5分 娩 期 の 助 産 診 断 の一 考 察
― 習 初期 の実 施結 果 よ り指導 方 法 を考 え る ― 同愛記念病院付属助産学科常盤 洋子 久米美代子 は じめ に:分 娩 介 助 の実 践 場 面 で は正 常 と異 常 の 境 界 線 で 科 学 的 判 断 を 瞬 時 に行 な うこと が要 求 さ れ る。 しか も助 産婦 に は 一 瞬一 瞬母 児 の 生 命 の 重 さ に対 す る責 任 が か け ら れるか ら助 産 婦 学 生 で あ っ て も失 敗 は 許 さ れ ない。 した が って 分 娩 介 助 の 実 習 で は 安 全 ・安楽 を 考 慮 して 産 婦 が 望 む お産 が援 助 で き る よ うに 科 学 的 な 助 産 診 断 を根 拠 に した 介 助 計 画 がつ くら れ 、 そ れ に 基 づ い た実 践 が期 待 さ れる。 しか し当 校 の 分 娩 介 助 実 習到 達 度 状 況 の分 析 で は 助 産 診 断 に 関 す る到 達 度 は 低 い と い う結 果 を 得 て い る1)。 そ れ は理 論 と実 践 の 統合 の 弱 さ を意 味 して お り、 そ の よ うな 学 習 上 の問 題 を 解 決 す るに は助 産 診 断 の考 え 方 と助産 診 断 の構 成 要 素 を講 義 と実 習 を通 して ど う教 え る か が鍵 を 握 る と考 え る 。 そ こで す べ ての行 動 目 標 に 対 して きめ 細 か な指 導 を 必 要 とす る 1∼4例 目の 分 娩 介 助 実 習 に お け る助 産診 断 の結 果 か ら指 導 方 法 の工 夫 を 検 討 し た 。 実 習 展 開 に 《分 娩 期 の助 産 診 断 の 到 達 目標 》 (1)産 婦 の 望 む お 産 に対 す る 問題 を正 しく把 握 して 診 断 ・介 助 計 画 を作 成 す る ため の問診 と診 察 の 技 術 を習 得 す る 。12)予 測 性 を もっ て 科 学 的 根 拠 に も とつ い た介 助 を 実 施 する た め に 産 婦 の 健 康 と分 娩 進 行状 態 を診 断 し、記 述 す る能 力 を身 に つ け る 。(3)助 産 過 程 にお い て 望 ま し い人 間 関 係 を つ くる た め に必要 な 基 本 的 態 度 を身 に つ け る 。 《実 習 目標 》(1) 問 診 ・外 診 ・内 診 が で き 、 所 見 を述 べ る こと が で き る。 衙 情 報 源 を 活 用 し必 要 な 情報 を 収 集 す る こ とが で き る 。(3)分 娩 陣 痛 開始 の 診 断 が で き る 。(4)有 効 陣 痛 、児 通 過 、軟産 道 開 大 状 態 の 診 断 が で き る 。(5)胎 位 、胎 向、 先 進 部 下 降 度 、児 の 健 康 状 態 の 診 断 が で きる。 樹 産 婦 の 健 康 状 態 を 診 断 す る こ とが で きる。 け1産婦 の心 理 を把 握 し て産 婦 の 望 む お産 に 向 け て障 害 が あ る か ど う か診 断 す る こ とがで き る 。(8)助 産 過 程 をふ り返 っ て 自分 の助 産 の あ り方 と助 産 婦 像 を 考 察 す る こ とが で き る. *実 習 初 期 の段 階 で はす べ て指 導 者 の 援助 を 得 て で きる 段 階 を 目標 と す る 。 《実 習 内容 と 方 法 》 分 娩 入 院 か ら受 持 ち 、 分 娩 終 了8時 間 ま で の 助 産 過 程 の す べ て を指 導 者 の 援 助 を得 て 展 開 す る 。実 習 終 了後 は 助 産 過 程 を ふ り返 り、学 習 課 題 を見 い だ す 。 《指導 方 法》 個別 指導 を原 則 と し、学 生 の問 題解 決 思考 過 程 を確認 しなが ら技 術 を援 助す る。実 習終 了後 に学生 個別 にカ ン フ ァレンス を持 ち助産 過 程 のふ り返 りを基 に して学 習 上 の 問題点 を明 確 に し、学習 方法 の工 夫 の しか たを方 向づ ける。 また、実 施 、評価 を繰 り返 す 中で 、理 想 の助 産婦 像 を構 築 さ せ る。 