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圧延H形鋼の切断に伴う残留応力の再分布とガス切断による材質の劣化 : 圧延H形鋼の残留応力と破壊靱性-その2

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(1)

【論  文

1

UDG ;624

014

2;539

219

2

    日 本 建 築 学 会 構 造系 論 文 報 告 集 第 413 号

1990 年 7 月

Jou【naL of Struct

 Constr

 Engng

 AIJ

 No

413

 July

1990

圧 延

H

形 鋼

残 留 応 力

       

材質

圧 延

H

形鋼

残 留応 力

破 壊靱 性

その

2

  

THE

 

REDISTRIBUTION

 

OF

 

RESIDUAL

 

STRESS

 

OF

 

WIDE

 

FLANGE

     

STEEL

 

SHAPES

 

BY

 

CUTTING

 

AND

 

THE

 

DETERIORATION

 

OF

     

MECHANICAL

 

PROPERTIES

 

BY

 

HEATING

OF

 

GAS

 

FLAME

On

 the residual  stress and  

the

 notch  

toughness

 of wide  

flange

 steel  shapes

part

 

2

    中

多  潔

* *

Akio

 

NAKA

 

YAMA

 and  

Kiyoshi

 

KAIVETA

In

 order to cause  the 

brittle

 

fracture

 the 

following

 three conditions  must  

be

 necessary

 i

 e

1)

developmbnt

 o{small  scale  yielding zone  at crack  tip

2initiation of brittle micro

crack

, (

3

propagation of 

brittle

 

fracuture

 

As

 mentioned  in the 

former

 paper

 the residual  stress  ol wide

f

且ange  changes  exceedingly  

by

 cutting

 especiaUy

 when  one  

flange

 of the shape  is cut 

down ,

 the

change  of residual stress shows  the maximam  value  at the web  and

plastic strain  appears  in the vicinity  of the cutting  notch  tip

 

The

 

first

 condition

1

is

 easily  satisfied  where  cracks  exist and

stress  concentration  takes place

  and the resttlt of the former paper certifies only the 

first

 con

di

口on

 

The

 

latter

 two condit めns can not 

be

 satisfied  usually

 

As

 the second  condition  is much concerned  with  materi41  property

 the authers  examined  the deterioration of materia 亘

properhes

 

by

the 

heating

 of gas 

flame.

 

We

 also  analyzed  the stress  concentration  around  the notch  tip 

by

F

E

M

 analysis  and  verified  that its result  coincided  fairly with  the experimental  one

 Kegweixts :厂oJ 甜4 即

de 

flange

厂esidual  stress

 deterz

oration  of mechanical  

ProPerties

 brittle 

fra

砌 re

1

序  前 報 (そ の 1)i) い て

,H

形 鋼切 断 残 留 応 力の変 動に 関して machine  saw を使っ た切 断法に よ り実 験を行い

H形 鋼の残 留 応 力が切 断と と もにどの よ うに変 化 する かを明ら か に し た。 この結 果

,H

形 鋼 に 存 在 する残 留 応 力が比較的 大きい場合に は, 切断に伴う 残 留 応 力は予 想 以 上に大き く

片 側フ ランジ を切 断し た 時 点で最 大の 応 力変動 を示し

ウエ ブに塑 性ひずみ が 現 れ る事が確か め ら れ た

し か し ながら

こ の実 験にお い て は切 断 途 中で か な り大きな残 留 応 力の変 動が 生 じ, 塑 性ひずみ も検 出さ れ るもの の

そ れ以上の き裂の 発生 や 破 壊 等は発 生せず

H形 鋼の切 断途中にお け る事故 例2)さ れ る脆性破 壊 発生の た め に は そ の他の条件が 必要であ ること が明ら かになっ た

こ の事故例では冬 季 の寒い環 境と ガス切 断とい う条 件のも とでの大 型

H

形 鋼 の事 故で あ り

悪い条 件が重なっ て いる。  

般に

脆性破 壊が発生す る た め に は (1) ク ラッ ク先 端で の局部塑性 域の形 成 (2) 微 小 脆 性クラ ッ ク の発 生 (3) 脆 性クラ ッ ク の伝 播 とい う

3

つ の条 件が 必 要で あり

前 報 告の結 果は上 記 (

1

)の条件を満 足した に過ぎず

(2)

