【論 文
1
UDG ;624
.
014.
2;539.
219.
2日 本 建 築 学 会 構 造系 論 文 報 告 集 第 413 号
・
1990 年 7 月Jou【naL of Struct
.
Constr.
Engng,
AIJ,
No.
413,
July,
1990圧 延
H
形 鋼
の
切
断
に
伴
う
残 留 応 力
の
再
分
布
と
ガ
ス
切
断
に
よ
る
材質
の
劣
化
圧 延
H
形鋼
の残 留応 力
と破 壊靱 性
一
その2
THE
REDISTRIBUTION
OF
RESIDUAL
STRESS
OF
WIDE
FLANGE
STEEL
SHAPES
BY
CUTTING
AND
THE
DETERIORATION
OF
MECHANICAL
PROPERTIES
BY
HEATING
・
OF
GAS
FLAME
On
the residual stress andthe
notchtoughness
of wideflange
steel shapes<
part
2
>
中
山
昭
夫
*,
金
多 潔
* *Akio
NAKA
YAMA
andKiyoshi
KAIVETA
In
order to cause thebrittle
fracture
,
thefollowing
three conditions mustbe
necessary,
i.
e.
,
(1)developmbnt
o{small scale yielding zone at crack tip,
(2)initiation of brittle micro−
crack, (
3
)propagation of
brittle
fracuture
.
As
mentioned in theformer
paper,
the residual stress ol widef
且ange changes exceedinglyby
cutting,
especiaUy,
when oneflange
of the shape is cutdown ,
thechange of residual stress shows the maximam value at the web and
・
plastic strain appears in the vicinity of the cutting notch tip.
The
first
condition (1
)is
easily satisfied where cracks exist andstress concentration takes place
,
and the resttlt of the former paper certifies only thefirst
con.
di
口on.
The
latter
two condit めns can notbe
satisfied usually.
As
the second condition is much concerned with materi41 property,
the authers examined the deterioration of materia 亘properhes
by
the
heating
of gasflame.
We
also analyzed the stress concentration around the notch tipby
F
.
E,
M.
analysis and verified that its result coincided fairly with the experimental one.
Kegweixts :厂oJ 甜4 即
’
deflange
,
厂esidual stress,
deterz’
oration of mechanicalProPerties
,
brittlefra
砌 re1
,
序 前 報 (そ の 1)i)に おい て,H
形 鋼の切 断 に伴う残 留 応 力の変 動に 関して machine saw を使っ た切 断法に よ り実 験を行い,
H形 鋼の残 留 応 力が切 断と と もにどの よ うに変 化 する かを明ら か に し た。 この結 果,H
形 鋼 に 存 在 する残 留 応 力が比較的 大きい場合に は, 切断に伴う 残 留 応 力は予 想 以 上に大き く,
片 側フ ランジ を切 断し た 時 点で最 大の 応 力変動 を示し,
ウエ ブ面に塑 性ひずみ が 現 れ る事が確か め ら れ た。
し か し ながら,
こ の実 験にお い て は切 断 途 中で か な り大きな残 留 応 力の変 動が 生 じ, 塑 性ひずみ も検 出さ れ るもの の,
そ れ以上の き裂の 発生 や 破 壊 等は発 生せず,
H形 鋼の切 断途中にお け る事故 例2)に示さ れ る脆性破 壊 発生の た め に は そ の他の条件が 必要であ ること が明ら かになっ た。
こ の事故例では冬 季 の寒い環 境と ガス切 断とい う条 件のも とでの大 型H
形 鋼 の事 故で あ り,
悪い条 件が重なっ て いる。一
般に,
脆性破 壊が発生す る た め に は (1) ク ラッ ク先 端で の局部塑性 域の形 成 (2) 微 小 脆 性クラ ッ ク の発 生 (3) 脆 性クラ ッ ク の伝 播 とい う3
つ の条 件が 必 要で あり,
前 報 告の結 果は上 記 (1
)の条件を満 足した に過ぎず,
(2),
(3
}の 条 件 に対す る検 討が必 要で あ る。 (1 )の条 件は ク ラッ ク が 存 在し て そ こ に応 力が作用 す れ ば 切欠き部での応 力 集 中 の結 果 として局 部的な塑性変形領域が形 成さ れ る ことは 容 易に起こ り得る が,付 加 的な条 件がな い限り(2),
(3) に は移行しない の が通 常である。
局 部 的な 塑性 変 形か ら 脆 性ク ラックが発 生し,伝 播し て い く た めには鋼 材 種 別,
熱影 響に よ る材 質 劣 化, ロー
ル による異 方 性,
予 熱,
予・
ひずみ,
温度,
残 留 応 力,
平 面ひず み等の条 件が付 加さ・
れ ね ば な ら ない。
前報告で示し た H形 鋼の残 留 応 力の変 動に よっ て 切欠き部に応 力 集 中が生じ,
その結 果切 欠き こ の論文の 内容の一
部は文献4〕,
5}に発 表 済み であ る。
* 福山 大 学 教 授・
工 博 魑 京 都 大 学 教 授・
工 博PrQ{
.
