(様式4)
二国間交流事業
共同研究報告書
平成 23年 7月19日 独立行政法人日本学術振興会理事長 殿 共同研究代表者所属・部局 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 (ふりがな) ながい たく 職・氏 名 研究領域長・永井 卓 1. 事 業 名 相手国( タイ )との共同研究 振興会対応機関( NRCT ) 2. 研 究 課 題 名 水牛の生物多様性を維持するための水牛胚の体外生産、操作および保存に関する研 究 3. 4. 全 採 用 期 間 平成 20 年 7 月 1 日 ~ 平成 23 年 6 月 30 日 ( 3 年) 5. 研 究 経 費 総 額 (1)本事業により交付された研究経費総額 7500 千円 初年度経費 1875 千円、 2 年度経費 2500 千円、 3 年度経費 2500 千円 、4 年度経費 625 千円 (2)本事業による経費以外の国内研究経費総額 0 千円5.研究組織 (1)日本側参加者 氏 名 (ふりがな) 所 属・職 名 研 究 協 力 テ ー マ 高橋 たかはし 芳よし幸ゆき 葛西か さ い 孫まご三郎さぶろう 金井か な い 幸雄ゆ き お 赤木あ か ぎ 悟史さ と し 武田た け だ 久美子く み こ 金田か ね だ 正弘まさひろ タマス ソムファ イ 今井い ま い 敬けい タ ン カ ン ダ ン グエン 北海道大学 獣医学 教授 高知大学 農学系 教授 筑波大学 生命環境科学 教授 独立行政法人農業・食品産業技術 総合研究機構 畜産草地研究所 主任研究員 独立行政法人農業・食品産業技術 総合研究機構 畜産草地研究所 主任研究員 独立行政法人農業・食品産業技術 総合研究機構 畜産草地研究所 研究員 独立行政法人農業・食品産業技術 総合研究機構 畜産草地研究所 研究員 独立行政法人家畜改良センター 研究員 筑波大学 生命環境科学 修士 学生 牛胚の体外生産 牛・水牛胚凍結 水牛体細胞の保存 牛体細胞クローン胚生産 牛・水牛胚 ミトコンドリア 牛・水牛クローン胚のエピジェネティク ス 牛胚生産及び凍結 牛胚生産及びOPU 牛胚生産 (2)相手国側研究代表者
(3)相手国参加者(代表者の氏名の前に○印を付すこと) 氏 名 所属・職名(国名) 研 究 協 力 テ ー マ ○Rangsun Parnpai Mariena Ketudat Cairns An-charlie Na-Changmai Nikorn Sanghuayphrai Kwanrudee Kaewmungkun Nucharin Sripunya Mongkol Techakumphu Nitira Anakkul Pakanit Kupittayanant Kanokwan Srirattana Runjuan Itsararuk Kanchana Punyawai
Suranaree University of Technology Director(Thailand)
Suranaree University of Technology, Assistant Professor(Thailand)
Ministry of Agriculture and Cooperatives, Researcher(Thailand)
Ministry of Agriculture and Cooperatives, Researcher(Thailand)
Suranaree University of Technology, Student(Thailand)
Suranaree University of Technology, Student(Thailand)
Chulalongkorn University, Professor (Thailand)
Chulalongkorn University, Student(Thailand)
Suranaree University of
Technology,Instructor(Thailand)
Suranaree University of Technology, Reasearch Assistant(Thailand)
Suranaree University of Technology, Student(Thailand)
Suranaree University of Technology, Student(Thailand) 体外受精・核移植 体外受精・核移植 体外受精・核移植 体外受精 体外受精・核移植 体外受精・胚凍結・核移植 体外受精・核移植 体外受精・核移植・OPU 体外受精・胚凍結・核移植 体外受精・核移植 体外受精・核移植・OPU 体外受精・核移植
6.研究概要(研究の目的・内容・成果等の概要を簡潔に記載してください。) タイでは、1970 年代には 600 万頭を超える水牛が飼育されていたが、1990 年代には約 400 万頭に減少し、 現在では 100 万頭台に激減しており、遺伝的多様性の消失が危惧されている。また、水牛は暑熱にも対応出 来るため、このまま地球温暖化が進めば遺伝資源としての水牛の重要性が世界的に高まる。従って、将来の 世界の食料確保という観点からも、水牛の増殖と遺伝的多様性保存は重要な課題である。 一方、歴史的に家畜化が進み世界中で飼育されている牛においては、効率的な繁殖技術がその遺伝的改良 および増産に貢献してきた。日本では、人工授精・受精卵移植技術が実用化され、殆ど100%の牛が人工 授精によって生産され、受精卵移植による産子の生産も伸びている。しかし、これらの繁殖技術を成功裏に 行うには、高度なテクニックを有した技術者と衛生管理された施設が必須である。この認識の上に立ち、タ イでは、King’s project において技術者の養成と施設の整備が行われており、タイ側コンタクトパーソンの Rangsun Parnpai 教授の研究室は、卵子・胚の操作に必要な施設が完備している。 そこで、本共同研究では、申請者が所属する畜産草地研究所が中心となって世界に先駆けて開発した牛の 体外受精、胚移植および体細胞クローン技術をタイの水牛に応用することによって、効率的に水牛を生産し、 タイの水牛の増産・保存を目的とする。 以下に、研究内容および得られた成果を述べる: 1)牛未成熟卵子の体外成熟・受精および受精卵の発生培養方法の改善を目的に、培養皿の底ニードル・デ プレッション法と名付けたに小さな窪みを作り、体外受精卵子を培養することによって胚盤胞期胚への高い 発生率を得た。 2)水牛胚の体外発生培養技術の確立を目的に、低酸素濃度下での水牛胚の培養および培養液への還元剤添 加の検討を行った。還元剤であるβメルカプトエタノールやシステアミンの発生培養液への添加によって、 発生率が改善された。 3)牛体外成熟卵子の凍結保存技術の水牛への応用を目的に、牛体外卵子のガラス化保存および融解後の卵 子の体外受精・発生試験(培養 7 日後の胚盤胞期胚への発生率)を行った。その結果、ガラス化保存を行わ なかった対照区(25.3±7.4%)と同等の高い発生率(18.1±2.6%)が得られた。 4)牛卵子をレシピエントとして、水牛体細胞を核移植することによって水牛体細胞クローン胚(異種間移 植胚)を生産し、その発生能を調べた。その結果、卵割はするものの、胚盤胞期胚へとは発生しなかった。 また、牛卵子へ移植した水牛体細胞のミトコンドリア DNA の挙動についても調べた。
6)水牛胚のDNA メチル化などのエピジェネティックス解析手法のセットアップを行い、現在、研究 を継続中である。 7)牛体外成熟卵子内に注入した水牛体細胞ミトコンドリアの挙動を調べられる実験系のセットアップ を行い、現在、研究を継続中である。 8)超音波画像形跡装置を用いた経膣採卵による牛未成熟卵子の回収および得られた卵子の体外成熟・ 受精手法をタイの研究者に指導し、現在、タイにおいて、水牛への応用を試みている。 9)水牛のいろいろな組織から体細胞を回収し、体外培養によって細胞株を作成し、得られた細胞株を 凍結し、融解後に核移植に使えるかどうかを検討した。