研究 目的:実 習初 期の 分娩 介助 実習 にお ける 助産 診 断 、介助 計画 の立 案 が実 際 にで きな い 理 由か ら学 習上 の 問題点 を抽 出 し、そ れ を理 論 と実践 の統 合 を強化 する学 習指 導 方法 の工 夫 の参考 にす る。 研究 方法:《 対 象 と期 間》1996∼1991年 度 の 助産婦 学 生32名 と学 生 が分娩 介助 した128例 。 《方 法 》分娩 介 助1∼4例 終 了時 点 で質 問紙 を用 い て調査 した 。質問 紙 は①分 娩進 行 状態 に ど こまで つ いて いけ るか 、②産 婦 の健 康 と 分娩 進行 状態 の判断 状況 ③補 修 の必要 な学習 内容 の3つ の視 点 か ら学 習状 況 を と らえる 目 的 で 自記 式 ア ンケ ー ト(① 助 産診 断 に要 した 時 間② 予 測時 間 と結果 の ずれ ③教 えて欲 しい 内容)と した。 また分娩 介助 総括 か ら助 産診 断作 成時 困 った こ と、学 習課 題 を引 き出 し助 産診 断 がで きない理 由 を検討 した。 《助 産診 断 とは 》産 婦 の潜在 的 また は現 に変 化 して い る分娩進 行 状態 につ い ての記 述 で あ り、そ れ はアセ ス メ ン トか ら引 き出 され た もの で あ り、 介助 を必 要 とす る もの であ る。 結果 と考察:《 助産 診 断学 習状 況 》入院 時 診 断 か ら分娩 室入 室 までの間 に助 産診 断 に要 し た時聞 は1例 目 は162分 、2例 目は108分 、3 例 目は90分 、4例 目は58分 で 、1例 目は約 半 数 、1・3例 目 は3分 の1の 学 生 が実 習終 了 後 にふ り返 り学 習 とな り、理 由 と しては分 娩 経 過 につ い てい け ない こ とをあ げて い た。4 例 目は全 員 が分 娩 にな る前 に立案 して いた 。 分娩 予測 時 間 と結果 の誤 差 を見 る と平均 時 間 は1例 目137分 、2例 目60分 、3例 目35分 、 4例 目24分 で あ った。 分娩 室入 室 の時期 は分 娩 にな る1時 間前 を 目標 とす るか ら 、3∼4 例 目位 か ら分 娩現 象 の変化 を診 る力 がつ いて きて予 測性 を持 って 分娩 進行状 態 を判 断 す る ことが で きる よ うにな る、 と考 え る。 助 産診 断 につ い て教 えて欲 しい内容 は表1 に示 す通 り10項 目に分 類 する ことが で き、 ―36―ア セ ス メ ン トデ ー タの 収 集 と ア セ スメ ン トの 仕 方 に 関 す る 内 容 が 殆 ど で あ る 。 つ ま り1∼ 3例 目 ま で に ア セ ス メ ン ト能 力 を 強 化 する こ とが 要 領 よ く助 産 診 断 が で き る よ うに な る実 践 力 を 高 め る こ と を示 唆 して い る とい え る。 表1助 産 診 断 で教 え て欲 しい 内 容:複 数 回答 《助 産 診 断 が で き な い理 由 》 分 娩 介 助 総 括 に記 載 さ れ て い る助 産 診断 作 成 上 困 難 だ った 内容 の 総 記 述 数 は い8で 、 内 容 は5つ の項 目(表2)に 分 類 す る こ とが で き た 。学 習 課 題 の 記 述 数 は表3に 示 し た。 表2助 産 診 断作 成 上 ぶ つ か っ た 困 難 の 内容 表3学 習 困 難 の解 決 策 と し た学 習 課 題 表2に 示 した項 目 の 内 容 と学 習 課 題 の 内容 を 合 わ せ て助 産 診 断 が で き な い理 由 を 検討 す る と 、1例 目 で は 分 娩 進 行 につ い て い けな い、 診 査 項 目が 系 統 的 に 出 て こ な い 、 内 診 ・外 診 で と ら え た 現 象 を ど う解 釈 した らい いの かわ か らな い等 ア セ ス メ ン トデ ー タ の 収 集 に 関す る知 識 と技 術 に 問 題 を感 じ、学 習 課 題 と して 分 娩 の生 理 と診 査 技 術 に 関す る 内 容 を多 くあ げ て い る(36;76%)。