of Fukuyama Univ.
,
Dr.
Eng,
Pref
、
Qf Kyoto Univ、
,
Dr.
Eng.
部に小 規 模な降 伏 域 が 形 成 され る
。
この降 伏 領 域か ら脆 性ク ラック が発 生する か どうか は主に鋼材の材質の問題 で あ る。
す な わ ち, こ の小 規 模 降 伏 域にお け る材質が硬 く脆い 場 合,
こ のよ う な降 伏 域に お い て微 少な脆 性ク ラック が発 生す ること は容 易に想 像 がで き る。
前 述の破 壊 事 故の 場 合はガス切 断によ る高 熱の影 響で切 欠 き部は 硬く脆く なっ て い る ため微 小 脆 性ク ラッ ク は容 易に発 生 す る と思わ れる。 そのた め, こ こ で は鋼 材のガス切 断に よる材 質の劣 化の程 度と ガス切 断 時にお け る残 留応 力の 変動を実験 的に確か め,
また残留応力が 切断に伴っ てど の よ うに変 動 する か とい うこ と を有 限 要 素 法を用い た近 切 断 線50
(a >ゲー
ジの てん付位 置 ガス切断面 切断 方向一
(b)ガス切断而と切断方向 Fig.
1
ガス切 断 時の応 力測 定 〔単 位mm } 匚ト 応 力 集 中ゲー
ジ,
○−
2軸ゲー
ジ t一 24 一
似 計算に よ り明ら かにす る。
2.
実 験の概 要 2.
1 試 験 体 試験 体は前報告1) と 同様H −
414×405×18×28のH
形 鋼 を用い,
鋼 材 も同じSS
41とSM
50A の 2種 類で あっ.
て, その機 械 的 性 質も同じである。
こ の素 材 試 験は ウエ ブの材 軸 方 向か ら1号 試 験 片 を切り出し て行っ t。 2.
2 実 験 方 法 ガス切 断の場 合の応 力 測定に は,Fig,
1に示す よ うに ウエ ブ部 分の みにゲー
ジ をてん付してい る。 す.
な わ ち,
切 断 線直下の応 力 集中を調べ る た め , 切断線 直下に応 力 集 中ゲー
ジ をてん付し,
ま た 切断 線 上の応 力 を測 定の た め2
軸 ゲー
ジ をてん付してい る。 他のゲー
ジは前 報告の 低 速 度 切断機の場 合と同様で あ る。 ガス切断の場合は上部フ ラン ジの みを ガス自動切断機 (切 断 速 度 約 2cm /sec,
す な わ ち約20秒で片 側フ ランジ を切 断 〉で連 続 的に切 断し,
切 断 中および切 断 終 了後の ひずみ を計 測し た。 こ の場 合ガス炎による熱の影 響 を避 けるた め,
Fig。
2に示 す よ うな冷 却 装 置を ウエ ブ の両 面に取り付けて,
ゲー
ジ周 辺の温 度が 上昇し ない よ うに し た。
ま た,
ゲー
ジのす ぐ そ ばに熱 電対を取り付け 温度 変化も同 時に測 定し た。 切断 線 フランジ 肱 水 → 力 集中 ゲー
ジ ウこ F嚠
」 → 水・
ウエ ブ一
ひずみ QO5 QOL o.
