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金融市場レポート(2005年前半の動き)

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Academic year: 2021

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3.株式市場 株価は、3月上旬にかけて一時強含む局面も あったが、国債市場と同様、先行きの景気回復ペー スについての見方が慎重化するもとで、上昇力に 乏しい展開となった。日経平均株価は、昨年後半 と同様、1万円から1万2千円の比較的狭いレン ジで推移し、6月末時点で、昨年末とほぼ同水準 の1万1千円台半ばとなった。 本年前半の株価の推移をみると、年明け後は景 気の踊り場脱却に対する期待が強まったことを背 景に、3月初にかけて昨年4月(12,163 円)以来 の高値となる 11,966 円(3/9 日)まで上昇した(図 表 16)。もっともその後は、原油価格が既往最高 値を超えて上昇し、米国など海外経済の減速懸念 が強まるなかで、海外株価が下落に転じた(図表 17)。わが国株価も、輸出の先行き等に対する懸念 が強まったことに加えて、中国での反日デモ(4/16 日)をきっかけに、相場の牽引役となってきた中 国経済との関連が相対的に強い業種(中国関連業 種)の株価が大きく下落したこともあって(図表 18)、昨年 12 月以来となる1万1千円割れの水準 まで低下した。その後、6月中旬にかけて欧米株 価が持ち直した後も、わが国株価の上昇力は比較 的弱いものに止まった。なお、7月以降は、やや 強めの経済指標の発表が続いたことや欧米株価の 上昇などから幾分強含んでいるが、引き続き3月 の年初来高値を下回る水準で推移している。 このように、本年前半中、わが国株価の上昇力 が乏しい展開となった背景は、基本的には、①景 気が踊り場を脱する時期についての市場参加者の 見方が徐々に慎重化したもとで、企業収益見通し が下振れしたことにあるとみられるが、②需給面 では、近年最大の買い手となってきた海外投資家 の日本株買いが4~6月期には一服したことが挙 げられる。 (図表 16)内外株価 (図表 17)米国株価と原油価格 (図表 18)中国関連業種の株価 8500 9000 9500 10000 10500 11000 11500 12000 12500 04/1 04/4 04/7 04/10 05/1 05/4 200 220 240 260 280 300 320 340 360 日経平均(左目盛) NYダウ(左目盛) EuroSTOXX(右目盛) (円、ドル) (ポイント) 月 9000 9200 9400 9600 9800 10000 10200 10400 10600 10800 11000 04/1 04/4 04/7 04/10 05/1 05/4 30 35 40 45 50 55 60 65 70 NYダウ(左目盛) 原油(WTI先物、右目盛) (ドル) (ドル) 月 (出所)Bloomberg (出所)Bloomberg (出所)QUICK 80 90 100 110 120 130 140 150 04/1 04/4 04/7 04/10 05/1 05/4 鉄鋼 非鉄 海運 TOPIX 中国関連業種 月 (03年末=100)