3

}の 条 件 に対す る検 討が必 要で あ る。 (1 )の条 件は ク ラッ ク が 存 在し て そ こ に応 力が作用 す れ ば 切欠き部での応 力 集 中 の結 果 として局 部的な塑性変形領域が形 成さ れ る ことは 容 易に起こ り得る が,付 加 的な条 件がな い限り(2)

(3) に は移行しない の が通 常である

局 部 的な 塑性 変 形か ら 脆 性ク ラックが発 生し,伝 播し て い く た めには鋼 材 種 別

熱影 響に よ る材 質 劣 化, ロ

ル に異 方 性

予 熱

ひずみ

温度

残 留 応 力

平 面ひず み等の条 件が付 加さ

れ ね ば な ら ない

前報告で示し た H形 鋼の残 留 応 力の変 動に よっ て 切欠き部に応 力 集 中が生じ

その結 果切 欠き こ の論文の 内容

部は文献4〕

5}に発 表 済み であ る

山 大 学  教 授

工 博京 都 大 学  教 授

工 博

PrQ{

 of Fukuyama Univ

Dr

 Eng

Pref

 Qf Kyoto Univ

Dr

 Eng

(2)

部に小 規 模な降 伏 域 が 形 成 され る

この降 伏 領 域か ら脆 性ク ラック が発 生する か どうか は主に鋼材の材質の問題 で あ る

す な わ ち, こ の小 規 模 降 伏 域にお け る材質が硬 く脆い 場 合

こ のよ う な降 伏 域に お い て微 少な脆 性ク ラック が発 生す ること は容 易に想 像 がで き る

前 述の破 壊 事 故の 場 合はガス切 断によ る高 熱の影 響で切 欠 き部は 硬く脆く なっ て い る ため微 小 脆 性ク ラッ ク は容 易に発 生 す る と思わ れる。 そのた め, こ こ で は鋼 材のガス切 断に よる材 質の劣 化の程 度と ガス切 断 時にお け る残 留応 力の 変動を実験 的にか め

また残留応力が 切断にっ てど の よ うに変 動 する か とい こ と を有 限 要 素 法を用い た近 切 断 線      

50

(a >ゲ

の て付位 置 ガス切断面 切断 方向

(b)ガス切断而と切断方向 Fig

1

 ガス切 断 時の応 力測 定 〔単 位mm }       匚ト 応 力 集 中ゲ

2軸ゲ

ジ t

一 24 一

似 計算に よ り明ら かにす る

2.

実 験の概 要 2

1 試 験 体  試験 体は前報告1) と 同様

H −

414×405×18×28の

H

形 鋼 を用い

鋼 材 も同じ

SS

 41と

SM

 50A の 2種 類で あっ

その機 械 的 性 質も同じである

こ の素 材 試 験は ウエ ブの材 軸 方 向か ら1号 試 験 片 を切り出し て行っ t。 2

2 実 験 方 法  ガス切 断の場 合の応 力 測定に は

,Fig,

1にす よ うに ウエ ブ部 分の みにゲ

ジ をてん付してい る。 す

な わ ち

切 断 線直下の応 力 集中を調べ る た め , 切断線 直下に応 力 集 中ゲ

ジ をてん付し

ま た 切断 線 上の応 力 を測 定の た め

2

軸 ゲ

ジ をてん付してい る。 他のゲ

ジは前 報告の 低 速 度 切断機の場 合と同様で あ る。  ガス切断の場合は上部フ ラン ジの みを ガス動切断機 (切 断 速 度  約  2cm /sec

す な わ ち約20秒で片 側フ ランジ を切 断 〉で連 続 的に切 断し

切 断 中および切 断 終 了後の ひずみ を計 測し た。 こ の場 合ガス炎による熱の影 響 を避 けるた め

Fig

2に示 す よ うな冷 却 装 置を ウエ ブ の両 面に取り付けて

ジ周 辺の温 度が 上昇し ない よ うに し た

ま た

ジのす ぐ そ ばに熱 電対を取り付け 温度 変化も同 時に測 定し た。             切断 線 フランジ 肱 水 → 力 集中 ゲ

ジ ウこ F

ウエ ブ

ひずみ   QO5 QOL o

03 ao2 aOl Fig

2 ガス切断 時の冷 却 装 置 sec ) 【 ℃ , 0        フ ラ

ジ切断 距 離 {

:m ,   Fig

3 ガス切 断 時の ひずみ の変動と温 度上昇

(3)

Photo

 1 ガス切断面 (上 部フ ラン ジ と ウエ プクウエ ル硬さ (

D

5

4

3

2

10

0

SM

 