2例 目 で は3要 素 と 全 身 状 態 を 総 合 して 判 断 す る こ とが で きな い、 助 産 診 断 が う ま く表 現 で き な い な ど ア セス メ ン トと そ こか ら助 産 診 断 を 引 き 出 す 思 考 過程 に困 難 を 感 じて い る 。 そ れ に 対 し学 習 課 題 は 因子 分析 の根拠 、3要 素 の進 行 を障 害す る因 子 な どアセ スメ ン トに 関す る内容 が殆 どで あ る(28:80%)。3例 目で はマイ ナス因子 か ら助 産診 断 を引 き出せ ない 、す ぐに具対策 が 浮 かば ない な ど因 子分析 は して も介 助 を必要 とす る 問題 をア セスメ ン トか ら引 き出 して表 現 す る ことがで きて いな い。学習 課題の 主 な 内容 は 具体 的援助 の産科 学的 根拠 につ いて で あ る(25:70%)。4例 目では診 断か ら介 助 計画 をす ぐに引 き出せ ない 、一般 的なケ アー しか浮 か ばな い、マイ ナ ス因子が な い場 合 の 助 産診 断 が分か らな いな ど、産婦 がお かれ て いる状 況 に対応 したケアー の展開 が できな い こ とに苦 しん でい る。 また胎児切 迫仮死 、胎 盤 機能 不全 な ど異 常徴 候 にっ いての勉強 不足 を挙 げて いる 。学 習課 題 と して個 別性 を考 え た援 助 の工 夫 とそ の根 拠 に関す る内容 の記述 が2/3(20:60%)を 占め 、合 併症 や異常 徴候 発生 時の診 断 の根 拠 に関 する内容 が1/ 3(10:30%)見 られ た。 以 上 の結果 か ら4例 目で アセス メ ン トか ら 助 産 診断 を引 き出 し表 現 する こ とはで きる よ うにな って いる。 しか し生理 的、心 理的側 面 を重 視 した助 産診断 にな って お り、産婦 の満 足 を考慮 した助産診 断が で きる ようにな る に は5例 目以降 の学 習に期 待 がか けられ る。 ま た助 産 診断 がで きない理 由 は以下5つ の 内容 にま とめ る ことがで きる。① 分娩生 理 、分娩 機 転 につ いての知 識 を分 娩経 過 に対応 させ て 理 解 して いな いため に時 々刻 々変 化す る分娩 現 象 につ いてい けな い。②3要 素 に関 す る分 娩 現象 を五 感で とらえる こ とが で きないな ど 診 査技 術 が未熟 。③情 報収 集源 か ら短 時間 に アセ スメ ン トデ ー タを収集 して整 理 し、 アセ スメ ン トす る ことがで きない 。④ 分娩 の臨 床 経 過 に対 応 して3要 素 の異 常 を理解 して いな い ため正 常か異 常 の判断 をす る ことがで きな い 。⑤ い ろいろな事 例 の分娩 の変化 に対 す る ケ アー の実際 を知 らな い。 《学 習指導 方 法 の 検討 》 以上 の結果 は助産 診断 の理論 と実 践 を 統合 す る指導方 法 の工夫 の必 要性 を示唆 して いる。 講義 では問 題立脚 型 の展開 が望 まれ 、 実習 で は1∼3例 目 を 目標 に診断 技術 と判 断 力 を強 化 する こ とが大 切で ある 、 と考 え る。 ま とめ:助 産診断 の学 習で は分娩 経過 の状 況 を とらえ産 婦の望 む お産 に向 けて介助 を必 要 とす る障害 は何 か を整 理 しきれな い ことが学 習 上 の問題 の中 核に な ってお り、 その部 分 に 指 導 の創意 工夫 が必要 であ る ことが分 か った、 1)助産婦学校における5年間の分娩介助実習の実施結果、看護教育、30(13) ―37―
6臨 床実務経験に対す る助産婦学生の主観的評価