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この間、流通市場では、売買高、売買代金とも比較的高い水準が続いている(図表 19)。ま た、エクイティ・ファイナンスは、1~3月は事業再生関係の大型増資がみられたことから増 加したものの、4~6月は、株価が伸び悩んだことやボラティリティが低水準で推移したこと から CB 発行・公募増資等が低調となり調達額は減少した(図表 20)。 (図表 19)株式売買高等 (図表 20)エクイティ・ファイナンス (企業収益見通しの慎重化) わが国株価は、やや長い目でみると、03 年4 月にバブル崩壊後の最安値を更新したあと反発 し、03 年8月に1万円台を回復して以降は、基 本的に1万円~1万2千円の範囲内での動きと なっている。03 年からの2年間でみれば、企業 収益自体は大幅な増益を続けていたほか、中期 的な成長期待も概ね維持されており、こうした ファンダメンタルズに比してみると株価は上昇 力を欠く状況が続いた。このことは、PER(株 価収益率、予想収益ベース)がこの間低下傾向 を辿ったことにも顕れている。なお、PER の水 準は、03 年以降、米欧と概ね同水準で推移して いる。 本年入り後は、05 年度の企業収益の伸びに関 する見通しがやや慎重化しており(図表 21)、先 (図表 21)企業の収益見通し (注)東証 1 部上場企業(金融業を除く 3 月決算銘柄で 02 年度か ら決算変更、合併を実施しておらず親会社が上場・公開して いない銘柄)の経常増益率見通し。 (出所)東洋経済新報社予想をもとに大和総研作成 (図表 22)日米欧の PER 30 40 50 60 TOPIX S&P500 EURO STOXX (倍) 0 4 8 12 16 20 24 28 32 03/1 03/5 03/9 04/1 04/5 04/9 05/1 05/5 2003年度 2004年度 2005年度 (前年比、%) 月 (注)その他増資には、株主割当、第三者割当が含まれる。 (出所)日本証券業協会 (注)東証一部。 (出所)東京証券取引所 (億株) (兆円) (兆円) (兆円) 月 年度 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 88/1 90/1 92/1 94/1 96/1 98/1 00/1 02/1 04/1 0 5 10 15 20 25 30 35 40 月次売買高(左目盛) 月次売買代金(右目盛) 0 1 2 3 04/1Q 04/3Q 05/1Q 0 3 6 9 12 98 99 00 01 02 03 04 CB・WB その他増資 新規公開 公募増資

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株価が収益見通しによって説明される以上に低 下している可能性を示唆している。因みに、近 年における PER の低下を、収益成長要因・長期 金利要因・リスクプレミアム要因に分解してみ ると、本年前半もリスクプレミアムの拡大が株 価押し下げ方向に寄与する形となっている(図 表 23)。こうしたリスクプレミアムの動きも、市 場における先行き不透明感の根強さを示唆して いるとみられる。 (海外投資家の動向) わが国株式市場では、中期的な傾向として、銀 行、生命保険会社、企業年金といった国内投資 家が保有株式の削減を進める一方、海外の投資 家が主たる買い手となる形で、海外投資家の株 式保有比率が高まってきている(図表 24)。本年 前半(とくに4~6月)は、海外投資家の買い が減少し、こうした傾向がやや一服している。 近年の国内投資家の株式削減傾向は、銀行、 生命保険会社、企業年金に対する規制や格付け 等、リスク抑制的な環境の強まりが背景にある。 例えば、銀行は、持合い解消の進展、銀行株式 保有制限法への対応を進めた。また、生命保険 会社では、ソルベンシー・マージン比率の改善 や、資産・負債の期間のマッチングを重視した 運用方針を採用する先が増加した。企業年金で は、制度変更を受けて、代行返上が増加したほ か、予定利率の引下げも相次いだ。本年前半中 も、基本的には同様の傾向が続いたとみられる が、4~6月はこれら国内投資家の株式削減 ペースがやや鈍化した(図表 25)。 g R D R g D R g D R D P − + = + + + + + + + + + + + = ρ ρ ρ ρ 3 LL 2 2 ) 1 ( ) 1 ( ) 1 ( ) 1 ( 1 (図表 23)PER 前期差の要因分解 (注)リスクプレミアムは、以下の収益割引モデルを元に算出。 同モデルでは、株価は将来の収益の割引現在価値に等しいと 考える。 ここで、P は株価、D は一株当たり収益、R はリスクフリーレー ト、ρはリスクプレミアム、g は名目期待成長率として表され る。データは、P に株価(TOPIX)、D に 12 ヵ月後予想 EPS、R に 10 年国債利回り、g には長期的な収益成長率に関するコンセン サス予想を用いた。 (出所)I/B/E/S、Bloomberg (図表 24)主体別売買動向 ( ▲は売り越し、億円) 2002年 2003年 2004年 2005年 05/1~3 05/4~6 保険 ▲ 8,271 ▲11,070 ▲ 5,176 ▲ 2,862 ▲ 504 銀行 7,980 ▲58,039 ▲43,954 ▲15,207 447 都長銀・地銀 ▲12,950 ▲14,796 ▲10,221 ▲ 2,843 ▲1,162 信託銀行 20,930 ▲43,243 ▲33,733 ▲12,364 1,609 投資信託 ▲ 386 ▲ 1,416 4,636 ▲ 1,215 3,116 事業法人 4,122 ▲ 2,245 ▲ 1,750 ▲ 927 2,978 外国人 7,598 82,134 76,522 23,326 3,070 個人 ▲ 3,456 ▲16,520 ▲36,726 ▲ 3,761 ▲6,679 (注)三市場(東証・大証・名証)1・2 部合計。 (出所)東京証券取引所 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 03/3 03/6 03/9 03/12 04/3 04/6 04/9 04/12 05/3 05/6 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 収益成長要因 長期金利要因 リスクプレミアム要因 PER(右目盛) PER前期差 月 (倍)

