平成20年度戦略的基盤技術高度化支援事業「機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発」

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全文

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平成20年度戦略的基盤技術高度化支援事業

「機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発」

研究開発成果等報告書

平成21年11月

委託者

独立行政法人中小企業基盤整備機構

委託先

公立大学法人大阪府立大学

18-17

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目 次 第1章 研究開発の概要... 3 1.研究開発の背景・研究目的及び目標... 3 (1) 研究開発の背景 ... 3 (2) 研究の目的及び目標 ... 4 ① 耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発... 4 ② 薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発 ... 4 ③ 有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発 ... 5 ④ 薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発... 5 ⑤ 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発... 5 2.研究体制... 6 (1) 管理体制 ... 6 (2) 研究体制 ... 6 (3) 委員会等 ... 8 (4) 研究開発スケジュール... 10 3.成果概要... 14 (1) 耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発 ... 14 (2) 薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発 ... 14 (3) 有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発 ... 15 (4) 薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発 ... 15 (5) 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発... 16 (6) プロジェクトの管理・運営... 16 4.当該研究開発の連絡窓口... 21 第2章 本論... 22 1.耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発... 22 2.薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発... 23 3.有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発... 25 4.薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発... 27 5.高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発... 28 第3章 全体総括... 29 1.研究開発成果... 29 2.今後の課題及び事業化展開... 30 (1) 今後の課題 ... 30 (2) 事業化計画 ... 31 付録... 32

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第1章 研究開発の概要 1.研究開発の背景・研究目的及び目標 (1) 研究開発の背景 我が国の高機能化学合成技術は、家電・電子機器部品や自動車部品、感光材料など、 幅広い情報電子分野の製品のキーとなる有機材料に利用されており、高品質・低コス ト・短納期で供給することで、それら産業分野の競争力を支えている基盤的技術であ る。また、この技術に含まれる微細化技術についても、結晶・粒子状態で機能を発揮 する用途において、そのサイズ、純度、均一性、安定性などは重要な因子であり、応 用される産業分野でその性能を決定付けている基盤的技術である点は同様である。 我が国の微細化技術を含む高機能化学合成が支える合成染料や有機顔料などの有機 化学工業製品(素材)製造や、印刷インキ、塗料、界面活性剤などの加工製品の製造産業 は、最先端情報家電製品の生産技術を有するユーザからの要求に応えるべく、継続的 に技術開発を行い、製品・技術の高機能化を進めてきた。同時に、現場サイドにおい ては、情報家電製品産業等の川下産業からの多用な高機能材料の要求に対応すること で、機能物質の合成や制御に関するノウハウや経験を蓄積しており、その結果、光デ ィスク用機能性色素、ディスプレイ用機能性色素、導電性ポリマーなどの高機能物質 の化学合成・制御を可能にしている。 このように情報家電等の川下産業サイドと高機能物質の製造現場サイドが共に成長 しながら、最先端情報家電製品の高機能物質を迅速に供給する体制が構築されている という点が、我が国の高機能化学合成技術の強みとなっている。高機能化学合成技術 力の国際比較では、対アジア諸国については、すでに汎用品となった製品分野がコス ト面で優位性を持つ中国、台湾、インドでの生産にシフトしているが、良質の原材料 の調達と高度な生産技術力を必要とする高機能物質の製品製造において、依然として 我が国の競争力は高い。また、我が国はユーザーニーズにマッチした技術開発を進め ることで技術力を高めていることから、当該新技術開発においては、欧米各国よりも 我が国が優位な状況にある。 エネルギー、情報家電、印刷・情報記録、自動車などの幅広い分野では地球環境問 題、資源エネルギー問題の観点や、これらの製品の高機能化、高効率化、高性能化、 高寿命化、低コスト化・短納期化の観点から、材料への要望が益々高まっている。こ れらの要望に応えうる新素材と新材料(素材を加工したもの)の創成が必要であるこ とから、新素材の迅速開発法と素材加工技術の開発が最重要課題である。 本研究開発では、ディスプレイ部品や次世代太陽電池部品を構成する機能性色素や 導電物質の高機能化学合成技術の確立に向けて、二色性色素、白色発光材料、増感色 素、結晶性導電物質、ナノサイズ顔料等の開発課題の研究開発を行うものである。

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(2) 研究の目的及び目標 情報家電分野における薄型ディスプレイの超薄型化、フレキシブル化や高効率化、高精 細化、高機能化を実現する低コストの薄型ディスプレイ部品の生産技術の確立やエネルギ ー(太陽電池)分野における有機太陽電池のセル部品の生産技術の確立をめざして、高性 能、高機能な機能性色素や有機機能物質の迅速合成技術や物理化学的なナノ分散顔料の生 産技術を開発することを目的とする。 研究期間3 年で、ディスプレイの高効率化、高精細化等や有機太陽電池の高性能化のた めに、構成部材である二色性色素、白色発光材料、増感色素などの機能性色素や結晶性導 電物質等の探索物質を液相自動合成装置により迅速合成する技術と機能評価を一体化し た合成基盤技術開発や新規な物理化学的手法による高性能なナノ分散顔料の超微細化基 盤技術開発を行うものである。具体的には、以下の5 つの開発課題について、各目標値を 設定して開発を行った。 ① 耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発 最適なアゾ系およびアントラキノン系二色性色素の開発をコンビナトリアルケミスト リー手法を導入した反応最適型液相自動合成装置やマルチブロック型液相自動合成装置を 用いて行い、偏光フィルム特性評価法や二色性色素の耐湿潤性評価の検討を行い、偏光度 70%、80℃、90%湿度で 600 時間程度の耐候性を有する二色性色素の開発を目標とした。 二色性色素の合成プロセスを反応最適型液相自動合成装置で自動化する最適条件の検討を 昭和化工が主として検討し、大阪府立大学も協力してその開発を迅速にし、偏光フィルム の特性評価を昭和化工と大阪府立産業技術総合研究所で行った。 ② 薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発 白色光源用の色素分散型高分子有機EL デバイス(PLED)を可能にする 70~90%の蛍 光量子収率を示す発光色素の高機能化学合成の基盤技術を開発することを初期目標とした。 そのために、新規なクマリン系、キサンテン系、金属錯体系発光色素のコンビナトリアル ケミストリー手法の最適化と色素分散型有機 EL デバイスの試作および特性評価を行い、 高輝度の達成を可能とする発光色素の開発を目指した。染料系、顔料系蛍光色素の合成プ ロセスの一部をパラレル液相自動合成装置で自動化する最適条件の検討を山田化学工業が 検討し、金属錯体系りん光材料をマルチブロック型液相自動合成装置で自動化する最適条 件の検討を大阪府立大学が行い、19 年度には PLED で8000~10000 cd/m2の高輝度化、 20 年度には、白色発光の PLED で外部量子効率 5%の高い目標値を設定して、これら の目標値の達成を可能とする発光色素の開発を目指した。なお、合成した発光色素を用 いた有機 EL デバイスの特性評価と微粒子分散型有機 EL デバイスの最適化を大阪府立産 業技術総合研究所が行った。

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③ 有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発 400 nm~800 nm で増感効果を示す新規な増感色素の少量試作品の高機能化学合成の 基盤技術を開発し、湿式有機太陽電池セルの変換効率 10%以上を目指した。そのために、 新規なメロシアニン系、シアニン系、スクアリリウム系色素のコンビナトリアルケミスト リー手法の最適化と高効率な湿式有機太陽電池セルを可能にする機能性色素の開発を目 指した。増感色素の合成をパラレル液相自動合成装置やマルチブロック型液相自動合成装 置で自動化する最適条件の検討を山田化学工業と大阪府立大学が検討した。さらに、合成 した増感色素を用いて湿式有機太陽電池セルを作製し、その特性評価を山田化学工業と大 阪府立大学が行った。 ④ 薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発 新規な結晶性導電物質およびフラーレン誘導体の少量試作品の高機能化学合成の基盤 技術を開発し、薄膜型有機太陽電池セルの変換効率6 %以上を当初は目指した。そのため に、オリゴチオフェン系結晶性導電物質の最適化や増感領域の拡大に、共役系の導入 や色素を導入したオリゴチオフェン系結晶性導電物質やフェニレンビニレン系結晶性 導電物質の開発や色素増感する新規フラーレン誘導体のコンビナトリアルケミストリー 手法の最適化と高効率な薄膜型有機太陽電池セルを可能にするこれら機能性物質の開発 を目指した。結晶性導電材料の合成プロセスを反応多様型液相自動合成装置で自動化する 最適条件の検討をダイトーケミックスで行い、フラーレン誘導体の分子設計と液相自動合 成を大阪府立大学が行った。さらに合成した機能材料を用いて薄膜型有機太陽電池セルを 作製し、その特性評価をダイトーケミックスと大阪府立大学が担当した。薄膜型有機太陽 電池セルの変換効率は、薄膜セルの製造方法に大きく依存することから、セル変換効率の 目標値を5 %に変更した。 ⑤ 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発 顔料のナノ化手法として、新規乾式・湿式多段分散複合化プロセスの開発を行ない、多 大な時間を要したミリング分散工程を短縮し、安定なナノ分散を目指して、分散剤や被覆 剤の最適化、顔料粒子の表面処理技術の開発を行い、分散粒子径で、50 nm 以下分散に要 する従来のミリング時間を5 分の1以下に短縮することを目標とした。さらに、耐光性 (⊿E=5)500 時間、耐熱性 250 ℃を示す安定なナノサイズ顔料の作製を目指し、顔 料粒子の最適ナノ化のためのナノ分散機の設計・試作および分散剤や表面処理剤による分 散安定性の最適化技術開発を山陽色素で行った。 その他、プロジェクトの管理・運営については、総括研究代表者および副総括研究代表 者、管理法人の大阪府立大学産学官連携機構総合戦略調整課が中心となって、①~⑤の研 究開発項目の実用化に向けて、外部アドバイザーとしてシャープ株式会社、三洋電機株式 会社、化成品工業会が参画して研究調整委員会を組織して管理・運営を行った。