50A

、 、     、 、 竃

一一一

SS41

_

_

_

_一

_

_

__

__

_

_一一

Photo

2

10

     

20

 

切断線からの距離 (mm ) Fig

4 ガス切 断 線か らの硬 度の 分布 ガス ノ ッチ 底部の微 小割れ3) (エ ッ チングに よ る白い 部分 が熱 影 響 部の粗 粒 域) ガス 切 断線 Fig

5 ガス ノッチつ き試 験 片の採 取 位置 Photo」

3

 ガスノッチ か ら の 三日月状脆性 破面 3

実 験 結 果お よび 考察 3

1 ガス切 断に伴う残 留 応 力の変 動と材 質の劣 化  ガス切 断 時 におけるウエ ブ面で の材 軸 方 向ひずみ の変 動 を時 間の 経過 と と もに Fig

3 に図 示する。 ガス切 断 の場 合は熱に よ る影 響の た め

切 欠き部 近 傍にゲ

ジ を て ん付す ること が出来ず

切欠き部か ら か な り離れ た位 置で の ひずみ し か計測で き ない

。Fig.

3

は ウエブ中 心 部 か ら 70mm 離れ た点で の ひずみ の計 測結果で ある

こ の図に お い て縦 軸は ひずみ を表し, 横 軸は フランジの切 断 距 離 を 表す

machine  saw に よる切断の場 合は切断 線が ゲ

ジの て ん付位置の近くを通っ た と きにその点で の ひずみが 最 大 値 を示し た が

ガス切断のも同様の 傾 向を示し てい る

図中に熱 電 対に よ る 温 度の変 化 も 併 せ て示すが 温 度はそ れ ほ ど上が ら ない。 ガス切 断の 場 合は切 欠 き底 部が溶 融し た後 再 凝 固す る た め

材 質が か な り変 化す る と考え ら れ る

Photo

1に ガ ス切 断の場 合の切断 面を示す が

切 断 面は熱 影 響が著しい

こ の部 分の熱 影 響につ い て詳し く調べ る た め

ックウエ ル硬 さ試 験 を行っ た

。Fig.

4が その結果であ る

図中縦 軸は ロ ッ ク ウエ ル硬さ (D ス ケ

ル )で 横 軸は ガス切断 線か らの距 離で あ る。

SS

 

SM

材 共に切 断 線で の硬 さ は母 材の倍 以上 と なっ て い る

すな わち

ガス切 断 部 は硬く 脆 く なっ て いるこ と が分か る。 この ガス切 断の切 欠き 底部には

Photo.

2に示す ように微 小ク ラッ クが多 数観 察さ れる

こ の よ うな微 小ク ラックが破 壊の始 点と な る と考え ら れる。 ガス切 欠き部の材 質の劣 化 を調べ る

25

(4)

Ph(rto

 4  ガス ノ ッテ底での微 小 割れ        (Photo

3の 写真を 左 斜 め 上 か ら見 た) た め

Fig.5

に示す よ う な ガス切欠き部 を含む片ノ ッチ 付き の引張試験 片を切り出し, アム スラ

通 常引 張 試 験を行っ た。 こ の片ノッチ付き引 張 試 験では比 較 的 低 応 力で ひび割れ と想 像さ れ る音を伴っ て ク ラッ ク が進 展 する。 こ の試 験片を破断す る直前に除荷し て アム ス ラ

か ら取り出し

ノ ッ チ 方向に切 断 す る と

Photo.

3に 小 す よ うな 三 日 月 形の脆 性 破 面され るe こ の脆 性 破 面 は中 央 部で ほ ぼ 18mm

に達する

ノッチ 底に は

Photo.

4 に示す よ う な脆 性ク ラッ ク が多 数 発 生して い る

こ の よ うな微 小ク ラッ クは最も鋭い切欠きに相当 し

破 壊がこ の点か ら発 生した と考え ら れ よ う。 特に, 切断 部は前 述し た よ うに硬く脆く なっ ていて

脆 性 破 壊 が起 こ りや すい条 件が 整 っ ている

この条 件に残 留 応 力の再 配 分が加わ り

塑 性ひずみ が付加され れば冬季の低温の もとでは鋼 材の脆 性 破 壊が発 生す ること も十分考え られ る

3.