03 ao2 aOl Fig.
2 ガス切断 時の冷 却 装 置 sec ) 【 ℃ , 0 フ ラン
ジ切断 距 離 {.
:m , Fig.
3 ガス切 断 時の ひずみ の変動と温 度上昇Photo
.
1 ガス切断面 (上 部フ ラン ジ と ウエ プ) ロ ックウエ ル硬さ (D
)5
4
3
2
10
0
SM
50A
、
、 、 、 、 竃一一一
SS41
、
丶一
_
一
_
一
_
一
一
.
_一
一
_
_
__
一
__
一
一
_
一
一
_一一
。
Photo.
210
20
切断線からの距離 (mm ) Fig
.
4 ガス切 断 線か らの硬 度の 分布 ガス ノ ッチ 底部の微 小割れ3) (エ ッ チングに よ る白い 部分 が熱 影 響 部の粗 粒 域) ガス 切 断線 Fig.
5 ガス ノッチつ き試 験 片の採 取 位置 Photo」3
ガスノッチ か ら の 三日月状脆性 破面 3.
実 験 結 果お よび 考察 3.
1 ガス切 断に伴う残 留 応 力の変 動と材 質の劣 化 ガス切 断 時 におけるウエ ブ面で の材 軸 方 向ひずみ の変 動 を時 間の 経過 と と もに Fig.
3 に図 示する。 ガス切 断 の場 合は熱に よ る影 響の た め,
切 欠き部 近 傍にゲー
ジ を て ん付す ること が出来ず,
切欠き部か ら か な り離れ た位 置で の ひずみ し か計測で き ない。Fig.
3
は ウエブ中 心 部 か ら 70mm 離れ た点で の ひずみ の計 測結果で ある。
こ の図に お い て縦 軸は ひずみ を表し, 横 軸は フランジの切 断 距 離 を 表す。
machine saw に よる切断の場 合は切断 線が ゲー
ジの て ん付位置の近くを通っ た と きにその点で の ひずみが 最 大 値 を示し た が,
ガス切断の場合も同様の 傾 向を示し てい る。
図中に熱 電 対に よ る 温 度の変 化 も 併 せ て示すが, 温 度はそ れ ほ ど上が ら ない。 ガス切 断の 場 合は切 欠 き底 部が溶 融し た後 再 凝 固す る た め,
材 質が か な り変 化す る と考え ら れ る。
Photo,
1に ガ ス切 断の場 合の切断 面を示す が,
切 断 面は熱 影 響が著しい。
こ の部 分の熱 影 響につ い て詳し く調べ る た め,
ロ ックウエ ル硬 さ試 験 を行っ た。Fig.
4が その結果であ る。
図中縦 軸は ロ ッ ク ウエ ル硬さ (D ス ケー
ル )で, 横 軸は ガス切断 線か らの距 離で あ る。SS
材,
SM
材 共に切 断 線で の硬 さ は母 材の倍 以上 と なっ て い る。
すな わち,
ガス切 断 部 は硬く 脆 く なっ て いるこ と が分か る。 この ガス切 断の切 欠き 底部にはPhoto.
2に示す ように微 小ク ラッ クが多 数観 察さ れる。
こ の よ うな微 小ク ラックが破 壊の始 点と な る と考え ら れる。 ガス切 欠き部の材 質の劣 化 を調べ る一
25
一
Ph(rto
.
4 ガス ノ ッテ底での微 小 割れ (Photo.