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2.研究体制 (1) 管理体制 事業管理者 公立大学法人 大阪府立大学 〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1番1号 総括研究代表者(PL) 大阪府立大学大学院工学研究科・教授 中澄 博行 副総括研究代表者(SL) 昭和化工株式会社技術部プロジェクト課・課長 赤木 伸生 (2) 研究体制 公立大学法人 大阪府立大学 〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1番1号 氏 名 所属・役職 実施内容(番号) 備考 川口 幸男 産学官連携機構研究連携推進課・課長補佐 ⑥ 07.04~ 阪本 理 産学官連携機構研究連携推進課・主事 ⑥ 08.05~ 福西 正造 産学官連携機構総合戦略調整課・課長補佐 ⑥ ~07.04 浅野 健 産学官連携機構総合戦略調整課・主事 ⑥ ~08.05 薮内 秀和 産学官連携機構総合戦略調整課・主査 ⑥ ~08.03 佐藤 浩二 補助員(派遣員) ⑥ 07.05~ 本郷 千可 補助員(非常勤職員) ⑥ 07.01~ 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 中澄 博行 大学院工学研究科・教授 ①, ③, ④ 八木 繁幸 大学院工学研究科・准教授 ②, ③ 前田 壮志 大学院工学研究科・助教 ①, ③, ④ 09.4~ 藤原 絵美子 実験補助員(ポストドック) ①, ③, ④ 08.2~08.9 中原 マキ子 補助員(派遣員) ①, ③, ④ 08.10~09.7 大久保 宣子 補助員(派遣員) ①, ③, ④ 09.7~09.8

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昭和化工株式会社(再委託先) 〒564-0054 大阪府吹田市芳野町 18 番 23 号 山田化学工業株式会社(再委託先) 〒601-8105 京都府京都市南区上鳥羽上調子町 1 番 1 号 ダイトーケミックス株式会社(再委託先) 〒 538-0031 大 阪 府 大 阪 市 鶴 見 区 茨 田 大 宮 3-1-7 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 赤木 伸生 技術部プロジェクト課・課長 ① 大原 浩司 技術部・部長 ① ~07.11 08.04~ 杉谷 愛 補助員(派遣員) ① 08.1~08.4 大森 真由美 補助員(派遣員) ① 08.6~08.8 千足 政典 補助員(派遣員) ① 08.8~09.1 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 飯沼 芳春 開発部・部長 ②, ③ 長谷 知行 開発部・主任 ②, ③ 高田 篤史 開発部・研究員 ②, ③ 峯 真知子 開発部・研究員 ②, ③ 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 中山 佳則 技術開発部・担当部長 ④ 桑村 勝二 研究開発部・研究員 ④ 07.04~ 空中 一之 技術開発部・研究員 ④ 内田 真規子 技術開発部・研究員 ④ 08.07~ 渕上 智弘 技術開発部・研究員 ④ ~07.03

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山陽色素株式会社(再委託先) 〒 670-0966 兵 庫 県 姫 路 市 延末 81 番地 大阪府立産業技術総合研究所(再委託先) 〒594-1157 大阪府和泉市あゆみ野 2 丁目7番1号 アドバイザー (3) 委員会等 実用化をめざした本研究開発を推進・調整するために、各参加機関の研究員、実用化さ れたときのエンドユーザーである代表的川下産業からのアドバイザー、機能性化学品業界の 代表団体からのアドバイザーからなる研究調整委員会を設置した。なお、研究調整委員会に は、随時、経済産業省製造産業局、近畿経済産業局、独立行政法人中小企業基盤整備機構、 各参加機関の関係者の方々がオブザーバーとしても参加できる委員会とした。 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 菅野 敏彦 技術開発本部・次長 ⑤ 松本 正明 技術開発本部・主任研究員 ⑤ ~07.11 小林 聡史 技術開発本部・研究員 ⑤ ~07.04 坂本 智司 技術開発本部・研究員 ⑤ 07.04~ 鉛 朋子 技術開発本部・研究員 ⑤ 07.08~ 氏 名 所属・役職 実施内容 備考 櫻井 芳昭 化学環境部化学材料系・主任研究員 ①, ② 汐崎 久芳 化学環境部化学材料系・主任研究員 ①, ② ~07.04 嵯峨根 史洋 化学環境部化学材料系・研究員 ①, ② ~08.08 氏 名 所属・役職 備考 韓 礼元 独立行政法人物質・材料研究機構次世代太陽電池センタ ー・センター長 柴 田 賢 一 三洋電機株式会社総務人事本部人財開発部・担当部長 山 中 良 亮 シャープ株式会社ソーラーシステム開発本部次世代要素技 術開発センター第三開発室・係長 08.7~ 佐 藤 洋 明 化成品工業協会・専務理事 ~09.5 福 田 成 志 化成品工業協会・専務理事 09.6~

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研究者氏名 所属・役職 就任期間 中澄博行 大阪府立大学 大学院工学研究科 教授(プロジェクトリーダー) 06.12~09.11 八木繁幸 大阪府立大学 大学院工学研究科 准教授 06.12~09.11 前田壮志 大阪府立大学 大学院工学研究科 助教 09.04~09.11 川口幸男 大阪府立大学 産学官連携機構 研究連携推進課・課長補佐 07.04~09.11 阪本 理 大阪府立大学 産学官連携機構 研究連携推進課 08.05~09.11 福西正造 大阪府立大学 産学官連携機構 総合戦略調整課・課長補佐 06.12~07.04 浅野 健 大阪府立大学 産学官連携機構 総合戦略調整課・主事 06.12~08.05 赤木伸生 昭和化工株式会社 技術部プロジェクト課 課長(サブプロジェクトリーダー) 06.12~09.11 大原浩二 昭和化工株式会社 技術部 部長 06.12~07.11 08.04~09.11 飯沼芳春 山田化学工業株式会社 開発部 部長 06.12~09.11 長谷知行 山田化学工業株式会社 開発部 主任 06.12~09.11 高田篤史 山田化学工業株式会社 開発部 研究員 06.12~09.11 峯 真知子 山田化学工業株式会社 開発部 研究員 06.12~09.11 中山佳則 ダイトーケミックス株式会社 技術開発部 担当部長 06.12~09.11 桑村勝二 ダイトーケミックス株式会社 技術開発部 研究員 07.04~09.11 空中一之 ダイトーケミックス株式会社 技術開発部 研究員 06.12~09.11 内田真規子 ダイトーケミックス株式会社 技術開発部 研究員 08.07~09.11 渕上智弘 ダイトーケミックス株式会社 技術開発部 研究員 06.12~07.03 菅野敏彦 山陽色素株式会社 技術開発本部 次長 06.12~09.11 松本正明 山陽色素株式会社 技術開発本部 主任研究員 06.12~07.11 小林聡史 山陽色素株式会社 技術開発本部 研究員 06.12~07.04 坂本智司 山陽色素株式会社 技術開発本部 研究員 07.04~09.11 鉛 朋子 山陽色素株式会社 技術開発本部 07.08~09.11

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櫻井芳昭 大阪府立産業技術総合研究所 化学環境部化学材料系 主任研究員 06.12~09.11 韓 礼 元 (アドバイザー) 独立行政法人物質・材料研究機構次世代太陽電池センタ ー・センター長 06.12~09.11 柴 田 賢 一 (アドバイザー) 三洋電機株式会社 総務人事本部人財開発部担当部長 06.12~09.11 佐 藤 洋 明 (アドバイザー) 化成品工業協会・専務理事 06.12~09.05 福 田 成 志 (アドバイザー) 化成品工業協会・専務理事 09.05~09.11 山中良亮 (アドバイザー) シャープ株式会社 ソーラーシステム開発本部 次世代要素技術開発センター第三開発室・係長 08.07~09.11 (4) 研究開発スケジュール