2 解  析  こ れ まで述べて き た よ うに

H

形 鋼の 残留応力の変動は 片側フランジ を切 断し て

フ ラ ンジの引 張残留 応 力を総 て解 放し た時 点で ウエ ブの 切 欠き部の 応力 集 中と あい まっ て最 大の応力が切欠き部近傍に現わ れ る

こ の残留 応 力の変 動を 以 下に示 す 簡 単 なバ ネモ デル によ り 解 析 し てみ る

解析は次の よ うな仮 定の もと に行う

(1) 材料は すべ て完全弾性体である

(2) H形 鋼の残 留 応 力は前 報11の H形 鋼切断 後の P

S 値と し て し た よ うに材 軸 方 向の応 力が主で

他の応 力 は小さいた め軸方向応 力 ax の み を考え る。 (3) H 形 鋼の切断はmachine  saw に よる場 合を想 定 し

切 断幅は 3mm と す る

こ の切 断さ れ る部 分 を Fig

6に示 す 板 要素に分割し

こ の板要 素の剛 性 をバ とする

Fig.

7の バ ネモ デル を考え る

こ の場合切断さ れ ない

H

形 鋼の両 サ イ ドは剛 体と考え る。す な わ ち

もっ

26

A 側

¢

・ ・ t 方向 要 素は ほ ぼ 実 駿 で の 対応 してい る

号 は 同 時 に 切 断 煩 序 い る

上 図のよ う に 区 画 し た 邸 分を翫 聞 積に比例 し た 剛 性 のバ に お きか え

叶 算を 行 o た

         Fig

6 H形 鋼 断 面のバネモ デル置換       Fig

7 応 力 k‘ノ開犂 105

05  

cUt

    残 留 応 力解 放の バ ネモ デル によ る模 式図      

  

_

v

_.

_

 パiモデ ル 眦 算囿       !

       ノ

      !     

Pt験硫       /      咽 し

切 断zat りL5

の 位 即      

      

    

! /

 

ブ軸 よPtSa

         

 

ノ  1       ス テ

プ   2  3  4  5  6  7  8  9 10 Fig

8

 材 軸 方 向の残 留 応 力 (as )の変動 応力 ヒ‘ん 9

105o 応 力tth

−’

tO5o 12345678910      

      ズ

     !

        ! 

   

ノ ノ     〆 !

〆 二/

 

・・プ桝 ・…       ス ラLア Fig

9 材 軸方 向の残 留応 力 ((Ut}の変 動                 !      

t

      !

         ,

:/

       

:ク

     

」ク

     

プ中 央

と り5

       

且 23456789 且 O   ス 予 ,プ Fig lO 材 軸 方 向の残 留 応 力 (av)の変 動 と も単 純な1次元の有限 要素解析である。  こ のよ うな仮 定を し た

Fig.7

の バ ネモ デル の各々 の バ ネに前 報1)で の実 験 よ る 残留 応 力断 面 応 力 と して釣 合 うよ うに初期 条件を与え た後, バ ネの

端か ら 切断 を 開 始する。 その切 断の各ステッ プに おい て各バ ネ要 素に生 じ る応 力 を求める

こ の ような手法で求め た 残 留 応 力の動 を実 験 値と ともに Figs

8

loに図 示す

(5)

且o 左に した 都 分 切断 駆 10  Le!夐 麿

一 フ ラ ンジ ウ

ブ Fig

11 解放 された 残 留 応 力の再分布 (有限 要 素 解析 〉

1 o

切 欠齠 で    

1

   

l   I

  l 

l

“ “ 汰 、 咽

N

     

丶 穐 1

… Fig

12 Fig

llの切 欠き部 近 傍の応 力分布 切J断 啌泉よ り15

0

’ r

1

  ’

o .

惚 「

Pt

    、

0

切 断 腺 よ り 65 悶

Ol1

1

      切 断 腺 , .

腸 羨誓

FF

= =     ウェ ブ ウエ ブ 中央

一一

一      

1.,

      {

.、

      :

.。

一 一

       ■

      一

1

°°

ジ 位 置 1

 

       

ri}

L・

歪 測 定 値 有 限要 素 法に       よ るも の Fig

 t3 残留 応 力 解 放に伴 うウエ ブ部の材軸 方 向 残留ひずみ の 再 分 布 る

解析値験値よ り若干 低い値 を与え る が, その傾 向は

致してい る

す な わ ち

この ような有 限 要素法に よ り 残 留 応 力の再 配分およ び その変 動 を解析す ることが 可 能で あ り

前 述した仮 定も妥 当であ る と考え られ る

こ の 方 法で は 切断さ れる要素を弾性バ と考え

こ れ を 剛体で連結して バ ネの初 期張 力 を

Jlua

次 零に し て い く こ とにな り, その影 響は他のバ ネに弾 性的に重ね合わ さ れ る ことにな る

こ の解析に よ れば

例えばフランジの引

(6)