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(図表 25)国内大手投資家の資産運用動向 (注)1.生命保険会社は、生命保険協会に加盟している 39 社。直近は 05/5 月末。 2.国内銀行は、銀行本体の設立根拠が国内法に準拠している銀行(日本銀行・政府関係機関を除く)を示す。直近 は 05/5 月末。 3.年金は、信託銀行(信託合同口)における資産配分割合を算出したもの。直近は 05/3 月末。 (出所)生命保険協会、日本銀行、年金情報 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3月末 (%) 国内債券 国内株式 外国株式 外国債券 その他 生命保険会社 国内銀行 年金 0 10 20 30 40 50 60 70 80 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 月末 (%) 国内債券 国内株式 外国証券 その他 0 5 10 15 20 25 30 35 40 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3月末 (%) 国内債券 国内株式 外国証券 その他 一般貸付

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一方、海外投資家の日本株買いは、1~3月中は昨年までと同様に旺盛であったが、4~6 月は3ヶ月連続で低水準に止まった。この時期は、米国の大手自動車メーカー(GM・フォー ド)の格下げの影響で、ヘッジファンドの運用パフォーマンスも大きく低下するなど(図表 26)、グローバル投資家のリスク許容度が低下していた時期である。その影響がわが国株式市 場への投資姿勢にも及んだことが、需給面から株価の上昇力を抑える一因となった可能性もあ る(図表 27)。GM およびフォードの格下げの影響は、欧米市場でも6月以降落ち着いてきて おり、7月入り後は海外から日本への株式投資規模も徐々に回復しつつあるが、今後再び昨年 までのような勢いを取り戻していくかどうかが注目される。 この間、個人投資家は、流通市場では大幅な売り越しが続いているものの、発行市場での購 入も含めれば小幅の買い越しになっているとみられる。ネット取引の増加等を通じて、新興市 場を中心に市場での存在感が高まってきているほか、新年度入り後は株式投信を通じる投資も 幾分増加してきている。個人投資家の動きが今後どのようになっていくかも、株式市場の中期 的な需給動向に影響する重要な要因である。 (図表 26)ヘッジファンドの運用パフォーマンス (図表 27)海外投資家による日本株買い (注)「グローバル投資家のキャッシュ・ポジション」は、 メリルリンチのファンドマネージャー調査において調 査対象となった投資家が、それぞれの持つベンチマーク と比べ、キャッシュ保有比率を「オーバーウェイト」と 答えた先の比率から「アンダーウェイト」と答えた先の 比率を引いたもの。ここでは、この値が小さいほど、投 資家のリスク許容度が高まっているとみなした。 (出所) 東京証券取引所、メリルリンチ (注)月次収益率。 (出所)CSFB/Tremont -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 04/1 04/4 04/7 04/10 05/1 05/4 CBアービトラージ イベント・ドリブン 株式ロング・ショート ヘッジファンド(全体) 月 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 04/1 04/5 04/9 05/1 05/5 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 外国人による日本株買い(ネット、現物、左目盛) グローバル投資家のキャッシュ・ポジション(右逆目盛) (兆円) (「オーバーウェイト」-「アンダーウェイト」) キャッシュ・ポジションが 低い=リスク許容度が高い 月

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