Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
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さ ん
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形
・
色
そ し て
空
間
Form
,
Color
andSpace
in Ms.
Kv6ta Pacovska ’sWork
杉田 豊 絵 本作 家
SUGITA
YutakaPicture Book Artist
安 曇野ちひ ろ美 術 館オ
ー
プニ ングの 日、
ク ヴィ エ タ・
パツ ォウスカー
さ ん に再会し た。
美 術 館の建 物 周 辺 に彼 女のオブジェ や造 形 作 品が見られ、
触 れ ら れる の は空 間 構成 と し て 楽 しいが、
当 目、
本 人にお 会い で き たの は大変 嬉し い こと だっ た。
私は パツォ ウ スカー
さん の フ ァ ンで あ る。
以 前東 京でお会い し た折りの話を し た が、
差し ヒげた私の描い た大 阪 国 際児童 文 学 館の テ レ フ ォ ンカー
ドの こ と を 言わ れた の には恐 縮し、
透 明な 眼 差し の 中に温か さ を感じ た。
同時に、
端 麗な容 姿に秘め たエネ ルギッ シュ な造形 姿 勢も伝わっ てき たの で あ る。
『福
m
繁 雄の ポス ター
一・
視 覚の遊 気』 展で、
福 出繁 雄さ ん が 「同じ ジェ ネ レー
シ ョ ンの人達の活 動が、
作 品 を 生 んでき たの です」 と述べ られ たの を印 象深 く聞いたが、
私 達の 造 形 活 動 は直 接、
間接 的に同時 代、
同1
凵:代の人 々 に影 響さ れ、
住んで い る 大 陸、
国 々は異 なっ て いて も共 通す る ような 思考があ る と 思う。
表現 は そ れぞれ 個 性の あ る技 法だが、
臼然 と 共 通 言 語で会 話で き る の か も知 れ ない。
デでッ ク・
ブルー
ナ、
エ リッ ク・
カー
ル、
モー
リス・
センダッ ク、
そ して クヴィ エ タ・
パ ツ ォウスカー
さ ん と私は 同 世 代であ る。
かつ て、
先輩 格の レオ・
レオニ さ ん の 『あ お く んときい ろちゃん』が気に なっ て 仕 様 が 無かっ た。
グラ フ でック・
デ ザイナー
の私が絵 本づ く り に か か わっ てか ら、
最 初に種f
撃を受け た作 品で ある。 後 年、
絵 木 表現 で同様 の感 銘を 受 け たのがバ ツ ォウスカー
さ んの絵 本で あっ た。 そ れ は私の 絵 本 表 現の 可能 性へ の 予 感を、
見事に描 きだしたも のだ か らである。
形、
色 彩、
空間 表現の ど れを とって も すべ て納 得できて しまう も の。
レオ・
レオニ さ んの 場 合は、
背景 に 存 在 す る 哲学、
厳 密に感 覚 的に計算 され たシ ンプルな構成 に、
デザイ ンと アー
トの合体 を 見 たので あ るが、
パ ツ ォ ウ スカー
さんの 作 品には 加えて、
n
由 奔 放 な 発 想、
形の流 動 的な変 化と 大 胆 な色彩の乱 舞、
二 次 元の 構 成がある。
ユー
モ ア と 人 間 性の あ る優し さ が、
全 体 を 包含して いるの も特 徴 と言え よ う。
私は大 学で構 成 学を学ん だ。
1950
年頃、
恩 師 がバ ウハ ウスのデ
ザイン教育 に 示唆さ れ、
改 善を加えた カ リ キニー ラ ム を基に指 導さ れたの であ る。
従 っ て、
他 大 学生 よ り常にバ ウハ ウスや カ ンデ f ン スキー、
モ ホ リ=
ナギー
の理論、
ク レー
の芸 術 性 を 聞 き 及 ん で い た と思う。
私自身も中学 生rl
寺代の ゴッホ、
ゴー
ギャ ン、
モジリ アニ か ら、
次 第に傾 倒の度 合いが ク レー
に移 行して いた。
次い でモ ダンアー
トに接し、
具 象か ら 抽 象へ と変わっ てき た。
松 本 猛さ んの文 章 に よ る と、
パ ツ ォ ウスカー
さ ん も バ ウハ ウスに 興 味 を持ち、
カンデ でン スキー
や ク レー
にも関心 が あっ た と あ る が、
うな ず ける ことである。
デザインも学 んだ と か、
違い は あろ うが 造 形 思考の根 底に共 通の 流れが ある と勝 手に解 釈してい る。
故 に 彼女の つ く りだ す造形、
絵 本のIH
:界に単に魅r
されるだ けで は な く、
臼己流の 論 証が得られたと信じて し ま う。
造 形と は
、
形や色や質感 な ど 全部を含めて受け」.