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H18年度 実 施 内 容 12月 H19 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 ①耐湿潤性に優れた二色性色 素の合成基盤技術の開発 ・反応最適型液相自動合成装 置の導入 ・アゾ系二色性色素の合成 基盤技術開発 ・アントラキノン系二色性色 素の合成基盤技術開発 ・ ・二色性評価と偏光フィル ・ ム特性評価 ・ (引張り装置の導入) ②薄膜白色光源用発光色素 の合成基盤技術の開発 ・ ・パラレル液相自動合成装置 ・ の導入 ・ ・染料系発光材料の合成基 ・ 盤技術開発 ・ ・顔料料系発光材料の合成基 ・ 盤技術開発 ・ ・高輝度赤色発光材料の合成 ・ 基盤技術開発 ・ ・有機ELとしての特性評価 (スピンコーターの導入) ③有機太陽電池用増感色素 の合成基盤技術の開発 ・ ・可視光領域で増感効果を示 ・ す機能性色素の合成 ・ ・近赤外領域で増感効果を ・ 示す機能性色素の合成基 ・ 盤技術開発 ・ ・マルチブロック型液相自動 合成装置の導入 ・湿式有機太陽電池の特性評価 ④薄膜型有機太陽電池用機能 材料の合成基盤技術の開発 ・ ・結晶性導電材料の合成基 ・ 盤技術開発 ・ ・反応多様型液相自動合成装 ・ 置の導入 ・ ・新規フラーレン誘導体の合 ・ 成基盤技術開発 ・ ・薄膜型有機太陽電池として ・ の特性評価 ・ ⑤高性能ナノ顔料の微細化 基盤技術の開発 ・ ・高性能ナノ顔料の微細化 ・ 基盤技術開発 ・ ・高せん断型微細ミル・分散装 ・ 置の導入 ・ ・複合化によるナノ顔料微 ・ 粒子の安定化基盤技術 ・ の開発 ⑥プロジェクトの管理・運営 ・研究調整委員会の開催 ・ ・報告書作成 ・

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H19年度 実 施 内 容 12月 H20 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 ①最適な耐湿潤性に優れた 二色性色素の合成基盤技 術の開発 ・アゾ系二色性色素の合成 基盤技術開発 ・アントラキノン系二色性 色 素 の 合 成 基 盤 技 術 開 発 ・耐湿潤性試験法の検討 ・展示用試作品の検討 ②最適な薄膜白色光源用発光 色素の合成基盤技術の開発 ・染料系発光材料の合成基 盤技術開発 ・顔料料系発光材料の合成基 盤技術開発 (合成経路支援ソフトの導入) ・金属錯体系発光材料の合成 基盤技術開発 ・有機EL素子の最適化 (色彩輝度計の導入) (グローボックスの導入) (電気化学測定システム導 ・展示用試作品の検討 ・ ③最適な有機太陽電池用増感 色素の合成基盤技術の開発 ・可視光領域で増感効果を示 す機能性色素の合 成 基 盤 技術開発 ・近赤外領域で増感効果を 示す機能性色素の合成基 盤技術開発 (近赤外分光光度計の導入) ・セルの最適化 ・展示用試作品の検討 ④最適な薄膜型有機太陽電池 用機能材料の合成基盤技術 の開発 ・結晶性導電材料の合成基 盤技術開発 (GPC分析カラム、 高速液体 クロマト装置の導入) ・新規フラーレン誘導体の合 成基盤技術開発 ・セルの最適化 ・展示用試作品の検討 ⑤最適な高性能ナノ顔料の微細 化基盤技術の開発 ・高性能ナノ顔料の微細化 基盤技術開発 (溶剤蒸発装置の導入) ・複合化によるナノ顔料微 粒子の安定化基盤技術の開発 (小型分散装置の導入) ⑥プロジェクトの管理・運営

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H20年度 実 施 内 容 12月 H21 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 ①実用化を指向した耐湿潤性 に優れた二色性色素の合成基 盤技術の開発 ・トリスアゾ系二色性色素 等の開発 ・偏光板の評価 ・アントラキノン系二色性 色素の二色性評価、耐候 性試験 ・スケールアップのための 基礎的データーの測定 (自動合成用カロリーメト リーの導入) ②実用化を指向した薄膜白 色光源用発光色素の合成 基盤技術の開発 ・蛍光色素の置換効果の検討 ・蛍光色素のスケールアップ のための測定 ・蛍光色素の耐光性試験 ( キ セ ノ ン 促 進 耐 光 試 験 機の導入) ・金属錯体系発光材料の最適 化とスケールアップの検討 ・素子構造の改良による高輝 度化の検討 ・白色発光素子の試作 ③実用化を指向した有機太 陽電池用増感色素の合成 基盤技術の開発 ・可視光域の増感色素の置換 基効果の検討 ・可視光域の増感色素のスケ ールアップのための基礎 的データーの測定 ・近赤外領域の増感色素の置 換基効果とスケールアン プのための基礎的データ ーの測定 ・セル構造の改良と最適化 (ナノスケールハイブリ ッド顕微鏡の導入) ④実用化を指向した薄膜型 有機太陽電池用機能材料の 合成基盤技術の開発 ・増感域の拡大を目ざした チ オ フ ェ ン 類 等 の 合 成 の検討 ・ポリチオフェン類のスケ ールアップのための基礎 的データーの測 ・フラーレン系増感色素の改 良と高率な合成の検討 ・ポリチオフェンのサンプル 試供 ⑤実用化を指向した高性能 ナノ顔料の微細化基盤技術

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3.成果概要 (1) 耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発 本開発では、PVA(ポリビニルアルコール)以外のポリマーを用いて偏光フィルムを 作製するところに特徴がある。偏光フィルムとするためには、二色性色素で染色する 必要があり、PVA 用色素のように水溶性の官能基を含む色素骨格では、汎用のポリマ ーを着色することはできない。このために、水溶性の官能基を全く含まない二色性色 素を原料から迅速に合成する必要がある。二色性色素およびそれらを用いて作製した 偏光フィルムの耐久性は、偏光度 70%、80℃、90%湿度で 1,000 時間程度の目標物性到 達を目指した。 (達成状況) 平成 18 年度に反応最適型液相自動合成装置を導入し、ジスアゾ系二色性色素、ア ンスラキン系二色性色素の合成・精製方法の効率化を達成することができた。3 年間 で偏光フィルム用二色性色素 22 種類を開発した。また、ポリプロピレンフィルム、 ポリエステルフィルムを用いた二色性色素の評価で、目標値を上回る偏光度 90 %以 上、80 ℃、90 %湿度で 1,000 時間以上の耐湿潤性や耐熱性に優れた偏光フィルムの 開発・試作にも成功した。また、新規な偏光板として、ラビング処理ガラス基板に二 色性色素をスピンコートするだけで作製できる製造法も見出した。平成 20 年度導入 した自動合成装置用カロリーメトリーを用いて、ジアゾニウム塩のカップリング反応 の反応熱を測定し、スケールアップのための基礎データーの収集も行った。 (2) 薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発 本開発では、発光層を溶液塗布して作製する白色光源用有機 EL 素子に適した発光 材料とするところに特徴がある。白色光源とするためには、青、緑、赤色の三原色そ れぞれに適した有機系蛍光色素や金属錯体系りん光性材料を迅速に開発する必要があ る。高効率な発光材料として、初期目標値として蛍光量子収率が 70~90 %、最終年 度で色素分散型高分子EL 素子(PLED)の白色発光素子で外部量子効率 5 %、発光 10,000 cd/m2 ・顔料のナノ化手法開発 ・分散剤・被覆剤の最適化 ・分散工程および最終顔料 での粒子径の測定 ・複合化処理技術の開発 ・新規表面処理法の開発 ⑥プロジェクトの管理・運営 ・研究」調整委員会の開催 ・報告書作成

