されることをお祈りしております。 2013 年 10 月 経済学部長 浜野忠司 江藤勝教授退任記念号の発刊に寄せて ― 4 ―

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