L
め る もの で あ る がパ ツォ ウスカー
さ んの形 体は前 述 し た よ うに全く自 由な発 想と展 開を持っ てい る。
テ レビ で 山 田洋次 さ ん も 言 わ れて いた が、
「刺 激さ れ ま す。
自由に発 想の転 換を し な さいと言っ ている よ う です」と。
そ れ は ア イデアと 言 え る か も知 れ ないが、
人 と違う ものが生まれ、
画面を有 機 的な構成 にする。
点、
線、
画と色 彩、
バ ッ クの 用 紙 な ども色 面と し て の 価 値 をも ち、
白 地が に」色に なる。
シュ パ ヌ ン グ (緊張 感) が 生 ま れ、
画面一
杯の 描画 が、
遂に画 Loiよ り外へ 外へ と、
大き な 空悶をつ く る。
大 変 巧 妙 な構 図 に な るの で あ る。
NHK の アナ ウンサー
の人 が、
い わ さ き ちひろ さ んの 淡い色 彩の美し さを表すの に1
毒々 しい 色では ない…
」 と言っ て いた が、
毒々 し い 色と は よ く分か ら な い が、
多分下 品 な 色 ど りの こと と 思 うn しか し、
色を上品、
下 品と 区別す るの も あ や しい。
通 常 は、
補 色 対 比 (赤と緑な ど) な どの分]E SPECIへL ISSUL r)F
ISSD
Vol 1〔l No32 〔1〔B デ ザイン学研 究特集 号
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量の 問 題 で 人々 は定 義づ け るの では な いだろ う か
。
こ の危 険にも なる強い赤と 緑、
茶色 と 黒、
そ し て黄 色 と青の 彩 度の高い色 調を パツ ォウスカー
さんは駆 使 する。
小気 味よ く大胆 に着彩 す るの で あ る。
や や も す る と難しい 組み 合わせを白 地 (自 色 )を効果的 に使いな が ら赤 を 強調す る。
色 と しては強いが、
不 思議とやわら か く見え る。
正 に色彩の魔 術師である。
そ し て、1
しか け」 の面 白 さ も たっぷ りの 『ふ し ぎ な かず』 の絵 本。
彼 女 独 特な ピエ ロ の 登場。
白地の 美し さ、
流麗 な線描 きの3
の数字が流れ た と思う と、
穴と して抜けた1
ピエ ロがL山が る。
鳥の く ちばしの ピエ ロ、
月 に、
女の子に、
お じ さん に、
誰かな?大 き な手になり数字が 飛び、
歌 う(図
3
・
4
参 照 )。
彼女 は[由面 の 整 理 がE
手い。 たく さ んの 数 字の形 か ら生 ま れ る新し い形の 数々。
カバの ような 大 き な 人の デ フ ォル メも白然 な出 現になる。
赤 色の べ 夕 (印 刷で 網 点のない 100 %の着 彩) とブラ シの 砂口、
筆の塗り あ との分かる緑 色の質 感の面と、
輪 郭 線の合 成は素 情ら しい。
彼 女 は カ リ グラ ファー
(書 家)であ り、
タ イポグ ラフ ィ ック・
ア.
一
テ でス ト (活 字 を 使っ た 印 刷 技 術の 表 現)で も ある こと を特 筆し たい.
文 字 の集 合が絵にな り、
語 っ て く るの で あ る。
これ も グ ラ フ ィッ ク・
デザ イン思 考が基盤にある と言え よ う。
ま たグラフ ィッ ク・
アー
チス トだ け で は な く、
造 形 作 家と しての 幅 広さも合わせ もつ マ ル チ・
アー
チス トで あ る パ ツ ォウス カー
さ んの紙に よるペー
パー ・
スカル プチ ャー
の 作品が、
今圓の展 示で 見 られるの も嬉しい。
臼由に切っ て、
曲 げて、
色をつ け て 立体 にな り、
小 さ な空 間がで きる。
こ の 空間 はどん ど ん 大き く な り、
プレ イ・
スカ ル プ チャー
に も発 展す る よ うだ。 「きみ と 緒 にあ そぼうよ11
と言 わ れ、
見 る 子 ど も も 大 人 も・
体 化する。
独 特な空 気の 中に彼 女の 笑顔も見え る。
松本由 理子さ ん が書か れ たパ ツ ォウスカー
さ んの 声。
「子ども は大人 よ り、
抽 象的 な もの、
数学 的な も の を、
よ く 理解するよ う な気が します.
絵を は じ め、
素晴ら しい もの が こ の世に存 在し、
また、
人々 が そ れ ら を愛 する力を抽ち続け ることです」 こ の 言 葉 も 我が意を 得 た りの感が あ る。
私 は ま た安 曇 野ちひ ろ美 術館へ行き、
パ ツォウ スカ一
さんの造形作品 に触れ、
,
浮H
して く る 独 白の シチュ エー
ショ ン の中に人りたい と願っ て いるの であ る。
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廷
U 図1 安 曇 野 ちひ ろ 公 園 の 石 の オブジェの 間 に 腰 を お ろ す バ ツォ ウ スカー
e 鏡を 貼った 断 面 に は、
雲 や 美 術 館 の 建 物 な ど周 りの ものも 写 り込 み、
作品 と一
体に な る.
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図2 来 館 者 で に ぎ わ うパ ツォ ウスカー
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図3 絵 本 rふ し ぎ な か ず』よ り 図4 絵 本 『ふ しぎな か ず』よ り 1990年 1990年 ちひ ろ美 術 館通信No.
115
(1997.
7.
17発 行 )よ り転 載テザイン学 研 究 特 集 弓 SPI