金沢大学医療技術短 期大学部助産学専攻. 島田啓子,坂井明美,田淵紀子 1.は じめ に 助 産 婦 教 育 で は技 能 習 得 の 達 成 目標 を「半 熟 達 」 と して い る が、 新 卒 助 産 婦 の就 業 時 の不 安 に 加 え て 、 雇 用 側 の期 特 す る実 務 能 力 に沿 いに く い 等 か ら卒 後 教 育 の 必 要 性 が提 言 さ れ て久 しい 。 こ う した教 育 と臨 床 との ギ ャ ップ か ら生 じる 問 題 や 自立 した看 護 職 の 養 成 に向 けてG1。ria, Marionは 臨 床(実 務)経 験 をも たせ て解 決 を図 り、 そ の 経 験 の有 効 性 を述 べ た 。 現 在 、 当専 攻 科 の 助 産 婦 志 望 者 に は 、 看 護 婦 と して 就 業 した 後 に入 学 して くる者 や助 産 学 修 了後 に産 婦 人 科 以 外 の診 療 科 で 実 務 に 就 い た 後 、 産 科 で 助 産 婦 業 務 に就 く者 も あ る 。 そ こで ①看 護 婦 と して の 臨 床 実 務 経 験 が 助 産 学 を学 ぶ 上 で 、 学 生 に どの よ う に評 価 さ れ て い る か、 ②卒 後 、 助 産 婦 と して 就 業す る際 の 実 務 経 験 を持 っ こ と を ど の よ う に考 え て い る か を探 る こ と を 目的 と し、 今 後 の 教 育 計 画 並 び に就 職 指 導 に資 す る為 に調 査 を行 っ た 。 H.用 語 の 定 義 臨 床 実 務 経 験 とは 助 産 婦 業 務 に就 業 す る以 前 に看 護 婦 と して 臨床 実 務 に就 く(ま た は就 い た) こ と を指 す 。 有 用 性 とは 臨 床 実 務 経 験 につ い て 、 そ の 人 が 役 立 っ(又 は役 立 っ た)と 意 識 さ れ て 受 け取 ら れ る こ と を指 す 。 III.対 象 と方 法 S56-58年 度 の助 産 婦 学 生64人 を対 象 に 、 各 年 度 の後 期 学 期 終 了 時 に無 記 名,自 記 式 質 問 紙 の 調 査 を 行 っ た 。 有 効 回答 数 は55人(85.9%で 調 査 項 目は 〔臨 床 実 務 経 験 の 有 無,そ の所 属 診 療 科 と経 験 年 数,経 験 の 有 用 性 とそ の 内 容,助 産 婦 に就 業 す る前 の 臨 床 実 務 経 験 の 有 用 性 と理 由,希 望 診 療 科 と年 数 〕 等 を選 択 式 ヂー部 自 由 記 述 で 回 答 を得 た 。 IV.結 果 及 び 考 察 1)対 象 者 の 属 性(表1) 臨 床 実 務 経 験 の有 る学 生 は17人(30.9%)で 、 内 科 系 が10人 で 一 番 多 く、 次 い で 外 科 系 が6人 で あ っ た 。 ま た2-3箇 所 の 診 療 科 を複 数 経 験 して い る 者 は6人(35%)で 、 経 験 年 数 は 最 短1年 か ら最 長9 年 ま で 、 最 頻 値 は1年(6人)で あ っ た 。 表1 対 象 者 の 属 性 学 生(55人) *(複 数 回 答) 2)臨 床 実 務 経 験 に対 す る評 価 〔図1) 実 務 経 験 の 有 る学 生 の うち 、r役 立 っ た 」 と受 け止 めて い る者 は14人(82.4%)で 大 多 数 を 占 め た 。 役 立 っ た 内 容 は 「内 科 勤 務 を した こ と か ら合 併 症 を も っ 妊 産 婦 の検 査 処 置 、 看 護 がす ぐ理 解 で き 行 動 しや す か っ た 。 実 習 場 所 で 診 療 の流 れ が 理 解 で き 予 想 が つ い た 。 術 後 の 観 察 や 処 置 が理 解 しやす か っ た 。 人 間 関 係 で 鍛 え られ た 。 実 習 にす ぐ慣 れ た 」等 で あ っ た 。 3)助 産 婦 に就 業 す る前 の 臨 床 実 務 経 験 に つ い て r絶 対 必 要 」と 回 答 した 者 は 、経験 の有 る学生 3人(17。6%)に 対 して 、 経 験 の 無 い 学 生13人(34.2 %) で あ っ た 。 「どち らか と い え ば 必 要 」と した 者 は 経 験 の 有 る 学 生13人(76.5%),経 験 の 無 い学 生 は24人(63.2 紛 で あ っ た 。 そ の 理 由 は 「疾 患 の病 態 が 理 解 しや す く妊 産 褥 婦 の管 理 や 患 者 へ の 対 応 に役 立 っ 。 体 験 した 知 識 や 技 術 等 が 活 用 で き 、 助 産 婦 業 務 が ス ム ー ズ に で き る 。