3の 写真を 左 斜 め 上 か ら見 た) た めFig.5
に示す よ う な ガス切欠き部 を含む片ノ ッチ 付き の引張試験 片を切り出し, アム スラー
で通 常の引 張 試 験を行っ た。 こ の片ノッチ付き引 張 試 験では比 較 的 低 応 力で ひび割れ と想 像さ れ る音を伴っ て ク ラッ ク が進 展 する。 こ の試 験片を破断す る直前に除荷し て アム ス ラー
か ら取り出し,
ノ ッ チ 方向に切 断 す る とPhoto.
3に 小 す よ うな 三 日 月 形の脆 性 破 面が観察され るe こ の脆 性 破 面 は中 央 部で ほ ぼ 18mm「
に達する。
ノッチ 底に はPhoto.
4 に示す よ う な脆 性ク ラッ ク が多 数 発 生して い る。
こ の よ うな微 小ク ラッ クは最も鋭い切欠きに相当 し,
破 壊がこ の点か ら発 生した と考え ら れ よ う。 特に, 切断 部は前 述し た よ うに硬く脆く なっ ていて,
脆 性 破 壊 が起 こ りや すい条 件が 整 っ ている。
この条 件に残 留 応 力の再 配 分が加わ り,
塑 性ひずみ が付加され れば冬季の低温の もとでは鋼 材の脆 性 破 壊が発 生す ること も十分考え られ る。
3.
2 解 析 こ れ まで述べて き た よ うにH
形 鋼の 残留応力の変動は 片側フランジ を切 断し て,
フ ラ ンジの引 張残留 応 力を総 て解 放し た時 点で ウエ ブの 切 欠き部の 応力 集 中と あい まっ て最 大の応力が切欠き部近傍に現わ れ る。
こ の残留 応 力の変 動を 以 下に示 す 簡 単 なバ ネモ デル によ り 解 析 し てみ る。
解析は次の よ うな仮 定の もと に行う。
(1) 材料は すべ て完全弾性体である。
(2) H形 鋼の残 留 応 力は前 報11の H形 鋼切断 後の P.
S 値と し て示 し た よ うに材 軸 方 向の応 力が主で,
他の応 力 は小さいた め軸方向応 力 ax の み を考え る。 (3) H 形 鋼の切断はmachine saw に よる場 合を想 定 し,
切 断幅は 3mm と す る。
こ の切 断さ れ る部 分 を Fig.
6に示 す 板 要素に分割し,
こ の板要 素の剛 性 をバ ネ とするFig.
7の バ ネモ デル を考え る。
こ の場合切断さ れ ないH
形 鋼の両 サ イ ドは剛 体と考え る。す な わ ち,
もっ一
26
一
A 側¢
・ ・ t 方向 要 素は ほ ぼ 実 駿 で の 対応 してい る.
号 は 同 時 に 切 断 煩 序 い る。
上 図のよ う に 区 画 し た 邸 分を翫 聞 積に比例 し た 剛 性 のバ ネ に お きか え、
叶 算を 行 o た.
Fig.
6 H形 鋼 断 面のバネモ デル置換 Fig.
7 応 力 k‘ノ開犂 105’
05一
cUt
⇒
残 留 応 力解 放の バ ネモ デル によ る模 式図.
_
v_.
_
パiモデ ル 眦 算囿 !ノ
!一
一
・
一
一
一
・
一
一
Pt験硫 / 咽 し.
切 断zat りL5回
の 位 即ノ
ロ
ノ
.
! /ウ
。
ブ軸 よPtSa一
門
’
■
ノ 1 ス テッ
プ 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Fig.
8
材 軸 方 向の残 留 応 力 (as )の変動 応力 ヒ‘ん 9匸
105o 応 力tth−’
tO5o 12345678910,
’
ズ
!
!・
ノ ノ 〆 !
、
〆 二/・・プ桝 ・… ス ラLワア Fig
.
9 材 軸方 向の残 留応 力 ((Ut}の変 動 !,
t
!,
:/一
’
,
:クノ
・
」クウ
・
プ中 央.