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(達成状況) 18 年度に導入したパラレル型液相自動合成装置、マルチブロック型液相自動合成装 置で種々の蛍光色素、金属錯体系リン光性色素の合成・精製方法の効率化を達成する ことができた。3 年間で蛍光色素 40 種類、金属錯体系リン光性色素 28 種類を開発し た。PLED の作製および特性評価を 18~20 年度導入した色彩輝度計、電気化学測定 システム、スピンコーター、グローブボックスや有機 EL 測定装置、ナノスケールハ イブリッド顕微鏡、キセノン促進耐侯試験機により迅速に行い、80 %以上の蛍光量 子収率を示す蛍光色素27 種類を開発した。赤色光の単色光ではあるが、5.3 %の外部 量子効率を示すものも開発した。外部量子効率は低いもの三色または二色で、発光輝 度10,000 cd/m2以上の白色発光素子の作製にも成功した。 (3) 有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発 本開発では、湿式有機太陽電池用増感色素として波長領域 400 nm~800 nm で増感 効果を示す最適な増感色素とするところに特徴がある。そのためには、可視光域で増 感効果を示すものの他に、700 nm 以上の近赤外域で増感効果を示す色素も迅速に開 発する必要がある。湿式有機太陽電池セルの最適化を行い、変換効率10 %以上を可能 にする機能性色素の開発をめざした。 (達成状況) 18 年度に導入したパラレル型液相自動合成装置、マルチブロック型液相自動合成 装置を活用して、可視領域において増感効果を示す色素や近赤外域で増感効果を示す 色素を迅速に種々合成した。3 年間で可視領域の増感色素 18 種類、近赤外吸収色素 7 種類を開発した。セルの作製および特性評価を 18~20 年度導入した紫外可視近赤外 分光光度計、電気化学測定システム、グローブボックスや分光感度測定装置、ナノス ケールハイブリッド顕微鏡、キセノン促進耐侯試験機により迅速に行い、変換効率0.4 ~8.5 %を示すものを開発した。特に近赤外増感色素で変換効率 0.4~1.8 %を示した。 1種類の増感色素単独で 10 %以上を示すセルは作製できなかったが、近赤外域で変 換効率1.8 %を達成し、既存の可視光域の増感色素と組み合わせることで 10 %以上 の変換効率を示すことが可能である。 (4) 薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発 本開発では、バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において光電変換波長域を拡大 する結晶性導電物質や近赤外域で色素増感する新規フラーレン誘導体を用いるところ に特徴がある。そのためにπ共役系の拡大したオリゴチオフェンや近赤外吸収色素を 分子末端に有するフラーレン誘導体を迅速に開発する必要がある。薄膜型有機太陽電 池セルの変換効率5 %以上を可能にするこれら機能性物質の開発をめざした。 (達成状況)

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18、19 年度に導入した反応多様型液相自動合成装置、GPC 分析カラムセット、超 高速液体クロマトグラフ装置、マルチブロック型液相自動合成装置を活用して、π共 役系の拡張したポリチオフェン誘導体や近赤外域で増感効果を示すフラーレン誘導体 を迅速に種々合成した。3 年間でポリチオフェン誘導体 30 種類、フラーレン誘導体 3 種類を開発した。セルの作製および特性評価を 18~20 年度導入した紫外可視近赤外 分光光度計、電気化学測定システム、グローブボックスや分光感度測定装置、ナノス ケールハイブリッド顕微鏡により迅速に行い、変換効率 0.2~3.4 %を示すものを開 発した。薄膜型太陽電池の変換効率は、そのセル作製法に大きく依存することから、 目標の変換効率には到達しなかった。しかしながら、700 nm 以上の近赤外域で変換 効率を示すチオフェン誘導体も開発したことから、今後の発展が期待される。 (5) 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発 本開発では、従来のビーズミル分散法に替わり、高せん断型微細化と分散を同時に 行なう新規ソルトミリング法により、微細顔料製造法の省力化と微細顔料の高性能化 を実現するところに特徴がある。そのために、顔料粒子の最適ナノ化のためのナノ分 散機の設計・試作および分散剤や表面処理剤による分散安定性の最適化を行う必要が ある。カラーフィルター用の製品組成における微細化技術を確立し、目標値として、 分散平均粒子径で50 nm 以下、ミリング時間を現状の 5 分の 1 以下に短縮し、耐光性 (⊿E<5、500 h)、耐熱性(250 ℃)をめざした。 (達成状況) 18 年度、19 年度導入した高せん断型微細ミル・分散装置、溶剤蒸発装置、小型分 散装置により、安定化添加剤を利用した微細化と転相による分散体製造法の新技術を 開発した。カラーフィルター用Blue15:6 顔料では、微細化により一次粒子径で従来 の 1/2(10nm 以下)を達成した。また転相法によって、易分散性が向上し、1/10 以 下のミリング時間で分散粒子径約65 nm 以下を Green 顔料や Yellow 顔料で達成し、 従来の24%~100%以上のコントラスト値も達成した。さらに、微細有機顔料におけ るゾルーゲル処理で大幅な耐熱性の改善が認められ、従来品以上に微細で高性能な顔 料が得られた。なお、顔料分散分野で使用されるコントラスト値を可視化するコント ラスト比画像記録システムを開発し、実用新案を出願した。 (6) プロジェクトの管理・運営 プロジェクトの円滑な管理・運営を行うために、研究調整委員会を進捗状況に応じ て18 年度 10 回、19 年度 6 回、20 年度 5 回開催した。 以上の成果の一部は、以下の特許申請、学協会等で発表を行った。

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■特許出願および実用新案出願 10 件さらに特許出願予定 2 件 (1) 特許出願番号 2007-63535 出願日:平成 19 年 3 月 13 日 「金属錯体化合物、色素および有機電界発光素子」(出願人:大阪府立大学) (2) 特許出願番号 2008-061120 出願日:平成 20 年 3 月 11 日 「ベンゾオキサジノン系化合物、色素および有機電界発光素子」(出願人:大阪府立 大学、山田化学工業株式会社) (3) 特許出願番号 2008-061125 出願日:平成 20 年 3 月 11 日 「ポリプロピレン偏光版」(出願人:大阪府立大学、昭和化工株式会社) (4) 特許出願番号 2008-061123 出願日:平成 20 年 3 月 11 日 「偏光板の製法」(出願人:大阪府立大学、昭和化工株式会社) (5) 特許出願番号 2008-061113 出願日:平成 20 年 3 月 11 日 「アゾ系二色性色素」(出願人:大阪府立大学、昭和化工株式会社) (6) 実用新案出願番号 2008-6054 出願日:平成 20 年 8 月 28 日 「コントラスト画像記録システム」(出願人:大阪府立大学、山陽色素株式会社) (7) 特許出願番号 2008-255736 出願日:平成 20 年 9 月 30 日 「微細化顔料組成物および該微細化顔料組成物を用いた顔料分散体の製造方法」 (出願人:山陽色素株式会社) (8) 特許出願番号 2009-192023 出願日:平成 21 年 8 月 21 日 「偏光板およびその製法」(出願人:大阪府立大学、昭和化工株式会社) (9) 特許出願番号 2009-206736 出願日:平成 21 年 9 月 8 日 「表面処理顔料粒子およびその製造方法」(出願人:大阪府立大学、山陽色素株式会社) (10) 特許出願番号 2009-253933 出願日:平成 21 年 11 月 5 日 「新規な共重合物及びその製造方法」(出願人:ダイトーケミックス株式会社) ■外部発表等の状況 ・学会、協会等での発表 36 件 (1) 拡張π共役系配位子を有する燐光性白金(II)錯体の合成 八木繁幸、本田裕一郎、辻元英孝、中澄博行、櫻井芳昭、汐崎久芳 日本化学会第87 春季年会発表(2007 年 3 月、大阪) (2) 拡張π共役系配位子を有する燐光性白金(II)錯体を用いた PLED 素子の作製 辻元英孝、本田裕一郎、櫻井芳昭、汐崎久芳、八木繁幸、中澄博行 日本化学会第87 春季年会発表(2007 年 3 月、大阪) (3) 機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発 中澄博行 新連携/モノ作り中小企業全国フォーラム(2007 年 6 月、東京)

(4) Synthesis of Novel Platinum (II) Cyclometalated Complexes as a Phosphorescent Emitter for OLED Application

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80th JSCM Anniversary Conference (2007, September, Tokyo) (5) Fullerene-conjugated Squarylium Dyes for Organic Solar Cells

H. Nakazumi, T. Hashimoto, S. Yagi

80th JSCM Anniversary Conference (2007, September, Tokyo)

(6) Polymer Light Emitting Diodes using Novel Organometallic Complexes as a Phosphorescent Dopant

E. Tsujimoto, S. Yagi, Y. Honda, H. Nakazumi, Y. Sakurai, H. Shiozaki 80th JSCM Anniversary Conference (2007, September, Tokyo)

