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学位論文の要約 Reproducibility of the T-SPOT.TB test for screening Mycobacterium tuberculosis infection in Japan ( 日本で結核感染スクリーニング目的に施行された T-SPOT の再現性の検討 ) Sh

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Academic year: 2021

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学位論文の要約

Reproducibility of the T-SPOT.TB test for screening

Mycobacterium tuberculosis

infection in Japan

(日本で結核感染スクリーニング目的に施行された

T-SPOT の再現性の検討)

Shuhei Teranishi

寺西 周平

Department of Pulmonology, Yokohama City University

Graduate School of Medicine

横浜市立大学 大学院医学研究科

医科学専攻 呼吸器病学

Doctoral Supervisor : Takeshi Kaneko, Professor)

(指導教員:金子 猛 教授)

(2)

学位論文の要約

Reproducibility of the T-SPOT.TB test for screening

Mycobacterium tuberculosis

infection in Japan

(日本で結核感染スクリーニング目的に施行されたT-SPOT の再現性の検討) https://www.jiac-j.com/article/S1341-321X(19)30246-6/fulltext

1.序論

インターフェロンガンマ遊離試験(interferon-gamma release assay; IGRA)は,Bacille

Calmette–Guérin(BCG)ワクチンの接種が行われている国において,結核の感染診断法

として非常に有用である(Andersen et al., 2000).しかし近年,一般集団や医療従事者に 対しIGRA の反復検査を行った研究において,高い陽転化率と陰転化率が報告されており, IGRA の再現性に疑問が持たれている(Dorman et al., 2014; Joshi et al., 2014; Slater et al., 2013).

現在日本で市販されているIGRA には,クォンティフェロン🄬🄬 TB ゴールドプラス(QFT-Plus)と T-スポット🄬🄬 TB(T-SPOT)の 2 種類が存在するが,QFT は T-SPOT と比較し使 用開始時期が早く臨床現場で広く使用されていたことから,再現性に関する研究はQFT で 多く行われており,T-SPOT に関する研究は少ない.またこのような研究のほとんどは結核 低蔓延国で実施されており,日本のような結核中蔓延国からの報告は乏しい(Tagmouti et al., 2014).さらに T-SPOT の再現性に関する研究の多くは一般集団と医療従事者を対象と しており,実臨床の患者を対象とした報告はほとんど存在しない. 本研究は,結核中蔓延国である日本の実臨床の患者を対象とした T-SPOT の再現性の評 価を目的とした.また T-SPOT の結果は測定地域の結核発生率に影響を受けると考えられ ており,T-SPOT の再現性の評価を行うために T-SPOT の陽性率についても検証する必要 があると考えた.そのため,日本の横浜市に位置する 2 病院で結核スクリーニング目的に T-SPOT が測定された症例のデータを後ろ向きに収集し,T-SPOT の陽性率を検証した.ま たT-SPOT の反復検査が行われた症例を解析し,再現性について検証した. 2.実験材料と方法

(3)

2014 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日までに,日本の横浜市に位置する横浜市立大学 附属市民総合医療センターと横浜南共済病院の2 病院で T-SPOT が施行された患者を対象 とした.すでに活動性結核と診断されている患者は除外した.またT-SPOT の結果は陽性, 陰性,判定保留,判定不能に分類されるが,本研究の目的上判定保留と判定不能の症例は除 外した.2 病院の患者背景,T-SPOT の陽性率と陰性率について解析した.また T-SPOT の 再現性を検証するため,期間内にT-SPOT の反復検査を受けた症例を集積した.T-SPOT の 陰性から陽性への変化を陽転化,陽性から陰性への変化を陰転化と定義し,2 病院の陽転化 率と陰転化率について解析した. 3.結果 2 病院で計 3890 の T-SPOT テストが施行された.患者背景としては,横浜市立大学附属 市民総合医療センターでは横浜南共済病院と比較し,有意に年齢が若く(中央値/範囲 61/15-96 vs 71/15-100 P<0.0001),また男性が多かった(51.3% vs 41.4% P<0.0001). 基礎疾患は患者数が多い順に,横浜市立大学附属市民総合医療センターでは関節リウマチ (17.8%),潰瘍性大腸炎(10.0%),肺癌(8.6%),クローン病(6.7%)であり,横浜南共 済病院では関節リウマチ(28.0%),関節リウマチ以外の膠原病(11.8%),肺癌(8.8%)で あった.T-SPOT を施行した理由は 2 病院とも,生物学的製剤使用前の結核スクリーニング が最多であった.T-SPOT の陽性率と陰性率は,横浜市立大学附属市民総合医療センターで は9.0%と 86.8%,横浜南共済病院では 7.5%と 88.6%であり,2 病院間で有意差は認めなか った.また年齢ごとに区分したところ,2 病院とも 20~59 歳までの患者では陽性率は約 5% であったが,60 歳以上の年齢層では陽性率が著しく高くなった.これらの結果について, 2 病院間で有意差を認めなかった. 反復検査は横浜市立大学附属市民総合医療センターで189 例,横浜南共済病院で 184 例, 計373 例施行された.横浜市立大学附属市民総合医療センターでは初回陰性例が 177 例で, そのうち1 例(0.6%)が陽転化し,横浜南共済病院では初回陰性例が 172 例で,そのうち 3 例(1.7%)が陽転化した.また横浜市立大学附属市民総合医療センターでは初回陽性例が 12 例で,そのうち 2 例(16.2%)が陰転化し,横浜南共済病院では初回陽性例が 12 例で, そのうち1 例(8.3%)が陰転化した.2 病院をあわせた陽転化率と陰性化率はそれぞれ 1.1% と12.5%であり,初回陰性であった症例のうち,ほとんど全て(98.9%)の症例で反復検査 も陰性であった. 4.考察