と り5の
一
一
.
,
且 23456789 且 O ス 予 ,プ Fig lO 材 軸 方 向の残 留 応 力 (av)の変 動 と も単 純な1次元の有限 要素解析である。 こ のよ うな仮 定を し たFig.7
の バ ネモ デル の各々 の バ ネに前 報1)で の実 験に よ る 残留 応 力の分布を断 面 応 力 と して釣 合 うよ うに初期 条件を与え た後, バ ネの一
端か ら 切断 を 開 始する。 その切 断の各ステッ プに おい て各バ ネ要 素に生 じ る応 力 を求める。
こ の ような手法で求め た 残 留 応 力の変動 を実 験 値と ともに Figs,
8〜
loに図 示す』
且o 左に 示した 都 分 切断 駆 10 Le!夐 麿,
一 フ ラ ンジ ウェ
ブ Fig.
11 解放 された 残 留 応 力の再分布 (有限 要 素 解析 〉\
1 o一
切 欠齠 で丶.
丶
国
1
斌
l I
.
ll
嚼
紬
“ “ 汰 、 咽賊
N
』
匚圏
「
圏
丶 穐 1.
鯉
… Fig.
12 Fig、
llの切 欠き部 近 傍の応 力分布 切J断 啌泉よ り15匚
囮0
丶一
’ r「
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■
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惚 「Pt
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0
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切 断 腺 よ り 65 悶Ol1
%、
亀「
1
’
切 断 腺 , .腸 羨誓
FF
= = ウェ ブ ウエ ブ 中央一一
一1.,
{.、
:.。
一 一■
一1
°°
ゲー
ジ 位 置 1噛
・
−
ri}一
一
一
〇L・
歪 測 定 値 有 限要 素 法に よ るも の Fig.
t3 残留 応 力 解 放に伴 うウエ ブ部の材軸 方 向 残留ひずみ の 再 分 布 る。
解析値は実験値よ り若干 低い値 を与え る が, その傾 向は一
致してい る。
す な わ ち,
この ような有 限 要素法に よ り 残 留 応 力の再 配分およ び その変 動 を解析す ることが 可 能で あ り,
前 述した仮 定も妥 当であ る と考え られ る。
こ の 方 法で は 切断さ れる板要素を弾性バ ネと考え,
こ れ を 剛体で連結して バ ネの初 期張 力 をJlua
次 零に し て い く こ とにな り, その影 響は他のバ ネに弾 性的に重ね合わ さ れ る ことにな る。
こ の解析に よ れば,
例えばフランジの引一
一
ウ ェ ブ 切 欠
1
囗 ー ・・
1 0・
es °・
ex O・
,4 °・
1e °・
2° # 歪 o.
04 0.
oB o.
L2 0・
,6謄一
r
們一
一F
! 厂/
/
/
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/
!
,
ノ
一
・
一
一
噂一
奥 馼 デー
タ一
◎髄一
〇
囀
有 隈 要素法による もの Fig.
14 切欠き部 直 下の材 軸 方 向ひずみ の分布 張り残 留 応 力 を解 放す るこ と は, 応 力の向き を逆に し て 剛 体を両 側に押し てあ た か も剛体同士 を開口 さ せ る よう な 曲 げ を加え たの と同じ事と な り,Flgs.