(7) 優れた耐湿潤性を指向したアゾ系二色性色素の合成 赤木伸生、辻澤拓也、八木繁幸、中澄博行 日本化学会第88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (8) 近赤外領域に増感効果を示す有機太陽電池のセルの最適化 一ノ瀬裕一、八木繁幸、中澄博行 日本化学会第88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (9) ポリマーブレンド系薄膜型太陽電池の特性に及ぼすポリ(3-置換チオフェン)の分子 量分布の影響 辻澤拓也、八木繁幸、中澄博行、中山佳則、渕上智弘、桑村勝二 日本化学会第 88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (10) りん光性白金(Ⅱ)錯体を発光ドーパントとする高分子電界発光素子の開発 辻元英孝、八木繁幸、寺尾洋人、中澄博行, 櫻井芳昭、嵯峨根史洋 日本化学会第 88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (11) りん光性白金(Ⅱ)錯体の発光特性におけるジケトン配位子の影響 寺尾洋人、辻元英孝、八木繁幸、中澄博行, 櫻井 芳昭 日本化学会第 88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (12) 赤色発光を指向したπ共役拡張型配位子を有するりん光性白金(Ⅱ)錯体の開発 乾 祐巳、辻元英孝、八木繁幸、中澄博行、櫻井芳昭 日本化学会第 88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京) (13) 蛍光色素を発光ドーパントとする高分子電界発光素子の開発 八木繁幸、辻元英孝、寺尾洋人、中澄博行, 飯沼芳春、長谷知行, 櫻井芳昭 日本化学会第 88 春季年会発表(2008 年 3 月、東京)

(14) Unsymmetrical Squarylium Dyes for Near-Infrared Dye-Sensitized Solar Cell Applications

H. Nakazumi

The 21st IUCr Satellite Meeting “Molecular Crystals Exhibiting Exotic Functions” (2008 年 8 月, 大阪)

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Containing Fullerene-squarylium Dyes

T. Tsujisawa, K. Kuwamura, K. Soranaka, Y. Nakayama, H. Nakazumi, S. Yagi The 21st IUCr Satellite Meeting “Molecular Crystals Exhibiting Exotic Functions” (2008 年 8 月、大阪) (16) 機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発 中澄博行 新連携/モノ作り中小企業全国フォーラム(2008 年 8 月、東京) (17) 有機太陽電池を指向したスクアリリウム系近赤外増感色素の開発(1) 一ノ瀬裕一、八木 繁幸、中澄 博行 2008 年度色材研究発表会発表 (2008 年 9 月、名古屋) (18) 有機太陽電池を指向したスクアリリウム系近赤外増感色素の開発(2) 島 直輝、八木繁幸、中澄博行 2008 年度色材研究発表会発表 (2008 年 9 月、名古屋) (19) りん光性白金(Ⅱ)錯体を用いた高分子電界発光素子の EL 特性評価 辻元英孝、寺尾洋人、八木繁幸、中澄博行、櫻井芳昭、汐崎久芳 2008 年度色材研究発表会発表 (2008 年 9 月、名古屋) (20) P3HT-PCBM 系バルクヘテロ接合型薄膜有機太陽電池の高効率化 辻澤拓也、八木繁幸、中澄博行、中山佳則、空中一之、桑村勝二 2008 年度色材研究発表会発表 (2008 年 9 月、名古屋) (21) コントラストの可視化法 鉛 朋子、坂本智司、菅野敏彦、佐藤宗武 2008 年度色材研究発表会発表 (2008 年 9 月、名古屋) (22) 高分子電界発光素子への応用を指向したりん光性白金錯体の開発 八木繁幸 2008 年光化学討論会発表(2008 年 9 月、大阪) (23) 蛍光色素をドーパントとする高分子電界発光素子の開発 長谷知行、高田篤史、峯真知子、飯沼芳春、八木繁幸、中澄博行、辻元英孝、櫻井芳昭 2008 年光化学討論会発表(2008 年 9 月、大阪) (24) P3HT/PCBM 系バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の特性におよぼす色素添加の影響 辻澤拓也、八木繁幸、中澄博行、中山佳則、桑村勝二、内田真規子、空中一之 日本化学会第89 春季年会発表 (2009 年 3 月、船橋) (25)色素増感太陽電池の高性能化を目指したスクアリリウム系色素の開発 島 直輝、八木繁幸、中澄博行 日本化学会第89 春季年会発表 (2009 年 3 月、船橋) (26)色素増感太陽電池用フタロシアニン系増感色素の開発 一ノ瀬裕一、八木繁幸、中澄博行、長谷知行、高田篤史、峯真知子、飯沼芳春

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日本化学会第89 春季年会発表 (2009 年 3 月、船橋) (27)1-(ジベンゾフラン-4-イル)イソキノリンを配位子とする新規赤色りん光性イリジウム (III)錯体の合成と光学特性 八木繁幸、飛鳥穂高、辻元英孝、乾 祐巳、中澄博行、櫻井芳昭 日本化学会第89 春季年会発表(2009 年 3 月、船橋) (28)1-(ジベンゾフラン-4-イル)イソキノリンを配位子とする新規赤色りん光性イリジウム (III)錯体の電界発光特性 辻元英孝、飛鳥穂高、乾 祐巳、八木繁幸、中澄博行、櫻井芳昭 日本化学会第89 春季年会発表(2009 年 3 月、船橋) (29)ポリマーブレンド系薄膜太陽電池の特性に及ぼす P3HT 末端基の影響 桑村勝二、内田真規子、空中一之、中山佳則、辻澤拓也、八木繁幸、中澄博行 日本化学会第89 春季年会発表 (2009 年 3 月、船橋)

(30) Phosphorescent Organometallic Complexes for Solution-Processable Organic Light- Emitting Diodes

S. Yagi

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、大阪)

(31) Novel Red Phosphorescent Iridium(III) Complexes for Solution-Processable Organic Light- emitting Diodes

H. Asuka, H.Tsujimoto, Y. Inui, S. Yagi, H. Nakazumi , Y. Sakurai

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、 大阪)

(32) White Electroluminescence Obtained from a Polymer Light-Emitting Diode Containing Two Phosphorescent Iridium(III) Complexes in an Emitting Layer

S Ikawa, H suka, H Tsujimoto, S Yagi, H Nakazumi Y. Sakurai

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、大阪)

(33) Polymer Light-emitting Diodes using a Novel Red Phosphorescent Iridium(III) Complex as an Emitting Dopant

H Tsujimoto, H Asuka, Y Inui, S Yagi, H Nakazumi, Y. Sakurai

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、 大阪)

(34) Effect of Carboxy Groups in Squarylium Dyes on Power Conversion Efficiency of Dye-Sensitized Solar Cells

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大阪)

(35) Influence of the Terminal Group of P3HT on the Surface of Bulk Heterojunction Solar Cell

T Tsujisawa, S Yagi, H Nakazumi, K Kuwamura, M Uchida, K Soranaka, Y Nakayama

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、大阪)

(36) Development of Polymer Light-Emitting Diodes using Organic Fluorescent Dyes as Emitting Dopants

T. Hase, A.Takata, M. Mine, Y. Iinuma, H. Tsujimoto, S. Yagi, H. Nakazumi, Y. Sakurai The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、 大阪)

(37) Influence of the Terminal Group of P3HT in Bulk Heterojunction Solar Cells K.Kuwamura, M.Uchida, K.Soranaka, Y.Nakayama, T.Tsujisawa, S.Yagi, H.Nakazumi

The 4th East Asia Symposium on Functional Dyes and Advanced Materials (2009 年 6 月、 大阪) その他、実物展示および展示出展 (3 件) (1) PLED発光素子およびプロジェクトの概要紹介、昭和化工、ダイートーケミック スの開発品紹介パンフレット配布 日本化学会第88 春季年会 展示ブース(2008 年 3 月、東京) (2) 有機EL用発光材料の開発紹介、昭和化工、ダイートーケミックス、山田化学工業 の開発品紹介パンフレット配布 新連携/モノ作り中小企業全国フォーラム 展示ブース(2008 年 8 月、東京) (3) 機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発 中澄博行 モノ作り中小企業関西フォーラム~戦略的基盤技術高度化支援事業成果発表会 (2009 年 11 月、大阪) 4.当該研究開発の連絡窓口 公立大学法人 大阪府立大学産学官連携機構総合研究連携推進課(担当:阪本、川口) Tel :072-254-9107, 9124 Fax:072-254-9874 〒599-8570 大阪府堺市中区学園町1番2号