(4)

結核低蔓延国で施行された IGRA の再現性に関する研究では,疫学的に予測された頻度 よりも頻繁に陽転化と陰転化が発生することが報告されている(陽転化率3.2~8.3%、陰転 化率38.7%~63.9%)(Dorman et al., 2014; Joshi et al., 2014; Slater et al., 2013).しか し近年米国で施行されたT-SPOT の再現性についての最大規模の研究では,陽転化率 0.8%, 陰転化率17.6%と以前の研究よりも低かった(King et al., 2015).本研究での T-SPOT の 陽転化率と陰転化率はそれぞれ1.1%と 12.5%であり,この結果と類似していた.これらの データは、結核中蔓延国である日本の病院において,T-SPOT は再現性良好な結核スクリー ニングツールであることを示している.結核中蔓延国ではHIV 感染者や免疫抑制剤による 治療を受けている等の免疫抑制患者の潜在性結核感染症(latent tuberculosis infection: LTBI)を治療することにより活動性結核のリスクを低減できると報告されている(Ai et al., 2016).よって結核スクリーニングは非常に重要であり,そのためのツールとして T-SPOT が有用であることが示唆された.

(5)

表1 T-SPOT の陽転化率 初回結果 反復検査の結果 陰性 陰性 (%) 陽転化 (%) 横浜市立大学付属 市民総合医療センター 177 176 (99.4) 1 (0.6) 横浜南共済病院 172 169 (98.3) 3 (1.7) 計 349 345 (98.9) 4 (1.1) T-SPOT の陰性から陽性への変化を陽転化と定義した. 表2 T-SPOT の陰転化率 初回結果 反復検査の結果 陽性 陽性 (%) 陰転化 (%) 横浜市立大学付属 市民総合医療センター 12 10 (83.8) 2 (17.0) 横浜南共済病院 12 11 (91.7) 1 (8.3) 計 24 21 (87.5) 3 (12.5) T-SPOT の陽性から陰性への変化を陰転化と定義した.

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引用文献

Ai JW, Ruan QL, Liu QH, Zhang WH. (2016) Updates on the risk factors for latent tuberculosis reactivation and their managements. Emerging microbes & infections. doi: 10.1038/emi.2016.10.

Andersen P, Andersen AB, Sørensen AL, Nagai S. (1995) Recall of long-lived immunity to Mycobacterium tuberculosis infection in mice. J Immunol. 154, 3359-3372.

Dorman SE, Belknap R, Graviss EA, Reves R, Schluger N, Weinfurter P. (2014) Interferon-gamma release assays and tuberculin skin testing for diagnosis of latent tuberculosis infection in healthcare workers in the United States. Am J Respir Crit Care Med. 189, 77–87.

Joshi M, Monson TP, Joshi A, Woods GL. (2014) IFN-γ release assay conversions and reversions. Challenges with serial testing in U.S. Health care workers. Ann Am Thoracic Soc. 11, 296–302.

King TC, Upfal M, Gottlieb A, Adamo P, Bernacki E, Kadlecek CP, Jones JG, Humphrey-Carothers F, Rielly AF, Drewry P, Murray K, DeWitt M, Matsubara J, O'Dea L, Balser J, Wrighton-Smith P. (2015) T-spot.TB interferon-γ release assay performance in healthcare worker screening at nineteen U.S. Hospitals. Am J Respir Crit Care Med. 192, 367–73.

Slater M, Welland G, Pai M, Parsonnet J, Banaei N. (2013) Challenges with QuantiFERON-TB Gold Assay for large-scale, routine screening of U.S. Healthcare workers. Am J Respir Crit Care Med. 188, 1005–10.

Tagmouti S, Slater M, Benedetti A, Kik SV, Banaei N, Cattamanchi A. (2014) Reproducibility of interferon gamma (IFN-γ) release assays. A systematic review. Ann

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論文目録 Ⅰ 主論文

Reproducibility of the T-SPOT.TB test for screening Mycobacterium tuberculosis infection in Japan

Teranishi, S. , Kobayashi, N. , Aoki, A. , Katakura, S. , Yamamoto, M. , Koizumi, H. , Kudo, M. , Kaneko, T.

Journal of Infection and Chemotherapy, 2019, doi: 10.1016/j.jiac.2019.08.006. Ⅱ 副論文

なし Ⅲ 参考論文 なし

表 1  T-SPOT の陽転化率 初回結果 反復検査の結果 陰性 陰性 (%)  陽転化 (%)  横浜市立大学付属 市民総合医療センター 177  176 (99.4)  1 (0.6)  横浜南共済病院 172  169 (98.3)  3 (1.7)  計 349  345 (98.9)  4 (1.1)  T-SPOT の陰性から陽性への変化を陽転化と定義した. 表 2 T-SPOT の陰転化率 初回結果 反復検査の結果 陽性 陽性 (%)  陰転化 (%)  横浜市立大学付属 市民総合医療センタ

参照

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