産 科 以 外 の 診 療 形 態 や 看 護 機 能 を経 験 して お く と助 産 婦 業 務 に応 用 が で き る」等 が上 げ られ た 。(経 験 有 る無 しの 学 生 に共 通) 経 験 の有 無 別 に見 る と 、経 験 の 有 る 学 生 で は 「助 産 学 を学 ぶ 過 程 で 実 務 経 験 を振 り返 り、看 護 婦 と助 産 婦 の役 割 の相 違 や 自 己 の 助 産 婦 像 を考 え る こ と が で き た 」(1名)で あ っ た 。 ―38―経 験 の無 い 学 生 で は 「実 務 経 験 を も っ た ほ う が 妊 産 婦 の 、特 に合 併 症 をも っ 対 象 を理 解 しや す い。 分 娩 経 過 中 の 急 変 や 異 常 時 、 特 に帝 切 、 仮 死 、 シ ョ ツ ク等 の 発 見 や 繁 急 処 置 時 の不 安 が少 な い 。(学 生)自 身 が 混 合 病 棟 へ 就 職 予 定 の 為 、 産 科 以 外 の 実 務 経 験 も して お き たい 」で あ っ た 。 即 ち 、 学 生 に と っ て そ の経 験 は有 用 で 、 活 用 で き た とす る者 が 大 多 数 で あ っ た 。 ・ま た 経 験 の有 る学 生 は助 産 学 を学 ぶ 過 程 で 体 験 した 事 柄 を比 較 しな が ら学 び や す い こ と.加 え て 実 習 面 で は そ の 環 境 に 傾 応 しや す い と推 察 され た 。 一 方 、経 験 の無 い学生 で は実 習中 の処置 、技 術 行 動 面 で の 不 安 が大 き い と推 察 さ れ た. こ の こ とは 経 験 の あ る学 生 と一 緒 に学 ぶ 環 境 の中 で 、 経 験 に よ る 技 術 、 行 動 面 で の 差 と い う 潜 在 的 な 影 饗 を与 え て い る可 能 性 も 考 え られ る 。 4)臨 床 実 務 経 験 を有 用 で あ る と した 者 が墓 む 診 療 科 と経 験 年 数 一(複 数 回 答) 経 験 した い 診 療 科 は 学 生53人 の うち 、外 科 系 .69人(手 術 室36人 を含 む)、 内科 系35人 、 小 児 科 34人 、 と多 く、 外 科 系(手 術 室 含 む)へ の期 待 が 多 数 で あ っ た 。 これ は助 産 婦 に求 め られ る実 務 能 力 に外 科 的 要 素 の比 重 が大 き い と学 生 が 受 け止 め て い る こ と を示 唆す るも の で あ ろ う 。 全 国助 産 婦 教 育 協 議 会 に よ れ ば(S60調 査)、 助 産 学 修 了 直 後 の 助 産 婦 業 務 遂 行 に お い て、 最 も多 く困 っ た事 の 第1位 は技 術 の 未 熟 さ と経 験 不 足 、 そ して 基 礎 技 術 の 応 用 力 不 足 で あ る と 報 告 さ れ た 。 同様 に 看 護 基 礎 教 育 で も 、 高 間 は技 術 訓 練 の 有 効 性 に つ いて.見 学,演 習 等 で は 保 障 で き な い と述 べ て い る 。 実 地 に 望 む 学 生 の 知 識 、 技 術 の不 安 が 大 き い こ と は多 数 報 告 され て きて い る が、 高 橋 ら は そ の 緊 張 どス ト レス が 学 生 の持 て る能 力 を発 揮 で きず に 自 身 の 喪 失 を招 きや す い と指 摘 した 。 こ う した 基 礎 教 育 の 段 階 か らの技 術 習 得 の 不 安 や 困 難 さ も.新 卒 助 産 婦 の 技 能 に対 す る 不 安 の潜 在 的 影 響 と して 無 視 で き な い 。 以 上 の 調 査 結 果 は あ く まで 主 観 的 評 価 か ら 得 られ た 臨 床 実 務 経 験 の有 用 性 で あ り、経 験 を 持 つ こ と の 時 聞 的.観 念 的 疑 問 も含 め て 、 必 ず しも プ ラ ス に 影 響 す る と は断 言 で き な い。 しか し、今 回 の調 査 で 実 務 経 験 に対 す る期 待 が大 き い こ とか ら今 後 、 助 産 婦 と して の 臨 床 実 務 能 力 を卒 後 研 修 で 補 強 され る必 要 性 が 示 唆 さ れ た 。