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第2章 本論 1.耐湿潤性に優れた二色性色素の合成基盤技術の開発 本研究課題では、耐候性として、偏光度70 %、80 ℃、90 %湿度、1,000 時間を保証す る偏光フィルムに応用可能なアゾ系、アントラキノン系の二色性色素の少量試作品の合成 基盤技術を開発し、PVA(ポリビニルアルコール)以外のポリマーを用いて新規偏光フィル ムの実用化をめざした。 平成 18 年度に反応最適型液相自動合成装置を導入し、ジアゾ化、カップリング、イミ ノ化、加水分解等の反応を駆使してジスアゾ系二色性色素、アンスラキン系二色性色素の 合成・精製方法の効率化を達成することができた。3 年間で偏光フィルム用二色性色素 22 種類を開発した。ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルムを用いた二色性色素の 評価で、目標値を上回る偏光度90 %以上、80 ℃、90 %湿度で 1,000 時間以上の耐湿潤 性や耐熱性に優れた偏光フィルムの開発・試作にも成功した。 汎用のポリエステルフィルムと開発したアゾ系色素を用いて作製した偏光フィルムの 偏光度の結果の一部を表1に示す。また、二色性色素の構造に依存して偏光度も大きく変 化するが、赤、青、黄色の二色性色素で、それぞれ 70 %以上の偏光度を示すものを開発 した。また、これら二色性色素を用いて試作したニュートラルグレー色の偏光フィルムを 図1 に示す。偏光度は 99 %に到達した。 また、新規な偏光板として、ラビング処理ガラス基板に二色性色素をスピンコートする だけで作製できる製造法も見出した。作製したラビング処理ガラスに二色性色素をコーテ ィングしたときのAFM 画像を図 2 に、その偏光特性を図 3 に示す。 表 1 アゾ系二色性色素を用いたポリエステルフィルムの偏光度 アゾ色素 λmax /nm 二色性比 偏光度/% 1 531 8.55 94 2 556 7.86 89 3 557 10.17 87 4 606 5.07 61 5 632 5.94 65 6 588 5.56 43 7 653 5.24 49 8 434 8.43 98 図 1 試作したポリエステル偏 光フィルム(偏光度 99%)

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二色性色素の合成スケールアップのための基礎データーとして、平成 20 年度導入した 自動合成装置用カロリーメトリーを用いて、ジアゾニウム塩のカップリング反応の反応熱 を測定し、ジアゾニウム塩によって少し異なるが、29.1±1.9 kcal/mol、24.2±3.3 kcal/mol の発熱量が得られた。 2.薄膜白色光源用発光色素の合成基盤技術の開発 本研究課題では、次世代照明・光源として期待される色素分散型高分子EL 素子(PLED) に適した発光材料の合成基盤技術の確立をめざした。特に、低コスト化が可能な溶液塗布 型素子への展開を目標とした分子設計と、自動合成装置を駆使した発光材料開発の効率化 について検討し、18~20 年度に導入した色彩輝度計、電気化学測定システム、スピンコー ター、グローブボックスや有機 EL 測定装置、ナノスケールハイブリッド顕微鏡、キセノ ン促進耐侯試験機により PLED セルの作製と基礎的な性能評価を行った。白色光源とするた めには、赤色(R)、緑(G)、青(B)色の三原色それぞれに適した有機系蛍光色素や金属 錯体系りん光材料を迅速に開発する必要がある。高効率な発光材料として、蛍光量子収率 が70~90 %、PLED の白色発光素子で外部量子効率 5 %、発光輝度 10,000 cd m-2以上を 目指した。 2-1.有機系蛍光色素の開発と有機EL への応用 有機系蛍光色素として、ベンゾオキサジノンならびにイミノクマリン系有機色素を中心 に有機 EL 用蛍光色素の開発を行った。18 年度お呼び 19 年度に導入した分子軌道計算ソフ ト、有機合成設計ソフトやパラレル型液相自動合成装置を用いて分子設計・合成の迅速化 を達成した。3 年間で蛍光色素 40 種類を開発した。RGB それぞれについて 80%以上の蛍 光量子収率を示す蛍光色素 27 種類を開発した。さらに、開発した蛍光色素の中から最適 な発光材料の二色および三色発光型の素子を作製し、10000 cd m-2 をこえる最大輝度を示 す、CIE 色度(0.34, 0.38)の白色 EL 素子を実現した。その結果を表 2、図 4 に示す。 (c) (a) (b) 図2 ラビング処理ガラス基板にアゾ系二色性色素を コーティングした後のAFM画像((a)表面概観、 (b)表面拡大図、(c)断面画像) 0.30 0.20 0.10 0.00 A b s o rb a n c e 800 700 600 500 400 Wavelength/nm AA// 0.30 0.20 0.10 0.00 A b s o rb a n c e 800 700 600 500 400 Wavelength/nm AA// A/// A= 13.2 図3 二色性色素をコーティングしたラビ ング処理ガラス基板の偏光特性

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2-2.金属錯体系りん光材料の開発と有機EL への応用 金属錯体系りん光材料として、シクロメタル化白金(Ⅱ)錯体およびシクロメタル化イリ ジウム(Ⅲ)錯体の開発を行った。補助配位子として複数のアルコキシ基を導入したジベン ゾイルメタンを導入することで、発光量子収率を低下させることなく従来のりん光材料に 比べて溶剤やホスト高分子との相溶性に優れた材料の開発に成功した。中間体の合成に18 年度導入したマルチブロック型自動合成装置で効率的な材料開発を実現し、14 種類の新規 白金(Ⅱ)錯体系りん光材料を開発し、溶液中での絶対量子収率(PL)は0.59 にまで到達 した。さらに、新規イリジウム(Ⅲ)錯体系りん光材料 14 種類を開発し、従来の赤色りん光 材料よりも高いPL値(0.61)が得られた。(図 5) また、本研究課題で開発したりん光材料を用いて白色発光色素分散型高分子 EL 素子の 作製を試み、青色りん光および赤色りん光イリジウム(Ⅲ)錯体の中から最適な発光材料の 組み合わせで二色発光型の素子を作製し、最大輝度4,233 cd m-2、電力効率2.4 lm W-1 外部量子収率2.4 %、CIE 色度(0.36, 0.38)の白色 EL を実現し、4 cm×4 cm の大面積素子 の作製にも成功した。(図 6) 表2 蛍光色素を用いた白色 PLED の発光特性 図 4 蛍光色素を用いたPLED の(a)発光スペクトルと(b)CIE 色度座標 (a) (b)

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3.有機太陽電池用増感色素の合成基盤技術の開発 本研究課題では、湿式有機太陽電池用増感色素として波長領域400 nm~800 nm で増感 効果を示す色素を開発し、湿式有機太陽電池セルの最適化を行い、変換効率10 %以上を可 能にする機能性色素の開発をめざした。 18 年度に導入したパラレル型液相自動合成装置、マルチブロック型液相自動合成装置を 活用して、多段階合成を必要とする可視領域~近赤外波長域で増感効果を示す色素を迅速 に種々合成した。3 年間で可視領域のクマリン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニ ン系色素、スクアリリウム系増感色素 18 種類、スクアリリウム系近赤外吸収色素 7 種類 を開発した。セルの作製および特性評価を 18~20 年度に導入した紫外可視近赤外分光光 度計、電気化学測定システム、グローブボックスや分光感度測定装置、ナノスケールハイ ブリッド顕微鏡、キセノン促進耐侯試験機により迅速に行い、変換効率 0.4~8.5 %を示 すものを開発した。 700 nm の波長域で吸収を示すフタロシアニン系増感色素を用いた湿式有機太陽電 池のセル特性を表3 と図 7 に示す。フタロシアニン系増感色素は染色条件がセル特性に 影響し、PSD-007 用いた場合、染色濃度を薄くして染色時間を長くすることで、変換 1.5 1.0 0.5 0.0 E L in te n s it y (a .u .) 900 800 700 600 500 400 Wavelength (nm) 0 0.2 0.4 0.6 0.8 0 0.2 0.4 0.6 0.8 CIE (0.68, 0.31) 0 0.2 0.4 0.6 0.8 0 0.2 0.4 0.6 0.8 CIE (0.68, 0.31) N Ir O O OBu OBu OBu O Bu O 2 図 5 新規イリジウム(Ⅲ)錯体系りん光材料による純赤色PLED 素子の(a)発光スペクトルと(b)CIE 色度座標 (a) (b 15 10 5 0 E L in te n s it y /a .u . 800 600 400 Wavelength /nm @ 8 V 4 cm×4 cm 大面積素子 CIE (0.36, 0.38) 15 10 5 0 E L in te n s it y /a .u . 800 600 400 Wavelength /nm 15 10 5 0 E L in te n s it y /a .u . 800 600 400 Wavelength /nm @ 8 V 4 cm×4 cm 大面積素子 CIE (0.36, 0.38) + EL: 610 nmEL: 474 nm + EL: 610 nmEL: 474 nm 図 6 新規イリジウム(Ⅲ)錯体系りん光材料による二色型白色PLED 素子の(a)発光スペクトルと(b)発光素子 (a) (b)

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効率を2.9 %まで向上させることができた。 表3フタロシアニン系増感色素を用いたセル特性に及ぼす染色時間、染色濃度の効果 また、スクアリリウム系近赤外増感色素で変換効率0.4~1.9%を示した。最適化した湿式 有機太陽電池の(a)分光感度、(b)J-V 特性を図 8 に示す。  = 1.88 % FF=0.51 Voc= 0.40 V Jsc= 9.0 mA/cm2  = 1.88 % FF=0.51 Voc= 0.40 V Jsc= 9.0 mA/cm2 図 8 スクアリリウム系近赤外増感色素を用いた湿式有機太陽電池の(a)分光感度、(b)J-V 特性 (a) (b) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 Voltage [V] C u rr e n t D e n si ty [m A / c m 2 ] PSD-006-0.12mM-10min PSD-011-0.12mM-120min PSD-011-0.04mM-240min PSD-007-0.04mM-360min PSD-012-0.04mM-60min PSD-013-0.04mM-120min PSD-014-0.04mM-360min 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 400 500 600 700 800 900 Wavelength [nm] IP C E PSD-006-0.12mM-10min PSD-011-0.12mM-120min PSD-011-0.04mM-240min PSD-007-0.04mM-360min PSD-012-0.04mM-60min PSD-013-0.04mM-120min PSD-014-0.04mM-360min