8−
10の実験 結 果とも一
致す る。 この た め,H
形鋼の切 断 途 中にお け る鋼 材の破壊靱性を調べ る た めには小 サ イズの切 欠き付 き試 験 片による曲げ試験が妥 当であ ろ う。
以 上の解 析 よ りH
形鋼を切断し て残 留応力を解放す る ことは そ の部 分に存在して いた 残留応 力 を逆 方 向に加え ることと同 じ である か ら,
より詳 細な解析を行う意味で, 2次 元 有 限 要 素 法に よ る応 力解析を行っ た。
解 析に用い た仮 定は前に示 し た (1 )お よび (2) と 同じである。
た だ し,
(3 )はこ の場合該 当せず, 分 割し た要 素 全 体 が弾 性体で あ る。
先の バ ネモデル の計 算ではバ ネを切 断 す ることが結 果 と してその部 分に働い ている が残留応力 を 同 値・
異符 号の外 力とし て作 用さ せ る事に等し く,
新 た に加え る (解 放す る)力によ る 応力分布が変動 分 布に 相 当し,
初 期 残 留応 力に そ の変動 応 力 を加え たものが 真 の存 在 応 力であ る事を示 してい る。
こ の事か ら有限要 素 法に よ る解 析におい て は,
解 放さ れ る 残留応力を合力と して相 当 する節 点に作 用さ せ,
その と き の応 力を計算し た。
各節点に与え る残 留 応 力は バネモ デル に よ る解 析と 同 様 前 報の実 験 値 を用い,
計 算はすべ て 2次 元の平 面応 力状 態で行っ た。
こ の計算で はウエ ブで の応 力変動が最 大と な る 9ス テ ップで の応 力変 動を求めてい る が,
切 断 さ れた部 分で の残 留 応 力を逆向きの 外力と して作用 さ せ,
その時に各 点に 生 じ る応 力を求め ていて,
こ の応 力 に初 期 残 留 応 力 を重ね合わ せ て はい な い。 こ の 9ス テッ プでの 変動 応力の分布をFigs.
ユ1〜
12に図 示する。
計 算はすべ て弾 性 計 算で あ る た め,
弾 性 限 応 力を越えて い る要 素もある が,
実 験 値と良く一
致す る。Flg.
13には 切断線よ りOmm , 15mm , 65 mm で の圧延 方 向の ひず み分 布 を実 験 値 と と もに示 すが,
解 析 値と実 験値は よ く一
28
一
(a ) (b
) (c ) 残留 応 力の 分 布〉
片 側フ ラ ン ジ半 分 切 断〉
ヒ
片 厠フ ラ ン ジ 全 断面 切 断 Fig.
15 フランジ切 断に伴う 残 留応力 (a )の再分布一
致して いる 。 ま た,
切欠き部 直下で の ひずみ分 布 をFig.
14に実験 値と と も に示して いる。
実験値と有 限要 素 法に よる計 算 値は か な り良 好な一
致を示し,.
この解析 法の妥当 性を示して いる と考え ら れ る。
以上の解析結果よ りH
形鋼の切断過 程に お ける残 留 応 力の再分布に関して は か な りの精 度で そ の応 力 変 動 を解 析で き るもの と思わ れ る。 こ の解 析では弾 性 計 算では あ る が,
残 留 応 力の解 放に伴っ てそ れ が ど の よ うに再配 分 さ れ るか に関して か な り的 確に解 析す るこ と がで き, ま た残 留 応 力を解 放す る場 合 切 断の仕方によっ て は 局部 的 に塑 性 域にはい ること も あ る とい う結論 を 導くこ と も 出 来よ う。
す な わち, Fig
.
15(a)に示すH
形 鋼の残留 応 力 分布 がフ ランジの切 断と ともに (b
)お よび (c)の状態へ と移 行してい くもの と判 断される。4.
結 論 (1 > ガ ス切断の場合も同様の応 力 変 動を 生 じ るが,
ガ ス炎に ょる高 熱の影 響で 切 欠き部が硬 く脆く なっ て い て,
切 欠き底 部に2− 3mm
の微 小ク ラック が多数 発 生 して い る。
こ の ク ラック は溶 融か ら 凝 固の過 程で収 縮に よ り発 生した もの と考え ら れ るが,
前 述の応 力 集 中に ょ り その中で クラッ ク が成長 する のもあ り,
これ か ら破壊 が生じ る もの と考え ら れ る。 ガス切 欠き部を含ん だ引 張 り試 験で も切 欠き部か ら三 日月 状の脆性破面が観 察さ れ, 破 壊の始 点はこ の ク ラッ ク と考えて差し支え ない,,
また