ウ ェ ブ 切 欠

1

    囗     ー ・

1  0

es  °

ex  O

,4  °

1e °

2° # 歪 o

04   0

oB    o

L2    0

,6    

謄一

r

們      

一      

F

!       厂

     /

  /

 /

 

 

噂一

  奥 馼 デ

髄一

 有 隈 要 Fig

14 切欠き部 直 下の材 軸 方 向ひずみ の分布 張り残 留 応 力 を解 放す るこ と は, 応 力の向き を逆に し て 剛 体を両 側に押し てあ た か も剛体同士 を開口 さ せ る よう な 曲 げ を加え たの と同じ事と な り,

Flgs.

8

10の実験 結 果とも

致す る。 この た め,

H

形鋼の切 断 途 中にお け る鋼 材の破壊靱性を調べ る た めには小 サ イズの切 欠き付 き試 験 片による曲げ試験が妥 当であ ろ う

 以 上の解 析 よ り

H

形鋼を切断し て残 留応力を解放す る ことは そ の部 分に存在して いた 残留応 力 を逆 方 向に加え ることと同 じ である か ら

より詳 細な解析を行う意味で, 2次 元 有 限 要 素 法に よ る応 力解析を行っ た

解 析に用い た仮 定は前に示 し た (1 )お よび (2) と 同じである

た だ し

(3 )はこ の該 当せず, 分 割し た要 素 全 体 が弾 性体で あ る

先の バ ネモデル の計 算ではバ を切 断 す ることが結 果 と してその部 分に働い ている が残留応力 を 同 値

異符 号の外 力とし て作 用さ せ る事に等し く

新 た に加え る (解 放す る)力によ る 応力分布が変動 分 布に 相 当し

初 期 残 留応 力に そ の変動 応 力 を加え たものが 真 の存 在 応 力であ る事を示 してい る

こ のか ら有限要 素 法に よ る解 析におい て は

解 放さ れ る 残留応力を合力と して相 当 する節 点に作 用さ せ

その と き の応 力を計算し た

各節点に与え る残 留 応 力は バネモ デル に よ る解 析と 同 様 前 報の実 験 値 を用い

計 算はすべ て 2次 元の平 面 力状 態で行っ た

こ の計算で はウエ ブで の応 力変動が最 大と な る 9ス テ ップで の応 力変 動を求めてい る が

切 断 さ れた部 分で の残 留 応 力を逆向きの 外力と して用 さ せ

その時に各 点に 生 じ る応 力を求め ていて

こ の応 力 に初 期 残 留 応 力 を重ね合わ せ て はい な い。 こ の 9ス テッ プでの 動 応力の分布を

Figs.

ユ1

12に図 示する

計 算はすべ 弾 性 計 算で あ る た め

弾 性 限 応 力を越えて い る要 素もある が

実 験 値と良く

致す る

。Flg.

13には 切断線よ りOmm , 15mm , 65 mm で の圧延 方 向の ひず み分 布 を実 験 値 と と もに示 すが

解 析 値と実 験値は よ く

28

(a ) (

b

) (c ) 残留 応 力の 分 布

片 側フ ラ ン ジ半 分 切 断

片 厠フ ラ ン ジ 全 断面 切 断 Fig

15 フランジ切 断に伴う 残 留応力 (a )の再分布

て い 。 ま た

切欠き部 直下で の ひずみ分 布 を

Fig.

14に実験 値と と も に示して いる

実験値と有 限要 素 法に よる計 算 値は か な り良 好な

致を示し

,.

この解析 法の妥当 性を示して いる と考え ら れ る

 以上の解析結果よ り

H

形鋼の切断過 程に お ける残 留 応 力のして は か な りの精 度で そ の応 力 変 動 を解 析で き るもの と思わ れ る。 こ の解 析では弾 性 計 算では あ る が

残 留 応 力の解 放に伴っ てそ れ が ど の よ うに再配 分 さ れ るか に関して か な り的 確に解 析す るこ と がで き, ま た残 留 応 力を解 放す る場 合 切 断の仕方によっ て は 局部 的 に塑 性 域にはい ること も あ る とい う結論 を 導くこ と も 出 来よ う

 

す な わち, Fig

15(a)に示す

H

形 鋼の残留 応 力 分布 がフ ランジの切 断と ともに

b

お よび (cの状態へ と移 行してい くもの と判 断される。

4.