Dye Dye conc. (mM) Dyeing time (min) Jsc (mA/cm2) Voc (V) ff η(%) PSD-006 0.12 10 5.87 0.57 0.71 2.37 PSD-011 0.12 120 4.19 0.62 0.73 1.90 PSD-011 0.04 240 5.81 0.61 0.68 2.40 PSD-007 0.04 360 7.19 0.59 0.68 2.90 PSD-012 0.04 60 6.10 0.58 0.70 2.47 PSD-013 0.04 120 2.28 0.57 0.72 0.94 PSD-014 0.04 360 2.39 0.57 0.72 0.97

Electrolyte : 0.5 M TBP, 0.5 M DMPII, 0.1 M LiI, 0.05 M I2in CH3CN

図 7 フタロシアニン系増感色素を用いた湿式有機太陽電池の(a)J-V 特性と(b)IPCE 特性

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1種類の増感色素単独で10 %以上を示すセルは作製できなかったが、近赤外域で変換効 率 1.8%を達成したことから、既存のルテニウム系増感色素と組み合わせることで 10 % 以上の変換効率を示すことが可能である。 4.薄膜型有機太陽電池用機能材料の合成基盤技術の開発 本研究課題では、バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において光電変換波長域を拡大 する結晶性導電物質や近赤外域で増感する色素の合成基盤技術の確立をめざして、π共役 系の拡大したオリゴチオフェンや近赤外吸収色素を分子末端に有するフラーレン誘導体を 迅速に開発し、薄膜型有機太陽電池セルの変換効率6 %以上を可能にするこれら機能性物 質の開発をめざした。 18、19 年度に導入した反応多様型液相自動合成装置、GPC 分析カラムセット、超高速 液体クロマトグラフ装置、マルチブロック型液相自動合成装置を活用して、π共役系の拡 張 した ポリ チオ フェ ン誘 導体 や近 赤外 域で 増感 効果 を示 すフ ラー レン 誘導 体を 迅速に 種々合成した。3 年間でポリチオフェン誘導体 30 種類、近赤外吸収色素修飾フラーレン誘 導体 3 種類を開発した。セルの作製および特性評価を 18~20 年度導入した紫外可視近赤 外分光光度計、電気化学測定システム、グローブボックスや分光感度測定装置、ナノスケ ールハイブリッド顕微鏡により迅速に行い、変換効率0.2~3.5 %を示すものを開発した。 開発した多くのπ共役拡張ポリチオフェンの光電変換波長域を拡大することはできな かった。さらに、チオフェン、カルバゾール、シクロペンタジチオフェンなどとの共重 合ポリマーで、長波長化が達成できたことから、今後、補完研究を通じて、これらの 電池特性を明らかにする。なお、既知のポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)は、残存す る分子末端の臭素原子によりセル特性を低下させることから、グリニヤール反応剤で 種々の置換基に置換し、その電池特性に及ぼす影響について検討した。(表 4)置換す ることで電池性能が大きく改善し、さらに、PCBM との最適比率で薄膜を作製すること で、最大変換効率を示した。(表 5) 表4 末端置換 P3HT の電池特性評価 末端 置換基 Voc / V / mA cmJsc -2 FF η / % Br 0.51 2.46 0.34 0.42 H 0.53 9.77 0.37 1.93 CH3 0.57 7.11 0.39 1.71 C6H5 0.59 5.63 0.38 1.26 また、近赤外増感色素を用いた薄膜型太陽電池の光電変換波長域の拡大は認められた が、その増感効果は小さく(図 9)、新たに開発したベンゾジチオフェンオリゴマーで初めて 表5 末端置換 P3HT/PCBM 比率による電池特性評価 P3HT: PCBM V/ Voc / mA cmJsc -2 FF η / % 4:6 0.52 7.26 0.40 1.52 5:5 0.53 9.77 0.37 1.93 6:4 0.61 11.17 0.50 3.37 7:3 0.57 9.85 0.42 2.36

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は、そのセル作製法に大きく依存することから、目標の変換効率には到達しなかった。し かしながら、700 nm 以上の近赤外域で変換効率を示すチオフェン誘導体も開発したこと から、今後の発展が期待される。 5.高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発 本研究課題では、従来のビーズミル分散法に替わり、高せん断型微細化と分散を同時に 行なう新規ソルトミリング法により、高性能ナノ顔料の微細化基盤技術を確立することを めざし、顔料粒子の最適ナノ化のためのナノ分散機の設計・試作および分散剤や表面処理 剤による分散安定性の最適化を行った。カラーフィルター用の製品組成における微細化技 術を確立し、目標値として、分散平均粒子径で50 nm 以下、ミリング時間を現状の 5 分の 1 以下に短縮し、耐光性(⊿E<5、500h)、耐熱性(250 ℃)をめざした。 100 50 0 10 5 0 C60-SQ dye 1/PCBM-2.67wt% C60-SQ dye 1/PCBM-0.67wt% C60-SQ dye 1/PCBM-0.33wt% nondoped N Me O O N X O O Bu N Bu O O N 近赤外域で増感効果を観測 100 50 0 100 50 0 10 5 0 10 5 0 C60-SQ dye 1/PCBM-2.67wt% C60-SQ dye 1/PCBM-0.67wt% C60-SQ dye 1/PCBM-0.33wt% nondoped N Me O O N X O O Bu N Bu O O N 近赤外域で増感効果を観測 図 9 近赤外増感色素を用いた薄膜型太陽 電池の分光感度特性 図 10 ベンゾジチフェンオリゴマーを用いた 薄膜型太陽電池の分光感度特性 Dithiophene Oligomer Voc= 0.54 V Jsc= 4.03 mA cm-2 FF =0.36  = 0.79 % 図 11 微細化基盤技術における開発製法の高性能化と省力化の例 ※ コントラスト = 輝度の最大値Lmax(偏光板平行)/輝度の最小値Lmin(直交) 従来法 : 従来顔料をビーズミル(ペイントコンディショナー) 60分分散 開発法 : 開発顔料を攪拌のみで分散 分散に必要なエネルギーを 大幅に低減 ◎性能 ◎分散エネルギー ◎表面処理微細化結果 表面処理微細化顔料 (H19年度 成果品) 表面処理微細化 微細化前顔料 大幅な微細化を 達成した(約10nm) 100nm 10nm 従来法 開発法 従来法 開発法 従来法 開発法 従来法 開発法 コントラストアップ率 [%] 100 191 100 129 100 124 100 205 分散粒径 [nm] 111 70 113 65 86 74 137 56

Red Green Blue Yellow

顔料の種類 微細化方法 ※ コントラスト = 輝度の最大値Lmax(偏光板平行)/輝度の最小値Lmin(直交) 従来法 : 従来顔料をビーズミル(ペイントコンディショナー) 60分分散 開発法 : 開発顔料を攪拌のみで分散 分散に必要なエネルギーを 大幅に低減 ◎性能 ◎分散エネルギー ◎表面処理微細化結果 表面処理微細化顔料 (H19年度 成果品) 表面処理微細化 微細化前顔料 大幅な微細化を 達成した(約10nm) 100nm 10nm 従来法 開発法 従来法 開発法 従来法 開発法 従来法 開発法 コントラストアップ率 [%] 100 191 100 129 100 124 100 205 分散粒径 [nm] 111 70 113 65 86 74 137 56

Red Green Blue Yellow

顔料の種類 微細化方法

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18 年度、19 年度で導入した高せん断型 微細ミル・分散装置、溶剤蒸発装置、小 型分散装置により、安定化添加剤を利用 した微細化と転相による分散体製造法の 新技術を開発した。 カラーフィルター用Blue15:6 顔料で は、微細化により一次粒子径で従来の 1/2(10 nm 以下)を達成した。また転相 法によって、易分散性が向上し、1/10 以 下のミリング時間で分散粒子径約65 nm 以下をGreen 顔料や Yellow 顔料で達成し、 従来の24 %~100 %以上のコントラスト 値も達成した。(図 11) さらに、微細有機顔料におけるゾル-ゲ ル処理で大幅な耐熱性の改善が認められ、 従来品以上に微細で高性能な顔料が得ら れた。(図 12) なお、顔料分散分野で使 用されるコントラスト値を可視化するコ ントラスト比画像記録システム(図 13)を 開発し、実用新案を出願した。 第3章 全体総括 1.研究開発成果 研究開発期間3 年で、ディスプレイの高効率化、高精細化等や有機太陽電池の高性能化 のために、構成部材である二色性色素、白色発光材料、増感色素などの機能性色素や結晶 性導電物質等の探索物質を液相自動合成装置により迅速合成する技術と機能評価を一体化 した合成基盤技術開発や新規な物理化学的手法による高性能なナノ分散顔料の超微細化基 盤技術開発を行った。 PVA 以外のポリマーに使用できる黄、赤、青色のアゾ系二色性色素をそれぞれ開発し、 最終目標値を 95 %以上達成した。さらに、ポリエステルを使用した偏光フィルムやスピ ンコート法で製膜できる偏光フィルムの作製にも成功し、現行のPVA 系偏光フィルムを上 回る性能も見出した。 白色発光色素の開発では、当初の開発の目安とした70~90%の蛍光量子収率を示す高効 率な蛍光色素は多数開発することができた。さらに、色素分散型高分子EL 素子(PLED) の白色発光素子で外部量子効率5%、発光輝度 10,000 cd/m2以上の目標物性達成をめざし 未処理 ゾル-ゲル処理 280℃*1hr 280℃*1hr ① 塗膜のヘイズ変化 ② 塗膜のマイクロスコープ撮影 加熱前後ヘイズ比 析出物 耐熱性 未処理 24.2 × × ゾル‐ゲル処理 1.6 未処理 ゾル-ゲル処理 280℃*1hr 280℃*1hr ① 塗膜のヘイズ変化 ② 塗膜のマイクロスコープ撮影 加熱前後ヘイズ比 析出物 耐熱性 未処理 24.2 × × ゾル‐ゲル処理 1.6 輝度計 LS-100:コニカミノルタ社製 (クローズアップレンズ) (自作アダプター) 偏光板 安定化電源 偏光板 デジタルカメラ COOLPIX P5100:ニコン製 ガラス塗板 (サンプル) (Siフォトダイオード) コンピュータ (ハーフミラー) 回転ステージ デジタル コントロール 白色光源 (蛍光体NEX) ⇒ 得られた画像はディスプレイ・印刷物の両方で比較する 輝度計 LS-100:コニカミノルタ社製 (クローズアップレンズ) (自作アダプター) 偏光板 安定化電源 偏光板 デジタルカメラ COOLPIX P5100:ニコン製 ガラス塗板 (サンプル) (Siフォトダイオード) コンピュータ (ハーフミラー) 回転ステージ デジタル コントロール 白色光源 (蛍光体NEX) ⇒ 得られた画像はディスプレイ・印刷物の両方で比較する 図 12 微細有機顔料におけるゾルーゲル処理の 耐熱性改善効果 図13 コントラスト値を可視化するコントラスト 比画像記録システム

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たが、外部量子効率は低いものの三色または二色で、発光輝度10,000 cd/m2以上の白色発 光素子の作製にも成功した。なお、赤色光の単色光ではあるが、5.3 %の外部量子効率を 示すものも開発した。外部量子効率の改善は、PLED を構成している発光材料以外のホー ル注入層、電子注入層、電極材料の最適化が必要である。 湿式型有機太陽電池における増感色素の開発では、変換効率 10 %以上を示す増感色素 の開発をめざしたが、1種類の増感色素単独で10%以上を示すセルは作製できなかった。 しかしながら、近赤外域で増感効果を示す色素で変換効率 0.4~2.9 %を達成することが できたことから、これまで既知の可視光域の増感色素(変換効率8.5 %)と組み合わせる ことで 10 %以上の変換効率を示すことが可能である。今後、目標達成には、タンデム型 セルなどのセル構造を最適化する必要がある。 薄膜型有機太陽電池用機能材料の開発では、光電変換波長域を拡大する結晶性導電物質 や近赤外域で色素増感する新規フラーレン誘導体を用いて、変換効率6 %以上の目標物性 達成をめざしたが、薄膜型太陽電池の変換効率は、そのセル作製法に大きく依存すること から、目標の変換効率には到達しなかった。しかしながら、700 nm 以上の近赤外域で 0.8% の変換効率を示すチオフェン誘導体も開発したことから、今後の発展が期待される。オリ ゴチオフェン系結晶性導電物質の最適化や増感領域の拡大のために共役系の導入したオリ ゴチオフェン系結晶性導電物質や近赤外吸収色素を分子末端に有するフラーレン誘導体も 開発した。 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発では、従来のビーズミル分散法に替わり、高せ ん断型微細化と分散を同時に行なう新規ソルトミリング法により、微細顔料製造法の省力 化と微細顔料の高性能化を実現した。目標値として、分散平均粒子径で50 nm 以下、ミリ ング時間を現状の 5 分の 1 以下の短縮、耐光性(⊿E<5、500h)、耐熱性(250℃)をめ ざし、分散平均粒子径で少し目標値を下回ったが、現行の青、緑、赤、黄色顔料の微粒子 顔料の物性を大きく改善し、概ね95 %の達成度に到達した。 2.今後の課題及び事業化展開 (1) 今後の課題 これまでの研究開発成果で、実用化間近なものや実用化に時間がかかるものもあるが、 引き続き現体制で補完研究を続けながら、それぞれの課題に対する問題の解決を図る。 二色性色素の開発では、グーレー色の偏光フィルムにおける 99%以上の偏光度を実現 する二色性色素の開発や偏光フィルムの工業的製造法の確立に向けた課題があり、フィ ルムメーカーの協力を得て事業化に向けた課題を解決する必要がある。 薄膜白色光源用発光色素の開発では、高輝度は達成されたものの寿命や外部量子効率 の改善や実用化の塗布方法の検討課題があり、補完研究を続けながら問題解決を図る一 方で、デバイス製造メーカーと新たに開発チームも結成して、デバイス製造上の技術的

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湿式型有機太陽電池における増感色素の開発では、700 nm 以上の波長域で増感効果が 見出されたが、可視光域の増感色素との共吸着では性能の低下が認められることから、 高効率なセルを得るためにはタンデム型の素子開発が必要で、セル構造の確立に向けた 課題を補完研究を続けながら解決する。目標の変換効率には到達しなかった薄膜型太陽 電池は、そのセル作製法に大きく依存することから、セルの最適化と 700 nm 以上の近 赤外波長域で分光感度を有する結晶性導電物質を引き続き補完研究を続けながら、解決 を図る。 高性能ナノ顔料の微細化基盤技術の開発では、分散エネルギー、コントラスト値、分 散平均粒子径は現行品を上回る性能まで到達したが、さらなる高性能化と実機での製造 法の確立に向けた課題を本コンソーシアムで解決を図る。 (2) 事業化計画 開発した偏光フィルム用二色性色素は、昭和化工で製造を行い、さらに偏光フィルム も含めた製造法の事業化を進める予定で、すでに偏光フィルムの製造法に関する特許申 請も行った。今後、サンプル提供の依頼があった車載用ディスプレイメーカーでの評価 を受け、実用化を進める。さらに、事業化の問題点を解決しながら、アドバイザーとし て参画している情報家電企業を通じて一般液晶ディスプレー用途へも事業化を展開して 行く。 開発した高効率な発光色素は、山田化学工業で製造を行い、本コンソーシアム協力メ ンバーを通じて、または山田化学工業の自社営業で発光素子製造各社に紹介・提供する。 これまで、サンプル提供した企業の評価結果で少量生産規模を決定し、薄膜白色光源を 製造販売する情報家電企業またはフィルム製造企業で白色光源用の色素分散型高分子 EL 素子の実用化を目指す。 開発した増感色素は、本コンソーシアム協力メンバーを通じて、または山田化学工業 の自社営業で太陽電池素子製造各社に紹介・提供する。すでに、サンプル提供の依頼が あった企業での評価結果を参考に、少量生産規模を決定し、セル製造企業である情報家 電企業で高効率な有機太陽電池の実用化を目指す。 開発した薄膜型有機太陽電池用の高結晶性導電材料はダイトーケミックスで製造を行 い、本コンソーシアム協力メンバーを通じて、またはダイトーケミックスの自社営業で セル製造各社に紹介・提供する。また、すでにサンプル提供の依頼を受けており、今後、 依頼元の電子機器製造企業での電池評価を参考に実用的な材料開発や電池セル構造の改 良をさらに進め、セル製造企業である情報家電企業や電子機器製造企業で高効率な薄膜 型有機太陽電池の実用化を目指す。 実機での高性能ナノ顔料およびその分散体の量産化技術を山陽色素で確立し、レジス ト製造企業、フィルム製造企業やアドバイザーとして参画している情報家電企業を通じ て一般液晶ディスプレー用途へ事業化を展開して行く。

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