結 論 (1 > ガ ス切断の場合も同様の応 力 変 動を 生 じ るが

ガ ス炎に ょる高 熱の影 響で 切 欠き部が硬 く脆く なっ て い て

切 欠き底 部に

2− 3mm

の微 小ク ラック が多数 発 生 して い る

こ の ク ラック は溶 融か ら 凝 固の過 程で収 縮に よ り発 生した もの と考え ら れ るが

前 述の応 力 集 中に ょ り その中で クラッ ク が成長 する のもあ り

これ か ら破壊 が生じ る もの と考え ら れ る。 ガス切 欠き部を含ん だ引 張 り試 験で も切 欠き部か ら三 日月 状の脆性破面が観 察さ れ 破 壊の始 点はこ の ク ラッ ク と考えて差し支え ない,

(7)

また

ガス切 断 部 近 傍は硬 度 試験の結 果か らも破壊の りや すい状 態とな っ ている と考え ら れ る。 (2) こ の よ うな残 留 応 力の変動を説 明 する た め

簡単 なバ モ デル による解 析を行っ た が

残 留 応 力の配分 の様 子を良く近 似し て いる

こ の解 析れ ば残 留 応 力 を解 放 すること は そこ に働いてい た応 力を同 値 異 符 号に して外 力と して加える こと を意 味す る

H

形 鋼の残 留 応 力は軸 方向応 力 が 主であり 軸 方向応 力のみに着 目し て 解析して も そ れ ほ ど誤 差 を 含 まない

3

 

このバネモデル による解 析 結果 を 踏 ま えて 2次元 有限要 素法に よ り 片側フ ラ ンジを切断し た場 合の応 力 解 析を行っ た が

こ の解析 結 果は実験値と よ く

致 す

ま た

切 欠き部 近 傍で は か な りの 応 力 集中がみ ら れ そ の た め切 欠き部の 直 下で は数 mm の塑 性 域が形 成さ れ ること が確 認さ れた。 片 側フ ランジ を先に切 断 する通 常 の切 断 方 法で は切 断さ れ ない も う

方の フ ラ ンジの応力 は ほ と ん ど変わら な い ため,

Fig.

15に 示す ように フ ラ ンジ の引張り応 力に相 当 する応 力が 切欠き部に集 中し

高い応 力集中を生 じ る。 そ れ故

切 断の方 法お よ び切 断 位置に よっ て は鋼 材 が 何等 外 力を受ける事な く破 壊に至 るケ

ス も有り得る とい え よう。 特に

ガス切断の場 合 は ガス炎に よる材 質の劣化お よ び残 留 応 力の再分 配に伴 う ノッチ近傍の応 力集 中によっ て

最 悪の環 境の も とで は外 力の用 無しに破壊することも十 分 考え られ る

 

前に も 述べ た よ う

の つ い た部 材の破 壊様式 につ いて は小型試 験片に よ る付加 的な曲げ試 験が必要で あ るが

これにつ い て は次報におい て述べ る

参 考 文 献 1) 中 山 昭 夫

金 多 潔 :圧 延H形 鋼の機 械 的 切 断に伴う 残    留 応 力の変 動

圧 延H 形 鋼の残 留応 力と破壊靱 性

そ の   1, 日本建築学会構 造 系 論文報 告 集

第399号

pp

19

   1989年5月

2)藤 本 盛久 :全 溶 接 鉄 骨建 築構 造におけ る

題 点

カラ ム

   34号, pp

77

昭 和45年1月

3) 能勢二朗, 弘 瀬 智:大型圧延H形 鋼のガス切 断時の割    れ

日本 鋼 管 技 報

No

 59

 pp

41

昭和48年3月

4) 金 多 

中 山 昭 夫 ;圧 延 鋼 材の切断過程に お け る残 留   応 力の変 動につ い て (その 3)

日本 建 築 学 会近畿支部研   究報告集

pp

149 昭和51年10月

5) 中 山昭夫 :圧延 H 形 鋼の残 留 応 力 と破 壊 靱 性

日本建築   学 会 中 国 支 部 研 究 報 告 集

第15巻

pp

77

平 成 元年3   月

(1989年11月7日原 稿 受 理

1990年5月8 日採 用 決定 ) t

参照

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